(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-18
(45)【発行日】2025-07-29
(54)【発明の名称】電力系統計画支援方法および電力系統計画支援システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20250722BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20250722BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20250722BHJP
【FI】
H02J3/00 170
G06Q10/04
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2024062043
(22)【出願日】2024-04-08
【審査請求日】2024-04-08
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】逢見 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中山 靖章
(72)【発明者】
【氏名】川本 直輝
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039648(JP,A)
【文献】特開2017-134556(JP,A)
【文献】特開2008-262332(JP,A)
【文献】特開2022-181250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/212681(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/115867(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 13/00
G06Q 10/04
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ上で実行される電力系統計画支援方法であって
、
(i)目的関数を受け取るステップであって、目的関数は電力網に関連する量またはパラメータを表すステップと、
(ii)1つまたは複数の制約関数を受け取るステップであって、制約関数は電力網に対する制約を表し、目的関数と制約関数は一緒になって電力網のモデルを表すステップと、
(iii)電力網に関連する入力データを受け取るステップと、
(iv)電力網のモデルと入力データによって
、総費用の最適化計算を実行するステップと、
(v)最適化計算の結果を表示するステップと、
を含み、
最適化計算の実行が、結果として、最適化計算を完了することができないという指示を
返す場合には、最適化計算に適用される複数の手法の内、1つ以上の
手法の中間結果が計算されているステップをさらに含む
電力系統計画支援方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の電力系統計画支援方法であって、
最適化計算が完了できないことをユーザに示すステップと、計算された中間結果をユーザに提供するステップと、をさらに含む
電力系統計画支援方法。
【請求項3】
請求項
2に記載の電力系統計画支援方法であって、
前記ステップ(iv)
の最適化計算が、実行されるように、
前記ステップ(ii)で受信された
1つ以上の前記制約関数の制約を無効化および/または編集
するステップをさらに含む、
電力系統計画支援方法。
【請求項4】
請求項
3に記載の電力系統計画支援方法であって、
目的関数を表す複数の部分問題に到達するように、目的関数および制約関数に分解法を適用するステップをさらに含み、分解された目的関数および制約関数を有する複数の部分問題が電力網のモデルを表す
電力系統計画支援方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の電力系統計画支援方法であって、
前記ステップ(ii)が複数の制約関数を受信することを含み、該電力系統計画支援方法がさらに、制約関数が適用される順序を受信することを含む、
電力系統計画支援方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の電力系統計画支援方法であって、
制約関数の1つまたは複数に制約生成方法を適用するステップをさらに含み、制約生成方法は、
制約条件の部分集合から開始し、制約条件を順次追加する
電力系統計画支援方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の電力系統計画支援
方法であって、
前記制約生成方法は、制約のサブセットの
優先基準、および/または一度に生成される制約
条件の最大数を受け取るステップさらに含む
電力系統計画支援方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の電力系統計画支援方法であって、
前記ステップ(i)は、1つまたは複数の変数の定義、1つまたは複数の定数の定義、および1つまたは複数のデータセットの定義を受信することを含む、
電力系統計画支援方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の電力系統計画支援方法であって、
通信ネットワークを介して電力系統計画支援ツールと連携する強化学習システムが、
制約条件の適用方法を電力系統計画支援ツールに提供し計算結果を得る
電力系統計画支援方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の電力系統計画支援方法であって、
最適化計算を実行する前に、試行計算を実行する要求を受信するステップをさらに含み、本方法は、試行計算を実行することをさらに含み、試行計算は、電力網のモデルと入力データによって定義される最適化計算から完全な解が予想されるかどうかを示す
電力系統計画支援方法。
【請求項11】
電力系統計画支援システムであって、
1つまたは複数のプロセッサとメモリとを備え、
前記メモリは、プロセッサ上で実行されると
、
(i)目的関数を受信し、目的関数は電力網に関連する量またはパラメータを表し、
(ii)1つまたは複数の制約関数を受信し、各制約関数は電力網に対する制約を表し、目的関数および制約関数は合わせて電力網のモデルを表し、
(iii)電力網に関連する入力データを受信し、
(iv)電力網のモデルおよび入力データによって
、総費用の最適化計算を実行し、
(v)最適化計算の結果を表示する、
機械実行可能命令を含み、
前記メモリは、前記プロセッサ上で実行されると、前記最適化計算の実行が、結果として、前記最適化計算を完了できない旨の指示を
返す場合に、前記プロセッサに
最適化計算に適用される複数の手法の内、1つ以上の
手法の中間結果
が計算されている機械実行可能命令をさらに含む、
電力系統計画支援システム。
【請求項12】
請求項
11記載の電力系統計画支援システムにおいて、
前記メモリは、前記プロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに、最適化計算が完了できないことをユーザに示し、計算された中間結果をユーザに提供させる機械実行可能命令をさらに含む
電力系統計画支援システム。
【請求項13】
1つまたは複数のプロセッサ上で実行されると、プロセッサに請求項1乃至
10のいずれかに記載の方法を実行させる機械実行可能命令を含む非一過性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統計画支援方法および電力系統計画支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー生産と供給がカーボンニュートラルに移行するにつれて、変動する再生可能エネルギー源(VRE:Variable Renewable Energy)の需要と導入が増加している。VREによる断続的な発電、VREと従来型の同期発電機(SG:Generator of Synchronous)との間の異なる特性、VREの位置と需要の位置による長距離送電は、電力網の信頼性を低下させることが予想される。
【0003】
