(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-09
(45)【発行日】2025-07-17
(54)【発明の名称】充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/087 20120101AFI20250710BHJP
【FI】
B65B9/087
(21)【出願番号】P 2023148973
(22)【出願日】2023-09-14
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】523351542
【氏名又は名称】松川技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【氏名又は名称】山下 あや理
(72)【発明者】
【氏名】黄 松
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0025476(US,A1)
【文献】特開2003-267316(JP,A)
【文献】特開2022-147660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/08 - 9/087
B65B 43/30
B65B 51/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の包装材(103)を折り目(104)が下向くように中央で二つ折りされた状態のもとで連続的に供給する包装材供給経路(100)と、その包装材供給経路(100)に始点(P1)が連なる平面視の円弧状に延びる円周搬送経路(101)と、その円周搬送経路(101)の終点(P2)に連なる延長搬送経路(102)とを備えた充填包装機であって、
上記包装材供給経路(100)における包装材折りたたみ部位(111)の後側に設置されて、中央で二つ折りされた包装材(103)の搬送方向に沿う所定の間隔おきに包装材(103)を縦シール(107)することにより、その縦シール(107)の隣り合う相互間に袋口(113)が上向く袋部(108)を備えた連続の袋体(114)を形成する縦シール部(105)と、
円周搬送経路(101)の円弧状を形作って、上記縦シール部(105)により形成された連続の袋体(114)を保持しつつ、円周搬送経路(101)の円周方向に沿って搬送する吸引バッグ回転盤機構(1)と、上記円周搬送経路(101)の外側に位置して吸引バッグ回転盤機構(1)と相対的に回転し、且つその回転の線速度が同じサーボ吸引機構(2)とを含み、そのサーボ吸引機構(2)が上記袋体(114)における袋部(108)の外側を吸着すると共に、吸引バッグ回転盤機構(1)が同じく袋部(108)の内側を吸着し、その両機構(1)(2)の相対的な回転に連れて両者の間を通過する袋部(108)の袋口(113)を順次に開ける真空袋開け部と、
複数の充填シュート(109)と複数の昇降軸(110)並びに昇降カムを含み、その充填シュート(109)と昇降軸(110)とは各々対応し、昇降軸(110)の底部は昇降カムに接続され、その昇降軸(110)と充填シュート(109)は上記真空袋開け部の吸引バッグ回転盤機構(1)と同期して、円周搬送経路(101)の円周方向に沿う円弧運動を行い、上記昇降軸(110)が円弧運動しながら昇降カムの規定する作用軌跡だけ充填シュート(109)を伴って昇降運動し、その下降により上記円周搬送経路(101)において袋口(113)が開けられている袋部(108)の中へ充填シュート(109)を挿入させ、且つ上昇により袋部(108)が円周搬送経路(101)から延長搬送経路(102)へ進入する前に、その袋部(108)から上記充填シュート(109)を抜き出す充填材の充填部とを備え、
上記真空袋開け部の吸引バッグ回転盤機構(1)は吸引バッグ回転盤(3)と、その吸引バッグ回転盤(3)の下端部へ回転駆動用吸引バッグ駆動ユニットとして取り付け一体化された中空回転台(11)とを含み、
その吸引バッグ回転盤(3)における回転盤本体(6)の軸線方向に沿って上記昇降軸(110)が均一な分布状態に差し込まれており、同じく回転盤本体(6)の円周面には上記包装材(103)の吸着穴(8)を備えた吸引バッグエリア(7)となる複数の吸引バッグモジュール(19)が均一な分布状態に設置されている一方、
上記中空回転台(11)の固定部位(14)には負圧チャンバー(15)を内蔵した配気盤(13)が取り付けられており、その配気盤(13)の表面には上記吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通する槽(16)が設けられていると共に、
上記真空
袋開け部のサーボ吸引機構(2)は吸着柱用取付ベース(23)と、その取付ベース(23)に取り付けられた吸着柱(4)並びにその吸着柱回転駆動用袋開け駆動ユニット(5)とを含み、
その吸着柱(4)の円周面には上記吸引バッグ回転盤(3)の吸引バッグエリア(7)と対応位置する袋開けエリア(9)が設けられており、上記吸着柱(4)とその取付ベース(23)との上下相互間に上記配気盤(13)が介挿設置されていることを特徴とする充填包装機。
【請求項2】
吸引バッグ回転盤(3)における回転盤本体(6)の吸引バッグエリア(7)には、袋体(114)における片側の包装材(103)を吸着する吸着穴(8)が開口分布されている一方、
サーボ吸引機構(2)における吸着柱(4)の袋開けエリア(9)には、複数の袋開け負圧穴(10)が開口分布されていることを特徴とする請求項1記載の充填包装機。
【請求項3】
配気盤(13)はその底座(17)と蓋(18)とを含み、その配気盤(13)の底座(17)が中空回転台(11)の固定部位(14)に取り付け固定されている一方、
同じく配気盤(13)の蓋(18)が上記底座(17)へ密封状態に取り付けられていると共に、その蓋(18)に吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通する槽(16)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の充填包装機。
【請求項4】
配気盤(13)の蓋(18)が錫と銅との合金から成り、その蓋(18)の上側に複数の盲穴が加工形成されていると共に、その盲穴の中にグラファイトが注入されていることを特徴とする請求項3記載の充填包装機。
【請求項5】
吸引バッグモジュール(19)におけるモジュール本体(20)の外側面が凹曲面(21)をなし、その凹曲面(21)に吸着穴(8)が開口分布されており、
同じくモジュール本体(20)の底面に配気盤(13)の槽(16)と対応する連通穴(22)が設けられていると共に、その連通穴(22)と上記吸着穴(8)とは繋がっていることを特徴とする請求項1記載の充填包装機。
