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特許7709536UE(User Equipment)、通信システム及び通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-08
(45)【発行日】2025-07-16
(54)【発明の名称】UE(User Equipment)、通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/50 20180101AFI20250709BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20250709BHJP
   H04W 48/20 20090101ALI20250709BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20250709BHJP
   H04W 28/26 20090101ALI20250709BHJP
【FI】
H04W76/50
H04W76/15
H04W48/20
H04W4/00 110
H04W28/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023546742
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2022009022
(87)【国際公開番号】W WO2023037586
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】P 2021145877
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】金森 耕一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 重人
(72)【発明者】
【氏名】新明 秀章
(72)【発明者】
【氏名】飯島 賢一
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-204209(JP,A)
【文献】国際公開第2020/003886(WO,A1)
【文献】特表2019-537358(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0057588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを第1基地局に送信可能な通信部と、
前記通信部によるデータの送信を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記データが特定のデータであるか否かを判定し、前記データが特定のデータであると判定した場合、前記通信部から前記第1基地局とは異なる第2基地局に前記特定のデータを送信
前記制御部は、前記第1基地局との通信接続が確立されたときに、予め前記第2基地局の通信リソースを取得する、
UE(User Equipment)。
【請求項2】
前記制御部は、前記データが特定のデータでないと判定した場合、前記通信部から前記第1基地局に前記データを送信する、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記特定のデータは、緊急性又は重要性が高いデータとして予め定められたデータである、請求項1又は2に記載のUE。
【請求項4】
前記第1基地局と前記第2基地局との間で、記憶されるデータが同期されている、請求項1からのいずれか一項に記載のUE。
【請求項5】
前記UEは、前記第1基地局との通信接続が確立されたときに、前記第2基地局との通信接続を確立することなく、予め前記第2基地局の通信リソースを取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載のUE。
【請求項6】
第1基地局と、
前記第1基地局とは異なる第2基地局と、
データを前記第1基地局に送信可能なUE(User Equipment)と、
を備え、
前記UEは、前記データが特定のデータであるか否かを判定し、前記データが特定のデータであると判定した場合、前記第2基地局に前記特定のデータを送信
前記UEは、前記第1基地局との通信接続が確立されたときに、予め前記第2基地局の通信リソースを取得する、
通信システム。
【請求項7】
データを第1基地局に送信可能なUE(User Equipment)が実行する通信方法であって、
前記データが特定のデータであるか否かを判定するステップと、
前記データが特定のデータであると判定した場合に、前記特定のデータを前記第1基地局とは異なる第2基地局に送信するステップと、
前記第1基地局との通信接続が確立されたときに、予め前記第2基地局の通信リソースを取得するステップと、
