(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-09
(45)【発行日】2025-07-17
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250710BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2021076072
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2024-01-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 明朗
(72)【発明者】
【氏名】鍛 哲史
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-060912(JP,A)
【文献】特開2018-133104(JP,A)
【文献】特開2021-018696(JP,A)
【文献】特開2006-313393(JP,A)
【文献】特開2021-064293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
第1ユーザが利用する第1情報処理端末から、電子商取引プラットフォームにおける出品物に対して、価格交渉要求を取得することと、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記出品物を出品した第2ユーザが利用する第2情報処理端末に対し、前記価格交渉要求に基づく交渉価格での販売を承諾するか否かを問い合わせる処理を行うことと、
前記第2情報処理端末から、前記交渉価格に対する承諾か否かを含む承諾結果を取得することと、
少なくとも、前記第2ユーザが前記交渉価格を承諾してから前記第1ユーザの決済処理が完了されるまでの第1期間について、前記出品物に対して前記第1ユーザとは異なる第3ユーザからの購入防止処理を行うことと、
前記承諾結果に応じて後処理を行うことと、を実行し、
前記購入防止処理を行うことは、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記承諾結果を取得する前に前記出品物に対して所定の決済手段を設定することを含み、
前記後処理を行うことは、
前記承諾結果が承諾である場合、前記所定の決済手段を用いて
即時に決済処理を行うことと、
前記承諾結果を前記第1情報処理端末に送信することと、を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記後処理を行うことは、
前記承諾結果が承諾である場合、前記所定の決済手段を用いて前記交渉価格での決済処理を行うことと、を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記価格交渉要求とともに、前記第1ユーザが選択した第1決済手段が取得される場合、
前記購入防止処理を行うことは、
前記所定の決済手段として、前記第1決済手段を設定することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記購入防止処理を行うことは、
前記所定の決済手段に対応する前記第1ユーザのアカウントに対応付けられた残高から前記交渉価格を凍結する処理を行うことを含む、請求項1又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記購入防止処理を行うことは、
前記交渉価格が前記所定の決済手段で決済可能か否かを確認する処理を行うことを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記購入防止処理を行うことは、
前記交渉価
格を、前記第3ユーザに対して非表示にすることを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記購入防止処理を行うことは、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記価格交渉要求を取得してから前記交渉価格の承諾を受けるまでの第2期間と前記第1期間とについて、前記出品物に対するステータスを取引中から交渉中に変更することと、
前記ステータスが交渉中である場合、前記第3ユーザが利用する第3情報処理端末に対して、前記出品物に対する購入処理の実行を不可とすることと、を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記購入防止処理を行うことは、
前記第3情報処理端末に対して、前記第2期間に、前記交渉価格以上の価格での購入が希望される場合に、前記購入処理の実行を許可することを含む、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記購入防止処理を行うことは、
前記価格交渉要求の取得回数をカウントすることと、
カウントされた回数が、所定期間以内に、所定回数以下であるかを確認することと、を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記購入防止処理を行うことは、
前記第1ユーザの属性情報、又は前記電子商取引プラットフォームにおける行動履歴情報に基づいて、前記所定回数を変更することを含む、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記交渉価格は、下限価格又は下限割合が設定され、当該下限価格又は下限割合は、前記第2ユーザにより設定され、自動的に設定され、あるいは、前記第1ユーザの属性情報又は前記電子商取引プラットフォームにおける行動履歴情報に基づいて設定される、請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置に、
第1ユーザが利用する第1情報処理端末から、電子商取引プラットフォームにおける出品物に対して、価格交渉要求を取得することと、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記出品物を出品した第2ユーザが利用する第2情報処理端末に対し、前記価格交渉要求に基づく交渉価格での販売を承諾するか否かを問い合わせる処理を行うことと、
前記第2情報処理端末から、前記交渉価格に対する承諾か否かを含む承諾結果を取得することと、
少なくとも、前記第2ユーザが前記交渉価格を承諾してから前記第1ユーザの決済処理が完了されるまでの第1期間について、前記出品物に対して前記第1ユーザとは異なる第3ユーザからの購入防止処理を行うことと、
前記承諾結果に応じて後処理を行うことと、を実行し、
前記購入防止処理を行うことは、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記承諾結果を取得する前に前記出品物に対して所定の決済手段を設定することを含み、
前記後処理を行うことは、
前記承諾結果が承諾である場合、前記所定の決済手段を用いて
即時に決済処理を行うことと、
前記承諾結果を前記第1情報処理端末に送信することと、を含む、プログラム。
【請求項13】
プロセッサを含む情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
第1ユーザが利用する第1情報処理端末から、電子商取引プラットフォームにおける出品物に対して、価格交渉要求を取得することと、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記出品物を出品した第2ユーザが利用する第2情報処理端末に対し、前記価格交渉要求に基づく交渉価格での販売を承諾するか否かを問い合わせる処理を行うことと、
前記第2情報処理端末から、前記交渉価格に対する承諾か否かを含む承諾結果を取得することと、
少なくとも、前記第2ユーザが前記交渉価格を承諾してから前記第1ユーザの決済処理が完了されるまでの第1期間について、前記出品物に対して前記第1ユーザとは異なる第3ユーザからの購入防止処理を行うことと、