【請求項6】
縦シール部(105)が回転可能な一対の縦シールローラー(26)を含み、その縦シールローラー(26)の円周方向に沿って複数の縦シールナイフホルダー(27)を均等に嵌め込むと共に、
中央で二つ折りされた包装材(103)を両縦シールローラー(26)の相互間へ通し込んで、その両側に位置する縦シールローラー(26)により、上記包装材(103)を所定の間隔おきに縦シール(107)することを特徴とする請求項1記載の充填包装機。
【請求項7】
縦シール部(105)が中央で二つ折りされた包装材(103)の搬送方向に沿って往復運動する平行移動ユニット(28)を含み、その平行移動ユニット(28)は上記包装材(103)の下方に位置し、これには上記包装材(103)の搬送方向に沿って並列する複数組の縦シールナイフユニットが設置されており、
その各組の縦シールナイフユニットは二つの相対運動する縦シールナイフホルダー(27)を含み、隣り合う縦シールナイフ組の相互間を所定の間隔に開けると共に、上記包装材(103)を両縦シールナイフホルダー(27)の相互間へ通し込んで、複数組の縦シールナイフの同期運動により、その包装材(103)を所定の間隔おきに縦シール(107)することを特徴とする請求項1記載の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装機械に関し、殊更帯状の包装材に連続して複数の袋部を形成し、且つその各袋部に充填材を充填する充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の充填包装機としては特許文献1、2に開示されているように、例えば粉状又は粒状の充填材を包装する回転式の充填包装機が知られている。この種の充填包装機では
図1に示すように、包装材の搬送経路(100)として平面視の略円弧状に水平方向へ延在する円周搬送経路(101)と、その円周搬送経路(101)の終点に連なる延長搬送経路(102)とが設けられている通例である。
【0003】
図2に示すように、包装材搬送経路(100)の円周搬送経路(101)には帯状の包装材(103)が、折り目(104)を下向くように中央で二つ折りされた状態(断面略V字状)のもとで連続的に供給される。上記円周搬送経路(101)では包装材(103)が、円周方面に沿い間隔を保って配置された複数の縦シール部(105)によって保持されながら、その円周方向へ搬送される。
【0004】
各縦シール部(105)は包装材(103)を挟持する一対のシールバー(106)を備えており、その包装材(103)における一対のシールバー(106)によって挟持された部分をヒートシールする。その結果、包装材(103)にはその上端から下端に至るまでの上下方向に延びる縦シール(107)が形成されることになる。
【0005】
包装材(103)には
図3に示すように、その搬送方向に沿って所定の間隔を保つ縦シール(107)が形成されている。これによって、包装材(103)における隣り合う縦シール(107)の相互間には、上向き開口する袋口を備えた袋部(108)が形成される。包装材搬送経路(100)の円周搬送経路(101)において、各袋部(108)に上方から充填シュート(109)を通じて充填材が充填される。
【0006】
図1、2に示すように、充填シュート(109)は袋部(108)と一緒に円周搬送経路(101)の円周方向へ移動(円弧運動)する過程において、充填包装機の本体フレーム内にある昇降カムと、そのカムの作用軌跡だけ昇降する昇降軸(110)によって実現される昇降運動を行う。これと同時に充填シュート(109)は昇降軸(110)を中心として、上記本体フレーム内にある回転カムにより実現される回転運動も行う。
【0007】
図2から明白なように、充填シュート(109)を包装材(103)の中へ挿入するタイミングとしては、連続搬送される包装材(103)がその中央で二つ折りされた後に挿入することとなり、シールバー(106)が包装材(103)の縦シール(107)を行う時には、充填シュート(109)が既に袋部(108)の中にある。
【0008】
充填シュート(109)が昇降軸(110)に伴なって昇降運動することは、中央で折りたたまれた状態にある包装材(103)の中へ、充填シュート(109)を挿入しやすくするためである。また、充填シュート(109)が昇降軸(110)に伴なって回転運動することは、包装材(103)の袋部(108)から充填シュート(109)を円滑に抜き出すためであると同時に、隣り合う充填シュート(109)の相互間隔距離を開けて、前の充填シュート(109)を折りたたみ状態にある包装材(103)の中へ挿入しやすくし、その充填シュート(109)の連続稼働を実現するためである。
【0009】
円周搬送経路(101)において袋部(108)の形成と充填材の充填を終えた包装材(103)は、その円周搬送経路(101)から延長搬送経路(102)へ搬送される。その延長搬送経路(102)には、袋部(108)の袋口(113)に対して連続的な上部シールを行うトップシール部(115)が設置されている。
【0010】
トップシール部(115)は包装材(103)の上縁部を加熱する加熱部と、その加熱部による加熱後の上縁部を加圧してヒートシールする加圧部とを備えている。加圧部は一対のシールローラーを有し、その両シールローラー間で包装材を挟み押圧する。延長搬送経路(102)において包装材は加熱部と加圧部を順次通過することにより、上縁部がシールされる結果、袋部が封止されて、
図3に示すような製品となる。
【0011】
上記のとおり、包装材搬送経路(100)の円周搬送経路(101)では縦シール部(105)のシールバー間に包装材(103)が挾持され、延長搬送経路(102)ではトップシール部における加圧部のシールローラー間に包装材(103)が挾持される。また、円周搬送経路(101)の終点から延長搬送経路(102)における加圧部までの搬送エリアでは、ガイド部によって包装材が下側から支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2019-167146号公報
【文献】特開2021-195153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、特許文献1、2に開示された従来の回転式充填包装機では、連続稼働時帯状の包装材が円周搬送経路において、複数の縦シール部をなす一対ずつのシールバーで挾持されることにより、その包装材に対する縦シールを実現しており、しかもその複数対のシールバーが円周搬送経路の円周方向へ移動(円弧運動)する時に、その円周搬送経路の始点において包装材を挟持し、同じく円周搬送経路の終点において包装材を放さなければならない。そのシールバーによる包装材の挾持と放し(挾持状態の解除)の動作を実現するためには、カム機構を設置する必要があり、それだけ充填包装機としての構造が複雑化し、設備のコストが高くなる。
