(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-22
(45)【発行日】2025-07-30
(54)【発明の名称】衝撃吸収性薄型簡易畳
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20250723BHJP
【FI】
E04F15/02 102U
(21)【出願番号】P 2023209701
(22)【出願日】2023-11-24
【審査請求日】2024-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509276467
【氏名又は名称】株式会社竹田コーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】竹田 浩策
(72)【発明者】
【氏名】石井 進也
【審査官】眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-311131(JP,A)
【文献】特開2000-034823(JP,A)
【文献】特開2018-104898(JP,A)
【文献】特開2020-041344(JP,A)
【文献】特開2021-173061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00 - 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項4】
フローリング部屋に使用される畳表とビーズ法発
泡ポリプロピレンのクッションI層と、ガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、断熱性と弾性を持つ発
泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体の厚さ15~30mmで,ガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の薄型安定固定層によって寸法形状として縦横幅300~1000mmの正方形状畳体と前記正方形状畳体の半分幅の横幅150~500mmの長方形状畳体における一枚の重量として1~3kgにて、それぞれ正方形状・長方形状の畳体4~16枚の範囲で構成されて、前記正方形状畳体、或いは長方形状畳体を適宜に配列した、正方、長方形状のフローリング畳敷物体にして、各畳体の裏面の不織布の面に滑り止めを貼ってフローリングを不動状態にさせて、フローリング上に全体の総計4~16枚の畳体セットを敷いて0.5~10m
2
の面積になり、セット全体重量として30kg以下になっていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の衝撃吸収性薄型簡易畳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、フローリング部屋に敷く畳として、幼児、あるいは高齢者、身体障碍者が安全に行動する上で、優れたクッション性で衝撃を緩和させ、しかも軽量、可搬性の高い畳床セットとして衝撃吸収性薄型簡易畳の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的住宅では内容的に洋風的な建造物になって、ほとんどの部屋において床がフローリングになって、畳の部屋が非常に少なくっている。一方では、床がフローリングの部屋で畳の和室の日本式生活様式で過ごしたいこともあり、座って居住する様式も取り入れたい気持ちになることもある。フローリングの上に直接座ると脚等がすぐ痛くなり、座り心地が悪いため、畳の上で座ったり、寝たり、過ごしたりしたい気持ちを持つようになる。敷物としては、起毛生地を使用した製品、敷詰めもしくは中敷の絨毯、表装材が畳表(藺草織物等)である単位マットがあるが、その時に適宜の箇所で、座ったり寝ころんだりすることができるように色々な畳形式敷物を使用したい気持ちが起こる。
【0003】
畳は我が国において古来より用いられている床材であり、近年でも各家庭をはじめとした和風建築、さらには柔道や合気道に適した武道場、体育館等で広く畳床を用いられている。また一般家庭でもフロア床が多く、幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが家庭内で生活するにおいて、部屋内で行動する場合には安全性を高めるために、優れたクッション性で衝撃を緩和された畳の部屋が要望される。室内に使用される畳に求められる性能として、吸放湿性、吸音性、熱伝導性、衝撃吸収性、剛性、柔性、耐久性などがあげられるが、スポーツでの柔道等に用いる場合には、大きな荷重がかかった場合であっても足が沈み込まない十分な剛性と、投げ技等で畳に叩きつけられた際の衝撃を十分吸収できる衝撃吸収性の両立が重要となる(特許文献1参照)。
【0004】
