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特許7710366分散型エネルギーリソース管理装置、分散型エネルギーリソース管理システムおよび分散型エネルギーリソース管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-10
(45)【発行日】2025-07-18
(54)【発明の名称】分散型エネルギーリソース管理装置、分散型エネルギーリソース管理システムおよび分散型エネルギーリソース管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20250711BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20250711BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20250711BHJP
   H02J 3/16 20060101ALI20250711BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
H02J3/38 130
H02J3/46
H02J3/16
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021202873
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023088177
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】松田 啓史
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊介
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-085728(JP,A)
【文献】特開2021-132499(JP,A)
【文献】国際公開第2014/207848(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/38
H02J 3/46
H02J 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電系統に接続された分散型エネルギーリソースに関する情報および前記配電系統に関する情報を取得する情報取得部と、
前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースに含まれる太陽光発電の出力最大値および出力最小値を予測する太陽光発電出力予測部と、
前記情報取得部が取得した前記情報と、前記太陽光発電出力予測部が予測した前記出力最大値および前記出力最小値とを用いて、前記太陽光発電の出力が前記出力最大値となる出力最大条件での最適潮流計算および前記太陽光発電の出力が前記出力最小値となる出力最小条件での最適潮流計算を行い、前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースの制御量を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する最適潮流計算部と、
前記最適潮流計算で得られた前記配電系統の電圧分布に基づいて、前記分散型エネルギーリソースの整定値を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する整定値演算部と、
前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を前記分散型エネルギーリソースに通知する制御情報出力部と、
を備えることを特徴とする分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項2】
前記情報取得部が取得する前記分散型エネルギーリソースに関する情報は、前記分散型エネルギーリソースから前記配電系統への出力電力の制御可能範囲と、前記分散型エネルギーリソースから前記配電系統への出力電力の制御方法の情報とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項3】
前記情報取得部が取得する前記配電系統に関する情報は、前記配電系統のトポロジーを示す情報と、前記配電系統を構成する各配電線のインピーダンスと、前記配電系統に設置された電圧調整器の位置情報と、を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項4】
前記分散型エネルギーリソースから前記配電系統への出力電力の上限を前記出力最大条件における前記整定値とする、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項5】
前記整定値演算部は、前記太陽光発電出力予測部が予測した前記出力最大値と、前記最適潮流計算部が決定した前記出力最大条件における前記制御量に含まれる有効電力の制御量とに基づいて、前記出力電力の上限を決定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項6】
前記分散型エネルギーリソースから前記配電系統への出力電圧の目標値と、前記分散型エネルギーリソースが前記配電系統へ出力する電力の制御を行わない範囲である不感帯とを前記整定値とする、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項7】
前記整定値演算部は、太陽光発電の出力が最大の場合の前記電圧分布と、前記分散型エネルギーリソースが設置されている地点の位置情報とに基づいて、前記不感帯の上限を決定し、太陽光発電の出力が最小の場合の前記電圧分布と、前記分散型エネルギーリソースが設置されている地点の位置情報とに基づいて、前記不感帯の下限を決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の分散型エネルギーリソース管理装置。
【請求項8】
需要家に設置された分散型エネルギーリソースの管理および制御を行う仮想変電所アグリゲータシステムと、
配電系統の適正状態を維持するために、前記配電系統に接続された分散型エネルギーリソースおよび前記配電系統に設置された機器の管理および制御を行う配電自動化システムと、
前記仮想変電所アグリゲータシステムが管理する前記分散型エネルギーリソースおよび前記配電自動化システムが管理する前記分散型エネルギーリソースを統合的に管理する分散型エネルギーリソース管理装置と、
を備え、
前記分散型エネルギーリソース管理装置は、
前記仮想変電所アグリゲータシステムが管理する前記分散型エネルギーリソースに関する情報、前記配電自動化システムが管理する前記分散型エネルギーリソースに関する情報、および前記配電系統に関する情報を、前記仮想変電所アグリゲータシステムおよび前記配電自動化システムから取得する情報取得部と、
前記分散型エネルギーリソースに含まれる太陽光発電の出力最大値および出力最小値を予測する太陽光発電出力予測部と、
前記情報取得部が取得した前記情報と、前記太陽光発電出力予測部が予測した前記出力最大値および前記出力最小値とを用いて、前記太陽光発電の出力が前記出力最大値となる出力最大条件での最適潮流計算および前記太陽光発電の出力が前記出力最小値となる出力最小条件での最適潮流計算を行い、前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースの制御量を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する最適潮流計算部と、
前記最適潮流計算で得られた前記配電系統の電圧分布に基づいて、前記分散型エネルギーリソースの整定値を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する整定値演算部と、