を含む、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UE(User Equipment)、通信システム及び通信方法に関する。本願は、2021年9月8日に日本で出願された特願2021-145877号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局と移動局とを備える通信システムにおいて、QoS(Quality of Service)すなわち通信の品質を向上させる技術が探求されてきた。例えば、特許文献1には、第1の基地局と移動局との間で通信されるパケットのQoSが確保されていない場合、第1の基地局が第2の基地局に対してリソースの使用を抑制するように要求する発明が開示されている。この構成により、特許文献1に開示された発明は、第2の基地局のリソース使用による移動局への干渉を低減させることによって、システム全体のQoSを向上させたり、リソースを有効利用したりしようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-199144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発明では、QoSの向上やリソースの有効利用を図るために所定の判定手順を実行する必要があるが、この判定手順は時間を要する場合がある。そのため、例えば緊急時など、時間を要するこの判定手順を実行することが適切でない場合がある。
【0005】
また、特許文献1に開示された発明は、システム全体のQoSの向上やリソースの有効利用を図るものであるが、システムにおける移動局が増加すると、通信の輻輳が発生し、その結果、通信が不安定になりうる。しかしながら、通信されるデータの内容によっては、迅速に又は確実に通信が行われることが求められる。例えば、緊急性又は重要性が高いデータは、迅速に又は確実に通信が行われることが求められる。
【0006】
本開示は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、通信の到達時間を短縮するとともに、通信の安定性又は確実性を向上可能なUE(User Equipment)、通信システム及び通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態のUE(User Equipment)は、データを第1基地局に送信可能な通信部と、前記通信部によるデータの送信を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記データが特定のデータであるか否かを判定し、前記データが特定のデータであると判定した場合、前記通信部から前記第1基地局とは異なる第2基地局に前記特定のデータを送信する。
【0008】
本開示の一形態の通信システムは、第1基地局と、前記第1基地局とは異なる第2基地局と、データを前記第1基地局に送信可能なUE(User Equipment)と、を備え、前記UEは、前記データが特定のデータであるか否かを判定し、前記データが特定のデータであると判定した場合、前記第2基地局に前記特定のデータを送信する。
【0009】
本開示の一形態の通信方法は、データを第1基地局に送信可能なUE(User Equipment)が実行する通信方法であって、前記データが特定のデータであるか否かを判定するステップと、前記データが特定のデータであると判定した場合に、前記特定のデータを前記第1基地局とは異なる第2基地局に送信するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る通信システムの概略構成を示す図である。
図2図1の通信システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3図2の通信システムによる処理の一例を示すシーケンス図である。
図4図2のUEが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5】従来の通信システムによる処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。
【0012】
図1は、一実施形態に係る通信システム1の概略構成を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、第1基地局10と、第2基地局20と、複数のUE(User Equipment)30とを備える。
【0013】
第1基地局10及び第2基地局20は、所定の無線通信方式による通信ネットワークを提供する。所定の無線通信方式は、第5世代移動通信システム(5Gシステム)を用いた通信方式であってよい。ただし、所定の無線通信方式は、5Gシステムを用いた通信方式に限られず、他の無線通信方式であってもよい。
【0014】
第1基地局10と第2基地局20とは、互いに情報通信可能に構成されている。本実施形態では、第1基地局10と第2基地局20との間で、記憶されるデータが同期されている。第1基地局10と第2基地局20との間で同期されるデータは、無線通信に必要なデータであってよい。無線通信に必要なデータは、例えば、UE30に関する情報、並びに、通信制御を実行するために必要となる、制御情報、時間、チャネル情報及び周波数情報を含んでよい。例えば、第1基地局10と第2基地局20とは、定期的に、不定期的に、又は、常時、互いにデータの送受信を行うことによって、記憶するデータを同期することができる。第1基地局10と第2基地局20とは、データを同期することにより、同一の処理を実行可能、又は協調した処理を実行可能である。なお、ここでは、通信システム1が、第1基地局10及び第2基地局20という2台の基地局を備えるとして説明したが、通信システム1が備える基地局は2台に限られない。通信システム1は、3台以上の基地局を備えていてもよい。この場合、本実施形態で説明する第1基地局10及び第2基地局20により実行される処理が、当該3台以上の基地局により実行されてよい。
