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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-09
(45)【発行日】2025-07-17
(54)【発明の名称】充填包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/087 20120101AFI20250710BHJP
【FI】
B65B9/087
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023148972
(22)【出願日】2023-09-14
(65)【公開番号】P2025042138
(43)【公開日】2025-03-27
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】523351542
【氏名又は名称】松川技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【弁護士】
【氏名又は名称】山下 あや理
(72)【発明者】
【氏名】黄 松
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0025476(US,A1)
【文献】特開2003-267316(JP,A)
【文献】特開2022-147660(JP,A)
【文献】特開2017-218183(JP,A)
【文献】特開2022-035308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/08 - 9/087
B65B 43/30
B65B 51/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り目(104)が下向くように中央で二つ折りされた断面V字形をなす帯状の包装材(103)を、その包装材供給経路(100)から平面視の円弧状に弯曲する円周搬送経路(101)を経て延長搬送経路(102)へ連続的に搬送する過程において、
上記包装材(103)の下方に設置されて、その包装材供給経路(101)の包装材搬送方向に沿い往復運動する平行移動ユニット(28)を有し、その平行移動ユニット(28)には二つの相対運動する縦シールナイフホルダー(27)を各々備えた複数組の縦シールナイフユニットが、上記包装材(103)の搬送方向に沿って並列するように設置されていると共に、その隣り合う縦シールナイフ組の開けられた相互間へ上記包装材(103)を通し込んで、その複数組の縦シールナイフの同期運動により、その包装材(103)を所定の間隔おきに縦シール(107)することができる縦シール機構を用いて、
上記包装材(103)をその包装材供給経路(100)から円周搬送経路(101)の中へ進入する前に、その搬送方向に沿う所定の間隔おきに縦シール(107)して、その隣り合う縦シール(107)の相互間に袋口(115)が上向く袋部(108)を形成することにより、連続の袋体(116)とする第1ステップ(S1)と、
上記円周搬送経路(101)の内側に設置されて、第1ステップ(S1)での縦シール(107)された袋体(116)を保持しつつ、その円周搬送経路(101)に沿って搬送する吸引バッグ回転盤機構(1)と、同じく円周搬送経路(101)の外側に設置されて吸引バッグ回転盤機構(1)と相対的に回転し、且つその回転の線速度が同じーボ吸引機構(2)とから成る袋開け機構を用いて、
そのサーボ吸引機構(2)が上記袋体(116)における袋部(108)の外側にある包装材(103)を吸着する一方、上記吸引バッグ回転盤機構(1)が同じく袋部(108)の内側にある包装材(103)を吸着して、その両機構(1)(2)の相対的な回転に連れて両者の間をすり抜ける上記外側と内側の包装材(103)を分離することにより、上記袋部(108)の袋口(115)を順次開けると共に、その開けた状態を維持したままで円周搬送経路(101)に沿って搬送する第2ステップ(S2)と、
上記袋口(115)の開けた状態にある袋部(108)へ充填材の充填シュート(109)を挿入し、且つその充填シュート(109)が上記円周搬送経路(101)に沿う袋体(116)の搬送と同期して円弧運動しつつ、その円周搬送経路(101)の中で上記袋部(108)へ充填材を充填した後、その充填した袋部(108)が円周搬送経路(101)から延長搬送経路(102)の中へ進入する前に、上記充填シュート(109)を袋部(108)から抜き出す第3ステップ(S3)とを行うことを特徴とする充填包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続した包装材に充填材を充填する充填包装方法に関する。
【0002】
従来の連続した包装材に対して、例えば粉状又は粒状の充填材を充填する充填包装方法の実施には、特許文献1、2に開示されているような回転式の充填包装機が使用されている。
【0003】
この充填包装機では図1に示すように包装材の搬送経路として、帯状の包装材(103)をその折り目(104)が下向くように中央で二つ折りした状態(断面略V字状)で連続的に供給する包装材供給経路(100)と、その包装材供給経路(100)に始点(P1)が連なる平面視の略円弧状に弯曲する円周搬送経路(101)と、その円周搬送経路(101)の終点(P2)に連なる延長搬送経路(102)とが設けられている通例である。