【0014】
また、充填材の充填シュートが袋部と一緒に円周搬送経路の円周方向へ移動(円弧運動)する場合、その充填シュートは折りたたまれた包装材との干渉を避けるために、袋部の中へ入る前に昇降軸に伴なって昇降運動すると同時に、その昇降軸を中心とした回転運動も行わなければならない。これらの運動を実現するためには、少なくとも昇降カムと回転カムとの2つ(2種)が必要であり、そのカム機構の設置を要するだけ充填包装機の構造が複雑となり、設備のコストも高くなる。
【0015】
更に、円周搬送経路における始点から終点まで移動する間に、シールバーは包装材を挟持した状態のままに維持されている。(シールバーにおけるカム機構の作用軌跡によって限定され、その軌跡の区間ではシールバーを開く/解放することができない。)回転式の充填包装機の連続稼働が停止された時、円周搬送経路における始点から終点までの間に縦シール部のシールバーが包装材を挟持した状態のままにあると、そのシールバーの余熱によって包装材が変形したり、溶融したりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記課題の解決を目的としており、その目的を達成するための回転式充填包装機として、帯状の包装材を折り目が下向くように中央で二つ折りされた状態で連続的に供 給し、その中央で折りたたんだ後、円周搬送経路の始点へ進入する前の包装材供給経路に設置された縦シール部により、上記折りたたみ状態にある包装材をその長手方向(搬送方向)に沿う所定の間隔おきに縦シール(接着又は密封)して、その縦シール部の隣り合う相互間に袋口が上向く袋部を備えた全体的な連続の袋体を形成すると共に、その連続する袋体の袋部を円周搬送経路の始点から搬入し、且つその円周搬送経路の中へ進入した時点において、各袋部の袋口を真空袋開け部の負圧吸着作用により開け、その袋口が開いた各袋部の中へ、同じく円周搬送経路において充填シュートを上方から挿入し、その充填シュートにより充填材を各袋部へ充填するようになっている。
【0017】
即ち、本発明の回転式充填包装機は上記従来技術の課題を解決するために、次の構成を備えている。その充填包装機の包装材搬送経路は帯状の包装材を連続して供給する包装材供給経路と、始点がその包装材供給経路に連なる平面視の円弧状に延在する円周搬送経路と、その円周搬送経路の終点に連なる延長搬送経路とから成る。
【0018】
包装材の折りたたみ部位は包装材供給経路に設置され、上記帯状の包装材が連続的に供給される過程において、その包装材を折り目が下向くように、中央で二つ折り状態(断面略V字状)に折りたたまれるようになっている。
【0019】
縦シール部は同じく包装材供給経路における上記折りたたみ部位の後側(下流側)に設置され、中央で二つ折りされた包装材の搬送方向(長手方向)に沿う所定の間隔おきに包装材を縦シールする。これによって、その縦シールの隣り合う相互間に袋口が上向き開口する袋部を備えた連続の袋体を形成するようになっている。
【0020】
真空袋開け部は吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構を含む。上記円周搬送経路が吸引バッグ回転盤機構における円周面の一部分を形作っている。上記縦シール部により形成された連続の袋体が、吸引バッグ回転盤機構に保持されながら、その吸引バッグ回転盤機構の回転に伴なって円周方向に沿い搬送されることとなる。
【0021】
上記サーボ吸引機構は吸引バッグ回転盤機構と対応する関係状態に設置されており、しかも上記円周搬送経路の外側に位置している。サーボ吸引機構と吸引バッグ回転盤機構とは相対的に回転し、且つその回転の線速度が同じである。連続的に供給された袋体が、サーボ吸引機構と吸引バッグ回転盤機構との相互間をすり抜けて(通過して)、そのサーボ吸引機構が袋部における外側の包装材を吸着すると共に、吸引バッグ回転盤機構が同じく袋部における内側の包装材を吸着し、その両機構の相対的な回転に連れて、両者の間をすり抜ける(通過する)袋部の袋口が順次開けられるようになっている。
【0022】
充填部は複数の充填シュートと複数の昇降軸並びに昇降カムを含む。充填シュートと昇降軸とは各々対応し、昇降軸の底部は昇降カムに接続されており、その昇降軸と充填シュートは上記吸引バッグ回転盤機構と同期して、その円周方向に沿い円弧運動(移動)する。昇降軸はその円弧運動すると同時に、昇降カムの規定した作用軌跡(ストローク)だけ、充填シュートを昇降運動させることにより、上記円周搬送経路において袋口が開けられた袋部の中へ、その充填シュートを挿入すると共に、その袋部が延長搬送経路へ進入する前に、充填シュートを袋部の中から抜き出すようになっている。
【0023】
充填材供給部は充填シュートの中へ充填材を供給することに用いられる。しかも、上記円周搬送経路において充填シュートにより、充填材を袋口が開けられた袋部の中へ充填するようになっている。
【0024】
トップシール部は上記延長搬送経路に設置されており、充填材の充填済みとして円周搬送経路から搬送されてきた連続的な袋体の袋口に対して、上部シールを行うようになって いる。
【0025】
上記吸引バッグ回転盤機構は吸引バッグ回転盤機構と、その吸引バッグ回転盤の回転駆動用吸引バッグ駆動ユニットとを含む。吸引バッグ回転盤はその回転盤本体の円周面に、均一に分布する複数の吸引バッグエリアが設けられており、袋体における片側(内側又は外側)の包装材を吸着する吸着穴が、その吸引バッグエリアに開口分布されている。
【0026】
上記吸引バッグ回転盤の回転盤本体に昇降軸の受け入れ用軸穴が、均一に開口分布されており、その軸穴へ回転盤本体の軸線方向に沿って差し込まれた昇降軸が、その回転盤本体の回転に連れて円周方向への円弧運動を行う。
【0027】
上記サーボ吸引機構は吸着柱と、その吸着柱の回転駆動用袋開け駆動ユニットを含む。その袋開け駆動ユニットはサーボモーターと減速機から成る。吸着柱の円周面には、複数の吸引バッグ回転盤にある吸引バッグエリアと対応位置する袋開けエリアが設けられており、その袋開けエリアには複数の袋開け負圧穴が開口分布されている。
【0028】
上記吸引バッグ駆動ユニットは中空回転台であって、その中空回転台の回転部位に上記吸引バッグ回転盤の下端部が取り付けられており、その吸引バッグ回転盤は中空回転台の回転部位に連れて回転する。
【0029】
好ましくは、上記中空回転台の固定部位には配気盤が取り付け固定されており、その配気盤の内部には負圧チャンバーが設けられていると共に、同じく配気盤の表面には吸引バッグエリアの吸着穴と連通する槽が設けられている。
