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特許7709849アダプター、レーダーユニット及び鞍乗型車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-09
(45)【発行日】2025-07-17
(54)【発明の名称】アダプター、レーダーユニット及び鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20250710BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20250710BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20250710BHJP
   B62J 11/00 20200101ALI20250710BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20250710BHJP
【FI】
G01S7/03 240
B62J45/41
B62J23/00 F
B62J11/00
G01S13/931
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021077306
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022170982
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 航
(72)【発明者】
【氏名】池田 茂樹
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-101468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0292669(US,A1)
【文献】特開2016-159876(JP,A)
【文献】特開2018-203001(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0221599(US,A1)
【文献】特開2010-010100(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098486(WO,A1)
【文献】特開2020-091259(JP,A)
【文献】特表2020-524777(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018218537(DE,A1)
【文献】特開2021-096172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-17/95
B62J 45/41
B62J 23/00
B62J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両(1)に搭載されるレーダー装置(200)を保持するアダプター(100)であって、
前記レーダー装置(200)の側面部の1つを第1側面部(203)とし、
前記レーダー装置(200)の前記側面部のうち、前記第1側面部(203)と対向する前記側面部を第2側面部(204)とした場合、
前記第1側面部(203)と対向する第1壁部(12)を有する第1部品(10)と、
前記第2側面部(204)と対向する第2壁部(22)を有し、前記第1部品(10)に締結部(30)で締結される第2部品(20)と、
前記第2部品(20)に設けられ、前記レーダー装置(200)を位置決めするレーダー位置決め部(40)と、
前記第1部品(10)に設けられた第1位置決め部及び前記第2部品(20)に設けられた第2位置決め部を有し、前記第1部品(10)と前記第2部品(20)とを位置決めするアダプター位置決め部(50)と、
を備えており、
前記レーダー装置(200)における送受信面(201)と対向する面を背面(202)とした場合、
前記レーダー装置(200)が当該アダプター(100)に保持された際、
前記送受信面(201)と前記背面(202)との対向方向において、
前記第2部品(20)の前記送受信面(201)側の端部(23)は、前記送受信面(201)と同位置となる、あるいは、前記背面(202)を基準として前記送受信面(201)よりも前記背面(202)から離れた位置となる構成である
アダプター(100)。
【請求項2】
前記アダプター位置決め部(50)を少なくとも2つ備え、
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部のうちの一方が突出部(52)であり、
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部のうちの他方が、前記突出部(52)の挿入される凹部(51)である
請求項1に記載のアダプター(100)。
【請求項3】
前記締結部(30)で前記第1部品(10)と前記第2部品(20)とが締結された状態においては、
前記レーダー位置決め部(40)が前記レーダー装置(200)を前記第1壁部(12)へ向かって押圧する構成である
請求項1又は請求項2に記載のアダプター(100)。
【請求項4】
一対の前記締結部(30)を備え、
これらの前記締結部(30)の間に、前記レーダー位置決め部(40)が配置されており、
前記第2部品(20)は、前記締結部(30)で前記第1部品(10)と締結されていない状態では、少なくとも一対の前記締結部(30)の間が前記第1壁部(12)に向かって突出するように反っている
請求項3に記載のアダプター(100)。
【請求項5】
前記レーダー装置(200)が当該アダプター(100)に保持された際、
前記送受信面(201)と前記背面(202)との対向方向において、
前記第2部品(20)の前記送受信面(201)側の端部(23)は、前記背面(202)を基準として前記送受信面(201)よりも前記背面(202)から離れた位置となる構成であり、
前記第2部品(20)は、前記送受信面(201)側の端部(23)が前記第1壁部(12)に向かって曲がっている
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のアダプター(100)。
【請求項6】
前記締結部(30)で前記第1部品(10)と前記第2部品(20)とが締結される際、
前記アダプター位置決め部(50)の前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが接触した後に、前記レーダー位置決め部(40)と前記レーダー装置(200)とが接触する構成である
請求項1~請求項のいずれか一項に記載のアダプター(100)。
【請求項7】
請求項1~請求項のいずれか一項に記載のアダプター(100)と、
前記アダプター(100)に保持されたレーダー装置(200)と、
を備えている
レーダーユニット(3)。
【請求項8】
請求項に記載のレーダーユニット(3)を備えている
鞍乗型車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー装置を保持するアダプター、該アダプターを備えたレーダーユニット、及び、該レーダーユニットを備えた鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両等の車両には、障害物を検知するために、レーザーレーダー又はミリ波レーダー等を用いたレーダー装置が搭載されているものが提案されている。レーダー装置は、例えば、ACCシステム(アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム)、Stop&Goシステム(渋滞追従システム)、及び車間警報システム等に使用される。
【0003】
このようなレーダー装置は、特許文献1等に示すように、アダプターに保持されて、車両の取付部に取り付けられる。具体的には、レーダー装置を保持する従来のアダプターは、一体物となっている。そして、アダプターの開口部から該アダプター内にレーダー装置を押し込むことにより、レーダー装置はアダプターに保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-303672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来のアダプターは、一体物となっており、開口部から内部に押し込まれたレーダー装置を保持する構成となっている。このような構成である従来のアダプターは、該アダプターでレーダー装置を保持した際、アダプターに対するレーダー装置の位置のばらつきが大きくなってしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗型車両に搭載されるレーダー装置を保持するアダプターであって、アダプターにレーダー装置が保持された際、アダプターに対するレーダー装置の位置のばらつきを従来よりも抑制することが可能なアダプターを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、このようなアダプターを備えたレーダーユニットを提供することを第2の目的とする。また、本発明は、このようなレーダーユニットを備えた鞍乗型車両を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアダプターは、鞍乗型車両に搭載されるレーダー装置を保持するアダプターであって、前記レーダー装置の側面部の1つを第1側面部とし、前記レーダー装置の前記側面部のうち、前記第1側面部と対向する前記側面部を第2側面部とした場合、前記第1側面部と対向する第1壁部を有する第1部品と、前記第2側面部と対向する第2壁部を有し、前記第1部品に締結部で締結される第2部品と、前記第2部品に設けられ、前記レーダー装置を位置決めするレーダー位置決め部と、前記第1部品に設けられた第1位置決め部及び前記第2部品に設けられた第2位置決め部を有し、前記第1部品と前記第2部品とを位置決めするアダプター位置決め部と、を備えている。
【0008】
また、本発明に係るレーダーユニットは、本発明に係るアダプターと、前記アダプターに保持されたレーダー装置と、を備えている。
【0009】
また、本発明に係る鞍乗型車両は、本発明に係るレーダーユニットを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアダプターは、第1部品及び第2部品を備えている。そして、本発明に係るアダプターは、レーダー位置決め部によって、レーダー装置と第2部品とを位置決めできる。また、本発明に係るアダプターは、アダプター位置決め部によって、第2部品と第1部品とを位置決めできる。このため、本発明に係るアダプターは、アダプターにレーダー装置が保持された際、アダプターに対するレーダー装置の位置のばらつきを従来よりも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るレーダーユニットが搭載された鞍乗型車両を示す側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係るアダプターの分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係るレーダー装置を示す斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの別の一例の上部部分を側方から観察した縦断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るアダプターの溝部周辺を示す要部拡大図である。
図7】本発明の実施の形態に係るアダプターの溝部周辺を示す要部拡大図である。
図8】本発明の実施の形態に係るアダプターの別の一例の溝部周辺を示す要部拡大図である。
図9】本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを前方から観察した縦断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの上部部分を側方から観察した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るアダプター及びレーダーユニットの一例について、図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下では、本発明に係るアダプター及びレーダーユニットが鞍乗型車両の一例である自動二輪車に搭載される例を説明するが、本発明に係るアダプター及びレーダーユニットは、自動二輪車以外の他の鞍乗型車両に採用されてもよい。自動二輪車以外の他の鞍乗型車両とは、例えば、自転車(例えば、二輪車、三輪車等)、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも1つを駆動源とする自動三輪車、及びバギー等である。また、自転車とは、ペダルに付与される踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味している。つまり、自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、自動二輪車又は自動三輪車は、いわゆるモータサイクルを意味し、モータサイクルには、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。
【0014】
また、以下で説明する本発明に係るアダプター及びレーダーユニットの構成及び動作等は一例であり、本発明に係るアダプター及びレーダーユニットは、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に対して、同一の符号を付している場合又は符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0015】
実施の形態.
