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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-15
(45)【発行日】2025-07-24
(54)【発明の名称】ダイアフラム弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/17 20060101AFI20250716BHJP
【FI】
F16K7/17 B
F16K7/17 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021144769
(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公開番号】P2023037929
(43)【公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000101514
【氏名又は名称】アドバンス電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 力弥
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0168592(US,A1)
【文献】特開2005-163877(JP,A)
【文献】特開2009-002442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入流路、流出流路、及び弁座を形成する流路側ボディと、
前記弁座に対して弁体を移動させるピストンを内部に配置する駆動側ボディと、
前記ピストンの一端側に配置されるダイアフラムと
を有し、
前記ダイアフラムが、
前記ピストンに繋がる肉厚部と、
前記肉厚部の外周に形成される膜部と、
前記膜部の外周に形成される固定部と
を有し、
前記固定部が、
前記膜部側に位置する第1固定部と、
前記第1固定部の外周に位置する第2固定部と
を有し、
前記第1固定部には、前記ピストン側に第1固定部ピストン側端面を、前記弁体側に第1固定部弁体側端面を形成し、
前記第2固定部には、前記ピストン側に第2固定部ピストン側端面を、前記弁体側に第2固定部弁体側端面を形成するとともに、内周側に第2固定部内周面を、外周側に第2固定部外周面を形成し、
前記固定部をダイアフラム押えによって前記流路側ボディに取り付けるダイアフラム弁であって、
前記流路側ボディには、
前記第1固定部弁体側端面と前記第2固定部弁体側端面とを当接させるボディ側第1端面と、
前記第2固定部外周面を当接させるボディ側凸部内周面を形成するボディ側リング状凸部と
を有し、
前記ダイアフラム押えには、
ダイアフラム押え内周側リング状凸部と、
前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部の外周に位置するダイアフラム押え外周側リング状凸部と
を有し、
前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部と前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部との間には、ダイアフラム押え当接面を形成し、
前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側端面を前記第1固定部ピストン側端面に当接させ、
前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側外周面を前記第2固定部内周面に当接させ、
前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部のダイアフラム押え外周側内周面を前記ボディ側リング状凸部のボディ側凸部外周面に当接させ、
前記ダイアフラム押え当接面を、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部および前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部に囲まれ、前記ダイアフラム押え外周側内周面から前記ダイアフラム押え内周側外周面に延びる単一高さの同一平面とし、
前記ダイアフラム押え当接面を、前記第2固定部ピストン側端面と前記ボディ側リング状凸部のボディ側凸部端面とに当接させる
ことを特徴とするダイアフラム弁。
【請求項2】
前記ボディ側リング状凸部及び前記第2固定部に対して、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部及び前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部が圧入されている
ことを特徴とする請求項1に記載のダイアフラム弁。
【請求項3】
前記第2固定部内周面と前記第2固定部ピストン側端面との境界には第2固定部面取り部を形成し、
前記ダイアフラム押え内周側外周面と前記ダイアフラム押え内周側端面との境界にはダイアフラム押え内周側面取り部を形成した
ことを特徴とする請求項2に記載のダイアフラム弁。
【請求項4】
前記ダイアフラム押えを、前記ダイアフラム及び前記流路側ボディよりも機械的強度が高い材質とした
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のダイアフラム弁。
