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7710139走査システム、走査ガイド生成装置、走査方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-10
(45)【発行日】2025-07-18
(54)【発明の名称】走査システム、走査ガイド生成装置、走査方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20250711BHJP
【FI】
G01V3/12 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023536280
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 JP2021027234
(87)【国際公開番号】W WO2023002589
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】NTT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】吉村 勇祐
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】日吉 健至
(72)【発明者】
【氏名】板坂 浩二
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-186994(JP,A)
【文献】特開2013-250107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面を移動し、前記地表面の下方の地中を走査する走査装置と、走査ガイド生成装置と、を備え、
前記走査ガイド生成装置は、
前記地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力部と、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定する測線決定部と、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置が前記測線が示す経路及び方向を移動するように駆動する駆動装置を制御する装置制御部と、を含む走査システム。
【請求項2】
前記走査ガイド生成装置は、前記地表面を撮像した撮像画像を生成する撮像部をさらに備え、
前記装置制御部は、前記撮像部の撮像面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、前記撮像画像に前記ガイド線を重畳した重畳画像を生成し、前記表示装置が前記重畳画像を表示するよう制御する、請求項1に記載の走査システム。
【請求項3】
前記装置制御部は、前記投影装置の画像表示面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、前記ガイド線含む投影用画像を生成し、前記投影装置が、前記投影用画像を前記地表面に投影するよう制御する、請求項1に記載の走査システム。
【請求項4】
前記装置制御部は、前記測線を移動するよう前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する、請求項1に記載の走査システム。
【請求項5】
前記設定情報は、前記走査装置が一の直線上を移動する長さを示す走査長、前記走査装置が、前記地中における前記管路の領域を前記地表面に投影した管路対応領域の延在方向の直交方向に延在する一の直線上を移動しながら走査する単位走査の、前記延在方向における間隔を示す走査間隔、及び複数の前記単位走査を含む全体走査を開始する位置である全体走査開始位置を含み、
前記測線決定部は、前記全体走査開始位置に基づいて、前記単位走査を開始する単位走査開始位置を決定し、前記単位走査開始位置と、前記形状によって示される前記管路の延在方向と、前記走査長とに基づいて、前記単位走査を終了する位置である単位走査終了位置を決定し、前記単位走査開始位置及び前記単位走査終了位置に基づいて、前記単位走査における前記測線を決定し、前記走査間隔に基づいて、複数回、前記単位走査における前記測線を決定することによって、複数の前記単位走査を含む全体走査の測線を決定する、請求項1から3のいずれか一項記載の走査システム。
【請求項6】
走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力部と、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定する測線決定部と、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置が前記測線が示す経路及び方向を移動するように駆動する駆動装置を制御する装置制御部と、を備える走査ガイド生成装置。
【請求項7】
走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付けるステップと、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定するステップと、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置前記測線が示す経路及び方向を移動するよう駆動する駆動装置を制御するステップと、
を含む走査方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項6に記載の走査ガイド生成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走査システム、走査ガイド生成装置、走査方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非特許文献1に記載されているように、GPR(Ground Penetrating Radar)と呼ばれる地中レーダーを用いて、地中に埋設されている埋設物の位置を特定する技術が知られている。この技術において、GPRは、移動しながら地中に向けて電磁波を発生させ、地中の媒質とは誘電率の異なっている埋設物から反射される反射電磁波を受信する走査を実行することによって、埋設物の位置を特定する。
【0003】
また、非特許文献2に記載されているように、GPRを用いた走査を実行するにあたって、GPRが地中を走査しながら移動する測線をマーキングする技術が知られている。この技術において、作業者は、例えば、埋設物の想定位置を示す図面を参照したり、電磁波誘導法を用いたりすることによって測線を決定し、地表面上にチョーク、水糸等を用いて測線をマーキングする。これによって、作業者は、測線を認識し、測線に基づいてGPRを移動させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「地中レーダー技術に関する調査検討会 報告書」、地中レーダー技術に関する調査検討会、平成29年3月、[online]、[令和3年7月5日検索]、インターネット<URL:https://www.soumu.go.jp/main#content/000477180.pdf>
【文献】「エスパー探査 作業マニュアル <埋設物調査> <空洞調査>」、エスパー探査協会、平成25年4月、[online]、[令和3年7月5日検索]、インターネット<URL:http://www.kouhounavi.com/navi/data/toku/espar/gijutsu/espar-manu.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GPR等の走査装置が走査を実行するにあたって、走査装置を操作する作業者が測線をマーキングする作業には多くの時間を要することがある。一例としては、測線をマーキングする作業には、走査そのものに要する時間より多くの時間を要することもある。このため、管路等の埋設物の走査に時間を要することになる。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、迅速に管路を走査することができる走査システム、走査ガイド生成装置、走査方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示に係る走査システムは、地表面を移動し、前記地表面の下方の地中を走査する走査装置と、走査ガイド生成装置と、を備え、前記走査ガイド生成装置は、前記地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力部と、前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定する測線決定部と、前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する装置制御部と、を含む。