特にクッショウ性の畳として、畳床の上方に積層されるクッション材を簡単な方法で接着することができるとともに、全体として丈夫な構造でありながら、衝撃を充分に分散させることが可能な畳床を備えた畳として、畳床の上方に、架橋ポリエチレンからなるクッション材が接着され、クッション材の上方に、塩化ビニールからなる畳表が接着されて形成されている。クッション材を架橋ポリエチレンによって形成することにより、柔らかさを確保することができ、クッション材の厚みを5mm程度とすることにより、沈み込みを防止することができる。接着は、接着剤をスプレーによって塗布して行うことができることが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
畳表および柔道用畳として、メンテナンス性を向上しながら耐久性を向上させ、処分を行う際の環境負荷を小さくすることが可能になっている。その畳表は、結晶性のポリプロピレンと、非結晶性のプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体とを有するオレフィン系エラストマーを含んでおり、結晶性のポリプロピレンと、非結晶性のプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体とを有するオレフィン系エラストマーを含む畳表を備えていることが報告されている(特許文献3参照)。
【0006】
また衝撃吸収性、通気性及び熱伝導性に優れる畳として、畳床と、畳床の表面を覆う畳表とを有する衝撃吸収の畳であって、畳床として、弾性を有するクッション層を備えており、表裏面を貫通する貫通孔が複数形成されている。貫通孔の内周面には、弾性変形可能な保護パイプが装着されており、貫通孔を穿つドリルに中空ドリルを用いることで、連続して孔を穿つ動作を安定して実施させている畳である(特許文献4参照)。
【0007】
さらに柔らかすぎることのない適度な柔軟性と硬度を保持した上で衝撃吸収力を高める弾性フォームで形成された中間層を有する畳として、柔軟性畳は、畳を構成する積層構造における中間層の上面及び下面における隣接する層との当接面の少なくともいずれか一方に空隙が形成されていることを特徴とする。そして当該空隙の面積空隙率が中間層の上面及び下面における当接面全体に対して10%~50%であることが提案されている(特許文献5参照)。
【0008】
幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが生活で安全性、快楽性を高める畳床に、あるいはスポーツに使用する畳床で、クッション層を形成した中間層を有し、中間層の上面側または下面側に隣接する層との間にクッション性高めることを目標にしている。特に転んだりした場合には、大きな衝撃を受けるため、この衝撃を吸収し、強度の点で優れた構造を有するものが必要であり。競技者などが痛さを感じるため、ある程度の柔らかさと柔軟性を求めている。これらの問題点を解決することを目的とした特殊発泡ポリプロピレンフォームを衝撃吸収できる畳床の存在は多くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2013-124489号公報
【文献】実用新案登録第3170957号公報
【文献】特開2016-69816号公報
【文献】特開2017-115562号公報
【文献】特開2013-124489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般的な住宅、或いは幼児の受託所、或いは保育所、さらに老人、高齢者の福祉施設などは、畳の部屋なくフローリング床の状態で、椅子などを使用して腰かけて集まることが多い、そのような施設、場所で座って、話し合ったり、遊んだり、ゲームを行うときには、従来のフローリングの床等に敷く畳敷物には、次のような課題があった。通常の畳を広く敷詰めには一枚当たりの重量が重く、一度敷くと可搬的移動が難しい。フローリングの床には、畳の敷詰めもしくは中敷きの絨毯に取り外し、部屋の模様替えが難しい。また畳表を使用した畳敷物をいくら連結しても、見栄えがせず、単に畳の代用品に過ぎない。特に小型であって軽量のセット体において可搬して色々な要望場所に敷くことは難しい状況であった。したがって小型軽量である程度の広さに可搬性の畳体を敷くことが望まれている。
【0011】
上記の観点から、幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが部屋内で行動する場合には安全性、快楽性を高める畳床、あるいは柔道などのスポーツに使用される時に、弾性フォームで形成された中間層を有し、中間層の上面側または下面側に隣接する層との間にクッション性高めた層を形成することにより、衝撃力を緩和させる構成が開示されているが、効果の点で十分ではない。
とくに幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが、狭い家屋などで転んだりした場合には、身体に大きな衝撃を受けるため、それを防ぐためにはこの衝撃を吸収し、クッション性を高めた構造を有する畳面を持つことが要求されている。また、柔道などのスポーツでの競技で、畳の表面が固いと、受け身のときに競技者が痛さと骨折を生じることを感じる。そのため畳床のある程度の柔らかさが必要である一方、柔らかすぎると、さらに表面が沈みこんで競技者が捻挫しやすくなるという問題点を生じる。
【0012】
