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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-14
(45)【発行日】2025-07-23
(54)【発明の名称】弾性体を具備する運動器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/00 20060101AFI20250715BHJP
【FI】
A63B23/00 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024545891
(86)(22)【出願日】2023-02-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(86)【国際出願番号】 KR2023001580
(87)【国際公開番号】W WO2023149747
(87)【国際公開日】2023-08-10
【審査請求日】2024-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0014870
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326683
【氏名又は名称】サムスン ライフ パブリック ウェルフェア ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG LIFE PUBLIC WELFARE FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、スンタク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ファニ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2598593(CN,Y)
【文献】米国特許第5961406(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175636(US,A1)
【文献】米国特許第5282777(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A63B 43/00-43/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性バンドと、前記弾性バンドの両端に連結される1対のボールと、を含む運動器具であり、
前記弾性バンドは、両端にそれぞれ閉ループをなす掛け部を具備し、
前記1対のボールは、前記掛け部が挿入及び固定される貫通部を具備し、
前記弾性バンドは、前記掛け部と離隔されて配され、前記1対のボールがそれぞれ挿抜されうる1以上の開口部を具備し、
前記1以上の開口部は、前記弾性バンドに形成された第1スリット、及び前記第1スリットに対応する第2スリットを具備し、弾性がない材質によってなり、前記弾性バンドの外側に配される貼り合わせ部材を含む、運動器具。
【請求項2】
前記1以上の開口部は、前記弾性バンドの長手方向内側に、前記1対の掛け部とそれぞれ離隔され、1対具備される、請求項に記載の運動器具。
【請求項3】
前記開口部は、前記第1スリット及び前記第2スリットの縁に沿って配される補強部材をさらに含む、請求項に記載の運動器具。
【請求項4】
前記1以上の開口部は、前記1対の掛け部間に複数個配され、
前記1対のボールは、前記複数個の開口部に選択的に挿抜されうる、請求項に記載の運動器具。
【請求項5】
前記貫通部は、前記弾性バンドが挿入されるようにスリット形状を有し、内側に接着剤または固定部材が配され、前記弾性バンドを固定する、請求項1に記載の運動器具。
【請求項6】
前記1対のボールは、前記貫通部の内側に配され、前記貫通部の内側両端を連結し、前記掛け部が取り付けられる固定部をさらに含む、請求項1に記載の運動器具。
【請求項7】
前記掛け部は、前記貫通部に挿入され、前記固定部の外側面に沿って覆い包んだ後、前記貫通部で通過する、請求項に記載の運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動器具に係り、さらに詳細には、弾性体を具備し、リハビリの必要な患者らが利用しうる運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
重症患者のように、ベッドに横になった状態で、移動が困難である患者は、ベッド用運動器具を使用する。例えば、そのような患者は、ベッド用運動器具として、スポンジやゴムのような軟質物質によってなるボールやゴムバンドのような弾性体を利用する。
【0003】
しかしながら、ボールは、体の調子が良好ではない患者が扱い難く、大きさが小さく、患者が使用中に紛失する危険性が高い。また、ゴムバンドは、ベッドなどに取り付けて使用するが、取り付けられた部位に抵抗が集中し、容易に裂けてしまう。特に、ゴムバンドは、使用するたびに新たに取り付けなければならず、使用が終われば、ほどかなければならないという煩わしさがある。ゴムバンドは、患者がさまざまな動作でもって運動することができるように、多様な位置に固定させなければならないが、そのような不都合により、ゴムバンドの使用に制約がある。
【0004】
そのような先行技術は、発明者が本発明の導出のために保有していたか、あるいは本発明の導出過程において習得された技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に、一般公衆に公開された公知技術とすることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述の問題点を解決するための発明であり、患者の使用便宜性を高めた運動器具を提供しうるのである。
【0006】
ただし、そのような課題は、例示的なものであり、本発明が解決しようとする課題は、それに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による運動器具は、弾性バンドと、前記弾性バンドの両端に連結される1対のボールと、を含む運動器具であり、前記弾性バンドは、両端にそれぞれ閉ループをなす掛け部を具備し、前記1対のボールは、前記掛け部が挿入及び固定される貫通部を具備する。