したがって、最適化計算を一般的な送電網計画に適用し、資産容量、バス電圧範囲、信頼性基準など、計画に関連する制約条件の中で、コスト最小のソリューションを提供することが望まれている。
【0004】
しかし、エネルギー転換によってもたらされる信頼性の問題は数多くあり、系統計画の不確実性に応じて多くのシナリオを考慮する必要があるため、最適化問題は一般的に複雑すぎて効率的に解くことができない。解が得られなければ、系統計画者は送電網の計画を継続することができない。
【0005】
特許文献1は、引退した発電機から同期コンデンサへの転換を含む、系統拡張計画における費用対効果を最適化する装置および方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
提案された方法は、偶発事象分析、対策検討、便益分析、コスト分析、費用便益分析、および最適解を特定するための変換計画決定を含む、順次繰り返されるプロセスを有する。
【0008】
しかし、上述したように、得られた解決策が最良のものであることを保証するためには、電力網の状況の膨大なパターンを考慮しなければならない。電力フローや信頼性に関連する複雑な制約条件と、変数の多さが組み合わさると、収束に問題が生じる。
【0009】
本開示は、以上の考察を踏まえてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、第1の態様において、本発明の実施形態は、コンピュータ上で実施される電力系統計画支援方法を提供し、この方法は、以下のステップを含む:
(i)目的関数を受信するステップであって、目的関数は電力網に関連する量またはパラメータを表す、
(ii)1つまたは複数の制約関数を受信するステップであって、制約関数は電力網に対する制約を表し、目的関数および制約関数は共に電力網のモデルを表すと、
(iii)電力網に関連する入力データを受信するステップと、
(iv)電力網のモデルおよび入力データによって定義される最適化計算を実行するステップと、
(v)最適化計算の結果を表示するステップと、を含む。
【0011】
このような方法によって、送電網計画者は送電網の最適化問題に対する解をロバストに得ることができる。
【0012】
ステップ(i)~(iii)は、任意の順序で実行することができる。
【0013】
ステップ(i)~(iii)および(v)は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上で、またはGUIを使用して実行することができる。
【0014】
本方法は、最適化計算の実行の結果、最適化計算を完了することができないという表示が返された場合に、1つ以上の中間結果を計算するステップをさらに含むことができる。本方法は、最適化計算が完了できないことをユーザに示すステップと、算出された中間結果をユーザに提供するステップとをさらに含むことができる。
【0015】
この方法は、ステップ(iv)が、無効化された制約(複数可)なしで、および/または編集された制約(複数可)で実行されるように、ステップ(ii)で受信された制約(複数可)に対する1つまたは複数の無効化および/または編集を受信するステップをさらに含み得る。
【0016】
本方法は、目的関数に分解法を適用して、目的関数を表す複数の部分問題を生成するステップをさらに含むことができ、複数の部分問題および制約関数は、電力網のモデルを表す。
【0017】
ステップ(ii)は、複数の制約関数を受信することをさらに含んでもよく、本方法は、制約関数が適用される順序を受信することをさらに含んでもよい。
【0018】
本方法は、制約関数の1つ以上に制約生成方法を適用するステップをさらに含むことができ、制約生成方法は、制約のサブセットを適用し、追加の制約を順次追加する。本方法は、制約のサブセットに対する優先度、及び/又は、一度に生成される制約の最大数を受け取るステップを含むことができる。
【0019】
ステップ(i)は、1つまたは複数の変数の定義、1つまたは複数の制約の定義、および1つまたは複数のデータセットの定義を受信することを含む。
【0020】
強化学習システムは、1つ以上の制約関数を提供することができる。
【0021】
本方法は、最適化計算を実行する前に、試行計算を実行する要求を受信するステップをさらに含むことができ、本方法は、試行計算を実行することをさらに含み、試行計算は、電力網のモデルと入力データとによって定義される最適化計算から完全な解が期待されるかどうかを示す。
【0022】
第2の態様では、本発明の実施形態は、電力系統計画支援システムを提供し、このシステムは、1つまたは複数のプロセッサとメモリとを含み、メモリは、プロセッサ上で実行されると、プロセッサに以下を実行させる機械実行可能命令を含む:
(i) 目的関数を受信し、目的関数は電力網に関連する量またはパラメータを表す。
(ii) 1つまたは複数の制約関数を受信し、各制約関数は電力網に対する制約を表し、目的関数と制約関数は一緒になって電力網のモデルを表す。
(iii) 送電網に関する入力データを受信する。
(iv) 電力網のモデルと入力データによって定義される最適化計算を実行する。
(v) 最適化計算の結果を表示する。
ステップ(i)~(iii)は、どの順番で行ってもよい。
【0023】
機械実行可能命令は、最適化計算の実行が、結果として、最適化計算が完了できないという指示を返した場合に、プロセッサに、1つ以上の中間結果を計算させることができる。
機械実行可能命令は、プロセッサに、最適化計算が完了できないことをユーザに示し、計算された中間結果をユーザに提供させることができる。
【0024】
機械実行可能命令は、プロセッサに、ステップ(iv)が、無効化された制約(複数可)なしで、および/または編集された制約(複数可)で実行されるように、ステップ(ii)で受信された制約(複数可)に対する1つまたは複数の無効化および/または編集を受信させることができる。
【0025】
機械実行可能命令は、プロセッサに、目的関数を表す複数の部分問題に到達するように、目的関数および制約関数に分解法を適用させることができ、分解された目的関数および制約関数を有する複数の部分問題は、電力網のモデルを表す。
【0026】
ステップ(ii)は、複数の制約関数を受信することを含むことができ、本方法は、制約関数が適用される順序を受信することをさらに含む。
【0027】
機械実行可能命令は、プロセッサに、制約関数の1つ以上に制約生成方法を適用させることができ、制約生成方法は、制約のサブセットを適用し、追加の制約を順次追加する。機械実行可能命令は、プロセッサに、制約のサブセットに対する優先順位、及び/又は、一度に生成される制約の最大数を受け取らせることができる。
【0028】
ステップ(i)は、1つまたは複数の変数の定義、1つまたは複数の定数の定義、および1つまたは複数のデータセットの定義を受信することを含むことができる。
【0029】
強化学習システムは、制約関数および/または制約適用方法の1つ以上を提供することができる。
【0030】
機械実行可能命令は、プロセッサに、最適化計算を実行する前に、試行計算を実行する要求を受信させることができ、本方法は、試行計算を実行することをさらに含み、試行計算は、電力網のモデルと入力データとによって定義される最適化計算から完全な解が予想されるかどうかを示す。
【0031】
本発明は、そのような組み合わせが明らかに許されないか、明示的に回避される場合を除き、記載された態様と好ましい特徴の組み合わせを含む。
【0032】
本発明のさらなる態様は、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに第1の態様の方法を実行させるコードを含むコンピュータプログラム、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに第1の態様の方法を実行させるコードを含むコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体、および第1の態様の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、送電網計画者は送電網の最適化問題に対する解をロバストに得ることができる。
【0034】