前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を前記分散型エネルギーリソースに通知する制御情報出力部と、
を備えることを特徴とする分散型エネルギーリソース管理システム。
【請求項9】
制御情報出力部は、前記仮想変電所アグリゲータシステムが管理している前記分散型エネルギーリソースについて前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を、前記仮想変電所アグリゲータシステムを介して通知し、前記配電自動化システムが管理している前記分散型エネルギーリソースについて前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を、前記配電自動化システムを介して通知する、
ことを特徴とする請求項8に記載の分散型エネルギーリソース管理システム。
【請求項10】
制御情報出力部は、前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を、前記分散型エネルギーリソースに直接通知する、
ことを特徴とする請求項8に記載の分散型エネルギーリソース管理システム。
【請求項11】
需要家に設置された分散型エネルギーリソースの管理および制御を行う仮想変電所アグリゲータシステムと、
配電系統の適正状態を維持するために、前記配電系統に接続された分散型エネルギーリソースおよび前記配電系統に設置された機器の管理および制御を行う配電自動化システムと、
前記分散型エネルギーリソースに含まれる太陽光発電の出力最大値および出力最小値を予測する太陽光発電量予測システムと、
前記仮想変電所アグリゲータシステムが管理する前記分散型エネルギーリソースおよび前記配電自動化システムが管理する前記分散型エネルギーリソースを統合的に管理する分散型エネルギーリソース管理装置と、
を備え、
前記分散型エネルギーリソース管理装置は、
前記仮想変電所アグリゲータシステムが管理する前記分散型エネルギーリソースに関する情報、前記配電自動化システムが管理する前記分散型エネルギーリソースに関する情報、および前記配電系統に関する情報を、前記仮想変電所アグリゲータシステムおよび前記配電自動化システムから取得し、前記太陽光発電量予測システムが予測した前記出力最大値および前記出力最小値を前記太陽光発電量予測システムから取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記情報と、前記太陽光発電量予測システムが予測した前記出力最大値および前記出力最小値とを用いて、前記太陽光発電の出力が前記出力最大値となる出力最大条件での最適潮流計算および前記太陽光発電の出力が前記出力最小値となる出力最小条件での最適潮流計算を行い、前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースの制御量を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する最適潮流計算部と、
前記最適潮流計算で得られた前記配電系統の電圧分布に基づいて、前記分散型エネルギーリソースの整定値を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する整定値演算部と、
前記最適潮流計算部が決定した前記制御量および前記整定値演算部が決定した前記整定値を前記分散型エネルギーリソースに通知する制御情報出力部と、
を備えることを特徴とする分散型エネルギーリソース管理システム。
【請求項12】
配電系統に接続された分散型エネルギーリソースに関する情報および前記配電系統に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースに含まれる太陽光発電の出力最大値および出力最小値を予測する太陽光発電出力予測ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記情報と、前記太陽光発電出力予測ステップで予測した前記出力最大値および前記出力最小値とを用いて、前記太陽光発電の出力が前記出力最大値となる出力最大条件での最適潮流計算および前記太陽光発電の出力が前記出力最小値となる出力最小条件での最適潮流計算を行い、前記配電系統に接続された前記分散型エネルギーリソースの制御量を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する最適潮流計算ステップと、
前記最適潮流計算で得られた前記配電系統の電圧分布に基づいて、前記分散型エネルギーリソースの整定値を前記出力最大条件および前記出力最小条件のそれぞれについて決定する整定値決定ステップと、
前記最適潮流計算ステップで決定した前記制御量および前記整定値決定ステップで決定した前記整定値を前記分散型エネルギーリソースに通知する制御情報出力ステップと、
をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする分散型エネルギーリソース管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分散型エネルギー資源(DER:Distributed Energy Resource)を管理する分散型エネルギーリソース管理装置、分散型エネルギーリソース管理システムおよび分散型エネルギーリソース管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電設備を導入する一般家庭が増加している。一般家庭の太陽光発電設備で発電された電力のうち、家庭内で消費しきれない余剰電力は、配電系統を介して電力事業者に売電されたり、蓄電池に蓄えられ、発電量が少ない時間帯に消費されたりする。また、太陽光発電設備を備えた電力事業者も存在する。
【0003】
ここで、太陽光発電は、天候に応じて発電量が大きく変動するため、この影響を受けて送配電系統の電流および電圧が適正状態から逸脱するのを防止するための対策が必要となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、再生可能エネルギーなどの出力変動が発生した場合でも電力系統の電圧と無効電力のバランス維持を達成可能にする技術が開示されている。特許文献1に記載の電圧無効電力運用支援・監視制御装置は、系統の各所に設置され、設置場所における電圧等の制御を個別に行う個別制御装置の動作予測を、系統の計測値および予測値、再生可能エネルギーの出力変動の予測値などを用いて行い、動作予測結果を運用者に提供する。また、動作予測結果を用いて個別制御装置に設定する不感帯幅を計算し、個別制御装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6876406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電圧無効電力運用支援・監視制御装置は、予め作成されている再生可能エネルギーの出力変動の予測値を用いて個別制御装置の動作を予測し、設定する不感帯幅を計算するため、動作予測に用いる再生可能エネルギーの出力変動の予測値を算出する際に想定していた天候と実際の天候が異なる場合、電圧を適正な状態に維持することが困難となる。