以下に、本実施の形態に係るアダプター、該アダプター及びレーダー装置を備えたレーダーユニット、及び、該レーダーユニットを備えた鞍乗型車両について説明する。
【0016】
<鞍乗型車両の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットが搭載された鞍乗型車両を示す側面図である。
鞍乗型車両1は、例えば自動二輪車であり、該鞍乗型車両1の前部に、レーダーユニット3を備えている。レーダーユニット3は、後述のように、レーダー装置200と、該レーダー装置200を保持するアダプター100とを備えている。レーダー装置200は、後述する送受信面201が鞍乗型車両1の走行方向の前方を向くように、配置されている。また、アダプター100は、鞍乗型車両1の図示せぬ取付部に取り付けられている。取付部とは、アダプター100を取り付けるためのブラケット等である。なお、取付部が取り付けられる部品は特に限定されないが、本実施の形態では、鞍乗型車両1のフレーム2に、取付部を取り付けている。この際、取付部は、フレーム2に直接取り付けられていてもよいし、ダンパー等を介して間接的に取り付けられていてもよい。
【0017】
なお、鞍乗型車両1は、該鞍乗型車両1の前部以外の位置にも、レーダーユニット3を備えていてもよい。例えば、鞍乗型車両1は、該鞍乗型車両1の後部に、レーダーユニット3を備えていてもよい。鞍乗型車両1の後部に設けられたレーダー装置200は、後述する送受信面201が鞍乗型車両1の走行方向の後方を向くように、配置されることとなる。
【0018】
<アダプター及びレーダーユニットの構成>
図2は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを示す斜視図である。すなわち、図2は、本発明の実施の形態に係るアダプターでレーダー装置を保持した状態を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係るアダプターの分解斜視図である。また、図4は、本発明の実施の形態に係るレーダー装置を示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー装置200と共に、鞍乗型車両1に搭載されるレーダーユニット3を構成するものである。換言すると、アダプター100は、鞍乗型車両1に搭載されるレーダー装置200を保持するものである。
【0020】
以下、アダプター100を説明するに際し、略直方体形状のレーダー装置200の各部を次のように定義する。送受信面201を前面とし、送受信面201と対向する面を背面202とする。送受信面201と背面202とを接続する側面部のうち、本実施の形態において下面部となる側面部を、下面部203とする。送受信面201と背面202とを接続する側面部のうち、下面部203と対向する側面部を、上面部204とする。送受信面201と背面202とを接続する側面部のうち、本実施の形態において左側面部となる側面部を、左側面部205とする。左側面部205は、送受信面201と背面202とを接続する側面部のうちの、下面部203と上面部204とを接続する側面部の1つと言うこともできる。送受信面201と背面202とを接続する側面部のうち、左側面部205と対向する側面部を、右側面部206とする。
【0021】
ここで、本実施の形態では、下面部203が本発明の第1側面部に相当し、上面部204が本発明の第2側面部に相当する。
【0022】
アダプター100は、第1部品10及び第2部品20を備えている。
【0023】
第1部品10は、基部11と、該基部11から前方へ突出する壁部12とを備えている。基部11は、レーダー装置200の背面202と対向して配置される。壁部12は、本実施の形態において、本発明の第1壁部に相当する壁部である。壁部12は、レーダー装置200の下面部203と対向している。また、壁部12は、レーダー装置200の下面部203と接触し、該下面部203を支持する。なお、本実施の形態では、アダプター100に保持されるレーダー装置200は、下面部203に、図示せぬ制御装置と配線接続する際に用いられるコネクター207が設けられている。このため、壁部12には、壁部12とコネクター207とが干渉しないように、逃げ部16が形成されている。逃げ部16は、貫通孔又は切り欠きである。すなわち、アダプター100でレーダー装置200を保持する際、コネクター207は逃げ部16に挿入される。
【0024】
また、本実施の形態に係る第1部品10は、基部11から前方へ突出する壁部13及び壁部14を備えている。壁部13は、レーダー装置200の左側面部205と対向して配置される。壁部14は、レーダー装置200の右側面部206と対向して配置される。すなわち、本実施の形態では、壁部13と壁部14とは、横方向に対向している。後述のように、アダプター100は、レーダー装置200を第1部品10及び第2部品20によって上下方向に挟持し、レーダー装置200を保持する。この際、アダプター100は、横方向にレーダー装置200が移動することを規制するのに十分な保持力で、レーダー装置200を保持することができる。しかしながら、壁部13及び壁部14を備えることにより、レーダー装置200が横方向に移動することをより規制でき、アダプター100からレーダー装置200が外れることをより抑制できる。
【0025】
第2部品20は、基部21と、該基部21から前方へ突出する壁部22とを備えている。基部21は、第1部品10と対向して配置される。なお、本実施の形態では基部21はレーダー装置200の背面と対向していないが、基部21を下方へ延ばし、基部21の一部をレーダー装置200の背面と対向して配置してもよい。壁部22は、本実施の形態において、本発明の第2壁部に相当する壁部である。壁部22は、レーダー装置200の上面部204と対向している。壁部22は、レーダー装置200の上面部204と直接的又は間接的に接触し、該上面部204を支持する。
【0026】
アダプター100は、締結部30を備えている。そして、第1部品10と第2部品20とは、締結部30で締結されている。本実施の形態では、締結部30は、ネジ止め構造を用いたものとなっている。具体的には、締結部30は、第1部品10に設けられた雌ネジ部31と、第2部品20における貫通孔32が形成されている箇所と、雄ネジ33とで、構成されている。雌ネジ部31は、第1部品10の例えば基部11において、第2部品20と対向する位置に配置されている。貫通孔32は、第2部品20の例えば基部21において、雌ネジ部31と対向する位置に配置されている。そして、第2部品20の貫通孔32に雄ネジ33を挿入し、該雄ネジ33を第1部品10の雌ネジ部31へねじ込んでいくことにより、第2部品20は第1部品10に締結される。また、第2部品20が第1部品10に締結された際、レーダー装置200は、第1部品10の壁部12と第2部品20の壁部22とで挟持される。これにより、上下方向に作用する締結部30の締結力が保持力となり、レーダー装置200は、アダプター100に保持されることとなる。
【0027】
なお、本実施の形態に係るアダプター100では2つの締結部30が設けられているが、締結部30の数は特に限定されない。また、締結部30は、ネジ止め構造を用いたものに限定されない。従来、2つの部品を締結する構造として、スナップ構造を用いたものが知られている。例えば、締結部30は、スナップ構造を用いたものであってもよい。
【0028】
ところで、本実施の形態に係るアダプター100は、コネクター207の位置が異なる複数のレーダー装置200を、同一のアダプター100で保持することもできる。詳しくは、アダプター100は、壁部12に加え、壁部13及び壁部14にも逃げ部16が形成されている。このため、壁部13の逃げ部16にコネクター207を挿入することにより、左側面部205にコネクター207が設けられたレーダー装置200を、アダプター100に保持させることができる。また、壁部14の逃げ部16にコネクター207を挿入することにより、右側面部206にコネクター207が設けられたレーダー装置200を、アダプター100に保持させることができる。
