(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-08
(45)【発行日】2025-07-16
(54)【発明の名称】石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置
(51)【国際特許分類】
F16L 37/084 20060101AFI20250709BHJP
F16L 37/12 20060101ALI20250709BHJP
【FI】
F16L37/084
F16L37/12
(21)【出願番号】P 2024193872
(22)【出願日】2024-11-05
【審査請求日】2024-11-05
(31)【優先権主張番号】202410582721.1
(32)【優先日】2024-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】申 ▲イー▼
(72)【発明者】
【氏名】林 元超
(72)【発明者】
【氏名】蒋 為▲ユー▼
(72)【発明者】
【氏名】顧 ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 解
(72)【発明者】
【氏名】曹 博睿
(72)【発明者】
【氏名】孫 力
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲億▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 芝茹
(72)【発明者】
【氏名】朱 依▲ウェン▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 明新
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114183598(CN,A)
【文献】特表2020-535350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/084
F16L 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール機構(1)と、多爪チャック機構(2)と、駆動機構(3)とを含む石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置であって、
前記シール機構(1)は、送油パイプ(11)と、送油パイプ(11)に嵌合されたねじスリーブ(16)と、ねじスリーブ(16)の前端に嵌合された内シールシュパンリング(12)と、内シールシュパンリング(12)に嵌合された外シールOリング(13)とを含み、ここで、前記送油パイプ(11)の管口は、円錐型ラッパ口として設けられ
、
前記ねじスリーブ(16)の後端には、カバープレート(15)とストッパ円盤(14)とを固定して取り付けるためのフラットキーが設けられ、ストッパ円盤(14)の外側には、多爪チャック機構(2)が取り付けられ、
前記駆動機構(3)は、送油パイプ(11)に取り付けられ、その出力軸に出力歯車(35)が設けられ、ストッパ円盤(14)の外周には、出力歯車(35)と噛み合う歯が設けられ、
前記送油パイプ(11)の外壁には、雄ねじが設けられ、ねじスリーブ(16)の内壁には、送油パイプ(11)の雄ねじと噛み合う雌ねじが設けられ、
前記駆動機構(3)が回動する時、ストッパ円盤(14)とねじスリーブ(16)とを同期回転させ、ストッパ円盤(14)が回転して多爪チャック機構(2)の把持爪を伸縮させ、
前記把持爪は、注入口フランジ(4)
をクランプするために用いられ、
前記ねじスリーブ(16)は、ねじの案内作用によって送油パイプ(11)の軸方向に沿って移動し、さらに、カバープレート(15)は、外シールOリング(13)
を注入口フランジ(4)
に対して押圧して第1シールを形成し、前記ねじスリーブ(16)の前端部分が透かし彫りであり、内シールシュパンリング(12)の内壁を押圧して内シールシュパンリング(12)を送油パイプ(11)の円錐型ラッパ口において膨張させることによって、注入口フランジ(4)の内壁を押圧し、第2シールを形成する、ことを特徴とする石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項2】