【0007】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、系統に接続されている太陽光発電の発電量が変化した場合でも系統の電圧を適正範囲に維持できるようにする分散型エネルギーリソース管理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる分散型エネルギーリソース管理装置は、配電系統に接続された分散型エネルギーリソースに関する情報および配電系統に関する情報を取得する情報取得部と、配電系統に接続された分散型エネルギーリソースに含まれる太陽光発電の出力最大値および出力最小値を予測する太陽光発電出力予測部とを備える。また、分散型エネルギーリソース管理装置は、情報取得部が取得した情報と、太陽光発電出力予測部が予測した出力最大値および出力最小値とを用いて、太陽光発電の出力が出力最大値となる出力最大条件での最適潮流計算および太陽光発電の出力が出力最小値となる出力最小条件での最適潮流計算を行い、配電系統に接続された分散型エネルギーリソースの制御量を出力最大条件および出力最小条件のそれぞれについて決定する最適潮流計算部と、最適潮流計算で得られた配電系統の電圧分布に基づいて、分散型エネルギーリソースの整定値を出力最大条件および出力最小条件のそれぞれについて決定する整定値演算部と、最適潮流計算部が決定した制御量および整定値演算部が決定した整定値を分散型エネルギーリソースに通知する制御情報出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる分散型エネルギーリソース管理装置によれば、系統に接続されている太陽光発電の発電量が変化した場合でも系統の電圧を適正範囲に維持できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置の構成例を示す図
図3】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置の最適潮流計算部が行う最適潮流計算の一例を示す図
図4】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置の整定値演算部が行う整定値計算の第1の例を示す図
図5】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置の整定値演算部が行う整定値計算の第2の例を示す図
図6】実施の形態1にかかるVPPアグリゲータシステムの構成例を示す図
図7】実施の形態1にかかる配電自動化システムの構成例を示す図
図8】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置がDERを制御する動作の一例を示すフローチャート
図9】分散型エネルギーリソース管理装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
図10】実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システムの他の構成例を示す図
図11】実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理システムの構成例を示す図
図12】実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理装置の構成例を示す図
図13】実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理システムを構成する太陽光発電量予測システムの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施の形態にかかる分散型エネルギーリソース管理装置、分散型エネルギーリソース管理システムおよび分散型エネルギーリソース管理プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100の構成例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、分散型エネルギーリソース管理システム100は、分散型エネルギーリソース管理装置1と、VPP(Virtual Power Plant,仮想変電所)アグリゲータシステム2と、配電自動化システム3とを含んで構成される。
【0014】
図1に示す分散型エネルギーリソース管理システム100は、DERMS(Distributed Energy Resource Management Systems)と称されるシステムに相当する。DERMSは、太陽光発電(PV:PhotoVoltaic power generation system)、蓄電池等の分散型エネルギーリソースからそれぞれの運転状態などの情報を収集して統合的に管理し、DERが接続されている送配電系統の電流および電圧が適正な範囲を維持するように、必要に応じてDERの制御等を行う。
【0015】
詳細については後述するが、分散型エネルギーリソース管理装置1は、需要家の家庭に設置されたDERに対する制御指令の送信、整定値の指令の送信などをVPPアグリゲータシステム2経由で行う。また、分散型エネルギーリソース管理装置1は、電力事業者等により設置されたDERおよび電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)に対する制御指令の送信、整定値の送信などを配電自動化システム3経由で行う。これにより配電系統の電流および電圧が定められた適正な範囲から逸脱してしまうのを防止する。また、分散型エネルギーリソース管理装置1は、DERのうち、配電系統へ出力する電力量が天候に左右されて大きく変動する太陽光発電について、配電系統へ出力される電力量を予測し、予測結果に基づいて、配電系統に接続されている各DERの制御、DERが動作するために必要な整定値の決定および通知などを行う。これにより、天候の変化により太陽光発電の発電量が変動し、配電系統への出力電力量に変動が生じた場合であっても配電系統の電流および電圧が適正範囲から逸脱しないようにする。なお、以降の説明では、DERの中のPVが配電系統へ出力する電力を「PV出力」と称する場合がある。
【0016】
VPPアグリゲータシステム2は、需要家に設置されたDERの管理および制御などを行う。図1では、VPPアグリゲータシステム2が管理するDERの例として、家庭用EV(Electric Vehicle)充電器54および家庭用蓄電池55を記載している。また、VPPアグリゲータシステム2は、定められた条件を満たした場合、管理対象のDERに関する情報を管理機器情報として分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信する。定められた条件には、例えば、分散型エネルギーリソース管理装置1から指示や要求を受けた場合、事前に設定された時刻またはタイミング(1日1回、30分ごと、など)となった場合などが該当する。図1に示す例では、DER制御可能範囲が管理機器情報としてVPPアグリゲータシステム2から分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信される。ここで、DER制御可能範囲とは、DERが配電系統に出力する有効電力の制御可能範囲、無効電力の制御可能範囲および皮相電力の制御可能範囲である。なお、VPPアグリゲータシステム2が管理するDERにPVが含まれていてもよい。また、VPPアグリゲータシステム2は、分散型エネルギーリソース管理装置1から、後述する無効電力制御量および有効電力制御量(図1では電力制御量と記載)と、整定値とを受信し、これらの受信情報に基づいてDERを制御する。
【0017】
配電自動化システム3は、配電系統の電流および電圧の適正状態を維持するために、電力事業者等により設置されたDER、SVRなどの機器の管理、制御などを行う。図1では、配電自動化システム3が管理する機器の例として、太陽光発電設備(PV)51、EV充電器52、系統用蓄電池53およびSVR4を記載している。
【0018】