【0008】
上記課題を解決するため、本開示に係る走査ガイド生成装置は、走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力部と、前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定する測線決定部と、前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する装置制御部と、を備える。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本開示に係る走査方法は、走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付けるステップと、前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定するステップと、前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御するステップと、を含む。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本開示に係るプログラムは、コンピュータを上述した走査ガイド生成装置として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る走査システム、走査ガイド生成装置、走査方法、及びプログラムによれば、迅速に管路を走査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る走査ガイド生成システムの概略図である。
図2図1に示す走査装置、表示装置、及び走査ガイド生成装置の外観を示す図である。
図3図1に示す測線決定部によって決定される測線の一例を説明するための図である。
図4図1に示す測線決定部によって決定される測線の他の例を説明するための図である。
図5図1に示す表示装置3によって表示される重畳画像の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る走査ガイド生成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7A図6に示す測線を決定する処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図7B図6に示す測線を決定する処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図7C図6に示す測線を決定する処理の一例を示すフローチャートの一部である。
図8】第2の実施形態に係る走査ガイド生成システムの概略図である。
図9A図8に示す投影装置が投影する投影用画像の一例を示す図である。
図9B図8に示す投影装置が投影する投影用画像の他の例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る走査ガイド生成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態に係る走査ガイド生成システムの概略図である。
図12図11に示す測線決定部によって決定される測線及び補助線の一例を説明するための図である。
図13】第3の実施形態に係る走査ガイド生成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図14】走査ガイド生成装置のハードウェアブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<<第1の実施形態>>
図1を参照して第1の実施形態の全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る走査システム100の概略図である。
【0014】
図1に示すように、第1の実施形態に係る走査システム100は、管路管理装置1と、走査装置2と、表示装置3と、走査ガイド生成装置4と、を備える。
【0015】
<管路管理装置の構成>
管路管理装置1は、制御部(コントローラ)、メモリ、通信インターフェースを有するコンピュータによって構成される。制御部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。通信インターフェースには、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられてもよい。メモリは、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等であってよい。
【0016】
管路管理装置1は、地中に埋設されている管路の管路情報を記憶している。管路情報は、管路の想定される形状及び位置を示す。管路管理装置1は、管路情報を走査ガイド生成装置4に送信する。管路管理装置1は、走査ガイド生成装置4からの要求に基づいて管路情報を走査ガイド生成装置4に送信してもよい。
【0017】
<走査装置の構成>
走査装置2は、電磁波を発生させ、該電磁波の反射波である反射電磁波を受信することによって、地中を走査する。走査装置2は、地表面を移動し、該地表面の下方の地中を走査する。走査装置2は、図2に外観を示すような、地中レーダー(GPR)とすることができる。また、走査装置2において用いられる電磁波は、1~1000MHzの周波数範囲の電磁波とすることができる。
【0018】
図1に示すように、走査装置2は、電磁波発生部21と、アンテナ22と、電磁波受信部23と、距離計測部24とを備える。
【0019】
電磁波発生部21は、走査ガイド生成装置4の制御に基づいて、アンテナ22に、電磁波を発生させるための電流を供給する。
【0020】
アンテナ22は、電磁波発生部21によって供給された電流によって磁場を変化させることによって電磁波を発生させる。また、アンテナ22は、該電磁波の反射電磁波を受信する。受信した反射電磁波によって該アンテナ22に流れる電流が変化することによって、アンテナ22は、反射電磁波を電流に変換する。
【0021】
電磁波受信部23は、アンテナ22によって変換された電流を受信する。
【0022】
距離計測部24は、所定の地点からの距離を計測する。所定の地点は、例えば、単位走査開始位置とすることができる。単位走査開始位置は、単位走査を開始する位置であって、単位走査とは、走査装置2が、管路の延在方向に直交する方向の一の直線上を移動しながら実行する走査である。
【0023】
<表示装置の構成>
表示装置3は、走査ガイド生成装置4の制御に基づいて、画像を表示する。表示装置3は、有機EL(Electro Luminescence)、液晶パネル等によって構成される。図2に示すように、表示装置3は、走査ガイド生成装置4と一体に構成されてもよい。また、表示装置3は、走査ガイド生成装置4と別体として構成されてもよく、例えば、ヘッドマウント型、眼鏡型、タブレット型等のAR(Augmented Reality)装置とすることができる。
【0024】
表示装置3は、走査ガイド生成装置4によって生成された、追って詳細に説明する重畳画像を表示する。また、表示装置3は、距離と、該距離における反射電磁波の強度(電磁波強度)を示す情報を表示してもよい。距離は、距離計測部24によって計測された所定の地点からの距離である。
【0025】
