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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-10
(45)【発行日】2025-07-18
(54)【発明の名称】作業台車及び作業台車の方向変更具
(51)【国際特許分類】
   A01B 75/00 20060101AFI20250711BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20250711BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20250711BHJP
【FI】
A01B75/00
B62B3/00 A
B62B3/00 E
B62B5/00 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2025021918
(22)【出願日】2025-01-27
【審査請求日】2025-01-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592051202
【氏名又は名称】有限会社コスモ研究所
(72)【発明者】
【氏名】小泉 達也
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3170749(JP,U)
【文献】特開2009-292373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 75/00
B62B 3/00
B62B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車本体と、前記台車本体における走行方向の前位及び後位に配置された走行車輪と、前記台車本体の上面に設置される座面体とから構成される作業台車において、
前記台車本体における一方の走行方向端部に、方向変更具が設置されており、
前記方向変更具は、前記台車本体の一方の走行方向端部に設置された取付台と、前記台車本体の走行方向に沿ってその回転軸を配置した方向変更車輪と、前記方向変更車輪を前記取付台に対して前記台車本体の上下方向に回動可能に取付けると共に、前記台車本体に設置された一方の前記走行車輪の荷重を支持し、かつ、一方の前記走行車輪の接地面より下方に、方向変更車輪の接地面を保持する方向変更軸と、前記方向変更軸を引上げて固定する固定手段と、から構成されている
ことを特徴とする作業台車。
【請求項2】
前記方向変更車輪は、前記走行車輪とほぼ同様な形状を成しており、
前記方向変更軸は、前記方向変更車輪より前記取付台から離れる方向に伸ばして形成された方向変更ハンドルを構成しており、
前記方向変更ハンドルを上方に引上げる引上げ手段を設置している
ことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
【請求項3】
前記台車本体を合成樹脂により構成しており、
前取付台を前記台車本体の走行方向端部に台車本体と一体に成形した
ことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
【請求項4】
前記取付台を前記台車本体の走行方向端部に着脱自在に設置した
ことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
【請求項5】
座面体を備え、台車本体の前位及び後位に設置された走行車輪によって直進走行する作業台車の方向変更具であって、
前記方向変更具は、前記作業台車の走行方向端部に設置される取付手段と、前記取付手段を介して走行方向に向けてその回転軸を配置した方向変更車輪と、前記方向変更車輪を前記取付手段に対して上下方向に回動可能に取付けると共に前記前位又は後位に設置された一方の走行車輪の荷重を支持し、かつ、前記一方の走行車輪の接地面より下方に前記方向変更車輪の接地面を保持する方向変更軸と、前記方向変更軸を引上げて固定する固定手段と