また、配電自動化システム3は、定められた条件を満たした場合、管理対象の機器および配電系統に関する情報を管理対象物情報として分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信する。定められた条件には、例えば、分散型エネルギーリソース管理装置1から指示や要求を受けた場合、事前に設定された時刻またはタイミング(1日1回、30分ごと、など)となった場合などが該当する。図1に示す例では、系統情報、負荷情報、発電実績値、DER制御可能範囲、SVR情報が管理対象物情報として配電自動化システム3から分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信される。ここで、系統情報は、配電系統のトポロジーを示す配電線情報、配電系統を構成する各配電線のインピーダンス、SVRの位置の情報などである。負荷情報は、需要家における電力消費量の情報であり、何時にどれくらいの電力を需要家が消費しているかを示す。SVR情報は、SVRが有する機能の情報などである。なお、発電実績値の代わりに、PVなどの発電設備が配電系統に出力した電力の実績値を送信するようにしてもよい。また、配電自動化システム3は、分散型エネルギーリソース管理装置1から、後述する無効電力制御量および有効電力制御量(図1では電力制御量と記載)と、整定値とを受信し、これらの受信情報に基づいてDERを制御する。
【0019】
ここで、VPPアグリゲータシステム2が管理するDERおよび配電自動化システム3が管理するDERは、通信機能を有するスマートインバータを備える。DERのスマートインバータは、通信機能を使用して、外部から有効電力および無効電力の制御指令を受信する、もしくは、ローカル制御の整定値の指令を受信することが可能である。ローカル制御では、外部から指令された整定値に従いDERのスマートインバータが、独自の判断で、配電系統へ出力する電圧などを制御する。このローカル制御の例として、最大出力制限制御、Volt-Var制御などが存在する。なお、外部とは、分散型エネルギーリソース管理装置1、VPPアグリゲータシステム2、配電自動化システム3などである。
【0020】
最大出力制限制御では、有効電力および無効電力の出力最大値が整定値として外部から指令され、スマートインバータは、配電系統に出力する有効電力および無効電力が整定値(出力最大値)以下の状態を維持するように動作する。Volt-Var制御では、スマートインバータの自端電圧の目標値と、制御を行わない範囲である不感帯とが整定値として外部から指令され、スマートインバータは、自端電圧が不感帯で示される範囲外の場合、自端電圧が目標値に近づくように無効電力の出力を調整する。なお、目標値は不感帯に含まれる。例えば、不感帯の中央値付近が目標値となるように外部からスマートインバータに指令される。
【0021】
つづいて、分散型エネルギーリソース管理システム100の分散型エネルギーリソース管理装置1、VPPアグリゲータシステム2および配電自動化システム3の構成および動作の詳細について説明する。
【0022】
図2は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の構成例を示す図である。図2に示すように、分散型エネルギーリソース管理装置1は、情報取得部11、太陽光発電出力予測部12、最適潮流計算部13、整定値演算部14、制御情報出力部15、記憶部16および通信部17を備える。
【0023】
情報取得部11は、通信部17を通して、VPPアグリゲータシステム2が管理しているDERに関する情報である管理機器情報と、配電自動化システム3が管理しているDER、SVR、配電系統などに関する情報である管理対象物情報とを取得する。管理機器情報および管理対象物情報には、分散型エネルギーリソース管理装置1がDERを制御する際に必要な情報、分散型エネルギーリソース管理装置1がDERに指令する整定値を決定する際に必要な情報などが含まれる。例えば、情報取得部11は、VPPアグリゲータシステム2および配電自動化システム3から、DERの制御可能範囲の情報、力率制約の有無に関する情報、DERの制御方法の情報、系統情報、SVR情報などを管理機器情報または管理対象物情報として取得する。ここで、DERの制御可能範囲とは、DERが備えるスマートインバータが配電系統に出力する有効電力の制御可能範囲、無効電力の制御可能範囲および皮相電力の制御可能範囲である。力率制約の有無に関する情報は、力率の制約があるDERか否かを示す情報である。また、DERの制御方法の情報とは、DERによる出力電力の制御が一定値制御量指令型と制御整定値指令型とのいずれであるかを示す情報である。
【0024】
太陽光発電出力予測部12は、対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する。対象時刻断面は、例えば30分断面とする。太陽光発電出力予測部12は、例えば、過去のPV出力の実績と天気の情報とを使用して機械学習を行い、機械学習で生成した学習済みモデルを利用して予測を行ってもよいし、他の方法で予測を行ってもよい。機械学習を利用してPVの最大出力および最小出力を予測する構成とする場合、例えば、学習フェーズでは、過去のPV出力の実績値と、この実績が得られた時の天気の情報とを特徴量として使用し、PV出力の実績値とその時の天気との関係を学習して学習済みモデルを生成する。機械学習に用いる天気の情報は、インターネットなどを介して外部から取得してもよいし、分散型エネルギーリソース管理装置1の利用者が手入力するなどしてもよい。また、利用フェーズでは、対象時刻断面の天気予報の情報を学習済みモデルに入力することで、PVの最大出力および最小出力の予測値を算出する。特徴量は、PV出力の実績値および天気の情報に加えて、PVの出力に影響を与える他の条件の情報を含んだ構成としてもよい。例えば、PV出力の実績値が得られた日時、PV出力の実績値が得られた時の日射量、日射強度、太陽の高度、配電系統の電圧、気温、湿度などの情報を特徴量に加えてもよい。
【0025】
また、太陽光発電出力予測部12は、機械学習を利用して予測を行うのではなく、過去の決められた期間における同一時刻断面のPV最大出力および最小出力の実績値を予測値としてもよい。また、太陽光発電出力予測部12は、対象時刻断面の太陽高度、PVの発電容量などから、PV最大発電量を見積もってもよい。例えば、太陽高度に応じた係数(1未満の値)をPVの発電容量に掛け合わせた結果をPVの最大出力の予測値とし、最小出力の予測値を例えば0kWとする。また、太陽光発電出力予測部12は、PVの発電容量をPVの最大出力の予測値とし、最小出力の予測値を0kWとしてもよい。
【0026】
最適潮流計算部13は、PVの出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれについて、電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ、制御コストを最小化するDERの制御量を、最適化計算の一種である最適潮流計算(OPF:Optimal Power Flow)により決定する。制御コストとは、制御に要する費用である。DERごとに制御コストが異なるため、最適潮流計算部13は、複数のDERのうち、どのDERを制御した場合に電流および電圧を適正範囲としつつ制御コストを最小化できるかを、最適潮流計算で導出する。最適潮流計算で使用する系統情報、予測負荷情報などの情報は、記憶部16で保持されている該当の情報を使用する。ここで、「PVの出力が最大となる条件」とは、PVの出力が最大の状態を意味し、「PVの出力が最小となる条件」とは、PVの出力が最小の状態を意味する。すなわち、最適潮流計算部13は、PVの出力が、太陽光発電出力予測部12で予測された最大出力であるときに電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ制御コストを最小化するDERの制御量を最適潮流計算により決定する。また、最適潮流計算部13は、PVの出力が、太陽光発電出力予測部12で予測された最小出力であるときに電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ制御コストを最小化するDERの制御量を最適潮流計算により決定する。なお、本実施の形態では、電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ、制御コストを最小化するDERの制御量を決定することとしたが、制御コストの代わりに、総制御量、太陽光発電出力抑制などを用いて、これらを最小化するDERの制御量を決定してもよい。すなわち、最適潮流計算部13は、電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ、総制御量を最小化するDERの制御量を決定してもよいし、電流および電圧が定められた適正範囲内となり、かつ、太陽光発電出力抑制を最小化するDERの制御量を決定してもよい。
