(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-14
(45)【発行日】2025-07-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20250715BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20250715BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20250715BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
A24F40/65
(21)【出願番号】P 2024508901
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2022013535
(87)【国際公開番号】W WO2023181179
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2024-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0329775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289915(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0045452(US,A1)
【文献】特表2020-505063(JP,A)
【文献】特表2020-515270(JP,A)
【文献】特表2021-531736(JP,A)
【文献】特表2019-521739(JP,A)
【文献】特表2015-524260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0352249(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
A24F 40/60
A24F 40/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作を受け付ける入力部と、
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、
前記入力部により受け付けられた前記ユーザ操作に応じて変更する制御部
と、
を備え、
前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更する
前記ユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更
し、
前記第1の時間は、前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間における複数の所定のタイミングのうちいずれか1つであり、
前記入力部は、前記エアロゾル生成装置が前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間において前記所定のタイミングが到来する度に、前記パラメータの変更に関する前記ユーザ操作を受け付ける、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第2の時間を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の時間を、前記第2の時間から前記第1の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記制御情報に規定された前記第1の時間における前記パラメータを変更する
前記ユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも後の第3の時間を設定し、前記パラメータの変化が前記第1の時間から前記第3の時間まで継続して前記第3の時間において終了するよう、前記制御情報を変更する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第3の時間を設定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第3の時間を、前記第1の時間から前記第3の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定する、
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定する、
請求項8~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定する、
請求項8~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
ユーザ操作を受け付けることと、
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、
受け付けられた前記ユーザ操作に応じて変更すること
と、
を含み、
前記制御情報を変更することは、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更する
前記ユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更することを含
み、
前記第1の時間は、前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間における複数の所定のタイミングのうちいずれか1つであり、
前記ユーザ操作を受け付けることは、前記エアロゾル生成装置が前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間において前記所定のタイミングが到来する度に、前記パラメータの変更に関する前記ユーザ操作を受け付けることを含む、
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、
入力部により受け付けられたユーザ操作に応じて変更する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更する
前記ユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更
し、
前記第1の時間は、前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間における複数の所定のタイミングのうちいずれか1つであり、
前記制御部は、前記エアロゾル生成装置が前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間において前記所定のタイミングが到来する度に前記入力部により受け付けられた、前記パラメータの変更に関する前記ユーザ操作に基づいて前記制御情報を変更する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。ユーザがエアロゾルを吸引する動作を、以下ではパフ又はパフ動作とも称する。
【0003】