から構成したことを特徴とする作業台車の方向変更具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低い位置で着座作業する走行車輪の付いた作業台車に係り、簡単な操作で方向変更を行える作業台車及び作業台車の方向変更具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台車本体と、同台車本体の前位及び後位に走行車輪を備え、座面体を設置した作業台車は、前記台車本体及び座面体の大きさが前後走行方向に約30~50cm、幅方向に約20~25cmであって、台車本体の高さが約20~30cm、座面体の高さが2から3cm程度に構成されている。また、走行車輪は、直径約15cm程度に構成されている。前記台車本体、座面体及び走行車輪は、合成樹脂製である。台車本体下部の前位及び後位に直径約9mmの軸穴が形成されており、各軸穴に直径約8mmの車軸が幅方向に引き通され、各軸端に走行車輪が1軸に各2個ずつ合計4個設置されている。
【0003】
この作業台車の座面体に作業者が腰かけた状態で、例えば耕作地の畝に対する農作業、或いはヤードに設置された鉄骨構造物の下部への溶接作業等を行っている。作業者は、作業台車を前記畝あるいは鉄骨構造物の長手方向に沿って移動させながら作業を行っている。この作業台車の走行車輪は、その車軸が台車本体幅方向に引き通して設置された構造であり、操舵機能を備えおらず、作業の進行に伴って台車と畝或いは鉄骨構造物との間隔が狭まったり、離れたりすることが予想される。このような場合に、作業者は座面体から腰を浮かして作業台車の方向変更を図る必要があった。
【先行技術文献】
【0004】
【文献】特開2012-19703号公報
【文献】実用新案登録第3201834号公報
【0005】
特許文献1には、走行方向を変える操舵機構を備えた農作業用腰掛台車が開示されている。この農作業用腰掛台車は、前後に配置された2軸に、それぞれ車体幅寸法と同程度の車輪幅を成す車輪を備え、一方の車輪について車輪支持フレーム部を構成し、車体フレーム部に対して回動自在に設置した操舵機構を備えた構造となっている。したがって、前記操舵機構を備えていることから、車輪支持構造が複雑で高価になることが予想される。
【0006】
先行文献2には、前部に上方に引き上げるための取手を設置し、着座した作業者が前記取手を引き上げると共に、踏ん張った足で地面を蹴って腰を浮かせて、方向変更を行う腰掛け台車が開示されている。この腰掛け台車においては、使用する作業者が着座した状態で腰を浮かせながら方向変更を行っているが、高齢者等の足腰の弱い者においてはこの動作が困難で、実用的でない場合がある。
【発明の概要】
【発明がが解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、台車本体等の基本構造を変更することなく、それ自体の構造が簡単な補助具を設置することにより、作業者が座面体に着座した状態のままで簡単に方向変更が可能な作業台車を提供することを目的としたものである。
また、本発明は、作業台車に着脱可能であって、作業台車における方向変更が必要な際に設置して、着座作業時の走行方向変更が必要な場合に使用する作業台車の方向変更具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、台車本体と、前記台車本体における走行方向の前位及び後位に配置された走行車輪と、前記台車本体の上面に設置される座面体とから構成される作業台車において、前記台車本体における一方の走行方向端部に、方向変更具が設置されており、前記方向変更具は、前記台車本体の一方の走行方向端部に設置された取付台と、前記台車本体の走行方向に沿ってその回転軸を配置した方向変更車輪と、前記方向変更車輪を前記取付台に対して前記台車本体の上下方向に回動可能に取付けると共に、前記台車本体に設置された一方の前記走行車輪の荷重を支持し、かつ、一方の前記走行車輪の接地面より下方に、方向変更車輪の接地面を保持する方向変更軸と、前記方向変更軸を引上げて固定する固定手段と、から構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明は、座面体を備え、台車本体の前位及び後位に設置された走行車輪によって直進走行する作業台車の方向変更具であって、前記方向変更具は、前記作業台車の走行方向端部に設置される取付手段と、前記取付手段を介して走行方向に向けてその回転軸を配置した方向変更車輪と、前記方向変更車輪を前記取付手段に対して上下方向に回動可能に取付けると共に前記前位又は後位に設置された一方の走行車輪の荷重を支持し、かつ、前記一方の走行車輪の接地面より下方に前記方向変更車輪の接地面を保持する方向変更軸と、前記方向変更軸を引上げて固定する固定手段と、から構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による作業台車によれば、作業者が座面体に腰かけた状態で、台車本体の走行方向端部に設置されている方向変更具の方向変更軸を下方に押下げることによって、方向変更車輪を接地させ、一方の走行車輪を浮かせた状態で、他方の走行車輪と前記方向変更車輪との三点支持により、台車本体の方向変更を行うことが可能である。