【0004】
そして、図2に示すように上記円周搬送経路(101)では帯状の包装材(103)が、その円周搬送経路(101)の円周面に沿う所定の間隔において配置された複数の縦シール部(105)により保持されながら、その円周方向へ搬送される。
【0005】
その各縦シール部(105)は包装材(103)を挟持する一対のシールバー(106)を備えており、その包装材(103)における一対のシールバー(106)によって挟持された部分をヒートシールする。その結果、包装材(103)にはその上端から下端に至るまでの上下方向に延びる縦シール(107)が形成されることになる。
【0006】
上記包装材(103)には図3に示すように、その搬送方向に沿う所定間隔おきでの縦シール(107)が形成されており、これによって包装材(103)における隣り合う縦シール(107)の相互間には、上向き開口する袋口(115)を備えた袋部(108)が形成される。上記円周搬送経路(101)においてその各袋部(108)に上方から充填シュート(109)を通じて充填材が充填される。
【0007】
このような充填包装方法を実現するために、充填包装機としては連続的に供給される包装材(103)に対し、縦方向で密封又は接着する縦方向シール部位(105)と、折りたたんだ状態にある包装材(103)の中へ挿入して、充填材を充填する充填シュート(109)を具備する必要がある。
【0008】
図1、2に示すように、充填シュート(109)は上記包装材(103)の袋部(108)と一緒に円周搬送経路(101)の円周方向へ移動(円弧運動)する過程において、充填包装機のメインフレーム(111)にある昇降カムの作用軌跡だけ昇降する昇降軸(110)によって実現される昇降運動を行う。これと同時に、充填シュート(109)はその昇降軸(110)を中心として、上記メインフレーム(111)内にある回転カムにより実現される回転運動も行う。
【0009】
図2から明白なように、充填シュート(109)を上記包装材(103)の中へ挿入するタイミングとしては、連続的に搬送される帯状の包装材(103)がその中央で二つ折りされた後に挿入することとなり、上記縦シール部(105)のシールバー(106)が包装材(103)の縦シール(107)を行う時には、充填シュート(109)が既に袋部(108)の中にある。
【0010】
充填シュート(109)が昇降軸(110)に伴なって昇降運動することは、中央で折りたたまれた状態(断面略V字状)にある包装材(103)の中へ、充填シュート(109)を挿入しやすくするためである。また、充填シュート(109)が昇降軸(110)に伴なって回転運動することは、包装材(103)の袋部(108)から充填シュート(109)を円滑に抜き出すためであり、同時に隣り合う充填シュート(109)の相互間隔距離を開け(広げ)て、前の(先行する)充填シュート(109)を折りたたみ状態にある包装材(103)の中へ挿入しやすくし、その充填シュート(109)の連続稼働を実現するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2006-21795号公報
【文献】特開2019-167146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、特許文献1、2に開示された従来の充填包装機を用いた充填包装方法では、未だ解決すべき下記の諸問題がある。
【0013】
第1に、帯状の包装材(103)が円周搬送経路(101)において、複数の縦シール部(105)をなす一対ずつのシールバー(106)で挾持されることにより、その包装材(103)に対する縦シール(107)を実現しており、しかもその複数対のシールバー(106)が円周搬送経路(101)の円周方向へ移動(円弧運動)する時に、その円周搬送経路(101)の始点(P1)において包装材(103)を挟持し、同じく円周搬送経路(101)の終点(P2)において包装材(103)を放さなければならない。そのシールバー(106)による包装材(103)の挾持と放し(挾持状態の解除)の動作を実現するためには、カム機構を設置する必要があり、それだけ構造が複雑化し、設備のコストが高くなる。
【0014】
第2に、充填材の充填シュート(109)が包装材(103)の袋部(108)と一緒に円周搬送経路(101)の円周方向へ移動(円弧運動)する場合、その充填シュート(109)は折りたたまれた包装材(103)との干渉を避けるため、袋部(108)の中へ入る前に昇降軸(110)に伴なって昇降運動すると同時に、その昇降軸(110)を中心とした回転運動も行わなければならない。これら2つの運動を実現するためには、少なくとも昇降カムと回転カムの2つ(2種)が必要であり、それだけ構造が複雑となり、設備のコスト高を招く。
【0015】
第3に、縦シール部(105)のシールバー(106)は円周搬送経路(101)の始点(P1)から終点(P2)まで移動(円弧運動)する間、包装材(103)を挟持した状態のままに維持しなければならない。(シールバーのカム軌跡によって限定され、その軌跡の区間ではシールバーを開く/解放することができない。)回転式充填包装機の連続運転が停止された時に、上記円周搬送経路(101)の中に縦シール部(105)のシールバー(106)が未だ包装材(103)を挟持した状態のままに保たれていると、そのシールバー(106)の余熱(残熱)によって包装材(103)が変形したり、溶けたりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記諸問題の解決を目的としており、その目的を達成するための回転式充填包装方法として、連続的に搬送される包装材を折り目が下向くように中央で折りたたんだ後、その包装材が円周搬送経路へ進入する前に、先ず縦シールすることにより連続した袋体を形成し、その連続の袋体を円周搬送経路へ搬入した後、その連続した袋体におけるすべての袋部を真空での負圧吸着作用によって順次に開き、その開いた袋口から袋部の中へ充填シュートを挿入して、その充填シュートにより充填材を充填するようになっている。