パフした際に味わう香味(以下、喫味とも称する)に対する好みは、ユーザごとに異なる。そのため、喫味に直接的な影響を与えるエアロゾル源を加熱する温度が、ユーザによりカスタマイズ可能であることが好ましい。下記特許文献1には、エアロゾル源を加熱する温度をユーザがカスタマイズする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示された技術では、ユーザが思い通りのカスタマイズを行うことが困難な場合があった。エアロゾル源を加熱する温度と喫味との間には、複雑な関係があるためである。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザが思い通りの喫味を容易に実現可能なカスタマイズの仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更する制御部、を備え、前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更する、情報処理装置が提供される。
【0008】
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第2の時間を設定してもよい。
【0009】
前記制御部は、前記第2の時間を、前記第2の時間から前記第1の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記制御情報に規定された前記第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも後の第3の時間を設定し、前記パラメータの変化が前記第1の時間から前記第3の時間まで継続して前記第3の時間において終了するよう、前記制御情報を変更してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第3の時間を設定してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記第3の時間を、前記第1の時間から前記第3の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定してもよい。
【0016】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定してもよい。
【0018】
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定してもよい。
【0019】
前記第1の時間は、前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間における複数の所定のタイミングのうちいずれか1つであってもよい。
【0020】
前記情報処理装置は、前記エアロゾル生成装置が前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間において前記所定のタイミングが到来する度に、前記パラメータの変更に関する前記ユーザ操作を受け付ける入力部をさらに備え、前記制御部は、前記入力部により受け付けられた前記ユーザ操作に基づいて前記制御情報を変更してもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更すること、を含み、前記制御情報を変更することは、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更することを含む、情報処理方法が提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更する制御部、として機能させ、前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、ユーザが思い通りの喫味を容易に実現可能なカスタマイズの仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施形態に係るシステムの構成例を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る吸引装置の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】加熱プロファイルの一例を模式的に示すグラフである。
【
図5】加熱プロファイルのカスタマイズの一例を模式的に示すグラフである。
【
図6】加熱プロファイルのカスタマイズの一例を模式的に示すグラフである。
【
図7】本実施形態に係る端末装置において実行される加熱プロファイルのカスタマイズ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
<1.構成例>
(1)システムの構成例
図1は、一実施形態に係るシステム1の構成例を説明するための図である。
図1に示すように、システム1は、吸引装置100、及び端末装置200を含む。
【0027】
吸引装置100は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置100により生成される物質は、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。吸引装置100は、スティック型基材150を使用して、エアロゾルを生成する。スティック型基材150は、エアロゾル源を含有する基材の一例である。吸引装置100は、基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置の一例である。
【0028】
端末装置200は、吸引装置100に関する各種情報処理を行う情報処理装置である。端末装置200は、吸引装置100のユーザにより使用される。端末装置200は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、又はPC(Personal Computer)等の任意の装置であってよい。若しくは、端末装置200は、吸引装置100を充電する充電器であってもよい。
【0029】
端末装置200は、吸引装置100の設定を変更するために使用される。例えば、端末装置200は、吸引装置100の設定を変更するためのユーザ操作を受け付け、吸引装置100の設定を変更する。
【0030】
(2)吸引装置の構成例
図2は、本実施形態に係る吸引装置の構成例を模式的に示す模式図である。
図2に示すように、吸引装置100は、電源部111、センサ部112、通知部113、記憶部114、通信部115、制御部116、加熱部121、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0031】
電源部111は、電力を蓄積する。そして、電源部111は、制御部116による制御に基づいて、吸引装置100の各構成要素に電力を供給する。電源部111は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0032】
センサ部112は、吸引装置100に関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112は、コンデンサマイクロホン等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112は、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0033】
