(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-18
(45)【発行日】2025-07-29
(54)【発明の名称】食品製品の販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250722BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2023200069
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2025-02-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009765
【氏名又は名称】株式会社すなおネット
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】末松 大吉
(72)【発明者】
【氏名】山口 順子
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297962(JP,A)
【文献】特開2006-331159(JP,A)
【文献】特開2004-178161(JP,A)
【文献】特開2021-193531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、
前記所定期限を徒過した期限切れ食品を販売するため、の食品製品の販売システムであって、
前記食品製品の販売システムで販売する所定の食品について、在庫数の情報と、前記所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
消費者の端末から、前記所定の食品の1つである
未購入の第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された前記在庫情報を確認し、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記期限切れ食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する
と共に、
前記消費者の端末から、購入した前記所定の食品のレシピ情報を求められたことを条件として、在庫の有無に関わらず、前記レシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、購入した前記所定の食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する
指示情報作成手段と、
前記指示情報作成手段が作成した前記指示情報を、前記消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項2】
前記出力手段は、
前記指示情報と共に、前記指示情報を前記レシピ情報生成手段に入力することで生成されるレシピ情報を出力する
請求項1に記載の食品製品の販売システム。
【請求項3】
賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、
前記所定期限を徒過した期限切れ食品を販売するため、の食品製品の販売システムであって、
前記食品製品の販売システムで販売する所定の食品について、在庫数の情報と、前記所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、
消費者の端末から、前記所定の食品の1つである
未購入の第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された前記在庫情報を確認し、前記期限切れ食品の在庫がない場合には、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記所定の食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成し、前記期限切れ食品の在庫がある場合には、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記期限切れ食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する
と共に、
前記消費者の端末から、購入した前記所定の食品のレシピ情報を求められたことを条件として、在庫の有無に関わらず、前記レシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、購入した前記所定の食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する
指示情報作成手段と、
前記指示情報作成手段が作成した前記指示情報を、前記消費者の端末に出力する出力手段と、を備える
食品製品の販売システム。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記指示情報と共に、前記指示情報を前記レシピ情報生成手段に入力することで生成されるレシピ情報を出力する
請求項3に記載の食品製品の販売システム。
【請求項5】
前記指示情報作成手段は、前記食品製品の販売システムを利用して、前記第1の食品、及び、前記期限切れ食品の1つである第2の食品を購入した消費者の端末からの要求に応じて、前記第1の食品及び前記第2の食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための指示情報を作成し、
前記出力手段は、前記指示情報作成手段が作成した前記指示情報を出力する
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の食品製品の販売システム。
【請求項6】
前記レシピ情報生成手段は、汎用のジェネレーティブAIである