したがって、作業者は、前記三点支持の状態で、座面体から腰を浮かせることなく、方向変更軸を左右に回転するか、自身の足で地面を蹴ることにより、台車本体の方向変更を行うことができる。また、方向変更軸から手を離し、方向変更車輪を引き上げることにより、通常の直線走行ができる。
本発明による作業台車の方向変更具によれば、作業台車を用いて作業を行う場合に、同作業台車の方向変更が必要な状況において作業台車に取付けることにより、作業台車の方向変更を可能として作業効率を向上させることができる。
また、方向変更具を必要な時に利用することにより、作業台車自体の構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の作業台車の一実施形態における方向変更車輪が接地し、方向変更可能な状態を示す斜視図である。
図2図1に示した本発明の作業台車の無負荷状態であって方向変更車輪がばねで跳上がった状態を示す斜面図である。
図3図1における作業台車の方向変更車輪が接地した状態(方向変更時)における走行車輪及び方向変更車輪と地面の関係を示す概略図である。
図4図2における作業台車の無負荷状態で方向変更車輪がばねで跳上がった状態における概略図である。
図5】本発明による作業台車の他の実施形態における方向変更具及び台車前面部における縦断面図である。
図6】本発明による作業台車の更に他の実施形態における方向変更具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による作業台車の一実施形態について、図1乃至図4により詳細に説明する。本発明による作業台車10は、台車本体11と、座面体17と、走行車輪13、14、15、16と、方向変更具20から構成されている。台車本体11の上面には、作業者が腰掛ける座面体17が設置されている。台車本体11の大きさは、前後走行方向の長さが30~50cm、幅方向が20から25cm、高さが20~30cm程度に構成されている。台車本体11は、その全体形状が走行方向に長い長方形の箱型に形成されており、同箱型の上面開口部を座面体17が覆う蓋の役割を兼ねている。
【0012】
台車本体11は、全体が合成樹脂により構成されている。台車本体11の長手方向が作業台車10の走行方向である。台車本体11には、その長手方向の前位及び後位に、それぞれ車軸12がその幅方向に引き通して設置されている。車軸12の一方には、走行車輪13,14が回転可能に設置され、他方の車軸12には、走行車輪15,16が回転可能に設置されている。走行車輪13、14、15、16は、その直径が約15cm程度で、合成樹脂により構成されている。走行車輪13、14、15、16は、車軸12に対してそれぞれ独立して回転可能に設置されている。
【0013】
図1に示す方向変更具20は、台車本体11における一方の走行方向端部である台車前面部18に設置されている。方向変更具20は、取付台21と、方向変更車輪25と、方向変更ハンドル26と、ばね29から構成されている。取付台21は、台車本体11の台車前面部18における幅方向中央部であって、台車前面部18の下方位置に設置されている。取付台21は、台車前面部18に4本の取付ねじ31によって固定される平板部と、同平板部に対して直立配置された2枚の支持板22とから構成されている。
【0014】
前記支持板22の2枚の間に、方向変更ハンドル26の一端に形成された平板状を成す基端27が挿入配置されている。前記各支持板22には、台車幅方向に軸心を向け、かつ、各支持板22を貫通した回転軸24が設置されている。この回転軸24が基端27を貫通しており、方向変更ハンドル26が回転軸24を中心に上下方向に回動可能に設置されている。この構成により、方向変更ハンドル26は、回転軸24を回転中心とし、台車前面部18において上下方向に回動可能に設置されている。方向変更ハンドル26の軸方向中央部に、方向変更車輪25が回動可能に設けられている。なお、方向変更ハンドル26において、方向変更車輪25の軸方向移動は前後のピン32で規制されている。