<走査ガイド生成装置の構成>
図1に示すように、走査ガイド生成装置4は、入力部41と、測線決定部42と、撮像部43と、位置検出部44と、方向検出部45と、姿勢検出部46と、表示制御部(装置制御部)47と、走査制御部48と、走査情報記憶部49とを含む。
【0026】
ここで、本実施形態の走査ガイド生成装置4が決定する、走査装置2が移動する経路である測線の概要について説明する。測線は、走査装置2が移動する経路と、該経路において移動する方向とを示すベクトルである。図3に示すように、本実施形態では、走査装置2は、管路の延在方向(x軸方向)に直交する方向(y軸方向)の一の直線上を移動しながら走査する単位走査を実行する。図3には、各単位走査の測線GD(本例では、GD1~GD6)が示されている。走査装置2は、管路の延在方向(x軸方向)における一方の端部から他方の端部まで、所定の走査間隔Wで、単位走査を繰り返すことによって、全体走査を実行する。
【0027】
図1に戻って、入力部41は、入力インターフェースによって構成されてもよい。入力インターフェースは、ポインティングデバイス、キーボード、マウス等とすることができる。また、入力インターフェースは、外部の装置から情報を受信する通信インターフェースであってもよい。測線決定部42、表示制御部47、及び走査制御部48は、制御部を構成する。撮像部43は、撮像素子、光学素子等を有するカメラによって構成されてもよい。位置検出部44は、位置センサによって構成されてもよく、位置センサは、例えば、GPS受信機とすることができる。方向検出部45は、例えば、電子コンパスによって構成されてもよい。姿勢検出部46は、取り付けられた物体の角度又は角速度を検出するジャイロセンサによって構成されてもよい。走査情報記憶部49は、メモリによって構成されてもよい。
【0028】
入力部41は、管路情報及び設定情報の入力を受け付ける。
【0029】
管路情報は、地中に埋設されている管路の想定される位置及び形状を示す。管路情報は、ポリライン等により位置及び形状を示す平面図であってもよいし、立体的に位置及び形状を示す立体図であってもよい。
【0030】
設定情報は、図3に示すような、地表面において走査装置2を移動させる経路及び方向を示す測線GDの条件を示す。設定情報は、走査長、走査間隔W、及び全体走査開始位置を含むことができる。
【0031】
走査長は、走査装置2が一の直線上を移動する長さを示す。走査長は、第1の走査長L1、第2の走査長L2、及び全体走査長L0のいずれかを含むことができる。第1の走査長L1は、単位走査開始位置Psから管路走査位置Ppまでの長さである。単位走査開始位置Psは、単位走査が開始される位置である。管路走査位置Ppは、管路対応領域CLと、単位走査開始位置Psから管路の延在方向(図3の例ではx軸方向)の直交方向(図3の例ではy軸方向)に延在する直線とが、交差する位置である。管路対応領域CLは、地中における管路の領域を地表面に投影した領域である。言い換えれば、管路対応領域CLは、地中内における管路の領域の直上に位置する地表面の領域である。第2の走査長L2は、管路走査位置Ppから単位走査終了位置Pfまでの長さである。走査長は、走査の対象となる管路の特性、走査の目的等に応じて、作業者が適宜決定することのできる任意の数値である。走査長の単位はcm(センチメートル)、m(メートル)等とすることができる。
【0032】
走査間隔Wは、単位走査での、管路の延在方向における間隔を示す。単位走査は、上述したように、管路対応領域CLの延在方向の直交方向に延在する一の直線上を移動しながら実行される走査である。管路が直線状である例において、図3に示すように、管路対応領域CLの延在方向は、管路対応領域CLの長手方向(x軸方向)であり、直交方向は、管路対応領域CLの短手方向(y軸方向)である。管路が円弧状である例において、図4に示すように、管路対応領域CL延在方向は、管路対応領域CLの周方向(±C方向)であり、直交方向は、管路対応領域CLの径方向である。走査間隔Wは、走査の対象となる管路の特性、走査の目的等に応じて、作業者が適宜決定することのできる任意の数値である。走査間隔Wの単位はcm(センチメートル)、m(メートル)等とすることができる。
【0033】
全体走査開始位置は、複数の単位走査を含む全体走査を開始する位置である。全体走査開始位置は、地図データを用いた作業者によって特定された、全体走査の開始時点における走査装置2の位置であってもよい。また、全体走査開始位置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の位置検出センタから取得された、全体走査の開始時点における走査装置2の位置であってもよい。全体走査開始位置は、直交座標系の座標で示されてもよい。全体走査開始位置は、緯度、経度、及び標高によって示されてもよい。単位走査開始位置Ps、管路走査位置Pp、及び単位走査終了位置Pfについても同様である。
【0034】
入力部41は、作業者の操作によって管路情報及び設定情報の入力を受け付けてもよい。例えば、入力部41は、管路管理装置1から管路情報を受信することによって、管路情報の入力を受け付けてもよい。
【0035】
測線決定部42は、入力部41によって入力が受け付けられた管路情報及び設定情報に基づいて、走査装置2を移動させる経路及び方向を示す測線GDを決定する。
【0036】
具体的には、測線決定部42は、全体走査開始位置に基づいて、単位走査を開始する単位走査開始位置Ps(図3の例では、Pp1~Pp6)を決定する。測線決定部42は、単位走査開始位置Psと、形状によって示される管路の延在方向(図3の例ではx軸方向)と、走査長とに基づいて、単位走査を終了する位置である単位走査終了位置Pf(図3の例では、Pf1~Pf6)を決定する。測線決定部42は、単位走査開始位置Ps及び単位走査終了位置Pfに基づいて、単位走査における測線GDを決定する。測線決定部42は、走査間隔Wに基づいて、複数回、単位走査における測線GDを決定することによって、複数の単位走査を含む全体走査の測線GDを決定する。
【0037】
第1の例として、図3に示すような、管路が直線状に延在している場合における測線決定部42の処理について詳細に説明する。本例では、設定情報に含まれる走査長は、第2の走査長L2である。
【0038】
まず、測線決定部42は、全体走査開始位置を第1の単位走査開始位置Ps1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から、管路の延在方向(x軸方向)の直交方向(y軸方向)に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点が存在するか否かを判定する。測線決定部42は、交点が存在すると判定すると、該交点を第1の管路走査位置Pp1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の管路走査位置Pp1からy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第1の単位走査終了位置Pf1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から第1の単位走査終了位置Pf1までの長さ及び方向を示すベクトルを第1の単位走査における測線GD1と決定する。
【0039】
次に、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から管路の延在方向のうちの一方の方向(図3の例では+x軸方向)に走査間隔Wだけ離れた位置を第2の単位走査開始位置Pp2と決定する。そして、測線決定部42は、第2の単位走査開始位置Ps2からy軸方向に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点が存在するか否かを判定する。測線決定部42は、交点が存在すると判定すると、該交点を第2の管路走査位置Pp2と決定する。そして、測線決定部42は、第2の管路走査位置Pp2からy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第2の単位走査終了位置Pf2と決定する。そして、測線決定部42は、第2の単位走査開始位置Ps2から第2の単位走査終了位置Pf2までの長さ及び方向を示すベクトルを第2の単位走査における測線GD2と決定する。
