(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-17
(45)【発行日】2025-07-28
(54)【発明の名称】容器用ラベルのフィラメント、容器用ラベル、容器および容器用ラベルの貼付方法。
(51)【国際特許分類】
B65D 23/08 20060101AFI20250718BHJP
B65D 23/02 20060101ALI20250718BHJP
G09F 3/06 20060101ALI20250718BHJP
【FI】
B65D23/08 B BRL
B65D23/02 Z BRH
G09F3/06
(21)【出願番号】P 2024037624
(22)【出願日】2024-02-22
【審査請求日】2024-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 発行日 令和6年1月30日、2 刊行物 埼玉新聞 令和6年1月30日付 第8-9面、3 公開者 株式会社 埼玉新聞社、4 公開された発明の内容 埼玉新聞社が、埼玉新聞 令和6年1月30日付第8-9面にて、佐藤麗奈及び千葉紫月が発明した容器用ラベルのフィラメント、容器用ラベル、容器および容器用ラベルの貼付方法について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウエブサイト掲載日 令和5年12月20日、2 ウエブサイトのアドレス https://www.cocacola-zaidan.jp/environment/env-prize/29th/ 3 公開者 公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団、4 公開された発明の内容 公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団が、佐藤麗奈及び千葉紫月が発明した容器用ラベルのフィラメント、容器用ラベル、容器および容器用ラベルの貼付方法について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524091744
【氏名又は名称】佐藤 麗奈
(74)【復代理人】
【識別番号】100180367
【氏名又は名称】寺尾 康典
(73)【特許権者】
【識別番号】524091755
【氏名又は名称】千葉 紫月
(74)【復代理人】
【識別番号】100180367
【氏名又は名称】寺尾 康典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 麗奈
(72)【発明者】
【氏名】千葉 紫月
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-003963(JP,U)
【文献】特開昭48-100287(JP,A)
【文献】特開2005-266507(JP,A)
【文献】中国実用新案第214726507(CN,U)
【文献】実開昭48-046005(JP,U)
【文献】特開2021-020712(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200393(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/08
B65D 23/02
G09F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、
前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、前記外周面に固着することなく、始端と終
端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部とのみに固着し、固着を解放すると、
前記外周面から自発的に外れる弾力性を有するフィラメントが、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、
前記外周面に固着することなく、前記始端と前記終端とをそれぞれに隣接する
前記始端隣接部と
前記終端隣接部
とのみに固着することを特徴とする、容器用ラベル。
【請求項4】
内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、
生分解性樹脂である、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、前記外周面に固着す
ることなく、始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部とのみに固着し
、固着を解放すると、前記外周面から自発的に外れる弾力性を有するフィラメントが、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、
前記外周面に固着することなく、前記始端と前記終端とをそれぞれに隣接する
前記始端隣接部と
前記終端隣接部
とのみに固着することを特徴とする容器用ラベル。
【請求項7】
内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、
前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、前記外周面に溶着することなく、始端と終
端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部とのみに溶着し、溶着を解放すると、
前記外周面から自発的に外れる弾力性を有するフィラメント
が、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、
前記外周面に溶着することなく、前記始端と前記終端とをそれぞれに隣接する
前記始端隣接部と
前記終端隣接部
とのみに溶着することを特徴とする、容器用ラベル。
【請求項10】
内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付く、容器用ラベルであって、
生分解性樹脂である、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、前記外周面に溶着す