前記承諾結果に応じて後処理を行うことと、を実行し、
前記購入防止処理を行うことは、
前記価格交渉要求の取得に応じて、前記承諾結果を取得する前に前記出品物に対して所定の決済手段を設定することを含み、
前記後処理を行うことは、
前記承諾結果が承諾である場合、前記所定の決済手段を用いて
即時に決済処理を行うことと、
前記承諾結果を前記第1情報処理端末に送信することと、を含む、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引プラットフォームにおける出品物の取引において、出品者と購入希望者との間で価格交渉が行われている。例えば、価格交渉が成立すると、交渉成立の連絡が購入希望者に行われ、その後、購入希望者が交渉を受けいれる操作を行うと、決済などの機能が提供され、取引が成立するシステムが公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉成立後に、交渉成立後の価格や出品者の申出価格等で、第三者がその出品物を購入可能な場合がある。この場合、交渉をしていた購入希望者が、交渉が成立したにも関わらず、その商品を購入できないという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉の成立後から、交渉をしていたユーザの決済処理が行われるまでの間に、交渉成立した出品物が第三者により購入されることを防止することができる情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、第1ユーザが利用する第1情報処理端末から、電子商取引プラットフォームにおける出品物に対して、価格交渉要求を取得することと、前記価格交渉要求の取得に応じて、少なくとも、前記出品物を出品した第2ユーザが前記価格交渉要求に基づく交渉価格を承諾してから前記第1ユーザが決済処理を行うまでの第1期間について、前記出品物に対して前記第1ユーザとは異なる第3ユーザからの購入防止処理を行うことと、前記価格交渉要求の取得に応じて、前記第2ユーザが利用する第2情報処理端末に対し、前記交渉価格での販売を承諾するか否かを問い合わせる処理を行うことと、前記第2情報処理端末から、前記交渉価格に対する承諾か否かを含む承諾結果を取得することと、前記承諾結果に応じて後処理を行うことと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の一態様に係る情報処理システムの構成の一例、本開示に係るサーバのハードウェア構成の一例、及び本開示に係る端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るアカウント情報の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る取引情報の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る購入防止処理のタイミングの一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理システムの処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係る購入防止処理のタイミングの一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る情報処理システムの処理のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正をもって実施される。
【0009】
本開示に係る情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を開示する。情報処理システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、サーバ110Bと、端末120A、端末120B、端末120Cとが接続される。
【0011】
サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続されるサーバ110の数は限定されない。
【0012】
端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される端末120の数は限定されない。
【0013】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセージングサービスを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。サーバ110は、単独で1以上のサービスを提供してもよいし、複数で1以上のサービスを提供してもよい。サーバ110が1以上の端末120にサービスを提供することで、ユーザが端末120を介してサービスを利用することができる。
【0014】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザに対応付けられた情報をユーザ情報Xと表現する。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)等を含むことができる。
【0015】
ネットワーク130は、2以上のサーバ110、又は2以上の端末120を接続する。ネットワーク130は、端末120がサーバ110に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する。
【0016】
ネットワーク130の1以上の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0017】
サーバ110、150、及び端末120は、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0018】
サーバ110及び端末120は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホーム等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0019】
<各情報処理装置のハードウェア構成>
(1)サーバのハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれるサーバ110のハードウェア構成について説明する。
【0020】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力インタフェース(入出力I/F)114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。サーバ110のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0021】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力I/F114と、送受信部117との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0022】
プロセッサ111は、ストレージ113に記憶されるプログラムに含まれるコード、または、命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ111は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0023】
メモリ112は、ストレージ113からロードしたプログラム1121を一時的に記憶し、プロセッサ111に対して作業領域を提供する。メモリ112には、プロセッサ111がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ112は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。 ストレージ113は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ113は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0024】