さらに一般的柔道用畳では、柔道用畳を構成する各部材を積層して縫い合わせることによって柔道用畳を製造するのが通常であり、柔道用畳の表面には通常の畳表が使用されるが、その場合には畳表を塩化ビニールの薄いシート状のもので被覆すると、畳表を縫い合わせたときに、柔道用畳の角や縁に変形を生じる。また、また角や縁の部分が動きによってすり減りやすい。そのためにこれを補修して縫い合わせを繰り返すと、一層にこの畳部分が沈み込みやすくなってくる。
これを解消するために、角の部分に固い素材からなる補強材を配置して補強すると、今度は、この固い補強材が衝撃によって割れると、大きな怪我の要因となってしまう。また、畳表の表面部分を接着によって積層したものもあるが、これまでのものは、接着工程における圧着固定のために、大きな圧力を必要とするため、大規模な圧着機械が必要であった。さらに、予め粘着層を形成するための加工が必要であり、簡単な操作で接着により積層することが困難である。
【0013】
本考案は、このような事情を考慮してなされたもので、畳床の上方に積層されるクッション材を簡単な方法で接着することができるとともに、全体として丈夫な構造でありながら、衝撃を充分に分散させることが可能な畳床を備えた柔道用畳を提供することを目的とする。衝撃吸収畳は、中間層に荷重が作用した時に畳の変形し難く、衝撃を十分に緩和し難い。また、衝撃吸収畳の下面側に湿気がこもり易く、カビ等が発生し易く、一般住宅で用いられる床暖房を備えた環境で畳を使う場合、床暖房によるカビが発生しやすくなり、せっかくの床暖房による暖気が畳の表面にまで十分伝わらない課題があった。そこで、衝撃吸収性、通気性及び熱伝導性に優れる畳の提供ももう一つ課題になる。
【0014】
このため、一般に畳を使用する前にはふき取る作業が必要な場合があり、クッション付加した畳のメンテナンスが余り高くなく。また、樹脂成分で処理した畳表では、可塑剤が溶出することにより製造当初に有していた柔軟性が次第に失われ、耐久性が十分でないという問題点もある。
本考案は上記課題を解決するためになされたものであり、メンテナンス性を向上しながら、断熱的に耐久性を向上させ、処分を行う際の環境負荷を小さくすることが可能な衝撃吸収畳を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
フローリング部屋での活動での怪我対策として軽量薄型畳床におけるクッション性と安全性を高めるために、上面畳表の下層に、第一のクッション材として衝撃吸収効果を持つ厚さ5~10mmのビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板材と、第二のクッション材としての断熱性と弾性を保持している厚さ2~10mmの発泡ポリスチレンフォーム板材とを、形状の反り防止と高弾力性としての形状保持材のガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の安定固定層を中間部に挟んで使用されている厚さ20mm以下、15~20mm範囲のクッション性畳床である衝撃吸収性薄型簡易畳である。
【0016】
優れたクッション性で衝撃を緩和させ、しかも軽量及び断熱性の高い畳として、表層の畳表の下層に、順次荷重分散性を持つ表面シートと、直径2~8φmm球状粒子の発泡ポリプロピレンを、厚さ5~10mmの盤状材に加圧成型した盤状体で、衝撃吸収効果を持ち、畳床の積層比率に対して20%以上を占めているビーズ法発泡ポリプロピレンのクッションI層と、形状の反り防止としてのガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、断熱性と弾性を持つ発泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体になり、前記ラミネート体の表面に縦方向50~100mmの間隔で30~80mmの幅で縫糸による連続通し縫いをした7層積層体にして、前記積層体の上面に表層として畳表を巻き合わせた畳形状体になっている。
【0017】
前記畳床は、畳表の裏面材の上方に順次、第一のビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板層と、サンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層と、第三の発泡ポリスチレンフォーム板材層とを主体的成分になっており、各層を通し縫いの7層積層体で、厚さ15~20mm、縦300~1000mm、横300~1000mmの寸法の畳形状体であって、衝撃防止性の発泡ポリプロピレンフォーム板層と、形状保持性のサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層とを主体の畳形状体の一枚当たり3kg以下になるようにして、住宅フロア床の幼児、高齢者用部屋、養護施設の畳床に適応できる。
【0018】