【0029】
また、本実施の形態に係るアダプター100は、鞍乗型車両1の取付部に対してレーダー装置200の検出軸の角度を調整するための調整機構を備えている。具体的には、アダプター100は、調整機構として、3つの雌ネジ部15と、3本の調整ボルト70とを備えている。雌ネジ部15のそれぞれは、例えば前後方向に貫通するように、第1部品10に形成されている。調整ボルト70のそれぞれは、雌ネジ部15とかみ合う雄ネジ部71を備えている。また、雄ネジ部71の端部には、断面形状が例えば多角形状となった工具接続部72が設けられている。すなわち、調整ボルト70の雄ネジ部71を第1部品10の雌ネジ部15にねじ込み、工具接続部72に工具を接続して調整ボルト70を回すことにより、調整ボルト70は、雌ネジ部15の貫通方向に、第1部品10に対して相対移動可能となっている。
【0030】
また、調整ボルト70の工具接続部72とは反対側の端部である一端は、鞍乗型車両1の取付部に、回転自在及び角度変更自在に取り付けられる。調整ボルト70が鞍乗型車両1の取付部に対して回転自在及び角度変更自在となっていれば、調整ボルト70の一端と鞍乗型車両1の取付部との取り付け構成は、特に限定されない。2つの連結部品が回転自在及び角度変更自在に連結されている、種々の構成のユニバーサルジョイントが知られている。例えば、このようなユニバーサルジョイントの公知の連結構成を用いて、調整ボルト70の一端を、鞍乗型車両1の取付部に回転自在及び角度変更自在に取り付けてもよい。
【0031】
本実施の形態では、調整ボルト70と共にユニバーサルジョイントを構成する取り付け部品80を用いて、調整ボルト70の一端を、鞍乗型車両1の取付部に回転自在及び角度変更自在に取り付けている。取り付け部品80は、アダプター100の付属部品であってもよいし、鞍乗型車両1の付属部品であってもよい。詳しくは、調整ボルト70の工具接続部72とは反対側の端部には、外周部の一部が球形状となった球頭部73が形成されている。また、取り付け部品80は、調整ボルト70の球頭部73を回転自在及び角度変更自在に保持する保持部81を備えている。なお、保持部81が球頭部73を保持する構成は、特に限定されない。保持部81が球頭部73を保持する構成として、ユニバーサルジョイントにおいて球頭部を回転自在及び角度変更自在に保持する公知の種々の構成を用いることができる。
【0032】
第1部品10の雌ネジ部15のそれぞれに調整ボルト70の雄ネジ部71をねじ込み、調整ボルト70と同数の取り付け部品80を鞍乗型車両1の取付部に取り付け、各取り付け部品80の保持部81に各調整ボルト70の球頭部73を保持させることにより、アダプター100が鞍乗型車両1の取付部に取り付けられる。アダプター100が鞍乗型車両1の取付部に取り付けられた状態において、工具接続部72に工具を接続して各調整ボルト70を回すことにより、各調整ボルト70の位置において、アダプター100と鞍乗型車両1の取付部との距離を変更できる。これにより、鞍乗型車両1の取付部に対するアダプター100の角度を調整できる。すなわち、鞍乗型車両1の取付部に対して、アダプター100に保持されたレーダー装置200の検出軸の角度を調整できる。
【0033】
なお、アダプター100の前方からの角度調整の仕方は一例である。第1部品10の前方から雌ネジ部15に調整ボルト70の雄ネジ部71をねじ込んだ場合、アダプター100は鞍乗型車両1の取付部の後方に配置され、調整ボルト70の工具接続部72は第1部品10の後方へ突出することとなる。このため、アダプター100の後方から、鞍乗型車両1の取付部に対するアダプター100の角度を調整することができる。
【0034】
また、本実施の形態に係るアダプター100は、3つの雌ネジ部15と、3本の調整ボルト70とを備えていた。しかしながら、雌ネジ部15の数は3つに限定されず、調整ボルト70の数も3本に限定されない。少なくとも3箇所においてアダプター100と鞍乗型車両1の取付部との距離を調整できれば、鞍乗型車両1の取付部に対するアダプター100の角度を調整できる。このため、雌ネジ部15は、少なくとも3つあれば、4つ以上でもよい。同様に、調整ボルト70は、少なくとも3本あれば、4本以上でもよい。また、本実施の形態に係るアダプター100は、全ての雌ネジ部15が第1部品10に設けられていた。これに限らず、雌ネジ部15の少なくとも一部が第2部品20に設けられていてもよい。
【0035】
ここで、図2に示すように、レーダー装置200がアダプター100に保持された際、送受信面201と背面202との対向方向において、第2部品20の送受信面201側の端部23は、背面202を基準として送受信面201よりも背面202から離れた位置となっている。換言すると、本実施の形態の場合、レーダー装置200がアダプター100に保持された際、送受信面201と背面202との対向方向において、第2部品20の送受信面201側の端部23は、レーダー装置200の前方へ突出している。なお、レーダー装置200がアダプター100に保持された際、送受信面201と背面202との対向方向において、第2部品20の送受信面201側の端部23は、送受信面201と同位置となっていてもよい。なお、本実施の形態では、レーダー装置200がアダプター100に保持された際、送受信面201と背面202との対向方向において、第2部品20の背面202側の端部24は、背面202と同位置となっているか、あるいは、送受信面201を基準として背面202よりも送受信面201から離れた位置となっている。
【0036】
レーダー装置200は、金属製部品等、水によって腐食する部品が外部に露出している場合がある。レーダー装置200がアダプター100に保持された際、第2部品20の送受信面201側の端部23が上述の位置に配置されていることにより、レーダー装置200の上方を第2部品20で覆うことができる。このため、雨水等の水がレーダー装置200の水によって腐食する部品に付着することを抑制でき、当該部品が腐食することを抑制できる。なお、壁部13と壁部14との対向方向において、第2部品20は、レーダー装置200の上方の全てを覆っている必要はない。例えば、レーダー装置200の水によって腐食しない箇所は、壁部13と壁部14との対向方向において、第2部品20によって上方が覆われていなくてもよい。
【0037】
図5は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの別の一例の上部部分を側方から観察した縦断面図である。
レーダー装置200がアダプター100に保持された際、送受信面201と背面202との対向方向において、第2部品20の送受信面201側の端部23は、背面202を基準として送受信面201よりも背面202から離れた位置となっているとする。このような場合、第2部品20の送受信面201側の端部23は、壁部12に向かって、換言するとレーダー装置200に向かって曲がっていてもよい。これにより、第2部品20の端部23側から第2部品20とレーダー装置200の上面部204との間に水が浸入することを抑制できる。換言すると、本実施の形態の場合、レーダーユニット3の前方から第2部品20とレーダー装置200の上面部204との間に水が浸入することを抑制できる。このため、雨水等の水がレーダー装置200の水によって腐食する部品に付着することをより抑制でき、当該部品が腐食することをより抑制できる。なお、図5に示す符号40は、後述するレーダー位置決め部40である。
【0038】