【0027】
DERの制御量については、PVの出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれで同じ値の、有効電力の制御量および無効電力の制御量を求めてもよく、それぞれの条件について、有効電力の制御量および無効電力の制御量を個別に求めてもよい。また、PVの出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれで同一の制御量とするDERと、PVの出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれで異なる制御量とするDERとが混在していてもよい。
【0028】
一般的には、スマートインバータで連系されているDERについては、系統状態に応じて制御量を自律制御できるため、PV出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれで異なる制御量をとる制御変数として、最適潮流計算で定式化される。
【0029】
また、それ以外のDERすなわち系統状態に応じて制御量を自律制御できないDERは、指令された制御量の電力を出力し続けることが一般的であるため、PV出力が最大となる条件および最小となる条件のそれぞれにおいて同一の値をとる制御変数として、最適潮流計算で定式化される。
【0030】
最適潮流計算部13が最適潮流計算によりDERの制御量を決定する動作の例を説明する。図3は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の最適潮流計算部13が行う最適潮流計算の一例を示す図である。
【0031】
図3は、Volt-Var制御機能を有する蓄電池および最大出力制限制御機能を有するPVに対する制御量を最適潮流計算で決定する場合のイメージを示す。例えば、図3に示すように、Volt-Var制御を行う蓄電池と、最大出力制限制御により最大出力の制限が可能なPVとが連系された配電系統において、最適潮流計算を実施することを考える。この場合の最適潮流計算では、PV出力最大条件(PVの出力が太陽光発電出力予測部12で予測された最大出力の場合)、および、PV出力最小条件(PVの出力が太陽光発電出力予測部12で予測された最小出力の場合)それぞれでの蓄電池の無効電力制御量と、PV出力最大条件でのPVの有効電力制御量とを変数とし、PV出力最大条件およびPV出力最小条件において、各制約を満たし、かつ各DERの制御コストの合計(図3の例では蓄電池の制御コスト+PVの制御コスト)が最小となる各DERの制御量を決定する。ここでの制約は、電圧適正上限および電圧適正下限である。なお、図3では、PV出力最大条件での蓄電池の無効電力制御量を「最大断面無効電力制御量」と記載し、PV出力最小条件での蓄電池の無効電力制御量を「最小断面無効電力制御量」と記載し、PV出力最大条件でのPVの有効電力制御量を「最大断面有効電力制御量」と記載している。
【0032】
最適潮流計算部13は、PV出力最大条件における電圧分布が電圧適正上限以下となるDERの制御量として、PVの有効電力制御量(最大断面有効電力制御量)および蓄電池の無効電力制御量(最大断面無効電力制御量)を決定し、また、PV出力最小条件における電圧分布が電圧適正下限以上となるDERの制御量として、蓄電池の無効電力制御量(最小断面無効電力制御量)を決定する。最適潮流計算部13が決定した制御量に従ってPVおよび蓄電池の電圧および電流を制御することで、PVの発電量が多い場合にはPVから配電系統への出力電力および蓄電池から配電系統への出力電力が制限されて電圧分布が実線で示すものとなり、電圧適正上限以下の状態を維持することができる。また、PVの発電量が少ない場合には蓄電池から配電系統への出力電力が増加して電圧分布が実線で示すものとなり、電圧適正下限以上の状態を維持することができる。なお、最適潮流計算部13が決定した制御量に従ってPVおよび蓄電池の電圧および電流の制御を行わない場合、電圧分布が破線で示したものとなり、PVの発電量が多い場合には電圧分布が電圧適正上限を上回り、PVの発電量が少ない場合には電圧分布が電圧適正下限を下回ることになる。
【0033】
なお、最適潮流計算部13における最適潮流計算に用いる最適化ロジックは限定しない。どのような最適化ロジックを用いても構わない。また、図3では、説明の簡単化のため、SVRが出力する電圧の範囲であるSVR送り出し電圧範囲を固定とするが、これを変数とし、PVの発電量に応じてSVR送り出し電圧範囲と各DERの制御量とを決定するようにしてもよい。また、図3への記載が無いが、PVの出力条件によらず一定の有効電力もしくは無効電力を出力するDERからの出力電力値についても制御変数としてもよい。このDERは、PV出力が最大となる条件および最小となる条件の両方において同一の値をもつ変数(制御量)として最適化する。
【0034】
整定値演算部14は、最適潮流計算部13における最適潮流計算結果に基づいて、制御整定値指令型のDERが備えるスマートインバータについて、整定値を計算する。スマートインバータについては、機能が多々存在するが、整定値演算部14は、上述した、目標電圧に系統電圧が近づくように無効電力の出力を制御する機能(Volt-Var制御を行う機能)、有効電力の出力を制限する機能(最大出力制限制御を行う機能)について、整定値を計算する。
【0035】
整定値演算部14が整定値を計算する動作の例を説明する。図4は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の整定値演算部14が行う整定値計算の第1の例を示す図である。
【0036】
図4は、Volt-Var制御機能を有する蓄電池の整定値を計算する場合のイメージを示す。
【0037】
整定値演算部14は、蓄電池のVolt-Var制御の目標電圧および不感帯幅を決定する場合、図4に示すようにPV出力が最大となる条件および最小となる条件での最適潮流計算で得られた電圧分布から計算することができる。具体的には、整定値演算部14は、PV出力が最大となる条件での最適潮流計算で得られた電圧分布から、蓄電池が設置されている地点での電圧、すなわち、PV出力が最大の場合の蓄電池が設置されている地点での電圧を求め、この電圧を不感帯の上限とする。同様に、整定値演算部14は、PV出力が最小となる条件での最適潮流計算結果の電圧分布から、蓄電池が設置されている地点での電圧、すなわち、PV出力が最小の場合の蓄電池が設置されている地点での電圧を求め、この電圧を不感帯の下限とする。
【0038】
なお、不感帯幅を指令された蓄電池は、自端電圧を監視し、電圧が不感帯を逸脱すると、電圧が不感帯幅に入るように無効電力の出力を制御することになる。このように不感帯を設定することで、PVの出力が変動して配電系統内の電圧が変動する際にも、蓄電池設置箇所の電圧を、最適潮流計算によって導出された不感帯内となるように制御し、配電系統内の電圧が適正範囲から逸脱するのを回避できる。また、Volt-Var制御で無効電力の出力量を決定する際に用いるゲインの決定方法については既存の手法など、どのような方法で決定してもよい。
【0039】
整定値演算部14が整定値を計算する動作の他の例を説明する。図5は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の整定値演算部14が行う整定値計算の第2の例を示す図である。
【0040】
図5は、最大出力制限制御により最大出力の制限が可能なPVの整定値を計算する場合のイメージを示す。
【0041】