前記多爪チャック機構(2)は、送油パイプ(11)に固定的に嵌合された位置決め円盤(22)と、ストッパ円盤(14)と位置決め円盤(22)との間に取り付けられ、且つストッパ円盤(14)の周りに円周に沿って設置された複数のチャック(21)とを含み、
前記位置決め円盤(22)の側面には、径方向に沿って複数のスライダ溝が開設され、ストッパ円盤(14)が回転する時、複数のチャック(21)が位置決め円盤(22)のスライダ溝に沿ってスライドするようにする、ことを特徴とする請求項1に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項3】
前記チャック(21)は、位置決め円盤(22)のスライダ溝に設置されたスライダ本体(2101)と、スライダ本体(2101)の上端に垂直に取り付けられ、注入口フランジ(4)をクランプするための把持爪(2104)と、把持爪(2104)の端面に取り付けられ、注入口フランジ(4)の脱落を防止するための把持爪バッフル(2106)とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項4】
前記スライダ本体(2101)の内部は、中空構造であり、該中空構造の両内側壁には、位置決めピン(2108)及びスプリング(2109)によって2本のスパインストリップ(2107)が取り付けられ、2本のスパインストリップ(2107)間には、ストッパ係止柱(2103)が設置され、
前記スプリング(2109)は、位置決めピン(2108)に取り付けられ、スパインストリップ(2107)を押圧することにより、ストッパ係止柱(2103)が2本のスパインストリップ(2107)間にロックされる、ことを特徴とする請求項3に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項5】
前記ストッパ係止柱(2103)の上端は、ストッパ円盤(14)における円弧状ストッパ穴と係合する円柱であり、下端には、スパインストリップ(2107)と係合される2枚の帯状の係止片が設けられ、
前記スパインストリップ(2107)は、一方向スパインストリップであり、ストッパ係止柱(2103)は、2枚の帯状の係止片によってスパインストリップ(2107)上に一方向に移動して、異なる直径の注入口フランジ(4)を適応的にクランプするために用いられる、ことを特徴とする請求項4に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項6】
前記ストッパ係止柱(2103)は、ストッパ円盤(14)の円弧状ストッパ穴内をスライドする、ことを特徴とする請求項5に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項7】
前記把持爪(2104)の上面は、円弧状であり、その上に凹溝が開設され、凹溝の底面は、歯形構造であり、凹溝内に別に2つのウエスト型貫通孔が開設され、位置決めスペーサ(2110)と固定ナット(2111)を取り付けるために用いられ、
前記位置決めスペーサ(2110)の底面は、歯形であり、把持爪(2104)の凹溝底面の歯形構造と噛み合い、
前記スライダ本体(2101)、把持爪(2104)、位置決めスペーサ(2110)は、スライダ本体(2101)におけるねじと固定ナット(2111)によって一体に接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項8】
把持爪(2104)の凹溝における前記位置決めスペーサ(2110)の位置を調整して、異なる肉厚の注入口フランジ(4)を適応的にクランプする、ことを特徴とする請求項7に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項9】
前記把持爪バッフル(2106)の下面は、円弧状として設けられ、注入口フランジ(4)の外輪郭にマッチングするために用いられ、その前端面には、座ぐり穴が設けられ、把持爪バッフル(2106)と把持爪(2104)とは、バッフル位置決めボルト(2112)によって接続固定され、
前記把持爪(2104)の底面における把持爪バッフル(2106)に近い端には、スペーサ(2105)が設置され、スペーサ(2105)には、座ぐり穴が開設され、スペーサ位置決めボルト(2113)により把持爪(2104)に接続固定するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【請求項10】
