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特許7710080燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-09
(45)【発行日】2025-07-17
(54)【発明の名称】燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/42 20060101AFI20250710BHJP
   F02M 57/02 20060101ALI20250710BHJP
【FI】
F02M59/42
F02M57/02 330H
F02M57/02 330A
F02M57/02 330C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024175620
(22)【出願日】2024-10-07
【審査請求日】2024-12-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 憲尚
【審査官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-132941(JP,A)
【文献】特開2000-297674(JP,A)
【文献】特開2000-045905(JP,A)
【文献】特開平10-009075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0338720(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置であって、
前記内燃機関に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部と、
前記内燃機関の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部、及び、前記昇圧部と前記貯留部との間に設けられ、前記昇圧部における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁、を含む燃料ポンプと、
前記内燃機関の運転時に前記燃料を前記昇圧部に導くための第1の燃料供給ラインと、
前記第1の燃料供給ラインとは異なる第2の燃料供給ラインであって、前記昇圧部に前記燃料を供給可能に接続されるとともに、前記燃料噴射装置の始動前に前記所定圧力以上の前記燃料を前記昇圧部に供給可能な他の機器に接続するための配管コネクタと、前記第2の燃料供給ラインを開閉するための開閉弁であって前記燃料を前記昇圧部に供給する場合には開かれ、前記燃料を前記昇圧部に供給しない場合には閉じられるように構成された開閉弁と、を有する第2の燃料供給ラインと、を備える、
燃料噴射装置。
【請求項2】
前記開閉弁は、前記昇圧部からの逆流を抑制するように構成された逆止弁からなる、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項3】
前記内燃機関は、定置用のディーゼルエンジンからなる、
請求項1又は2に記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置の始動前に燃料を充填するための燃料噴射装置の燃料充填方法であって、
前記燃料噴射装置は、
前記内燃機関に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部と、
前記内燃機関の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部、及び、前記昇圧部と前記貯留部との間に設けられ、前記昇圧部における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁、を含む燃料ポンプと、
前記内燃機関の運転時に前記燃料を前記昇圧部に導くための第1の燃料供給ラインと、
前記第1の燃料供給ラインとは異なる第2の燃料供給ラインであって、前記昇圧部に前記燃料を供給可能に接続される第2の燃料供給ラインと、を備え、
前記燃料噴射装置の燃料充填方法は、
前記燃料を前記所定圧以上に昇圧するように構成された昇圧ポンプを、前記第2の燃料供給ラインに接続する昇圧ポンプ接続ステップと、
前記昇圧ポンプを駆動し、前記第2の燃料供給ラインを介して前記昇圧部に前記所定圧以上の前記燃料を圧送する圧送ステップと、を備える、
燃料噴射装置の燃料充填方法。
【請求項5】
前記圧送ステップの後に、前記昇圧ポンプと前記第2の燃料供給ラインの接続を解除する昇圧ポンプ接続解除ステップを備える、
請求項4に記載の燃料噴射装置の燃料充填方法。
【請求項6】
前記圧送ステップは、予め設定された設定期間以上の期間に亘り行われる、
請求項4又は5に記載の燃料噴射装置の燃料充填方法。
【請求項7】
前記昇圧ポンプ接続ステップ及び前記圧送ステップは、前記燃料噴射装置を組み立てた組立工場において実施される、