入出力I/F114は、サーバ110に対する各種操作を入力する入力装置115、および、サーバ110で処理された処理結果を出力する出力装置116に接続する。
【0025】
入力装置115は、ユーザからの入力を受け付けて、入出力I/F114を介し、当該入力に係る情報をプロセッサ111に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0026】
出力装置116は、入出力I/F114を介し、プロセッサ111で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置116は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置116は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0027】
なお、入力装置115と出力装置116が一体化していてもよいし、入力装置115と出力装置116とは分離していてもよい。
【0028】
送受信部117は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部117は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部117は、各種データをプロセッサ111からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部117は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ111に伝達する。
【0029】
(2)端末120のハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれる端末120のハードウェア構成について説明する。
【0030】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。端末120のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0031】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0032】
プロセッサ121は、ストレージ123に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ121は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0033】
メモリ122は、ストレージ123からロードしたプログラム1221を一時的に記憶し、プロセッサ121に対して作業領域を提供する。メモリ122には、プロセッサ121がプログラム1221を実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ122は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0034】
ストレージ123は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ123は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0035】
入出力I/F124は、端末120に対する各種操作を入力する入力装置125、および、端末120で処理された処理結果を出力する出力装置126に接続する。
【0036】
入力装置125は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ121に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0037】
出力装置126は、プロセッサ121で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0038】
なお、入力装置125と出力装置126が一体化していてもよいし、入力装置125と出力装置126とは分離していてもよい。
【0039】
送受信部127は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部127は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部127は、各種データをプロセッサ121からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部127は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ121に伝達する。
【0040】
(3)その他
1以上の情報処理装置で構成されるクラウドコンピューティングが、サーバ110、または、端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。
【0041】
他の情報処理装置が、サーバ110、または端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。この場合、他の情報処理装置のプロセッサが、プロセッサ111またはプロセッサ121により実現される処理のうち少なくとも一部の処理を実現してもよい。
【0042】
本開示の各実施形態の処理を実行するプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラム等であってよい。
【0043】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または、揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0044】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ110、または、端末120に提供されてもよい。
【0045】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0046】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift、Kotlin、Java(登録商標)などを用いて実装されてもよい。
【0047】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0048】
本開示は、本開示に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。また、添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態または実施例の1以上の特徴と、本開示における他の実施形態または実施例の1以上の特徴との任意の組合せを包含する。
【0049】
加えて、特定の処理、機能又は方法を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0050】
本開示は、明示されない限り、いずれの実施形態または実施例を実施するに際して、事前に、または、実施の直前にユーザからの同意を取得してもよい。また、取得する同意は、包括的なものでもよく、都度取得するものでもよい。
【0051】
<第1実施形態>
第1実施形態は、電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉の成立後から、交渉をしていたユーザの決済処理が行われるまでの間に、第三者に対する購入防止処理を実行する実施形態である。第1実施形態では、購入防止処理の一例として、価格交渉成立前に仮決済処理が実行され、価格交渉成立後に決済処理が迅速に実行される。