また、アダプター100は、該アダプター100に対してレーダー装置200を位置決めする位置決め構造を備えている。具体的には、アダプター100は、レーダー装置200の壁部12側部分を位置決めする位置決め構造と、レーダー装置200の壁部22側部分を位置決めする位置決め構造とを備えている。換言すると、本実施の形態の場合、アダプター100は、レーダー装置200の下部部分を位置決めする位置決め構造と、レーダー装置200の上部部分を位置決めする位置決め構造とを備えている。以下、これらの位置決め構造の詳細について説明していく。
【0039】
アダプター100は、該アダプター100に対してレーダー装置200の壁部12側部分を位置決めする位置決め構造として、第1部品10の壁部13及び壁部14のそれぞれに、溝部60を備えている。溝部60には、レーダー装置200の突出部209が挿入される。これにより、レーダー装置200の壁部12側部分がアダプター100に位置決めされる。詳しくは、壁部13の溝部60には、アダプター100の左側面部205に設けられた突出部209が挿入される。壁部14の溝部60には、アダプター100の右側面部206に設けられた突出部209が挿入される。突出部209は、例えば、レーダー装置200の外郭部に取り付けられたピンである。なお、突出部209は、レーダー装置200の外郭部と一体形成されたものであってもよい。また、本実施の形態では、突出部209は円柱形状をしているが、突出部209が円柱形状以外の形状となっていてもよい。溝部60は、第2部品20に向かって開口している。なお、本実施の形態では、溝部60は、第1部品10と第2部品20との対向方向に延びている。しかしながら、溝部60が第2部品20に向かって開口していれば、溝部60の延びる方向は、第1部品10と第2部品20との対向方向に対して傾いていてもよい。
【0040】
レーダー装置を保持する従来のアダプターは、一体物となっている。すなわち、レーダー装置を保持する従来のアダプターは、アダプター100の第1部品10と第2部品20とが一体形成されたような構成となっている。このため、従来のアダプターに本実施の形態に係る溝部60と同様の溝部を設け、アダプターに対してレーダー装置を位置決めしようとした場合、次のようにアダプターにレーダー装置を保持させることとなる。まず、レーダー装置の突出部が設けられている箇所を、アダプターの開口部から該アダプター内に挿入する。そして、アダプターの溝部に、レーダー装置の突出部を挿入する。この後、レーダー装置の突出部を回転中心としてレーダー装置を回転させながら、アダプターの開口部から該アダプター内にレーダー装置を押し込んでいく。これにより、レーダー装置がアダプターに保持されることとなる。このように、従来のアダプターに本実施の形態に係る溝部60と同様の溝部を設けた場合、レーダー装置をアダプターに保持させる際、上述のようにレーダーを回転させながら押し込んでいくという工程が必要となるため、レーダー装置を保持させる作業が繁雑になる。
【0041】
一方、本実施の形態に係るアダプター100においては、第1部品10と第2部品20との対向方向に沿ってレーダー装置200を第1部品10に挿入していくことにより、レーダー装置200に設けられた突出部209を、第1部品10に設けられた溝部60に挿入することができる。そして、本実施の形態に係るアダプター100においては、第1部品10と第2部品20とを締結部30で締結することにより、アダプター100にレーダー装置200を保持させることができる。このため、本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー装置200をアダプター100に保持させる際、レーダー装置を回転させながらアダプターに押し込んでいくという上述の工程が不要となる。したがって、本実施の形態に係るアダプター100は、アダプター100にレーダー装置200を位置決めでき、アダプター100にレーダー装置200を保持させる作業が容易となる。
【0042】
なお、第1部品10に突出部209を設け、レーダー装置200に溝部60を設けてもよい。このような場合、具体的には、第1部品10の壁部13及び壁部14に、突出部209が設けられる。また、レーダー装置200の左側面部205及び右側面部206に、溝部60が設けられる。また、レーダー装置200の左側面部205及び右側面部206に設けられた溝部60は、レーダー装置200の下面部203に向かって開口している。
【0043】
このようにアダプター100及びレーダー装置200が構成された場合でも、すなわち、このようにレーダーユニット3が構成された場合でも、第1部品10と第2部品20との対向方向に沿ってレーダー装置200を第1部品10に挿入していくことにより、突出部209を溝部60に挿入することができる。そして、第1部品10と第2部品20とを締結部30で締結することにより、アダプター100にレーダー装置200を保持させることができる。そして、レーダー装置200をアダプター100に保持させる際、レーダー装置を回転させながらアダプターに押し込んでいくという上述の工程が不要となる。したがって、このようにレーダーユニット3が構成された場合でも、アダプター100にレーダー装置200を位置決めでき、アダプター100にレーダー装置200を保持させる作業が容易となる。
【0044】
また、本実施の形態では、溝部60は次のような構成となっている。
【0045】
図6及び図7は、本発明の実施の形態に係るアダプターの溝部周辺を示す要部拡大図である。これらの図6及び図7は、アダプター100の第1部品10の壁部13に設けられた溝部60を、図3に示す矢印A方向に観察した図である。また、図6は、レーダー装置200の突出部209が挿入される前の溝部60を示している。図7は、レーダー装置200の突出部209が挿入されている状態の溝部60を示している。なお、アダプター100の第1部品10の壁部14に設けられた溝部60は、アダプター100の第1部品10の壁部13に設けられた溝部60と同じ構成となっている。
【0046】
溝部60は、第1端部61が開口している。そして、第1端部61から挿入されたレーダー装置200の突出部209が第2端部62に当接することで、レーダー装置200は位置決めされる。そして、溝部60は、第1端部61と第2端部62との間となる位置に、縮小部63を備えている。縮小部63は、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向と垂直方向の幅が縮小している箇所である。詳しくは、溝部60は、第1端部61と第2端部62とを接続する側壁部として、側壁部64及び側壁部65を備えている。そして、溝部60は、側壁部64及び側壁部65のそれぞれに、溝部60の内側へ向かって突出する凸部66を備えている。本実施の形態では、これらの凸部66が縮小部63となっている。なお、本実施の形態では、側壁部64及び側壁部65は、略L字形状(若しくは略くの字形状)となっている。しかしながら、側壁部64及び側壁部65のこの形状は、一例である。例えば、側壁部64及び側壁部65は、略直線形状となっていてもよい。
【0047】
溝部60は、縮小部63において、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向と垂直方向の幅が縮小している。図6及び図7では、溝部60は、縮小部63において、横方向の幅が縮小している。また、レーダー装置200の突出部209が溝部60に挿入される前の状態では、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向と垂直方向において、縮小部63の幅は、レーダー装置200の突出部209の幅よりも小さくなっている。このため、レーダー装置200の突出部209が溝部60に挿入された際、縮小部63は、レーダー装置200の突出部209に押圧されて、塑性変形する。すなわち、レーダー装置200の突出部209が第2端部62に当接し、レーダー装置200が位置決めされた状態においては、溝部60と該溝部60に挿入されたレーダー装置200の突出部209とは、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209に塑性変形させられた箇所で面接触する。