通知部113は、情報をユーザに通知する。通知部113は、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0034】
記憶部114は、吸引装置100の動作のための各種情報を記憶する。記憶部114は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0035】
通信部115は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、又はLPWA(Low Power Wide Area)を用いる規格等が採用され得る。
【0036】
制御部116は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100内の動作全般を制御する。制御部116は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0037】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140には、内部空間141に空気を供給する空気流路が接続される。空気流路への空気の入口である空気流入孔は、例えば、吸引装置100の側面に配置される。空気流路から内部空間141への空気の出口である空気流出孔は、例えば、底部143に配置される。
【0038】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100がネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流路を経由して内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0039】
加熱部121は、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。
図2に示した例では、加熱部121は、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121が発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。加熱部121は、電源部111から給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112により検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112により検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0040】
断熱部144は、加熱部121から他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0041】
以上、吸引装置100の構成例を説明した。もちろん吸引装置100の構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0042】
一例として、加熱部121は、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121は、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121は、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121は、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0043】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121は、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0044】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121による加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。その場合、吸引装置100は、加熱部121の代わりに、磁場を発生させるコイル等の電磁誘導源を少なくとも有する。誘導加熱により発熱するサセプタは、吸引装置100に設けられていてもよいし、スティック型基材150に含まれていてもよい。
【0045】
なお、吸引装置100は、スティック型基材150と協働することで、ユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。そのため、吸引装置100及びスティック型基材150の組み合わせは、エアロゾル生成システムとして捉えられてもよい。
【0046】
(3)端末装置の構成例
図3は、本実施形態に係る端末装置200の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置200は、入力部210、出力部220、検出部230、通信部240、記憶部250、及び制御部260を含む。
【0047】
入力部210は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部210は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。他にも、入力部210は、画像センサ等の各種センサを含んでいてもよい。
【0048】
出力部220は、情報を出力する機能を有する。出力部220は、ユーザに対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。出力部220は、制御部260から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。
【0049】
検出部230は、端末装置200に関する情報を検出する機能を有する。検出部230は、端末装置200の位置情報を検出してもよい。例えば、検出部230は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して装置の緯度、及び経度から成る位置情報を検出する。検出部230は、端末装置200の動きを検出してもよい。例えば、検出部230は、ジャイロセンサ及び加速度センサを含み、角速度及び加速度を検出する。
【0050】
通信部240は、端末装置200と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部240は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、又はLPWA(Low Power Wide Area)を用いる規格等が採用され得る。
【0051】
記憶部250は、各種情報を記憶する。記憶部250は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0052】