【0030】
好ましくは、上記配気盤はその底座と蓋とを含む。その配気盤の底座は中空回転台の固定部位に取り付け固定されており、同じく配気盤の蓋は上記底座へ密封状態に取り付けられていると共に、その配気盤の蓋に上記槽が設けられている。
【0031】
好ましくは、上記配気盤の蓋は銅と錫との合金から作成されており、その蓋の上部には複数の盲穴が開口していると共に、その盲穴の中にグラファイトが注入されている。
【0032】
上記吸引バッグ回転盤における回転盤本体の円周面には、複数の吸引バッグモジュールが均一に設置されており、その吸引バッグモジュールが回転盤本体の円周面に吸引バッグエリアを形成している。
【0033】
好ましくは、上記吸引バッグモジュールはモジュール本体を含む。そのモジュール本体の外側面は凹曲面をなし、その凹曲面に吸着穴が開口分布されていると共に、同じくモジュール本体の底面に上記配気盤の槽と対応する連通穴が設けられており、その連通穴と吸着穴とは繋がっている。
【0034】
上記サーボ吸引機構は吸着柱の取付ベースを含む。吸着柱と袋開け駆動ユニットは何れも吸着柱の取付ベースに設置されており、その吸着柱の下端面と取付ベースの上端面との相互間に、配気盤が介在している。
【0035】
好ましくは、上記縦シール部は一対の回転可能な縦シールローラーを含む。その縦シールローラーの円周方向に沿って複数の縦シールナイフホルダーを均等に嵌め込み、中央で二つ折りされた状態の包装材を、その両縦シールローラーの相互間に通過させて、両側の縦シールローラーにより上記包装材へ所定の間隔おきに縦シールを施す。
【0036】
更に好ましくは、上記縦シール部は中央で二つ折りされた包装材の搬送方向(長手方向)に沿って、往復運動する平行移動ユニットを含む。その平行移動ユニットは上記折りたたみ状態にある包装材の下方に位置していると共に、その包装材の搬送方向(長手方向)に沿って並列する複数組の縦シールナイフユニットが、その平行移動ユニットに設置されている。その各組の縦シールナイフユニットは二つの相対運動する縦シールナイフホルダーを有し、隣り合う縦シールナイフ組の相互間を所定の間隔に開ける。上記中央で二つ折りされた包装材は、その二つの相対運動する縦シールナイフホルダーの相互間を通過して、同期運動する複数組の縦シールナイフにより、所定の間隔おきに縦シールされるようになっている。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る充填包装機の上記構成によれば、帯状の包装材を中央で二つ折りした後、円周搬送経路の始点へ進入する前(上流側)の包装材供給経路において、その包装材供給経路に設置された縦シール部により、二つ折り状態の包装材に対する縦シールを行った後、その上下方向での密封又は接着された連続の袋体を円周搬送経路の中へ搬送している。
【0038】
つまり、本発明の構成では先ず包装材供給経路において縦シールを行い、円周搬送経路において吸引バッグ回転盤機構が負圧吸着作用により連続の袋体を保持しながら、その円周搬送経路に沿う搬送(移動/円弧運動)を行うようになっており、従来技術のような包装材を挟持する一対のシールバーから成る縦シール部が、連続の袋体にある縦シールと一緒に円周搬送経路に沿って円弧運動することを避け、その円弧運動するシールバーとそのシールバーによる包装材の挾持と放し(挾持状態の解除)の動作を実現するためのカム機構を省略することができる結果、それだけ必要な構造が簡素化し、設備のコストを低く抑えることができるばかりでなく、連続稼働の停止時にシールバーの余熱を受けた包装材が、変形したり、溶融したりする問題を解消できる効果もある。
【0039】
また、本発明の上記構成では吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構が、負圧の原理に基づいて袋部の袋口を開けるようになっており、充填材の充填シュートはその開けられた袋口から袋部の中へ挿入するだけで良く、充填シュートは昇降する動作だけで済むため、従来技術のように充填シュートを昇降軸の中心周りに回転運動させる必要がない。
【0040】
従来技術では、中央で折りたたまれた包装材が円周搬送経路の始点へ進入する前(上流側)の時点において、その円周搬送経路の中へ充填シュートが既に進入しているため、その充填シュートが円周搬送経路の接線方向まで移動し、その接線方向から円周搬送経路へ進入する運動軌跡を保持しなければならず、そのためには充填シュートを昇降軸の中心周りに所要の回転角だけ回転させる必要がある。
【0041】
これに比し、本発明では円周搬送経路において袋部の袋口を開けるようになっているため、その袋部の中へ充填シュートを挿入するだけで済み、その充填シュートを円周搬送経路における始点の接線となる方向と同じ運動軌跡に保持する必要がなく、充填シュートを昇降軸の中心周りに回転させるための回転カムが不要となり、それだけ構造が簡素化し、設備のコストを低減することができる。
【0042】
更に、本発明の構成では吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構とから成る真空袋開け部によって、袋部の袋口を開けるようになっており、その構造が簡素であって、両機構の相互間を通過する袋部の袋口を、順次円滑に開けることができ、その高い袋開け効率と充填効率を得られる。
【0043】
吸引バッグ回転盤機構における円周面の一部によって円周搬送経路の円弧状を形作っており、且つ連続的に供給される袋体をその吸引バッグ回転盤機構の円周面へ、負圧吸引の方法によって保持することができる。サーボ吸引機構は袋部における上記吸引バッグ回転盤機構と反対の片側から包装材を吸着し、そのサーボ吸引機構と吸引バッグ回転盤機構とが相対的に回転した後に、袋部の袋口を開けることとなり、その袋部に対して次の充填シュートを挿入しやすくなる。
【0044】
そのため、従来技術と比べて高い搬送効率と充填効率を確保できる利点がある。本発明において採用された相対回転する方法は、吸引バッグ回転盤機構とサーボ吸引機構との相互間をすり抜ける(通過する)袋体に対して、負圧をかけることによる袋開けの操作であり、その操作によって1回には1つの袋部の袋口を開けるようになっているため、高い袋開け効率と精度並びに継続性を得られる。
【0045】
その場合、更に本発明の構成では中空回転台が吸引バッグ回転盤の吸引バッグ駆動ユニットをなすため、その吸引バッグ回転盤の作用安定性を確保することができると同時に、その中空回転台の内部を取付スペースとして活用し、その内部へ充填シュートの昇降軸と昇降カムを取り付けることにより、全体構造をコンパクトにすることができる。