【0048】
溝部60と該溝部60に挿入されたレーダー装置200の突出部209との接触面積が小さい場合、レーダー装置200及びアダプター100に伝達された振動によって、溝部60とレーダー装置200の突出部209との接触部が摩耗しやすい。したがって、溝部60と該溝部60に挿入されたレーダー装置200の突出部209との接触面積が小さい場合、アダプター100に保持されているレーダー装置200ががたつきやすくなる。しかしながら、本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー装置200を保持した際、溝部60と該溝部60に挿入されたレーダー装置200の突出部209との接触面積を、大きくすることができる。したがって、本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー装置200を位置決めでき、レーダー装置200のがたつきを抑制することができる。
【0049】
ここで、側壁部64及び側壁部65のそれぞれに設けられた凸部66は、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向において、第2端部62からの距離が等しいことが好ましい。換言すると、図6及び図7では、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向が上下方向となっている。このような場合、側壁部64に設けられた凸部66と側壁部65に設けられた凸部66とは、同じ高さであることが好ましい。側壁部64及び側壁部65のそれぞれに設けられた凸部66をこのように配置することにより、レーダー装置200の突出部209が溝部60に挿入された際、2つの凸部66が同時に押圧され、2つの凸部66が同時に塑性変形することとなる。このため、側壁部64及び側壁部65のそれぞれに設けられた凸部66をこのように配置することにより、レーダー装置200の位置決め精度が向上する。なお、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向において、第2端部62からの距離を測定する場合、例えば、第2端部62のうちで第1端部61から一番離れている箇所を、第2端部62の測定位置として測定する。例えば、図6及び図7の場合、第2端部62において最も下側の箇所が、第2端部62の測定位置となる。
【0050】
また、本実施の形態では、レーダー装置200の突出部209は、円柱形状をしている。このような場合、溝部60の第2端部62は、第1端部61から離れる方向に凹む円弧形状をしていることが好ましい。溝部60の第2端部62をこのように構成することにより、第2端部62がV字形状となっている場合と比べ、溝部60の第2端部62とレーダー装置200の突出部209との接触面積が増大する。このため、溝部60の第2端部62をこのように構成することにより、アダプター100内でのレーダー装置200のがたつきをさらに抑制することができる。
【0051】
また、レーダー装置200の突出部209が円柱形状をしており、溝部60の第2端部62が第1端部61から離れる方向に凹む円弧形状をしている場合、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209と接触する箇所は、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向において、突出部209の中心軸と同位置か、あるいは、突出部209の中心軸よりも第2端部62に近い方が好ましい。換言すると、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向が上下方向となっている図6及び図7では、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209と接触する箇所は、突出部209の中心軸よりも低くなっていることが好ましい。レーダー装置200の突出部209が円柱形状をしている場合、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向と垂直方向において、突出部209は、中心軸の位置において幅がもっとも広くなる。このため、このように縮小部63を構成することにより、突出部209のうち、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向と垂直方向において最も幅が広くなる箇所が縮小部63を通過する前に、突出部209が第2端部62に当接することとなる。このため、このように縮小部63を構成することにより、突出部209と縮小部63との間にがたつきが発生することをより抑制でき、アダプター100内でのレーダー装置200のがたつきをさらに抑制することができる。
【0052】
このような縮小部63の構成は、例えば、以下のように実現することができる。図6に示すように、第1端部61と第2端部62とを接続する側壁部64及び側壁部65のうちの一方において、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209と接触する箇所の第2端部62側の端部を、第1点P1とする。第1端部61と第2端部62とを接続する側壁部64及び側壁部65のうちの他方において、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209と接触する箇所の第2端部62側の端部を、第2点P2とする。円弧形状をしている第2端部62の中心点を、中心点Cとする。中心点Cと第1点P1とを結ぶ仮想直線を、第1仮想直線L1とする。中心点Cと第2点P2とを結ぶ仮想直線を、第2仮想直線L2とする。
【0053】
このように定義した場合、第1仮想直線L1と第2仮想直線L2とが第2端部62側においてなす角度αを、180°以下にするとよい。第2端部62と突出部209との接触面積を拡大させたい場合、第2端部62の円弧形状の半径と、突出部209の外周部の半径とは、概略同じになる。このため、中心点Cは、突出部209の中心軸と概略同じ位置となる。したがって、上述の角度αを180°以下にすることにより、縮小部63におけるレーダー装置200の突出部209と接触する箇所は、第1端部61と第2端部62とを結ぶ方向において、突出部209の中心軸と同位置か、あるいは、突出部209の中心軸よりも第2端部62に近くなる。
【0054】
また、溝部60の第1端部61は、第2端部62から離れるにしたがって広がっているのが好ましい。本実施の形態では、第1端部61に形成された傾斜面67によって、溝部60の第1端部61は、第2端部62から離れるにしたがって広がっている。溝部60の第1端部61が第2端部62から離れるにしたがって広がっていることにより、溝部60への突出部209の挿入が容易となり、アダプター100にレーダー装置200を保持させることが容易となる。
【0055】
なお、縮小部63は、凸部66に限定されない。以下に、凸部66以外で構成された縮小部63を備える溝部60の一例を紹介する。
【0056】
図8は、本発明の実施の形態に係るアダプターの別の一例の溝部周辺を示す要部拡大図である。
図8に示す溝部60においては、第2端部62から第1端部61に向かうにしたがって、側壁部64及び側壁部65が近づいている。このように溝部60を構成しても、第1端部61と第2端部62との間となる位置に、縮小部63が形成されることとなる。そして、当該縮小部63は、レーダー装置200の突出部209が溝部60に挿入された際、レーダー装置200の突出部209に押圧されて、塑性変形する。
【0057】
図9は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを前方から観察した縦断面図である。