制御部260は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置200内の動作全般を制御する。制御部260は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部260は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。端末装置200は、制御部260による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部210により入力された情報の処理、出力部220による情報の出力、検出部230による情報の検出、通信部240による情報の送受信、並びに記憶部250による情報の記憶及び読み出しは、制御部260により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、端末装置200により実行されるその他の処理も、制御部260により制御される。
【0053】
なお、制御部260の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部260の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0054】
<2.技術的特徴>
(1)加熱プロファイル
制御部116は、加熱プロファイルに基づいて、加熱部121の動作を制御する。加熱部121の動作の制御は、電源部111から加熱部121への給電を制御することにより、実現される。加熱部121は、電源部111から供給された電力を使用してスティック型基材150を加熱する。
【0055】
加熱プロファイルとは、エアロゾル源を加熱する温度を制御するための制御情報である。加熱プロファイルは、エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータを規定する。エアロゾル源を加熱する温度の一例は、加熱部121の温度である。エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの一例は、加熱部121の温度の目標値(以下、目標温度とも称する)である。加熱部121の温度は加熱開始からの経過時間に応じて変化するよう制御されてもよい。その場合、加熱プロファイルは、目標温度の時系列推移を規定する情報を含む。他の一例として、加熱プロファイルは、加熱部121への電力の供給方式を規定するパラメータ(以下、給電パラメータとも称する)を含み得る。給電パラメータは、例えば、加熱部121に印可される電圧、加熱部121への給電のON/OFF、又は採用すべきフィードバック制御の方式等を含む。加熱部121への給電ON/OFFは、加熱部121のON/OFFとして捉えられてもよい。
【0056】
制御部116は、加熱部121の温度(以下、実温度とも称する)が、加熱プロファイルにおいて規定された目標温度と同様に推移するように、加熱部121の動作を制御する。加熱プロファイルは、典型的には、スティック型基材150から生成されるエアロゾルをユーザが吸引した際にユーザが味わう香味が最適になるように設計される。よって、加熱プロファイルに基づいて加熱部121の動作を制御することにより、ユーザが味わう香味を最適にすることができる。
【0057】
加熱部121の温度制御は、例えば公知のフィードバック制御によって実現できる。フィードバック制御は、例えばPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)であってよい。制御部116は、電源部111からの電力を、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)によるパルスの形態で、加熱部121に供給させ得る。その場合、制御部116は、フィードバック制御において、電力パルスのデューティ比、又は周波数を調整することによって、加熱部121の温度制御を行うことができる。若しくは、制御部116は、フィードバック制御において、単純なオン/オフ制御を行ってもよい。例えば、制御部116は、実温度が目標温度に到達するまで加熱部121による加熱を実行し、実温度が目標温度に到達した場合に加熱部121による加熱を中断し、実温度が目標温度より低くなると加熱部121による加熱を再開してもよい。
【0058】
加熱部121の温度は、例えば、加熱部121(より正確には、加熱部121を構成する発熱抵抗体)の電気抵抗値を測定又は推定することによって定量できる。これは、発熱抵抗体の電気抵抗値が、温度に応じて変化するためである。発熱抵抗体の電気抵抗値は、例えば、発熱抵抗体での電圧低下量を測定することによって推定できる。発熱抵抗体での電圧低下量は、発熱抵抗体に印加される電位差を測定する電圧センサによって測定できる。他の例では、加熱部121の温度は、加熱部121付近に設置されたサーミスタ等の温度センサによって測定されることができる。
【0059】
スティック型基材150を用いてエアロゾルを生成する処理が開始してから終了するまでの期間を、以下では加熱セッションとも称する。換言すると、加熱セッションとは、加熱プロファイルに基づいて加熱部121への給電が制御される期間である。加熱セッションの始期は、加熱プロファイルに基づく加熱が開始されるタイミングである。加熱セッションの終期は、十分な量のエアロゾルが生成されなくなったタイミングである。加熱セッションは、前半の予備加熱期間、及び後半のパフ可能期間を含む。パフ可能期間とは、十分な量のエアロゾルが発生すると想定される期間である。予備加熱期間とは、加熱が開始されてからパフ可能期間が開始されるまでの期間である。予備加熱期間において行われる加熱は、予備加熱とも称される。
【0060】
通知部113は、予備加熱が終了するタイミングを示す情報をユーザに通知してもよい。例えば、通知部113は、予備加熱が終了する前に予備加熱の終了を予告する情報を通知したり、予備加熱が終了したタイミングで予備加熱が終了したことを示す情報を通知したりする。ユーザへの通知は、例えば、LEDの点灯又は振動等により行われ得る。ユーザは、かかる通知を参考に、予備加熱の終了直後からパフを行うことが可能となる。
【0061】
同様に、通知部113は、パフ可能期間が終了するタイミングを示す情報をユーザに通知してもよい。例えば、通知部113は、パフ可能期間が終了する前にパフ可能期間の終了を予告する情報を通知したり、パフ可能期間が終了したタイミングでパフ可能期間が終了したことを示す情報を通知したりする。ユーザへの通知は、例えば、LEDの点灯又は振動等により行われ得る。ユーザは、かかる通知を参考に、パフ可能期間が終了するまでパフを行うことが可能となる。
【0062】
加熱プロファイルの一例を、
図4を参照しながら説明する。
図4は、加熱プロファイルの一例を模式的に示すグラフである。グラフ20Aの横軸は、時間(秒)である。グラフ20Aの縦軸は、目標温度である。線21Aは、目標温度の時系列推移を示している。
図4に示すように、目標温度は、加熱開始後300℃付近まで急速に上昇し、その後230℃程度に低下し、その後260℃程度まで再度上昇してもよい。かかる加熱プロファイルに基づく加熱が実行された場合、加熱部121の温度は、加熱開始後300℃付近まで急速に上昇し、その後230℃程度に低下し、その後260℃程度まで再度上昇する。
【0063】
(2)加熱プロファイルのカスタマイズ