【0052】
第1実施形態により、電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉の成立後から、交渉をしていたユーザの決済処理が行われるまでの間に、交渉成立した出品物が第三者により購入されることを防止することができるという効果が得られる。また、第1実施形態により、交渉成立後に、決済処理が迅速に実行される場合、交渉後に第三者が介入する隙がなく、第三者が交渉成立後に出品物を横取りすることができないという効果が得られる。これにより、販売者が交渉を承諾した後に、交渉したユーザが決済しないという事態を軽減することができる。
【0053】
<第1実施形態の構成>
図1を用いてサーバ110、端末120の各構成を説明する。
(1)サーバの構成
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112,ストレージ113と、入出I/F114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。
【0054】
プロセッサ111により実行されて構成されうる処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0055】
入出力I/F114は、入力装置115または出力装置116から、サーバ110により提供される各種のサービスを運営する事業者からの各種の設定操作等を受け付ける。
【0056】
送受信部117は、プロセッサ111の指示に従い、端末120等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部117は、例えば、端末120等からのログイン要求に含まれるユーザID、及びパスワードにより端末120等のユーザが認証された際、端末120等とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、端末120等の通信用のアドレス、及びユーザID等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、端末120等にデータを送信する。
【0057】
メモリ112は、第1実施形態において、プログラム1121、ユーザ情報1122、取引情報1123、取引制御モジュール1124及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0058】
プログラム1121は、上述したとおり、ストレージ113からロードされたプログラムであって、第1実施形態における処理に関する命令等が含まれる。
【0059】
ユーザ情報1122は、電子商取引プラットフォームにおいて登録されたユーザの情報やアカウント情報を含む。ユーザ情報1122は、決済事業者と共有されてもよい。
【0060】
取引情報1123は、電子商取引プラットフォームにおける出品物(商品)の取引情報を含む。
【0061】
図2は、第1実施形態に係るユーザ情報1122の一例を示す。ユーザ情報には、電子商取引プラットフォームを運営、管理する者により作成された各会員ユーザに関する情報が管理される。「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「メールアドレス」には、ユーザにより登録されたメールアドレスが含められる。「氏名」には、ユーザの氏名が含められる。「信用スコア」には、所定の基準で算出された電子商取引プラットフォームなどの所定のサービスにおける信用度を示すスコアが含められる。「取引評価」は、売買取引の相手により評価された評価値が含められる。
【0062】
図3は、第1実施形態に係るアカウント情報の一例を示す。アカウント情報には、例えば決済事業者により作成された各ユーザのアカウントに関する情報が管理される。決済事業者は、例えば、電子商取引プラットフォームを運営、管理する者と同一であってもよく、別の者であってもよい。「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「パスワード」には、ユーザ認証を行うためのパスワードが含められる。「残高」には、ユーザが保有するアカウントの電子マネー(又は電子バリュー)の残高が含められる。
【0063】
図3に示す例では、残高には、チャージ金額、売上高(売上金)、ポイント1、ポイント2などが含まれる。この種類は一例であって、これらに限定されるものではない。チャージ金額とは、例えば、ユーザが、自身の銀行口座から、決済事業者により作成されたアカウントの口座へ入金した金額を示す。売上高とは、例えば、ユーザが、電子商取引プラットフォームに商品を出品して販売することで得た収益を示す。ポイント1とは、例えば、ユーザが、売上高を変換して得たポイントであり、電子商取引プラットフォームにおいて利用されるポイントを示す。ポイント2とは、例えば、決済事業者等の他者が付与したポイントであり、電子商取引プラットフォームにおいて利用されるポイントである。
【0064】
チャージ金額は、ユーザが、決済事業者が提供するアプリケーション内で、自身の銀行口座の情報を入力し、ユーザIDと銀行口座とを対応付け、本人確認が完了した場合に、アカウントの残高に任意の金額をチャージ可能となる。なお、チャージ金額は、銀行口座以外にも、コンビニエンスストアなどでチャージすることも可能である。以下、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認が完了していれば、「銀行接続後」と表記し、本人確認が未完了であれば、「銀行接続前」と表記する。
【0065】
ポイント1は、銀行接続前に、ユーザが電子商取引プラットフォームにおいて取引するために、売上高が変換された有償のポイントであり、ポイント1は、有効期限が設定されてもよい。有効期限は、例えば6か月である。ポイント1は、銀行接続後であれば、売上高からの出金が可能になるため、新規に敢えてポイント1に変換して保有される必要がない。したがって、銀行接続前に保有されたポイント1は、使用により徐々に減少する。
【0066】
ポイント2は、決済事業者等が、特典として配布、又は付与する無償のポイントであり、ポイント2は、有効期限が設定されてもよい。ポイントの2の有効期限は、ポイント1の有効期限よりも短く設定されてもよい。なお、サーバ110が、電子商取引プラットフォームサービスと、決済サービスとを提供してもよい。
【0067】
図4は、第1実施形態に係る取引情報の一例を示す。「出品者ID」には、売り手のユーザのユーザIDが含められる。「商品名」には、商品の名称が含められる。「説明」には、商品の説明が含められる。「金額」には、商品の販売価格が含められる。販売価格は、出品者の申出価格(最初の出品価格)、交渉価格、又は最終の販売価格等を含む価格である。なお、「商品名」、「説明」、「金額」は、商品の出品情報に含められ、出品情報には、その他の情報が含められてもよい。「出品時刻」には、商品が出品された時刻が含められる。「ステータス」には、電子商取引における取引の状態が含められる。ステータスは、現在取引中であることを示す「取引中」、買い手であるユーザとの交渉中であることを示す「交渉中」、販売済を示す「済」などを含む。「購入者ID」には、その商品を購入したユーザのユーザIDが含められる。「決済手段」は、購入者が商品購入に用いる決済手段が含められる。
【0068】
図1に戻り、メモリ112に記憶される取引制御モジュール1124は、プロセッサ1111により実行されることで、電子商取引プラットフォームにおける売買取引を制御する。例えば、取引制御モジュール1124は、電子商取引プラットフォームにおいて、ユーザ登録、出品処理、売買取引処理、評価処理、電子バリューの管理処理などを制御する。
【0069】
また、取引制御モジュール1124は、プロセッサ111により実行されることで、各ユーザによる電子商取引プラットフォームにおいての商品購入時の決済処理を実行する。例えば、電子商取引プラットフォームにおける決済処理は、