【0015】
本実施形態において、第1基地局10及び第2基地局20は、複数のUE30と情報通信可能に接続される。複数のUE30のそれぞれは、上り通信のデータを送信する場合、当該上り通信のデータが、特定のデータであるか否かを判定する。特定のデータの詳細については、後述する。
【0016】
本実施形態において、UE30は、上り通信のデータが通常のデータである場合、当該上り通信のデータを第1基地局10に送信する。つまり、通常のデータの送受信を行う際は、第1基地局10とUE30との間で情報通信が行われる。ここで、通常のデータは、特定のデータ以外のデータである。
【0017】
本実施形態において、複数のUE30は、第2基地局20との間で、通常のデータの送受信を実行しない。すなわち、第2基地局20は、複数のUE30と情報通信可能に接続されているものの、通常時はデータの送受信を実行しない。UE30は、特定のデータを送信する場合、第2基地局20に送信する。つまり、特定のデータの送受信を行う際は、第2基地局20とUE30との間で情報通信が行われる。
【0018】
本実施形態において、第2基地局20は、複数のUE30から特定のデータのみを受信するように構成された、専用の基地局である。従って、第2基地局20は、通常のデータの送受信は実行しない。
【0019】
第1基地局10及び第2基地局20は、例えばUE30からデータを受信すると、受信したデータを、不図示の情報処理装置に送信してよい。情報処理装置は、受信したデータに基づく処理を実行する。情報処理装置は、例えばサーバ装置により構成されていてよい。情報処理装置は、例えばクラウドに設けられた仮想サーバ装置により構成されていてもよい。情報処理装置は、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)を利用して構成されていてもよい。
【0020】
UE30は、端末装置である。UE30は、基地局とデータの無線通信を実行可能な任意の装置により構成することができる。図1には、UE30の一例として、スマートフォンなどの携帯端末装置30a、車両に備えられる車載装置30b、監視カメラなどの撮像装置30c、及び、製品の製造などに用いられるロボット装置30dが、模式的に図示されている。ただし、ここで示した4台の装置は、UE30の一例を示したに過ぎない。UE30は、他の任意の装置により構成されていてよい。また、図1では、UE30の例として、携帯端末装置30a、車載装置30b、撮像装置30c及びロボット装置30dという4台の装置が図示されているが、通信システム1が備えるUE30の台数は、4台に限られない。通信システム1は、1台以上のUE30を備えていればよい。
【0021】
図2は、図1の通信システム1の構成の一例を示す機能ブロック図である。ただし、図2では、図1に示した、携帯端末装置30a、車載装置30b、撮像装置30c及びロボット装置30dをまとめて、UE30として図示している。
【0022】
図2に示すように、第1基地局10は、機能部として、第1制御部11と、第1記憶部12と、第1通信部13と、を備える。
【0023】
第1制御部11は、第1基地局10の各機能部をはじめとして、第1基地局10の全体を制御及び管理する。第1制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成される。第1制御部11は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
【0024】
第1制御部11は、UE30と第1基地局10との間で新たに通信接続が確立した場合、当該新たに通信接続が確立されたUE30に対して、特定のデータは、第2基地局20に送信するように指示するメッセージ(以下、単に「MSGE」ともいう)を送信する。MSGEは、第2基地局20を一意に特定する情報を含んでいてよい。MSGEが第2基地局20を一意に特定する情報を含むことにより、MSGEを受信したUE30は、特定のデータの送信先である第2基地局20を認識することができる。第1制御部11は、第1基地局10と通信接続が確立されたUE30とのデータの無線通信を制御する。また、第1制御部11は、第1基地局10と第2基地局20との間でデータを同期させる処理を実行する。
【0025】
第1記憶部12は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。第1記憶部12は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。第1記憶部12は、例えば第1基地局10を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。また、基地局記憶部12は、例えば、MSGEに含める、第2基地局20を一意に特定する情報を記憶していてもよい。
【0026】
第1通信部13は、アンテナを介して、無線通信によりデータ(無線信号)を送受信する。当該無線信号は、UE30とのデータ通信に用いられる。データの送受信により、第1基地局10とUE30とのデータ通信が実行される。第1通信部13で受信されたデータは、第1制御部11により所定の処理が実行される。所定の処理は、例えばAD変換及びフーリエ変換などを含む公知の処理である。また、第1通信部13は、第1制御部11により生成された無線信号をアンテナから送信する。
【0027】