ることなく、始端と終端とをそれぞれに隣接する始端隣接部と終端隣接部とのみに溶着し
、溶着を解放すると、前記外周面から自発的に外れる弾力性を有するフィラメント
が、前記容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、
前記外周面に溶着することなく、前記始端と前記終端とをそれぞれに隣接する
前記始端隣接部と
前記終端隣接部
とのみに溶着することを特徴とする、容器用ラベル。
【請求項13】
容器本体にフィラメントを螺旋状に巻き付け、容器用ラベルとする容器用ラベルの貼付方法であって、
内容物を収容する前記容器本体の外周面に前記フィラメントを螺旋状に巻き付けるステップと、
前記フィラメントの始端を、
前記外周面に固着することなく、前記始端に隣接する始端隣接部に固着するステップと、
前記フィラメントの終端を、
前記外周面に固着することなく、前記終端に隣接する終端隣接部に固着し、容器用ラベルとするステップと、を有
し、
前記フィラメントは、固着を解放すると、前記外周面から自発的に外れる弾力性を有することを特徴とする、容器用ラベルの貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発的に外すことが可能で環境にやさしい容器用ラベルのフィラメント、容器用ラベル、容器および容器用ラベルの貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器用ラベルは、商品名や商品詳細を記入する部分として、商品容器に用いられている。非特許文献1に開示されているように、ペットボトルの品質の高いリサイクルを行うためには、容器本体と容器用ラベルを分別する必要があり、従来、容器用ラベルはペットボトルと容器用ラベルの重量差を利用して主に風力により、容器本体と容器用ラベルを選別、除去していた。しかし、ペットボトル自体の軽量化が進み、容器用ラベルとの重量差が小さくなっているため、風力による選別が難しくなってきている。したがって、より効率的に品質の高いリサイクルを行うためには、容器用ラベルを剥がすことの重要性が増している。
【0003】
しかしながら、ペットボトルを廃棄する際には容器本体と容器用ラベルを分別して捨てる必要があるにも拘らず、容器本体から容器用ラベルを剥がすことは容易ではない。そのため、容器本体から容器用ラベルを剥がすことなく廃棄され、十分な分別がなされず環境に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】
これに対し、例えば、特許文献1には、帯状の容器用ラベルを巻きまわして始端隣接部上に終端隣接部を重ねて接着する容器用ラベルが開示されている。特許文献1に係る発明であっても、終端隣接部を見つけ、終端隣接部から容器用ラベルを剥がすことは容易ではなく、十分に分別がされない場合がある。一方、特許文献2には、ペットボトル容器に貼られる容器用ラベルの上辺に凹凸部を設けたペットボトル容器の容器用ラベルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-019510号公報
【文献】特開2017-149479号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(平成29年4月6日、News&Topics、PETボトル:ラベルはがしに関するQ&Aと説明用イラストを掲載しました)https://www.jcpra.or.jp/news/tabid/101/index.php?Itemid=1677
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ペットボトル容器に貼られる容器用ラベルの上辺に凹凸部を設けた場合であっても、容器用ラベルの凸部を指で引っかけて剥がすことは容易ではなく、ペットボトルの容器本体と容器用ラベルの分別が煩雑であり、十分に分別されない問題があった。また、従来の容器用ラベルの主成分は自然界において分解されにくく、ポイ捨てや海流に流出することで環境に悪影響を及ぼしている。
野生動物においては、誤飲や体に絡まったりするなどして、餓死や損傷といった悪影響も及ぼしている。
【0008】
このため、ペットボトル容器から容器用ラベルを容易に剥がすことが可能で、容器本体と容器用ラベルを容易に分別することが可能な容器用ラベルを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るフィラメントは、
内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部に固着し、固着部とすることを特徴とする容器用ラベル用のフィラメントである。
【0010】
本発明に係る容器用ラベルは、
内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、
フィラメントが、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれに隣接するフィラメントの始端隣接部と終端隣接部に固着部することを特徴とする、容器用ラベルである。
【0011】
本発明に係るフィラメントおよび容器用ラベルであれば、フィラメントが固着した始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部から固着した固着部を解放すれば、容易に容器用ラベルを容器本体から取り外し、容器本体と容器用ラベルを分別することが可能である。
【0012】
本発明に係る容器用ラベルは、容器用ラベルの外表面に表示部を有することを特徴とする、容器用ラベルである。
【0013】
本発明に係る容器用ラベルであれば、収容された内容物の商品名や商品詳細を表示部に表示することが可能である。
【0014】
本発明に係る容器は、内容物を収容する容器本体と、容器用ラベルと、を備えることを特徴とする容器である。
【0015】
本発明に係る容器であれば、内容物を収容した容器であっても容器本体から容器用ラベルを容易に取り外し、容器本体と容器用ラベルを分別することが可能である。
【0016】
