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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-17
(45)【発行日】2025-07-28
(54)【発明の名称】電力変換ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20250718BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023135678
(22)【出願日】2023-08-23
(65)【公開番号】P2025030405
(43)【公開日】2025-03-07
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】田瀬 裕也
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-146179(JP,A)
【文献】特開2010-187504(JP,A)
【文献】特開2007-273774(JP,A)
【文献】特開2005-012940(JP,A)
【文献】特開2008-053635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体モジュールと、
前記半導体モジュールをモジュール搭載面に搭載するヒートシンクと、
前記モジュール搭載面の法線方向から見て前記ヒートシンクよりも外側に配置されるコンデンサと、
前記モジュール搭載面の前記法線方向から見て前記ヒートシンクから前記コンデンサ側に延び、前記コンデンサに対向配置される熱伝導部材と、を備え、
前記熱伝導部材と前記ヒートシンクとは、前記モジュール搭載面に沿う第一接合面と前記モジュール搭載面と交差する第二接合面とにおいて、互いに接合されている電力変換ユニット。
【請求項2】
前記熱伝導部材は、前記法線方向から見て前記コンデンサと重なる平面状の対向面を有し、
前記コンデンサは、前記法線方向から見て前記対向面と重なる円筒状の外周面を有し、
前記熱伝導部材と前記コンデンサとの間には、前記対向面に沿う第一接触面と前記外周面に沿う第二接触面とを有する第二熱伝導部材が備えられている請求項1に記載の電力変換ユニット。
【請求項3】
前記第二熱伝導部材は、導電性を有し、前記コンデンサ全体を覆うケース状をなしている請求項2に記載の電力変換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュール等の半導体モジュールと平滑用コンデンサとを備えた電力変換ユニットにおいて、半導体モジュールをヒートシンク上に搭載して冷却可能とする構成が知られている。
しかし、装置の小型化によって部品の実装密度が増加していくと、自冷式の場合は対流の悪化や他部品からの熱の影響を受けやすくなるという課題がある。特に、ヒートシンクに搭載される半導体モジュールに対し、コンデンサの熱の影響を抑える構成が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-216409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、半導体モジュールをヒートシンクで冷却するとともにコンデンサの熱の影響を抑えることができる電力変換ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電力変換ユニットは、半導体モジュールと、ヒートシンクと、コンデンサと、導体と、熱伝導部材と、を備える。ヒートシンクは、半導体モジュールをモジュール搭載面に搭載する。コンデンサは、モジュール搭載面の法線方向から見てヒートシンクよりも外側に配置される。導体は、半導体モジュールとコンデンサとを接続する。熱伝導部材は、モジュール搭載面の法線方向から見てヒートシンクからコンデンサ側に延び、コンデンサに対向配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の電力変換ユニットを斜め上方から見た斜視図。
図2】実施形態の電力変換ユニットを斜め下方から見た斜視図。
図3】実施形態の電力変換ユニットの側面図。
図4図3のA-A断面図。
図5】上記電力変換ユニットのコンデンサおよび押さえ部材の構成を示す説明図。
図6】(a)は上記電力変換ユニットのヒートシンクと金属板との接続部を示す説明図、(b)は前記接続部の他の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の電力変換ユニット1を、図面を参照して説明する。なお、同一の又は対応する構成要素には同一の符号を付して複数回の説明を省略する場合がある。
【0008】
(電力変換ユニット1)