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の食品製品の販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製品の販売システムに関する。詳しくは、食品ロス(フードロス)の低減を実現可能な食品製品の販売システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を中心として商品の安全性が消費者に注目されており、消費者が商品を選択する際に、消費者は商品自体や商品の原料がどの様な物であるのかという点にまで関心を示すようになっている。
【0003】
そのため、商品の提供者は、提供する商品や商品の原料の成分や産地、製造年月日等の情報を商品の包装に貼付したラベルに記載したり、ICタグに記録したりして、商品を提供している。
【0004】
しかし、単に情報を記載や記録したものを商品に添付して提供するだけでは、その情報の改竄や偽造等が容易であり、現に情報の改竄や偽造等が行われている事実もあり、消費者に信用度が低く、消費者が安心して商品を選択することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、単に情報を記載や記録したものを食品に添付するのではなく、食品の原料を粉末にした原料粉末見本を食品に添付して食品を提供する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、食品の品質の「見える化」が実現することで、消費者が安心して食品を選択できるようになるが、近年問題視されている「食品ロス」を減らすことには直結し難い。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、食品ロスの低減を実現可能な食品製品の販売システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の販売システムは、賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、前記所定期限を徒過した期限切れ食品を販売するため、の食品製品の販売システムであって、前記食品製品の販売システムで販売する所定の食品について、在庫数の情報と、前記所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、消費者の端末から、前記所定の食品の1つである第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された前記在庫情報を確認し、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記期限切れ食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する指示情報作成手段と、前記指示情報作成手段が作成した前記指示情報を、前記消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0010】
また、本発明の食品製品の販売システムは、賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、前記所定期限を徒過した期限切れ食品を販売するため、の食品製品の販売システムであって、前記食品製品の販売システムで販売する所定の食品について、在庫数の情報と、前記所定期限の情報と、を含む在庫情報を記録する在庫情報記録手段と、消費者の端末から、前記所定の食品の1つである第1の食品の情報の出力を希望する旨を受け付けたことを条件として、前記在庫情報記録手段に記録された前記在庫情報を確認し、前記期限切れ食品の在庫がない場合には、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記所定の食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成し、前記期限切れ食品の在庫がある場合には、所定のレシピ情報生成手段に入力する指示情報であって、前記第1の食品と在庫がある前記期限切れ食品を使用したレシピ情報を、前記レシピ情報生成手段が生成するための前記指示情報を作成する指示情報作成手段と、前記指示情報作成手段が作成した前記指示情報を、前記消費者の端末に出力する出力手段と、を備える。
【0011】
ここで、出力手段が、「『第1の食品』と『在庫がある期限切れ食品』を使用したレシピ情報」を生成するための指示情報を、消費者の端末に出力することによって、「期限切れ食品」の購入に結びつくことが期待できる。
【0012】
また、期限切れ食品の在庫がない場合(換言すると、販売する期限切れ食品がない場合)において、「『第1の食品』と『在庫がある所定の食品』を使用したレシピ情報」を生成するための指示情報を、消費者の端末に出力することによって、「在庫がある所定の食品」の購入に結びつくことが期待できる。
ここでの「在庫がある所定の食品」とは、期限切れ食品の在庫がないことを考慮すると、必然的に「期限切れ食品ではない食品」を意味することになる。
【0013】
なお、任意のタイミングで「期限切れ食品ではない食品」についても、将来的には「期限切れ食品」となる可能性があるために、「期限切れ食品ではない食品」に対する消費者の購買意欲を喚起することも、食品ロスの低減を実現するために重要となる。
【0014】
ところで、「『第1の食品』と『期限切れ食品』を使用したレシピ情報」を生成するための指示情報ではなく、「『期限切れ食品』のみを使用したレシピ情報(『第1の食品』を使用していないレシピ情報)」を生成するための指示情報を、消費者の端末に出力することによっても、ある程度の販売数を見込むことができる。