【0017】
即ち、本発明の充填包装方法では請求項1に記載のとおり、折り目が下向くように中央で二つ折りされた断面V字形をなす帯状の包装材を、その包装材供給経路から平面視の円弧状に弯曲する円周搬送経路を経由して延長搬送経路へ連続的に搬送する過程において、
【0018】
上記包装材の下方に設置されて、その包装材供給経路の包装材搬送方向に沿い往復運動する平行移動ユニットを有し、その平行移動ユニットには二つの相対運動する縦シールナイフホルダーを各々備えた複数組の縦シールナイフユニットが、上記包装材の搬送方向に沿って並列するように設置されていると共に、その隣り合う縦シールナイフ組の開けられた相互間へ上記包装材を通し込んで、その複数組の縦シールナイフの同期運動により、その包装材を所定の間隔おきに縦シールすることができる縦シール機構を用いて、
【0019】
上記包装材をその包装材供給経路から円周搬送経路の中へ進入する前に、その搬送方向に沿う所定の間隔おきに縦シールして、その隣り合う縦シールの相互間に袋口が上向く袋部を形成することにより、連続の袋体とする第1ステップと、
【0020】
上記円周搬送経路の内側に設置されて、第1ステップでの縦シールされた袋体を保持しつつ、その円周搬送経路に沿って搬送する吸引バッグ回転盤機構と、同じく円周搬送経路の外側に設置されて、吸引バッグ回転盤機構と相対的に回転し、且つその回転の線速度が同じザーボ吸引機構とから成る袋開け機構を用いて、
【0021】
そのサーボ吸引機構が上記袋体における袋部の外側にある包装材を吸着する一方、上記吸引バッグ回転盤機構が同じく袋部の内側にある包装材を吸着して、その両機構の相対的な回転に連れて両者の間をすり抜ける上記両側(外側と内側)の包装材を分離することにより、上記袋部の袋口を順次開けると共に、その開けた状態を維持したままで円周搬送経路に沿って搬送する第2ステップと、
【0022】
上記袋口の開けた状態にある袋部へ充填材の充填シュートを挿入し、且つその充填シュートが上記円周搬送経路に沿う袋体の搬送と同期して円弧運動しつつ、その円周搬送経路の中で上記袋部へ充填材を充填した後、その充填した袋部が円周搬送経路から延長搬送経路の中へ進入する前に、上記充填シュートを袋部から抜き出す第3ステップとを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の充填包装方法によれば、帯状の包装材を中央で二つ折りした後、円周搬送経路の始点へ進入する前(上流側)の包装材供給経路において、その二つ折り状態の包装材に対する縦シールを行った後、その上下方向での密封又は接着された連続の袋体を円周搬送経路の中へ搬入している。
【0024】
つまり、本発明の充填包装方法では第1ステップとして、包装材が円周搬送経路の中へ進入する前に、先ず縦シールを行い、その後第2ステップとして引き続く円周搬送経路の中において、真空負圧の吸着作用により連続の袋体を保持しながら、その円周搬送経路に沿う搬送(移動/円弧運動)を行うようになっており、従来技術のような包装材を挟持する一対のシールバーから成る縦シール部が、連続の袋体にある縦シールと一緒に円周搬送経路に沿って移動(円弧運動)することを避け、その円弧運動するシールバーとそのシールバーによる包装材の挾持と放し(挾持状態の解除)の動作を実現するためのカム機構を省略することができる結果、それだけ必要な構造が簡素となり、設備のコストを低減できるばかりでなく、連続稼働の停止時にシールバーの余熱(残熱)を受けている包装材が変形したり、溶けたりする問題を解消できる効果もある。
【0025】
また、本発明の上記充填包装方法ではその第2ステップにおいて、真空負圧の吸引原理に基づき袋部の袋口を開けるようになっており、充填材の充填シュートはその開けられた状態にある袋口から、第3ステップにおいて袋部の中へ挿入するだけで良く、充填シュートは昇降する動作だけで済むため、従来技術のように充填シュートをその昇降軸の中心周りに回転連動させる必要がない。
【0026】
従来技術では、中央で折りたたまれた包装材が円周搬送経路の始点へ進入する手前(上流側)の時点において、その円周搬送経路の中へ充填シュートが既に進入しているため、その充填シュートが円周搬送経路の接線方向まで移動し、その接線方向から円周搬送経路の中へ進入する運動軌跡を保持しなければならず、そのためには充填シュートを昇降軸の中心周りに所要の回転角だけ回転させる必要がある。
【0027】
これに比し、本発明では円周搬送経路において袋部の袋口を開ける方法であるため、その袋部の中へ充填シュートを挿入するだけで済み、その充填シュートを円周搬送経路における始点位置の接線となる方向と同じ運動軌跡に保持する必要がなく、充填シュートを昇降軸の中心周りに回転させるための回転カムが不要となり、それだけ構造が簡素化し、設備のコストを削減できるのである。
【0028】