整定値演算部14は、最大出力制限制御を行うPVの整定値としてPV出力の最大値を決定する場合、上述した太陽光発電出力予測部12が予測したPVの最大出力から、上記の最適潮流計算で算出したPVの有効電力制御量を差し引くことで整定値を導出する。例えば、有効電力の出力を制御しないと電流制約違反が発生する場合において、本ロジックにより、電流制約を満たす範囲までPVの出力を制限することが可能となる。なお、図5では電流に関する記載を省略している。
【0042】
制御情報出力部15は、制御指令値および整定値を、通信部17を介してVPPアグリゲータシステム2へ通知する。
【0043】
記憶部16は、通信部17を介して、配電自動化システム3から、系統情報、PVなどの発電設備による過去の発電実績などを取得し、記憶する。
【0044】
通信部17は、VPPアグリゲータシステム2、配電自動化システム3など、通信機能を有する他の機器と通信する。
【0045】
次に、VPPアグリゲータシステム2の構成について説明する。図6は、実施の形態1にかかるVPPアグリゲータシステム2の構成例を示す図である。図6に示すように、VPPアグリゲータシステム2は、管理機器情報出力部21、記憶部22、機器制御部23および通信部24を備える。
【0046】
管理機器情報出力部21は、記憶部22が保持している各種情報のうち、VPPアグリゲータシステム2が管理するDERに関する情報であって、分散型エネルギーリソース管理装置1におけるPV出力の予測、最適潮流計算などの処理で使用される情報を、管理機器情報として、通信部24を介して分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信する。管理機器情報出力部21は、例えば、事前に設定された時刻またはタイミング(1日1回、30分ごと、など)となった場合に分散型エネルギーリソース管理装置1へ管理機器情報を送信する。管理機器情報出力部21は、分散型エネルギーリソース管理装置1から要求された場合に管理機器情報を通知してもよい。
【0047】
記憶部22は、VPPアグリゲータシステム2が管理するDERに関する情報を記憶する。DERに関する情報の例は、DERの識別情報、DERの種類、DERの設置位置、DERの稼働状態、DERの制御可能範囲、DERが有する機能、DERの制御方法、DERがPVである場合の発電容量および発電量の実績値、などが該当する。
【0048】
機器制御部23は、通信部24を介して管理対象のDERへ指令を送信するなどしてDERを制御する。機器制御部23がDERへ送信する指令には、分散型エネルギーリソース管理装置1で生成されたDERに対する指令も含まれる。また、機器制御部23は、DERから、稼働状態、発電量の実績値などの情報を取得して記憶部22で記憶させる。
【0049】
通信部24は、分散型エネルギーリソース管理装置1、DERなど、通信機能を有する他の機器と通信する。
【0050】
次に、配電自動化システム3の構成について説明する。図7は、実施の形態1にかかる配電自動化システム3の構成例を示す図である。図7に示すように、配電自動化システム3は、管理対象物情報出力部31、記憶部32、配電系統制御部33および通信部34を備える。
【0051】
管理対象物情報出力部31は、記憶部32が保持している各種情報のうち、配電自動化システム3が管理する機器(DER、SVRなど)に関する情報であって、分散型エネルギーリソース管理装置1におけるPV出力の予測、最適潮流計算などの処理で使用される情報を、管理対象物情報として、通信部34を介して分散型エネルギーリソース管理装置1へ送信する。管理対象物情報出力部31は、例えば、事前に設定された時刻またはタイミング(1日1回、30分ごと、など)となった場合に分散型エネルギーリソース管理装置1へ管理対象物情報を送信する。管理対象物情報出力部31は、分散型エネルギーリソース管理装置1から要求された場合に管理対象物情報を通知してもよい。
【0052】
記憶部32は、配電自動化システム3が管理する機器に関する情報および配電系統情報を記憶する。機器に関する情報の例は、機器の識別情報、機器の種類、機器の設置位置、機器の稼働状態、機器が有する機能、機器がDERである場合の制御可能範囲、機器がDERである場合の制御方法、機器がPVである場合の発電容量および発電量の実績値、などが該当する。
【0053】
配電系統制御部33は、配電系統を構成する各種機器を制御する。例えば、配電系統制御部33は、通信部34を介して管理対象のDERへ指令を送信するなどしてDERを制御する。配電系統制御部33がDERへ送信する指令には、分散型エネルギーリソース管理装置1で生成されたDERに対する指令も含まれる。また、配電系統制御部33は、DERから、稼働状態、発電量の実績値などの情報を取得して記憶部32で記憶させる。また、配電系統制御部33は、SVRを制御する。
【0054】
通信部34は、分散型エネルギーリソース管理装置1、DERなど、通信機能を有する他の機器と通信する。
【0055】
次に、分散型エネルギーリソース管理装置1が、配電系統に接続されているDERをVPPアグリゲータシステム2および配電自動化システム3を介して制御する動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
図8は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1がDERを制御する動作の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図8に示すように、分散型エネルギーリソース管理装置1においては、まず、情報取得部11が、VPPアグリゲータシステム2から管理機器情報を取得し、配電自動化システム3から管理対象物情報を取得する(ステップS11)。
【0058】
次に、太陽光発電出力予測部12が、配電系統に接続されるPVの出力最大値および出力最小値を予測する(ステップS12)。このステップS12において、太陽光発電出力予測部12は、各PVについて、対象時刻断面における、配電系統に出力する有効電力の最大値および最小値と、配電系統に出力する無効電力の最大値および最小値とを、予測する。太陽光発電出力予測部12は、情報取得部11が取得した管理機器情報および管理対象物情報を用いて予測を行う。
【0059】
次に、最適潮流計算部13が、PV出力が最大の場合および最小の場合について、系統制約を満たし、かつDER制御コストを最小化するDER制御量を決定する(ステップS13)。系統制約とは、例えば、配電系統の電流の制約および電圧の制約である。詳細には、電流の制約は、例えば、配電系統に流れる電流の最大値、電圧の制約は、例えば、配電系統の電圧の上限値および下限値である。ステップS13において、最適潮流計算部13は、情報取得部11が取得した管理機器情報および管理対象物情報と、太陽光発電出力予測部12が予測したPV出力の最大値および最小値とを用いて最適潮流計算を行い、制御対象の各DERの制御量を個別に決定する。DERの制御量は、DERが配電系統に出力する有効電力および無効電力の値である。
【0060】
次に、整定値演算部14が、最適潮流計算部13による最適潮流計算の結果に基づいて、各DERが備えるスマートインバータの整定値を決定する(ステップS14)。このステップS14において、整定値演算部14は、制御対象の各DERに適用されている制御方法に応じた整定値を決定する。上述したように、整定値演算部14は、例えば、Volt-Var制御を行うDERについては、自端電圧の目標値および不感帯幅を決定する。最大出力制限制御を行うDERについては、有効電力および無効電力の出力最大値を決定する。
【0061】
最後に、制御情報出力部15が、有効電力制御指令および無効電力制御指令と、整定値とのいずれか一方または両方を出力し(ステップS15)、これらを通信部17がVPPアグリゲータシステム2および配電自動化システム3へ送信する。有効電力制御指令および無効電力制御指令は、上記ステップS13で最適潮流計算部13が最適潮流計算を行い決定したDER制御量の指令である。また、整定値は、上記ステップS14で整定値演算部14が決定した整定値である。ステップS15において、制御情報出力部15は、外部から受信した有効電力および無効電力の制御指令に従って動作する構成のDERに対しては、有効電力制御指令および無効電力制御指令を出力する。また、制御情報出力部15は、ローカル制御を行う構成のDERに対しては、整定値を出力する。