しかし、「第1の食品」の購入希望者(消費者)にとって、入手したい(購入したい)食品は「第1の食品」であるために、「『期限切れ食品』のみを使用したレシピ情報(『第1の食品』を使用していないレシピ情報)」を生成するための指示情報を、消費者の端末に出力したとしても、購入希望者(消費者)のニーズに応えているとは言えない。
そのため、本発明では、「『第1の食品』と『期限切れ食品』を使用したレシピ情報」を生成するための指示情報を、消費者の端末に出力することによって、「第1の食品」を入手したい(購入したい)という消費者のニーズに応えつつも、「期限切れ食品」に対する購買意欲の喚起をも実現しているのである。
【0015】
また、指示情報作成手段が、食品製品の販売システムを利用して、第1の食品、及び、期限切れ食品の1つである第2の食品を購入した消費者の端末からの要求に応じて、「第1の食品及び第2の食品を使用したレシピ情報」を生成するための指示情報を作成し、出力手段が、こうした指示情報を、消費者の端末に出力する場合には、消費者は購入した食品のレシピ情報を生成する指示情報を購入後も得られることとなるため、「期限切れ食品」を購入しようという消費者のインセンティブが高まることが期待できる。
【0016】
ところで、ここでの「食品」とは、「一次産品」及び「二次産品」の双方を含み、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(動物性食品、植物性食品、加工食品、冷凍食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品も含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、飼料、養殖用飼料やドッグフード等、魚や動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0017】
また、ここでの「一次産品」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉そのものが該当する。また、例えば、果物、豆類、貝類、魚類も該当する。
【0018】
更に、ここでの「二次産品」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品であり、もち、饅頭、漬物、野菜炒め、ステーキ、ハンバーグ、ラーメン、弁当、パン、牛乳、チーズ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、冷凍食品、缶詰、ペットボトル入りのお茶やジュース、コーヒー、清涼飲料等が該当する。
【0019】
また、ここでの「二次産品」には、一次産品を原料として加工した二次産品を含むことは勿論のこと、二次産品を原料として加工した二次産品をも含む。例えば、味付け済みの卵を原料として仕入れ、焼成して製造された玉子焼きを含む。更に、ここでの「二次産品」には、二次産品を原料として仕入れた二次産品をも含む。例えば、玉子焼きを原料として仕入れ、仕入れた玉子焼きを詰めた弁当も含む。
【0020】
また、「第1の食品」は単数であっても複数であっても良く、「第2の食品」も単数であっても複数であっても良い。
【0021】
また、ここでの「賞味期限」とは、「品質が変わらずに美味しく食べることができる期限」を意味しており、賞味期限を過ぎたとしても、直ぐに食べられなくなることを意味するものではない。
【0022】
また、ここでの「消費期限」とは、「安全に食べることができる期限」を意味しており、消費期限を過ぎた場合には、食べられなくなることを意味している。
【0023】
更に、ここでの「出荷期限」とは、「卸売業者やメーカーが小売店に納品できる期限」を意味しており、出荷期限を過ぎた場合には、商慣行上、小売店から卸売業者やメーカーに返品されてしまうことを意味している。
なお、「出荷期限」としては、商慣行上、「食品の賞味期限の1/3」とされることが多い(例えば、製造日から数えて6ヶ月先が賞味期限の食品の場合には、製造日から数えて2ヶ月先が出荷期限となる)が、ここでの「出荷期限」は「食品の賞味期限の1/4」であっても良い。更には、「食品の賞味期限の2ヶ月前」や「食品の消費期限の1年前」であっても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明の食品製品の販売システムでは、期限切れ食品の売れ残りの低減を通じて、食品ロスの低減を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の構成例の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。
ここで、本実施の形態では、2023年4月21日時点を基準として説明を行う。そのため、賞味期限が2023年4月20日以前の場合には、賞味期限を徒過しており、賞味期限が2023年4月21日以降の場合には、賞味期限が到来していないことになる。なお、説明は以下の順で行う。
1.第1の実施の形態
2.変形例
【0027】
<1.第1の実施の形態>
[本発明の構成]
図1は、本発明を適用した食品製品の販売システムの構成例の一例を説明するための模式図であり、食品1A~食品1Dを提供する(販売する)ためのシステム構成例である。
なお、食品1A~食品1Dといった4種類の食品を販売する場合について説明を行うが、3種類以下であっても、5種類以上であっても良いことは勿論である。
【0028】
ここで、食品1Aは、賞味期限が2023年5月31日、消費期限が2023年9月30日、定価が1,500円の食品である。
【0029】
また、食品1Bは、賞味期限が2023年4月30日、消費期限が2023年8月31日、定価が800円の食品である。
【0030】
また、食品1Cは、賞味期限が2023年4月20日、消費期限が2023年8月20日、定価が2,000円の食品である。
【0031】
なお、食品1Cは、その定価が2,000円であるものの、賞味期限を徒過しているために、減額(値引き)して販売されることになる。