図1は、実施形態の電力変換ユニット1を斜め上方から見た斜視図、図2は、実施形態の電力変換ユニット1を斜め上方から見た斜視図である。
実施形態の電力変換ユニット1は、IBGT等の半導体素子を含む半導体モジュール2と、半導体モジュール2を載せた例えば水冷のヒートシンク6と、例えば複数(一対)の平滑用コンデンサと、ヒートシンク6からコンデンサ側に延びる熱伝導部材16と、コンデンサ11を熱伝導部材16に固定する押さえ部材21と、半導体モジュール2をコンデンサ11に接続する導体26と、を備えている。
【0009】
説明都合上、図中矢印Yを前後方向、矢印Xを左右方向、矢印Zを上下方向として説明を行う。また、図中矢印FRはY方向の前方、矢印LHはX方向の左方、矢印UPはZ方向の上方をそれぞれ示す。実施形態の前後左右等の向きは、電力変換ユニット1の配置を限定するものではない。
【0010】
図3は電力変換ユニット1を左右方向から見た側面図、図4図3のA-A断面図である。
図3図4を併せて参照し、半導体モジュール2は、前後方向の厚さを抑えた偏平状の基部3と、基部3の前後方向一側面に突設される導体接続部4と、を備えている。半導体モジュール2は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールが例示される。
【0011】
基部3は、前後方向から見て矩形の平板形状をなしている。基部3は、前後方向から見た矩形状の上下辺3a,3bを左右方向に沿わせ、左右側辺3c,3dを上下方向に沿わせて配置されている。基部3は、厚さ方向を前後方向に沿わせて配置されている。基部3は、前後方向両面を前後方向と直交させて配置されている。基部3の四つの角部には、ヒートシンク6に対してビス等で固定される固定部3gが備えられている。
導体接続部4は、例えば基部3の前後方向一側面における左右中央部に、上下方向で複数並んで設けられている。各導体接続部4には、コンデンサ11との接続用の導体26がビス等により固定される。
【0012】
ヒートシンク6は、熱伝導性(熱伝導率)の高いアルミニウム合金等の金属材料で形成されたヒートシンク本体7を備えている。ヒートシンク本体7は、前後方向から見て半導体モジュール2の基部3よりも一回り大きい矩形の平板形状をなしている。ヒートシンク本体7は、前後方向の厚さを抑えた偏平状をなしている。ヒートシンク本体7は、前後方向から見た矩形状の上下辺7a,7bを左右方向に沿わせ、左右側辺7c,7dを上下方向に沿わせて配置されている。ヒートシンク本体7は、厚さ方向を前後方向に沿わせて配置されている。ヒートシンク本体7は、前後方向両面を前後方向と直交させて配置されている。
【0013】
ヒートシンク本体7の前後方向一側面は、外周側の一定幅を残して、半導体モジュール2を搭載するモジュール搭載面(モジュール搭載領域)8とされている。ヒートシンク本体7は、例えば冷却水を循環させる水冷式である。ヒートシンク本体7の左右側辺7c,7dの一方(例えば左側辺7c)には、ヒートシンク本体7内の流路に冷却水を導入するための給水ノズル7g、およびヒートシンク本体7内の流路から冷却水を導出するための排水ノズル7h、がそれぞれ突設されている。ヒートシンク6は水冷に限らず、冷却水以外の冷媒(気体を含む)を流すものでもよく、あるいは空冷であってもよい。
【0014】
導体26は、前後方向から見て半導体モジュール2の基部3よりも下方に長い矩形の平板形状をなしている。導体26は、例えば半導体モジュール2の基部3およびヒートシンク6よりも薄い金属板27を、前後方向で一対重ね合わせて構成されている。導体26の下端部には、コンデンサ11の端子部13に接続される接続部28が屈曲形成されている。接続部28は、コンデンサ11の上端部17の端子に接続されている。
【0015】
図5図4のB-B断面図である。
コンデンサ11は、半導体モジュール2の下方に配置されている。コンデンサ11は、例えば軸方向を上下方向に沿わせた円柱状のコンデンサ本体12を備えている。図1図2では、コンデンサ11は、コンデンサ本体12を左右一対に並べて構成されている。これにより、コンデンサ11の容量を確保しつつ前後方向の厚さを抑えている。図中線はコンデンサ本体12の中心軸線C1を示す。
なお、図4図5に示すように、コンデンサ11は、円柱状のコンデンサ本体12を単一に備える構成でもよい。また、コンデンサ本体12は円柱状の外形に限るものではない。
【0016】
熱伝導部材16は、前後方向から見てヒートシンク6の下方に連なる矩形の平板形状をなしている。熱伝導部材16は、前後方向から見た矩形状の上下辺16a,16bを左右方向に沿わせ、左右側辺16c,16dを上下方向に沿わせて配置されている。熱伝導部材16は、上端部17をヒートシンク6の下端部(後述する凹部9)に締結等により着脱可能に結合している。熱伝導部材16は、ヒートシンク6に溶接等により着脱不能に結合されてもよい。熱伝導部材16は、熱伝導性の高い金属材料としてアルミニウム合金で形成されている。熱伝導部材16は、ヒートシンク6と同一材料で一体形成されてもよい。熱伝導部材16は、ヒートシンク6に後方から近接して配置されている。熱伝導部材16は、ヒートシンク6に後方から対向配置されている。