図2に示すように、第2基地局20は、機能部として、第2制御部21と、第2記憶部22と、第2通信部23と、を備える。第2基地局20は、第1基地局10とは異なる基地局である。
【0028】
第2制御部21は、第2基地局20の各機能部をはじめとして、第2基地局20の全体を制御及び管理する。第2制御部21は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成される。第2制御部21は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPUなどのプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
【0029】
第2制御部21は、UE30と第1基地局10との間で新たに通信接続が確立した場合、当該新たに通信接続が確立されたUE30に対して、通信リソース(例えば周波数帯域)を割り当ててよい。また、第2制御部21は、当該新たに通信接続が確立されたUE30に対して、UE30から第2基地局20への上り通信を許可するULグラントを、予め送信してよい。新たに通信接続が確立されたUE30は、第2基地局20からULグラントを受信することにより、第2基地局20に対してデータを通信することが可能になる。
【0030】
第2記憶部22は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。第2記憶部22は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。第2記憶部22は、例えば第2基地局20を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。
【0031】
第2通信部23は、アンテナを介して、無線通信によりデータを送受信する。当該無線信号は、UE30とのデータ通信に用いられる。データの送受信により、第2基地局20とUE30とのデータ通信が実行される。第2通信部23で受信されたデータは、第2制御部21により所定の処理が実行される。所定の処理は、例えばAD変換及びフーリエ変換などを含む公知の処理である。また、第2通信部23は、第1制御部11により生成された無線信号をアンテナから送信する。
【0032】
図2に示すように、UE30は、機能部として、UE制御部31と、UE記憶部32と、UE通信部33と、表示部34と、入力部35と、を備える。
【0033】
UE制御部31は、UE30の各機能部をはじめとして、UE30の全体を制御及び管理する。UE制御部31は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成される。UE制御部31は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPUなどのプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
【0034】
UE制御部31は、基地局に送信しようとするデータが、特定のデータであるか否かを判定する。ここで、特定のデータは、迅速に又は確実に基地局に送信されるべきデータである。例えば、特定のデータは、緊急性又は重要性が高いデータとして予め定められたデータである。緊急性又は重要性が高いデータとして認識されるべきデータに関する情報は、例えば、予め定められ、後述するUE記憶部32に予め記憶されている。具体的には、例えば、UE30の少なくとも一部に異常(例えば故障)が発生したことを示すデータが、緊急性又は重要性が高いデータとして、予め定められている。あるいは、UE30が携帯端末装置30aである場合、警察や消防への緊急通話が、緊急性又は重要性が高いデータとして、予め定められている。UE30が撮像装置30cである場合、撮像された画像に不審者が映りこんでいることを示すデータなどが、緊急性又は重要性が高いデータとして、予め定められている。UE30がロボット装置30dである場合、異物が挟まったことを示すデータや、ロボット装置30dが緊急停止したことを示すデータなどが、緊急性又は重要性が高いデータとして、予め定められている。
【0035】
UE制御部31は、例えば、UE記憶部32を参照することによって、基地局に送信しようとするデータが、特定のデータであるか否かを判定してよい。具体的には、UE制御部31は、基地局に送信しようとするデータが、UE記憶部32に予め記憶された、緊急性又は重要性が高いデータに該当するか否かを判定する。UE制御部31は、基地局に送信しようとするデータが、UE記憶部32に予め記憶された、緊急性又は重要性が高いデータに該当すると判定した場合、当該データを、特定のデータであると判定する。反対に、UE制御部31は、基地局に送信しようとするデータが、UE記憶部32に予め記憶された、緊急性又は重要性が高いデータに該当しないと判定した場合、当該データを、特定のデータでない、つまり通常のデータであると判定する。
【0036】
UE制御部31は、上述した方法以外の方法によって、基地局に送信しようとするデータが、特定のデータであるか否かを判定してもよい。例えば、UE制御部31は、UE記憶部32に記憶されたアルゴリズムに従って、データが特定のデータであるか否かを判定してもよい。あるいは、例えば、UE制御部31は、後述する入力部35への入力に基づいて、データが特定のデータであるか否かを判定してもよい。具体的には、UE制御部31は、ユーザが入力部35を用いて特定のデータとして指定(入力)したデータを、特定のデータであると判定してよい。