前記駆動機構(3)は、送油パイプ(11)に包まれた下パイプクランプ(31)と上パイプクランプ(32)と、上パイプクランプ(32)に固定的に取り付けられたモーターブラケット(33)と、モーターブラケット(33)の上端に取り付けられた駆動モータ(34)とを含み、
前記駆動モータ(34)の出力軸における出力歯車
(35
)と軸体とは、キーにより接続固定される、ことを特徴とする請求項3に記載の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油積卸し技術に関し、具体的には、石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油タンク車に燃料を補給するとき、石油補充クレーンパイプが注入口に近づくと、従来の石油補充クレーンパイプは、人工的にクレーンパイプ継手と注入口とを突き合わせる必要があり、突合せが完了した後に、さらに人工でクレーンパイプ継手を操作し、それを注入口フランジとクランプする必要がある。多くのプロセスは、人工で完了するため、労働強度が大きく、安全性が悪く、効率が低いなどの問題がある。同時に、石油タンク車の注入口の生産設計に関する仕様及び標準に欠けているため、現在では、石油タンク車及び注入口フランジの寸法に関する統一された規定がなく、異なる石油タンク車の注入口フランジの直径及び厚さ寸法には差が大きく、従来のクレーンパイプ継手と一部の注入口とが正常に突き合わせることができず、それによってクレーンパイプ継手と注入口との間が効果的に封止されない。
【0003】
また、現在、多くの突合せ方式は、いずれも単一のゴムシール方式を採用しており、このようなシール方式は、長期使用中にゴムの経年劣化と変形があるため、シール性が十分でなく、最終的に石油ガスの漏れ問題があり、一定の安全上の問題がある。
【0004】
したがって、調節可能な自動突合せ装置の発明は非常に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来のクレーンパイプ継手と石油タンク車とが突き合わせて油を補充する時にシール性が不十分であるという問題を解決することができる石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置は、シール機構、多爪チャック機構及び駆動機構を含み、前記シール機構は、送油パイプと、送油パイプに嵌合されたねじスリーブと、ねじスリーブの前端に嵌合された内シールシュパンリングと、内シールシュパンリングに嵌合された外シールOリングとを含み、ここで、前記送油パイプの管口は、円錐型ラッパ口として設けられ、注入口フランジをクランプするために用いられ、前記ねじスリーブの後端には、カバープレートとストッパ円盤とを固定して取り付けるためのフラットキーが設けられ、ストッパ円盤の外側には、多爪チャック機構が取り付けられ、前記駆動機構は、送油パイプに取り付けられ、その出力軸に出力歯車が設けられ、ストッパ円盤の外周には、出力歯車と噛み合う歯が設けられ、前記送油パイプの外壁には、雄ねじが設けられ、ねじスリーブの内壁には、送油パイプの雄ねじと噛み合う雌ねじが設けられ、前記駆動機構が回動する時、ストッパ円盤とねじスリーブとを同期回転させ、ストッパ円盤が回転して多爪チャック機構の把持爪を伸縮させ、注入口フランジのつかみと卸しを実現し、前記ねじスリーブは、ねじの案内作用によって送油パイプの軸方向に沿って移動し、さらに、カバープレートは、外シールOリングを押して注入口フランジを押圧して一級シールを形成し、前記ねじスリーブの前端部分は、透かし彫りであり、内シールシュパンリングの内壁を押圧して内シールシュパンリングを送油パイプの円錐型ラッパ口において膨張させることによって、注入口フランジの内壁を押圧して二級シールを形成するために用いられる。
【0007】
さらに、前記多爪チャック機構は、送油パイプに固定的に嵌合された位置決め円盤と、ストッパ円盤と位置決め円盤との間に取り付けられ、且つストッパ円盤の周りに円周に沿って設置された複数のチャックとを含み、
前記位置決め円盤の側面には、径方向に沿って複数のスライダ溝が開設され、ストッパ円盤が回転する時、複数のチャックがストッパ円盤の回転時に位置決め円盤のスライダ溝に沿ってスライドするようにすることで、チャックの径方向運動を実現する。
【0008】