【0046】
充填シュートの昇降軸を吸引バッグ回転盤の回転盤本体へ取り付けているため、その昇降軸を回転盤本体との一体的に円周方向へ移動(円弧運動)させることができ、その両者の駆動源を共用し得ると共に、昇降軸の昇降運動をその昇降カムによって完全に制御することも可能となり、必要な構造の簡素化と設備の高い完成度を得られる。
【0047】
また、配気盤の採用により吸引バッグ回転盤の表面にある吸引バッグエリアへ、負圧の吸着力を提供するようになっているため、その安定な負圧吸着力を確保することができる。この点、従来の負圧真空盤の構造(真空盤の中に吸着穴と通ずる負圧ガス経路を設置した構造)と比較して、内部スペースを節約することができ、負圧真空盤の中にあるガス経路の詰まり現象に起因する部分的な吸引バッグエリアの失効を回避することもできる利点がある。
【0048】
本発明の好ましい上記構成では、配気盤の蓋に槽を設けており、その槽を吸引バッグ回転盤の円周面にある吸引バッグエリアの吸着穴と連通接続していて、その吸着穴と槽とを繋ぐ時に吸着し、繋がない時には吸着しないようになっているため、負圧の繰り返し切り替えを行う必要がなく、その安定な負圧の吸着力を提供することができる。
【0049】
更に、配気盤を吸引バッグ回転盤の駆動ユニットである中空回転台の固定部位に取り付け固定しており、その配気盤との相対的に吸引バッグ回転盤が回転しているため、配気盤をその底座と蓋との2つに分けることにより、配気盤に摩耗が発生した場合には、その全体を新品と交換する必要がなく、その蓋だけを交換すれば足り、メンテナンスコストを低減することができる。
【0050】
本発明の好ましい上記構成として、配気盤の蓋を錫と銅との合金から作成するならば、耐摩耗性が向上し、その配気盤の蓋の使用寿命を延ばすことができる。その蓋に開口する盲穴へグラファイトを注入すれば、上記吸引バッグ回転盤の回転による配気盤の蓋の摩耗を軽減させ、その使用寿命を延ばすことに役立つ。しかも、その盲穴が貫通穴と異なる構造により、穴の中へ注入されたグラファイトの脱落を防止することも可能となる。
【0051】
また、サーボ吸引機構が吸着柱の取付ベースも含むため、その取付ベースへ吸着柱のみならず、袋開け駆動ユニットも取り付けることができ、その取付構造が簡素化されると共に、配気盤も取り付けやすくなる。
【0052】
更に、本発明の好ましい上記構成として、縦シール部が回転可能な一対の縦シールローラーを含むならば、中央で折りたたまれた包装材の縦シール効率が高く、充填包装機の包装材搬送効率に悪影響を与えることなく、その包装機に対する所定間隔おきの縦シールを円滑に安定良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
従来の回転式充填包装機を示す概略平面図である。
【
図3】
連続する袋体の一部を抽出して示す正面図である。
【
図4】
本発明の好適な実施形態に係る回転式充填包装機を示す図1に対応する平面図である。
【
図5】
図4の充填包装機の中途高さ位置だけを言わば水平に切断した状態として、袋体の袋部と充填材の充填シュートとの対応位置関係を示す平面図である。
【
図6】
図4の充填包装機における真空袋開け部の機構を示す全体概略斜面図である。
【
図7】
図6の真空袋開け部の機構を図5と対応させて示す拡大平面図である。
【
図10】
図9から吸引バッグ回転盤の回転盤本体を抽出して示す拡大斜面図である。
【
図11】
図9から中空回転台(吸引バッグ駆動ユニット)を抽出して示す拡大斜面図である。
【
図12】
図9から配気盤を抽出して示す拡大斜面図である。
【
図13】
図9から吸引バッグモジュールを抽出して示す拡大斜面図である。
【
図14】
図9からサーボ吸引機構を抽出して示す拡大斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳しく説明する。この実施形態は本発明の一例であるに過ぎず、また特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。
<第1実施形態>
【0055】
図1、2は従来技術の回転式充填包装機を示し、図4,5は本発明の第1(基本)実施形態に係る回転式充填包装機を示しているが、その両者の共通する構成部分から明白なように、連続して供給される包装材の搬送経路には、平面視の略円弧状として水平方向に延びる円周搬送経路(101)と、その円周搬送経路(101)の始点(入口)(P1)に連なる包装材供給経路(100)と、同じく円周搬送経路(101)の終点(出口)(P2)に連なる延長搬送経路(102)とを備えている。
【0056】
図1、2と図4、5に示すように、折りたたみ部位(111)は包装材供給経路(100)に設置されており、帯状の包装材(103)が連続的に供給される過程において、その包装材(103)を折り目(104)が下向くように中央で二つ折り状態(断面略V字状)に折りたたむようになっている。尚、図4、5に示す実施形態の包装材供給部位は、従来技術と同じ一般的なものであって良い。
【0057】
本発明の第1(基本)実施形態に係る充填包装機は第4、5から明白なように、上記包装材供給経路(100)に折りたたみ部位(111)を備えた包装材搬送経路のほか、その折りたたみ部位(111)での二つ折りされた連続する包装材(103)の縦シール部(105)と、その縦シール(107)により形成された袋部(108)の袋口(113)を開ける真空袋開け部と、その袋口(113)の開けられた袋部(108)に対する充填材の充填部と、その充填材の充填済みである袋部(108)の袋口(113)を上部シールするトップシール部(115)とを有する。
【0058】
縦シール部(105)は上記包装材供給経路(100)に設置され、且つ折りたたみ部位(111)の後側(下流側)に位置しており、上記中央で二つ折りされた包装材(103)の搬送方向(長手方向)に沿う所定の間隔おきに、包装材(103)を図3のように縦シール(107)する。
【0059】
その縦シール(107)を行うことにより、隣り合う縦シール(107)の相互間に上向き開口する袋口(113)を備えた袋部(108)が形成され、その袋部(108)を形成された二つ折り状態の包装材(103)は、上記縦シール部(105)を経過することにより、連続の袋体(114)として形成されるようになっている。その縦シール部(105)の設置個所と構造は従来技術の充填包装機におけるそれらと全く異なる。
【0060】