【0040】
このように、測線決定部42は、第(i-1)(iは2以上の整数)の単位走査開始位置Ps(i-1)から+x軸方向に走査間隔Wだけ離れた位置を第iの単位走査開始位置Psiと決定する。そして、測線決定部42は、第iの単位走査開始位置Psiからy軸方向に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点が存在するか否かを判定する。測線決定部42は、交点が存在すると判定すると、該交点を第iの管路走査位置Ppiと決定する。そして、測線決定部42は、第iの管路走査位置Ppiからy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第iの単位走査終了位置Pfiと決定する。そして、測線決定部42は、第iの単位走査開始位置Psiから第iの単位走査終了位置Pfiまでの長さ及び方向を示すベクトルを第iの単位走査における測線GDiと決定する。
【0041】
測線決定部42は、第iの単位走査開始位置Psiからy軸方向に延在する直線と管路対応領域CLとの交点がないと判定した場合、測線GD1から+x軸方向に位置する測線GDiの決定を終了する。
【0042】
さらに、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から管路対応領域CLの延在方向のうちの他方の方向(図3の例では-x軸方向)に位置する測線GDjを同様にして決定する。このとき、測線決定部42は、第jの単位走査開始位置Psjからy軸方向に延在する直線と管路対応領域CLとの交点がないと判定した場合、測線GD1から-x軸方向に位置する測線GDjの決定を終了する。これにより、測線決定部42は、測線GD1、GDi、GDjを含む、全体走査をガイドするための測線GDを決定することができる。
【0043】
なお、図3に示すように、測線GD1は、実空間における座標(X1,Y1,Z1)を始点とし、座標(X1’,Y1’,Z1’)を終点とするベクトルとして表されてもよい。測線GDi、GDjについても同様である。
【0044】
第2の例として、図4に示すような、管路が円弧状に延在している場合における測線決定部42の処理について詳細に説明する。本例では、設定情報に含まれる走査長は、第2の走査長L2である。また、本例では、設定情報に含まれる全体走査開始位置は、管路が形成する円弧を一部とする円の中心Oである。
【0045】
まず、測線決定部42は、全体走査開始位置である中心Oを第1の単位走査開始位置Ps1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から、管路の延在方向(+C方向)の直交方向(管路の径方向)に延在する線と、管路対応領域CLとの交点を第1の管路走査位置Pp1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の管路走査位置Pp1から径方向外側への長さが第2の走査長L2となる位置を第1の単位走査終了位置Pf1と決定する。そして、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から第1の単位走査終了位置Pf1までの長さ及び方向を示すベクトルを第1の単位走査における測線GD1と決定する。
【0046】
次に、測線決定部42は、全体走査開始位置である中心Oを第2の単位走査開始位置Ps2と決定する。そして、測線決定部42は、第1の管路走査位置Pp1から+C方向に離れた、第1の管路走査位置Pp1との間の長さが走査間隔Wとなるような位置が、管路対応領域CLにあるか否かを判定する。そして、該位置が管路対応領域CLにあると判定された場合、測線決定部42は、該位置を第2の管路走査位置Pp2と決定する。そして、測線決定部42は、第2の単位走査開始位置Ps2から第2の単位走査終了位置Pf2までの長さ及び方向を示すベクトルを第2の単位走査における測線GD2と決定する。
【0047】
このように、測線決定部42は、全体走査開始位置である中心Oを第iの単位走査開始位置Psiと決定する。測線決定部42は、第(i-1)の管路走査位置Pp(i-1)から、+C方向に離れた、第(i-1)の管路走査位置Pp(i-1)との間の長さが走査間隔Wとなるような位置が、管路対応領域CLにあるか否かを判定する。該位置が管路対応領域CLにあると判定された場合、測線決定部42は、該位置を第iの管路走査位置Ppiと決定する。そして、測線決定部42は、第iの管路走査位置Ppiから径方向外側への長さが第2の走査長L2となる第iの単位走査終了位置Pfiを決定する。そして、測線決定部42は、第iの単位走査開始位置Psiから第iの単位走査終了位置Pfiまでの長さ及び方向を示すベクトルを第iの単位走査における測線GDiと決定する。
【0048】
測線決定部42は、第(i-1)の管路走査位置Pp(i-1)から、+C方向に離れた、第(i-1)の管路走査位置Pp(i-1)との間の長さが走査間隔Wとなるような位置が、管路対応領域CLにないと判定した場合、測線GD1から+C方向に位置する測線GDiの決定を終了する。
【0049】
さらに、測線決定部42は、第1の単位走査開始位置Ps1から管路の延在方向のうちの他方の方向(図4の例では-C方向)に位置する測線GDj(jは2以上の整数)を同様にして決定する。そして、測線決定部42は、第jの単位走査開始位置Psjから径方向に延在する直線と管路対応領域CLとの交点がないと判定した場合、測線GD1から-C方向に位置する測線GDjの決定を終了する。
【0050】
撮像部43は、地表面を撮像した撮像画像を生成する。具体的には、撮像部43は、走査装置2による走査の対象となる管路が埋設されていると想定される地中の上に位置する地表面を撮像した撮像画像を生成する。
【0051】
位置検出部44は、該位置検出部44の位置を検出する。これにより、位置検出部44は、走査ガイド生成装置4が該位置検出部44とともに含む撮像部43の撮像面の位置を検出する。
【0052】
方向検出部45は、該方向検出部45の方向を検出する。これにより、方向検出部45は、走査ガイド生成装置4が該方向検出部45とともに含む撮像部43の撮像面の方向を検出する。
【0053】
姿勢検出部46は、該姿勢検出部46の姿勢を検出する。これにより、姿勢検出部46は、走査ガイド生成装置4が該姿勢検出部46とともに含む撮像部43の撮像面の姿勢を検出する。
【0054】
表示制御部47は、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を表示する表示装置3を制御する。
【0055】
具体的には、表示制御部47は、撮像部43の撮像面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、撮像画像にガイド線OB1を重畳した重畳画像を生成する。例えば、表示制御部47は、撮像部43の撮像面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、実空間における位置と、撮像画像内における位置との対応関係を算出する。そして、図5に示すように、表示制御部47は、該対応関係に基づいて、実空間における測線GDの位置に対応する、撮像画像内の位置にガイド線OB1を重畳させた重畳画像を生成する。
【0056】
このとき、表示制御部47は、撮像画像に、走査の対象である管路を示す画像オブジェクトOB2をさらに重畳させた重畳画像を生成してもよい。具体的には、表示制御部47は、実空間における管路の想定される位置に対応する、撮像画像内の位置に画像オブジェクトOB2をさせた重畳画像を生成してもよい。
【0057】
また、表示制御部47は、撮像画像に、走査の対象である管路とは異なる管路を示す画像オブジェクトOB3をさらに重畳させた重畳画像を生成してもよい。具体的には、表示制御部47は、実空間における、画像オブジェクトOB3が示す管路の位置に対応する、撮像画像内の位置に画像オブジェクトOB3を重畳させた重畳画像を生成してもよい。