アダプター100は、該アダプター100に対してレーダー装置200の壁部22側部分を位置決めする位置決め構造として、レーダー位置決め部40と、アダプター位置決め部50とを備えている。レーダー位置決め部40は、アダプター100の第2部品20に設けられ、第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めするものである。アダプター位置決め部50は、アダプター100の第1部品10に設けられた第1位置決め部と、アダプター100の第2部品20に設けられた第2位置決め部とを有し、第1部品10と第2部品20とを位置決めするものである。すなわち、レーダー位置決め部40によって第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めし、アダプター位置決め部50によって第1部品10と第2部品20とを位置決めすることにより、アダプター100に対してレーダー装置200の壁部22側部分が位置決めされる。
【0058】
従来のアダプターは、一体物となっており、開口部から内部に押し込まれたレーダー装置を保持する構成となっていた。このような構成である従来のアダプターは、該アダプターでレーダー装置を保持した際、アダプターに対するレーダー装置の位置のばらつきが大きくなってしまう。
【0059】
一方、本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー位置決め部40によって第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めし、アダプター位置決め部50によって第1部品10と第2部品20とを位置決めすることにより、アダプター100に対してレーダー装置200を位置決めできる。このため、本実施の形態に係るアダプター100は、アダプター100にレーダー装置200が保持された際、アダプター100に対するレーダー装置200の位置のばらつきを従来よりも抑制することができる。
【0060】
本実施の形態では、アダプター位置決め部50は、第1部品10に設けられた第1位置決め部として凹部51を備え、第2部品20に設けられた第2位置決め部として突出部52を備えている。突出部52は、例えば円柱形状をしており、凹部51に挿入されるものである。すなわち、本実施の形態に係るアダプター位置決め部50は、凹部51に突出部52が挿入されることにより、第1部品10と第2部品20とが位置決めされる。なお、突出部52は、第1部品10の基部11等と一体に形成されていてもよいし、基部11等と別体で形成されたピン等が該基部11等に取り付けられたものでもよい。また、本実施の形態では、突出部52は円柱形状をしているが、突出部209が円柱形状以外の形状となっていてもよい。また、本実施の形態では、凹部51の開口部には、該開口部が突出部52に向かって広がるように、傾斜面53が形成されている。これにより、凹部51への突出部52の挿入が容易となり、第1部品10と第2部品20との位置決めが容易となる。また、本実施の形態では、アダプター100には、このように構成されたアダプター位置決め部50が2つ設けられている。換言すると、本実施の形態では、アダプター100には、このように構成された一対のアダプター位置決め部50が設けられている。
【0061】
なお、上述したアダプター位置決め部50の構成は、一例である。例えば、アダプター位置決め部50は、第1部品10に設けられた第1位置決め部として突出部52を備え、第2部品20に設けられた第2位置決め部として凹部51を備えていてもよい。また、例えば、アダプター位置決め部50は、段部同士を当接させて位置決めする構成等、凹部51及び突出部52以外を用いた構成であってもよい。また、アダプター位置決め部50によって、第1部品10に対する第2部品20の回転を規制できれば、アダプター位置決め部50の数も任意である。
【0062】
また、本実施の形態では、レーダー位置決め部40は、凹部41を備えている。凹部41には、レーダー装置200の上面部204に設けられた突出部208が挿入される。これにより、第2部品20に対してレーダー装置200が位置決めされる。突出部208は、例えば、レーダー装置200の外郭部に取り付けられたピンである。なお、突出部208は、レーダー装置200の外郭部と一体形成されたものであってもよい。また、本実施の形態では、凹部41の開口部には、該開口部が突出部208に向かって広がるように、傾斜面43が形成されている。これにより、凹部41への突出部208の挿入が容易となり、レーダー装置200と第2部品20との位置決めが容易となる。また、本実施の形態では、アダプター100には、このように構成されたレーダー位置決め部40が1つ設けられている。
【0063】
なお、上述したアダプター位置決め部50の構成は、一例である。例えば、レーダー装置200に凹部が設けられている場合、レーダー位置決め部40は、該凹部に挿入される凸部であってもよい。また、例えば、レーダー位置決め部40は、段部同士を当接させて位置決めする構成等、凹部及び突出部以外を用いた構成であってもよい。また、2つ以上のレーダー位置決め部40がアダプター100に設けられていてもよい。
【0064】
ここで、本実施の形態では、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された状態においては、レーダー位置決め部40がレーダー装置200を第1部品10の壁部12へ向かって押圧する構成となっている。具体的には、レーダー位置決め部40は、第2部品20の壁部22から第1部品10の壁部12へ向かって突出する凸部42を備えている。また、レーダー位置決め部40の凹部41は、該凸部42の先端部に設けられている。そして、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された状態においては、レーダー位置決め部40の凸部42の先端部が、レーダー装置200を第1部品10の壁部12へ向かって押圧する構成となっている。
【0065】
第1部品10の壁部12と第2部品20の壁部22とでレーダー装置200を挟持する場合、第2部品20の壁部22に、レーダー装置200を第1部品10の壁部12へ向かって押圧する構成を設ける必要がある。本実施の形態では、当該構成をレーダー位置決め部40が兼ねることができる。このため、レーダー位置決め部40がレーダー装置200を第1部品10の壁部12へ向かって押圧する構成とすることにより、第1部品10の形状を簡素化することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、一対の締結部30の間に、レーダー位置決め部40が配置されている。このような場合、図3に示すように、第2部品20は、締結部30で第1部品10と締結されていない状態では、少なくとも一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っていることが好ましい。
【0067】
第1部品10の壁部12と第2部品20の壁部22とでレーダー装置200を挟持する場合、第2部品20の壁部22に作用する反力を用いて、レーダー装置200を挟持する。具体的には、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された際、第2部品20の壁部22は、レーダー装置200によって第1部品10の壁部12から離れる方向に押圧され、変形する。このため、第2部品20の壁部22は元の形に戻ろうとする。この際、第2部品20の壁部22には、第1部品10の壁部12に向かう方向の反力が発生する。この反力を用いて、第1部品10の壁部12と第2部品20の壁部22とで、レーダー装置200を挟持する。
【0068】