本実施の形態では、賞味期限を1日過ぎた場合には「定価の90%引き」、賞味期限を2日過ぎた場合には「定価の95%引き」、賞味期限を3日以上過ぎた場合には「定価の99%引き」といった具合に減額を行っており、食品1Cは、賞味期限を1日過ぎているために、200円(定価の90%引き)で販売される。
【0032】
また、食品1Dは、賞味期限が2023年3月20日、消費期限が2023年7月20日、定価が1,000円の食品である。
【0033】
なお、食品1Dは、その定価が1,000円であるものの、賞味期限を徒過しているために、減額(値引き)して販売されることになる。
本実施の形態では、上述の通りの値引きを行っており、食品1Dは、賞味期限を3日以上過ぎているために、10円(定価の99%引き)で販売される。
【0034】
図1で示す食品製品の販売システム11は、インターネット12を介して、食品製品の購入希望者(消費者)が利用する消費者端末13と、各種情報をやり取り可能に構成されている。
【0035】
また、食品製品の販売システム11は、在庫情報記録手段14A,14B,14C,14Dと、在庫情報確認手段15と、プロンプト作成手段16と、情報出力手段17を有する。なお、プロンプト作成手段16は、指示情報作成手段の一例である。
【0036】
ここで、在庫情報記録手段14Aは、少なくとも、食品1Aの名称の情報14Aaと、食品1Aの在庫数の情報14Abと、食品1Aの賞味期限の情報14Acと、食品1Aの消費期限の情報14Adと、食品1Aの価格の情報14Aeと、を記録可能に構成されている。
具体的には、賞味期限が到来していない(賞味期限が到来していないために、消費期限も到来していない)食品1Aについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格が記録される。
【0037】
また、在庫情報記録手段14Bは、少なくとも、食品1Bの名称の情報14Baと、食品1Bの在庫数の情報14Bbと、食品1Bの賞味期限の情報14Bcと、食品1Bの消費期限の情報14Bdと、食品1Bの価格の情報14Beと、を記録可能に構成されている。
具体的には、賞味期限が到来していない(賞味期限が到来していないために、消費期限も到来していない)食品1Bについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格が記録される。
【0038】
また、在庫情報記録手段14Cは、少なくとも、食品1Cの名称の情報14Caと、食品1Cの在庫数の情報14Cbと、食品1Cの賞味期限の情報14Ccと、食品1Cの消費期限の情報14Cdと、食品1Cの価格の情報14Ceと、を記録可能に構成されている。
【0039】
具体的には、賞味期限を徒過しているものの、消費期限を徒過していない食品1Cについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格(定価から減額した価格)が記録される。
【0040】
また、在庫情報記録手段14Dは、少なくとも、食品1Dの名称の情報14Daと、食品1Dの在庫数の情報14Dbと、食品1Dの賞味期限の情報14Dcと、食品1Dの消費期限の情報14Ddと、食品1Dの価格の情報14Deと、を記録可能に構成されている。
【0041】
具体的には、賞味期限を徒過しているものの、消費期限を徒過していない食品1Dについて、その名称、在庫数、賞味期限、消費期限、価格(定価から減額した価格)が記録される。
【0042】
また、在庫情報確認手段15は、消費者が販売食品(即ち、食品1A~食品1D)の情報を求めた場合に、在庫情報記録手段14A~14Dに記録された情報を確認可能に構成されている。
具体的には、消費者端末13から、食品1A~食品1Dの情報の出力の要求があった場合に、食品1Aの在庫数の情報14Ab、食品1Bの在庫数の情報14Bb、食品1Cの在庫数の情報14Cb、食品1Dの在庫数の情報14Dbにアクセスして在庫数の確認を行う。
【0043】
なお、在庫情報確認手段15は、「食品1Aの在庫数の情報14Ab」「食品1Bの在庫数の情報14Bb」「食品1Cの在庫数の情報14Cb」「食品1Dの在庫数の情報14Db」に加えて、「食品1Aの消費期限の情報14Ad」「食品1Bの消費期限の情報14Bd」「食品1Cの消費期限の情報14Cd」「食品1Dの消費期限の情報14Dd」の確認を行う。そして、食品1Aの消費期限の情報14Adを徒過している場合には食品1Aは在庫切れ、食品1Bの消費期限の情報14Bdを徒過している場合には食品1Bは在庫切れ、食品1Cの消費期限の情報14Cdを徒過している場合には食品1Cは在庫切れ、食品1Dの消費期限の情報14Ddを徒過している場合には食品1Dは在庫切れ、と判断する。
【0044】
また、プロンプト作成手段16は、食品製品の販売システム11が販売する食品(即ち、食品1A、食品1B、食品1C、食品1D)のレシピ情報を、汎用のジェネレーティブAI(生成AI)を用いて生成するための「プロンプト」を作成可能に構成されている。
【0045】
具体的には、以下の(1)~(10)のレシピ情報を生成するための「プロンプト」を作成可能に構成されている。
(1)「食品1A」「食品1B」を使用したレシピ情報
(2)「食品1A」「食品1C」を使用したレシピ情報
(3)「食品1A」「食品1D」を使用したレシピ情報
(4)「食品1B」「食品1C」を使用したレシピ情報
(5)「食品1B」「食品1D」を使用したレシピ情報
(6)「食品1C」「食品1D」を使用したレシピ情報
(7)「食品1A」「食品1B」「食品1C」を使用したレシピ情報
(8)「食品1A」「食品1B」「食品1D」を使用したレシピ情報
(9)「食品1B」「食品1C」「食品1D」を使用したレシピ情報
(10)「食品1A」「食品1B」「食品1C」「食品1D」を使用したレシピ情報
【0046】