【0037】
UE制御部31は、UE通信部33による基地局とのデータの送受信を制御する。具体的には、UE制御部31は、データが特定のデータであると判定した場合を除き、通常時は、データ(通常のデータ)をUE通信部33から第1基地局10に送信する。UE制御部31は、データが特定のデータであると判定した場合、当該特定のデータを、UE通信部33から第2基地局20に送信する。
【0038】
UE記憶部32は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。UE記憶部32は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。UE記憶部32は、例えばUE30を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。
【0039】
UE記憶部32は、例えば、特定のデータとして判定されるべき、緊急性又は重要性が高いデータに関する情報を記憶する。UE記憶部32は、例えば、データが特定のデータであるか否かをUE制御部31が判定するために用いるアルゴリズムを記憶していてもよい。
【0040】
UE通信部33は、アンテナを介して、無線通信によるデータを送受信する。データの送受信により、第1基地局10又は第2基地局20とUE30とのデータ通信が実行される。本実施形態では、UE通信部33は、第1基地局10及び第2基地局20にデータを送信可能である。また、UE通信部33で受信されたデータは、UE制御部31により所定の処理が実行される。所定の処理は、例えばAD変換及びフーリエ変換などを含む公知の処理である。また、UE通信部33は、UE制御部31により生成された、データの無線信号をアンテナから送信する。
【0041】
表示部34は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)、又は無機ELパネル(Inorganic Electro-Luminescence panel)などの表示デバイスを備える。表示部34は、文字、画像、記号又は図形等を表示する。表示部34は、表示機能のみならず、タッチスクリーンの機能も含むタッチスクリーンディスプレイで構成されてもよい。この場合、タッチスクリーンは、UE30のユーザの指又はスタイラスペン等の接触を検出する。
【0042】
入力部35は、UE30のユーザからの操作入力を受け付ける。入力部35は、例えば操作ボタン(操作キー)により構成される。入力部35をタッチスクリーンにより構成し、表示部34である表示デバイスの一部にユーザからの操作入力を受け付ける入力領域を表示して、ユーザによるタッチ操作入力を受け付けてもよい。入力部35は、例えば、ユーザから、特定のデータを指定するための操作入力を受け付けてもよい。この場合、ユーザの操作入力によって指定されたデータが、特定のデータとして認識され、処理が実行される。ユーザは、例えば緊急性又は重要性が高いデータをUE30に入力して、UE30から送信させる操作を行う場合に、当該データを特定のデータとして指定する操作入力を行うことができる。
【0043】
UE30は、図2を参照して説明した機能部に加え、特定の機能を発揮するために必要な機能部を適宜備えていてよい。例えば、UE30が撮像装置30cである場合、撮像装置30cは、画像を撮像するための撮像部を備えていてよい。例えば、UE30がロボット装置30dである場合、ロボット装置30dは、製品を製造するための機構や、製造過程で異常を検出するためのセンサなどを備えていてよい。UE30は、ここで示した例に限られず、用途などに応じて適宜の機能部を備えていてよい。
【0044】
次に、通信システムによる処理の例について説明する。まずは、本開示に係る通信システム1との比較のために、従来の通信システムによる処理の例について説明する。図5は、従来の通信システムによる処理の一例を示すシーケンス図である。図5に示すシーケンスは、本実施形態と異なり、UE30と第1基地局10との間でのみ通信が実行される場合の処理を示す。つまり、図5に示す例では、第2基地局20が存在しない。
【0045】
まず、第1基地局10とUE30との間で通信接続が確立される(ステップS41)。
【0046】
第1基地局10とUE30との間で通信接続が確立された状態で、UE30が、上り通信のデータ(以下、単に「ULデータ」ともいう)を第1基地局10に送信するとする。ここでは、UE30は、上記実施形態においては「通常のデータ」に分類されるULデータを、第1基地局10に送信するとする。この場合、UE30は、ULデータを送信するためのリソースを要求する予約信号を第1基地局10に送信する(ステップS42)。予約信号は、公知の予約信号であってよく、例えばスケジューリングリクエスト又はバッファステータスレポートであってよい。
【0047】
第1基地局10は、UE30から予約信号を受信すると、UE30から第1基地局10への上り通信を許可するULグラントをUE30に送信する(ステップS43)。これにより、UE30に対して、第1基地局10への上り通信のリソースが割り当てられる。
【0048】
UE30は、ULグラントを受信すると、ULデータを第1基地局10に送信する(ステップS44)。このようにして、UE30から第1基地局にULデータが送信される。
【0049】