本発明に係るフィラメントは、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部に固着し、固着部とする容器用ラベル用のフィラメントである。
【0017】
本発明に係る容器用ラベルは、内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、
フィラメントが、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれに隣接する始端隣接部と終端隣接部に固着し、固着部とすることを特徴とする容器用ラベルである。
【0018】
本発明に係るフィラメントおよび容器用ラベルであれば、フィラメント又は、容器用ラベルが自然界に流出した場合であっても生分解反応により分解するため、環境に与える悪影響が少ない。
【0019】
本発明に係るフィラメントは、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部に溶着し、固着部とすることを特徴とする容器用ラベル用のフィラメントである。
【0020】
本発明に係る容器用ラベルは内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付けられる容器用ラベルであって、
フィラメントは、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれに隣接する始端隣接部と終端隣接部に溶着し、固着部とすることを特徴とする、容器用ラベルである。
【0021】
本発明に係る容器用ラベルのフィラメントおよび容器用ラベルであれば、容易に容器本体の外周面に容器用ラベルを取り外すことが可能である。
【0022】
本発明に係る容器用ラベルの貼付方法は、容器本体にフィラメントを螺旋状に巻き付け、容器用ラベルとする容器用ラベルの貼付方法であって、
内容物を収容する容器本体の外周面にフィラメントを螺旋状に巻き付けるステップと、
前記フィラメントの始端を前記始端に隣接する始端隣接部に固着し、固着部とするステップと、
前記フィラメントの終端を前記終端に隣接する終端隣接部に固着して、固着部とし、容器用ラベルとするステップと、を有することを特徴とする、容器用ラベルの貼付方法である。
【0023】
本発明に係る容器用ラベルの貼り付け方法であれば、始端と終端とをそれぞれが隣接する始端隣接部と終端隣接部から固着した固着部を解放すれば、容易に容器用ラベルを容器本体から取り外し、容器本体と容器用ラベルを分別することが可能である。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、ペットボトル容器から容器用ラベルの二か所の固着部を外すと自発的に容器本体と容器用ラベル(フィラメント)とが剥がれ、ペットボトル容器と容器用ラベルを容易に分別することが可能である。また、容器用ラベルに生分解性樹脂を利用すると、容器用ラベルが自然界に流出しても自然界に与える悪影響を最小限に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明に係る容器の実施形態の右上方から見た模式斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る容器本体の実施形態の模式斜視図である。と、その断面図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る容器本体の実施形態の変形形態の模式斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る容器本体の実施形態の模式正面図(A)と、その断面図(B)である。
【
図5】
図5は、本発明に係る容器本体の実施形態の容器本体の模式正面図(A)と、容器用ラベルの部分を拡大した拡大図(B)である。
【
図6】
図6は、本発明に係る容器本体から容器用ラベルを剥がす状況を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、本発明に係る容器10の実施形態について、
図1を用いて説明する。
図1は、容器10の右上方から見た模式斜視図である。
【0027】
容器10は内容物を収容するためのものである。内容物は液体、又は粉体であればよい。本発明に係る容器10は容器本体11、キャップ12、および容器用ラベル13を備える。
【0028】
図2は、本発明に係る容器本体11の外周面に容器用ラベル13を巻きつけた状態を示す模式斜視図である。
図3は本発明に係る変形形態の容器本体11の外周面に容器用ラベル13を巻きつけた状態を示す模式斜視図である。また、
図4は、本発明に係る容器本体11の外周面に容器用ラベル13を巻きつけた状態を示す模式正面図(A)と、その断面図(B)である。なお、
図2、
図3および
図4には、容器用ラベル13の表面に設けられた、商品名や商品詳細を表示する表示部60の図示を省略している。
【0029】
容器本体11(以下、「本体11」ともという。)には、内容物を収容する。容器本体11は、伸長方向に直角の断面が略円形の中空柱状体である。なお、
図3に示すように、伸長方向に直角の断面が略多角形の中空柱状体であってもよい。
【0030】
容器10は、容器本体11の上部にキャップ12を備え、容器本体11に収容された内容物を封入する。また、容器本体11の外周面の略中央部には、商品名や商品詳細を表示する容器用ラベル13を備える。
【0031】
容器本体11は、PET樹脂からなる。容器本体11は、内容物を収容可能な形状を保持できればよく、PET樹脂に限られず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はガラスであっても良い。熱可塑性樹脂であれば、PE、HDPE、PP、PVC、PS、PVAc、PUR、PTFE、ABS、PLA(ポリ乳酸樹脂)などであってもよい。熱硬化性樹脂であれば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SMC、BMC、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ビニルエステル樹脂であってもよい。