なお、プロンプト作成手段16が作成した「プロンプト」をインプット情報として、汎用のジェネレーティブAI(生成AI)に入力することで、生成AIの出力結果として、食品製品の販売システム1が販売する食品(食品A~食品D)のレシピ情報を得ることができる。
【0047】
また、情報出力手段17は、消費者が販売食品(即ち、食品1A~食品1D)の情報を求めた場合に、「消費者が求めた食品の情報」と「消費者が求めた食品のレシピ情報を生成するためのプロンプト」を、消費者端末13に出力可能に構成されている。
【0048】
具体的には、消費者が食品1Aの情報を求めた場合における情報出力手段17の出力情報は、以下の通りである。
【0049】
(1.食品1Aが在庫切れの場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Aが在庫切れの場合には、「食品1Aの情報」や「食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプト」を出力することなく、「食品1Aが在庫切れのため、食品1Aの販売ができない旨」を出力する。
【0050】
(2.食品1Aの在庫がある場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Aの在庫がある場合には、食品1Aの情報として、「食品1Aの名称の情報14Aa」「食品1Aの在庫数の情報14Ab」「食品1Aの賞味期限の情報14Ac」「食品1Aの消費期限の情報14Ad」「食品1Aの価格の情報14Ae」を出力する。
【0051】
また、食品1Aの在庫がある場合に出力する「食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプト」については、以下の通りである。
なお、プロンプトを生成AI18に入力し、生成AI18の出力結果として、レシピ情報を得ることができる。
【0052】
(2-1.食品1Cと食品1Dの在庫がある場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1C及び食品1Dの在庫がある場合には、食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプトとして、「食品1A」と「食品1C」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、「食品1A」と「食品1D」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、及び、「食品1A」と「食品1C」と「食品1D」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、を出力する。
即ち、上述した(2)(3)(7)(8)(10)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力する。但し、食品1Bが在庫切れの場合には、(2)(3)のレシピ情報を生成するためのプロンプトのみを出力する。
【0053】
(2-2.食品1Cの在庫がある場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Cの在庫がある場合(食品1Dが在庫切れの場合)には、食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプトとして、「食品1A」と「食品1C」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、を出力する。
即ち、上述した(2)(7)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力する。但し、食品1Bが在庫切れの場合には、(2)のレシピ情報を生成するためのプロンプトのみを出力する。
【0054】
(2-3.食品1Dの在庫がある場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1Dの在庫がある場合(食品1Cが在庫切れの場合)には、食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプトとして、「食品1A」と「食品1D」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、を出力する。
即ち、上述した(3)(8)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力する。但し、食品1Bが在庫切れの場合には、(3)のレシピ情報を生成するためのプロンプトのみを出力する。
【0055】
(2-4.食品1Cと食品1Dが在庫切れの場合)
在庫情報確認手段15による確認の結果、食品1C及び食品1Dが在庫切れの場合には、食品1Aのレシピ情報を生成するためのプロンプトとして、「食品1A」と「食品1B」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプト、を出力する。
即ち、上述した(1)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力する。但し、食品1Bが在庫切れの場合には、プロンプトは出力しない。
【0056】
なお、本実施の形態では、2023年4月21日時点を基準として説明を行っている。即ち、在庫情報記録手段14A,14Bに賞味期限を徒過していない食品1A,1Bの情報が記録され、在庫情報記録手段14C,14Dに賞味期限を徒過した食品1C,1Dの情報が記録されている場合を例に挙げて説明を行っている。
しかし、賞味期限を徒過したか否か(賞味期限が到来したか否か)は、判断基準日によって変わることになるため、判断基準日を考慮の上、在庫情報記録手段に記録された食品につき、賞味期限を徒過した食品であるか否かを判断することになる。
【0057】