【0008】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記弾性バンドは、前記掛け部と離隔されて配され、前記1対のボールがそれぞれ挿抜されうる1以上の開口部を具備しうる。
【0009】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記1以上の開口部は、前記弾性バンドに形成された第1スリット、及び前記第1スリットに対応する第2スリットを具備し、弾性がない材質によってなり、前記弾性バンドの外側に配される貼り合わせ部材を含み、前記弾性バンドの長手方向内側に、前記1対の掛け部とそれぞれ離隔され、1対具備されうる。
【0010】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記開口部は、前記第1スリット及び前記第2スリットの縁に沿って配される補強部材をさらに含むものでもある。
【0011】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記1以上の開口部は、前記1対の掛け部の間に複数個配され、前記1対のボールは、前記複数個の開口部に選択的に挿抜されうる。
【0012】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記貫通部は、前記弾性バンドが挿入されるようにスリット形状を有し、内側に接着剤または固定部材が配され、前記弾性バンドを固定しうる。
【0013】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記1対のボールは、前記貫通部の内側に配され、前記貫通部の内側両端を連結し、前記掛け部が取り付けられる固定部をさらに含むものでもある。
【0014】
本発明の一実施形態による運動器具において、前記掛け部は、前記貫通部に挿入され、前記固定部の外側面に沿って覆い包んだ後、前記貫通部を通過しうる。
【0015】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の発明を実施するための具体的な内容、特許請求の範囲、及び図面から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態による運動器具は、ベッドで生活する患者も、容易に運動することができるようにする。特に、本発明の一実施形態による運動器具は、弾性バンドとボールとを利用し、弾性バンドの張力を容易に調節し、運動器具を適切な位置に固定しうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による運動器具を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による運動器具を示す図である。
【0018】
図3】本発明の一実施形態によるボールを示す図である。
【0019】
図4】本発明の一実施形態による開口部を示す図である。
【0020】
図5】本発明の一実施形態による、ボールが開口部を介して挿抜される様子を示す図である。
【0021】
図6】本発明の他の実施形態による運動器具を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態による運動器具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態による運動器具は、弾性バンドと、前記弾性バンドの両端に連結される1対のボールと、を含む運動器具であり、前記弾性バンドは、両端にそれぞれ閉ループをなす掛け部を具備し、前記1対のボールは、前記掛け部が挿入及び固定される貫通部を具備する。
【0023】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有しうるが、特定実施形態を図面に例示し、発明の説明によって詳細に説明する。しかしながら、それは、本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。本発明についての説明において、他の実施形態に図示されているとしても、同一構成要素については、同一識別符号を使用する。
【0024】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明が、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それに係わる重複説明は、略する。
【0025】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を、他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0026】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上、明白にそれに限って意味しない限り、複数の表現を含む。
【0027】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を事前に排除するものではない。
【0028】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素が、その大きさが誇張されていたり縮小されていたりもする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0029】
以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の三軸に限定されるものではなく、それを含む広い意味に解釈されうる。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交しもするが、互いに直交せず、互いに異なる方向を称することもできる。
【0030】