制御部260は、吸引装置100により使用される加熱プロファイルを、ユーザ操作に応じて変更する。詳しくは、制御部260は、加熱プロファイルに規定された第1の時間における目標温度を変更するユーザ操作が行われた場合に、当該第1の時刻における目標温度をユーザ操作に従って変更する。例えば、制御部260は、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させるよう指示するユーザ操作が行われた場合、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させるよう、加熱プロファイルを変更する。かかる構成によれば、ユーザは、思い通りに加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0064】
ここで、加熱プロファイルをユーザの指示通りに変更しても、ユーザの思い通りの喫味を実現することが困難な場合がある。加熱部121の温度が上昇又は低下してから、喫味が実際に変化するまでの間にはタイムラグがあるためである。
【0065】
そこで、本実施形態に係る端末装置200は、かかるタイムラグを考慮したカスタマイズを、ユーザからの指示に追加して行う。即ち、制御部260は、加熱プロファイルに規定された第1の時間における目標温度を変更するユーザ操作が行われた場合に、第1の時間よりも前の第2の時間を設定する。そして、制御部260は、第2の時間から目標温度の変化が開始して第1の時間において変更後の目標温度に到達するよう、加熱プロファイルを変更する。例えば、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させるよう指示するユーザ操作が行われたものとする。その場合、制御部260は、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させた上で、加熱開始から50秒後から60秒後までの期間の目標温度をも上昇させ得る。その際、制御部260は、目標温度の上昇幅を、加熱開始から50秒後から60秒後までにかけて徐々に大きくすることが望ましい。これにより、加熱開始から50秒後から目標温度が徐々に上昇し、加熱開始から60秒後に目標温度が10℃上昇することとなる。かかる構成によれば、ユーザにより指定されたタイミングよりも先行して、加熱部121の温度が上昇する。その結果、ユーザが喫味を変更したいタイミングで、実際に喫味を変化させることが可能となる。上述したタイムラグの影響で、加熱部121の温度の変更の効果が喫味に遅れて反映されるためである。
【0066】
制御部260は、第1の時間における目標温度の変更内容に基づいて、第2の時間を設定してもよい。例えば、制御部260は、第1の時間における目標温度を上げたか下げたか、又は目標温度の変更幅の少なくともいずれかひとつに応じて、第2の時間を設定する。かかる構成によれば、カスタマイズの態様に応じた、タイムラグへの適切な対策を実現することが可能となる。
【0067】
具体的には、制御部260は、第2の時間を、第2の時間から第1の時間にかけての目標温度の変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定してもよい。即ち、制御部260は、目標温度の変化速度が所定の閾値以内になるよう、第1の時間よりも充分に前の時間を、第2の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化を緩やかにすることができる。その結果、加熱部121の温度の急激な変化に伴いユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0068】
とりわけ、制御部260は、第1の時間と第2の時間との間隔を、第1の時間における目標温度の変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定してもよい。例えば、制御部260は、第1の時間における目標温度の変更幅10℃である場合には、第1の時間の10秒前を第2の時間に設定してもよい。他方、制御部260は、第1の時間における目標温度の変更幅20℃である場合には、第1の時間の20秒前を第2の時間に設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化を緩やかにすることが可能となる。
【0069】
また、制御部260は、第1の時間と第2の時間との間隔を、吸引装置100の特性に基づいて設定してもよい。例えば、制御部260は、吸引装置100が有する加熱部121の特性に対応する長さだけ第1の時間よりも前の時間を、第2の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化の速度を、加熱部121が安定的に動作可能な速度以内に留めることができる。その結果、加熱部121の温度の動作が不安定になってユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0070】
また、制御部260は、第1の時間と第2の時間との間隔を、スティック型基材150の種類に基づいて設定してもよい。例えば、制御部260は、スティック型基材150にメントールが含有されるか否かに応じた長さだけ第1の時間よりも前の時間を、第2の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化の速度を、適切な香味が付与されたエアロゾルが生成される速度以内に留めることができる。その結果、ユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0071】
ここで、第1の時間における目標温度の変更は、第1の時間以降の喫味にも影響を与え得る。仮に、目標温度の変更が第1の時間において終了し、加熱部121の温度が元の目標温度に即時に戻った場合、加熱部121の温度の急激な変化に伴いユーザに粗雑な香味が送達されるおそれがある。
【0072】
そこで、本実施形態に係る端末装置200は、加熱部121の温度変化を緩やかにするためのカスタマイズを、ユーザからの指示に追加して行う。即ち、制御部260は、加熱プロファイルに規定された第1の時間における目標温度を変更するユーザ操作が行われた場合に、第1の時間よりも後の第3の時間を設定する。そして、制御部260は、目標温度の変化が第1の時間から第3の時間まで継続して第3の時間において終了するよう、加熱プロファイルを変更する。例えば、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させるよう指示するユーザ操作が行われたものとする。その場合、制御部260は、加熱開始から60秒後の目標温度を10℃上昇させた上で、加熱開始から60秒後から70秒後までの期間の目標温度をも上昇させ得る。その際、制御部260は、目標温度の上昇幅を、加熱開始から60秒後から70秒後までにかけて徐々に小さくすることが望ましい。これにより、10℃上昇した目標温度が元の目標温度に戻るまで、加熱開始から60秒後から70秒後にかけて目標温度が徐々に低下することとなる。かかる構成によれば、ユーザ操作において指定されたタイミングよりも後の加熱部121の温度変化を緩やかにすることができる。その結果、加熱部121の温度の急激な変化に伴いユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0073】
制御部260は、第1の時間における目標温度の変更内容に基づいて、第3の時間を設定してもよい。例えば、制御部260は、第1の時間における目標温度を上げたか下げたか、又は目標温度の変更幅の少なくともいずれかひとつに応じて、第3の時間を設定する。かかる構成によれば、カスタマイズの態様に応じて、加熱部121の温度が元の目標温度に復帰するまでの復帰時間を確保することが可能となる。