【0062】
ここで、分散型エネルギーリソース管理装置1のハードウェア構成について説明する。分散型エネルギーリソース管理装置1は、コンピュータシステム上で、分散型エネルギーリソース管理装置1における処理が記述されたプログラムである分散型エネルギーリソース管理プログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが分散型エネルギーリソース管理装置1として機能する。図9は、分散型エネルギーリソース管理装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図9に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101、入力部102、記憶部103、表示部104、通信部105および出力部106を備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0063】
図9において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、上記の分散型エネルギーリソース管理プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行する分散型エネルギーリソース管理プログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタなどである。なお、図9は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図9の例に限定されない。
【0064】
分散型エネルギーリソース管理プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、分散型エネルギーリソース管理プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、分散型エネルギーリソース管理プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された分散型エネルギーリソース管理プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、分散型エネルギーリソース管理装置1としての処理を実行する。
【0065】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、分散型エネルギーリソース管理装置1における処理を記述した分散型エネルギーリソース管理プログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供する分散型エネルギーリソース管理プログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供された分散型エネルギーリソース管理プログラムを用いることとしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100において、分散型エネルギーリソース管理装置1は、DERの管理、制御などを行うVPPアグリゲータシステム2からDERに関する情報である管理機器情報を取得し、また、電力事業者等により設置されたDER、SVRなどの機器の管理、制御などを行う配電自動化システム3から、DER、SVRなどの機器に関する情報および配電系統に関する情報である管理対象物情報を取得し、取得した情報に基づいて、配電系統に接続されるPV出力の最大値および最小値を予測する。分散型エネルギーリソース管理装置1は、さらに、PV出力の最大値および最小値の予測結果と、管理機器情報および管理対象物情報とを用いて最適潮流計算を行い、配電系統の制約を満たし、かつDERの制御コストを最小化するDERの制御量を決定するとともに、DERが備えるスマートインバータの整定値を決定する。これにより、本実施の形態にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1は、配電系統に接続されているPVの発電量が変化し、PVから配電系統に出力される電力量が変動した場合でも、送配電系統の電圧を適正範囲に維持することができる。
【0067】
なお、本実施の形態の分散型エネルギーリソース管理装置1は、最適潮流計算を行い決定したDERの制御量およびスマートインバータの整定値をVPPアグリゲータシステム2または配電自動化システム3を経由して制御対象のPVなどへ通知することとしたが、この構成に限定されない。例えば、図10に示す分散型エネルギーリソース管理システム100aのように、配電系統に接続されたDER(PV51、EV充電器52、系統用蓄電池53)やSVR4に対して電力制御量を示す制御指令、整定値を直接通知することが可能な分散型エネルギーリソース管理装置1aを備える構成としてもよい。なお、分散型エネルギーリソース管理装置1aは、DER、SVRなどの機器に対して制御指令、整定値を直接送信できるようにした点以外は、上述した分散型エネルギーリソース管理装置1と同一である。図10は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システムの他の構成例を示す図である。
【0068】
また、本実施の形態で説明した分散型エネルギーリソース管理装置1が実行する処理の一部を、他の装置、例えば、VPPアグリゲータシステム2または配電自動化システム3で実行する構成としてもよい。例えば、上述した整定値演算部14が整定値を決定する処理を配電自動化システム3が行う構成としてもよい。この場合、分散型エネルギーリソース管理装置1は、最適潮流計算部13が最適潮流計算を行った後、最適潮流計算で生成した情報のうち、少なくともDERの制御量を配電自動化システム3へ通知する。配電自動化システム3は、通知を受けたDERの制御量から電圧電流分布を計算し、その結果をもとに、各DERが備えるスマートインバータの整定値を決定する。
【0069】
また、本実施の形態において、分散型エネルギーリソース管理装置1は、VPPアグリゲータシステム2で管理されているDERのそれぞれに対し、電力制御量および整定値をDERごとに個別に決定して各DERへ通知することとした。しかし、このような制御方法に限定するものではない。分散型エネルギーリソース管理装置1は、複数のDERを取りまとめ、これら複数のDERに対する電力制御量を決定してもよい。この場合、VPPアグリゲータシステム2が、分散型エネルギーリソース管理装置1で決定された、複数のDERに対する電力制御量に基づいて、複数のDERそれぞれの電力制御量を決定する。例えば、分散型エネルギーリソース管理装置1が、DER#1、DER#2およびDER#3を取りまとめ、これら3台のDERの合計の電力制御量を決定してVPPアグリゲータシステム2に通知する。VPPアグリゲータシステム2は、分散型エネルギーリソース管理装置1から通知された電力制御量に基づいて、DER#1、DER#2およびDER#3それぞれの電力制御量を決定する。具体的には、VPPアグリゲータシステム2は、DER#1、DER#2およびDER#3それぞれの電力制御量の合計が、分散型エネルギーリソース管理装置1から通知された電力制御量と一致するように、DER#1、DER#2およびDER#3の電力制御量を決定する。分散型エネルギーリソース管理装置1が複数のDERを取りまとめる単位は、例えば、隣接する2台の開閉器の間の区間とする。すなわち、分散型エネルギーリソース管理装置1は、隣接する2台の開閉器の間に存在する各DERの電力制御量の合計値を決定し、決定した合計値をVPPアグリゲータシステム2に通知する。
【0070】
実施の形態2.