図4に示す取引情報で管理されてもよい。
【0070】
以下、電子商取引プラットフォームにおいて、商品が購入される際、価格交渉が行われる場合の出品物の取引処理について説明する。送受信部117は、第2ユーザ(例えば出品者)が利用する端末120A(第2情報処理端末)から送信される出品情報を受信する。受信される出品情報は、
図4に示す取引情報1123に登録され、メモリ112又はストレージ113に記憶される。
【0071】
送受信部117は、第1ユーザ(例えば購入希望者)が利用する端末120B(第1情報処理端末)から送信された商品の閲覧依頼を受信する。送受信部117は、受信された閲覧依頼に基づき、取引情報1123に基づく商品情報を端末120Bに送信する。
【0072】
送受信部117は、端末120Bから交渉要求を受信する。受信された交渉要求は、取引情報1123に関連付けてメモリ112に記憶される。取引情報1123は、購入予定の商品の商品情報や、決済手段に関する決済手段情報を含んでもよい。
【0073】
プロセッサ111により実行される取引制御モジュール1124は、第1ユーザが利用する端末120Bから、電子商取引プラットフォームにおける出品物に対して、価格交渉要求を取得する取得部を有する。例えば、取引制御モジュール1124は、価格交渉要求とともに、交渉価格や決済手段(決済方法)を取得してもよい。なお、取引制御モジュール1124は、送受信部117を介して、外部端末からデータを取得したり、外部端末にデータを出力したりする。
【0074】
取引制御モジュール1124は、少なくとも、出品物を出品した第2ユーザが価格交渉要求に基づく交渉価格を承諾してから、第1ユーザの決済処理が完了されるまでの第1期間について、出品物に対して第1ユーザとは異なる第3ユーザからの購入防止処理を実行する第1処理部を有する。例えば、取引制御モジュール1124は、第1期間において、第3ユーザが、他人により交渉成立した出品物を購入できないような処理を行う。第1実施形態においては、後述するように、価格交渉要求の取得に応じて、交渉要求時に仮決済処理が実行され、価格承諾時に即時決済が行われる例について説明する。なお、交渉成立の通知、第2ユーザからの承諾通知に基づいて、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行してもよい。
【0075】
取引制御モジュール1124は、価格交渉要求の取得に応じて、端末120Aに対し、交渉価格での販売を承諾するか否かを問い合わせる処理を実行する第2処理部を有する。例えば、取引制御モジュール1124は、価格交渉要求に基づき設定される交渉価格を承諾するか拒否するかを問い合わせる問い合わせ情報を端末120Aに出力する。なお、交渉価格は、予め設定された割引額や割引率で計算された価格、又は第1ユーザによって設定された価格などを含む。
【0076】
取引制御モジュール1124は、端末120Aから、交渉価格に対する承諾か否かを含む承諾結果を取得する。取引制御モジュール1124は、取得した承諾結果に応じて後処理を実行する後処理部を有する。取引制御モジュール1124は、後処理の一例として、承諾結果を端末120Bに出力したり、出品者、購入者、価格、決済手段の各情報に基づいて決済処理を実行したりする。
【0077】
取引制御モジュール1124は、決済処理が依頼されると、購入者のアカウントから価格分の電子バリューを減算し、この電子バリューを出品者のアカウントに加算する処理を実行する。なお、取引制御モジュール1124は、決済手段がクレジットカードの場合は、クレジットカード会社のサーバに決済処理を依頼し、決済処理が行われる。また、取引制御モジュール1124は、決済処理を行う決済処理モジュールを分離してもよいし、他のサーバ(例えば110B)に実装してもよい。
【0078】
以上の処理によれば、電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉の成立後から、交渉をしていたユーザの決済処理が行われるまでの間に、交渉成立した出品物が第三者により購入されることを防止することができる。
【0079】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、価格交渉要求の取得に応じて、出品物に対して所定の決済手段を設定すること(仮決済処理)を含んでもよい。例えば、取引制御モジュール1124は、第1ユーザにより事前に決済手段が選択されていたり、残高が多い決済手段が自動で選択されたりして、所定の決済手段を設定してもよい。
【0080】
この場合、取引制御モジュール1124は、後処理の一例として、端末120Aから取得した承諾結果が承諾である場合、所定の決済手段を用いて決済処理を行ってもよい。例えば、取引制御モジュール1124は、承諾結果が承諾である場合には、即時に所定の決済手段を用いて決済処理を実行してもよい。
【0081】
また、送受信部117は、承諾結果を端末120Bに送信する。なお、承諾結果が拒否である場合、取引制御モジュール1124は、購入防止処理の実行を解除し、任意のユーザにその出品物を購入可能にする。
【0082】
以上の処理によれば、価格交渉成立前に、交渉価格で仮に決済するための仮決済処理が実行され、交渉成立後に、迅速に決済処理が実行されるため、交渉後に第三者が介入する隙がなく、第三者が交渉成立後に出品物を購入して横取りすることができない。
【0083】
また、出品物を出品した第2ユーザが、価格交渉要求に基づく交渉価格を承諾してからすぐに決済処理が行われるため、交渉成立後に第1ユーザにより決済処理の操作が行われないことによる取引の不安定さを解消することができる。
【0084】
また、交渉成立後に即時決済処理が行われることにより、サーバ110は、決済処理の操作通知を受けたり、決済処理のリマインド等をしたりする必要がないため、取引における処理効率を向上させることができる。なお、決済処理が実行されると、取引制御モジュール1124は、取引情報1123におけるこの出品物のステータスを「済」(販売済)に変更する。
【0085】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、取得した価格交渉要求とともに、第1ユーザが選択した第1決済手段が取得される場合、第1決済手段を所定の決済手段として設定することを含んでもよい。例えば、第1ユーザは、価格交渉を要求する際に、画面に表示される、1又は複数の電子決済、クレジットカード決済などの複数の決済手段の中から1つの決済手段を選択した場合、取引制御モジュール1124は、選択された決済手段を示す決済手段情報を取得するとよい。また、第1決済手段を設定する仮決済処理は、購入防止処理の一処理として行われてもよい。
【0086】
以上の処理によれば、購入希望者である第1ユーザは、価格交渉を要求する際に、希望する決済手段(第1決済手段)を選択することができ、システムとして決済に対する柔軟性を向上させることができる。
【0087】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、所定の決済手段に対応する第1ユーザのアカウントに対応付けられた残高から交渉価格を凍結する処理を行うことを含んでもよい。具体例として、取引制御モジュール1124は、所定の決済手段が電子決済手段である場合、この電子決済手段に関連付けられる第1ユーザのアカウントから、交渉価格分を凍結する。次に、価格交渉が成立する場合、又は交渉価格が承諾される場合、取引制御モジュール1124は、凍結された交渉価格分の電子バリューを、第1ユーザのアカウントから移動してもよい。
【0088】
以上の処理により、サーバ110は、第1ユーザの交渉価格分の電子バリューを確保しておくことができ、交渉成立後に、交渉成立までの間に残高が減ることで、交渉価格分の残高が残っていないという事態を防止することができる。換言すれば、購入者が交渉価格を支払えなくなることを防止することができる。