【0074】
具体的には、制御部260は、第3の時間を、第1の時間から第3の時間にかけての目標温度の変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定してもよい。即ち、制御部260は、目標温度の変化速度が所定の閾値以内になるよう、第1の時間よりも充分に後ろの時間を、第3の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化を緩やかにすることができる。その結果、加熱部121の温度の急激な変化に伴いユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0075】
とりわけ、制御部260は、第1の時間と第3の時間との間隔を、第1の時間における目標温度の変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定してもよい。例えば、制御部260は、第1の時間における目標温度の変更幅10℃である場合には、第1の時間の10秒後を第3の時間に設定してもよい。他方、制御部260は、第1の時間における目標温度の変更幅20℃である場合には、第1の時間の20秒後を第3の時間に設定してもよい。かかる構成によれば、第1の時間における目標温度の変更幅に応じた充分な長さの復帰時間を確保することが可能となる。その結果、加熱部121の温度変化を緩やかにすることが可能となる。
【0076】
また、制御部260は、第1の時間と第3の時間との間隔を、吸引装置100の特性に基づいて設定してもよい。例えば、制御部260は、吸引装置100が有する加熱部121の特性に対応する長さだけ第1の時間よりも後ろの時間を、第3の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化の速度を、加熱部121が安定的に動作可能な速度以内に留めることができる。その結果、加熱部121の温度の動作が不安定になってユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0077】
また、制御部260は、第1の時間と第3の時間との間隔を、スティック型基材150の種類に基づいて設定してもよい。例えば、制御部260は、スティック型基材150にメントールが含有されるか否かに応じた長さだけ第1の時間よりも後ろの時間を、第3の時間として設定してもよい。かかる構成によれば、加熱部121の温度変化の速度を、適切な香味が付与されたエアロゾルが生成される速度以内に留めることができる。その結果、ユーザに粗雑な香味が送達されるような事態を防止することが可能となる。
【0078】
第1の時間は、加熱セッションにおける複数の所定のタイミングのうちいずれか1つであってよい。一例として、所定のタイミングは、ユーザによるパフが行われるタイミング(以下、パフタイミングとも称する)であってよい。例えば、ユーザは、パフタイミングが到来する度に、即ちパフを行う度に、喫味に応じて目標温度を変更するユーザ操作を行う。これにより、ユーザは、パフタイミングにおける喫味を、思い通りに変更することが可能となる。
【0079】
第2の時間もまた、加熱セッションにおける複数のタイミングのうちいずれか1つであってもよい。第3の時間も同様である。
【0080】
入力部210は、加熱セッションにおいてパフタイミングが到来する度に、目標温度の変更に関するユーザ操作を受け付けてもよい。そして、制御部260は、入力部210により受け付けられたユーザ操作に基づいて、加熱プロファイルを変更してもよい。一例として、出力部220は、加熱セッションにおいてパフタイミングが到来する度に、喫味の評価を入力するようユーザに問い合わせる画面を表示してもよい。そして、ユーザは、かかる問い合わせに応じて、喫味の評価を入力部210に入力してもよい。さらに、出力部220は、喫味の評価として悪い評価が入力されたパフタイミングについては、目標温度の変更内容を入力するようユーザに問い合わせる画面を表示してもよい。そして、ユーザは、かかる問い合わせに応じて、目標温度の変更内容を入力部210に入力してもよい。目標温度の変更内容の入力は、パフタイミングの度に(即ち、喫味の評価として悪い評価が入力された直後に)行われてもよいし、加熱セッションの終了後に事後的に行われてもよい。かかる構成によれば、ユーザはパフを行いながら、直感的に加熱プロファイルを変更することが可能となる。
【0081】
なお、パフタイミングは、予め規定されていてもよい。その場合、パフタイミングが到来する度に、出力部220は、パフを行うようユーザに促す画面を出力してもよい。他に、パフタイミングは予め規定されていなくてもよい。その場合、ユーザがパフを行ったことが吸引装置100により検出される度に、出力部220は、喫味の評価、及び/又は目標温度の変更内容を入力するようユーザに問い合わせる画面を表示してもよい。
【0082】
(3)具体例
以下、
図4に示した加熱プロファイルをカスタマイズする具体例について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0083】
-第1の具体例
図5は、加熱プロファイルのカスタマイズの一例を模式的に示すグラフである。グラフ20Bの横軸は、時間(秒)である。グラフ20Bの縦軸は、目標温度である。線21Aは、カスタマイズ前の目標温度の時系列推移を示している。線21Bは、カスタマイズ後の目標温度の時系列推移を示している。
【0084】
図5に示した例では、計9個のパフタイミングが予め規定されている。端末装置200は、吸引装置100が線21Aに示した加熱プロファイルに基づく加熱の実行中に予め規定されたパフタイミングが到来する度に、パフを行うようユーザを促し喫味の評価を受け付ける。図中の「OK」は良い評価を示しており、「NG」は悪い評価を示している。悪い評価を入力することは、目標温度の変更を指示することに対応する。
図5に示した例では、第4~第6のパフタイミングにおいて悪い評価が入力されている。そこで、端末装置200は、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度の変更内容の入力を受け付ける。
図5に示した例では、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度を上昇させる旨の指示が入力されている。
【0085】
そこで、端末装置200は、線21Bに示すように、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度を上昇させる。さらに、端末装置200は、線21Bに示すように、第3のパフタイミングにおける目標温度を上昇させる。第4のパフタイミングが第1の時間に対応し、第3のパフタイミングが第2の時間に対応するためである。また、端末装置200は、線21Bに示すように、第7のパフタイミングにおける目標温度を上昇させる。第6のパフタイミングが第1の時間に対応し、第7のパフタイミングが第3の時間に対応するためである。これにより、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度をカスタマイズ前と比較して高くし、且つ、第4~第6のパフタイミングの前後における温度変化を緩やかにすることが可能となる。