【請求項5】
前記ダイアフラム及び弁体を、PTFE又はPFAとし、
前記ダイアフラム押えを、PVdF等のフッ素樹脂、PPSやPP等の熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂にガラス若しくはカーボンを混合した複合材とした
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のダイアフラム弁。
【請求項6】
前記ダイアフラム押えは、前記流路側ボディと前記駆動側ボディとで挟み込まれ、
前記ダイアフラム押えの中心部には、前記ピストンを摺動させる摺動面を形成した
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のダイアフラム弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に強酸や強アルカリなどの腐食性の高い薬液を使用することが多いシリコンウェハプロセスでの洗浄、剥離工程で使用されるダイアフラム弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイアフラム弁は、例えば特許文献1に開示されているように、ピストンの一端側にダイアフラムが配置され、ダイアフラムは、膜部と、膜部の外周に形成される固定部とを有する。
特許文献1のダイアフラム弁では、ボディの突出部とダイアフラムの固定部とを溶着するとともに、ダイアフラム押えによって固定部をボディに抑え込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-163877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の方法では、溶着部品を嵌め込み、この溶着部品によって溶着するために、製造工程が増えてしまうという課題がある。
【0005】
そこで本発明は、ダイアフラム押えによってダイアフラムを流路側ボディに強固に固定でき、ダイアフラムの外周部における流路側ボディの肉厚を薄くする、又は肉厚を設ける必要をなくすことで流路側ボディの小型化を実現できるダイアフラム弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のダイアフラム弁1は、流入流路11、流出流路12、及び弁座13を形成する流路側ボディ10と、前記弁座13に対して弁体40を移動させるピストン30を内部に配置する駆動側ボディ20と、前記ピストン30の一端側に配置されるダイアフラム60とを有し、前記ダイアフラム60が、前記ピストン30に繋がる肉厚部61と、前記肉厚部61の外周に形成される膜部62と、前記膜部62の外周に形成される固定部63とを有し、前記固定部63が、前記膜部62側に位置する第1固定部63Aと、前記第1固定部63Aの外周に位置する第2固定部63Bとを有し、前記第1固定部63Aには、前記ピストン30側に第1固定部ピストン側端面63Apを、前記弁体40側に第1固定部弁体側端面63Abを形成し、前記第2固定部63Bには、前記ピストン30側に第2固定部ピストン側端面63Bpを、前記弁体40側に第2固定部弁体側端面63Bbを形成するとともに、内周側に第2固定部内周面63Biを、外周側に第2固定部外周面63Boを形成し、前記固定部63をダイアフラム押え70によって前記流路側ボディ10に取り付けるダイアフラム弁1であって、前記流路側ボディ10には、前記第1固定部弁体側端面63Abと前記第2固定部弁体側端面63Bbとを当接させるボディ側第1端面15と、前記第2固定部外周面63Boを当接させるボディ側凸部内周面16iを形成するボディ側リング状凸部16とを有し、前記ダイアフラム押え70には、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73と、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73の外周に位置するダイアフラム押え外周側リング状凸部74とを有し、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73と前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部74との間には、ダイアフラム押え当接面75を形成し、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73のダイアフラム押え内周側端面73sを前記第1固定部ピストン側端面63Apに当接させ、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73のダイアフラム押え内周側外周面73oを前記第2固定部内周面63Biに当接させ、前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部74のダイアフラム押え外周側内周面74iを前記ボディ側リング状凸部16のボディ側凸部外周面16oに当接させ、前記ダイアフラム押え当接面75を、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73および前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部74に囲まれ、前記ダイアフラム押え外周側内周面74iから前記ダイアフラム押え内周側外周面73