フローリング部屋に使用される畳表とビーズ法発泡ポリプロピレンのクッションI層と、ガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、断熱性と弾性を持つ発泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体の厚さ15~30mmで,ガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の薄型安定固定層によって寸法形状として縦横幅300~1000mmの正方形状畳体と前記正方形状畳体の半分幅の横幅150~500mmの長方形状畳体における一枚の重量としてそれぞれ1~3kgにて、それぞれ正方形状畳体(長方形状も含めて)4~16枚の範囲で構成されて、前記正方形状畳体、或いは長方形状畳体を適宜に配列した、正方、長方形状のフローリング畳敷物体にして、各畳体の裏面の不織布の面に滑り止めを貼ってフローリングを不動状態にさせて、フローリング上に全体の総計4~16枚の畳体セットを敷いて0.5~10m
2
の面積になり、セット全体重量として30kg以下になっている。
【発明の効果】
【0019】
一幼児の受託所、或いは保育所、さらに老人、高齢者の福祉施設などは、畳の部屋なくフローリング床の状態で、椅子などを使用して集まる施設、場所で座って、話し合ったり、遊んだり、ゲームを行うことができる。従来のフローリングの床等に敷く畳敷物には、次のような課題があった。通常の畳を広く敷詰めには一枚当たりの重量が軽く、一度敷くと可搬的移動が可能である。畳体は、フローリングの床には、畳体の取り外し、部屋の模様替えが簡単であり、見栄えが良く、部屋の雰囲気も変わる。特に小型であって軽量において可搬して色々な要望場所に敷くことできる。小型である程度の広さに畳体を敷くことができた。
【0020】
弾性フォームで形成された畳の中間層を有し、中間層の上面側または下面側に隣接する層との間にクッション性高めたビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板材層を形成することにより、幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが部屋内で行動する場合には安全性、快楽性を高める畳床、あるいは柔道などのスポーツに使用される時に、衝撃力を緩和させるになった。とくに幼児、あるいは高齢者、身体障碍者などが、狭い家屋などで転んだりした場合には、身体に大きな衝撃を受けることが少なくなった。また転んだ場合での衝撃を吸収し、クッション性を高めた構造を有する畳面を持つことになっている。特に、柔道などのスポーツでの競技で、畳の表面が固いと、受け身のときに競技者が痛さと骨折を生じることが少なくなった。
【0021】
本発明によると、畳床の上方から積層されるビーズ法発泡ポリプロピレンフォームのクッション材を上面に適切な範囲に用いて、しかも安定材と簡単な方法に縫い合わせをすることができるため、大規模な圧着機械などを用いずに、5層の材料を安定的な積層体にすることができる、畳床の心材表裏の間を縫い糸で、通し縫いを行うことで、短時間に作業性良く畳を製造することができる。また、畳床を、全体として軽量、断熱な丈夫な構造でありながら、衝撃を充分に分散させることが可能な構造に仕上げることができて、畳の下面と上面の間に空気の流通を発生させ、下面側の湿気を効果的に逃すことが可能となるばかりか、衝撃を与えた際に剛性によって周辺部分が変形することにより、大きな衝撃を吸収する効果を発揮した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明での衝撃吸収性薄型簡易畳 における斜視図と構造図。 A:畳全体の斜視図 B:畳の構成を示した図
【
図2】本発明での衝撃吸収性薄型簡易畳の積層体の構成と組成成分を示す断面図。 A:衝撃吸収畳の組成断面(拡大) B:裏面の状態図
【
図3】本発明での衝撃吸収畳のビーズ法発泡ポリプロピレンの構造状態図
【
図4】本発明での衝撃吸収性薄型簡易畳の敷物としての使用時の状態図。 子供フロア床部屋に使用した場合
【
図5】本発明での衝撃吸収性薄型簡易畳におれる反りの測定と衝撃吸収の測定の装置図 A:衝撃吸収力(衝撃力)の測定の装置 B:反りの測定の装置
【
図6】
図5で使用した試料(本発明衝撃吸収性薄型簡易畳サンプルと通常品サンプル)の畳表なしの模式図である。 A:衝撃吸収性薄型簡易畳サンプル B:通常品サンプル
【発明を実施するための形態】
【0023】
本考案の実施を明確にするために、
図1~
図5をもとに以下に説明する。
図1と
図2に示すように、衝撃吸収畳の敷物は、第一のビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板層と、第二のインシュレーションボード層、又はサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層と、第三の発
泡ポリスチレンフォーム板材層とを主体的成分で、通し縫いの5層積層体にしたものである。とくに第一のビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板層が衝撃吸収に対して高い効果を示していることを実施例によって例示する。
【実施例1】
【0024】