【0086】
-第2の具体例
図6は、加熱プロファイルのカスタマイズの一例を模式的に示すグラフである。グラフ20Cの横軸は、時間(秒)である。グラフ20Cの縦軸は、目標温度である。線21Aは、カスタマイズ前の目標温度の時系列推移を示している。線21Cは、カスタマイズ後の目標温度の時系列推移を示している。
【0087】
図6に示した例では、計9個のパフタイミングが予め規定されている。端末装置200は、吸引装置100が線21Aに示した加熱プロファイルに基づく加熱の実行中に予め規定されたパフタイミングが到来する度に、パフを行うようユーザを促し喫味の評価を受け付ける。
図6に示した例では、第4~第6のパフタイミングにおいて悪い評価が入力されている。そこで、端末装置200は、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度の変更内容の入力を受け付ける。
図6に示した例では、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度を低下させる旨の指示が入力されている。
【0088】
そこで、端末装置200は、線21Cに示すように、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度を低下させる。さらに、端末装置200は、線21Cに示すように、第3のパフタイミングにおける目標温度を低下させる。第4のパフタイミングが第1の時間に対応し、第3のパフタイミングが第2の時間に対応するためである。また、端末装置200は、線21Cに示すように、第7のパフタイミングにおける目標温度を低下させる。第6のパフタイミングが第1の時間に対応し、第7のパフタイミングが第3の時間に対応するためである。これにより、第4~第6のパフタイミングにおける目標温度をカスタマイズ前と比較して低くし、且つ、第4~第6のパフタイミングの前後における温度変化を緩やかにすることが可能となる。
【0089】
(4)処理の流れ
以下、
図7を参照しながら、本実施形態に係る加熱プロファイルのカスタマイズ処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る端末装置200において実行される加熱プロファイルのカスタマイズ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
図7に示すように、まず、制御部260は、加熱プロファイルに基づく加熱の開始を検知する(ステップS102)。例えば、吸引装置100は、加熱プロファイルに基づく加熱を開始した際に、加熱を開始したことを示す情報を端末装置200へ送信してもよい。制御部260は、かかる情報の受信に基づいて、加熱プロファイルに基づく加熱の開始を検知し得る。
【0091】
次いで、制御部260は、パフタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS104)。一例として、制御部260は、加熱開始からの経過時間に基づいて、予め規定されたパフタイミングが到来したか否かを判定する。
【0092】
パフタイミングが到来していないと判定された場合(ステップS104:NO)、処理はステップS114に進む。
【0093】
パフタイミングが到来したと判定された場合(ステップS104:YES)、制御部260は、パフを促す通知を行うよう出力部220を制御する(ステップS106)。例えば、出力部220は、パフを行うよう促す画面を表示してもよい。
【0094】
次いで、入力部210は、喫味の評価の入力を受け付ける(ステップS108)。例えば、出力部220は、喫味が良いか悪いかの入力を受け付ける入力画面を表示する。そして、入力部210は、当該入力画面に対する入力を受け付ける。
【0095】
次に、制御部260は、悪い評価が入力されたか否かを判定する(ステップS110)。
【0096】
悪い評価が入力されたと判定された場合(ステップS110:YES)、入力部210は、目標温度の変更内容の入力を受け付ける(ステップS112)。例えば、出力部220は、目標温度の変更内容の入力を受け付ける入力画面を表示する。そして、入力部210は、当該入力画面に対する入力を受け付ける。その後、処理はステップS114へ進む。
【0097】
良い評価が入力されたと判定された場合(ステップS110:NO)、処理はステップS114へ進む。
【0098】
ステップS114において、制御部260は、加熱セッションが終了したか否かを判定する(ステップS114)。例えば、吸引装置100は、加熱プロファイルに基づく加熱を終了した際に、加熱セッションが終了したことを示す情報を端末装置200へ送信してもよい。制御部260は、かかる情報の受信に基づいて、加熱セッションの終了を検知し得る。
【0099】
加熱セッションが終了していないと判定された場合(ステップS114:NO)、処理はステップS104に戻る。
【0100】
加熱セッションが終了したと判定された場合(ステップS114:YES)、制御部260は、加熱セッション中に入力された目標温度の変更内容に基づいて、加熱プロファイルを変更する(ステップS116)。その際、制御部260は、目標温度の変更内容が入力されたパフタイミング(即ち、第1の時間)だけでなく、その前後のパフタイミング(即ち、第2の時間及び/又は第3の時間)における目標温度をも変更する。
【0101】
その後、制御部260は、変更後の加熱プロファイルを吸引装置100へ送信するよう通信部240を制御する(ステップS118)。これにより、次回以降、吸引装置100は変更後の加熱プロファイルに基づく加熱を実行することが可能となる。
【0102】
なお、上記ステップS112は、ステップS114とステップS116との間に移動されてもよい。即ち、吸引装置100は、ステップS110において悪い評価が入力されたと判定される度に目標温度の変更内容の入力を受け付ける代わりに、加熱セッションが終了した後(ステップS114:YES)に、目標温度の変更内容の入力を受け付けてもよい。かかる構成によれば、ユーザは、加熱セッションの終了後に、まとめて目標温度の変更内容を入力することができる。
【0103】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0104】
上記実施形態では、加熱部121が発熱抵抗体として構成され、電気抵抗により発熱する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、加熱部121は、磁場を発生させるコイル等の電磁誘導源と、誘導加熱により発熱するサセプタと、を含んでいてもよく、サセプタによりスティック型基材150が加熱されてもよい。この場合、制御部116は、電磁誘導源に交流電流を印可して交番磁場を発生させ、サセプタに交番磁場を侵入させることで、サセプタを発熱させる。この場合、加熱プロファイルに基づいて制御されるエアロゾル源を加熱する温度は、サセプタの温度となる。サセプタの温度は、電磁誘導源の電気抵抗値に基づいて推定可能である。
【0105】