【0015】
図2に示すように、作業台車10を使用していない(或いは、方向変更車輪25を使用していない)状態では、方向変更車輪25をばね29により跳上げている。ばね29としては、ねじりコイルばね(「わかる!使える!ばね入門<基礎知識><設計・選定><勘どころ>2019年8月30日初版1刷発行、編者:日本ばね学会」)第98~99頁「3設計の基礎、コイルばねの設計、図2-3-8コイルばねの種類と形状例引用」を用いる。ばね29は、両端の棒状部29a、29bと、両棒状部をつなぐコイル部29cとから構成されている。コイル部29cは、回転軸24の軸端に巻き付けて取付けられている。一方の棒状部29aは、コイル部29cから台車前面部18へ伸びており、台車前面部18に設けられたばね止30にその端部が固定されている。他方の棒状部29bは、方向変更ハンドル26にその端部が固定されている。ばね29は、図2に示すように無荷重状態において、方向変更ハンドル26を跳ね上げ、方向変更車輪25が接地していない状態を保持している。
【0016】
図3及び図4によって、方向変更車輪25を接地して作業台車10における方向変更する状態と方向変更車輪25を跳ね上げた状態の各部の配置及び寸法関係を説明する。
図3において、作業台車10を方向変更する場合の状況を説明する。方向変更ハンドル26の先端28を押下げて、方向変更車輪25を地面33に接地させ、方向変更ハンドル26の軸部分がほぼ水平に位置している状態で、走行車輪13、14の荷重を方向変更車輪25で支え、走行車輪13、14が地面33から浮き上がっている。この状態で、作業台車10の方向変更を行うことになる。
【0017】
この状況において、台車本体11の前位及び後位の車軸12の中心線を結ぶ線上に回転軸24を設置した場合、走行車輪13、14の跳ね上げ寸法H1を確保するために、回転軸24の軸中心と方向変更車輪25の軸中心との距離FをH1と同じ寸法としている。この距離Fを基端27によって確保している。なお、回転軸24と方向変更車輪25との間隔Xは、図4に示すように方向変更車輪25を跳ね上げ、同方向変更車輪25が台車前面部18に接触した状態で、方向変更車輪25と地面33との距離H2を十分確保できる長さとする。この場合、方向変更ハンドル26の軸中心が地面33に対して約45度の角度を想定している。この角度に関しては、実機において種々の変更が考えられる。
【0018】
例えば、方向変更車輪25の上昇させるための走行車輪13の地面33からの高さH1=3cmにすると
回転軸24と方向変更ハンドル26中心までの距離Fは
F=H1=3cmとなる。
したがって、方向変更車輪25と走行車輪13、14の各半径Rが同じであれば、図4の無負荷時の方向変更車輪25と地面33との高さH2は
H2=H1=3cmに設定するのが妥当である。
【0019】
図4により作業台車10の無負荷状態における方向変更車輪25を跳ね上げた際の各部材の配置状況を説明する。
ばね29の棒状部29aは、ばね止30で台車本体11の台車前面部18に固定されている。ばね29のコイル部29cは、回転軸24に巻付けられ、棒状部29bは方向変更ハンドル26に固定されている。本構造において、方向変更車輪25を跳上げる状態とするためには
回転軸24と方向変更車輪25の距離Xの長さと、方向変更車輪25と地面33との間隔H2は、
H2=R-F×sinα+X×sinα-R×sinα
の式が成立する必要がある。
H2=3cmを確保して地面33に対して方向変更車輪25の接地面を接触させないため、
方向変更車輪25の走行車輪13と同じ半径R=7cm、とし
F=H1、H1=3cm、とするとF=3cm
方向変更ハンドル26を地面33に対して45度程度跳ね上げ、持上げ角α=45度、sin45=0.85とすると
回転軸24と方向変更車輪25の距離Xは
X=(H2‐R+F×sinα+R×sinα+)/sinα
となり
X=5.3cm
程度にする必要がある。
【0020】
作業台車10は、台車本体11の前位及び後位に設置された走行車輪13,14及び走行車輪15,16によって、その長手方向に直進走行可能である。
作業者は、足を台車本体11の幅方向に向けた状態で座面体17に腰掛け、畑の畝などへの作物の植付け、草取り、低位置での組み立て、溶接、塗装などの作業を行う。
作業台車10は、走行車輪13,14及び走行車輪15,16によって、例えば、畑に設けられた畝に沿って直線走行する。なお、ヤードに設置された鉄骨構造物に沿って直線走行する必要があるが、方向を変更する必要もある。