第1基地局10は、UE30からULデータを受信すると、当該ULデータを情報処理装置40に送信する(ステップS45)。情報処理装置40は、例えばサーバ装置により構成されており、受信したULデータに基づく処理を実行する。
【0050】
UE30が、ULデータを送信する場合、そのたびにステップS42からステップS45の処理が実行される。
【0051】
次に、UE30に異常が発生したとする(ステップS46)。異常が発生したことを示すデータは、上記実施形態においては「特定のデータ」と判定されるULデータである。しかしながら、図5に示す例では、UE30は、当該異常が発生したことを示すデータを特定のデータと判定してもしなくてもよい。図5に示す例では、特定のデータと判定した場合であっても、第1基地局10に送信されるためである。
【0052】
すなわち、UE30は、異常が発生したことを示すデータをULデータとして送信する場合、ULデータを送信するためのリソースを要求する予約信号を第1基地局10に送信する(ステップS47)。
【0053】
第1基地局10は、UE30から予約信号を受信すると、UE30から第1基地局10への上り通信を許可するULグラントをUE30に送信する(ステップS48)。
【0054】
UE30は、ULグラントを受信すると、ULデータを第1基地局10に送信する(ステップS49)。このようにして、異常が発生したことを示すデータがUE30から第1基地局に送信される。
【0055】
第1基地局10は、UE30からULデータを受信すると、当該ULデータを情報処理装置40に送信する(ステップS50)。
【0056】
図5のステップS47からステップS50の詳細は、それぞれステップS42からステップS45と同様である。すなわち、図5に示す例では、ULデータの内容にかかわらずUE30から第1基地局10にULデータが送信される。しかしながら、例えば第1基地局10と通信接続されるUE30の台数が増加すると、UE30と第1基地局との通信に輻輳が発生する場合がある。通信の輻輳が発生すると、通信が不安定になり、ULデータが第1基地局10に送信できなかったり、送信できたとしても時間を要したりするという問題が発生する可能性がある。このような問題は、特に、緊急性又は重要性が高い特定のデータを送信する際には、回避されることが望ましい。本実施形態に係る通信システム1によれば、このような問題を回避し、通信の到達時間を短縮するとともに、通信の安定性又は確実性を向上させることができる。
【0057】
図3は、本実施形態に係る図2の通信システム1による処理の一例を示すシーケンス図である。図3は、本開示における通信方法の一例を示す。
【0058】
まず、第1基地局10と第2基地局20との間でデータが同期される(ステップS11)。第1基地局10と第2基地局20との間のデータの同期は、図3に示すフローにおいて、常時又は適宜実行されてよい。
【0059】
次に、第1基地局10とUE30との間で通信接続が確立されたとする(ステップS12)。
【0060】
UE30は、第1基地局10との通信接続が確立されたときに、予め第2基地局20の通信リソースを取得する。例えば、本実施形態では、ステップS12で第1基地局10とUE30との間で通信接続が確立された後、ステップS13からステップS16により、予め第2基地局20の通信リソースがUE30により取得される。
【0061】
すなわち、第1基地局10は、新たにUE30との間で通信接続が確立された場合、当該UE30に対して、特定のデータを第2基地局20に送信するように指示するMSGEを送信する(ステップS13)。
【0062】
第1基地局10は、UE30に対してMSGEを送信したことを、第2基地局20に通知する(ステップS14)。当該通知には、UE30を一意に特定する情報を含んでいてよい。これにより、第2基地局20は、第1基地局10が新たなUE30と接続を確立したことを認識することができる。
【0063】
第2基地局20は、UE30に対してMSGEを送信したことを示す通知を受信すると、当該UE30に対して、通信リソースを割り当てる(ステップS15)。
【0064】
また、第2基地局20は、当該UE30に対して、UE30から第2基地局20への上り通信を許可するULグラントを送信する(ステップS16)。
【0065】
UE30は、第2基地局20から、通信リソースの割り当てを受け、ULグラントを受信すると、第2基地局20に対してULデータを送信可能な状態となる。
【0066】
なお、第1基地局10は、必ずしもステップS14を実行しなくてもよい。つまり、第1基地局10は、必ずしも、UE30に対してMSGEを送信したことを、第2基地局20に通知しなくてもよい。例えば、第1基地局10と第2基地局20との間でデータの同期が行われることにより、第2基地局20は、第1基地局10が新たにUE30との間で通信接続が確立されたことを認識することができる。この場合、第2基地局20は、第1基地局10が新たにUE30との間で通信接続が確立されたことを認識したときに、ステップS15及びステップS16を実行してもよい。UE30は、ステップS12で第1基地局10との通信接続が確立されたときに、予め第2基地局20の通信リソースを取得できれば、任意の手順で処理が実行されてよい。
【0067】
次に、UE30が、ULデータを第1基地局10に送信するとする。この場合、UE30は、送信しようとするULデータが、特定のデータであるか否かを判定する。UE30は、送信しようとするULデータが特定のデータでないと判定した場合、つまり送信しようとするULデータが通常のデータであると判定した場合、ULデータを送信するためのリソースを要求する予約信号を第1基地局10に送信する(ステップS17)。