【0058】
表示制御部47は、表示装置3が重畳画像を表示するよう制御する。なお、図5に示す例においては、表示装置3は、走査ガイド生成装置4と別体として構成されているタブレットである。しかし、これに限られず、図2に示したように、表示装置3が走査ガイド生成装置4と一体として構成されている場合も、表示制御部47は、表示装置3が同様にして重畳画像を表示するよう制御する。
【0059】
走査制御部48は、入力部41によって入力が受け付けられた操作命令に基づいて、走査装置2を制御する。例えば、操作命令に電磁波を発生させる発生命令が含まれていた場合、走査制御部48は、走査装置2が電磁波を発生させるよう制御する。
【0060】
また、走査制御部48は、走査装置2が電磁波の反射電磁波を受信し、反射電磁波を電流に変換すると、距離計によって計測された距離と、該距離における電流が示す電磁波強度とを走査情報記憶部49に記憶させる。また、走査制御部48は、距離と、該距離における電磁波強度とを表示装置3に表示させてもよい。
【0061】
走査情報記憶部49は、走査制御部48の制御により、距離と、該距離における電磁波強度とを記憶する。
【0062】
<走査システムの動作>
ここで、第1の実施形態に係る走査システム100の動作について、図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態に係る走査システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図6を参照して説明する走査システム100における動作は第1の実施形態に係る走査システム100の走査方法の一例に相当する。
【0063】
ステップS11において、入力部41が、走査装置2が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び地表面において走査装置2を移動させる経路及び方向を示す測線GDの条件を示す設定情報の入力を受け付ける。
【0064】
ステップS12において、測線決定部42が、管路情報及び設定情報に基づいて測線GDを決定する。
【0065】
ここで、図7A図7B、及び図7Cを参照して、ステップS12における測線GDを決定する処理の詳細を説明する。ここでは、図3に示すような、管路が直線状であり、走査長が第2の走査長L2である例における処理の詳細を説明する。
【0066】
ステップS1201において、測線決定部42が、全体走査開始位置に基づいて、第1の単位走査開始位置Ps1を決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、全体走査開始位置を第1の単位走査開始位置Ps1と決定する。
【0067】
ステップS1202において、測線決定部42が、第1の単位走査開始位置Ps1と、管路の位置及び形状とに基づいて、第1の管路走査位置Pp1を決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第1の単位走査開始位置Ps1から、管路対応領域CLの延在方向(x軸方向)の直交方向(y軸方向)に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点を第1の管路走査位置Pp1と決定する。
【0068】
ステップS1203において、測線決定部42が、第1の管路走査位置Pp1と走査長とに基づいて、第1の単位走査終了位置Pf1を決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第1の管路走査位置Pp1からy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第1の単位走査終了位置Pf1を決定する。
【0069】
ステップS1204において、測線決定部42が、第1の単位走査開始位置Ps1及び第1の単位走査終了位置Pf1に基づいて第1の単位走査における測線GD1を決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第1の単位走査開始位置Ps1から第1の単位走査終了位置Pf1までの長さ及び方向を示すベクトルを第1の単位走査における測線GD1と決定する。
【0070】
ステップS1205において、測線決定部42が、i=2とする。
【0071】
ステップS1206において、測線決定部42が、第(i-1)の単位走査開始位置Ps(i-1)と走査間隔Wとに基づいて、第iの単位走査開始位置Psiを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第(i-1)の単位走査開始位置Ps(i-1)から+x軸方向に走査間隔Wだけ離れた位置を第iの単位走査開始位置Psiと決定する。
【0072】
ステップS1207において、測線決定部42が、第iの単位走査開始位置Psiからy軸方向に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点が存在するか否かを判定する。
【0073】
ステップS1207で、交点が存在すると判定されると、ステップS1208において、測線決定部42が、第iの管路走査位置Ppiを決定する。具体的には、測線決定部42が、該交点を第iの管路走査位置Ppiと決定する。
【0074】
ステップS1209において、測線決定部42が、第iの管路走査位置Ppiと走査長とに基づいて、第iの単位走査終了位置Pfiを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第iの管路走査位置Ppiからy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第iの単位走査終了位置Pfiと決定する。
【0075】
ステップS1210において、測線決定部42が、第iの単位走査開始位置Psi及び第iの単位走査終了位置Pfiに基づいて、第iの単位走査における測線GDiを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第iの単位走査開始位置Psiから第iの単位走査終了位置Pfiまでの長さ及び方向を示すベクトルを第iの単位走査における測線GDiと決定する。
【0076】
ステップS1211において、i=i+1として、ステップS1206に戻って、処理を繰り返す。
【0077】
ステップS1207で、交点が存在しないと判定されると、ステップS1212において、j=2とする。
【0078】
ステップS1213において、測線決定部42が、第(j-1)の単位走査開始位置Ps(j-1)と走査間隔Wとに基づいて、第jの単位走査開始位置Psjを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第(j-1)の単位走査開始位置Ps(j-1)から-x軸方向に走査間隔Wだけ離れた位置を第jの単位走査開始位置Psjと決定する。
【0079】
ステップS1214において、測線決定部42が、第jの単位走査開始位置Psjからy軸方向に延在する直線と、管路対応領域CLとの交点が存在するか否かを判定する。
【0080】
ステップS1214で、交点が存在すると判定されると、ステップS1215において、測線決定部42が、第jの管路走査位置Ppjを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、該交点を第jの管路走査位置Ppjと決定する。
【0081】
ステップS1216において、測線決定部42が、第jの管路走査位置Ppjと走査長とに基づいて、第jの単位走査終了位置Pfjを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第jの管路走査位置Ppjからy軸方向への長さが第2の走査長L2となる位置を第jの単位走査終了位置Pfjと決定する。
【0082】
ステップS1217において、測線決定部42が、第jの単位走査開始位置Psj及び第jの単位走査終了位置Pfjに基づいて、第jの単位走査における測線GDjを決定する。図3に示す例では、測線決定部42が、第jの単位走査開始位置Psjから第jの単位走査終了位置Pfjまでの長さ及び方向を第jの単位走査における測線GDjと決定する。