請求項4又は5に記載の燃料噴射装置の燃料充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コモンレール式のディーゼル機関では、燃料噴射ノズルの噴射圧力に相当する高圧の燃料を貯留するコモンレール(貯留部)が設けられて、コモンレールに接続されたインジェクタ(燃料噴射部)からコモンレールに貯留された燃料を噴射するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示されるように、コモンレールに高圧の燃料を圧送するための燃料圧送ポンプには、燃料を貯留するための貯留室と、ディーゼル機関から駆動力(回転力)が伝達されて回転するポンプカムシャフトと、ポンプカムの回転に連動して往復動して貯留室に貯留された燃料を加圧するプランジャと、を備えるプランジャ式の燃料圧送ポンプがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-133430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
貯留室、コモンレールおよびインジェクタは、内燃機関の始動時において、空気が入っていることがある。貯留室、コモンレールおよびインジェクタに存在する空気を押し出して液体燃料を充填させない限り燃料噴射が行えない。内燃機関の始動時における内燃機関の回転軸の回転(クランキング)では、回転軸の回転数が不十分であり、プランジャの往復動により空気が存在する貯留室を十分に昇圧できない虞がある。このため、内燃機関の始動時において、貯留室、コモンレールおよびインジェクタから空気を押し出して燃料を充填させるためには、長時間のクランキングを複数回行う必要がある。このため、内燃機関の始動前に、貯留室、コモンレールおよびインジェクタに燃料を充填することが望まれている。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、燃料噴射装置の始動前に燃料を容易に充填できる燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料噴射装置は、
内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置であって、
前記内燃機関に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部と、
前記内燃機関の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部、及び、前記昇圧部と前記貯留部との間に設けられ、前記昇圧部における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁、を含む燃料ポンプと、
前記内燃機関の運転時に前記燃料を前記昇圧部に導くための第1の燃料供給ラインと、
前記第1の燃料供給ラインとは異なる第2の燃料供給ラインであって、前記昇圧部に前記燃料を供給可能に接続されるとともに、前記燃料を供給可能な他の機器に接続するための配管コネクタと、前記第2の燃料供給ラインを開閉するための開閉弁と、を有する第2の燃料供給ラインと、を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料噴射装置の燃料充填方法は、
内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置の始動前に燃料を充填するための燃料噴射装置の燃料充填方法であって、
前記燃料噴射装置は、
前記内燃機関に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部と、
前記内燃機関の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部、及び、前記昇圧部と前記貯留部との間に設けられ、前記昇圧部における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁、を含む燃料ポンプと、
前記内燃機関の運転時に前記燃料を前記昇圧部に導くための第1の燃料供給ラインと、
前記第1の燃料供給ラインとは異なる第2の燃料供給ラインであって、前記昇圧部に前記燃料を供給可能に接続される第2の燃料供給ラインと、を備え、
前記燃料噴射装置の燃料充填方法は、
前記燃料を前記所定圧以上に昇圧するように構成された昇圧ポンプを、前記第2の燃料供給ラインに接続する昇圧ポンプ接続ステップと、
前記昇圧ポンプを駆動し、前記第2の燃料供給ラインを介して前記昇圧部に前記所定圧以上の前記燃料を圧送する圧送ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、燃料噴射装置の始動前に燃料を容易に充填できる燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る燃料噴射装置を備える内燃機関システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】本開示の一実施形態に係る燃料ポンプの概略断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る燃料噴射装置の燃料充填方法のフローの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0012】