図1Bに示すように畳床のクッション性を高めるために、上面畳表の下層に、第一のクッション材として衝撃吸収効果を持つ厚さ7mmのビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材と、第二のクッション材としての断熱性と弾性を保持している厚さ5mmの発
泡ポリスチレンフォーム板材とを、ガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の厚さ6mmの安定層を中間部に挟んで使用されている21mm厚さの薄型である衝撃吸収畳であった。
【0025】
優れたクッション性で衝撃を緩和させ、しかも軽量及び断熱性の高い畳として、表層の畳表の下層に、順次荷重分散性を持つ1mm厚さの不織布の表面シートと、衝撃緩衝効果を所持するビーズ法発
泡ポリプロピレンのクッションI層と、ガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、形状保持性と断熱性と弾性を持つ発
泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体を、
図2Bに示すように縦横70mmの等間隔に縦横で2mmφの縫糸で通し縫いをした5層積層体にして、前記積層体の上面に表層として3mm厚さの畳表を巻き合わせた
図2Aの畳状体にした。
【0026】
前記畳床は、畳表の裏面材の上方に順次、第一の発泡ポリプロピレンフォーム板層、第二のサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層、第三の発
泡ポリスチレンフォーム板材層を主体的になっており、各層を通し縫いの5層積層体で、厚さ20mm、縦900mm、横900mmの寸法の畳形状体であって、畳形状体の一枚当たり1.9kgであった。衝撃吸収の高い素材であるビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材は、
図3に示すように、直径3~6mmφ球状粒子の発
泡ポリプロピレンを使用したものであり、厚さ7mmに圧縮成形した製品であった。
【0027】
ビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材とサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層の効果を明確にするために、本発明の衝撃吸収性薄型簡易畳での畳表を除いた基本衝撃吸収材(第一のクッション材のビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材と、第二のクッション材の発
泡ポリスチレンフォーム板材とガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂層)と、比較として一般使用されているインシュレーションボード層を同一層厚さで比較として、衝撃吸収量を、すなわち衝撃力の測定にする。その方法として:10kgの40mmφ錘を10cmの高さから落下させて、反発の減速度から衝撃力として測定した。測定装置の概略は
図5―Aに示すようなものであり、結果は表1に示す通りであった。
表1に示すように、通常の薄型畳の衝撃吸収量は23%以上改善されていることが明らかになった。又は畳にたわみについては、約13%程度の改良が見られた。
【表1】
*10kgの40mmφ錘を10cmの高さから落下させて、反発の減速度から衝撃力を算出。N=G*質量*9.8 G:減速度測定値
【0028】
図5-Bに示す加重付加装置によってたわみ量の測定を測定した。
衝撃緩衝効果を持つビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材として、
図3の畳床体で、直径2~8φmm球状粒子の発
泡ポリプロピレンを、厚さ5~10mmの盤状材に加圧成型した盤状体で横幅900mm、縦幅900mmの盤状材に加圧成型したもので、またガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の安定層によってたわみ量を向上させた。
通常使用されている薄型畳と比較して、加圧による反り防止の効果と鋼球と軟性ボールの落下からの跳ね返り効果の測定おこなった。特殊両材料の使用により、反り防止も非常に少なくなり、弾性率、衝撃吸収率(衝撃力)も高く向上して、性能改善させており、本発明の第一のクッション材のビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材と、第二のクッション材の発
泡ポリスチレンフォーム板材とガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂層により衝撃吸収効果と安定化効果が非常に改善していると評価された。
【0029】
たわみ量は、サンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層の効果によって、15%以上のたわみの減少効果を持っており、また衝撃吸収の能力において、ビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材とサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層の相乗効果によって、含有しないものに対して32%以上の向上していることが明らかになった。