【0089】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、交渉価格が所定の決済手段で決済可能か否かを確認する処理を行うことを含んでもよい。例えば、取引制御モジュール1124は、第1ユーザにより選択された決済手段の残高と、交渉価格とを比較し、残高≧交渉価格であるか否かを確認する。取引制御モジュール1124は、残高≧交渉価格である場合、仮決済処理を続行し、残高<交渉価格であれば、その旨を端末120Bに通知し、第1ユーザに他の決済手段を選択するように促してもよい。
【0090】
以上の処理により、仮決済処理で設定される決済手段の残高に、交渉価格以上の電子バリューがあるかを事前に確認することにより、第1ユーザが、残高が足りない決済手段を選択した際に、決済ができないことを第1ユーザに通知することができる。
【0091】
また、残高に、例えば、チャージ金、売上金、有償ポイント、無償ポイントなどの複数の種類がある場合、残高確認する際の種類は問われず、合計残高で残高確認が行われてもよい。また、所定の決済手段として、購入時点ではなく、その後の翌月等に支払うあと払いが選択された場合、仮決済処理時点で、交渉価格分の利用枠が使えるのか否かの確認等が行われてもよい。また、仮決済処理は、第2ユーザの承諾の後に、決済処理としてまとめて行われてもよい。また、第1ユーザが価格交渉要求を行う際に、表示制御モジュール1223は、割引クーポンを適用した金額が表示されるようにしてもよい。また、第2ユーザによる承諾が行われる前であれば、取引制御モジュール1224は、第1ユーザからの要求により、一度設定された所定の決済手段を、他の決済手段に変更してもよい。
【0092】
なお、取引制御モジュール1124は、出品物の商品情報を端末120Bに出力する際に、各決済手段の残高情報も出力しておくことで、端末120Bが決済手段の選択画面を表示する際に、交渉価格以上の残高を保有する決済手段が選択画面に表示されるようにしてもよい。これにより、第1ユーザが、残高が足りない決済手段を選択してしまうことを防止することが可能になる。
【0093】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、交渉価格及び/又は所定の決済手段を、第3ユーザに対して非表示にすることを含んでもよい。例えば、取引制御モジュール1124は、交渉価格及び所定の決済手段について、この出品物の商品情報が掲載されるページに表示しないようにする。
【0094】
以上の処理により、第1ユーザと第2ユーザとの交渉を安定的に執り行うことが可能になる。また、第3ユーザが、交渉価格等を知ることで、交渉に介入してくるリスクを減らすことが可能になり、出品者に負担がかかる事態を避けることができる。
【0095】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、価格交渉要求の取得回数をカウントすることと、カウントされた回数が、所定期間以内に、所定回数以下であるかを確認することとを含んでもよい。例えば、取引制御モジュール1124は、第1ユーザには、所定回数の交渉しかできないように制限を設けてもよい。具体例として、所定期間(例、1週間)内に価格交渉できるのは、所定回数(例、10回)まで等の制限が加えられてもよい。これにより、価格交渉が必要以上に行われることを防止し、サーバ110の処理負荷が大きくなることを防ぐことができる。
【0096】
また、同一又は類似商品については、所定個数(例、1個)の商品までしか価格交渉ができないという制限が加えられてもよい。これは、価格交渉を要求する際に出品物が特定されているため、取引制御モジュール1124は、出品物の商品名等を用いて、過去に価格交渉が行われた出品物であるか否かを判定することが可能である。これにより、同一又は類似する複数の商品に価格交渉要求を行い、それぞれが承諾されて即時決済処理が実行され、同一又は類似する複数の商品が購入されることを防止することができる。
【0097】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、第1ユーザの属性情報、又は電子商取引プラットフォームにおける行動履歴情報に基づいて、所定期間や所定回数を変更することを含んでもよい。例えば、価格交渉の制限に関する所定期間や所定回数は、第1ユーザの属性情報又は行動履歴情報に基づいて、所定期間や所定回数が決定されてもよい。具体例としては、電子商取引プラットフォームにおける第1ユーザの評価の高さ、取引回数の多さや、購入頻度、購入金額合計が大きいほど、より多くの所定回数、又はより長い所定期間にしてもよい。これにより、第1ユーザの情報に基づいて、価格交渉に対する制限を動的に変更することが可能になる。
【0098】
また、交渉価格は、下限価格又は下限割合が設定され、この下限価格又は下限割合は、第2ユーザにより設定され、自動的に設定され、あるいは、第1ユーザの属性情報又は電子商取引プラットフォームにおける行動履歴情報に基づいて設定されてもよい。例えば、上述した交渉価格は、以下のいずれかにより決定されてもよい。
・画面に表示される複数の所定割合から第1ユーザが選択する。
例えば、出品価格の90%,85%,80%等の選択肢が表示され、第1ユーザ(購入希望者)がいずれかを選択する。
・第1ユーザが、入力欄に自由に交渉価格を入力してもよい。
このとき、出品価格よりも低い価格しか入力できないような制限を加えてもよい。また、第2ユーザ(出品者)又はシステムが、最低価格(又は最低割合)を設定し、設定された価格未満の価格が第1ユーザにより指定できないように構成されてもよい。
・第1ユーザの属性情報又は行動履歴情報に基づいて、取引制御モジュール1124により下限価格または下限割合が設定されてもよい。これにより、交渉価格に対する柔軟性を向上させることがき、また、第2ユーザが所望する価格以下の交渉価格は自動的に拒否することが可能になる。
【0099】
なお、第1ユーザが価格交渉を要求する時に、決済手段の選択を要求してもよい。これにより、仮決済処理において設定される所定の決済手段により、交渉価格が支払えないと(残高が足りない)判断された場合に、第2ユーザに価格交渉の問合せがいくことを防ぐことができ、ユーザの端末とサーバ間の無駄なコミュニケーションを削減することができる。
【0100】
出品者の第2ユーザの画面について、端末120Aの取引処理モジュール1222は、複数のユーザから価格交渉要求による承諾か否かの問合せを受けた場合、アプリケーション上のやることリストに保存し、通知してもよい。これにより、問合せが届いていることを第2ユーザに気づかせることができる。また、やることリストにおいて、交渉価格が高い順に問合せが並べ替えられたり、購入希望者の第1ユーザの評価(電子商取引プラットフォームにおける評価)が合わせて表示されたりしてもよい。
【0101】
また、次のいずれかの場合には、取引制御モジュール1124は、価格交渉要求を自動的にキャンセルしてもよい。
・交渉価格が承諾されなかった場合
・交渉価格の問合せをしてから所定時間経過した場合
・交渉価格が承諾される前に、他のユーザに出品価格等で購入された場合
・出品者により商品が編集/削除された場合
【0102】
また、取引制御モジュール1124は、価格交渉の機能について、所定の条件を満たす第1ユーザのみが利用できるようにしてもよい。例えば、所定の条件は、取引件数が所定値以上などを含む。また、仮決済処理時又は決済処理時に、第1決済手段で決済が不可の場合に、第2決済手段が設定されるようにしてもよい。決済手段の優先度は、事前にユーザにより設定されてもよい。
【0103】
また、第2ユーザは、交渉価格について、承諾するか否かだけではなく、第2ユーザが希望する希望価格を第1ユーザに提案できるようにしてもよい。例えば、問合せ画面において、希望価格の入力欄を設け、この入力欄に希望価格が入力された場合、希望価格がサーバ110を介して第1ユーザの端末120Bに送信される。このとき、第1ユーザに対して、希望価格で承諾するか否かの問合せが行われる。希望価格が第1ユーザにより承諾されれば、取引制御モジュール1124は、即時決済処理を実行する。