(内燃機関システム)
図1は、本開示の一実施形態に係る燃料噴射装置1を備える内燃機関システム10の構成を概略的に示す概略構成図である。内燃機関システム10は、図1に示されるように、内燃機関2と、内燃機関2に燃料を噴射するための燃料噴射装置1と、を備える。幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1は、内燃機関システム10に搭載される。以下の実施形態では、内燃機関2が、4ストロークエンジンである場合について説明するが、本開示の幾つかの実施形態は、内燃機関2が、2ストロークエンジンである場合にも適用可能である。
【0013】
(内燃機関)
内燃機関2は、図1に示されるように、少なくとも1つ(図示例では、複数)の気筒21を含む。複数の気筒21の各々は、燃料を燃焼させるための燃焼室22を有する。燃焼室22は、不図示であるが、気筒本体と、気筒本体の内部に収容されたピストンと、の間に形成される。内燃機関2は、複数の気筒21の夫々の燃焼室22において燃料及び燃焼用気体(例えば、空気)を燃焼させるように構成されている。或る実施形態では、内燃機関2は、ディーゼルエンジンであり、ディーゼルエンジンを主機関とする定置用の発電機に搭載される。
【0014】
(燃料噴射装置)
燃料噴射装置1は、図1に示されるように、少なくとも1つ(図示例では、複数)の燃料噴射部3と、貯留部4と、燃料ポンプ5と、第1の燃料供給ライン6と、第2の燃料供給ライン7と、を備える。
【0015】
(燃料噴射部)
複数の燃料噴射部3は、複数の気筒21の夫々の燃焼室22に液体燃料をそれぞれ噴射させるように構成されている。燃料噴射部3は、気筒21毎に個別に設けられる。図示される実施形態では、複数の燃料噴射部3の各々は、対応する気筒21の燃焼室22に液体燃料を噴射するように構成される燃料噴射弁を含むインジェクタである。
【0016】
(貯留部)
貯留部4は、複数の燃料噴射部3の夫々に連通するとともに、液体燃料を貯留するように構成されている。貯留部4は、液体燃料を貯留するための内部空間41を有する。図示される実施形態では、燃料噴射装置1は、貯留部4に貯留された液体燃料を複数の燃料噴射部3の夫々に導くための複数の液体燃料管11を備える。複数の液体燃料管11の夫々は、貯留部4に一端が接続され、該液体燃料管11が対応する燃料噴射部3に他端が接続されている。貯留部4は、複数の液体燃料管11が接続されたコモンレールである。
【0017】
(燃料ポンプ)
燃料ポンプ5は、図1に示されるように、昇圧部51と、圧力弁52と、を含む。昇圧部51は、内燃機関2の駆動に応じて駆動することで液体燃料を昇圧するように構成されている。圧力弁52は、昇圧部51における液体燃料の圧力が所定圧(開弁圧)以上の場合に開弁するように構成されている。圧力弁52は、昇圧部51における液体燃料の圧力が所定圧(開弁圧)未満の場合に閉弁するように構成されている。図示される実施形態では、燃料ポンプ5は、所定圧(開弁圧)以上の液体燃料をコモンレールに圧送するハイプレッシャポンプである。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態に係る燃料ポンプ5の概略断面図である。燃料ポンプ5は、図2に示されるように、プランジャ53と、プランジャ53を収容するシリンダ54と、シリンダヘッド55と、タペットローラ56と、カムシャフト57と、タペットローラ56及びカムシャフト57を収容するハウジング58と、を含む。
【0019】
プランジャ53は、シリンダ54の内部に収容されるとともに、シリンダ54の内部においてシリンダ54の軸方向に沿って往復動するようになっている。シリンダ54は、シリンダ54の軸方向におけるカムシャフト57とは反対側の開口がシリンダヘッド55に覆われている。燃料ポンプ5には、プランジャ53、シリンダ54およびシリンダヘッド55によって画定される加圧室501が形成されている。昇圧部51は、プランジャ53、シリンダ54およびシリンダヘッド55を含み、加圧室501を有する。
【0020】
なお、図示される実施形態では、シリンダ54およびシリンダヘッド55は、ハウジング58に取り付けられているが、他の幾つかの実施形態では、シリンダ54およびシリンダヘッド55は、ハウジング58と一体に形成されていてもよい。この場合には、ハウジング58の内部にプランジャ53が収容され、ハウジング58の内部に加圧室501が形成される。
【0021】
ハウジング58の内部には、タペットローラ56およびカムシャフト57を収容するカム室502が形成されている。カムシャフト57は、内燃機関2の回転シャフト23に機械的に連結されており、内燃機関2の回転シャフト23の回転に応じて回転するようになっている。カムシャフト57は、回転シャフト23の回転に対して所定の回転比で回転するようになっている。タペットローラ56は、カムシャフト57に当接しており、カムシャフト57の回転を直線的な往復動に変換してプランジャ53に伝達するようになっている。ここで、「タペットローラ56がカムシャフト57に当接する」には、タペットローラ56がカムシャフト57に直接的に接触することだけでなく、タペットローラ56が潤滑油により形成される油膜を介してカムシャフト57に間接的に接触するも含まれる。図示される実施形態では、燃料ポンプ5は、プランジャ53およびタペットローラ56をカムシャフト57側に付勢するためのポンプ用スプリング59をさらに含む。