また、ユーザまたはシステムは、制約適用方法を含む元の最適化問題の分解と、分解された問題を協調的に解くためのプロセスフローを定義することができ、元の問題を直接解く代わりに、分解された問題から協調的かつロバストに最適解を得ることができる。計算中間結果や制約違反の出力インタフェース、計算中間結果データベースにより、最終的な結果が得られない場合(数値的な問題など)でも、中間結果に基づいてユーザや外部システムが次工程の判断を行うことができる。
【0035】
また、利用者や外部システムは、出力計算の中間結果に基づいて元の問題の分解定義を編集した後、最適化計算を再実行し、次の計算でより良い解を得ることができる。そのため、系統計画者は、分解定義によって、期待値内の電力系統計画の最適解をロバストに得ることができるため、計画作業を継続することができる。
【0036】
また、最適解が得られない場合でも、計算中間結果に基づいて判断したり、分解定義を変更して最適化計算を再実行したり、最適解の取得を試みることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、電力系統計画支援システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、パワーガード計画支援システムの処理モジュールの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、モデル管理画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、目的関数編集画面の例を示す図である。
【
図18】
図18は、モデル詳細設定画面の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、セット管理サブ画面の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、データマッピング後のデータ管理画面の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、電力系統計画支援システムに提供される入力ファイルの一例を示す図である。
【
図29】
図29は、モデル管理画面のさらなる例を示す図である。
【
図30】
図30は、制約編集画面のさらなる例を示す図である。
【
図31】
図31は、モデル管理画面のドロップダウンリストの例を示す図である。
【
図32】
図32は、制約適用方法を選択した後のモデル管理画面の例を示す図である。
【
図33】
図33は、制約適用方法の順番を設定した後の制約管理サブ画面の例を示す図である。
【
図34】
図34に制約生成プロパティ設定サブ画面の例を示す図である。
【
図35】
図35にベンダース分解特性設定サブ画面の例を示す図である。
【
図37】
図37は、割り当て前と割り当て後のサブ問題定義画面の例を示す図である。
【
図38】
図38は、割り当て前と割り当て後のサブ問題定義画面の例を示す図である。
【
図40】
図40は、インタフェース定義画面の一例を示す図である。
【
図42】
図42は、制約適用法を適用しない場合の、許容誤差に対する計算ステップのプロットを示す図である。
【
図43】
図43は、2つの制約適用方法を適用した場合の、公差に対する計算ステップのプロットを示す図である。
【
図47】
図47は、制約と違反のサブ画面の例を示す図である。
【
図48】
図48は、制約と違反のサブ画面の詳細図の例を示す図である。
【
図49】
図49は、さらなるシステム構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明の態様および実施形態について、添付の図を参照して説明する。さらなる態様および実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0039】
一般的には、計算モデルデータベースモジュール、計算入力データベースモジュール、計算最終結果データベースモジュールに加え、モデル管理モジュール、制約条件適用方法データベースモジュール、計算中間結果データベースモジュールを含む複数のモジュールから構成される。
【0040】
また、グリッド計画者(ユーザ)や外部システムから制約条件を入力したり、計画者や外部システムに対して計算中間結果や制約違反を出力したりするためのインタフェースも備えている。
【0041】
制約適用手法の入力インタフェース、モデル管理モジュール、制約適用手法データベースモジュールにより、ユーザまたは外部システムは、最適化問題を解くために制約をどのように適用するかを編集することができる。
【0042】
これらのモジュールを使用することにより、ユーザまたはシステムは、制約適用方法を含む元の最適化問題の分解と、分解された問題を協調的に解くためのプロセスフローを定義することができ、元の問題を直接解く代わりに、分解された問題から協調的かつロバストに最適解を得ることができる。ロバストの最適化とは、問題を定義するデータが不正確あるいは不確定な場合にも、信頼できる結果を返すような最適化問題のモデリング技法およびその解法である。計算中間結果や制約違反の出力インタフェース、計算中間結果データベースにより、最終的な結果が得られない場合(数値的な問題など)でも、中間結果に基づいてユーザや外部システムが次工程の判断を行うことができる。
【0043】
また、利用者や外部システムは、出力計算の中間結果に基づいて元の問題の分解定義を編集した後、最適化計算を再実行し、次の計算でより良い解を得ることができる。そのため、系統計画者は、分解定義によって、期待値内の電力系統計画の最適解をロバストに得ることができるため、計画作業を継続することができる。
【0044】
また、最適解が得られない場合でも、計算中間結果に基づいて判断したり、分解定義を変更して最適化計算を再実行したり、最適解の取得を試みることができる。
【0045】
尚、本実施の形態において、数式を用いて説明する場合があるが、数式の記号は、正しく記載されている図面の記号を簡略して説明する場合がある。
【0046】
図1に、電力系統計画支援システム1の一例を示す。電力系統計画支援システムは、電力系統計画支援ツールとも呼ばれることがある。このツール1は、この例では、中央制御装置11、演算論理装置12、入力装置13、出力装置14、主記憶装置15、補助記憶装置16を有する一般的なコンピュータとして提供される。これらのユニットは、コンピュータバス17を介して互いに接続されている。補助記憶装置16は、1つ以上のデータベース18と、1つ以上のプログラム19とを含む。
【0047】
図2を参照して後述する「処理モジュール」は、中央制御装置11が補助記憶sポうち16に記憶されたプログラムを主記憶装置15にロードすることによって実現される。出力装置14は、表示装置で構成されてもよいし、(端末によって表示されるように)表示装置または他のユーザ端末に出力を提供するコンポーネントであってもよい。
【0048】
図2は、電力系統計画支援システムの処理モジュールの一例を示す図である。このように、データフロー、処理モジュール、処理フローは、プログラム19によって決定される。パワーグリッド計画支援ツール1は、入力モジュール201、出力モジュール202、モデル管理モジュール203、計算モジュール204、計算モデルデータベースモジュール210、計算入力データベースモジュール211、制約条件適用方法データベースモジュール212、計算中間結果データベースモジュール213、計算最終結果データベースモジュール214を有する。電力系統計画支援システム1を起動すると、出力モジュール202は初期画面301を表示する。
【0049】
図3は、初期画面301の一例である。初期画面301は、新規プロジェクトボタン310、プロジェクトロードボタン311、プロジェクト保存ボタン312、実行計算ボタン313、モデル管理ボタン314、データ管理ボタン315、試算ボタン316を含む。新規プロジェクトボタン310は、新規プロジェクトを作成するために利用される。ここで、「プロジェクト」とは、電力系統計画業務に関連する最適化計算に関するモデルおよび入出力データの集合を意味する。
【0050】
プロジェクトロードボタン311は、以前に保存されたプロジェクトをロードするために使用される。プロジェクト保存ボタン312は、現在の作業プロジェクトを保存するために利用される。計算実行ボタン313は、モデルとデータによって定義された最適化計算を実行するために使用される。モデル管理ボタン314は、
図4に示すようなモデル管理画面401を開くために使用する。データ管理ボタン315は、