図11は、実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100bの構成例を示す図である。
【0071】
図11に示すように、分散型エネルギーリソース管理システム100bは、分散型エネルギーリソース管理装置1bと、VPPアグリゲータシステム2と、配電自動化システム3と、太陽光発電量予測システム6とを含んで構成される。分散型エネルギーリソース管理システム100bは、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100に対し、太陽光発電量予測システム6を追加し、分散型エネルギーリソース管理装置1を分散型エネルギーリソース管理装置1bに置き換えた構成である。本実施の形態においては、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100と共通のVPPアグリゲータシステム2および配電自動化システム3については説明を省略する。
【0072】
図12は、実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1bの構成例を示す図である。図2に示すように、分散型エネルギーリソース管理装置1bは、情報取得部11、最適潮流計算部13、整定値演算部14、制御情報出力部15、記憶部16および通信部17を備える。すなわち、分散型エネルギーリソース管理装置1bは、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1から太陽光発電出力予測部12が削除された構成である。分散型エネルギーリソース管理装置1bの情報取得部11、最適潮流計算部13、整定値演算部14、制御情報出力部15、記憶部16および通信部17は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の同じ符号が付された各構成要素と同一である。そのため、これらの構成要素については説明を省略する。
【0073】
分散型エネルギーリソース管理システム100bにおいては、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の太陽光発電出力予測部12が行うPV出力の予測を太陽光発電量予測システム6が行う。分散型エネルギーリソース管理システム100bは、太陽光発電量予測システム6で予測されたPVの最大出力および最小出力を太陽光発電量予測システム6から取得し、記憶部16で記憶する。最適潮流計算部13は、記憶部16が記憶しているPVの最大出力および最小出力の予測結果を使用して最適潮流計算を行う。なお、情報取得部11が、太陽光発電量予測システム6で予測されたPVの最大出力および最小出力を取得する。
【0074】
図13は、実施の形態2にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100bを構成する太陽光発電量予測システム6の構成例を示す図である。図13に示すように、太陽光発電量予測システム6は、情報収集部61、記憶部62、太陽光発電出力予測部63、予測結果出力部64および通信部65を備える。
【0075】
情報収集部61は、後述する太陽光発電出力予測部63が対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する際に使用する情報を収集する。情報収集部61は、例えば、過去のPV出力の実績、対象時刻断面における予想天気、対象時刻断面における太陽の高度など、PVの出力に影響を与える情報を収集する。
【0076】
記憶部62は、各種情報、例えば、情報収集部61が収集した情報、太陽光発電出力予測部63によるPVの最大出力および最小出力の予測結果、などを記憶する。
【0077】
太陽光発電出力予測部63は、情報収集部61が収集した情報に基づいて、対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する。太陽光発電出力予測部63は、例えば、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の太陽光発電出力予測部12が対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する方法と同様の方法で、対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する。なお、太陽光発電出力予測部63は、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理装置1の太陽光発電出力予測部12とは異なる方法で予測を行ってもよい。
【0078】
予測結果出力部64は、太陽光発電出力予測部63が予測した対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を、通信部65を介して分散型エネルギーリソース管理装置1bへ通知する。
【0079】
通信部65は、分散型エネルギーリソース管理装置1bなどの通信機能を有する他の機器と通信する。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100bは、対象時刻断面のPVの最大出力および最小出力を予測する太陽光発電量予測システム6を含み、分散型エネルギーリソース管理装置1bは、太陽光発電量予測システム6での予測結果を使用して最適潮流計算を行い、DERの制御量およびDERが備えるスマートインバータの整定値を決定する。本実施の形態にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100bは、実施の形態1にかかる分散型エネルギーリソース管理システム100と同様の効果を得ることができる。
【0081】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1,1a,1b 分散型エネルギーリソース管理装置、2 VPPアグリゲータシステム、3 配電自動化システム、4 SVR、6 太陽光発電量予測システム、11 情報取得部、12,63 太陽光発電出力予測部、13 最適潮流計算部、14 整定値演算部、15 制御情報出力部、16,22,32,62 記憶部、17,24,34,65 通信部、21 管理機器情報出力部、23 機器制御部、31 管理対象物情報出力部、33 配電系統制御部、51 太陽光発電設備(PV)、52 EV充電器、53 系統用蓄電池、54 家庭用EV充電器、55 家庭用蓄電池、61 情報収集部、64 予測結果出力部、100,100a,100b 分散型エネルギーリソース管理システム。
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