【0022】
図示される実施形態では、燃料ポンプ5は、昇圧部51と貯留部4とを繋ぐ接続ライン503を含む。接続ライン503は、昇圧部51の加圧室501から貯留部4の内部空間41に液体燃料を導くための流路を形成するものである。接続ライン503は、シリンダ54又はシリンダヘッド55の加圧室501を形成する壁面504に形成された加圧室501から液体燃料を排出するための排出口505を含む。
【0023】
図示される実施形態では、圧力弁52は、加圧室501に配置されるとともに排出口505を開閉する弁体521を有する。なお、他の幾つかの実施形態では、圧力弁52は、接続ライン503に設けられて接続ライン503を開閉する弁体を有していてもよい。
【0024】
(第1の燃料供給ライン)
第1の燃料供給ライン6は、内燃機関2の運転時に液体燃料を燃料ポンプ5の昇圧部51の加圧室501に導くための流路を形成するものである。第1の燃料供給ライン6は、内燃機関2の運転時に液体燃料の供給源(図示例では、液体燃料を貯留する貯留タンク)100に接続されている。内燃機関2の運転時には、第1の燃料供給ライン6を通じて液体燃料の供給源100から昇圧部51の加圧室501に液体燃料が導かれるようになっている。
【0025】
図示される実施形態では、第1の燃料供給ライン6は、シリンダ54又はシリンダヘッド55の加圧室501を形成する壁面504により形成された加圧室501に液体燃料を供給するための第1供給口61を含む。第1の燃料供給ライン6は、昇圧部51と貯留部4の間に設けられて第1の燃料供給ライン6を開閉するための第1開閉弁62を含む。第1開閉弁62は、加圧室501に配置されるとともに第1供給口61を開閉する弁体621を有する開閉弁62Aであってもよいし、第1の燃料供給ライン6に設けられて第1の燃料供給ライン6を開閉する弁体を有する開閉弁62Bであってもよい。図示される実施形態では、第1の燃料供給ライン6は、開閉弁62Aと開閉弁62Bの双方を含む。
【0026】
燃料ポンプ5は、内燃機関2の運転時において、内燃機関2の駆動、すなわち、回転シャフト23の回転、に応じてカムシャフト57が回転し、カムシャフト57の回転に応じてプランジャ53を往復動させるようになっている。プランジャ53の往復動により、加圧室501に液体燃料Fを吸入し、吸入した液体燃料Fを圧縮して加圧室501から吐出するようになっている。加圧室501において所定圧(開弁圧)以上に昇圧された液体燃料は、圧力弁52の開弁により貯留部4および燃料噴射部3に流入し、貯留部4および燃料噴射部3に充填される。
【0027】
燃料ポンプ5の昇圧部51の加圧室501、貯留部4および燃料噴射部3は、内燃機関2の始動時において、空気が入っていることがある。燃料噴射装置1は、昇圧部51の加圧室501、貯留部4および燃料噴射部3に存在する空気を押し出して液体燃料を充填させない限り燃料噴射が行えない。内燃機関2の始動時における回転シャフト23の回転(クランキング)では、回転シャフト23の回転数が不十分であり、プランジャ53の往復動により空気が存在する加圧室501を所定圧(開弁圧)以上に昇圧することが困難である。このため、内燃機関2の始動時において、昇圧部51の加圧室501、貯留部4および燃料噴射部3から空気を押し出して液体燃料を充填させるためには、スタータの発熱限界の時間までのクランキングを複数回行う必要がある。
【0028】
(第2の燃料供給ライン)
第2の燃料供給ライン7は、燃料噴射装置1および内燃機関2の始動前等の内燃機関2の運転停止時において、所定圧(開弁圧)以上の液体燃料を燃料ポンプ5の昇圧部51の加圧室501に導くための流路を形成するものである。燃料噴射装置1および内燃機関2の始動前には、第2の燃料供給ライン7を通じて液体燃料の供給源100から昇圧部51(加圧室501)に所定圧(開弁圧)以上の液体燃料が導かれるようになっている。昇圧部51の加圧室501、燃料噴射部3および貯留部4は、第2の燃料供給ライン7を通じて導かれた所定圧(開弁圧)以上の液体燃料により、内部から空気が押し出されて該液体燃料が充填されるようになっている。
【0029】
第2の燃料供給ライン7は、第1の燃料供給ライン6とは異なるものであり、昇圧部51の加圧室501に液体燃料を供給可能に接続される。図示される実施形態では、第2の燃料供給ライン7は、シリンダ54又はシリンダヘッド55の加圧室501を形成する壁面504に形成された加圧室501に液体燃料を供給するための第2供給口71を含む。第2供給口71は、壁面504における第1供給口61とは異なる場所に形成されている。
【0030】