さらに、前記チャックは、位置決め円盤のスライダ溝に設置されたスライダ本体と、スライダ本体の上端に垂直に取り付けられ、注入口フランジをクランプするための把持爪と、把持爪の端面に取り付けられ、注入口フランジの脱落を防止するための把持爪バッフルとを含み、複数のチャックは、互いに係合して、注入口フランジのつかみと卸しを実現することができる。
【0009】
さらに、前記スライダ本体の内部は、中空構造であり、該中空構造の両内側壁には、位置決めピン及びスプリングによって2本のスパインストリップが取り付けられ、2本のスパインストリップ間には、ストッパ係止柱が設置され、前記スプリングは、位置決めピンに取り付けられ、スパインストリップを押圧することにより、ストッパ係止柱が2本のスパインストリップ間にロックされ、チャックのセルフロック機能を実現する。
【0010】
さらに、前記ストッパ係止柱の上端は、ストッパ円盤における円弧状ストッパ穴と係合する円柱であり、下端には、スパインストリップと係合される2枚の帯状の係止片が設けられ、前記スパインストリップは、一方向スパインストリップであり、ストッパ係止柱は、2枚の帯状の係止片によってスパインストリップを一方向に移動して、異なる直径の注入口フランジを適応的にクランプするために用いられ、クランプ範囲を拡大する。
【0011】
さらに、前記ストッパ係止柱は、ストッパ円盤の円弧状ストッパ穴にスライドし、ストッパ係止柱が円弧状ストッパ穴の最も外側にスライドする時、多爪チャック機構は、開き状態にある。ストッパ係止柱が円弧状ストッパ穴の最も内側にスライドする時、多爪チャック機構は、収縮状態にある。
【0012】
さらに、前記把持爪の上面は、円弧状であり、その上に凹溝が開設され、凹溝の底面は、歯形構造であり、凹溝内には、別に位置決めスペーサと固定ナットを取り付けるための2つのウエスト型貫通孔が開設され、前記位置決めスペーサの底面は、歯形であり、把持爪の凹溝底面の歯形構造と噛み合っており、前記スライダ本体、把持爪、位置決めスペーサはスライダ本体におけるねじと固定ナットによって一体に接続され、チャックの主な構造の組み立てを実現する。
【0013】
さらに、把持爪の凹溝における前記位置決めスペーサの位置を調整することにより、異なる肉厚の注入口フランジを適応的にクランプし、装置の適用性を向上させる。
【0014】
さらに、前記把持爪バッフルの下面は、円弧状として設けられ、注入口フランジの外輪郭にマッチングするために用いられ、その前端面には、座ぐり穴が設けられ、把持爪バッフルと把持爪とは、バッフル位置決めボルトによって接続固定され、前記把持爪の底面における把持爪バッフルに近い端には、スペーサが設置され、スペーサには、スペーサ位置決めボルトにより把持爪に接続固定するための座ぐり穴が開設され、把持爪バッフルの設置により、注入口フランジがクランプ中に押圧されて脱落することを防止でき、スペーサのクランプ中の注入口フランジに対する摩耗を防止することができる。
【0015】
さらに、前記駆動機構は、送油パイプに包まれた下パイプクランプと上パイプクランプと、上パイプクランプに固定的に取り付けられたモーターブラケットと、モーターブラケットの上端に取り付けられた駆動モーターとを含み、前記駆動モーターの出力軸における出力歯車と軸体とがキーによって接続固定され、駆動モーターによって出力歯車が駆動され、ストッパ円盤とねじスリーブとの全体を回転させる。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較して、本発明の技術的解決手段は、以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明は、二級シール構造を設計し、シール効果が比較的に良く、同時に、内シールシュパンリングによって注入口フランジの内壁を押圧し、シール性がより良く、同時に、給油中に、内シールシュパンリングと注入口の内壁との押圧作用により、突合せ装置が脱落しにくく、より安全で安定する。
【0018】
本発明は、スライダ内にストッパ係止柱とスパインストリップとが係合するセルフロック機能により、異なる直径の注入口フランジを適応的にクランプし、そのクランプ範囲を拡大することができる。
【0019】
本発明は、溝内の位置決めスペーサと把持爪の相対位置を調整することにより、異なる肉厚の注入口フランジに適応し、その適用性を向上させることができる。
【0020】