oに延びる単一高さの同一平面とし、前記ダイアフラム押え当接面75を、前記第2固定部ピストン側端面63Bpと前記ボディ側リング状凸部16のボディ側凸部端面16sとに当接させることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のダイアフラム弁1において、前記ボディ側リング状凸部16及び前記第2固定部63Bに対して、前記ダイアフラム押え内周側リング状凸部73及び前記ダイアフラム押え外周側リング状凸部74が圧入されていることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のダイアフラム弁1において、前記第2固定部内周面63Biと前記第2固定部ピストン側端面63Bpとの境界には第2固定部面取り部63cを形成し、
前記ダイアフラム押え内周側外周面73oと前記ダイアフラム押え内周側端面73sとの境界にはダイアフラム押え内周側面取り部73cを形成したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のダイアフラム弁1において、前記ダイアフラム押え70を、前記ダイアフラム60及び前記流路側ボディ10よりも機械的強度が高い材質としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のダイアフラム弁1において、前記ダイアフラム60及び弁体40を、PTFE又はPFAとし、前記ダイアフラム押え70を、PVdF等のフッ素樹脂、PPSやPP等の熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂にガラス若しくはカーボンを混合した複合材としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のダイアフラム弁1において、前記ダイアフラム押え70は、前記流路側ボディ10と前記駆動側ボディ20とで挟み込まれ、前記ダイアフラム押え70の中心部には、前記ピストン30を摺動させる摺動面71を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のダイアフラム弁によれば、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側端面を第1固定部ピストン側端面に当接させ、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側外周面を第2固定部内周面に当接させ、ダイアフラム押え外周側リング状凸部のダイアフラム押え外周側内周面をボディ側リング状凸部のボディ側凸部外周面に当接させ、ダイアフラム押え当接面を、第2固定部ピストン側端面とボディ側リング状凸部のボディ側凸部端面とに当接させることで、ダイアフラム押えによってダイアフラムを流路側ボディに強固に固定できる。
また、固定部とボディ側リング状凸部とをダイアフラム押えによって挟み込むことでダイアフラムを流路側ボディに強固に取り付けることができ、ボディ側リング状凸部の外方肉厚はダイアフラムの取り付けに影響を与えないため、ダイアフラムの外周部における流路側ボディの肉厚を薄くする、又は肉厚を設ける必要がなくなり、流路側ボディの小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例によるダイアフラム弁の弁閉状態を示す断面図
図2図1の要部分解断面図
図3図1の要部詳細断面図
図4】本発明の他の実施例によるダイアフラム弁の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるダイアフラム弁は、流路側ボディには、第1固定部弁体側端面と第2固定部弁体側端面とを当接させるボディ側第1端面と、第2固定部外周面を当接させるボディ側凸部内周面を形成するボディ側リング状凸部とを有し、ダイアフラム押えには、ダイアフラム押え内周側リング状凸部と、ダイアフラム押え内周側リング状凸部の外周に位置するダイアフラム押え外周側リング状凸部とを有し、ダイアフラム押え内周側リング状凸部とダイアフラム押え外周側リング状凸部との間には、ダイアフラム押え当接面を形成し、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側端面を第1固定部ピストン側端面に当接させ、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側外周面を第2固定部内周面に当接させ、ダイアフラム押え外周側リング状凸部のダイアフラム押え外周側内周面をボディ側リング状凸部のボディ側凸部外周面に当接させ、ダイアフラム押え当接面を、第2固定部ピストン側端面とボディ側リング状凸部のボディ側凸部端面とに当接させるものである。
本実施の形態によれば、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側端面を第1固定部ピストン側端面に当接させ、ダイアフラム押え内周側リング状凸部のダイアフラム押え内周側外周面を第2固定部内周面に当接させ、ダイアフラム押え外周側リング状凸部のダイアフラム押え外周側内周面をボディ側リング状凸部のボディ側凸部外周面に当接させ、ダイアフラム押え当接面を、ダイアフラム押え内周側リング状凸部およびダイアフラム押え外周側リング状凸部に囲まれ、ダイアフラム押え外周側内周面からダイアフラム押え内周側外周面に延びる単一高さの同一平面とし、ダイアフラム押え当接面を、第2固定部ピストン側端面とボディ側リング状凸部のボディ側凸部端面とに当接させることで、ダイアフラム押えによってダイアフラムを流路側ボディに強固に固定できる。