図23に示すデータ管理画面2301を開くために利用され、パラメータの設定やデータのロードに利用される。試算ボタン316は、最適化問題の初期数ステップを計算することにより、ユーザ定義モデルの妥当性をチェックするために使用される。
【0051】
図4は、モデル管理画面401の一例である。モデル管理画面401は、モデルロードボタン410、モデル保存ボタン411、モデル詳細ボタン412、閉じるボタン413、目的関数編集ボタン414、制約編集ボタン415、無効化ボタン416、制約追加ボタン417、制約適用方法追加ドロップダウンボタン418、目的関数テーブル420、制約テーブル421を含む。モデルロードボタン410は、テンプレートモデルまたは以前に保存されたモデルをロードするために使用される。モデル保存ボタン411は、現在の作業モデルを保存するために使用される。モデル詳細ボタン412は、制約適用方法に関連するモデルの詳細を設定するためのモデル詳細設定画面1801を開くために利用される。
【0052】
閉じるボタン413は、モデル管理画面401を閉じるために利用される。目的関数編集ボタン414は、
図5に示す目的関数編集画面501を開き、目的関数テーブル420に示されるモデルを編集するために使用される。
【0053】
制約編集ボタン415は、
図6‐
図17に示す制約編集画面601を開くために使用され、制約テーブル421に示すモデルを編集するために使用される。無効化ボタン416は、制約テーブル421に示される1つ以上の制約を無効にするために利用される。制約追加ボタン417は、制約テーブル421に行を追加するために利用される。制約適用方法ドロップダウンボタン418は、制約適用方法の候補リストを開くために利用される。目的関数テーブル420は、現在の作業モデルの目的関数の名前を示し、制約テーブル421は、現在の作業モデルの制約の名前のリストを示す。
【0054】
一例として、無効電力源の配置に関する最適化問題は以下のように定式化される。この問題の目的関数は、発電コストと資産配置コストから得られる総コストを含む。総コストは数1に従って定式化される。
【0055】
【0056】
ここで、 a、bおよびcは発電コスト係数を示す実数定数である。
P_gは発電機の有効発電量を示す実数変数である。
GとSはそれぞれ発電機と無効電力源の集合である。
C_depは資産の減価償却費を示す実数定数である。
u_sは資産の配置状態を示す整数変数である。
この例では usは u_srそして usyc:
【0057】
【0058】
ここで、u_srと usyc はそれぞれ STATCOM(静的同期補償装置)と同期コンデンサの配置状態を示す整数変数である。
この問題の制約条件には、電力フロー方程式、電力フロー制限、無効予備力要件、短絡レベル要件、資産容量制約、資産配置リードタイム制約、資産撤去禁止制約、変数範囲と定義が含まれる。電力フローは数3に従って計算される。
【0059】
【0060】
ここで、バス電圧を示す複素変数である。
Y は電力系統のバスアドミタンスを示す複素定数である。Y* は Y の複素共役である。
PgとQgは、それぞれバスの有効電力と無効電力需要を示す実定数である。
PgはQg実変数で、それぞれ発電機からの有効電力と無効電力の発生を示す(gbus=m)。
Qsは、無効電力源からの無効電力発生を示す実変数である。
Qs は、STATCOM からの無効電力発生を示す実変数である Qst を含み、Qsyc は数4を用いて計算される同期コンデンサからの無効電力を示す実変数である:
【0061】
【0062】
(Sbus)は、バスmに接続されている無効電力源のサブセットである。
BUSはバスの集合であり、TIMEは時間の集合である。
無効電力源のセットは、以下のようにSTATCOM(ST)と同期コンデンサ(SyC)のセットの合計である。
【0063】
【0064】
流動限界は、以下のような複数の方程式として定式化される。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
ここで、YfとYtは電力系統の分岐アドミタンスを示す複素定数である。
Fmaxは、分岐の流量限界を示す実数定数である。
BRANCHは分岐の集合で、(l,m,n)はBRANCHの要素であり、分岐lがバスmからバスnに接続することを示す。
無効電力予備力の要件は以下のように定式化される:
【0070】
【0071】
【0072】
ここで、Qg maxとQg minは、それぞれ発電機の最大無効電力容量と最小無効電力容量を示す実数定数である。
Qs maxとQs minは、それぞれ無効電力源の最大無効電力容量と最小無効電力容量を示す実定数である。
Qres+とQ-res-はそれぞれ、エリア内の先行方向と遅行方向の無効電力予備力の必要量を示す実定数である。
AREAはエリアの集合である。
{garea=a}は、.Qres+の領域に位置する発電機の部分集合を意味する。
{Sarea=a}は、エリア内にある無効電力源のサブセットを意味する。
短絡レベル要件は、以下のような複数の方程式の集合として定式化される:
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
ここで Z_extは送電網の拡張インピーダンスを示す複素変数を意味する。
SCR_limは短絡比の限界を示す実数定数を意味する。
Y_ext電力系統の拡張バスアドミタンスを示す複素変数を意味する。
Iは同一行列を意味する。
x_(d_g)^'および x‘_(d_SyC)は、それぞれ発電機および同期コンデンサの過渡リアクタンスを示す実数定数を意味し、
{SyC_bus=m}バスmに接続されている同期コンデンサのサブセットを意味する。
資産容量制約は、以下のような連立方程式として定式化される:
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
そして P_g^maxと P_g^minはそれぞれ発電機の最大および最小有効電力容量を示す実数定数を意味する。
Q_ST^maxおよび Q_ST^minは、それぞれSTATCOMの最大無効電力容量と最小無効電力容量を示す平均実数定数であり、
Q_SyC^maxおよび Q_SyC^minは、同期コンデンサの最大無効電力容量と最小無効電力容量をそれぞれ示す平均実数定数である。
資産配置のリードタイム制約は以下のように定式化される。
【0083】
【0084】
ここで C_LTは無効電力源のリードタイム条件の係数を示す整数定数を意味する。
無効電力源の場合 iの場合 t≦T_LTの場合、対応する要素は 1 である。
t>T_LTの場合、対応する要素は 0 である。
資産持ち出し禁止制約は以下のように定式化されている。
【0085】
【0086】
変数の範囲と定義は以下の通り。
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
数2と数4も変数範囲と定義に含まれる。
ここでVMとシータはそれぞれバス電圧の大きさと角度を示す実数変数を意味する。
VminとVmaxの最小値と最大値をそれぞれ示す平均実数定数である。
Vm, シータminおよび シータmaxは、それぞれシータの最小値と最大値を示す定数を意味する。
Us minとUs maxは、それぞれUsの最小値と最大値を示す実数定数を意味する。
【0092】
これらの方程式は、目的関数編集画面501や制約条件編集画面601で確認・編集することができる。ユーザがモデル管理画面の目的関数編集ボタン414を押すと、目的関数編集画面501が開く。
【0093】
図5は、目的関数編集画面501の一例であり、閉じるボタン413、目的関数確認ボタン510、変数行追加ボタン511、変数行削除ボタン512、制約行追加ボタン513、制約行削除ボタン514、集合行追加ボタン515、集合行削除ボタン516、目的関数名フィールド520、目的関数定式化フィールド521、変数テーブル522、定数テーブル523、集合テーブル524を有する。
【0094】
目的関数確認ボタン510は、目的関数名フィールド520で編集された目的関数名、目的関数定式化フィールド521で編集された定式化、変数テーブル522で編集された変数、定数テーブル523で編集された定数、集合テーブル524で編集された集合で目的関数モデルを上書きするために利用される。
【0095】