【0017】
押さえ部材21は、前後方向から見て熱伝導部材16と重なる直方体状の外形を有している。押さえ部材21は、例えば熱伝導部材16と同様、熱伝導性の高い金属材料としてアルミニウム合金で形成されている。押さえ部材21は、コンデンサ11の全体を覆うケース状をなしている。押さえ部材21は、コンデンサ11の端子部13のみ外部に露出させて、導体26を接続可能としている。押さえ部材21は、例えばコンデンサ本体12を収容可能な円柱状の収容空間21aを形成している。
【0018】
押さえ部材21の後面21fは、熱伝導部材16の前面16eに面接触する第一接触面23aとされている。熱伝導部材16の前面16eは、モジュール搭載面8の法線方向から見て(図4参照)、コンデンサ11の全体と重なる平面状の対向面である。押さえ部材21の収容空間21aを形成する内面は、コンデンサ本体12の外周面に面接触する第二接触面23bとされている。コンデンサ本体12の円筒状の外周面は、モジュール搭載面8の法線方向から見て、熱伝導部材16の前面16eと重なっている。
【0019】
押さえ部材21がコンデンサ本体12および熱伝導部材16にそれぞれ面接触することで、コンデンサ本体12が発する熱は、押さえ部材21に伝わりやすく、さらに熱伝導部材16に伝わりやすくなる。熱伝導部材16に伝わった熱は、ヒートシンク6において良好に放熱される。したがって、コンデンサ11の冷却性ひいては電力変換ユニット1全体の冷却性の向上が図られる。各接触面23a,23bには、密着性を高めるために熱伝導グリスを塗布してもよい。
【0020】
コンデンサ11の全体を覆う押さえ部材21は、コンデンサ11で発生した放射ノイズを遮断するシールド部材としても機能する。これにより、コンデンサ周辺に配置した用品(例えば押さえ部材21の前面に取り付けた基板24等)を保護しやすくなる。
【0021】
押さえ部材21は、例えば収容空間21aの軸心に沿う分割面21bに沿って前後分割体22,23に分割され、コンデンサ本体12を着脱可能としている。押さえ部材21は、コンデンサ11を挟むように取り付けられ、コンデンサ11を固定した状態で、熱伝導部材16に締結等により固定される。押さえ部材21は、熱伝導部材16(またはヒートシンク6)に溶接等により着脱不能に結合されてもよい。押さえ部材21は、熱伝導部材16(ひいてはヒートシンク6)と同一材料で一体形成されてもよい。
【0022】
例えば、押さえ部材21を熱伝導部材16側の後分割体23のみで構成し、コンデンサ11の前側半周分の外周面に接する第一接触面23aと熱伝導部材16の前面16eに接触する第二接触面23bとを有するものとしてもよい。押さえ部材21と熱伝導部材16とが同一材料で一体形成されてもよい。
実施形態で用いる熱伝導材料は、対象部位から熱を逃がすために用いられる、熱伝導性の高い物質を指す。特に、押さえ部材は、熱伝導性が高くかつ導電性があり、さらに高強度である材料が望ましい。
【0023】
図3図6(a)を参照し、熱伝導部材16とヒートシンク6との接続部18は、例えばヒートシンク6の下端部の後面7f側に、熱伝導部材16の厚さ分だけ前面7e側へ凹んだ段差状の凹部9を形成し、この凹部9に熱伝導部材16の上端部17を嵌め込む態様としている。これにより、凹部9における後面7fと平行な第一接合面(モジュール搭載面8に沿う第一接合面)9aに、熱伝導部材16の上端部17の前面16eが接合される。
【0024】
また、凹部9における後面7fと直交する第二接合面(モジュール搭載面8と交差する第二接合面)9bに、熱伝導部材16の上端面が接合される。熱伝導部材16とヒートシンク6との接続は、例えばボルト等を用いた締結によりなされる。各接合面9a,9bには、密着性を高めるために熱伝導グリスを塗布してもよい。熱伝導部材16とヒートシンク6との接続は、溶接によりなされてもよい。
【0025】
このように、熱伝導部材16とヒートシンク6とが互いに交差する二つの接合面9a,9bで接合されることで、単一の接合面で接合される場合と比べて、接合面積が増加するため、熱伝導部材16とヒートシンク6との間の熱伝導性を高めることができる。熱伝導部材16の後面16fとヒートシンク6の後面7fとが面一となり、熱伝導部材16によって前後方向の厚さが増加することを抑えることができる。
【0026】
また、熱伝導部材16とヒートシンク6とが互いに交差する二つの接合面9a,9bで接合されることで、熱伝導部材16とヒートシンク6との接合強度を高めることができる。接合強度を高めることは、熱伝導部材16でコンデンサ11を支持する実施形態のような構成では特に有効である。
【0027】