その場合、吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構とから成る充填包装用包装材の袋開け機構を採用しているため、吸引バッグ回転盤機構における円周面の一部が円周搬送経路の円弧状を形作っている(実現している)こととも相俟って、その吸引バッグ回転盤機構の円周面へ負圧吸引の作用により連続の袋体を保持しつつ、円周搬送経路に沿って搬送することができると共に、その袋体の袋部を形成している内側と外側の両包装材を、吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構との相対回転により分離して、その袋部の袋口を順次円滑に開けることができ、次の充填シュートを挿入しやすくなるため、高い搬送効率と充填効率を得られる。
【0029】
上記相対回転する方法は、吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構との相互間をすり抜ける(通過する)袋体に対して、負圧をかけることによる袋開けの操作であると言え、その操作によって1回には1つの袋部の袋口を開けるようになっているため、高い袋開け効率と精度並びに継続性を達成することができる。
【0030】
更に、上記充填包装方法の第3ステップにおいて、、充填シュートの昇降駆動源となる昇降軸が袋開け機構をなす上記吸引バッグ回転盤機構と同期して、円周搬送経路に沿う円弧運動(移動)を行うと同時に、その円周搬送経路において昇降カムの規定する作用軌跡(ストローク)だけ、充填シュートを伴なって昇降運動も行い、その下降により充填シュートを袋口が開けられた袋部の中へ挿入させる一方、その袋部が円周搬送経路の終点から延長搬送経路の中へ進入する前に、同じく昇降軸の上昇によって充填シュートを、上記袋部の中から抜き出す構成の充填機構を用いるならば、充填シュートを昇降軸によって昇降運動させるだけで良く、その昇降軸の中心周りに充填シュートを回転運動させる必要はない。その回転運動させるための回転カムを省略することができ、上記昇降カムさえあれば足りるのである。
【0031】
また、図6に示すような二つの相対運動する縦シールナイフホルダーを備えた複数組の縦シールナイフが並列設置された平行移動ユニットから成る縦シール機構を採用しているため、包装材の搬送効率を低下させるなどの悪影響なく、中央での二つ折りされた状態の包装材に対する所定間隔おきの縦シールを円滑に安定良く行うことができ、その高い縦シール効率を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1従来の回転式充填包装機を示す概略平面図である。
図2図1に示す充填包装機の斜面図である。
図3連続する袋体の一部を抽出して示す正面図である。
図4本発明の好適な実施形態に係る充填包装方法のステップ(工程)を示すフロー図である。
図5図4の充填包装方法に用いる回転式充填包装機を示す図1に対応する平面図である。
図6図5の充填包装機の中途高さ位置だけを言わば水平に切断した状態として、連続する袋体の袋部と充填材の充填シュートとの対応位置関係を示す平面図である。
図7図5の充填包装機における袋開け機構を示す全体概略斜面図である。
図8図7の袋開け機構を図6と対応させて示す拡大平面図である。
図9図7の平面図である。
図10図9のA-A線拡大断面図である。
図11図10から吸引バッグ回転盤の回転盤本体を抽出して示す拡大斜面図である。
図12図10から中空回転台(吸引バッグ駆動ユニット)を抽出して示す拡大斜面図である。
図13図10から配気盤を抽出して示す拡大斜面図である。
図14図10から吸引バッグモジュールを抽出して示す拡大斜面図である。
図15図10からサーボ吸引機構を抽出して示す拡大斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳しく説明する。この実施形態は本発明の一例であるに過ぎず、また特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0034】
図1、2は従来の充填包装方法に用いられている回転式充填包装機を示しており、図5、6は本発明の実施形態に係る充填包装方法に用いる回転式充填包装機を示しているが、その両者の共通する構成部分から明白なように、連続して供給される包装機の搬送経路は平面視の円弧状として水平方向に延在する円周搬送経路(101)と、その円周搬送経路(101)の始点(入口)(P1)に連なる包装材供給経路(100)と、同じく円周搬送経路(101)の終点(出口)(P2)に連なる延長搬送経路(102)とから成る。
【0035】
図1、2と図5、6に示すように、折りたたみ部(112)は上記包装材供給経路(100)に設置されており、薄肉なシート材から成る帯状の包装材(103)が連続的に供給される過程において、その包装材(103)を折り目(104)が下向くように中央で(長手中心線上において)二つ折り状態(断面略V字形)に折りたたむようになっている
【0036】
また、二つ折り状態にある断面V字形の包装材(103)を、その長手方向(搬送方向)に沿う所定の間隔おきに縦シール(接着又は密封)(107)して、その隣り合う縦シール(107)の相互間に袋口(115)が上向く袋部(108)を形成することにより、連続の袋体(116)として搬送し得るようになっている。
【0037】
