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特許7714838行動時間管理システム、行動時間管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-22
(45)【発行日】2025-07-30
(54)【発明の名称】行動時間管理システム、行動時間管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20250723BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250723BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20250723BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250723BHJP
   G06Q 50/22 20240101ALI20250723BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510D
G08B21/02
A61B5/00 102A
G06Q50/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024105842
(22)【出願日】2024-06-30
(65)【公開番号】P2025010059
(43)【公開日】2025-01-20
【審査請求日】2024-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2023109139
(32)【優先日】2023-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523252146
【氏名又は名称】鷹岡 由実子
(74)【代理人】
【識別番号】100221291
【弁理士】
【氏名又は名称】青井 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】鷹岡 由実子
【審査官】弘田 智美
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-040017(JP,A)
【文献】特開2010-220761(JP,A)
【文献】特開2020-053070(JP,A)
【文献】特開2022-049953(JP,A)
【文献】特開平11-086168(JP,A)
【文献】特開2021-176060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
G08B 25/00
G08B 21/02
A61B 5/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理システムであって、
前記センサは前記所定エリアの外側で、前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能に設置され、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力部と、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力部と、
前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得部と、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定部と、
前記第1の設定部によって前記行動開始時刻が設定され前記取得部による前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定部と、
前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断部と、
前記判断部によって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告部と
を備えることを特徴とする行動時間管理システム。
【請求項2】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理システムであって、
前記センサは前記所定エリアの内側で、前記所定エリア内の前記患者を検知可能に設置され、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力部と、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力部と、
前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得部と、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定部と、
前記第1の設定部によって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得部による前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定部と、
前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断部と、
前記判断部によって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告部と
を備えることを特徴とする行動時間管理システム。
【請求項3】
前記第1の時間及び前記第2の時間のそれぞれが、前記行動における前記患者の行動時間よりも短く、前記患者以外の者の行動時間よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の行動時間管理システム。
【請求項4】
前記行動の最大行動時間又は最大行動間隔を入力する第3の入力部をさらに備え、
前記判断部は、前記行動時間が前記最大行動時間を超えたこと、又は前記行動間隔が前記最大行動間隔を超えたことを条件として前記患者の行動を異常と判断し、
前記警告部は、前記出力装置を介して、前記患者が前記行動を終了するように、又は前記患者が前記次の行動を開始するように、前記患者又は該患者の介護者に警告する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の行動時間管理システム。
【請求項5】
前記行動の最低行動時間又は最低行動間隔を入力する第4の入力部をさらに備え、
前記判断部は、前記行動時間が前記最低行動時間に満たないこと、又は前記行動間隔が前記最低行動間隔に満たないことを条件として前記患者の行動を異常と判断し、
前記警告部は、前記出力装置を介して、前記患者が前記行動を継続するように、又は、前記患者が前記次の行動を中止するように、前記患者又は該患者の介護者に警告する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の行動時間管理システム。
【請求項6】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理方法であって、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、