変数行追加ボタン511、制約行追加ボタン513、セット行追加ボタン515は、それぞれ変数テーブル522、定数テーブル523、セットテーブル524に行を追加するために利用される。
【0096】
変数行削除ボタン512、定数行削除ボタン514、セット行削除ボタン515は、それぞれ変数テーブル522、定数テーブル523、セットテーブル524から行を削除するために利用される。
【0097】
目的関数名フィールド520は目的関数名を示し、目的関数定式化フィールド521は目的関数の定式化(例えば[数1]に記載)を示す。変数テーブル522、定数テーブル523、集合テーブル524は、目的関数に含まれる変数、定数、集合を示す。目的関数名フィールド520の目的関数名、目的関数定式化フィールド521の定式化、変数テーブル522の変数、定数テーブル523の定数、集合テーブル524の集合は編集可能である。
【0098】
同様に、ユーザがモデル管理画面の制約編集ボタン415を押すと、対応する制約の制約編集画面601が開く。
【0099】
図6-
図16は、各制約の制約編集画面の例である。
図6は、パワーフロー方程式の制約編集画面601の例である。制約編集画面601には、閉じるボタン413、変数行追加ボタン511、変数行削除ボタン512、制約行追加ボタン513、定数行削除ボタン514、セット行追加ボタン515、セット行削除ボタン516、制約確定ボタン610、変数テーブル522、定数テーブル523、セットテーブル524、制約名フィールド620、制約定式化テーブル621がある。
【0100】
制約確認ボタン610は、制約名フィールド620上の編集された制約名、制約定式化テーブル621上の編集された定式化、変数テーブル522上の編集された変数、定数テーブル523上の編集された定数、およびセット可能524上の編集されたセットで、現在の制約モデルを上書きするために利用される。制約名フィールド620は、対応する制約名を示す。制約定式化テーブル621は、例えば[数3]で説明されるような方程式の定式化を示す。変数テーブル522、定数テーブル523、集合テーブル524は、制約に含まれる変数、定数、集合を示す。制約名フィールド520上の制約名、制約定式化フィールド621上の定式化、変数テーブル522上の変数、定数テーブル523上の定数、および集合テーブル524上の集合は、編集可能である。
【0101】
図7―
図17は、電力流量制限、無効電力予備力要求、短絡レベル要求、資産容量制約、資産配置リードタイム制約、資産撤去禁止制約、変数範囲・定義の制約編集画面例601を示す。
図7と
図8、
図10と
図11、
図12と
図13、
図16と
図17は、それぞれ同じ画面のスクロール部分である。
【0102】
ユーザがモデル管理画面401のモデル詳細ボタン412を押すと、モデル詳細設定画面1801が開く。
【0103】
図18はモデル詳細設定画面の一例であり、いくつかの共通ボタンとサブ画面領域1802を含む。共通ボタンは、変数管理サブ画面ボタン1811、定数管理サブ画面ボタン1812、セット管理サブ画面ボタン1813、制約管理サブ画面ボタン1814、閉じるボタン413である。
【0104】
可変管理サブ画面ボタン1811、一定管理サブ画面ボタン1912、セット管理サブ画面ボタン1813、および制約管理サブ画面ボタン1814は、サブ画面領域1802に可変管理サブ画面1901、一定管理サブ画面2001、セット管理サブ画面2101、および制約管理サブ画面2201をそれぞれ表示するために利用される。
【0105】
図19は、確認ボタン1910と変数定義テーブル1920を含む変数管理サブ画面1901の例である。確定ボタン1910は、変数定義テーブル1920上で編集された変数定義を確定し、現在の作業モデルを更新するために利用される。変数定義テーブル1920は、変数行とタイプ行を持つ。変数行は現在の作業モデルに含まれる変数のリストを示し、型行は整数、実数、複素数などの変数型のリストを示す。この行の要素は、変数の型を設定するために編集可能である。
【0106】
図20は、定数管理サブ画面2001の一例であり、確定ボタン1910、定数右移動ボタン2010、定数左移動ボタン2011、定数テーブル(データからの入力)2020、定数テーブル(ユーザ定義)2021を含む。右定数移動ボタン2010は、定数テーブル(データからの入力)2020)から定数テーブル(ユーザ定義)2021に選択された定数を移動するために利用される。定数左移動ボタン2011は、選択された定数を定数テーブル(ユーザ定義)2021から定数テーブル(データからの入力)2020に移動するために利用される。定数テーブル(データからの入力)2020は,入力データから定義された定数のリストを示す。
定数テーブル(データからの入力)2021は、定数行と定義行を持つ。
定数テーブル(データからの入力)2021の定数行は、定数のリストを示し、その値は他の定数から定義される。
定数テーブル(データからの入力)2021の定義行は、定数の定義を示し、この行の要素は編集可能である。
【0107】
図21は、セット管理サブ画面2101の一例であり、確定ボタン1910、セットテーブル(データからの入力)2120、セットテーブル(ユーザ定義)2121を含む。
セットテーブル(データからの入力)2120は、入力データから定義されるセットの要素を示すリストである。
集合テーブル(ユーザ定義)2121は、集合行と定義行を持つ。
集合テーブル(ユーザ定義)2121の集合行は、集合のリストを示し、その集合の要素は他の集合によって定義される。
集合テーブル(ユーザ定義)2121の定義行は、集合の定義を示し、この行の要素は編集可能である。
【0108】
図22は、制約管理サブ画面2201の例であり、制約適用方法ドロップダウンボタン418、制約管理カテゴリドロップダウンボタン2210、および制約管理カテゴリフィールド2220を含む。制約管理カテゴリドロップダウンボタン2210は、制約管理のカテゴリを選択するために利用される。
制約管理カテゴリフィールド2220は、制約管理の選択されたカテゴリを示す。
図22は、制約管理のカテゴリとして制約適用方法の順序が選択された場合の例を示す。
この場合、制約適用方法の順序を設定するために利用する制約適用方法順序テーブル22221が表示される。以下、このサブ画面2201の詳細な使用方法について説明する。
【0109】
図23は、データ管理画面2301の一例であり、データセット管理サブ画面2302、インポートボタン2310、クローズボタン413、データセットドロップダウンボタン2311、データセット追加ボタン2312、およびデータセット名フィールド2321を有する。
インポートボタン2310は、ファイル名ファイル2324で指定されたファイルから、データマッピングテーブル2325で決定されたマッピングに基づいてデータをインポートするために利用される。
データセットドロップダウンボタン2311は、マッピングのためのデータセットを選択するためのドロップダウンリストを開くために利用される。
データセット追加ボタン2312は、新しいデータセットを追加するために利用される。データセット名フィールド2321は、データセットドロップダウンボタン2311によって開かれたドロップダウンリストによって選択されたデータセット名を示す。
データセット管理サブ画面2302は、定数およびセット割当てボタン2313、エクスプローラオープンボタン2313、定数テーブル2322、セットテーブル2323、ファイル名フィールド2324、およびデータマッピングテーブル2325を有する。
定数およびセット割り当てボタン2313は、定数テーブル2322およびセットテーブル2323で選択された定数およびセットを割り当てるために利用される。
定数テーブル2322およびセットテーブル2323は、それぞれ定数およびセットのリストを示し、これらのテーブルの要素は選択可能である。
エクスプローラオープンボタン2314は、入力ファイルを選択するためにファイルシステムのエクスプローラウィンドウを開くために利用される。
ファイル名フィールド2324は、エクスプローラオープンボタン2314によって開かれたエクスプローラウィンドウで選択されたファイル名を示す。
データマッピングテーブル2325は、セット&制約列と入力ファイル列を有する。ユーザが定数テーブル2322の定数または集合テーブル2323の集合を選択した後に定数・集合割当ボタンを押すと、選択された定数または集合がデータマッピングテーブル2325の集合・定数欄に表示される。