【0083】
ステップS1218において、j=j+1として、ステップS1213に戻って、処理を繰り返す。
【0084】
ステップS1214で、交点が存在しないと判定されると、測線決定部42が、処理を終了する。
【0085】
これにより、測線GD1、GDi、GDjを含む、全体走査における測線GDが決定される。
【0086】
ステップS13において、表示制御部47が、測線GDに基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を表示する表示装置3を制御する。
【0087】
上述したように、第1の実施形態によれば、走査システム100は、管路情報及び設定情報の入力を受け付け、管路情報及び設定情報に基づいて、測線GDを決定し、測線GDに基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を表示する表示装置3を制御する。このため、走査システム100は、作業者に迅速に測線GDを認識させることによって、迅速に管路を走査することができる。また、走査システム100は、作業者が測線GDを決定する作業に要する負荷を低減することができる。
【0088】
また、第1の実施形態によれば、走査システム100において、表示制御部47は、撮像部43の位置、方向、及び姿勢に基づいて、撮像部43によって、管路が埋設されている地中に対応する地表面が撮像された撮像画像に、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を重畳した重畳画像を生成する。そして、表示制御部47は、表示装置3が重畳画像を表示するよう制御する。このため、作業者は、自身が移動させる走査装置2の測線GDと、撮像画像に像が示されている地表面との関係を正確に認識することができる。
【0089】
<<第2の実施形態>>
図8を参照して第2の実施形態の全体構成について説明する。図8は、第2の実施形態に係る走査システム100-1の概略図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の機能部については同じ符号を付加し、説明を省略する。
【0090】
図8に示すように、走査システム100-1は、管路管理装置1と、走査装置2と、表示装置3と、走査ガイド生成装置4-1と、投影装置5とを備える。投影装置5は、図9Aに示すように、走査ガイド生成装置4-1と別体として設けられていてもよいし、図9Bに示すように、走査ガイド生成装置4-1と一体に設けられていてもよい。
【0091】
<走査ガイド生成装置の構成>
図8に示すように、走査ガイド生成装置4-1は、入力部41と、測線決定部42と、投影制御部(装置制御部)47-1と、走査制御部48と、走査情報記憶部49とを含む。
【0092】
投影制御部47-1は、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を投影する投影装置を制御する。
【0093】
具体的には、投影制御部47-1は、投影装置5の画像表示面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を含む投影用画像を生成する。例えば、投影制御部47-1は、投影装置5の画像表示面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、投影用画像内における位置と、投影用画像が投影される実空間との対応関係を算出する。投影装置5の画像表示面の位置、方向、及び姿勢を示す情報は、通信ネットワークを介して走査ガイド生成装置4-1に送信されてもよいし、入力部41によって入力が受け付けられてもよい。
【0094】
また、図9Bに示す例のように、投影装置5が走査ガイド生成装置4-1と一体に設けられている構成において、走査ガイド生成装置4-1は、位置検出部44、方向検出部45、及び姿勢検出部46をさらに備えてもよい。この場合、位置検出部44、方向検出部45、及び姿勢検出部46によって、それぞれ投影装置5の画像表示面の位置、方向、及び姿勢が検出されてもよい。
【0095】
そして、投影制御部47-1は、投影用画像内における位置と、投影用画像が投影される実空間との対応関係に基づいて、実空間における測線GDの位置に、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を投影させるように投影装置5を制御する。図9A及び図9Bに示す例では、ガイド線OB1は、測線GDの位置及び方向を示す矢印の形状を有している。
【0096】
このとき、投影制御部47-1は、投影装置5が、走査の対象である管路を示す画像オブジェクトOB2をさらに含む投影用画像を投影するよう制御してもよい。具体的には、投影制御部47-1は、実空間における、走査の対象である管路の位置に画像オブジェクトOB2が投影されるように投影装置5を制御してもよい。
【0097】
投影制御部47-1は、投影装置5が、走査の対象である管路とは異なる管路を示す画像オブジェクトOB3をさらに含む投影用画像を投影するよう制御してもよい。具体的には、投影制御部47-1は、実空間における、走査の対象である管路とは異なる管路の位置に画像オブジェクトOB2が投影されるように投影装置5を制御してもよい。
【0098】
投影制御部47-1は、図9A及び図9Bに示すように、投影装置5が投影用画像を地表面に投影するよう制御する。
【0099】
<投影装置の構成>
投影装置5は、走査ガイド生成装置4-1の制御に基づいて、画像を投影する。投影装置5は、液晶パネル、DLP(Digital Light Processing)等を含むプロジェクタによって構成される。
【0100】
<走査システムの動作>
ここで、第2の実施形態に係る走査システム100-1の動作について、図10の動作の一例を示すフローチャートである。図10を参照して説明する走査システム100-1における動作は第2の実施形態に係る走査システム100-1の走査方法の一例に相当する。
【0101】
ステップS21において、入力部41が、走査装置2が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び地表面において走査装置2を移動させる経路及び方向を示す測線GDの条件を示す設定情報の入力を受け付ける。
【0102】
ステップS22において、測線決定部42が、管路情報及び設定情報に基づいて測線GDを決定する。ステップS22の詳細は、第1の実施形態におけるステップS12の詳細と同様である。
【0103】
ステップS23において、投影制御部47-1が、測線GDに基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を投影する投影装置5を制御する。
【0104】
上述したように、第2の実施形態によれば、走査システム100-1は、管路情報及び設定情報の入力を受け付け、管路情報及び設定情報に基づいて、測線GDを決定し、測線GDに基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を投影する投影装置5を制御する。このため、走査システム100-1は、作業者に迅速に測線GDを認識させることによって、迅速に管路を走査することができる。また、走査システム100-1は、作業者が測線GDを決定する作業に要する負荷を低減することができる。さらに、作業者が見るように配設されている表示装置3を見ることができない位置にいる他の人物(例えば、管路の所有者、点検作業の関係者)も、迅速に測線GDを認識することができる。
【0105】
また、第2の実施形態によれば、走査システム100-1において、投影制御部47-1は、投影装置5の画像表示面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、測線GDを示す画像であるガイド線OB1を含む投影用画像を生成する。そして、投影制御部47-1は、投影装置5が、投影用画像を地表面に投影するよう制御する。このため、作業者は、自身が移動させる走査装置2の測線GDの位置を正確に認識することができる。また、表示装置3を見ることのできない位置にいる他の人物も測線GDの位置を正確に認識することができる。