前記センサを、前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの外側に設置し、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、
前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定され、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、
前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップと
を有することを特徴とする行動時間管理方法。
【請求項7】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理方法であって、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、
前記センサを、前記所定エリア内の前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの内側に設置し、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、
前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、
前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップと
を有することを特徴とする行動時間管理方法。
【請求項8】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、
前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの外側に設置された前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、
前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定され、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、
前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップと
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項9】
1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、
行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、
前記所定エリア内の前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの内側に設置された前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、
前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、
前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、
前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップと
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽度の認知症患者の行動時間を管理する行動時間管理システム、行動時間管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、軽度の認知症患者の自宅の浴室やトイレに各種カメラやセンサを設置し、患者の行動を監視したり、異常を検出して警告を行うようなシステムがある。
【0003】
例えば、浴室内の人体を赤外線検出素子で検知して警報を発するシステムにおいて、誤検知を防止するために複数のセンサを設け、その検知時間から検知対象者の異常を判断して警報を出力する異常検知システムがある(特許文献1を参照)。
また、認知症患者に装着した発信機と自宅内の各室内のセンサで居場所を監視し、各室のドアの開閉と施錠を監視する3重の監視機構を備える認知症患者自宅保護管理システムがある(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-256943号公報
【文献】特開2016-110579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムは、患者の入浴行動時の異常を浴室内で監視するための特殊で防水機能を備えたセンサを設置する必要があり、カメラを使うよりも安価であるとはいえ、汎用の市販センサ等を用いて一般家庭で気軽に使えるとは言えない。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のシステムは、家庭内での認知症患者の行動を監視して介護者である家族の負担を軽減するものであるが、患者の日々の行動の異常を検知するような行動サイクルの管理には適さない。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、軽度の認知症患者などの特定エリアでの日常行動を汎用センサ等を用いて好適に管理でき、異常があれば患者やその介護者に警告を行うことができる行動時間管理システム、行動時間管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理システムであって、前記センサは前記所定エリアの外側で、前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能に設置され、行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力部と、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力部と、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得部と、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定部と、前記第1の設定部によって前記行動開始時刻が設定され前記取得部による前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定部と、前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断部と、前記判断部によって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理システムであって、前記センサは前記所定エリアの内側で、前記所定エリア内の前記患者を検知可能に設置され、行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力部と、