図6(b)に示す接続部18’は、ヒートシンク6に凹部9を形成せず、ヒートシンク6の下端面に熱伝導部材16の上端面(上辺16a)を突き当てて接合した例を示す。この場合、熱伝導部材16とヒートシンク6との接合面積は減少するが、ヒートシンク6内の冷媒流路を拡大させる等、ヒートシンク6の放熱容量を可及的に増加させることができる。
【0028】
以上説明したように、上記実施形態における電力変換ユニット1は、半導体モジュール2と、半導体モジュール2をモジュール搭載面8に搭載するヒートシンク6と、モジュール搭載面8の法線方向から見てヒートシンク6よりも外側に配置されるコンデンサ11と、モジュール搭載面8の法線方向から見てヒートシンク6からコンデンサ側に延び、コンデンサ11に対向配置される熱伝導部材16と、を備えている。
この構成によれば、半導体モジュール2冷却用のヒートシンク6から熱伝導部材16を延ばし、熱伝導部材16をコンデンサ11に対向配置させることで、コンデンサ11の熱が熱伝導部材16を介してヒートシンク6に伝達される。このため、ヒートシンク6をコンデンサ11の冷却にも利用することができ、ユニット全体の冷却性を高めることができる。
また、ヒートシンク6(および半導体モジュール2)と熱伝導部材16(およびコンデンサ11)とが近接することで、コンデンサ11をコンパクトな配置とすることができる。半導体モジュール2とコンデンサ11との間の導体経路が短くなることで、導体26の低インダクタンス化など電気的性能を向上させることができる。ヒートシンク6のモジュール搭載面8よりも外側にコンデンサ11が配置されることで、モジュール搭載面8の法線方向でコンデンサ11が重なることによるユニットの厚さの増加を抑え、ユニットのコンパクト化を図ることができる。
【0029】
上記電力変換ユニット1において、熱伝導部材16は、モジュール搭載面8の法線方向から見てコンデンサ11と重なる平面状の対向面(前面16e)を有し、コンデンサ11は、モジュール搭載面8の法線方向から見て前面16eと重なる円筒状の外周面を有し、熱伝導部材16とコンデンサ11との間には、前面16eに沿う第一接触面23aと外周面に沿う第二接触面23bとを有する第二熱伝導部材(押さえ部材21)が備えられている。
この構成によれば、熱伝導部材16とコンデンサ11との間にこれらと面接触する第二熱伝導部材(押さえ部材21)を備えることで、熱伝導部材16とコンデンサ11との間の熱伝導性が高まる。このため、コンデンサ11の熱が熱伝導部材16を介してヒートシンク6に伝達されやすくなり、ユニット全体の冷却性をより一層高めることができる。
【0030】
上記電力変換ユニット1において、押さえ部材21は、導電性を有し、コンデンサ11全体を覆うケース状をなしている。
この構成によれば、導電性を有する押さえ部材21がコンデンサ11全体を覆うことで、コンデンサ11が発する不要な電磁波の放出が抑えられる。このように、コンデンサ11のシールド性を確保して周辺機器へのノイズ対策を行うことができる。
【0031】
上記電力変換ユニット1において、熱伝導部材16とヒートシンク6とは、モジュール搭載面8に沿う第一接合面9aとモジュール搭載面8と交差する第二接合面9bとにおいて、互いに接合されている。
この構成によれば、熱伝導部材16とヒートシンク6とが互いに交差する二つの接合面9a,9bで接合されることで、単一の接合面で接合される場合と比べて、接合面積が増加する。このため、熱伝導部材16とヒートシンク6との間の熱伝導性を高めるとともに、熱伝導部材16とヒートシンク6との接合強度を高めることができる。接合強度を高めることは、熱伝導部材16でコンデンサ11を支持する場合に特に有効である。
【0032】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、半導体モジュール2をモジュール搭載面8に搭載するヒートシンク6と、モジュール搭載面8の法線方向から見てヒートシンク6よりも外側に配置されるコンデンサ11と、モジュール搭載面8の法線方向から見てヒートシンク6からコンデンサ側に延び、コンデンサ11に対向配置される熱伝導部材16と、を備えることで、ヒートシンク6をコンデンサ11の冷却にも利用することができ、ユニット全体の冷却性を高めることができる。導電性を有してコンデンサ11全体を覆うケース状の押さえ部材21を備えることで、コンデンサ11のシールド性を確保して周辺機器へのノイズ対策を行うことができる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
1…電力変換ユニット
2…半導体モジュール
6…ヒートシンク
8…モジュール搭載面
9a…第一接合面
9b…第二接合面
11…コンデンサ
16…熱伝導部材
16e…前面(対向面)
21…押さえ部材(第二熱伝導部材)
23a…第一接触面
23b…第二接触面
図1
図2
図3
図4
図5
図6