つまり、従来技術の充填包装機では縦シール部(105)が円周搬送経路(101)の中に位置しているが、本発明の充填包装機では縦シール部(105)が上記したように、円周搬送経路(101)の始点(P1)よりも前側(上流側)の包装材供給経路(100)に位置している。また、従来技術の充填包装機に具備された縦シール部(105)が、包装材(103)を挟持し、その挾持部分をヒートシールする一対のシールバー(106)から成るに比し、本発明の充填包装機では図4に示すような回転式の縦シールローラーから成る縦シール部(105)や図5に示すような往復運動する複数組の縦シールナイフユニットから成る縦シール部(105)、その他の包装材の搬送効率に基づき適当な構造の縦シール部を採択することができる。
【0061】
図4、5に示すように、真空袋開け部は吸引バッグ回転盤機構(1)とサーボ吸引機構(2)とを含む。上記包装材(103)の円周搬送経路(101)が吸引バッグ回転盤機構(1)における円周面の一部を形作っている。上記縦シール部(105)を経由して形成された連続の袋体(114)が、吸引バッグ回転盤機構(1)に保持されながら、その吸引バッグ回転盤機構(1)の回転に連れて円周方向へ搬送される。
【0062】
上記サーボ吸引機構(2)は吸引バッグ回転盤機構(1)と対応設置されており、且つ上記円周搬送経路(101)の外側に位置している。サーボ吸引機構(2)と吸引バッグ回転盤機構(1)とが相対的に回転し、且つその回転の線速度は同じである。連続的に供給された上記袋体(114)が、サーボ吸引機構(2)と吸引バッグ回転盤機構(1)との向かい合う相互間をすり抜けて(通過して)、そのサーボ吸引機構(2)が袋体(114)における袋部(108)の外側の包装材を吸着すると共に、吸引バッグ回転盤機構(1)が同じく袋部(108)の内側の包装材を吸着し、その両機構(1)(2)の相対回転に伴なって、両者の相互間をすり抜ける(通過する)袋部(108)の袋口(113)が、順次に開けられるようになっている。真空袋開けを実現できる構造は従来技術に数多く見受けられるが、上記真空袋開け部を充填包装機に適用することにより、縦シール(107)を行った後の連続する袋体(114)について、その袋部(108)の袋口(113)を連続的に開けることは、本発明の独創である。
【0063】
また、充填材の充填部は複数の充填シュート(109)と複数の昇降軸(110)並びに昇降カム(図示省略)を含む。その充填シュート(109)と昇降軸(110)とは各々対応し、昇降軸(110)の底部が昇降カムに接続されており、その昇降軸(110)と充填シュート(109)は上記吸引バッグ回転盤機構(1)と同期して、円周搬送経路(101)に沿う円弧運動(移動)を行う。
【0064】
昇降軸(110)は上記円周搬送経路(101)において、その円周方向に沿う円弧運動(移動)を行うと同時に、昇降カムの規定する作用軌跡(ストローク)だけ、充填シュート(109)を伴なって昇降運動も行い、その下降により充填シュート(109)を上記袋口(113)が開けられた袋部(108)の中へ挿入させると共に、その袋部(108)が円周搬送経路(101)の終点(P2)から延長搬送経路(102)へ進入する前に、同じく昇降軸(110)の上昇によって充填シュート(109)を、上記袋部(108)の中から抜き出すようになっている。
【0065】
その場合、昇降軸(110)と充填シュート(109)とは図2から示唆されるように、一定長さの水平なアームを介して連結一体化されている。本発明の図示実施形態では充填シュート(109)が昇降軸(110)による昇降運動のみを行い、その昇降軸(110)の中心周りに回転運動する必要がないため、昇降カムさえあれば足りる。従来技術のような充填シュートの回転カムを要しない。
【0066】
更に、充填材供給部(112)は上記充填シュート(109)の中へ充填材を供給することに用いられる。その充填シュート(109)が円周搬送経路(101)において、袋口(113)が開けられている袋部(108)の中へ充填材を充填する。尚、図示実施形態の充填材供給部(112)は従来技術のそれと同じであり、図2に示された充填材供給部(112)は粉状の充填材を対象としているが、粒状や液状、その他の各種充填材を対象とする充填材供給構造も、本発明の充填包装機に適用することができる。
【0067】
トップシール部(115)は上記延長搬送経路(102)に設置され、円周搬送経路(101)から搬送されてきた充填材が充填された連続する袋体(114)の袋部(108)に対し、その袋口(113)の上部シールを行うようになっている。図4、5に示すように、そのトップシール部(115)としては袋部(108)の袋口(113)に対し、連続的に上部シールを行える如何なる構造であっても良い。
【0068】
上記包装材搬送経路の円周搬送経路(101)は平面視の円弧形状として水平に延在する限り、図4に示すような始点(P1)から終点(P2)までの約1/2(半円)円弧形をなしても良く、また図5に示すような同じく始点(P1)から終点(P2)までの約3/4円弧形をなしても良い。要するに、充填包装機の包装要件や包装速度要件、その他の生産状況などに応じて、その円周搬送経路(101)の円弧形状(包装材の搬送軌跡)を例えば1/4円弧形から1/2円弧形までの範囲として適当に設定・調整することができる。
<第2実施形態>
【0069】
上記第1実施形態として説明した吸引バッグ回転盤機構(1)の好ましい別な構造を、第2実施形態として具体的に説明する。その第2実施形態の吸引バッグ回転盤機構(1)は、図6に示すような吸引バッグ回転盤(3)とその回転駆動用吸引バッグ駆動ユニットとを含む。その吸引バッグ回転盤(3)における回転盤本体(6)の円周面には、図10に示すように複数の吸引バッグエリア(7)が、均一な分布状態に設けられており、しかもその各吸引バッグエリア(7)には袋体(114)における片側(外側又は内側)の包装材を吸着する吸着穴(8)が、数多く開口分布されている。
【0070】
吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)には図8~10から示唆されるように、上記昇降軸(110)を受け入れる軸穴(25)が貫通形成されており、その軸穴(25)へ回転盤本体(6)の軸線方向に沿って差し込まれた均一な分布状態にある昇降軸(110)が、その回転盤本体(6)の回転に連れて円周方向への円弧運動(移動)を行う。
【0071】
同じく真空袋開け部のサーボ吸引機構(2)は吸着柱(4)と、その吸着柱(4)の回転駆動用袋開け駆動ユニット(5)とを含む。その吸着柱(4)の円周面には図6~9から明白なように、上記吸引バッグ回転盤(3)の円周面にある複数の吸引バッグエリア(7)と対応する袋開けエリア(9)が設けられていると共に、その袋開けエリア(9)には図7や図14に示すように、複数の袋開け負圧穴(10)が開口分布されている。上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)にある吸引バッグエリア(7)と、その吸着柱(4)の袋開けエリア(9)とが対応位置する関係にある。