また、本実施の形態によれば、固定部とボディ側リング状凸部とをダイアフラム押えによって挟み込むことでダイアフラムを流路側ボディに強固に取り付けることができ、ボディ側リング状凸部の外方肉厚はダイアフラムの取り付けに影響を与えないため、ダイアフラムの外周部における流路側ボディの肉厚を薄くする、又は肉厚を設ける必要がなくなり、流路側ボディの小型化を実現できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるダイアフラム弁において、ボディ側リング状凸部及び第2固定部に対して、ダイアフラム押え内周側リング状凸部及びダイアフラム押え外周側リング状凸部が圧入されているものである。
本実施の形態によれば、ダイアフラム押え内周側リング状凸部及びダイアフラム押え外周側リング状凸部を、ボディ側リング状凸部及び第2固定部に圧入することで、ダイアフラムを流路側ボディに更に強固に取り付けることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるダイアフラム弁において、第2固定部内周面と第2固定部ピストン側端面との境界には第2固定部面取り部を形成し、ダイアフラム押え内周側外周面とダイアフラム押え内周側端面との境界にはダイアフラム押え内周側面取り部を形成したものである。
本実施の形態によれば、圧入を容易にすることができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態によるダイアフラム弁において、ダイアフラム押えを、ダイアフラム及び流路側ボディよりも機械的強度が高い材質としたものである。
本実施の形態によれば、圧入が容易となるとともに圧入後の強度が高い。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態によるダイアフラム弁において、ダイアフラム及び弁体を、PTFE又はPFAとし、ダイアフラム押えを、PVdF等のフッ素樹脂、PPSやPP等の熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂にガラス若しくはカーボンを混合した複合材としたものである。
本実施の形態によれば、ダイアフラム及び弁体を、PTFE又はPFAとすることで耐腐食性に優れるとともに、ダイアフラムの屈曲性にも対応できる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態によるダイアフラム弁において、ダイアフラム押えは、流路側ボディと駆動側ボディとで挟み込まれ、ダイアフラム押えの中心部には、ピストンを摺動させる摺動面を形成したものである。
本実施の形態によれば、ダイアフラムとピストンとがダイアフラム押えによって位置決めされるため、ダイアフラムとピストンとのずれが生じにくく、ダイアフラムの安定した動作を確保できる。
【実施例
【0015】
以下本発明の一実施例によるダイアフラム弁について説明する。
図1は本実施例によるダイアフラム弁の弁閉状態を示す断面図である。
【0016】
本実施例によるダイアフラム弁1は、流路側ボディ10と、駆動側ボディ20とを有している。
流路側ボディ10は、被制御流体が流入する流入流路11と、被制御流体が流出する流出流路12と、流入流路11と流出流路12との間に位置する弁座13とを内部に形成する。
駆動側ボディ20は、ピストン30を配置するピストン用筒状空間21を内部に形成する。
駆動側ボディ20には、エアー流通路22、23を形成している。エアー流通路22は、ダイアフラム60とピストン拡大部31との間のピストン用筒状空間21aに連通し、エアー流通路23は、ピストン付勢手段50が配置されるピストン用筒状空間21bに連通している。
【0017】
ピストン30の一端には弁体40が配置される。
ピストン用筒状空間21には、ピストン30を付勢するピストン付勢手段50を有している。ピストン付勢手段50は、弁体40が弁座13に当接する方向にピストン30を付勢する。
ピストン30には、ピストン拡大部31を形成している。ピストン付勢手段50は、ピストン拡大部31を押圧することで、ピストン30を付勢する。ピストン付勢手段50には例えばコイルばねを用いることができる。
ピストン用筒状空間21の一端は、弁座13に対向する位置で開口している。
この開口にダイアフラム60が配置され、ピストン用筒状空間21と弁座13とはダイアフラム60によって仕切られる。
【0018】
ダイアフラム60は、ピストン30の一端側に配置される。ピストン30の一端は、ダイアフラム60の中心に位置し、ダイアフラム60の弁座13側に弁体40が配置される。
ダイアフラム60は、ピストン30の移動に伴い変形する。
【0019】
ダイアフラム60は、ダイアフラム押え70によって流路側ボディ10に取り付ける。
ダイアフラム押え70は、流路側ボディ10と駆動側ボディ20とで挟み込まれ、ダイアフラム押え70の中心部には、ピストン30を摺動させる摺動面71を形成している。
従って、ダイアフラム60とピストン30とがダイアフラム押え70によって位置決めされるため、ダイアフラム60とピストン30とのずれが生じにくく、ダイアフラム60の安定した動作を確保できる。