具体的には、その賞味期限が2023年10月31日である食品を食品Aとし、その賞味期限が2023年6月20日である食品を食品Bとすると、(1)2023年6月20日以前は、食品A及び食品Bのいずれも食品1Aや食品1B(換言すると、その賞味期限を徒過していない食品)に該当し、(2)2023年6月21日~2023年10月31日は、食品Aが食品1Aや食品1B(換言すると、その賞味期限を徒過していない食品)に該当し、食品Bが食品1Cや食品1D(換言すると、その賞味期限を徒過した食品)に該当し、(3)2023年11月1日以降は、食品A及び食品Bのいずれもが食品1Cや食品1D(換言すると、その賞味期限を徒過した食品)に該当することになる。
【0058】
より詳しくは、在庫情報確認手段15は、消費者が情報を求めた日を基準日として(換言すると、在庫情報確認手段15が在庫数を確認する日を基準日として)、在庫情報記録手段14A~14Dに記録されている食品につき、それぞれ、「賞味期限を徒過していない食品」「賞味期限を徒過した食品」のいずれに該当するかを判断した上で、食品1A~1Dの在庫情報を確認するといった具合である。
【0059】
そのため、在庫情報記録手段14A~14Dに記録されている情報が変わらない場合(具体的には、食品1A~1Dの賞味期限の情報が変わらない場合)であっても、(1)(2)(3)といった判断基準日の違いによって、情報出力手段17が出力する情報が変化することになる。
【0060】
また、情報出力手段17は、「賞味期限を徒過した食品(食品1Cや食品1D)」を購入した消費者の求めに応じて、「購入した食品のレシピ情報を生成するためのプロンプト」を出力可能に構成されている。
【0061】
例えば、「食品1A」と「食品1C」を購入した消費者からの求めに応じて、上述した(2)(7)(10)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力する。
なお、購入後のレシピ情報の求めの場合には、食品1A~食品1Dの在庫の有無に関わらず、購入した食品を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプトの全てを出力する。
【0062】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の販売システム11では、消費者が食品1Aの情報を希望する場合(換言すると、食品1B~食品1Dの情報を希望しない場合)であっても、食品1B~食品1Dの在庫があることを条件として、食品1B~食品1Dを使用するレシピ情報を生成するプロンプトを出力することによって、食品1B~食品1Dの販売促進が実現する。
【0063】
また、出力するプロンプトとして、消費者が情報を希望する(換言すると、消費者が購入を希望する)食品1Aを使用するレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力することによって、より一層、食品1B~食品1Dの販売促進が実現する。
即ち、「消費者が購入を希望する食品(食品1A)」と無関係にプロンプトを出力するのではなく、「消費者が購入を希望する食品(食品1A)」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力することによって、より一層、食品1B~食品1Dの販売促進が実現するのである。
【0064】
更に、賞味期限を徒過した食品1Cや食品1Dの在庫がある場合には、食品1Cや食品1Dのレシピ情報を生成するためのプロンプトを優先的に出力することによって、食品1Cや食品1Dの販売促進が実現し、食品1Cや食品1Dの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0065】
また、食品の購入時のみならず、購入後においてもプロンプトを出力することによって、より一層、「賞味期限を徒過した食品」の販売促進が実現する。
【0066】
<2.変形例>
[変形例1]
上記した第1の実施の形態では、賞味期限を基準として、賞味期限を徒過した食品(食品1Cや食品1D)のレシピ情報を生成するためのプロンプトを優先的に出力する場合を例に挙げて説明を行っているが、「出荷期限」や「基準日」を基準として、「出荷期限」や「基準日」を徒過した食品のレシピ情報を生成するためのプロンプトを優先的に出力しても良い。
なお、ここでの「基準日」とは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数(例えば、30日)となる日を意味している。
【0067】
[変形例2]
上記した第1の実施の形態では、消費者が食品1A(賞味期限を徒過していない食品)の情報を求めた場合を例に挙げて説明を行っているが、消費者が情報を求める食品は「賞味期限を徒過した食品」であっても良い。
例えば、消費者が食品1Cの情報を求めた場合には、情報出力手段17は、「食品1C」と「食品1D」を使用したレシピ情報を生成するためのプロンプトを出力することになる。
【0068】
[変形例3]
上記した第1の実施の形態では、消費者が販売食品の情報を求めた場合に、情報出力手段17が「プロンプト」を出力する場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした「プロンプト」と共に、「レシピ情報」を提供しても良い。
具体的には、プロンプト作成手段16が作成した「プロンプト」を、生成AI18に入力し、生成AI18の出力結果として「レシピ情報」を得た上で、「プロンプト」と「レシピ情報」について、情報出力手段17が購入者端末13に出力しても良い。
【符号の説明】
【0069】
11 食品製品の販売システム
12 インターネット
13 消費者端末
14A 在庫情報記録手段
14B 在庫情報記録手段
14C 在庫情報記録手段
15 在庫情報確認手段
16 プロンプト作成手段
17 情報出力手段
18 生成AI