データマッピングテーブル2325に示された各定数またはセットに対して、入力ファイルに配置されたデータは、データマッピングテーブル2325の入力ファイルの場所に指定されるべきである。
ユーザは、入力ファイル内の場所の列の要素として、列番号または行番号を入力することができる。
【0110】
図24は、データマッピング後のデータ管理画面2301の例であり、この例では、
図25に示すように、入力ファイル中のGenData2501が決定される。
【0111】
すべてのデータセットを設定した後、ユーザがインポートボタン2310を押すと、ファイル名フィールド2324で指定されたファイルから、データマッピングテーブル2325で決定されたマッピングに基づいてデータがインポートされる。
確認されたモデルとインポートされたデータセットは、それぞれ計算モデルデータベースモジュール210と計算入力データベースモジュール211に格納される。
計算モジュール204は、モデル管理画面401、目的関数編集画面501、制約条件編集画面601、モデル詳細設定画面1801、データ管理画面2301を介してモデルとデータを設定した後、ユーザが計算実行ボタン313を押すと、計算モデルデータベースモジュール210からのモデルと計算入力データベースモジュール211からのデータを用いて、ソルバを用いて計算を実行する。計算が終了すると、出力画面に計算結果が表示される。
【0112】
図26―
図28に最終結果画面の例を示す。
図26は、最終結果画面2601の例を示し、最終結果サブ画面領域2602、配置結果ボタン2611、操作結果ボタン2612、エクスポートボタン2613、閉じるボタン413を有する。
【0113】
配置結果ボタン2611は、配置結果サブ画面2701を開くために利用される。操作結果ボタン2612は、操作結果サブ画面2801を開くために利用され、エクスポートボタン2613は、さらなる分析のために結果データをエクスポートするために利用される。
【0114】
図27は、配置結果サブ画面2701の例を示す。配置結果サブ画面2701は、カレンダーボタン2711、総コストフィールド2721、総配置コストフィールド2722、日付フィールド2723、ネットワーク図フィールド2724、および資産配置計画テーブル2725を有する。
総費用フィールド27211は、資産介入の有無による総費用の比較を示す。
総配置コストファイル2722は、資産介入の有無による総配置コストの比較を示す。
カレンダーボタン2711は、日付を選択するために利用される。
日付フィールド2723は、選択されたデータを示す。
ネットワーク図フィールド2724は、日付フィールド2723で指定された日付の計算結果に基づいて資産が配置されたネットワーク図を示し、資産配置計画テーブル2725は、計算結果から日付、場所、容量に関する情報を含む資産配置計画を示す。
【0115】
図28は、運転結果サブ画面2801の動作を示す。運転結果サブ画面2801は、総コストファイル2721、総発電コストフィールド2821、時系列発電コストフィールドs2822を有する。
総発電コストフィールド2821は、資産介入の有無による総発電コストの比較を示す。
時系列発電コストフィールド2822は、資産介入の有無による時系列発電コストの比較を示す。
モデル管理画面401において制約適用方法が指定されていない場合、定義された問題は単一の問題として計算される。つまり、計算が完了した時点で、ユーザは計算結果を得ることができる。逆に、計算が完了しない場合(計算の数値的な難易度により計算がタイムアウトするなど)には、計算結果を得ることができない。
【0116】
このような状況を避けるために、ユーザは制約を無効にしたり、編集したり、1つ以上の制約適用法を適用することができる。一部の制約が他の制約よりも優先順位が低い場合、制約を無効にすることで計算を完了できる可能性が向上する。
【0117】
図29は、ユーザが無効電力予備要求を無効にした場合のモデル管理画面401を示す。
無効化されたため、その制約条件は計算に使用されていない。制約条件が厳しい場合や複雑な場合は、制約条件を修正することで計算が完了する可能性が向上する。
【0118】
図30は、制約編集画面601のさらなる例であり、無効電力予備要件が修正されている。制約定式化テーブルに示すように、ユーザはスラック変数 s_+と s_-を式と変数テーブル522の左側に追加した。ユーザはまた、目的関数、変数範囲と定義、およびデータマッピングを、この修正と一致するように修正することができる。この無効化・修正機能により、ユーザは、プログラムのソースコードを直接編集することなく、柔軟に試行錯誤を行うことができ、好ましい結果を得ることができる。
モデル管理モジュール203は、制約の適用方法に基づいて、このような試行錯誤を支援する自動機能を提供する。
【0119】
図31は、モデル管理画面401上のドロップダウンリスト3101の一例を示す図である。
ユーザがモデル管理画面401の制約適用方法ドロップダウンボタン418を押すと、制約適用方法のドロップダウンリスト3101が開き、制約適用方法を選択することができる。この例では、「Benders decomposition」と「Constraint generation」が候補として示されている。ベンダース分解は、元の問題をマスタ問題と1つ以上のサブ問題に分解することによって、複雑な最適化問題を解くために使用される手法である。
【0120】
また、制約条件生成は、制約条件の部分集合から開始し、制約条件を順次追加していくことで、大規模な最適化問題を解くために用いられる手法である。
【0121】
図32は、制約条件の適用方法を選択した後のモデル管理画面401の例である。この例では、電力流量制限と無効電力余裕要求に制約生成法を適用し、短絡レベル要求にベンダース分解法を適用する。その他の制約には制約適用法を適用しないので、これらの制約は最適化計算で通常通り扱われる。
【0122】
制約適用法を選択した後、ユーザは、モデル詳細設定画面1801の制約管理サブ画面2201を介して、制約適用法の順序を定義することができる。
【0123】
図33は、制約条件適用方法の順序を設定した後の制約条件管理サブ画面2201の一例を示す。この順序に従って、最適化計算は以下の3つのステップで進行する。
第1ステップでは、制約条件適用法で指定された制約条件を含まない最適化問題を計算する。
第2ステップでは、制約生成法を最適化計算に適用する。
最後のステップでは、ベンダース分解法を最適化計算に適用する。
条件によっては、第2ステップと最終ステップの間で繰り返し計算が行われることもある。
【0124】
モデル詳細設定画面1801では、ユーザが各制約適用方法のプロパティを設定することができる。制約条件生成方法のプロパティの一例として、ユーザは、優先基準のプロパティと、一度に生成する制約条件の最大数を設定することができる。
【0125】
図34に、モデル詳細設定画面1801の制約生成プロパティ設定サブ画面3401の一例を示す。制約生成プロパティ設定サブ画面3401は、優先基準ドロップダウンボタン3411、優先基準フィールド3421、最大制約生成数フィールド3422、優先基準ドロップダウンリスト3423を有する。
【0126】
優先基準ドロップダウンボタン3411は、アルゴリズムにおいてどの制約を生成すべきかを決定するための優先基準を選択するために、優先基準ドロップダウンリスト3423を開くために利用される。ユーザが優先基準を選択すると、それは優先基準フィールド3421に表示される。最大制約生成数フィールドは、一度にアルゴリズムで生成される制約の最大数を示し、このフィールドは編集可能である。ベンダース分解法のプロパティの一例として、分解プロパティの詳細を設定することができる。
【0127】
図35は、ベンダース分解プロパティ設定サブ画面3501の一例を示す図であり、マスタ問題定義ボタン3511、サブ問題定義ボタン3512、コネクタ3513、インタフェース定義ボタン3514、レイヤ追加ボタン3515、サブ問題追加ボタン3516を含む。
【0128】
マスタ問題定義ボタン3511は、ベンダース分解を適用するためのマスタ問題の定義を確認するために利用される。
部分問題定義ボタン3512は、ベンダース分解法を適用するための部分問題を定義するために利用される。
コネクタ3513は、マスタ問題と、異なるレイヤのサブ問題またはサブ問題との間をリンクするために利用される。