本発明は、駆動モーターにより歯車を駆動し、ストッパ円盤とねじスリーブとを一体に回転させ、快速なクランプを実現すると同時にシールを実現し、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本発明におけるシール機構の全体組立図である。
【
図3】本発明におけるシール機構の部品分解図である。
【
図4】本発明におけるねじスリーブの構造模式図である。
【
図5】本発明における送油パイプの構造模式図である。
【
図6】本発明における外シールOリングの構造模式図である。
【
図7】本発明における多爪チャック機構の構造模式図である。
【
図8】本発明におけるストッパ円盤の構造模式図である。
【
図9】本発明におけるチャックの構造模式図である。
【
図10】本発明における調節スライダの内部模式図である。
【
図11】本発明におけるストッパ係止柱とスパインストリップの組立模式図である。
【
図12】本発明における把持爪の部品分解図である。
【
図13】本発明における駆動機構の構造模式図である。
【
図14】本発明における突合せ装置とある注入口フランジとの間に突き合わせる前の把持爪の開き状態図である。
【
図15】本発明における突合せ装置とある注入口フランジとの間に突き合わせた後の把持爪の収縮状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施形態及び明細書の図面を参照しながら、本発明の技術的解決手段を詳細に説明する。
【0023】
図1-
図13に示すように、本発明の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置は、シール機構1と、送油パイプ11と、内シールシュパンリング12と、外シールOリング13と、ストッパ円盤14と、カバープレート15と、ねじスリーブ16と、多爪チャック機構2と、チャック21と、位置決め円盤22と、スライダ本体2101と、スライダカバープレート2102と、ストッパ係止柱2103と、把持爪2104と、スペーサ2105と、把持爪バッフル2106と、スパインストリップ2107と、位置決めピン2108と、スプリング2109と、位置決めスペーサ2110と、固定ナット2111と、バッフル位置決めボルト2112と、スペーサ位置決めボルト2113と、駆動機構3と、下パイプクランプ31と、上パイプクランプ32と、モーターブラケット33と、駆動モーター34と、出力歯車35と、注入口フランジ4に関する。
【0024】
図1に示すように、本発明の石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置は、シール機構1、多爪チャック機構2、駆動機構3の3つの部分を含む。
【0025】
図2及び
図3に示すように、シール機構1は、送油パイプ11、内シールシュパンリング12、外シールOリング13、ストッパ円盤14、カバープレート15、ねじスリーブ16などからなる。ねじスリーブ16は、送油パイプ11に嵌合され、内シールシュパンリング12は、ねじスリーブ16の前端に嵌合される。外シールOリング13は、内シールシュパンリング12に嵌合される。
図5に示すように、送油パイプ11の管口は、円錐型ラッパ口として設けられ、注入口フランジ4をクランプするために用いられ、送油パイプ11の外壁には、雄ねじが設けられる。
図4に示すように、ねじスリーブ16の前端部分は、透かし彫りであり、ねじスリーブ16の内壁には、送油パイプ11の雄ねじと噛み合う雌ねじが設けられる。
図6に示すように、外シールOリング13の底端には、丸溝が開設され、溝底は、歯形である。内シールシュパンリング12は、ゴム材料であり、端面には、段差が設けられ、該段差は、外シールOリング13の底面丸溝と係止して、外シールOリング13を内シールシュパンリング12に嵌着することができる。ねじスリーブ16の後端には、カバープレート15とストッパ円盤14とを固定して取り付けるためのフラットキーが設けられ、ストッパ円盤14の外側には、多爪チャック機構2が取り付けられる。駆動機構3は、送油パイプ11に取り付けられ、その出力軸には、出力歯車35が設けられ、ストッパ円盤14の外周には、出力歯車35と噛み合う歯が設けられる。カバープレート15には、座ぐり穴が開設され、ボルトによってカバープレート15とストッパ円盤14とが一体に固定される。本実施例において、ストッパ円盤14の側面には、ストッパ係止柱2103と係合するための3つの円弧状ストッパ穴が開設される。