【0106】
<<第3の実施形態>>
図11を参照して第3の実施形態の全体構成について説明する。図11は、第3の実施形態に係る走査システム100-2の概略図である。第2の実施形態と同一の機能部については同じ符号を付加し、説明を省略する。
【0107】
図11に示すように、第3の実施形態に係る走査システム100-2は、管路管理装置1と、走査装置2と、表示装置3と、走査ガイド生成装置4-2と、駆動装置6とを備える。
【0108】
<走査ガイド生成装置の構成>
走査ガイド生成装置4-2は、入力部41と、測線決定部42と、撮像部43と、位置検出部44と、駆動制御部(装置制御部)47-2と、走査制御部48と、走査情報記憶部49とを含む。
【0109】
駆動制御部47-2は、測線決定部42によって決定された測線GDが示す経路及び方向を移動するよう走査装置2を駆動する駆動装置6を制御する。
【0110】
例えば、駆動制御部47-2は、走査装置2の現在位置に基づいて、駆動装置6が、測線GDが示す経路及び方向を移動するよう走査装置2を制御してもよい。走査装置2の現在位置は、任意の方法によって取得されてよい。例えば、走査装置2がGPS受信機等の位置検出部を備え、該位置検出部によって検出された位置を示す情報が、走査ガイド生成装置4-2に送信されてもよい。また、走査装置2が走査ガイド生成装置4-2と一体に構成され、走査ガイド生成装置4-2がGPS受信機等の位置検出部を備え、該位置検出部によって走査装置2の現在位置が検出されてもよい。
【0111】
また、駆動制御部47-2は、図12に示すような、一の単位走査における測線GDの単位走査終了位置Pfから、他の単位走査における測線GDの単位走査開始位置Psまでを最短で通過する補助線GDSを決定してもよい。このとき、他の単位走査における測線GDは、一の単位走査における測線GDから最も近く位置する測線GDであってもよい。このような構成において、駆動制御部47-2は、走査装置2が、一の測線GDの単位走査終了位置から、他の単位走査における測線GDの単位走査開始位置Psまで、補助線GDSが示す経路及び方向を移動するよう制御してもよい。
【0112】
また、第3の実施形態の走査制御部48は、走査装置2が、測線GDが示す経路及び方向を移動しているときに電磁波を発生させるように制御してもよい。走査制御部48は、走査装置2が補助線GDSが示す経路及び方向を移動しているときに電磁波を発生させないように制御してもよい。
【0113】
<駆動装置の構成>
駆動装置6は、走査ガイド生成装置4-2の制御に基づいて、走査装置2を駆動させる。駆動装置6は、モーター等によって構成される。
【0114】
<走査システムの動作>
ここで、第3の実施形態に係る走査システム100-2の動作について、図13を参照して説明する。図13は、第3の実施形態に係る走査システム100-2の動作の一例を示すシーケンス図である。図13を参照して説明する走査システム100-2における動作は、第3の実施形態に係る走査システム100-2の走査方法の一例に相当する。
【0115】
ステップS31において、入力部41が、走査装置2が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び地表面において走査装置2を移動させる経路及び方向を示す測線GDの条件を示す設定情報の入力を受け付ける。
【0116】
ステップS32において、測線決定部42が、管路情報及び設定情報に基づいて測線GDを決定する。ステップS32の詳細は、第1の実施形態におけるステップS12の詳細と同様である。
【0117】
ステップS33において、駆動制御部47-2が、測線決定部42によって決定された測線GDが示す経路及び方向を移動するよう走査装置2を駆動する駆動装置6を制御する。
【0118】
上述したように、第3の実施形態によれば、走査システム100-2は、管路情報及び設定情報の入力を受け付け、管路情報及び設定情報に基づいて、測線GDを決定し、測線GDに基づいて、走査装置2を駆動する駆動装置6を制御する。このため、走査システム100-2は、作業者が測線GDを認識することなく、迅速に管路を走査することができる。また、走査システム100-2は、作業者が測線GDを決定する作業に要する負荷を低減することができる。
【0119】
第1から第3の実施形態で説明したように測線GDが決定される場合、複数の単位走査の各測線GDの方向は同一となる。これにより、例えば、測線GDが互いに隣接する2つの単位走査それぞれにおける、電磁波強度の分布は、走査間隔Wだけずれて表される。そのため、作業者は、複数の単位走査における分布を、実空間における位置に、容易に対応付けて認識することができる。これに対して、複数の単位走査における測線GDの向きが同一でない場合、2つの単位走査における分布は、走査間隔Wだけずれ、さらに、反転して表されることがある。そのため、作業者は、複数の単位走査における分布を、実空間における位置に、容易に対応付けて認識することができない。このように、作業者は、複数の単位走査の測線GDの向きが同一であることによって、容易に管路の位置を特定することができる。
【0120】
<第1の変形例>
上述した第1から第3の実施形態において、測線決定部42は、複数の単位走査の測線GDの方向が異なるように測線GDを決定してもよい。このような構成において、全ての測線GDの向きが同一である場合に比べて、補助線GDSの長さが短いことがある。この場合、走査装置2は、一の測線GDの単位走査終了位置Pfから、該一の測線GDの次に移動する他の測線GDの単位走査開始位置Psまで効率的に移動することができる。
【0121】
<第2の変形例>
また、上述した第1の実施形態の第1の例及び第2の例において、設定情報に含まれる走査長は、第2の走査長L2であったが、この限りではない。例えば、設定情報に含まれる走査長は、全体走査長L0であってもよい。このような構成において、測線決定部42は、第iの管路走査位置Ppiを決定すると、第iの単位走査開始位置Psiから第iの単位走査終了位置Pfiまでの距離が全体走査長L0となるように第iの単位走査終了位置Pfiを決定する。同様にして、測線決定部42は、第jの管路走査位置Ppjを決定すると、第jの単位走査開始位置Psjから第jの単位走査終了位置Pfjまでの距離が全体走査長L0となるように第jの単位走査終了位置Pfjを決定する。
<第3の変形例>
第1から第3の実施形態において、測線決定部42は、単位走査開始位置Psと管路の位置及び形状とに基づいて、管路走査位置Ppを決定し、管路走査位置Ppと走査長とに基づいて単位走査終了位置Pfを決定したが、この限りではない。例えば、測線決定部42は、単位走査終了位置Pfと管路の位置及び形状とに基づいて、管路走査位置Ppを決定してもよい。そして、測線決定部42は、管路走査位置Ppと走査長とに基づいて、単位走査開始位置Psを決定してもよい。
【0122】
<第4の変形例>
第1から第3の実施形態において、管路が円弧状である場合、測線決定部42は単位走査開始位置Psを円の中心Oと決定したがこの限りではない。例えば、測線決定部42は、単位走査終了位置Pfを円の中心Oと決定してもよい。このような構成において、測線決定部42は、単位走査終了位置Pfと管路の位置及び形状とに基づいて、管路走査位置Ppを決定してもよい。そして、測線決定部42は、管路走査位置Ppと走査長とに基づいて、単位走査開始位置Psを決定してもよい。
【0123】
<第5の変形例>
第2及び第3の実施形態の表示装置3は、第1の実施形態の表示装置3とは異なり、重畳画像を表示しなくてもよい。
【0124】
<プログラム>
上述した走査ガイド生成装置4、4-1、及び4-2は、コンピュータ101によって実現することができる。また、走査ガイド生成装置4、4-1、及び4-2として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、該プログラムは、格納媒体に格納されてもよいし、ネットワークを通して提供されてもよい。図14は、走査ガイド生成装置4、4-1、及び4-2としてそれぞれ機能するコンピュータ101の概略構成を示すブロック図である。ここで、コンピュータ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0125】