【0068】
第1基地局10は、UE30から予約信号を受信すると、UE30から第1基地局10への上り通信を許可するULグラントをUE30に送信する(ステップS18)。これにより、UE30に対して、第1基地局10への上り通信のリソースが割り当てられる。
【0069】
UE30は、ULグラントを受信すると、ULデータを第1基地局10に送信する(ステップS19)。このようにして、UE30から第1基地局にULデータが送信される。
【0070】
第1基地局10は、UE30からULデータを受信すると、当該ULデータを情報処理装置40に送信する(ステップS20)。情報処理装置40は、例えばサーバ装置により構成されており、受信したULデータに基づく処理を実行する。
【0071】
図3のステップS17からステップS20の詳細は、それぞれ図5のステップS42からステップS45と同様である。
【0072】
UE30が通常のデータを送信する場合、ステップS17からステップS20の処理が実行される。
【0073】
次に、UE30に異常が発生したとする(ステップS21)。この場合、UE30は、異常が発生したことを示すデータを、特定のデータであると判定する。
【0074】
UE30は、送信しようとするULデータが特定のデータであると判定した場合、ステップS15で取得済みの第2基地局20の通信リソースを使って、ULデータを第2基地局20に送信する(ステップS22)。
【0075】
第2基地局20は、UE30からULデータを受信すると、当該ULデータを情報処理装置40に送信する(ステップS23)。情報処理装置40は、例えばサーバ装置により構成されており、受信したULデータに基づく処理を実行する。
【0076】
図4は、図2のUE30が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローの開始時点において、UE30と、第1基地局10及び第2基地局20との通信接続が確立されていないとする。
【0077】
まず、UE30は、第1基地局10との通信接続を確立する(ステップS31)。
【0078】
UE30と第1基地局10との間で通信接続が確立されると、図3のステップS13で説明したように、第1基地局10からMSGEが送信される。UE30は、第1基地局10から送信されるMSGEを受信する(ステップS32)。
【0079】
また、図3のステップS15で説明したように、第2基地局20からUE30に対して通信リソースが割り当てられる。これにより、UE30は、第2基地局20の通信リソースを確保する(ステップS33)。
【0080】
さらに、図3のステップS16で説明したように、第2基地局20からUE30に対してULグラントが送信される。UE30は、第2基地局20から送信されるULグラントを取得する(ステップS34)。これにより、UE30は、第2基地局20に対してULデータを送信可能な状態となる。
【0081】
次に、UE30は、ステップS32でMSGEを受信してから、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS35)。所定時間は、適宜定められていてよく、例えば数分から数時間の範囲で設定されてよい。所定時間は、第1基地局10又は第2基地局20による通信状況が変化しうる時間に設定されてよい。
【0082】
UE30は、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS35のYes)、ステップS32に移行し、再び第1基地局10からMSGEを受信する。例えば、第1基地局10は、UE30にMSGEを送信した後、所定時間が経過した場合に再度MSGEを送信し、UE30は、再度送信されたMSGEをステップS32で受信してよい。あるいは、UE30は、所定時間が経過したと判定した場合に、第1基地局10に対して、MSGEの再送要求を送信し、第1基地局10は、当該再送要求に基づいて、再度MSGEをUE30に送信してもよい。
【0083】
この場合、第2基地局20は、UE30に対して、再度、通信リソースの割り当て及びULグラントの送信を行う。UE30は、第2基地局20のこれらの処理に基づき、第2基地局20の通信リソースを確保し(ステップS33)、第2基地局20のULグラントを取得する(ステップS34)。このようにして、UE30は、再度第2基地局20に対してULデータを送信可能な状態となる。特に、UE30がステップS35で所定時間が経過したと判定したことにより再びステップS32からステップS34を実行した場合、UE30に対して割り当てられる通信リソースなどが、当初割り当てられた通信リソースから変更される場合がある。このようにして、所定時間が経過したことにより、第2基地局20による他のUE30との通信接続状況が変化している場合には、UE30に対して、最新の通信接続状況に応じた、適切な通信リソースが割り当てられる。
【0084】
UE30は、ステップS35において、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS35のNo)、基地局に送信するULデータを取得したか否かを判定する(ステップS36)。例えば、UE30は、UE30が備えるセンサなどによりULデータを取得したり、UE30が所定の処理を完了することによってULデータを取得したり、入力部35から受け付けたユーザの操作入力に基づくULデータを取得したり、外部の機器と情報通信を行うことによりULデータを取得したりすることができる。UE30は、ここで示した例の他、任意の方法で基地局に送信するULデータを取得することができる。