ダイアフラム押え70には、ダイアフラム60、ダイアフラム押え70、及びピストン30で囲まれる空間に連通する連通孔72を形成している。
【0020】
図2は、図1の要部分解断面図である。
ダイアフラム60は、ピストン30に繋がる肉厚部61と、肉厚部61の外周に形成される膜部62と、膜部62の外周に形成される固定部63とを有する。ダイアフラム60は、肉厚部61の中央部でピストン30と繋がり、膜部62が主に変形する。
固定部63は、膜部62側に位置する第1固定部63Aと、第1固定部63Aの外周に位置する第2固定部63Bとを有している。
第1固定部63Aには、ピストン30側に第1固定部ピストン側端面63Apを、弁体40側に第1固定部弁体側端面63Abを形成している。
第2固定部63Bには、ピストン30側に第2固定部ピストン側端面63Bpを、弁体40側に第2固定部弁体側端面63Bbを形成するとともに、内周側に第2固定部内周面63Biを、外周側に第2固定部外周面63Boを形成している。
【0021】
流路側ボディ10には、ボディ側第1端面15とボディ側リング状凸部16とを有している。
ボディ側第1端面15には、第1固定部弁体側端面63Abと第2固定部弁体側端面63Bbとが当接する。
ボディ側リング状凸部16によって、内周にはボディ側凸部内周面16iが形成され、外周にはボディ側凸部外周面16oが形成され、端部にはボディ側凸部端面16sが形成される。
流路側ボディ10には、ボディ側リング状凸部16の外周にボディ側リング状溝17が形成される。
ボディ側凸部内周面16iには、第2固定部外周面63Boが当接する。
【0022】
ダイアフラム押え70には、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73と、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73の外周に位置するダイアフラム押え外周側リング状凸部74とを有している。
ダイアフラム押え内周側リング状凸部73とダイアフラム押え外周側リング状凸部74との間には、ダイアフラム押え当接面75を形成している。
ダイアフラム押え内周側リング状凸部73の外周には、ダイアフラム押え内周側外周面73oを形成し、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73の先端には、ダイアフラム押え内周側端面73sを形成している。
ダイアフラム押え外周側リング状凸部74の内周には、ダイアフラム押え外周側内周面74iを形成し、ダイアフラム押え外周側リング状凸部74の外周には、ダイアフラム押え外周側外周面74oを形成し、ダイアフラム押え外周側リング状凸部74の先端には、ダイアフラム押え外周側端面74sを形成している。
ダイアフラム押え内周側外周面73oとダイアフラム押え外周側内周面74iとは対向して形成される。
【0023】
ダイアフラム押え内周側端面73sは第1固定部ピストン側端面63Apに当接させ、ダイアフラム押え内周側外周面73oは第2固定部内周面63Biに当接させ、ダイアフラム押え外周側内周面74iはボディ側凸部外周面16oに当接させ、ダイアフラム押え当接面75は、第2固定部ピストン側端面63Bpとボディ側凸部端面16sとに当接させる。
従って、ダイアフラム押え70によってダイアフラム60を流路側ボディ10に強固に固定できる。
なお、本実施例では、ダイアフラム押え外周側リング状凸部74をボディ側リング状溝17に圧入することで、ダイアフラム60を更に流路側ボディ10に強固に固定できるが、ボディ側リング状溝17の外周には肉厚を必ずしも必要としない。
固定部63とボディ側リング状凸部16とをダイアフラム押え70によって挟み込むことでダイアフラム60を流路側ボディ10に強固に取り付けることができ、ボディ側リング状凸部16の外方肉厚はダイアフラム60の取り付けに影響を与えないため、ダイアフラム60の外周部における流路側ボディ10の肉厚を薄くする、又は肉厚を設ける必要がなくなり、流路側ボディ10の小型化を実現できる。
【0024】
図3は、図1の要部詳細断面図である。
図3に示すように、第2固定部内周面63Biと第2固定部ピストン側端面63Bpとの境界には第2固定部面取り部63cを形成し、ダイアフラム押え内周側外周面73oとダイアフラム押え内周側端面73sとの境界にはダイアフラム押え内周側面取り部73cを形成している。
ボディ側凸部内周面16iと第2固定部外周面63Boとは隙間なく全面で当接させる。また、ボディ側凸部外周面16oとダイアフラム押え外周側内周面74iとは隙間なく全面で当接させる。また、第2固定部内周面63Biとダイアフラム押え内周側外周面73oとは、第2固定部面取り部63c及びダイアフラム押え内周側面取り部73cを除き、隙間なく全面で当接させる。
【0025】
ここで、ボディ側リング状凸部16の厚みを16L、第2固定部63Bの厚みを63BL、ダイアフラム押え内周側外周面73oとダイアフラム押え外周側内周面74iとの隙間寸法を75Lとすると、16L+63BL>75Lとしている。
そして、ボディ側リング状凸部16及び第2固定部63Bに対して、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73及びダイアフラム押え外周側リング状凸部74を圧入している。