【0021】
図2に示す作業台車10の座面体17に作業者が座った状態で、直線走行から方向変更するには、作業者が座ったままで方向変更ハンドル26の先端28を押下げ、方向変更ハンドル26の軸線をほぼ水平状態にする。この状態で方向変更車輪25が地面33に接地して、走行車輪13、14の荷重を支えることになり、作業台車10は、図1に示す状態になる。即ち、走行車輪13、14が地面33から浮き上がる。この状態で方向変更ハンドル26を所望する進行方向に向けるか、作業者が足で蹴って、所望する進行方向に変更することができる。
【0022】
任意の方向に変更後、方向変更ハンドル26から手を放せば、方向変更車輪25がばね29により跳ね上げられ、台車本体11の走行車輪13,14と15,16により変更後の方向において直線走行が可能となる。このように作業者は、座面体17から立ち上がることなく、作業台車10の方向変更が可能である。
前記方向変更具20については、その取付台21を台車本体11の台車前面部18に着脱可能な構造に変更することにより、作業台車10と同等な基本構造を備えた作業台車に設置することで、前記実施形態と同様な作用、効果を発揮することができる。
なお、方向変更具20におけるばね29に代えて、一端を方向変更ハンドルに締結し、他端を台車前面部18に設置した留め金具に掛合(結び付ける)する紐状部材に変更することも考えられる。例えば、鎖などが考えられる。
【0023】
前記実施形態において、方向変更ハンドル26における回転軸24と方向変更車輪25までの距離にもよるが、体重70Kgで座面体17にかかる重さは約40kg程度となり、方向変更ハンドル26の前記距離が20cmの場合、方向変更ハンドル26を押下げる力は実験では十数Nであった。
前記方向変更ハンドル26を所望の方向に回動する力は、地面の粗さにもよるが試験の結果コンクリートでも芝生でも数Nの軽い力で方向変更が可能であってあった。
【0024】
図5に示す他の実施形態は、図2に示した走行台車の台車前面部に、一体成型により支持板34を形成した作業台車である。なお、図2と同一符号は同一部材を示している。
本実施形態によれば、支持板34を台車本体11と一体成型することにより、取付ねじ等の部品点数を削減することができる。
【0025】
図6に示すさらに他の実施形態は、台車本体の台車前面部に一対の嵌合受35を一体成型により構成し、同嵌合受35に嵌り合う嵌合固定具36を挿入して取付ける構造である。
本実施形態によれば、嵌合固定具36を簡単に装着或いは除去できる。よって、方向変更が必要な作業時に、簡単に方向変更具を設置することができる。
前記嵌合受35と嵌合固定具36をアリ溝とアリ溝に嵌合する突起とから構成することも考えられる。
ところで、前記実施形態におけるばね29については、ねじりコイルばねに限定されるものではなく、引張りコイルばねとすることも考えられる。引張りコイルばねの一端を台車前面部に設けたばね止に締結し、他端を方向変更ハンドルに締結する構造となる。
【符号の説明】
【0026】
10・・・作業台車
11・・・台車本体、12・・・車軸、
13、14、15、16・・・走行車輪
17・・・座面体、18・・・台車前面部、19・・・台車側面
20・・・方向変更具
21・・・取付台、22・・支持板、24・・・回転軸、
25・・・方向変更車輪、26・・・方向変更ハンドル、27・・・基端、
28・・・先端、29・・・ばね、29a・・・棒状部、29b・・・棒状部、29c・・・ばねコイル部、30・・・ばね止
31・・・取付ねじ、 32・・・ピン、33・・・地面
35・・・篏合受、 36・・・篏合固定具
【要約】
【課題】走行車輪の付いた作業台車の着席作業で直線走行は容易だが、作業の都合で方向を変更したい場合多々ある。しかし、作業台車の方向を変更したいが一々立ち上がって台座の向きを変更し着席するのは容易でない。
【解決手段】座面体に着座した作業者が作業台車の走行方向をしたい場合、着座した状態のまま作業者が手で方向変更ハンドルを下方向に押下げ、方向変更ハンドルの向きを所望の方向に回転し変更するか、作業者が足で地面を蹴り作業台車の進行方向を所望の方向に変更する。方向変更ハンドルから手を離せば作業台車を所望の方向に変更して直線走行できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6