そして、その連続の袋体(116)の袋部(108)には充填材供給部(113)から供給される充填材を、その充填シュート(109)によって上方から充填した後、その充填した袋部(108)の上向き開口している袋口(115)を、その開口上縁部に沿ってトップシール(熱接着)(117)することにより、多数の袋部(108)を備えたバッグとして完成するようになっている。そのトップシール部(117)は上記延長搬送経路(102)に設置されている。
【0038】
その完成品のバッグは、例えば上記縦シール(107)の位置において切断され、単独の完成品として供給されることになる。尚、図5、6に示した充填包装機が具備するその他の構成のうち、図1、2に示した従来のそれと同じ構成部分については、その具体的な説明を省略する。
【0039】
本発明の実施形態に係る充填包装方法は、上記のような折り目(104)が下向くように長手中心線上から二つ折りされた断面V字形をなす帯状の包装材(103)を、その包装材供給経路(100)から平面視の円弧状に弯曲する円周搬送経路(101)を経由して、延長搬送経路(102)まで連続的に搬送する過程において、図4に示す工程フロー図から明白なように、
【0040】
先ず第1ステップ(S1)として、上記包装材(103)をその包装材供給経路(100)から円周搬送経路(101)の中へ進入する前に、その搬送方向(長手方向)に沿う所定の間隔おきに縦シール(107)を行って、その隣り合う縦シール(107)の相互間に袋口(115)が上向く袋部(108)を形成することにより、連続の袋体(116)とし、引き続く円周搬送経路(101)へ送り込むことができるようにする。
【0041】
次に第2ステップ(S2)として、連続する上記袋体(116)の袋部(108)を形成している両側(断面V字形の向かい合う内側と外側)の包装材(103)を、引き続き円周搬送経路(101)の中で真空負圧の吸着作用に基づき相反方向へ分離して、その袋部(108)の袋口(115)を順次に開けると共に、その開けた状態を維持したままで円周搬送経路(101)に沿って搬送する。その場合、袋口(115)を開ける時点は、円周搬送経路(101)の始点(入口)(P1)であっても良く、その円周搬送経路(101)の中である限り、実施状況に応じて適当に調整することができる。
【0042】
更に第3ステップ(S3)として、上記袋口(115)の開けた状態にある袋部(108)へ充填シュート(109)を挿入し、且つその充填シュート(109)が円周搬送経路(101)に沿う袋体(116)の搬送と同期して円弧運動(移動)しつつ、その円周搬送経路(101)の中で上記袋部(108)へ充填材を充填した後、その充填材を充填した袋部(108)が円周搬送経路(101)の終点(P2)から延長搬送経路(102)の中へ進入する前に、上記充填シュート(109)を袋部(108)から抜き出すのである。その抜き出す具体的な高さ位置は、昇降カム(図示省略)の作用軌跡(ストローク)によって決まるが、実施状況に応じて適当に設定・調整することができる。
【0043】
上記実施形態の充填包装方法では要するに、帯状の包装材(103)が二つ折りされた断面V字形の状態になってから、円周搬送経路(101)の始点(入口)(P1)よりも前(上流側)にある包装材供給経路(100)へ進入し、そこで先ずその包装材(103)に縦シール(107)を施した後、その連続する袋体(116)を円周搬送経路(101)の中へ送り込み、その袋体(116)を真空負圧の吸着作用により保持しながら、円周搬送経路(101)の円周方向へ搬送しているため、従来技術の円周搬送経路に沿って円弧運動(移動)するシールバーと、これに対応するカム機構の設置を省略することができ、冒頭に述べた問題を解消し得るのである。
【0044】
上記包装材搬送経路における円周搬送経路(101)の平面形状としては、その始点(P1)から終点(P2)までの円弧状をなす限り、図5に示すような1/2円形(半円形)から図6に示すような3/4円形までの任意な円弧形に設定することができ、特に図5のような半円形として水平に延在させることが好ましい。実際の生産状況次第によっては、1/4円形に設定することもあり得る。
【0045】
上記実施形態に係る充填包装方法の第1ステップ(S1)で使用する包装材(103)の縦シール機構は図5に示すように、包装材供給経路(100)における折りたたみ部(112)の後側(下流側)に設置された左右一対の回転可能な縦シールローラー(26)を含み、その縦シールローラー(26)の円周方向には複数の縦シールナイフホルダー(27)が均等に嵌め込まれており、中央で二つ折りされた状態(断面略V字状)の包装材(103)を、その縦シールローラー(26)の向かい合う相互間へ通し込んで、その両側に位置する縦シールローラー(26)により所定の間隔おきに縦シール(107)するようになっている。
【0046】
図6図5の上記縦シール機構に代えて採用できる別な好ましい縦シール機構を示しており、これは同じく中央で二つ折りされた状態にある包装材(103)の下方に設置されて、その包装材供給経路(100)における包装材(103)の搬送方向(長手方向)に沿い往復運動する平行移動ユニット(28)を含み、その平行移動ユニット(28)には上記包装材(103)の搬送方向(長手方向)に沿って並列する複数組の縦シールナイフユニットが設置されている。
【0047】
しかも、その各組の縦シールナイフユニットは2つの相対運動する縦シールナイフホルダー(27)を含み、隣り合う縦シールナイフ組の相互間を所定の間隔に開ける。上記包装材(103)を2つの相対運動する縦シールナイフホルダー(27)の相互間へ通し込んで、複数組の縦シールナイフの同期運動により、その包装材(103)を所定の間隔おきに縦シール(107)するようになっている。