【0104】
また、交渉成立前に出品物がキャンセルされた場合でも、仮決済処理では決済手段を設定したり、交渉価格を凍結したり、利用枠を確認しているだけなので、その設定や凍結を解除するだけでよく、返金処理は発生しない。
【0105】
なお、1つ又は複数のプロセッサ111は、メモリ112から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ111は、取引制御モジュール1124を実行することで、取引制御部、決済処理部をそれぞれ構成してもよい。
【0106】
(2)端末120の構成
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。
【0107】
プロセッサ121により実行される処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0108】
入力装置125は、端末120のユーザからの各種の操作等を受け付ける。
【0109】
送受信部127は、プロセッサ121の指示に従い、サーバ110等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部127は、例えば、サーバ110にログインした際、サーバ110とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、サーバ110の通信用のアドレス等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、サーバ110にデータを送信する。
【0110】
プロセッサ121は、サーバ110により提供される所定のサービスを利用する処理を行う。
【0111】
メモリ122は、第1実施形態において、プログラム1221、取引処理モジュール1222、表示制御モジュール1223、及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0112】
プログラム1221は、上述したとおり、ストレージ123からロードされたプログラムであって、第1実施形態に関する命令等が含まれる。
【0113】
取引処理モジュール1222は、電子商取引プラットフォームにおいて商品の売買取引を行う処理を実行する。例えば、取引処理モジュール1222は、電子商取引プラットフォーム上で、商品を出品したり、商品を購入したり、価格交渉をしたりする処理を実行する。
【0114】
表示制御モジュール1223は、電子商取引プラットフォームに関する画面データを、出力装置126に表示するよう制御する。例えば、表示制御モジュール1223は、商品を出品するための画面を表示するよう制御したり、価格交渉をするための画面を表示するよう制御したり、商品を購入する画面を表示するよう制御したりする。
【0115】
なお、1つ又は複数のプロセッサ121は、メモリ122から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ121は、取引処理モジュール1222、表示制御モジュール1223それぞれを実行することで、取引処理部、表示制御部を構成してもよい。
【0116】
<購入防止処理のタイミング>
図5は、第1実施形態に係る購入防止処理のタイミングの一例を示す。
図5に示す例では、サーバ110が、端末120Bから第1ユーザの価格交渉要求を取得したタイミングをt1とし、サーバ110が、第1ユーザからの価格交渉要求を取得して仮決済処理を実行するタイミングをt2とし、サーバ110が、第2ユーザから価格交渉要求に基づく交渉価格の承諾を取得したタイミングをt3とし、サーバ110が、第2ユーザの承諾により決済処理を実行するタイミングをt4とする。
【0117】
第1実施形態では、第1ユーザによる交渉価格が承諾された時(価格交渉の成立後)t3から、決済処理が行われる時t4までの第1期間の間に、第3ユーザがこの出品物に対する購入処理を行うことはできない。なぜなら、交渉価格が承諾されるとすぐに決済処理が実行されることで、第1期間を短くすることができ、この第1期間において、第3ユーザが購入に対して介入できないからである。この即時決済処理を可能とする理由は、第1ユーザからの価格交渉要求が取得された後に(t1の後に)、決済処理に使用される価格、決済手段を事前に設定する仮決済処理が実行されるからである。
【0118】
<第1実施形態の動作処理>
図6を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の処理について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理システム1の処理のシーケンスの一例を示す。なお、
図6に示す処理は、電子商取引プラットフォームにおける交渉処理の一例を示す。
【0119】
(ステップS102)
第2ユーザの端末120Aの取引処理モジュール1222は、ユーザからの電子商取引プラットフォームにおける出品物の出品要求を受け付け、サーバ110に対して出品要求を行う。これにより、サーバ110の取引制御モジュール1124は、取得された出品要求に基づき、取引情報1123に所定の情報を登録する。
【0120】
(ステップS104)
第1ユーザの端末120Bの取引処理モジュール1222は、第1ユーザからの電子商取引プラットフォームにおける商品の閲覧要求を受け付け、サーバ110に対して閲覧要求を行う。
【0121】
(ステップS106)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、閲覧要求を受け付けると、閲覧要求された商品の商品情報を端末120Bに出力する。端末120Bの表示制御モジュール1223は、取得された商品情報に基づいて商品閲覧画面を構成し、この商品閲覧画面が出力装置126に表示されるよう制御する。
【0122】
(ステップS108)
端末120Bの取引処理モジュール1222は、第1ユーザからの価格交渉要求を受け付ける。このとき、取引処理モジュール1222は、交渉価格や、決済手段が第1ユーザから選択されてもよい。取引処理モジュール1222は、交渉価格及び決済手段それぞれについて、複数の選択肢の中から選択されたものを受け付けてもよい。
【0123】
(ステップS110)
端末120Bの取引処理モジュール1222は、第1ユーザから受け付けた価格交渉に基づいて、交渉価格や決済手段が設定されている場合は交渉価格や決済手段の情報とともに、価格交渉要求をサーバ110に出力する。
【0124】
(ステップS112)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、価格交渉要求の取得に基づいて、少なくとも、出品物を出品した第2ユーザが価格交渉要求に基づく交渉価格を承諾してから第1ユーザの決済処理が完了されるまでの第1期間について、出品物に対して第3ユーザからの購入防止処理を実行する。例えば、取引制御モジュール1124は、購入防止処理に含まれる、交渉価格や決済手段を設定する仮決済処理を実行する。
【0125】
(ステップS114)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、交渉価格に対して承諾するか拒否するかを、第2ユーザの端末120Aに問い合わせる処理を実行する。例えば、取引制御モジュール1124は、出品物を特定して、交渉価格の表示とともに、承諾又は拒否を選択するための情報を端末120Aに出力する。
【0126】
(ステップS116)
端末120Aの表示制御モジュール1223は、出品物、交渉価格、第1ユーザの情報、承諾か否かの選択情報(例えばチェックボックス、ラジオボタン等)を画面に表示させ、第2ユーザからの回答を受け付ける処理を実行する。
【0127】
(ステップS118)
端末120Aの取引処理モジュール1222は、第2ユーザからの回答である、承諾か拒否かを示す承諾結果の情報をサーバ110に出力する。