第2の燃料供給ライン7は、液体燃料を供給可能な他の機器に接続するための配管コネクタ8と、第2の燃料供給ライン7を開閉するための第2開閉弁(開閉弁)9と、を有する。図示される実施形態では、液体燃料を供給可能な他の機器は、液体燃料の供給源100から導かれた液体燃料を所定圧(開弁圧)以上に燃料を昇圧するための昇圧ポンプ101である。配管コネクタ8は、昇圧ポンプ101が備える相手側コネクタ102に嵌合する嵌合部を有する。配管コネクタ8と相手側コネクタ102を接続することで、第2の燃料供給ライン7を介した昇圧ポンプ101から加圧室501への液体燃料の圧送が可能となる。
【0031】
第2開閉弁9は、昇圧ポンプ101から加圧室501への液体燃料の圧送を行う際に開かれるものであり、それ以外の場合、すなわち、昇圧ポンプ101から加圧室501への液体燃料の圧送を行わない場合には閉じられている。開閉弁62A又は開閉弁62Bの少なくとも一方は、昇圧ポンプ101から加圧室501への液体燃料の圧送を行う際には閉じられている。
【0032】
燃料噴射装置1の始動前には、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料が充填されていないことがある。特に、燃料噴射装置1を組み立てた後の最初の始動前には、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料が充填されていない。燃料噴射装置1は、配管コネクタ8を上記他の機器(例えば、所定圧(開弁圧)以上に燃料を昇圧するための昇圧ポンプ101)に接続することで、第2の燃料供給ライン7を通じて、上記他の機器から昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を供給できる。この燃料噴射装置1は、内燃機関2の運転時に燃料を供給する第1の燃料供給ライン6とは異なる第2の燃料供給ライン7を備えることで、燃料噴射装置1の始動前に、第2の燃料供給ライン7を通じて昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を容易に充填できる。
【0033】
幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1では、上述した第2開閉弁9は、昇圧部51の加圧室501からの逆流を抑制するように構成された逆止弁9Aからなる。図示される実施形態では、配管コネクタ8は、逆止弁付きのコネクタである。換言すると、逆止弁9Aは、配管コネクタ8に搭載される。
【0034】
第2開閉弁9を逆止弁9Aとすることで、手動操作や電子機器による遠隔操作等の外部からの操作を行わずに、第2の燃料供給ライン7を開閉するための弁を開閉できるので、第2の燃料供給ライン7を通じた燃料の供給作業が容易なものとなる。また、第2開閉弁9を逆止弁9Aとすることで、昇圧部51からの逆流を抑制できる。
【0035】
幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1では、上述した内燃機関2は、定置用のディーゼルエンジン2Aからなる。一般的な定置用のディーゼルエンジン2Aの燃料噴射装置1は、燃料ポンプ5を備えるが、昇圧部51に燃料を圧送する電動ポンプを備えるようになっていない。燃料噴射装置1は、電動ポンプを備えない場合にも、燃料噴射装置1の始動前に、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を容易に充填できる。
【0036】
(燃料噴射装置の燃料充填方法)
図3は、本開示の一実施形態に係る燃料噴射装置1の燃料充填方法のフローの一例を示すフロー図である。燃料噴射装置1の燃料充填方法は、燃料噴射装置1の始動前に燃料噴射装置1に燃料を充填するための方法である。幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1の燃料充填方法は、図3に示されるように、昇圧ポンプ接続ステップS1と、圧送ステップS2と、を備える。
【0037】
昇圧ポンプ接続ステップS1では、液体燃料を所定圧(開弁圧)以上に昇圧するように構成された昇圧ポンプ101を、第2の燃料供給ライン7に接続することが行われる。昇圧ポンプ101は、液体燃料の供給源(図示例では、貯留タンク)100に接続されており、液体燃料の供給源から液体燃料が導かれるようになっている。図示される実施形態では、配管コネクタ8と相手側コネクタ102を接続することで、第2の燃料供給ライン7と昇圧ポンプ101の接続が完了する。
【0038】
圧送ステップS2では、昇圧ポンプ101を駆動し、第2の燃料供給ライン7を介して昇圧部51に所定圧(開弁圧)以上の液体燃料を圧送することが行われる。液体燃料は、昇圧ポンプ101において所定圧(開弁圧)以上に昇圧される。
【0039】