【0048】
次に、上記充填包装方法の第3ステップ(S3)で使用する充填材の充填機構は、充填シュート(109)と昇降軸(110)並びに昇降カム(図示省略)を含み、これらは複数ずつとして均一な分布状態にあり、その昇降軸(110)の上部から張り出す水平な連結アーム(図示省略)の先端部に、漏斗状の充填シュート(109)が取り付け一体化されている一方、同じく昇降軸(110)の下部が昇降カムによって支持されている。
【0049】
そして、充填シュート(109)とその昇降軸(110)は詳しく後述する袋開け機構の吸引バッグ回転盤機構(1)と同期して、円周搬送経路(101)に沿う円弧運動(移動)を行いながら、昇降カムの規定する作用軌跡(ストローク)だけ昇降運動するようになっている。その昇降運動は連続の袋体(116)における袋部(108)の開けられた状態にある袋口(115)に対して、その上方から充填シュート(109)を円滑に出し入れするためである。
【0050】
また、吸引バッグ回転盤機構(1)における吸引バッグ回転盤(3)の円周面一部は、円周搬送経路(101)の円弧状(円弧運動軌跡)を形作っており、その吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)には上記昇降軸(110)を受け入れる複数の軸穴(25)が、均一な分布状態に貫通形成されていて、その軸穴(25)へ回転盤本体(6)の回転軸線と平行に昇降軸(110)が差し込み垂立されている。その回転盤本体(6)の回転に連れて昇降軸(110)に伴なう充填シュート(109)が円周搬送経路(101)に沿う上記円弧運動(移動)も行うようになっているのである。
【0051】
そのため、回転盤本体(6)の駆動力を利用し、昇降軸(110)を介して充填シュート(109)を円弧運動させることができると共に、回転盤本体(6)の中空内部へ昇降カムを取り付けて、上記充填シュート(109)の昇降運動を制御し得るのであり、その動力源の共用によって設備のコストが低減する。
【0052】
しかも、上記袋部(108)の袋口(115)を開けるための吸着穴(8)を備えた吸引バッグエリア(7)の複数が、上記回転盤本体(6)の円周面に設けられている一方、その吸引バッグエリア(7)と対応位置する同じ複数の充填シュート(109)が、上記水平な連結アームの張り出し先端部から袋部(108)の袋口(115)を目指して垂下している。そのため、充填シュート(109)は充填材供給部(113)から供給された充填材を、連続の袋体(116)の袋部(108)へ確実に安定良く充填することができる。
【0053】
更に、上記充填包装方法の第2ステップ(S2)で使用する包装材(103)の真空袋開け機構は、吸引バッグ回転盤機構(1)とサーボ吸引機構(2)を含む。吸引バッグ回転盤機構(1)における円周面の一部が上記円周搬送経路(101)の円弧形(円弧運動軌跡)を形作っており、その吸引バッグ回転盤機構(1)が第1ステップ(S1)において縦シール(107)された連続の袋体(116)を保持しつつ、その回転に連れて円周搬送経路(101)の円周方向へ搬送する。
【0054】
サーボ吸引機構(2)は上記吸引バッグ回転盤機構(1)との対応的に設置されており、且つ円周搬送経路(101)の外側に位置している。サーボ吸引機構(2)と吸引バッグ回転盤機構(1)とは相対的に回転し、且つその回転の線速度は同じである。サーボ吸引機構(2)が上記袋体(116)の袋部(108)を形成している外側の包装材(103)を吸着する一方、吸引バッグ回転盤機構(1)が同じく袋部(108)を形成している内側の包装材(103)を吸着し、その両機構(1)(2)の相対回転に連れて両者の相互間をすり抜ける(通過する)両側の包装材(103)を分離することにより、上記袋部(108)の袋口(115)を順次に開けるようになっている。
【0055】
上記袋開け機構における吸引バッグ回転盤機構(1)の好ましい別な構成を図7に基づいて説明すると、この吸引バッグ回転盤機構(1)は吸引バッグ回転盤(3)とその回転駆動用吸引バッグ駆動ユニットを含む。その吸引バッグ回転盤(3)における回転盤本体(6)の円周面には、図8、9のように複数の吸引バッグエリア(7)が均一な分布状態に設けられており、しかもその各吸引バッグエリア(7)には袋体(116)における片側(外側又は内側)の包装材を吸着する吸着穴(8)が、数多く開口分布されている。
【0056】
吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)には図9~11から示唆されるように、上記昇降軸(110)を受け入れる軸穴(25)が貫通形成されており、その軸穴(25)へ回転盤本体(6)の軸線方向に沿って差し込まれた均一な分布状態にある昇降軸(110)が、その回転盤本体(6)の回転に連れて円周方向への円弧運動(移動)を行う。
【0057】
同じく真空袋開け機構のサーボ吸引機構(2)は吸着柱(4)と、その吸着柱(4)の回転駆動用袋開け駆動ユニット(5)を含む。その吸着柱(4)の円周面には図7~10から明白なように、上記吸引バッグ回転盤(3)の円周面にある複数の吸引バッグエリア(7)と対応する袋開けエリア(9)が設けられていると共に、その袋開けエリア(9)には図10図15に示すように、複数の袋開け負圧穴(10)が開口分布されている。上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)にある吸引バッグエリア(7)と、その吸着柱(4)の袋開けエリア(9)とが対応位置する関係にある。