インタフェース定義ボタン(上位から下位へ)3514は、上位レイヤの問題から下位レイヤの問題へ提供される変数、および下位レイヤの問題から上位レイヤの問題への追加制約を定義するために利用される。
レイヤ追加ボタン3515は、下位レイヤを追加するために利用される。
サブ問題の追加ボタン3516は、レイヤにサブ問題を追加するために利用される。
【0129】
ユーザがマスタ問題定義ボタン3511を押すと、
図36に示すように、マスタ問題の定義を確認するためのマスタ問題定義画面3601が表示される。
【0130】
マスタ問題定義画面3601は、閉じるボタン413、目的関数テーブル(オリジナル問題)3620、制約テーブル(オリジナル問題)3621、目的関数テーブル(マスタ問題)3622、制約テーブル(マスタ問題)3623を含む。
目的関数テーブル(オリジナル問題)3620および制約テーブル(オリジナル問題)3621は、それぞれ、オリジナル問題における目的関数および制約を示す。
目的関数テーブル(マスタ問題)3622と制約テーブル(マスタ問題)3623も、それぞれマスタ問題の目的関数と制約を示す。
ベンダース分解で管理しない目的関数と制約は、モデル管理画面401の指定に基づいて網掛けを行う。この例では、短絡レベル要件は元の問題には含まれているが、ユーザがこの制約への制約適用手法としてベンダース分解を選択したため、マスタ問題には含まれていない。
【0131】
ユーザがサブ問題定義ボタン3512を押すと、
図37に示すようにサブ問題定義画面3701が表示され、ユーザが元の問題からサブ問題へ制約を割り当てることができるようになる。
部分問題定義画面3701は、確認ボタン1901、リセットボタン3710、閉じるボタン413、リセットボタン3710、割り付けボタン(元問題から部分問題へ)3711、目的関数編集ボタン(部分問題)33712、削除ボタン3713、目的関数テーブル(元問題)3620、制約テーブル(元問題)3621、目的関数テーブル(部分問題)3720、制約テーブル(部分問題)3721を含む。
目的関数テーブル(部分問題)3720および制約テーブル(部分問題)3721は、それぞれ、部分問題における目的関数および制約を示す。
ベンダース分解によって管理されない目的関数と制約条件は、斜線で示されている。この例では、総コストと短絡レベル要求をベンダース分解で管理する。ユーザがこの部分問題に総コストと短絡レベル要求を追加したい場合は、allocateボタン(元の問題から部分問題へ)3711を押すことにより、それらを割り当てることができる。
【0132】
図38は、割り当て後の部分問題定義画面3710の例である。割り当て後に制約を削除したい場合は、removeボタン3713を押すことにより、制約を部分問題から削除することができる。
割り当てを最初からやり直したい場合は、リセットボタン3710を利用して、割り当てを再初期化する。
目的関数編集ボタン(サブ問題)は、目的関数編集画面(サブ問題)3901を開くために利用され、ユーザがサブ問題の目的関数を編集できるようにする。
【0133】
ユーザが目的関数編集ボタン(部分問題)3717を押すと、
図39に示すように目的関数編集画面(部分問題)3901が表示される。目的関数編集画面(部分問題)3901は、確定ボタン510、閉じるボタン413、リセットボタン3710、変数行追加ボタン511、定数行追加ボタン513、セット行追加ボタン515、移動ボタン(変数から定数へ)3910、変数定義ボタン3911、定数定義ボタン3912、セット定義ボタン3913、目的関数名フィールド520、目的関数定式化フィールド521、変数テーブル522、定数テーブル523、セットテーブル524を有する。
【0134】
移動ボタン(変数から定数へ)3910は、変数を定数に変更するために利用される。変数定義ボタン3911、定数定義ボタン3912、集合定義ボタン3913は、それぞれ追加変数、定数、集合のプロパティを定義するために利用される。
【0135】
ユーザが目的関数を修正したい場合は、目的関数定式化フィールド521で直接編集することができる。この例では、実行不可能な条件を避けるために、目的関数に以下のペナルティ項が追加されている。
【0136】
【0137】
そして w_SCRと s_SCRはそれぞれペナルティ価格とスラック変数を示す実数定数である。
これらの追加定数および変数も、それぞれ定数テーブル523および変数テーブル522に追加される。
さらに、(変数から定数への)移動ボタン3910を使うことで、uを変数としてではなく、定数として扱い、部分問題をより単純化することができる。
ユーザは確認ボタン1910を押すことにより、編集結果を確認することができる。
【0138】
ユーザがインタフェース定義ボタン(上→下)3514を押すと、
図40に示すようにインタフェース定義画面4001が開き、上層問題と下層問題の間のインタフェースを定義する。
インタフェース定義画面4001には、定数定義ボタン4011、変数テーブル(上位から下位へ)4020、制約テーブル(下位から上位へ)4021、定数テーブル4022が追加されている。
変数テーブル(上位から下位へ)4020は、編集可能であり、上位層の問題から下位層の問題へ提供する変数を定義する。
制約テーブル(下位から上位へ)4021は、下位レイヤの問題に基づいて上位レイヤの問題に追加される制約を定義するために編集可能であり、追加定数テーブル4022は、制約で必要とされる追加定数を定義するために編集可能である。
追加定数定義ボタン4011は、追加定数のプロパティを定義するために使用される。
【0139】
問題の修正が完了すると、計算モデルデータベース210、計算入力データベース211、制約条件適用方法データベース212に、それぞれ全てのモデル、データ、制約条件適用方法が格納される。そして、初期画面301の試行計算ボタン316を押すことにより試行計算を実行し、問題の実現可能性と妥当性を確認することができる。試行計算でエラーがなければ、初期画面301の計算実行ボタン313を押すことにより、計算を実行することができる。上述したように、本実施例における最適化計算は、
図41に示すように、3つのステップの実行に進む。
【0140】
S4101として示す第1のステップでは、任意の制約条件適用法で指定された制約条件のない最適化問題を計算する。
ステップS4102として示す第2のステップでは、制約生成手法が最適化計算に適用される。
ステップS4103として示す第3のステップでは、ベンダース分解法を最適化計算に適用する。第3ステップの後、S3104に示すように、制約違反がチェックされ、制約違反が確認された場合には、処理はS4102に戻り、更新された制約で計算が進められる。制約違反がなければ、計算を終了する。計算が終了した場合は、計算結果を計算最終結果データベース214に格納し、ユーザに出力する。
【0141】
図42は、制約適用法を適用しない場合の許容誤差に対する計算ステップのプロットを示している。元の問題の規模と複雑さのため、許容誤差は閾値に達していない。一方、
図43は、2つの制約適用法を適用した場合の許容誤差に対する計算ステップのプロットを示している。各ステップにおける最適化問題は元の問題よりも小さく単純であるため、計算された公差は最終的に公差値に達している。さらに、ステップS4191、S4102、S4103における計算結果は、計算中に計算中間結果データベース213に格納され、数値計算が困難で計算が完了できない場合にユーザに出力されるようになっている。例えば、S4103のサブステップの計算が完了せず、前のサブステップの計算が可能であった場合には、違反チェック結果を含むS4103の計算中間結果をユーザに出力することができる。
【0142】
また、S4103のサブステップの計算が終了しておらず、その前のサブステップS4103の計算結果がない場合には、S4102の計算中間結果を違反チェック結果付きでユーザに出力することができる。
【0143】
図44は、中間結果画面4401の一例を示し、中間結果サブ画面領域4402、配置結果ボタン2611、操作結果ボタン2612、制約&違反ボタン4411、エクスポートボタン(中間結果)4412、および閉じるボタン413を含む。
【0144】
制約&違反ボタン4414は、
図47に示すように、制約&違反サブ画面4701を開くために利用される。エクスポートボタン(中間結果)4413は、中間結果をエクスポートするために利用される。