燃料噴射装置1の燃料充填方法によれば、燃料噴射装置1の始動前には、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料が充填されていないことがある。昇圧ポンプ接続ステップS1において、昇圧ポンプ101を第2の燃料供給ライン7に接続することで(ステップS1)、第2の燃料供給ライン7を通じて、昇圧ポンプ101から昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を供給できる(ステップS2)。第2の燃料供給ライン7は、内燃機関2の運転時に燃料を供給する第1の燃料供給ライン6に比べて、昇圧ポンプ101の接続が容易である。燃料噴射装置1の燃料充填方法によれば、燃料噴射装置1の始動前に、第2の燃料供給ライン7を通じて昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を容易に充填できる。
【0040】
幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1の燃料充填方法では、上述した圧送ステップS2は、予め設定された設定期間以上の期間に亘り行われる。圧送ステップS2において、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を充填するのに必要な期間を設定期間とする。設定期間は、試験機である燃料噴射装置1に対して第2の燃料供給ライン7を通じた燃料充填を実施した結果得られた燃料充填に要する期間に基づいて設定してもよい。
【0041】
燃料噴射装置1の燃料充填方法では、圧送ステップS2を設定期間以上の期間に亘り行うことで、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を不足なく充填できる。
【0042】
幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1の燃料充填方法は、図3に示されるように、昇圧ポンプ接続解除ステップS3をさらに備える。昇圧ポンプ接続解除ステップS3は、圧送ステップS2の後に行われる。昇圧ポンプ接続解除ステップS3では、昇圧ポンプ101と第2の燃料供給ライン7の接続を解除することが行われる。図示される実施形態では、配管コネクタ8と相手側コネクタ102の接続を解除することで、第2の燃料供給ライン7と昇圧ポンプ101の接続が解除される。燃料噴射装置1の運転開始S4は、圧送ステップS2後に第2開閉弁9を閉じることで可能となる。
【0043】
昇圧ポンプ101は、燃料噴射装置1に燃料を充填する際に、第2の燃料供給ライン7に一時的に接続される設備であり、燃料噴射装置1に付属する設備である必要はない。燃料噴射装置1の燃料充填方法では、燃料噴射装置1に付属する設備ではない昇圧ポンプ101を用いて、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に燃料を容易に充填できる。燃料噴射装置1の燃料充填方法では、一つの昇圧ポンプ101を繰り返し用いて複数の燃料噴射装置1に対して燃料を充填できる。
【0044】
幾つかの実施形態に係る燃料噴射装置1の燃料充填方法では、上述した昇圧ポンプ接続ステップS1、圧送ステップS2および昇圧ポンプ接続解除ステップS3は、燃料噴射装置1を組み立てた組立工場200において実施される。
【0045】
組立工場200における組み立て直後の燃料噴射装置1は、昇圧部51、貯留部4及び燃料噴射部3に液体燃料が充填されておらず、空気が充満している。燃料噴射装置1の燃料充填方法を組立工場200において行うことで、組立工場200において燃料噴射装置1の試運転を開始する際に実施できる。圧送ステップS2の前に、第1の燃料供給ライン6と液体燃料の供給源(図示例では、貯留タンク)100とを接続しておくことで、圧送ステップS2の後に速やかに燃料噴射装置1の試運転を開始できる。
【0046】
燃料噴射装置1の燃料充填方法を組立工場200において行うことで、圧送ステップS2における液体燃料の圧送に、組立工場200に置かれた昇圧ポンプ101を利用することができる。また、液体燃料の供給源として組立工場200に置かれた貯留タンク100を利用することができる。なお、燃料噴射装置1の燃料充填方法は、組立工場200から設置場所に移送された燃料噴射装置1の始動前や運転停止後の再始動前にも適用可能である。
【0047】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0048】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0049】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0050】
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料噴射装置(1)は、
内燃機関(2)に燃料を噴射するための燃料噴射装置(1)であって、
前記内燃機関(2)に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部(3)と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部(3)に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部(4)と、