上記実施形態では、加熱プロファイルにおいて規定される、エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータが、加熱部121の目標温度である例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータとしては、上記実施形態において説明した加熱部121の温度そのものの他に、加熱部121の電気抵抗値が挙げられる。また、吸引装置100が加熱部121の代わりに電磁誘導源を含む場合、加熱プロファイルに規定されるエアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータとしては、サセプタの温度、又は電磁誘導源の電気抵抗値等の目標値が挙げられる。
【0106】
上記実施形態では、吸引装置100が、スティック型基材150を加熱してエアロゾルを生成する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。吸引装置100は、液体としてのエアロゾル源を加熱して霧化することでエアロゾルを生成する、いわゆる液霧化型のエアロゾル生成装置として構成されてもよい。液霧化型のエアロゾル生成装置に対しても、本発明を適用可能である。
【0107】
本明細書において説明した各装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部が別々の装置として実現されても良い。例えば、端末装置200のうち制御部260は、端末装置200とネットワーク等で接続されたサーバ等の装置に備えられていても良い。即ち、加熱プロファイルのカスタマイズは、端末装置200に入力されたユーザ操作に基づいて、クラウド上のサーバにより実施されてもよい。
【0108】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASICのような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。
【0109】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0110】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更する制御部、
を備え、
前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更する、
情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第2の時間を設定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記第2の時間を、前記第2の時間から前記第1の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定する、
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定する、
前記(2)又は(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定する、
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第2の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定する、
前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記制御情報に規定された前記第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも後の第3の時間を設定し、前記パラメータの変化が前記第1の時間から前記第3の時間まで継続して前記第3の時間において終了するよう、前記制御情報を変更する、
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、前記第1の時間における前記パラメータの変更内容に基づいて、前記第3の時間を設定する、
前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、前記第3の時間を、前記第1の時間から前記第3の時間にかけての前記パラメータの変化速度が所定の閾値以内となる時間に設定する、
前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記第1の時間における前記パラメータの変更幅が大きいほど長く、小さいほど短く設定する、
前記(8)又は(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記エアロゾル生成装置の特性に基づいて設定する、
前記(8)~(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(12)
前記制御部は、前記第1の時間と前記第3の時間との間隔を、前記基材の種類に基づいて設定する、
前記(8)~(11)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(13)
前記第1の時間は、前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間における複数の所定のタイミングのうちいずれか1つである、
前記(1)~(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
前記情報処理装置は、前記エアロゾル生成装置が前記制御情報を使用してエアロゾルを生成する期間において前記所定のタイミングが到来する度に、前記パラメータの変更に関する前記ユーザ操作を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部により受け付けられた前記ユーザ操作に基づいて前記制御情報を変更する、
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更すること、
を含み、
前記制御情報を変更することは、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更することを含む、
情報処理方法。
(16)
コンピュータを、
基材に含まれるエアロゾル源を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置により使用される、前記エアロゾル源を加熱する温度に関するパラメータの時系列推移を規定した制御情報を、ユーザ操作に応じて変更する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記制御情報に規定された第1の時間における前記パラメータを変更するユーザ操作が行われた場合に、前記第1の時間よりも前の第2の時間を設定し、前記第2の時間から前記パラメータの変化が開始して前記第1の時間において変更後の前記パラメータに到達するよう前記制御情報を変更する、
プログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 システム
100 吸引装置
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
121 加熱部
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
200 端末装置
210 入力部
220 出力部
230 検出部
240 通信部
250 記憶部
260 制御部