畳床の積層比率に対してビーズ法発
泡ポリプロピレンフォーム板材とサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層が50%以上を占めた、衝撃吸収性薄型簡易畳は、
図4に示すように、衝撃吸収性薄型簡易畳9枚をセットにして住宅フロア床の子供部屋に敷いた。この部屋に対して、子供の種々の行動に対して安全性で有効であり、幅広く適応された。
【実施例2】
【0030】
実施例1と同様に、軽量薄型畳床におけるクッション性と安全性を高めるために、上面畳表の下層に、第一のクッション材として衝撃吸収効果を持つ厚さ8mmのビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板材と、第二のクッション材としての断熱性と弾性を保持している厚さ7mmの発泡ポリスチレンフォーム板材とを、形状の反り防止と高弾力性としての形状保持材のガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂の厚さ7mmの安定固定層を中間部に挟んで使用されている厚さ23mmのクッション性畳床である衝撃吸収性薄型簡易畳であった。
【0031】
優れたクッション性で衝撃を緩和させ、しかも軽量及び断熱性の高い畳として、表層の畳表の下層に、順次荷重分散性を持つ表面シートと、直径5~8φmm範囲の球状粒子からなる発泡ポリプロピレンを、厚さ5~10mmの盤状材に加圧成型した盤状体で、衝撃吸収効果を持ち、畳床の積層比率に対して20%以上を占めているビーズ法発泡ポリプロピレンのクッションI層と、形状の反り防止としてのガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、断熱性と弾性を持つ発泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体になり、前記ラミネート体の表面全体に縦方向60mmの間隔で60mmの幅で2mmφの麻縫糸による連続通し縫いをした接着剤のない一体的積層体にして、前記積層体の上面に表層として畳表を巻き合わせた畳形状体になった。
【0032】
前記畳床は、畳表の裏面材の上方に順次、第一のビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム板層と、サンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層と、第三の発泡ポリスチレンフォーム板材層とを主体的成分になっており、各層を通し縫いの7層積層体で、厚さ23mm、縦800mm、横800mmの寸法の畳形状体であって、衝撃防止性の発泡ポリプロピレンフォーム板層と、形状保持性のサンドイッチ状ガラス繊維付きポリスチレン樹脂層とを主体の畳形状体の一枚当たり1.8kgになり、住宅フロア床の老人、介護者の畳床に適応できるものであった。また実施例と同様な性能が得られた。
【実施例3】
【0033】
実施例1と同様な製品、製法で製作した衝撃吸収性薄型簡易畳は、フローリング部屋に使用される畳表とビーズ法発泡ポリプロピレンのクッションI層と、ガラス繊維で挟んでサンドイッチ状にした強化性ポリスチレン樹脂の安定層と、断熱性と弾性を持つ発泡ポリスチレンフォームのクッション層IIと、最終に畳特性保持を推進するポリオレフィン系繊維布の保護シートからなるラミネート体の厚さ20mmで,寸法形状として縦横幅800mmの正方形状畳体と前記正方形状畳体の半分幅の横幅400mm、縦長さ800mmの長方形状畳体における一枚の重量として1kg以下にて、また実施例と同様な性能が得られた。
正方形状畳体と長方形状畳体と合わせて12枚の範囲で構成されて、前記正方形状畳体と長方形状畳体を適宜に配列した、正方形状のフローリング畳敷物体にして、各畳体の裏面の不織布の面に両面粘着性製の滑り止めを貼ってフローリングを不動状態にさせて、フローリング上に全体の総計12枚の畳体セットを敷いて6m
2
程度の面積になり、セット全体重量として19kg以下になるようにした。これを介護施設に使用した。
【符号の説明】
【0034】
1 衝撃吸収畳
2 畳表
3 畳床
4 クッション層I
5 クッション層II
6 保護シート
7 荷重分散シート
8 安定固定層
9 表層
10 積層体、ラミネート体
11 インシュレーションボード
12 ビーズ法発泡ポリプロピレンフォーム
13 衝撃吸収層
14 発泡ポリスチレン
15 発泡ポリプロピレン粒子
16 ガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂
17 縫糸連続通し縫い
18 ガラス繊維でサンドイッチ状のポリスチレン樹脂
19 畳表を巻き合わせた畳状体
20 フロア
21 壁
22 測定架台
23 速度測定器
24 測定台
25 落下錘フレーム
26 畳試験体
27 加圧ヘッド
28 加圧棒
29 支点棒
30 測定点(ダイヤルゲージ)