前記内燃機関(2)の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部(51)、及び、前記昇圧部(51)と前記貯留部(4)との間に設けられ、前記昇圧部(51)における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁(52)、を含む燃料ポンプ(5)と、
前記内燃機関(2)の運転時に前記燃料を前記昇圧部(51)に導くための第1の燃料供給ライン(6)と、
前記第1の燃料供給ライン(6)とは異なる第2の燃料供給ライン(7)であって、前記昇圧部(51)に前記燃料を供給可能に接続されるとともに、前記燃料を供給可能な他の機器に接続するための配管コネクタ(8)と、前記第2の燃料供給ライン(7)を開閉するための開閉弁(9)と、を有する第2の燃料供給ライン(7)と、を備える。
【0051】
上記1)の構成によれば、燃料噴射装置(1)の始動前には、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料が充填されていないことがある。燃料噴射装置(1)は、配管コネクタ(8)を上記他の機器(例えば、上記所定圧以上に燃料を昇圧するための昇圧ポンプ(101))に接続することで、第2の燃料供給ライン(7)を通じて、上記他の機器から昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を供給できる。この燃料噴射装置(1)は、内燃機関(2)の運転時に燃料を供給する第1の燃料供給ライン(6)とは異なる第2の燃料供給ライン(7)を備えることで、燃料噴射装置(1)の始動前に、第2の燃料供給ライン(7)を通じて昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を容易に充填できる。
【0052】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の燃料噴射装置(1)であって、
前記開閉弁(9)は、前記昇圧部(51)からの逆流を抑制するように構成された逆止弁(9A)からなる。
【0053】
上記2)の構成によれば、開閉弁(9)を逆止弁(9A)とすることで、手動操作や電子機器による遠隔操作等の外部からの操作を行わずに、第2の燃料供給ライン(7)を開閉するための弁を開閉できるので、第2の燃料供給ライン(7)を通じた燃料の供給作業が容易なものとなる。また、開閉弁(9)を逆止弁(9A)とすることで、昇圧部(51)からの逆流を抑制できる。
【0054】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の燃料噴射装置(1)であって、
前記内燃機関(2)は、定置用のディーゼルエンジン(2A)からなる。
【0055】
上記3)の構成によれば、一般的な定置用のディーゼルエンジン(2A)の燃料噴射装置(1)は、燃料ポンプ(5)を備えるが、昇圧部(51)に燃料を圧送する電動ポンプを備えるようになっていない。燃料噴射装置(1)は、電動ポンプを備えない場合にも、燃料噴射装置(1)の始動前に、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を容易に充填できる。
【0056】
4)本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料噴射装置(1)の燃料充填方法は、
内燃機関(2)に燃料を噴射するための燃料噴射装置(1)の始動前に燃料を充填するための燃料噴射装置(1)の燃料充填方法であって、
前記燃料噴射装置(1)は、
前記内燃機関(2)に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射部(3)と、
前記少なくとも1つの燃料噴射部(3)に連通し、前記燃料を貯留するように構成された貯留部(4)と、
前記内燃機関(2)の駆動に応じて駆動することで前記燃料を昇圧するように構成された昇圧部(51)、及び、前記昇圧部(51)と前記貯留部(4)との間に設けられ、前記昇圧部(51)における前記燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁するように構成された圧力弁(52)、を含む燃料ポンプ(5)と、
前記内燃機関(2)の運転時に前記燃料を前記昇圧部(51)に導くための第1の燃料供給ライン(6)と、
前記第1の燃料供給ライン(6)とは異なる第2の燃料供給ライン(7)であって、前記昇圧部(51)に前記燃料を供給可能に接続される第2の燃料供給ライン(7)と、を備え、
前記燃料噴射装置(1)の燃料充填方法は、
前記燃料を前記所定圧以上に昇圧するように構成された昇圧ポンプ(101)を、前記第2の燃料供給ライン(7)に接続する昇圧ポンプ接続ステップ(S1)と、
前記昇圧ポンプ(101)を駆動し、前記第2の燃料供給ライン(7)を介して前記昇圧部(51)に前記所定圧以上の前記燃料を圧送する圧送ステップ(S2)と、を備える。
【0057】