【0072】
上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は一例として、図7に示すような中実の円盤状をなし、その中心に連結された回転軸(図示省略)が、上記吸引バッグ駆動ユニットによって駆動されるようになっている。その時の吸引バッグ駆動ユニットとしては、サーボモーターと減速機との組み合わせを採用することができる。
【0073】
上記回転盤本体(6)の内部には図7に示すように、吸引バッグエリア(7)に分布している吸着穴(8)と繋ぐための負圧ガス経路(24)が配列設置されている。その負圧ガス経路(24)は図外の負圧ロータリージョイントと配管構造を介して、負圧源と接続されている。
【0074】
その場合、上記吸引バッグエリア(7)は図6~8や図13から明白なように、回転盤本体(6)の円周面に形成された凹曲面であり、その凹曲面は包装材(103)の袋部(108)が開けられた後に、その袋部(108)の片側(外側又は内側)の包装材を収納し、袋口(113)の開口状態を保持することに有益である。
【0075】
また、上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は別な一例として、図6、8や図9に示すように、中空の円盤状であり、その回転盤本体(6)の円周面に形成された吸引バッグエリア(7)の凹曲面に、包装材の袋部(108)が一つずつ収納され、連続の袋体(114)にある袋部(108)のすべてが、その吸引バッグエリア(7)へ順次に吸着されると共に、その回転盤本体(6)の吸引バッグエリア(7)と上記吸着柱(4)の袋開けエリア(9)とが対応してから、袋部(108)の袋口(113)を開けるようになっている。
【0076】
更に好ましい一例として、図9、10に示すように、上記回転盤本体(6)の底部は中空回転台(11)の回転部位(12)と接続されており、その接続上フランジ構造(図示省略)を採用することができる。回転盤本体(6)の円周側に複数の吸引バッグモジュール(19)が設置されると共に、その複数の吸引バッグモジュール(19)を取り付けるための取付穴(図示省略)が、その回転盤本体(6)の円周側に設けられている。
【0077】
上記吸引バッグモジュール(19)が回転盤本体(6)の回転軸側にある吸引バッグエリア(7)に代わって、その回転盤本体(6)の円周面に吸引バッグエリア(7)を形成し、その吸引バッグモジュール(19)の設置により、吸引バッグエリア(7)の各個を互いに独立させて、一つの吸引バッグモジュール(19)が故障したとしても、その単独に新品と交換することができ、メンテナンスコストの低減に役立つ。
【0078】
充填材の充填シュート(109)を昇降軸(110)によって昇降運動させる理由は、その充填シュート(109)を袋口(113)が開けられた袋部(108)の中へ上方から挿入させると共に、その袋部(108)の中から上方へ抜き出すためである。上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)に昇降軸(110)の受け入れ用軸穴(25)が設けられており、その昇降軸(110)の個数と充填シュート(109)の個数とが一致し、その充填シュート(109)の個数と上記回転盤本体(6)の円周面にある吸引バッグエリア(7)との個数とが一致し、各々対応している。
【0079】
また、上記昇降軸(110)は回転盤本体(6)の軸線方向に沿って均一な分布状態に垂立しており、且つその回転盤本体(6)の回転に連れて円周方向に沿い円弧運動(移動/運行)するようになっている。そのため、回転盤本体(6)の駆動力を利用し、昇降軸(110)を介して充填シュート(109)を円弧運動させることができると共に、回転盤本体(6)の中空内部へ昇降カムを取り付けて、上記充填シュート(109)の昇降運動を制御し得るのであり、その動力源の共用によって設備のコストが低減する。
<第3実施形態>
【0080】
上記第1、2実施形態として説明した吸引バッグ回転盤機構(1)の好ましい更に別な構造を、第3実施形態として説明する。その第3実施形態では吸引バッグ回転盤(3)を駆動する吸引バッグ駆動ユニットが、図9、11に示すような中空回転台(11)である。
【0081】
つまり、吸引バッグ回転盤(3)の下端部が中空回転台(11)の回転部位(12)に取り付けられて、その中空回転台(11)の回転部位(12)と一緒に回転するようになっている。中空回転台(11)を吸引バッグ回転盤(3)の駆動装置として使用することにより、その吸引バッグ回転盤(3)の安定した運転を確保するのである。併せて、中空回転台(11)の中空内部へ充填シュート(109)の昇降駆動源となる昇降軸(110)と昇降カムを装着することができ、その装着スペースの節約によって全体構造がコンパクトになる利点もある。
【0082】
上記第2実施形態の図7に示す構造と比べて、第3実施形態に係る吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)は、中空の円盤構造をなし、上記中空回転台(11)の固定部位(14)に配気盤(13)が取り付け固定されており、その配気盤(13)の内部には負圧チャンバー(15)が設置されていると共に、同じく配気盤(13)の表面には吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通する槽(16)が設けられている。
【0083】
配気盤(13)を通じて、上記吸引バッグ回転盤(3)の回転盤本体(6)にある吸引バッグエリア(7)へ負圧の吸引力を提供し、その負圧吸引力の安定を確保している。上記第2実施形態の図7に示す構造と比べて、内部のスペースを節約することができ、その構造の内部にある負圧ガス経路(24)の詰まり現象による部分的な吸引バッグエリア(7)の失効を避けることもできるのである。
【0084】
また、第3実施形態の配気盤(13)には槽(16)が設けられており、その槽(16)が吸引バッグ回転盤(3)の設定角度の円周部分だけにおいて、吸引バッグエリア(7)の吸着穴(8)と連通接続され、その槽(16)と吸着穴(8)とが繋がる時に吸着し、繋がらない時には吸着しないことで、負圧の反復的な切り替えを行う必要がなく、その負圧の吸着力を安定良く提供することができる。
【0085】
第3実施形態の更に有益な構造として、上記配気盤(13)は図12に示すような底座(17)と蓋(18)を含み、その配気盤(13)の底座(17)が上記中空回転台(11)の固定部位(14)に取り付け固定されている。他方、配気盤(13)の蓋(18)は上記底座(17)へ密閉状態に装着されていると共に、その蓋(18)に上記した槽(16)が設けられている。