ある実施形態が異なって具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるように遂行されもする。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に遂行されもし、説明される順序と反対の順序に進められもする。
【0031】
本出願で使用されている用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。本出願において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0032】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による運動器具10を図示し、図3は、本発明の一実施形態によるボール200を図示し、図4は、本発明の一実施形態による開口部130を図示し、図5は、本発明の一実施形態によるボール200が開口部130を介して挿抜される様子を示す。
【0033】
図1ないし図5を参照すれば、本発明の一実施形態による運動器具10は、リハビリが必要な患者が、ベッドで使用しうるものである。例えば、重症患者のように、リハビリ運動が必要であるが、ベッドから離れがたい患者が、本発明の一実施形態による運動器具10を利用し、リハビリ運動を実施しうる。ただし、本発明の一実施形態による運動器具10は、リハビリ運動に限定されるものではなく、筋力運動、矯正運動、ストレッチングのような多様な動作と運動とに利用されうる。
【0034】
図1ないし図5を参照すれば、本発明の一実施形態による運動器具10は、弾性バンド100及びボール200を含むものでもある。
【0035】
弾性バンド100は、ゴムのような弾性体によってなるバンドであり、長手方向及び幅方向を含み、多様な方向に収縮及び伸長されうる。ユーザは、弾性バンド100を手や足などによってつかんだ状態で、収縮させたり伸長させたりして抵抗運動を行うことができる。
【0036】
一実施形態において、弾性バンド100は、本体部110、掛け部120及び開口部130を含むものでもある。
【0037】
図1及び図2に図示されているように、本体部110は、弾性バンド100の長手方向に沿って長く延長される。本体部110は、長手方向に沿い、一定であるか、あるいは異なる幅を有しうる。
【0038】
掛け部120は、本体部110の端部に配され、ボール200を支持する。例えば、図1及び図2に図示されているように、掛け部120は、本体部110の長手方向両端にそれぞれ1個ずつ配され、環形状またはループ形状を有しうる。掛け部120は、閉ループ(closed-loop)を形成し、ボール200と連結され、ボール200が指定された位置から離脱しないようにする。例えば、ボール200は、掛け部120の一側に固定されるか、あるいは掛け部120内において移動しうる。それを介してユーザは、ボール200を把持した状態で、弾性バンド100を容易に収縮させて伸長させることができる。
【0039】
一実施形態において掛け部120は、ボール200の貫通部210に挿入され、その一側が貫通部210に固定されうる。例えば、貫通部210の内側には、接着剤が塗布されており、掛け部120は、貫通部210を介して挿入され、一面が、接着剤が塗布された貫通部210の内側に固定されうる。それにより、掛け部120において、貫通部210に挿入された部分である固定領域121が貫通部210に固定されうる。または、貫通部210は、別途のクランピング部材を介し、掛け部120、さらに具体的には、固定領域121を貫通部210に固定させうる。
【0040】
他の実施形態において掛け部120は、ボール200を固定する手段を具備しないのである。すなわち、ボール200は、掛け部120を介して挿入され、掛け部120から離脱しないものの、掛け部120に沿って自由に移動しうる。
【0041】
一実施形態において掛け部120は、弾性バンド100の一端が、弾性バンド100の内側に接合されて形成されうる。例えば、図2に図示されているように、本体部110の一端が曲がり、本体部110の内側部分に接合され、当該部分は、接合部140を形成しうる。
【0042】
一実施形態において掛け部120は、本体部110と同一であるか、あるいは異なる材質によってもなる。
【0043】
開口部130は、弾性バンド100の一側、例えば、本体部110の一側に、1以上配されうる。開口部130は、掛け部120と離隔されて配され、ボール200は、開口部130を介して挿抜されうる。
【0044】
一実施形態において開口部130は、1対の掛け部120間に、1以上配されうる。例えば、開口部130は、1対の掛け部120にそれぞれ隣接するように、2個配されうる。ユーザは、弾性バンド100の端部に配されたボール200を、開口部130に挿入したり、開口部130からボール200を離脱させたりして、弾性バンド100の長さを調節することにより、張力を調節しうる。
【0045】
例えば、運動強度を高めるために、さらに強い張力で弾性バンド100を収縮させて伸長させようとする場合、ユーザは、ボール200を開口部130に挿入した後、長手方向に引っ張り、弾性バンド100の全長を短くすることができる。また、運動を終了したり、運動強度を低くするために、さらに弱い張力で弾性バンド100を収縮させて伸長させようとする場合、ユーザは、ボール200を開口部130からさらに離脱させ、弾性バンド100の全長を長くすることができる。
【0046】
一実施形態において開口部130は、3個以上配されうる。例えば、図5に図示されているように、3個以上の開口部130が、1対の掛け部120間に複数個配されうる。それら開口部130は、互いに、同一間隔、または異なる間隔に離隔されて配されうる。ボール200が挿入された開口部130と、掛け部120との距離が長くなるほど、弾性バンド100の長さが短くなるので、ユーザは、複数個の開口部130のうち、ボール200を挿入する開口部130を選択し、弾性バンド100の張力を適切に調節しうる。
【0047】
そのような構成を介し、ユーザは、開口部130を介し、ボール200を入れ込んだり抜き出したりしながら、弾性バンド100の張力を手軽に調節しうる。
【0048】