【0058】
上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は一例として、図6、8に示すような中実の円盤状をなし、その中心に連結された回転軸(図示省略)が、上記吸引バッグ駆動ユニットによって駆動されるようになっている。その時の吸引バッグ駆動ユニットとしては、サーボモーターと減速機との組み合わせを採用することができる。
【0059】
上記回転盤本体(6)の内部には図6、8に示すように、吸引バッグエリア(7)に分布している吸着穴(8)と繋ぐための負圧ガス経路(24)が配列設置されている。その負圧ガス経路(24)は図外の負圧ロータリージョイントと配管構造を介して、負圧源と接続されている。
【0060】
その場合、上記吸引バッグエリア(7)は図7~9や図14から明白なように、回転盤本体(6)の円周面に形成された凹曲面であり、その凹曲面は包装材(103)の袋部(108)が開けられた後に、その袋部(108)の片側(外側又は内側)の包装材を収納し、袋口(113)の開口状態を保持することに有益である。
【0061】
また、上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は別な一例として、図7、9や図10、11に示すように、中空の円盤状であり、その回転盤本体(6)の円周面に形成された吸引バッグエリア(7)の凹曲面に、包装材の袋部(108)が一つずつ収納され、連続の袋体(116)にある袋部(108)のすべてが、その吸引バッグエリア(7)へ順次に吸着されると共に、その回転盤本体(6)の吸引バッグエリア(7)と上記吸着柱(4)の袋開けエリア(9)とが対応してから、袋部(108)の袋口(115)を開けるようになっている。
【0062】
更に好ましい一例として、図10、11に示すように、上記回転盤本体(6)の底部は中空回転台(11)の回転部位(12)と接続されており、その接続上フランジ構造(図示省略)を採用することができる。回転盤本体(6)の円周側に複数の吸引バッグモジュール(19)が設置されると共に、その複数の吸引バッグモジュール(19)を取り付けるための取付穴(図示省略)が、その回転盤本体(6)の円周側に設けられている。
【0063】
記吸引バッグモジュール(19)が回転盤本体(6)の回転軸側にある吸引バッグエリア(7)に代わって、その回転盤本体(6)の円周面に吸引バッグエリア(7)を形成し、その吸引バッグモジュール(19)の設置により、吸引バッグエリア(7)の各個を互いに独立させて、一つの吸引バッグモジュール(19)が故障したとしても、その単独に新品と交換することができ、メンテナンスコストの低減に役立つ。
【0064】
上記真空袋開け機構における吸引バッグ回転盤機構(1)の好ましい更に別な構成を図10、12に基づいて説明すると、この吸引バッグ回転盤機構(1)の吸引バッグ回転盤(3)を駆動する吸引バッグ駆動ユニットは中空回転台(11)であり、回転部位(12)と固定部位(14)を含み、その固定部位(14)との相対的に回転部位(12)が回転する。
【0065】
つまり、吸引バッグ回転盤(3)の下端部が中空回転台(11)の回転部位(12)に取り付けられて、その中空回転台(11)の回転部位(12)と一緒に回転するようになっている。中空回転台(11)を吸引バッグ回転盤(3)の駆動装置として使用することにより、その吸引バッグ回転盤(3)の安定した運転を確保するのである。併せて、中空回転台(11)の中空内部へ充填シュート(109)の昇降駆動源となる昇降軸(110)と昇降カムを装着することができ、その装着スペースの節約によって全体構造がコンパクトになる利点もある。
【0066】
図6、8に説示した上記構成と比べて、図10、12に示す吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は、中空の円盤構造をなし、上記中空回転台(11)の固定部位(14)に配気盤(13)が取り付け固定されており、その配気盤(13)の内部には負圧チャンバー(15)が設置されていると共に、同じく配気盤(13)の表面には吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通する槽(16)が設けられている。
【0067】
配気盤(13)を通じて、上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)にある吸引バッグエリア(7)へ負圧の吸引力を提供し、その負圧吸引力の安定を確保している。上図6、8に説示した上記構成と比べて、内部のスペースを節約することができ、その構造の内部にある負圧ガス経路(24)の詰まり現象による部分的な吸引バッグエリア(7)の失効を避けることもできるのである。
【0068】
また、上記配気盤(13)には槽(16)が設けられており、その槽(16)が吸引バッグ回転盤(3)の設定角度の円周部分だけにおいて、吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通接続され、その槽(16)と吸着穴(8)とが繋がる時に吸着し、繋がらない時には吸着しないことで、負圧の反復的な切り替えを行う必要がなく、その負圧の吸着力を安定良く提供することができる。