図14に示すように、コンピュータ101は、プロセッサ110と、ROM(Read Only Memory)120と、RAM(Random Access Memory)130と、ストレージ140と、入力部150と、表示部160と、通信インターフェース(I/F)170とを備える。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ110は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。
【0126】
プロセッサ110は、各構成の制御、及び各種の演算処理を実行する。すなわち、プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140からプログラムを読み出し、RAM130を作業領域としてプログラムを実行する。プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140に格納されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。上述した実施形態では、ROM120又はストレージ140に、本開示に係るプログラムが格納されている。
【0127】
プログラムは、コンピュータ101が読み取り可能な格納媒体に格納されていてもよい。このような格納媒体を用いれば、プログラムをコンピュータ101にインストールすることが可能である。ここで、プログラムが格納された格納媒体は、非一時的(non-transitory)格納媒体であってもよい。非一時的格納媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0128】
ROM120は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM130は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを格納する。ストレージ140は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0129】
入力部150は、ユーザの入力操作を受け付けて、ユーザの操作に基づく情報を取得する1つ以上の入力インターフェースを含む。例えば、入力部150は、ポインティングデバイス、キーボード、マウスなどであるが、これらに限定されない。
【0130】
表示部160は、情報を出力する1つ以上の出力インターフェースを含む。例えば、表示部160は、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカであるが、これらに限定されない。なお、表示部160は、タッチパネル方式のディスプレイである場合には、入力部150としても機能する。
【0131】
通信インターフェース(I/F)170は、外部の装置と通信するためのインターフェースである。
【0132】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0133】
(付記項1)
地表面を移動し、前記地表面の下方の地中を走査する走査装置と、走査ガイド生成装置と、を備え、
前記走査ガイド生成装置は、
前記地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力インターフェースと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定し、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する、走査システム。
(付記項2)
前記走査ガイド生成装置は、前記地表面を撮像した撮像画像を生成するカメラをさらに備え、
前記制御部は、前記撮像部の撮像面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、前記撮像画像に前記ガイド線を重畳した重畳画像を生成し、前記表示装置が前記重畳画像を表示するよう制御する、付記項1に記載の走査システム。
(付記項3)
前記制御部は、前記投影装置の画像表示面の位置、方向、及び姿勢に基づいて、前記ガイド線含む投影用画像を生成し、前記投影装置が、前記投影用画像を前記地表面に投影するよう制御する、付記項1に記載の走査システム。
(付記項4)
前記制御部は、前記測線を移動するよう前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する、付記項1に記載の走査システム。
(付記項5)
前記設定情報は、前記走査装置が一の直線上を移動する長さを示す走査長、前記走査装置が、前記地中における前記管路の領域を前記地表面に投影した管路対応領域の延在方向の直交方向に延在する一の直線上を移動しながら走査する単位走査の、前記延在方向における間隔を示す走査間隔、及び複数の前記単位走査を含む全体走査を開始する位置である全体走査開始位置を含み、
前記制御部は、前記全体走査開始位置に基づいて、前記単位走査を開始する単位走査開始位置を決定し、前記単位走査開始位置と、前記形状によって示される前記管路の延在方向と、前記走査長とに基づいて、前記単位走査を終了する位置である単位走査終了位置を決定し、前記単位走査開始位置から前記単位走査終了位置までの長さ及び方向を、前記単位走査における前記測線と決定し、前記走査間隔に基づいて、複数回、前記単位走査における前記測線を決定することによって、複数の前記単位走査を含む全体走査の測線を決定する、付記項1から3のいずれか一項記載の走査システム。
(付記項6)
走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付ける入力インターフェースと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定し、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御する走査ガイド生成装置。
(付記項7)
走査装置が移動する地表面の下方の地中における管路の想定される位置及び形状を示す管路情報、及び前記地表面において前記走査装置を移動させる経路及び方向を示す測線の条件を示す設定情報の入力を受け付けるステップと、
前記管路情報及び前記設定情報に基づいて、前記測線を決定するステップと、
前記測線を示す画像であるガイド線を表示する表示装置、前記ガイド線を投影する投影装置、又は前記走査装置を駆動する駆動装置を制御するステップと、
を含む走査方法。
(付記項8)
コンピュータによって実行可能なプログラムを格納した非一時的格納媒体であって、前記コンピュータを付記項6に記載の走査ガイド生成装置として機能させる、プログラムを格納した非一時的格納媒体。
【0134】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0135】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 管路管理装置
2 走査装置
3 表示装置
4、4-1、4-2 走査ガイド生成装置
5 投影装置
6 駆動装置
21 電磁波発生部
22 アンテナ
23 電磁波受信部
24 距離計測部
41 入力部
42 測線決定部
43 撮像部
44 位置検出部
45 方向検出部
46 姿勢検出部
47 表示制御部
47-1 投影制御部
47-2 駆動制御部
48 走査制御部
49 走査情報記憶部
100、100-1、100-2 走査システム
101 コンピュータ
110 プロセッサ
120 ROM
130 RAM
140 ストレージ
150 入力部
160 出力部
170 通信インターフェース
180 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14