一実施形態において開口部130は、接合部140より、弾性バンド100の長手方向内側に配されうる。すなわち、開口部130は、掛け部120が形成される領域と重畳されないように、本体部110の内側に配されうる。
【0049】
一実施形態において開口部130は、第1スリット131及び貼り合わせ部材133を含むものでもある。
【0050】
第1スリット131は、弾性バンド100の本体部110一側に形成されるスリットであり、弾性バンド100の長手方向及び/または幅方向に長く延長形成されうる。例えば、第1スリット131は、本体部110を貫通し、本体部110の長手方向に沿って延長される細長状でもある。それにより、掛け部120に固定されたボール200をして、第1スリット131を通過させた後、弾性バンド100の長手方向に引っ張れば、本体部110が第1スリット131の端部に掛かって固定される。
【0051】
図4には、第1スリット131が長方形状または直方体形状であるように示されているが、それらに限定されるものではない。例えば、第1スリット131は、円形、楕円形、またはその他多角形でもある。
【0052】
貼り合わせ部材133は、本体部110の一側に配されうる。例えば、図4に図示されているように、貼り合わせ部材133は、本体部110の外側に、第1スリット131に対応するように配されうる。貼り合わせ部材133は、本体部110より強度が高く、弾性がないか、あるいは小さい材質によってもなる。それを介し、ボール200が第1スリット131を通過するとき、第1スリット131が過度に開かれるか、あるいは損傷されないようにするのである。
【0053】
図4には、貼り合わせ部材133が本体部110の外側に配される場合のみを図示しているが、それに限定されるものではない。例えば、貼り合わせ部材133は、本体部110の内側に配されるか、あるいは外側及び内側のいずれにも配されうる。
【0054】
一実施形態において貼り合わせ部材133は、第1スリット131に対応する第2スリット132を具備しうる。第2スリット132は、貼り合わせ部材133の内側に配され、第1スリット131と同一であるか、あるいは類似した大きさ及び形状を有しうる。ボール200は、第1スリット131及び第2スリット132を順に通過しうる。
【0055】
一実施形態において貼り合わせ部材133は、プレス方式を介し、本体部110に接着されうる。例えば、貼り合わせ部材133の外側、すなわち、第2スリット132を除いた残り部分が、本体部110の一面にプレス接着されうる。
【0056】
補強部材134は、第1スリット131及び/または第2スリット132の周囲に配され、ボール200が通過する過程において、第1スリット131及び/または第2スリット132が損傷されないようにする。例えば、図4に図示されているように、補強部材134は、第1スリット131と第2スリット132との縁に沿い、所定の幅と厚みとに配されうる。補強部材134の種類は、特別に限定されるものではなく、本体部110及び貼り合わせ部材133よりも高い強度を有し、弾性が少ない材質によってもなる。
【0057】
補強部材134は、第1スリット131の内側縁または第2スリット132の内側縁に沿い、連続したり、連続しなかったりするように配されうる。または、補強部材134は、本体部110と貼り合わせ部材133とのいずれにも配されうる。例えば、補強部材134は、第1スリット131及び第2スリット132の縁を貫通して縫い付けられた糸でもある。それを介し、貼り合わせ部材133を本体部110にさらに堅固に固定させ、ボール200により、第1スリット131と第2スリット132とが損傷されないようにするのである。
【0058】
ボール200は、弾性バンド100の端部に、1以上配されうる。例えば、図1に図示されているように、ボール200は、弾性バンド100の長手方向両端に、それぞれ1個ずつ配され、ユーザは、手でボール200を把持した状態で引っ張りながら運動を行うことができる。または、ユーザは、運動器具10をベッド欄干などに固定させるために、ボール200を利用しうる。
【0059】
一実施形態においてボール200は、掛け部120に配されうる。図1及び図2に図示されているように、ボール200は、弾性バンド100の両端に具備された掛け部120にそれぞれ配されうる。ボール200を貫通した掛け部120は、接合部140で弾性バンド100に接合されて閉ループを形成し、ボール200は、掛け部120に維持されうる。
【0060】
ボール200は、一側に、掛け部120が挿入される貫通部210を具備しうる。貫通部210は、ボール200の一側に形成された孔またはスリットであり、弾性バンド100が通過するほどの大きさを有しうる。図3には、貫通部210が、ボール200の中心から離隔されているように示されているが、それに限定されるものではない。貫通部210は、ボール200の中心を含むように形成されたり、ボール200の中心から離隔されて形成されたりしうる。
【0061】
一実施形態において貫通部210の一側には、掛け部120が固定されうる。例えば、図2及び図3に図示されているように、貫通部210は、ボール200の中心に向かう面、及び/またはボール200の中心から離隔される面が平らでもある。それら面には、接着剤などが塗布され、掛け部120、さらに具体的には、固定領域121は、貫通部210に挿入された後、当該面に接着されて固定されうる。
【0062】
他の実施形態において貫通部210の一側には、掛け部120を固定させるための機構的構成が配されうる。例えば、固定部材として、貫通部210の一面には、両縁に、内側に向けて延長される突起が配され、掛け部120は、前記突起に挿入された状態でスライディングしうる。
【0063】
他の実施形態において貫通部210は、掛け部120を固定しないのである。それにより、ボール200は、掛け部120に挿入された状態で自由に移動しうる。
【0064】
図6及び図7は、本発明の他の実施形態による運動器具10Aを示す。
【0065】
図6及び図7による運動器具10Aは、前述の実施形態による運動器具10と比較したとき、ボール200Aの構成が異なっており、残り構成は、運動器具10の構成と同一でもある。以下においては、説明の便宜のために、運動器具10と異なる構成を中心に説明する。