【0026】
駆動機構3が回動すると、ストッパ円盤14とねじスリーブ16とを同期回転させ、ねじスリーブ16は、ねじの案内作用によって送油パイプ11の軸方向に沿って移動し、さらにカバープレート15が外シールOリング13を注入口フランジ4に対して押圧して一級シールを形成し、ねじスリーブ16の前端部分が透かし彫りであり、ねじスリーブ16が送油パイプ11の管口に向かって移動する過程で、該透かし彫り部分が送油パイプ11の円錐型ラッパ口によって押し広げられることで、内シールシュパンリング12の内壁を押圧して、内シールシュパンリング12を送油パイプ11の円錐型ラッパ口において膨張させることによって、注入口フランジ4の内壁を押圧し、二級シールを形成する。同時に、作業中に、内シールシュパンリング12による注入口フランジ4の内壁への押圧作用により、突合せ装置が脱落しにくく、より安全で安定する。
【0027】
図7及び
図8に示すように、多爪チャック機構2は、チャック21及び位置決め円盤22を含み、本実施例において、チャック21の数は、3つ設定される。位置決め円盤22は、送油パイプ11に嵌合して固定され、ストッパ円盤14と同軸に設けられ、3つのチャック21は、ストッパ円盤14と位置決め円盤22との間に取り付けられ、且つストッパ円盤14の周りに円周に沿って設置される。位置決め円盤22の側面には、径方向に沿って複数のスライダ溝が開設され、ストッパ円盤14が回転する時、ストッパ係止柱2103をストッパ円盤14の円弧状ストッパ穴内にスライドさせることにより、スライダ本体2101をスライダ溝に沿ってスライドさせ、注入口フランジ4をクランプする機能を実現する。
【0028】
図9に示すように、チャック21は、主にスライダ本体2101と、スライダカバープレート2102と、ストッパ係止柱2103と、把持爪2104と、スペーサ2105と、把持爪バッフル2106とを含む。スライダ本体2101は、位置決め円盤22のスライダ溝に設けられる。把持爪2104は、スライダ本体2101の上端に垂直に取り付けられ、注入口フランジ4をクランプするために用いられる。把持爪バッフル2106は、把持爪2104の端面に取り付けられ、注入口フランジ4の脱落を防止するために用いられる。
【0029】
図10及び
図11に示すように、スライダ本体2101の内部は、中空構造であり、該中空構造の両内側壁には、位置決めピン2108及びスプリング2109によって2本のスパインストリップ2107を取り付け、2本のスパインストリップ2107間には、ストッパ係止柱2103が設置される。スプリング2109は、位置決めピン2108に取り付けられ、スパインストリップ2107を押圧することによって、ストッパ係止柱2103は、2本のスパインストリップ2107の間にロックされる。本実施例において、スライダ本体2101の内部の中空構造の両内側壁には、位置決めピン2108と嵌合する4つのねじ穴が開設され、スライダ本体2101の上端は2本のねじが設けられた柱体である。スパインストリップ2107の上下両端には、それぞれ位置決めピン2108と嵌合する円錐形貫通孔が設けられる。位置決めピン2108の前端は、円錐形であり、後端にねじが付けられ、ねじによってスライダ本体2101内に接続して固定される。スプリング2109は、位置決めピンに取り付けられ、スパインストリップ2107を押圧することにより、ストッパ係止柱2103を2本のスパインストリップ2107の間にちょうど係止させることができる。ストッパ係止柱2103の上端は、ストッパ円盤14における円弧状ストッパ穴と係合する円柱であり、下端は、スパインストリップ2107と係合する2枚の帯状の係止片である。スパインストリップ2107は、一方向スパインストリップであり、ストッパ係止柱2103は、2枚の帯状の係止片によってスパインストリップ2107を一方向に移動し、異なる直径の注入口フランジ4を適応的にクランプするために用いられる。ストッパ係止柱2103とスパインストリップのセルフロック機能により、異なる直径の注入口フランジを適応的にクランプし、クランプ範囲を拡大することができる。スライダカバープレート2102には、座ぐり穴が設けられ、スライダカバープレート2102は、ボルトとスライダ本体2101によって一体に接続される。
【0030】