【0086】
中空回転台(11)に取り付け固定された配気盤(13)と、吸引バッグ回転盤(3)との間には相対回転が発生しているため、配気盤(13)の摩耗を避けるべく、これを底座(17)と蓋(18)との2部分に分別することにより、配気盤(13)に摩耗が発生したならば、その全体を新品と交換することなく、その蓋(18)だけを新品と交換すれば良いことにして、メンテナンスコストを低減できるようになっている。
【0087】
上記配気盤(13)の蓋(18)は錫と銅との合金から成り、その蓋(18)の上側に複数の穴がドリル加工されていると共に、その穴の中にグラファイトが注入されている。その蓋(18)は錫銅の合金から作成されているため、耐摩耗性が向上し、その使用寿命を延ばすことができる。
【0088】
また、配気盤(13)の蓋(18)にはグラファイトが注入されているため、その配気盤(13)の蓋(18)と上記吸引バッグ回転盤(3)との相互間に発生する摩擦力を下げ、その摩耗を低減することにより、使用寿命を延ばすことができる。更に、上記穴は盲穴であるため、貫通穴と異なって、その中に注入されたグラファイトが脱落するおそれはない。
<第4実施形態>
【0089】
上記第2実施形態として説明した吸引バッグモジュール(19)の好ましい別な構造を、第4実施形態として具体的に説明する。その第4実施形態の吸引バッグモジュール(19)は図13に示すようなモジュール本体(20)を含む。
【0090】
そのモジュール本体(20)は中空構造であって、その外側面が凹曲面(21)をなし、ここに開口分布する吸着穴(8)が、モジュール本体(20)内の中空チャンバーと連通している。そのモジュール本体(20)の底部には、上記配気盤(13)にある槽(16)との連通穴(22)が開口形成されており、その連通穴(22)と上記吸着穴(8)とが接続されている。連通穴(22)と上記中空回転台(11)にある配気盤(13)との組み合わせにより、吸着穴(8)のために負圧を供給しているのである。
<第5実施形態>
【0091】
上記第1、2実施形態として説明したサーボ吸引機構(2)の好ましい別な構造を、第5実施形態としして具体的に説明する。その第5実施形態のサーボ吸引機構(2)は図14に示すような吸着柱(4)の取付ベース(23)も含む。
【0092】
吸着柱(4)と袋開け駆動ユニット(5)との何れもその取付ベース(23)に取り付けられており、その吸着柱(4)の下端面と取付ベース(23)の上端面との相互間に、配気盤(13)が介挿設置されている。その配気盤(13)の構造は上記第3実施形態として説明した配気盤(13)のそれと同じく、図12に示すとおりである。
【0093】
尚、第5実施形態において採用するサーボ吸引機構(2)の袋開け駆動ユニット(5)は、一例としてギヤ装置であり、そのギヤ装置の伝動とギヤ比を適切に制御することによって、サーボ吸引機構(2)と吸引バッグ回転盤機構(1)とを同じ動力源の共用により、同じ線速度として相対的に回転させることができる。また、別な一例として袋開け駆動ユニット(5)を、サーボモーターと減速機との組み合わせ構造とし、クランクシャフトを介して吸着柱(4)と連結することにより、その吸着柱(4)を回転させるようにしても良い。
<第6実施形態>
【0094】
上記第1実施形態として説明した縦シール部(105)の好ましい別な構造を、第6実施形態として具体的に説明する。その第6実施形態の縦シール部(105)は図4に示すように、回転可能な一対の縦シールローラー(26)から成る。
【0095】
その縦シールローラー(26)の円周方向に沿って、複数の縦シールナイフホルダー27)が均等に嵌め込まれており、中央で二つ折りされた状態の包装材(103)が、その両縦シールローラー(26)の相互間を通過し、両側に位置する縦シールローラー(26)によって、その包装材(103)に対する所定間隔おきでの縦シール(107)が行われるようになっている。
【0096】
また、図4と別な一例として、縦シール部(105)は図5に示すように、中央で二つ折りされた包装材(103)の搬送方向(長手方向)に沿って往復運動する平行移動ユニット(28)を含む。
【0097】
その平行移動ユニット(28)は上記包装材(103)の下方に位置しており、これには包装材(103)の搬送方向(長手方向)に沿って並列する複数組の縦シールナイフユニット(図示省略)が設置されている。その各組の縦シールナイフユニットは二つの相対運動する縦シールナイフホルダー(27)を含み、隣り合う縦シールナイフ組の相互間を所定の間隔で開けられるようになっている。中央で二つ折りされた包装材(103)が、上記相対運動する両縦シールナイフホルダー(27)の相互間を通過し、その複数組の縦シールナイフが同期運動することにより、上記包装材(103)を所定の間隔おきに縦シール(107)する。
【0098】
本発明の各種実施形態を説示したが、これらは本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、またその特許請求の範囲を逸脱しない限り、多種多様な変更や改良を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
(1)・・・・・吸引バッグ回転盤機構
(2)・・・・・サーボ吸引機構
(3)・・・・・吸引バッグ回転盤
(4)・・・・・吸着柱
(5)・・・・・袋開け駆動ユニット
(6)・・・・・回転盤本体
(7)・・・・・吸引バッグエリア
(8)・・・・・吸着穴
(9)・・・・・袋開けエリア
(10)・・・・袋開け負圧穴
(11)・・・・中空回転台
(12)・・・・回転部位
(13)・・・・配気盤
(14)・・・・固定部位
(15)・・・・負圧チャンバー
(16)・・・・接続槽
(17)・・・・配気盤の底座
(18)・・・・配気盤の蓋
(19)・・・・吸引バッグモジュール
(20)・・・・モジュール本体
(21)・・・・凹曲面
(22)・・・・連通穴
(23)・・・・吸着穴の取付ベース
(24)・・・・負圧のガス経路
(25)・・・・軸穴
(26)・・・・縦シールローラー
(27)・・・・縦シールナイフホルダー
(28)・・・・平行移動ユニット
(100)・・・包装材搬送経路(包装材供給経路)
(101)・・・円周搬送経路
(102)・・・延長搬送経路
(103)・・・包装材
(104)・・・折り目
(105)・・・縦シール部
(106)・・・シールバー
(107)・・・縦シール
(108)・・・袋部
(109)・・・充填シュート
(110)・・・昇降軸
(111)・・・折りたたみ部位
(112)・・・充填剤供給部位
(113)・・・袋口
(114)・・・袋体
(115)・・・トップシール部