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力部と、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得部と、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定部と、前記第1の設定部によって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得部による前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定部と、前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断部と、前記判断部によって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告部とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理方法であって、行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、前記センサを、前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの外側に設置し、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定され、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
さらにまた、上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理方法であって、行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間入力する第1の入力ステップと、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間入力する第2の入力ステップと、前記センサを、前記所定エリア内の前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの内側に設置し、前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
さらにまた、上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、前記所定エリアへ出入りする前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの外側に設置された前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定され前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が中断した後、前記センサから検出情報が前記第2の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が再度取得され始めた時刻を前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと前記検出情報の継続した取得の中断が継続している場合の前記行動開始時刻からの行動時間、又は前記行動終了時刻から前記患者の次の行動の行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップとを実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである
【0013】
さらにまた、上記課題を解決するために、本発明は、1つの出入口のみを有する所定エリアに出入りする前記所定エリアにおける患者の行動をセンサで検知し、該患者の行動が異常な場合に出力装置を介して警告を行わせる行動時間管理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって行動開始時刻にかかる前記患者の所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第1の時間を入力する第1の入力ステップと、行動終了時刻にかかる前記患者の前記所定の行動を前記患者以外の行動と識別するための閾値時間として第2の時間を入力する第2の入力ステップと、前記所定エリア内の前記患者を検知可能となるよう前記所定エリアの内側に設置された前記センサから前記患者の検出情報を取得する取得ステップと、前記患者の検出情報が前記第1の時間以上継続して取得される場合に、該検出情報が最初に取得された時刻を前記所定エリアにおける前記患者の行動の前記行動開始時刻に設定する第1の設定ステップと、前記第1の設定ステップによって前記行動開始時刻が設定された後に、前記取得ステップによる前記検出情報の継続した取得が前記第2の時間以上中断した場合に、前記検出情報の継続した取得が中断した時刻前記所定エリアにおける前記患者の前記行動の前記行動終了時刻に設定する第2の設定ステップと、前記行動開始時刻からの行動時間又は前記行動終了時刻からの前記患者の次の行動の前記行動開始時刻までの行動間隔を利用して前記患者の前記行動の異常を判断する判断ステップと、前記判断ステップによって前記患者の前記行動が異常と判断された場合に、前記出力装置を介して、前記患者又は該患者の介護者に警告する警告ステップとを実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽度の認知症患者などの特定エリアでの日常行動を汎用センサ等を用いて好適に管理でき、異常があれば患者やその介護者に警告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムを用いた患者の行動の計時パターン例を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態に係る介護者用装置の患者情報入力部の操作イメージを説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態に係る介護者用装置の計時条件入力部の操作イメージを説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る介護者用装置の計時条件入力部の操作イメージを説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る介護者用装置の計時条件入力部における入力サポート用パラメータの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。
図10】本実施形態で使用される人の動きとドアの開閉の両方を検知等するセンサを用いる場合の計測条件の一例を示す図である。
図11】本実施形態で使用されるセンサによる検知信号とそこから推定される行動の一例を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態に係る行動管理装置から通知を受け取った介護者用装置における状態遷移処理の一例を説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである
図14】本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システムによる患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムにおける患者等の入浴及びトイレ利用に関する計測ケースの一例を説明するための図である
図17】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムにおける患者等の入浴及びトイレ利用に関する計測ケースの一例を説明するための図である。
図18】本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムにおけるトイレ利用間隔及び入浴時間の管理における人と装置等の関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システムとその動作について説明する。本実施形態では、患者として軽度の認知症患者を想定し、患者の自宅において健常者である家族が介護者となって、当該患者の特定の行動について行動時間を管理する場面を想定する。
図1は、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システム1の構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る行動時間管理システム1は、介護者用装置10、患者用装置20及び行動検知装置30で構成され、各装置が互いにネットワーク40を介して接続されている。
【0017】
介護者用装置10は、介護者が患者の行動時間の管理に必要な患者情報を入力する患者情報入力部11、行動時間の管理に必要な時間条件を入力する計時条件入力部12、行動検知装置30からの信号を受け取る行動検知装置入力部13、介護者が設定した条件に従って計時や通知の判断または判定を行う計時および判断部14、各種入力情報や計時・通知の履歴を記録する記憶部15、患者用装置20に警告などの通知提示の指示を出す患者用装置通信部16、及び介護者用装置10を取り扱う介護者に対して音・音声・画像・テキストなどで通知・警告を行う介護者向け通知提示部17を備える。
【0018】
各部の具体的な機能としては、例えば、行動検知装置入力部13は、センサとして機能する行動検知装置30から患者の検出情報を取得する。また、計時および判断部14は、患者の検出情報に基づいて患者の行動開始時刻や行動終了時刻を設定し、それらの時刻を利用して患者の行動の異常を判断または判定する。さらに、患者用装置通信部16及び介護者向け通知提示部17は、患者の行動が異常と判断または判定された場合に、患者用装置20及び介護者用装置10からそれぞれ患者及び介護者に音声やテキスト・画像などで通知や警告を行わせる。介護者用装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)のような携帯情報端末、又はノートPCなどの装置を用いることができる。また、後述する本装置を使った操作は、例えば本装置にAPI(Application Programming Interface)をインストールし、API画面を介してプログラムを実行することができる。
【0019】
患者用装置20は、介護者用装置10から通知の指示を受け取る介護者向け装置通信部21と、患者に警告などの通知を提示する患者向け通知提示部22を備える。患者用装置20は、例えば、スマートスピーカー、Bluetooth(登録商標)スピーカー、スマートウォッチなどの、音声・音や振動・画面表示などで患者に対して警告を行うことができる装置を用いることができる。
ここで、患者用装置20に、スマートウォッチなどの計時機能を持つ装置を用いる場合、介護者が設定した条件に従って計時や通知の判断を行う計時および判断部14を、介護者用装置10が備える代わりに、患者用装置20に備えるようにしてもよい。同様に、介護者用装置10が備える行動検知装置入力部13や記憶部15を患者用装置20で備えるようにしてもよい。
【0020】
行動検知装置30は、特定エリアにおける患者の行動を検知する行動検知部31と、行動を検知した際に介護者用装置10に通知する介護者向け装置出力部32を備える。行動検知装置30の行動検知部31には、例えば、患者の放射熱線を検出する赤外線センサや患者の接触を検知する圧力センサなど一般的な市販の汎用センサと、検出された信号をネットワーク40を介して介護者用装置10に送信する機能を有する装置を組み合わせて実現できる。
【0021】
ネットワーク40は、インターネット、BLE(Bluetooth Low Energy)、LANなど有線又は無線で各装置間を通信可能に接続している。
【0022】
ここで、患者の行動管理の対象となる場所と警告の通知場所が同じ場合、患者用装置20と行動検知装置30は1つの機器で兼ねても良く、例えば人感センサ付きスマートスピーカーなどを用いることができる。また、患者自身が患者用装置20等の装置を携帯できるような場合には、例えばビーコン(Beacon)の仕組みを併用して、当該装置をビーコン発信機の機能を持たせて患者固有の識別信号であるBLE信号を発信させ、行動検知装置30にBLE信号を受信する受信機の機能を持たせるようにしてもよい。これにより、複数の患者が入居しているような施設等において、共同で利用する特定エリアで検出された患者が誰であるのかをビーコンの識別情報に基づいて特定することが可能になる。ビーコンを併用する実施例については図12を用いて後述する。さらにまた、前記の患者用装置20に、計時および判断部14、行動検知装置入力部13、記憶部15を備える場合、行動検知装置30からの検知情報をBLE信号で受信する事で、ビーコンを併用するのと同様の効果を得ることができる。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システム1を用いた患者の行動の計時パターン例を説明するための図である。以下では、行動時間管理システム1によって計時可能なパターンの中から3つの計時パターンを説明する。
【0024】
パターンAでは、患者の行動場所である室内(例えば、浴室やトイレなど)に行動検知装置30を設置し、行動検知装置30が患者の行動を検知すると計時を開始し、介護者が介護者用装置10で設定した行動開始時間が経過した場合に患者が行動を開始したと判断し、計時を続ける。その後、患者が室内から退出して行動検知装置30が患者の行動を検知しなくなってから、介護者が介護者用装置10で設定した行動終了時間が経過した場合に患者の行動が終了したと判断し、計時を終了する。このパターンAでは、患者の行動場所における行動時間の長短によって患者に警告を行うことになる。
【0025】
パターンBでは、患者の行動場所の出入口(例えば、脱衣所と浴室の間の出入口の脱衣所側や、トイレへの出入口の外側)に行動検知装置30を設置し、行動検知装置30が患者の1回目の行動(トイレに入室)を検知すると計時を開始し、介護者が介護者用装置10で設定した行動開始時間が経過した場合に患者が行動を開始したと判断して計時を継続するところまでは、前述のパターンAと同様となる。その後、行動検知装置30は患者の行動を検知しなくなっても計時をし続け、再び患者の行動を検知してから、介護者が介護者用装置10で設定した行動終了時間が経過した場合に患者の行動が終了したと判断し、計時を終了する。このパターンBも、患者の行動場所における行動時間の長短によって患者に警告を行うことになる。