このように、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73及びダイアフラム押え外周側リング状凸部74を、ボディ側リング状凸部16及び第2固定部63Bに圧入することで、ダイアフラム60を流路側ボディ10に更に強固に取り付けることができる。
【0026】
また、第2固定部面取り部63c及びダイアフラム押え内周側面取り部73cを形成しているので、圧入を容易にすることができる。
ダイアフラム押え70は、ダイアフラム60及び流路側ボディ10よりも機械的強度が高い材質とすることで、圧入が容易となるとともに圧入後の強度が高い。
【0027】
ダイアフラム60及び弁体40は、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)又はPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)とすることが好ましく、PTFE若しくはPFAを添加した熱可塑性樹脂とすることもできる。
ダイアフラム60及び弁体40をPTFE又はPFAとすることで耐腐食性に優れるとともに、ダイアフラム60の屈曲性にも対応できる。
ダイアフラム押え70は、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPP(ポリプロピレン)等の熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂にガラス若しくはカーボンを混合した複合材とすることが好ましい。ダイアフラム押え70としてPTFE又はPFAを用いる場合には、ダイアフラム押え外周側リング状凸部74に金属ガイドを入れることで機械的強度を高めることができる。
なお、駆動側ボディ20は、PTFE、PFA、若しくはPVdF等のフッ素樹脂、又はPP、PVC、PPSやPP等の熱可塑性樹脂とすることができる。
なお、第2固定部面取り部63c及びダイアフラム押え内周側面取り部73cは設けなくてもよい。
【0028】
図4は、本発明の他の実施例によるダイアフラム弁の要部断面図である。
本実施例では、ダイアフラム60として二重膜を用いている点、及びダイアフラム押え70を駆動側ボディ20と一体に形成している点、以外の構成は図1から図3に示す実施例と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、ダイアフラム60の膜部62は、ピストン側膜部62pと弁体側膜部62bとで構成され、ピストン側膜部62pと弁体側膜部62bとの間に、リング状のダイアフラム押え部材64を配置している。
このように、ダイアフラム押え70は、駆動側ボディ20と樹脂一体成型により形成してもよく、図1から図3に示す実施例においても同様である。
なお、本実施例のように、膜部62をピストン側膜部62pと弁体側膜部62bとで構成する場合には、連通孔72は、ピストン側膜部62pと弁体側膜部62bとの間の膜部空間に連通させる。
【0029】
以上のように本実施例によるダイアフラム弁1は、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73のダイアフラム押え内周側端面73sを第1固定部ピストン側端面63Apに当接させ、ダイアフラム押え内周側リング状凸部73のダイアフラム押え内周側外周面73oを第2固定部内周面63Biに当接させ、ダイアフラム押え外周側リング状凸部74のダイアフラム押え外周側内周面74iをボディ側リング状凸部16のボディ側凸部外周面16oに当接させ、ダイアフラム押え当接面75を、第2固定部ピストン側端面63Bpとボディ側リング状凸部16のボディ側凸部端面16sとに当接させることで、ダイアフラム押え70によってダイアフラム60を流路側ボディ10に強固に固定できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、特に半導体製造分野におけるシリコンウェハプロセスの洗浄や剥離工程において用いられるダイアフラム弁に適している。
【符号の説明】
【0031】
1 ダイアフラム弁
10 流路側ボディ
11 流入流路
12 流出流路
13 弁座
14 膜部連通孔
15 ボディ側第1端面
16 ボディ側リング状凸部
16i ボディ側凸部内周面
16o ボディ側凸部外周面
16s ボディ側凸部端面
16L 厚み
17 ボディ側リング状溝
20 駆動側ボディ
21 ピストン用筒状空間
21a ピストン用筒状空間
21b ピストン用筒状空間
22、23 エアー流通路
30 ピストン
31 ピストン拡大部
40 弁体
50 ピストン付勢手段
60 ダイアフラム
61 肉厚部
62 膜部
62b 弁体側膜部
62p ピストン側膜部
62s 膜部空間
63 固定部
63A 第1固定部
63Ab 第1固定部弁体側端面
63Ap 第1固定部ピストン側端面
63B 第2固定部
63Bb 第2固定部弁体側端面
63Bp 第2固定部ピストン側端面
63Bi 第2固定部内周面
63Bo 第2固定部外周面
63BL 厚み
63c 第2固定部面取り部
64 ダイアフラム押え部材
70 ダイアフラム押え
71 摺動面
72 連通孔
73 ダイアフラム押え内周側リング状凸部
73s ダイアフラム押え内周側端面
73o ダイアフラム押え内周側外周面
73c ダイアフラム押え内周側面取り部
74 ダイアフラム押え外周側リング状凸部
74i ダイアフラム押え外周側内周面
74o ダイアフラム押え外周側外周面
74s ダイアフラム押え外周側端面
75 ダイアフラム押え当接面
75L 隙間寸法
図1
図2
図3
図4