図12に示すように、把持爪2104の上面は、円弧状であり、その上に凹溝が開設され、凹溝の底面は、歯形構造であり、凹溝内には、位置決めスペーサ2110と固定ナット2111を取り付けるための2つのウエスト型貫通孔が開設される。位置決めスペーサ2110の底面は、歯形であり、把持爪2104の凹溝底面の歯形構造と噛み合う。スライダ本体2101、把持爪2104、位置決めスペーサ2110は、スライダ本体2101上のねじと固定ナット2111によって一体に接続される。
【0031】
把持爪2104の凹溝における位置決めスペーサ2110の位置を調整することにより、スライダ本体2101と把持爪2104との相対位置を変更し、異なる厚さの注入口フランジ4のクランプを実現し、適用性を向上させることができる。前記把持爪バッフル2106の下面は、円弧状であり、前端面には、座ぐり穴が設けられ、把持爪バッフル2106と把持爪2104は、バッフル位置決めボルト2112によって接続固定される。前記スペーサ2105の下面には、座ぐり穴が設けられ、スペーサ位置決めボルト2113により把持爪2104に接続固定される。
【0032】
把持爪バッフル2106の下面は、円弧状であり、注入口フランジ4の外輪郭にマッチングするために用いられ、前端面には、座ぐり穴が設けられ、把持爪バッフル2106と把持爪2104とは、バッフル位置決めボルト2112によって接続固定される。把持爪2104の底面における把持爪バッフル2106に近い端には、スペーサ2105が設置され、スペーサ2105には、2つの座ぐり穴が開設され、スペーサ位置決めボルト2113によって把持爪2104に接続固定される。
【0033】
図13に示すように、駆動機構3は、下パイプクランプ31と、上パイプクランプ32と、モーターブラケット33と、駆動モーター34と、出力歯車35とを含む。下パイプクランプ31と上パイプクランプ32は、送油パイプ11に包まれ、モーターブラケット33は、上パイプクランプ32に固定して取り付けられる。本実施例において、下パイプクランプ31、上パイプクランプ32、モーターブラケット33は、それぞれねじによって接続され、送油パイプ11に固定される。駆動モーター34は、モーターブラケット33の上端に取り付けられ、本実施例において、モーターブラケット33の上端には、ねじ穴と駆動モーター34と係合する位置決め穴が設けられ、駆動モーター34とモーターブラケット33は、ねじによって接続される。駆動モーター34の出力軸における出力歯車35と軸体とは、キーによって接続固定される。出力歯車35とストッパ円盤14における歯とが互いに噛み合うことで、ストッパ円盤14とねじスリーブ16を回転連動させることができ、快速なクランプを実現すると同時に、内シールシュパンリング12と注入口の内壁との二級シールを実現し、作業効率を向上させることができる。
【0034】
図14に示すように、出力歯車35が図示位置にある場合、ストッパ係止柱2103は、円弧状ストッパ穴の最も外側にスライドし、多爪チャック機構2は、開き状態にあり、この時、突合せ装置は、注入口フランジ4と突き合わせることができる。
【0035】
図15に示すように、出力歯車35が図示位置にある場合、ストッパ係止柱2103は、円弧状ストッパ穴の最も内側にスライドし、多爪チャック機構2は、収縮状態にあり、この時、多爪チャック機構2は、注入口フランジ4をクランプし、カバープレート15は、外シールOリング13を押して注入口フランジ4を押圧して一級シールを形成し、内シールシュパンリング12は、送油パイプ11の円錐型ラッパ口において膨張して注入口フランジ4の内壁を押し広げ、二級シールを形成し、突合せが完了する。
【要約】 (修正有)
【課題】シール機構1、多爪チャック機構2、駆動機構3を含む石油補充クレーンパイプ用調節可能な快速突合せ装置を提供する。
【解決手段】シール機構は送油パイプ、ねじスリーブ、内シールシュパンリング、外シールOリング、カバープレート、ストッパ円盤を含み、ストッパ円盤上には多爪チャック機構が取付けられ、駆動機構が回動する時ストッパ円盤とねじスリーブを回転させ、ストッパ円盤が回転して多爪チャック機構の把持爪を伸縮させ注入口フランジのつかみと卸しを実現し、ねじスリーブは送油パイプの軸方向に沿って移動し、カバープレートは外シールOリングを押し注入口フランジを押圧して一級シールを形成し、内シールシュパンリングの内壁を押圧し、送油パイプの円錐型ラッパ口において膨張させ、注入口フランジの内壁を押圧し二級シールを形成する。
【選択図】
図1