【0066】
本発明の一実施形態による運動器具10Aは、弾性バンド100A及びボール200Aを含むものでもある。弾性バンド100Aは、本体部110A、掛け部120A、開口部130A及び接合部140Aを含むものでもある。それら構成は、前述の実施形態による運動器具10の構成と同一でもある、それらに係わる詳細な説明は、省略する。
【0067】
ボール200Aは、貫通部210A及び固定部220Aを含むものでもある。
【0068】
貫通部210Aは、ボール200Aの中心を含むように配され、正面から見たとき、円形状、楕円形状または多角形形状を有しうる。図6には、貫通部210Aが、ボール200Aの一面と他面とを連通するように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、貫通部210Aは、掛け部120Aが挿入されるボール200Aの一面を介して凹状に形成され、ボール200Aの他面と連通しないように形成されうる。
【0069】
固定部220Aは、貫通部210Aの内側に配され、掛け部120Aを固定させうる。例えば、固定部220Aは、貫通部210Aの両側内面を連結するように配され、掛け部120Aは、固定部220Aに掛かり、ボール200Aが弾性バンド100Aから離脱されないようにするのである。
【0070】
図6には、固定部220Aが円柱状であるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、固定部220Aは、外側面に凹部と凸部とが繰り返して配されることにより、高さ方向に沿って直径が異なる形状を有しうる。または、固定部220Aは、多角柱でもある。
【0071】
一実施形態において固定部220Aの外側面には、接着剤が塗布され、掛け部120Aが固定部220Aに接着固定されうる。または、固定部220Aの外側面には、別途の接着剤が塗布されず、掛け部120Aは、固定部220Aに巻かれた状態で回転しうる。
【0072】
他の実施形態において掛け部120Aは、固定部220Aの周囲方向に沿って配されうる。例えば、図7に図示されているように、掛け部120Aは、貫通部210Aを介して挿入された後、固定部220Aを1周以上巻いた後、貫通部210Aを通過しうる。ここで、貫通部210Aは、ボール200Aの一側と他側とを連通して形成されることにより、掛け部120Aは、貫通部210Aの一側に挿入され、固定部220Aを巻いた後、他側に通過しうる。または、貫通部210Aは、ボール200Aの一側に陥没形成されることにより、掛け部120Aは、貫通部210Aの一側に挿入され、固定部220Aを巻いた後、また最初挿入された貫通部210Aの一側を介し、ボール200Aの外部に抜け出るのである。それを介し、掛け部120Aを固定部220Aに位置固定させうる。
【0073】
そのような構成を介し、本発明の一実施形態による運動器具10は、ベッドで生活する患者も、容易に運動することができるようにする。特に、本発明の一実施形態による運動器具10は、弾性バンド100とボール200とを利用し、弾性バンド100の張力を容易に調節し、運動器具10を適切な位置に固定させうる。
【0074】
以上のように、図面に図示された実施形態を参照して本発明について説明したが、それらは、例示に過ぎない。当該技術分野において通常の知識を有する者であるならば、本実施形態から、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を十分に理解しうるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲に基づいて定められなければならない。
【0075】
本実施形態で説明される特定記述内容は、一実施形態であり、本実施形態の技術範囲を限定するものではない。発明の説明を簡潔であって明確に記載するために、従来の一般的な技術と構成とに係わる記載は、省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結が例示的に示されているものでありて、実際の装置においては、代替可能であったり追加されたりする、多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結によって表現されうる。また、「必須な」、「重要に」というような具体的な言及がなければ、本発明の適用のために、必ずしも必要な構成要素ではないのである。
【0076】
発明の説明、及び特許請求の範囲に記載された「前記」、またはそれと類似した指示語は、特別に限定がない限り、単数及び複数のいずれをも称しうる。また、実施形態において範囲(range)が記載されている場合、該範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がなければ)、発明の説明に、該範囲を構成する各個別的な値が記載されている通りである。また、本実施形態による方法を構成する段階につき、明白に順序を記載するか、あるいはそれに反する記載がなければ、前記段階は、適切な順序で遂行されうる。必ずしも、前記段階の記載順序により、本実施形態が限定されるものではない。
【0077】
本実施形態において、全ての例、または例示的な用語(例:「など」というようなもの)の使用は、単に、本実施形態について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、前述の例、または例示的な用語により、本実施形態の範囲が限定されるものではない。また、通常の技術者であるならば、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうるということを知ることができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、患者のための運動器具と係わる産業に利用されうる。
図1
図2
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図5
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図7