【0145】
図45および
図46は、それぞれ中間結果画面4401に表示される配置結果2701および運用結果2801のサブ画面の例である。中間結果画面4401におけるこれらのサブ画面の構成は、最終結果画面2601におけるものと同じである。
【0146】
制約&違反サブ画面4701は、詳細ボタン4711と制約&違反ステータステーブル4721を含む。制約&違反状態テーブル4721は、制約のリスト、制約の適用状態、制約に対する違反を示す。ユーザが適用されたステータスと違反の詳細をチェックしたい場合、詳細ボタン4711は、
図48に示す制約&違反詳細画面4801を開くために利用される。
【0147】
制約&違反詳細画面4801は、制約&違反詳細テーブル4821を持ち、オブジェクト・レベルでの制約の適用状態と違反量を示す。全ての計算が完了しなかった場合、ユーザはこの中間結果に基づいて判断することができ、また、モデルや制約の適用方法を変更して次の計算を試すことができる。
【0148】
したがって、提案する電力系統計画支援ツールおよび方法は、ユーザが計画作業を継続することを可能にし、計画ソリューションを得るための柔軟な環境を提供する。
【0149】
図49は、電力系統計画支援ツール1が通信ネットワーク4902を介して強化学習システム4903と連携する更なるシステム構成例である。この例では、制約条件の適用方法をユーザが選択するのではなく、強化学習システム4902が選択し、計算結果を強化学習システム4903に出力する。強化学習システム4903からのモデリングデータ入力インタフェースは、制約条件テーブル421、目的関数定式化フィールド521、変数テーブル522、制約条件テーブル523、集合テーブル524、制約条件適用方法順序テーブル2221を含むデータを有する、優先度基準フィールド3421、最大数制約生成フィールド3422、目的関数テーブル(部分問題)3720、制約条件テーブル(部分問題)3721、変数テーブル(上位から下位へ)4020、制約条件テーブル(下位から上位へ)4021、実施例における追加制約条件テーブル4022、電力系統計画支援ツール1を強化学習システム4903に接続することで、強化学習システムからの入力に基づき、解を自動的に求めることができる。
【0150】
上記実施形態のシステムおよび方法は、説明した構造的構成要素およびユーザインタラクションに加えて、コンピュータシステム(特に、コンピュータハードウェアまたはコンピュータソフトウェア)において実施することができる。
【0151】
「コンピュータシステム」という用語は、上述した実施形態によるシステムを具現化するため、または方法を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、およびデータ記憶装置を含む。例えば、コンピュータシステムは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、およびデータ記憶装置から構成されてもよい。コンピュータシステムは、視覚出力ディスプレイを提供するモニタを有することができる。データストレージは、RAM、ディスクドライブ、または他のコンピュータ可読媒体から構成されてもよい。コンピュータシステムは、ネットワークによって接続され、そのネットワークを介して互いに通信可能な複数のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0152】
上記実施形態の方法は、コンピュータプログラムとして、またはコンピュータ上で実行されたときに上記方法を実行するように配置されたコンピュータプログラム製品もしくはコンピュータプログラムを担持するコンピュータ可読媒体として提供することができる。
【0153】
「コンピュータ可読媒体」という用語には、限定されるものではないが、コンピュータまたはコンピュータシステムによって直接読み取りおよびアクセスすることができる任意の非一過性の媒体または媒体が含まれる。媒体には、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、磁気テープなどの磁気記憶媒体、光ディスクやCD-ROMなどの光記憶媒体、RAM、ROM、フラッシュメモリなどのメモリなどの電気記憶媒体、および磁気/光記憶媒体などの上記のハイブリッドや組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0154】
本開示は、上述した例示的な実施形態と併せて説明されてきたが、本開示が与えられれば、多くの等価な修正および変形が当業者には明らかであろう。従って、上述した本開示の例示的な実施形態は、例示であって限定的なものではないと考えられる。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更を行うことができる。
【0155】
特に、上記実施形態の方法は、説明した実施形態のシステム上で実施されるものとして説明したが、本開示の方法およびシステムは、互いに関連して実施される必要はなく、それぞれ代替のシステム上で、または代替の方法を用いて実施することができる。
【0156】
本明細書、以下の特許請求の範囲、または添付の図面に開示された特徴は、その具体的な形態で、または開示された機能を実行するための手段、または開示された結果を得るための方法もしくはプロセスの観点から適宜表現され、別個に、またはそのような特徴の任意の組み合わせで、その多様な形態で本開示を実現するために利用され得る。
【0157】
本開示は、上述した例示的な実施形態と併せて説明されてきたが、本開示が与えられれば、多くの等価な修正および変形が当業者には明らかであろう。従って、上述した本開示の例示的な実施形態は、例示であって限定的なものではないと考えられる。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更を行うことができる。
【0158】
疑念を避けるために、本明細書で提供される理論的説明は、読者の理解を深める目的で提供されるものである。本発明者らは、これらの理論的説明に拘束されることを望まない。
【0159】
本明細書で使用されるあらゆるセクションの見出しは、組織的な目的のためだけのものであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるものではない。
【0160】
本明細書全体を通じて、後に続く特許請求の範囲を含め、文脈上別段の必要がない限り、「comprise」および「include」という語、ならびに「comprises」、「comprising」、および「including」などの変形は、記載された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を含むことを意味するが、他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を排除することを意味しないと理解される。
【0161】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、複数の参照語を含むことに留意しなければならない。本明細書において、範囲は、ある特定の値の「約」から、および/または別の特定の値の「約」までとして表現される場合がある。このような範囲が表現される場合、別の実施形態では、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までが含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞「約」の使用により、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。数値に関する「約」という用語は任意であり、例えば±10%を意味する。
【符号の説明】
【0162】
1:電力系統計画支援システム、
11:CPU、
12:ALU、
13:入力装置、
14:出力装置、
15:主記憶装置、
16:外部記憶装置、
18:データベース、
19プログラム、
201:入力モジュール、
202:出力モジュール、
203:モデル管理モジュール
204:計算モジュール、
211:計算入力データベースモジュール、
212:制約条件適用方法データベースモジュール、
213:計算中間結果データベースモジュール、
214:計算最終結果データベースモジュール。