【0085】
UE30は、ULデータを取得していないと判定した場合(ステップS36のNo)、ステップS53に移行し、所定時間が経過したか否かを判定する。
【0086】
一方、UE30は、ULデータを取得したと判定した場合(ステップS36のYes)、当該ULデータが特定のデータであるか否かを判定する(ステップS37)。
【0087】
UE30は、ULデータが特定のデータでないと判定した場合(ステップS37のNo)、ULデータの第1基地局10への送信処理を実行する(ステップS38)。具体的には、図3のステップS17からステップS19の処理により、ULデータの第1基地局10への送信処理が行われる。そして、UE30は、ステップS35に移行する。
【0088】
一方、UE30は、ULデータが特定のデータであると判定した場合(ステップS37のYes)、ULデータの第2基地局20への送信処理を実行する(ステップS39)。具体的には、図3のステップS22で説明したように、ULデータがUE30から第2基地局20に直接送信される。そして、UE30は、ステップS35に移行する。
【0089】
本実施形態の通信システム1では、UE30は、ULデータが特定のデータであると判定した場合、第1基地局10とは異なる第2基地局20に特定のデータを送信する。そのため、通常のデータの送受信を行う第1基地局10との通信において輻輳が発生していても、特定のデータについては、その輻輳の影響を受けることなく、UE30から第2基地局20に送信することができる。すなわち、特定のデータの送信において、通信の安定性又は確実性を向上可能である。特に、本実施形態のように、第2基地局20が特定のデータのみを受信するように構成された専用の基地局である場合、緊急性又は重要性が高い特定のデータについては、通信の迅速性及び安定性を確保しやすくなり、通信の到達時間を短縮することができる。
【0090】
また、本実施形態のように、UE30は、第1基地局10との通信接続が確立されたときに、予め第2基地局20の通信リソースを取得することにより、特定のデータを送信する必要が生じた場合に、通信リソースを確保したり、認証を取ったりする必要がない。そのため、UE30は、迅速に特定のデータを送信することができる。
【0091】
上記実施形態において、一部の処理は実行されずに、省略されてもよい。例えば、図4のフローのステップS35は省略されてもよい。具体的には、例えば第2基地局20による通信接続状況の変動が少ない環境においては、ステップS35は省略されてもよい。ステップS35が省略されても、UE30と第2基地局20との通信接続を良好に維持することができるためである。
【0092】
また、例えば、図3のシーケンスのステップS15及び図4のフローのステップS33は省略されてもよい。例えば、図3のシーケンスのステップS13でUE30に送信されるMSGEに、第2基地局20との通信で用いられる通信リソースの情報が含まれる場合には、図3のシーケンスのステップS15及び図4のフローのステップS33が省略されても、UE30は第2基地局20と通信接続を実行することが可能である。
【0093】
また、例えば、図3のシーケンスのステップS16及び図4のフローのステップS34は省略されてもよい。例えば、第2基地局20が、特定の上り通信専用の通信リソースを常に開放している場合には、図3のシーケンスのステップS16及び図4のフローのステップS34は省略されてもよい。具体的には、第2基地局20は、例えば事前の許可(グラント)を行うことなくUE30との通信を実行可能なグラントフリー方式の基地局であってよい。第2基地局20がグラントフリー方式である場合、UE30は、事前の許可を受けることなく第2基地局20に特定のデータを送信することができる。そのため、第2基地局20がグラントフリー方式である場合、図3のシーケンスのステップS16及び図4のフローのステップS34を省略することができる。
【0094】
上記実施形態において、UE30は、ULデータが特定のデータであると判定した場合に、当該ULデータを第2基地局20に送信すると説明した(図4のステップS37及びステップS39)。UE30は、ULデータが特定のデータであると判定した場合、当該ULデータが特定のデータであることを示す処理を実行してもよい。例えば、ULデータが特定のデータであると判定した場合、当該ULデータにフラグを設定してもよい。このフラグは、フラグが設定されたULデータが特定のデータであることを示すものである。あるいは、例えば、ULデータが特定のデータであると判定した場合、当該ULデータの一部のビットの状態を、ULデータが特定のデータであることを示す特定の状態に変更する処理を行ってもよい。このようにフラグが設定されていたり、ビットの状態が変更されていたりすることにより、UE30は、当該ULデータが特定のデータであることを認識できるようになる。UE30は、フラグが設定されているか、ビットの状態が変更されているULデータを、第2基地局20に送信する。これにより、上記実施形態と同様の処理を実現することができる。
【0095】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。

図1
図2
図3
図4
図5