【0128】
(ステップS120)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、端末120Aから取得した承諾結果を第1ユーザの端末120Bに出力する。取引制御モジュール1124は、承諾結果が承諾を示す場合、ステップS122の決済処理を実行し、承諾結果が拒否を示す場合は、決済手段の設定を解除し、仮決済処理を解除する。
【0129】
(ステップS122)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、承諾結果が承諾を示す場合、決済処理を実行する。例えば、取引制御モジュール1124は、既に仮決済処理が行われ、決済手段が設定されているので、承諾の取得後に決済処理をすぐに実行することが可能になる。なお、決済処理が実行されると、取引制御モジュール1124は、取引情報1123のステータスを「済」に変更する。なお、ステップS120とステップS122とは順序は問わない。
【0130】
<第2実施形態>
第2実施形態は、価格交渉要求が取得された後に、取引情報のステータスを「交渉中」に変更し、「交渉中」のステータスの場合は第三者の購入要求を受け付けせず、第三者の購入を防止する実施形態である。
【0131】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態によれば、交渉処理を安定的に行いつつ、電子商取引プラットフォームにおいて、価格交渉の成立後から、交渉をしていたユーザの決済処理が行われるまでの間に、交渉成立した出品物が第三者により購入されることを防止することができるという効果が得られる。
【0132】
<第2実施形態の構成>
第2実施形態に係るシステム構成、情報処理装置のハードウェア構成、並びに、サーバ及び端末の機能構成は、上述した第1実施形態と同様である。第2実施形態では、サーバ110の取引制御モジュール1124が、ステータスを変更する際に、交渉中のステータスの場合には、基本的に第三者の購入処理を実行しない設定にする点が、第1実施形態と異なる。
【0133】
例えば、サーバ110の取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、価格交渉要求の取得に応じて、価格交渉要求を取得してから交渉価格の承諾を受けるまでの第2期間と上述した第1期間とについて、出品物に対するステータスを取引中から交渉中に変更することを含んでもよい。また、取引制御モジュール1124は、ステータスが交渉中である場合、第3ユーザが利用する第3情報処理端末に対して、出品物に対する購入処理の実行を不可とすることを含んでもよい。例えば、ステータスが交渉中である場合、取引制御モジュール1124は、その出品物に対する第3ユーザの購入要求を拒否したり、そもそも購入要求を操作不可としたりしてもよい。
【0134】
以上の処理により、取引制御モジュール1124は、ステータスと、処理制限とを関連付けておくことで、ステータスが交渉中であれば、第3ユーザが購入処理に介入することを防止することを可能にする。
【0135】
また、取引制御モジュール1124は、購入防止処理を実行する際、第3情報処理端末に対して、上述の第2期間に、交渉価格以上の価格での購入が第3ユーザから希望される場合に、購入処理の実行を許可することを含でもよい。例えば、交渉成立前の第2期間中であれば、第3情報処理端末において交渉価格以上での購入を希望するUI部品(例えばボタン)を表示させ、第3ユーザがこのUI部品を操作したとする。
【0136】
この場合、取引制御モジュール1124は、交渉価格以上での購入希望を受け付け、第2ユーザの端末120Aに対して、交渉価格以上の価格とともに購入要求を出力する。購入要求を受けた第2ユーザの端末120Aは、第3ユーザによる購入要求を受け付けるか否かの承諾結果をサーバ110に出力する。これにより、交渉価格よりも高い価格で出品物が販売できるのであれば、販売したいという出品者のニーズに応えることが可能になる。
【0137】
<購入防止処理のタイミング>
図7は、第2実施形態に係る購入防止処理のタイミングの一例を示す。
図7に示す例では、サーバ110が、端末120Bから第1ユーザの価格交渉要求を取得したタイミングをt11とし、サーバ110が、第2ユーザから価格交渉要求に基づく交渉価格の承諾を取得したタイミングをt12とし、サーバ110が、第2ユーザの承諾により決済処理を実行するタイミングをt13とする。
【0138】
第2実施形態では、基本的には、第1ユーザによる価格交渉要求が取得された時t11から、決済処理が行われる時t13までの期間(第1期間+第2期間)の間に、第3ユーザがこの出品物に対する購入処理を行うことはできない。なぜなら、その出品物のステータスが「交渉中」であるため、この交渉中のステータスの出品物に対しては、第1ユーザ以外のユーザは購入処理が許可されていないからである。
【0139】
なお、第2期間(t11~t12)においては、例外処理として、交渉価格以上の価格での購入要求があれば、サーバ110は、その購入要求を第2ユーザの端末120Aに通知してもよい。
【0140】
<第2実施形態の動作処理>
図8は、第2実施形態に係る情報処理システムの処理のシーケンスの一例を示す。
図8に示すように、ステップS202~S210の各処理は、第1実施形態におけるステップS102~S110の各処理と同様である。
【0141】
(ステップS212)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、価格交渉要求を受けた出品物のステータスを「交渉中」に変更する。このとき、取引制御モジュール1124は、例えば、この出品物に対する商品情報ページに含まれる購入ボタンを非表示(又はグレーアウト)にしたり、この出品物に対する購入要求を拒否したりする。
【0142】
ステップS214~S220の各処理は、第1実施形態におけるステップS114~S120の各処理と同様である。なお、ステップS218により承諾結果を取得したサーバ110は、承諾結果が拒否を示す場合、取引情報1123のステータスを「取引中」に変更する。
【0143】
(ステップS222)
端末120Bの取引処理モジュール1222は、交渉価格に対する承諾結果が承諾を示す場合、決済手段を第1ユーザに選択させ、選択された決済手段とともに、決済処理要求をサーバ110に対して出力する。
【0144】
(ステップS224)
サーバ110の取引制御モジュール1124は、決済処理要求を取得する場合、決済処理要求に基づいて決済処理を実行する。例えば、取引制御モジュール1124は、第1ユーザにより選択された決済手段を用いて決済処理を実行する。なお、決済処理が実行されると、取引制御モジュール1124は、取引情報1123のステータスを「済」に変更する。
【0145】
なお、開示技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、開示技術の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0146】
例えば、上述した実施形態では、電子商取引プラットフォームにおける管理と、電子決済における管理とを同じサーバ110で実行する例について説明したが、サーバ110Aは、電子商取引プラットフォームを管理し、サーバ110Bは、電子決済を管理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1…情報処理システム、110…サーバ、111…プロセッサ、112…メモリ、113…ストレージ、114…入出力I/F、115…入力装置、116…出力装置、117…
送受信部、120…端末、121…プロセッサ、122…メモリ、123…ストレージ、124…入出力I/F、125…入力装置、126…出力装置、127…送受信部、1124…取引制御モジュール、1222…取引処理モジュール、1223…表示制御モジュール