このため、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間が平坦になっていると、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された際、第2部品20における一対の締結部30の間は、第1部品10の壁部12から離れる方向に突出するように反ってしまう。一方、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間が平坦になっている場合と比べ、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された際、第2部品20における一対の締結部30の間は、平坦に近い形状となる。このため、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、レーダーユニット3の意匠性が向上する。換言すると、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、レーダー装置200を保持しているアダプター100の意匠性が向上する。
【0069】
なお、本実施の形態では、第2部品20は、樹脂製となっている。このような場合、第2部品20は、締結部30で第1部品10と締結されていない状態では、全体が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っていることがさらに好ましい。これは、以下の理由による。締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、一対の締結部30の間のみが第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っているとする。このような場合、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結され、第2部品20が変形した際、第2部品20では、締結部30の間の反っている箇所と当該箇所と隣接する平坦部との境界部に、応力集中が発生する。第2部品20が樹脂製の場合、当該応力集中によって境界部にクリープ現象が発生すると、第2部品20の壁部22に作用する反力が減少していく。すなわち、レーダー装置200を挟持する力が減少していく。
【0070】
一方、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、全体が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っていると、一部が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合と比べ、第2部品20の壁部22に作用する反力が大きくなる。このため、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、全体が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っていると、一部が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合と比べ、クリープ現象による第2部品20の壁部22に作用する反力の減少後も、第2部品20の壁部22に作用する反力が大きくなる。したがって、第2部品20が樹脂製の場合、締結部30で第1部品10と締結されていない状態において、第2部品20全体が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っていると、アダプター100は、長期にわたり、安定的にレーダー装置200を保持することができる。
【0071】
また、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、少なくとも一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、次のような効果を得ることもできる。第1部品10と第2部品20とが締結され、第2部品20がレーダー装置200によって押圧された際、第2部品20は、レーダー装置200との当接箇所から離れている箇所ほど、変形しにくい。このため、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、少なくとも一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、第1部品10と第2部品20とが締結された際、第2部品20の送受信面201側の端部23が、レーダー装置200に向かって曲がった状態になりやすい。したがって、締結部30で第1部品10と締結されていない状態の第2部品20において、少なくとも一対の締結部30の間が第1部品10の壁部12に向かって突出するように反っている場合、第2部品20とレーダー装置200の上面部204との間に水が浸入することを抑制しやすく、レーダー装置200の水によって腐食する部品の腐食を抑制しやすい。
【0072】
また、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結される際、アダプター位置決め部50の凹部51と突出部52とが接触した後に、レーダー位置決め部40とレーダー装置200とが接触することが好ましい。例えば、レーダー位置決め部40によってレーダー装置200と第2部品20とが位置決めされた際に、アダプター位置決め部50の凹部51と突出部52とが未だ接触していないとする。このような場合、例えば、レーダー位置決め部40の構成によっては、第2部品20は、レーダー装置200に回転自在に取り付いた状態となる。このような状態となった第2部品20と第1部品10とをアダプター位置決め部50で位置決めする作業は、煩雑である。
【0073】
一方、アダプター位置決め部50によって第1部品10と第2部品20とを位置決めし、その後にレーダー位置決め部40によってレーダー装置200と第2部品20とを位置決めしたとする。この場合、回転移動しない第2部品20とレーダー装置200とを、レーダー位置決め部40で位置決めすることができる。このため、アダプター位置決め部50の凹部51と突出部52とが接触した後に、レーダー位置決め部40とレーダー装置200とが接触する構成とすることにより、レーダー位置決め部40及びアダプター位置決め部50を用いたレーダー装置200とアダプター100との位置決め作業が容易となる。
【0074】
図10は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの上部部分を側方から観察した縦断面図である。
この図10は、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された状態において、第2部品20に何らかの力が作用し、第2部品20のレーダー位置決め部40の凹部41からレーダー装置200の突出部208が抜けた状態を示している。このような状態の場合、レーダー装置200は、図10に白抜き矢印で示すように、背面202から送受信面201に向かう方向に移動自在となり、アダプター100から抜け落ちる可能性がある。
【0075】
そこで、本実施の形態に係るアダプター100の第2部品20は、引っ掛かり部25を備えている。引っ掛かり部25は、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された状態において、背面202から送受信面201に向かう方向にレーダー装置200が移動した際、レーダー装置200に引っ掛かるものである。なお、本実施の形態では、背面202から送受信面201に向かう方向にレーダー装置200が移動した際、引っ掛かり部25は、レーダー装置200の上面部204に設けられた突出部210に引っ掛かる構成となっている。しかしながら、引っ掛かり部25が引っ掛かるレーダー装置200の位置は、任意である。例えば、背面202から送受信面201に向かう方向にレーダー装置200が移動した際、引っ掛かり部25は、レーダー装置200の送受信面201に引っ掛かってもよい。この場合、レーダー装置200に突出部210を設ける必要はない。本実施の形態に係るアダプター100は、引っ掛かり部25を備えているので、締結部30で第1部品10と第2部品20とが締結された状態において、第2部品20に何らかの力が作用し、第2部品20のレーダー位置決め部40の凹部41からレーダー装置200の突出部208が抜けた場合でも、アダプター100からレーダー装置200が抜け落ちることを防止できる。