【0032】
容器用ラベル13は、容器本体11の外周面の略中央部に位置し、フィラメント20、始端隣接部30、終端隣接部40および固着部50を有する。容器用ラベル13は、フィラメント20を容器本体11の外周面に密着するように螺旋状に巻き付け、フィラメント20の始端23および終端24のそれぞれをそれぞれに隣接するフィラメント20の始端隣接部30および終端隣接部40を固着し、固着部50として形成される。
【0033】
なお、本発明に係る実施形態においては、図示されたフィラメント20の上端を始端23と、下端と終端24としているが、上端が終端24,下端が始端23であってもよい。
【0034】
なお、容器用ラベル13に商品名や商品詳細を表示する場合には、容器用ラベル13の表面に表示部60を設ける。商品名や商品詳細を表示部60に表示するには、例えば、水圧転写、パッド印刷、転写印刷などの方法を用いて印刷することも可能である。
【0035】
フィラメント20は断面が略円形の線条体である。ただし、フィラメント20は、容器本体11の外周面に密着して螺旋状に巻き付け、固着することができればよく、線条体に限られず、紐状体又は帯状体であってもよい。フィラメント20は、例えば、ABS、ASA、PC-ABS、PLA、ウレタン、PP、PET、TPE、PC、PA、PBATなどの樹脂であってもよい。なお、フィラメント20が、PLAなどの生分解性樹脂であれば、フィラメント20が自然界に流出しても自然に分解されるので、より好ましい。
【0036】
フィラメント20としては、フィラメント20を容器本体11の外周面に密着して螺旋状に巻きつけられればよく、例えば、XYZprinting社のPLA NFC PEAL WHITE 線径1.75mmであればよい。
【0037】
次に、
図5に、本発明に係る容器本体11の正面図(A)と、本発明の容器用ラベル13用のフィラメント20の始端隣接部30の拡大図(B)を示す。なお、フィラメント20の終端隣接部40は、フィラメント20の始端隣接部30と同様の形態である。
【0038】
固着部50は、フィラメント20の始端23および終端24のそれぞれを、隣接するフィラメント20の始端隣接部30および終端隣接部40に固着して形成される。固着はフィラメント20を加熱して溶着してもよく、また、接着剤を用いて接着してもよい。
【0039】
フィラメント20を加熱し、溶着するには、例えば、Geevorks社製のプラスチック溶接機 型番LH50を用いることができる。溶着に用いるプラスチック溶接機の加熱部がV字型であると、固着部50を小面積とすることが容易となり好ましい。
【0040】
次に、容器本体11に容器用ラベル13を取り付ける方法について説明する。
【0041】
まず、フィラメント20が巻き付けられたリールから、PLA樹脂のフィラメント20を容器本体11に取り付ける容器用ラベル13の幅に応じて所定の長さに切り出す。次に、切り出したフィラメント20を容器本体11の外周面の所定の位置に螺旋状に巻きつけ、固定する。このときに、フィラメント20を容器本体11に密着するよう巻きつけることに留意する。そして、始端23および終端24それぞれを、それぞれが隣接するフィラメント20の始端隣接部30および終端隣接部40にプラスチック溶接機を用いて溶着し、それぞれを固着部50とする。なお、フィラメント20を溶着する際に、プラスチック溶接機の加熱部で容器本体11を加熱し損傷しないよう、注意する必要がある。
【0042】
その後、必要に応じて、容器用ラベル13の外表面に商品名や商品詳細を印刷し、表示部60とすればよい。
【0043】
次に、容器本体11から、容器用ラベル13を取り外す方法について説明する。
図6は、容器本体11から容器用ラベル13を取り外す状態を示す模式図である。
図6(A)は、容器本体11からフィラメント20の始端隣接部30を取り外した直後の状態を示す模式図であり、
図6(B)は、フィラメント20が取り外されていく状態を示す模式図であり、
図6(C)は、フィラメント20が容器本体11から完全に取り外された状態を示す模式図である。
【0044】
容器用ラベル13を取り外すには、まず、指でフィラメント20の始端隣接部30の固着部50を固着から解放し、上方に引く(図6(A)を参照。)。そうすると、フィラメント20は弾性力により、自発的に容器本体11から外れる(図6(B)を参照。)。最後にフィラメント20の終端隣接部40の固着部50を固着から解放すると容器本体11からフィラメント20は完全に取り外れる(図6(C)を参照。)。
【0045】
その後、容器本体11と容器用ラベル13(フィラメント20)を分別し、それぞれを分けて回収する。
【0046】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による、容器用ラベル13のフィラメント20、容器用ラベル13、容器10および容器用ラベル13の貼り付け方法であれば、容器本体11から容器用ラベル13の二か所の固着部50を固着から外すと自発的に剥がれ、ペットボトル容器用の容器用ラベル13を容易に分別することが可能である。また、容器用ラベル13に生分解性樹脂を利用すると、容器用ラベル13が自然界に流出しても自然界に与える悪影響を最小限に抑えることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 ペットボトル容器(容器)
11 容器本体(本体)
12 キャップ
13 容器用ラベル
20 フィラメント
23 始端
24 終端
30 始端隣接部
40 終端隣接部
50 固着部
60 表示部
【要約】
【課題】 ペットボトル容器から容器用ラベルを容易に剥がすことが可能で、容器本体と容器用ラベルを容易に分別する事が可能な容器用ラベルを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る容器用ラベルは、内容物を収容する容器本体の外周面に巻き付いた容器用ラベルであって、フィラメントが、内容物を収容する容器本体の外周面に螺旋状に巻き付き、始端と終端とをそれぞれに隣接するフィラメントの始端隣接部と終端隣接部に固着部することを特徴とする、容器用ラベルである。
【選択図】
図1