上記4)の方法によれば、燃料噴射装置(1)の始動前には、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料が充填されていないことがある。昇圧ポンプ接続ステップ(S1)において、昇圧ポンプ(101)を第2の燃料供給ライン(7)に接続することで(ステップS1)、第2の燃料供給ライン(7)を通じて、昇圧ポンプ(101)から昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を供給できる(ステップS2)。第2の燃料供給ライン(7)は、内燃機関(2)の運転時に燃料を供給する第1の燃料供給ライン(6)に比べて、昇圧ポンプ(101)の接続が容易である。燃料噴射装置(1)の燃料充填方法によれば、燃料噴射装置(1)の始動前に、第2の燃料供給ライン(7)を通じて昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を容易に充填できる。
【0058】
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の燃料噴射装置(1)の燃料充填方法であって、
前記圧送ステップ(S2)の後に、前記昇圧ポンプ(101)と前記第2の燃料供給ライン(7)の接続を解除する昇圧ポンプ接続解除ステップ(S3)を備える。
【0059】
上記5)の方法によれば、昇圧ポンプ(101)は、燃料噴射装置(1)に燃料を充填する際に、第2の燃料供給ライン(7)に一時的に接続される設備であり、燃料噴射装置(1)に付属する設備である必要はない。燃料噴射装置(1)の燃料充填方法では、燃料噴射装置(1)に付属する設備ではない昇圧ポンプ(101)を用いて、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を容易に充填できる。
【0060】
6)幾つかの実施形態では、上記4)又は5)に記載の燃料噴射装置(1)の燃料充填方法であって、
前記圧送ステップ(S2)は、予め設定された設定期間以上の期間に亘り行われる。
【0061】
上記6)の方法によれば、圧送ステップ(S2)において、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を充填するのに必要な期間を設定期間とする。燃料噴射装置(1)の燃料充填方法では、圧送ステップ(S2)を設定期間以上の期間に亘り行うことで、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料を不足なく充填できる。
【0062】
7)幾つかの実施形態では、上記4)から6)までの何れかに記載の燃料噴射装置(1)の燃料充填方法であって、
前記昇圧ポンプ接続ステップ(S1)及び前記圧送ステップ(S2)は、前記燃料噴射装置(1)を組み立てた組立工場において実施される。
【0063】
上記7)の方法によれば、組み立て直後の燃料噴射装置(1)は、昇圧部(51)、貯留部(4)及び燃料噴射部(3)に燃料が充填されていない。燃料噴射装置(1)の燃料充填方法は、組立工場において燃料噴射装置(1)の試運転を開始する際に実施できる。また、燃料噴射装置(1)の燃料充填方法は、圧送ステップ(S2)における燃料の圧送に、組立工場に置かれた昇圧ポンプ(101)を利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 燃料噴射装置
2 内燃機関
2A ディーゼルエンジン
3 燃料噴射部
4 貯留部
5 燃料ポンプ
6 第1の燃料供給ライン
7 第2の燃料供給ライン
8 配管コネクタ
9 第2開閉弁
9A 逆止弁
10 内燃機関システム
11 液体燃料管
21 気筒
22 燃焼室
23 回転シャフト
41 内部空間
51 昇圧部
52 圧力弁
53 プランジャ
54 シリンダ
55 シリンダヘッド
56 タペットローラ
57 カムシャフト
58 ハウジング
59 ポンプ用スプリング
61 第1供給口
62 第1開閉弁
62A,62B 開閉弁
71 第2供給口
100 液体燃料の供給源
101 昇圧ポンプ
102 相手側コネクタ
200 組立工場
501 加圧室
502 カム室
503 接続ライン
504 壁面
505 排出口
521,621 弁体
F 液体燃料
【要約】
【課題】 燃料噴射装置の始動前に燃料を容易に充填できる燃料噴射装置および燃料噴射装置の燃料充填方法を提供する。
【解決手段】 内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置は、燃料噴射部と、燃料噴射部に連通して燃料を貯留する貯留部と、内燃機関の駆動に応じて駆動することで燃料を昇圧するように構成された昇圧部、及び、昇圧部と貯留部との間に設けられ、昇圧部における燃料の圧力が所定圧以上の場合に開弁する圧力弁、を含む燃料ポンプと、内燃機関の運転時に燃料を昇圧部に導くための第1の燃料供給ラインと、第1の燃料供給ラインとは異なる第2の燃料供給ラインであって、昇圧部に燃料を供給可能に接続されるとともに、燃料を供給可能な他の機器に接続するための配管コネクタと、第2の燃料供給ラインを開閉するための開閉弁と、を有する第2の燃料供給ラインと、を備える。
【選択図】 図1

図1
図2
図3