【0069】
更に有益な構成として、上記配気盤(13)は図13に示すような底座(17)と蓋(18)を含み、その配気盤(13)の底座(17)が上記中空回転台(11)の固定部位(14)に取り付け固定されている。他方、配気盤(13)の蓋(18)は上記底座(17)へ密閉状態に装着されていると共に、その蓋(18)に上記した槽(16)が設けられている。
【0070】
中空回転台(11)に取り付け固定された配気盤(13)と、吸引バッグ回転盤(3)との間には相対回転が発生しているため、配気盤(13)の摩耗を避けるべく、これを底座(17)と蓋(18)との2部分に分別することにより、配気盤(13)に摩耗が発生したならば、その全体を新品と交換することなく、その蓋(18)だけを新品と交換すれば良いことにして、メンテナンスコストを低減できるようになっている。
【0071】
上記配気盤(13)の蓋(18)は錫と銅との合金から成り、その蓋(18)の上側に複数の穴がドリル加工されていると共に、その穴の中にグラファイトが注入されている。その蓋(18)は錫銅の合金から作成されているため、耐摩耗性が向上し、その使用寿命を延ばすことができる。
【0072】
また、配気盤(13)の蓋(18)にはグラファイトが注入されているため、その配気盤(13)の蓋(18)と上記吸引バッグ回転盤(3)との相互間に発生する摩擦力を下げ、その摩耗を低減することにより、使用寿命を延ばすことができる。更に、上記穴は盲穴であるため、貫通穴と異なって、その中に注入されたグラファイトが脱落するおそれはない。
【0073】
図10、11に説示した吸引バッグモジュール(19)の好ましい別な構成を、図14に基づいて説明すると、この吸引バッグモジュール(19)はモジュール本体(20)を含み、そのモジュール本体(20)は中空構造であって、その外側面が凹曲面(21)をなし、ここに開口分布する吸着穴(8)が、モジュール本体(20)内の中空チャンバーと連通している。そのモジュール本体(20)の底部には、上記配気盤(13)にある槽(16)との連通穴(22)が開口形成されており、その連通穴(22)と上記吸着穴(8)とが接続されている。連通穴(22)と上記中空回転台(11)にある配気盤(13)との組み合わせにより、吸着穴(8)のために負圧を供給しているのである。
【0074】
図7~10に説示したサーボ吸引機構(2)の好ましい別な構成を、図15に基づいて説明すると、このサーボ吸引機構(2)は吸着柱(4)の取付ベース(23)も含む。吸着柱(4)と袋開け駆動ユニット(5)との何れもその取付ベース(23)に取り付けられており、その吸着柱(4)の下端面と取付ベース(23)の上端面との相互間に、配気盤(13)が介挿設置されている。その配気盤(13)の構造は上記第3実施形態として説明した配気盤(13)のそれと同じく、図13に示すとおりである。
【0075】
尚、上記サーボ吸引機構(2)の袋開け駆動ユニット(5)は、一例としてギヤ装置であり、そのギヤ装置の伝動とギヤ比を適切に制御することによって、サーボ吸引機構(2)と吸引バッグ回転盤機構(1)とを同じ動力源の共用により、同じ線速度として相対的に回転させることができる。また、別な一例として袋開け駆動ユニット(5)を、サーボモーターと減速機との組み合わせ構造とし、クランクシャフトを介して吸着柱(4)と連結することにより、その吸着柱(4)を回転させるようにしても良い。
【0076】
本発明の具体的な各種実施例を説示したが、これらは本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、またその特許請求の範囲を逸脱しない限り、多種多様な変更や改良を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
(1)・・・・・吸引バッグ回転盤機構
(2)・・・・・サーボ吸引機構
(3)・・・・・吸引バッグ回転盤
(4)・・・・・吸着柱
(5)・・・・・袋開け駆動ユニット
(6)・・・・・回転盤本体
(7)・・・・・吸引バッグエリア
(8)・・・・・吸着穴
(9)・・・・・袋開けエリア
(10)・・・・袋開け負圧穴
(11)・・・・中空回転台
(12)・・・・回転部位
(13)・・・・配気盤
(14)・・・・固定部位
(15)・・・・負圧チャンバー
(16)・・・・接続槽
(17)・・・・配気盤の底座
(18)・・・・配気盤の蓋
(19)・・・・吸引バッグモジュール
(20)・・・・モジュール本体
(21)・・・・凹曲面
(22)・・・・連通穴
(23)・・・・吸着柱の取付ベース
(24)・・・・負圧のガス経路
(25)・・・・軸穴
(26)・・・・縦シールローラー
(27)・・・・縦シールナイフホルダー
(28)・・・・平行移動ユニット
(100)・・・包装材搬送経路(包装材供給経路)
(101)・・・円周搬送経路
(102)・・・延長搬送経路
(103)・・・包装材
(104)・・・折り目
(105)・・・縦シール部
(106)・・・シールバー
(107)・・・縦シール
(108)・・・袋部
(109)・・・充填シュート
(110)・・・昇降軸
(111)・・・メインフレーム
(112)・・・折りたたみ部
(113)・・・充填材供給部
(115)・・・袋口
(116)・・・袋体
(117)・・・トップシール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15