【0076】
<アダプターでのレーダー装置の保持方法>
続いて、アダプター100でレーダー装置200を保持する方法について説明する。
まず、第1部品10と第2部品20とが締結されていない状態において、レーダー装置200を第1部品10に挿入していく。具体的には、第1部品10と第2部品20とが締結された際に第1部品10と第2部品20との対向方向となる方向に沿って、レーダー装置200を第1部品10に挿入していく。そして、アダプター100の第1部品10の壁部13及び壁部14に設けられた溝部60に、レーダー装置200に設けられた突出部209を挿入する。そして、レーダー装置200に設けられた突出部209を溝部60の第2端部62に当接させる。これにより、アダプター100の第1部品10に対して、レーダー装置200の壁部12側部分を位置決めすることができる。この際、溝部60は、第1部品10と第2部品20とが締結された際に第2部品20に向かう方向に開口している。このため、第1部品10と第2部品20とが締結された際に第1部品10と第2部品20との対向方向となる方向に対して、レーダー装置200の下面部203と上面部204との対向方向を略平行にしたまま、レーダー装置200を第1部品10に挿入していくことができる。
【0077】
その後、アダプター位置決め部50でアダプター100の第1部品10と第2部品20とを位置決めすると共に、レーダー位置決め部40で、第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めする。具体的には、第1部品10と第2部品20とが締結された際に第1部品10と第2部品20との対向方向となる方向に沿って、第1部品10に第2部品20を近づけていく。そして、アダプター位置決め部50において、凹部51に突出部52を挿入し、アダプター100の第1部品10と第2部品20とを位置決めする。また、レーダー位置決め部40の凹部41にレーダー装置200の突出部208を挿入し、第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めする。これにより、アダプター100に対してレーダー装置200の壁部22側部分を位置決めすることができる。
【0078】
ここで、上述のように、第1部品10と第2部品20とが締結された際に第1部品10と第2部品20との対向方向となる方向に対して、レーダー装置200の下面部203と上面部204との対向方向を略平行にしたまま、レーダー装置200を第1部品10に挿入していくことができる。このため、第1部品10に挿入されているレーダー装置200は、アダプター位置決め部50でアダプター100の第1部品10と第2部品20とを位置決めする際、レーダー位置決め部40の凹部41にレーダー装置200の突出部208が入りやすい位置となっている。具体的には、レーダー位置決め部40の凹部41とレーダー装置200の突出部208とが、略対向する位置となっている。このため、本実施の形態に係るアダプター100は、アダプター100に対してレーダー装置200の壁部22側部分を位置決めすることが容易となっている。
【0079】
最後に、締結部30で、アダプター100の第1部品10と第2部品20とを締結する。これにより、第1部品10と第2部品20とでレーダー装置200が挟持され、アダプター100にレーダー装置200が保持された状態となる。
【0080】
<アダプターの効果>
本実施の形態に係るアダプター100は、鞍乗型車両1に搭載されるレーダー装置200を保持するアダプターである。本実施の形態に係るアダプター100は、第1部品10と、第2部品20と、レーダー位置決め部40と、アダプター位置決め部50とを備えている。第1部品10は、レーダー装置200の下面部203と対向する壁部12を有している。第2部品20は、レーダー装置200の上面部204と対向する壁部22を有し、第1部品10に締結部30で締結されるものである。レーダー位置決め部40は、第2部品20に設けられ、レーダー装置200を位置決めするものである。アダプター位置決め部50は、第1部品10に設けられた第1位置決め部及び第2部品20に設けられた第2位置決め部を有し、第1部品と第2部品とを位置決めするものである。
【0081】
このように構成されたアダプター100は、レーダー位置決め部40によって第2部品20に対してレーダー装置200を位置決めし、アダプター位置決め部50によって第1部品10と第2部品20とを位置決めすることにより、アダプター100に対してレーダー装置200を位置決めできる。このため、このように構成されたアダプター100は、上述のように、アダプター100にレーダー装置200が保持された際、アダプター100に対するレーダー装置200の位置のばらつきを従来よりも抑制することができる。
【0082】
以上、本実施の形態に係るアダプター100及びレーダーユニット3について説明したが、本発明に係るアダプター及びレーダーユニットは、本実施の形態の説明に限定されるものではなく、本実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
【0083】
例えば、本実施の形態に係るアダプター100は、レーダー装置200を位置決めする位置決め構造として、溝部60、レーダー位置決め部40及びアダプター位置決め部50を備えていた。これに限らず、本発明に係るアダプターは、レーダー装置200を位置決めする位置決め構造として、溝部60を備えていなくともよい。レーダー位置決め部40及びアダプター位置決め部50を備えていれば、レーダー装置200の壁部22側部分を位置決めすることができる。このため、本発明に係るアダプターは、少なくともレーダー位置決め部40及びアダプター位置決め部50を備えていれば、本発明に係るアダプターに保持されたレーダー装置200の位置のばらつきを従来よりも抑制することができる。
【0084】
また、本実施の形態で示したレーダーユニット3の姿勢も、あくまでも一例である。本発明に係るレーダーユニットは、例えば、本発明に係るアダプターの第1部品と第2部品とが横方向に対向する姿勢で、鞍乗型車両に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 鞍乗型車両、2 フレーム、3 レーダーユニット、10 第1部品、11 基部、12 壁部、13 壁部、14 壁部、15 雌ネジ部、16 逃げ部、20 第2部品、21 基部、22 壁部、23 端部、24 端部、25 引っ掛かり部、30 締結部、31 雌ネジ部、32 貫通孔、33 雄ネジ、40 レーダー位置決め部、41 凹部、42 凸部、43 傾斜面、50 アダプター位置決め部、51 凹部、52 突出部、53 傾斜面、60 溝部、61 第1端部、62 第2端部、63 縮小部、64 側壁部、65 側壁部、66 凸部、67 傾斜面、70 調整ボルト、71 雄ネジ部、72 工具接続部、73 球頭部、80 取り付け部品、81 保持部、100 アダプター、200 レーダー装置、201 送受信面、202 背面、203 下面部、204 上面部、205 左側面部、206 右側面部、207 コネクター、208 突出部、209 突出部、210 突出部。
図1
図2
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図7
図8
図9
図10