【0026】
上述したような処理は、介護者用装置10、患者用装置20及び行動検知装置30の各部の機能がそれぞれ働くことによって実現される。例えば、計時および判断部14は、患者の検出情報が継続して取得される場合に、当該検出情報が最初に取得された時刻を特定の行動場所における患者の行動の行動開始時刻に設定する機能を有する。また、計時および判断部14は、行動開始時刻が設定された後、検出情報の継続した取得が中断し、行動検知装置30から検出情報が再度継続して取得される場合に、当該検出情報が再度取得され始めた時刻を当該特定の行動場所における患者の行動の行動終了時刻として設定する機能を有する。さらに、計時および判断部14は、設定された行動開始時刻と行動終了時刻のいずれか一方の時刻、又は両方の時刻を利用して患者の行動の異常を判断または判定する機能を有する。
【0027】
パターンCでは、患者が利用する行動場所の利用間隔(例えば、トイレの利用間隔)を計測する。そこで特定の行動場所に行動検知装置30を設置し、行動検知装置30が行動を検知してから、介護者が介護者用装置10で設定した行動開始時間が経過した場合に患者が行動を開始したと判断し(1回目の行動)、その後、行動を検知しなくなってから、当該行動場所の利用間隔の計時を開始する。そして、患者の行動を行動検知装置30が再び検知したときに、介護者が介護者用装置10で設定した行動開始時間が経過している場合に、患者が次の行動(2回目の行動)を開始したと判断し、利用間隔の計時を終了する。さらにその後、行動検知装置30が患者の行動を検知しなくなったら患者が2回目の行動を終了したと判断して、介護者用装置10において再び利用間隔の計時を開始する。
【0028】
上述したような処理は、例えば、あらかじめ介護者用装置10で行動開始時刻や行動終了時刻の閾値時間をそれぞれ入力して設定しておき、行動開始時刻や行動終了時刻の設定における判断基準にすることで実現される。例えば、計時および判断部14は、患者の検出情報が設定された閾値時間以上継続して取得される場合に、当該検出情報が最初に取得された時刻を患者の行動の行動開始時刻に設定することができる。また、計時および判断部14は、行動開始時刻が設定された後に、患者の検出情報の継続した取得が設定された閾値時間以上中断した場合に、検出情報の継続した取得が中断した時刻、又は、センサから検出情報が再度閾値時間以上継続して取得される場合に、検出情報が再度取得され始めた時刻を患者の行動の行動終了時刻に設定することができる。そして、計時および判断部14は、設定された行動開始時刻と前記行動終了時刻のいずれか一方の時刻、又は両方の時刻を利用して患者の行動の異常を判断または判定する。
【0029】
以下では、介護者が行動時間管理システム1を用いて患者の行動時間管理を行うための介護者用装置10での患者情報入力部11の操作の概要について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る介護者用装置10の患者情報入力部11の操作イメージを説明するための図である。
患者情報入力部11では、患者への呼びかけ等の音声警告に使用する患者の名前や、計時条件入力部12で患者への呼びかけを行う時間帯や場所を入力する際の初期パラメータとして引用される患者の起床時間帯や主な滞在場所などを入力する。
【0030】
次に、介護者が行動時間管理システム1を用いて患者の行動時間管理を行うための介護者用装置10の計時条件入力部12の操作の概要について説明する。図4及び図5は、本発明の一実施形態に係る介護者用装置10の計時条件入力部12の操作イメージを説明するための図である。
計時条件入力部12の計測条件入力サポート画面100は、介護者が行動時間を計測したい場所や、患者の普段の行動時間を入力するための画面である。また、計測条件確認・修正画面200は、患者の普段の行動時間に基づいた初期値が設定されており、介護者が適宜条件を修正することが可能である。さらに、メッセージ編集画面300は、計測条件確認・修正画面200で必要と設定された、患者及び介護者へのメッセージを介護者等が編集することが可能である。
【0031】
ここで、計時条件入力部12で表示される初期値の与え方について、図4及び図5の操作イメージ図と図6を用いて説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る介護者用装置10の計時条件入力部12における入力サポート用パラメータの一例を示す図である。
図4及び図5の室名101には、図6の部屋マスターから、患者情報入力部11で患者の居場所として選択された室名が選択肢として引用される。また、計測開始時刻102及び計測終了時刻103には、患者情報入力部11で入力された患者の起床時間帯が初期値として引用される。設置場所104には、図6の部屋マスターから、設置場所[1]及び設置場所[2]が選択肢として引用される。
また、図4及び図5の最低開始時間105、最低終了時間106、最低利用時間107、理想利用時間108、最長利用時間109及び計測対象時間110には初期値を与えない。
【0032】
次に、図4及び図5の計測開始時刻201及び計測終了時刻202は、計測開始時刻102及び計測終了時刻103がそれぞれ初期値となる。また、リセット時刻203は、計測開始時刻102が初期値として引用される。なお、24時間計測の場合は、例えば午前4時を初期値として設定する。
さらに、計測開始時間204は、出入口での計測の場合は最低開始時間105を、それ以外の場合は最低利用時間107を初期値に設定する。さらにまた、計測終了時間205は、例えば、室内での計測の場合は1分、出入口での計測の場合は最低終了時間106、行動間隔の計測の場合は最低利用時間107を初期値に設定する。
【0033】
さらにまた、図4及び図5のアラート時間206は、理想利用時間108が初期値となる。そして、スヌーズ間隔207は、最長利用時間109と理想利用時間108の差を所定のパラメータ(本実施形態では3とする)で割った時間が初期値となる。なお、呼びかけ自体を不要にするにはスヌーズ有無のチェックボックス208をチェック等する。さらにまた、最低利用時間209は、行動間隔の計測の場合は理想利用時間108を所定のパラメータ(本実施形態では同様に3とする)で割った時間、それ以外は最低利用時間107が初期値となる。なお、呼びかけ自体を不要にするには同様に行動忘れ警告有無のチェックボックス210をチェック等する。図4の介護者への通知が不要の場合も同様に行動開始通知有無のチェックボックス211をチェック等する。さらにまた、最長利用時間212は、最長利用時間109が初期値となる。
このようにして入力された計測条件確認・修正画面200への入力内容は、記憶部15が記録する計測条件テーブルに保存される。
【0034】
さらにまた、図4及び図5の行動終了督促場所301、行動終了督促メッセージ302、行動忘れ通知場所303、行動再開督促メッセージ304、介護者通知メッセージ305も同様に設定することができる。
【0035】
<アプリケーションからセンサの状態を確認する例>
図7図8及び図9は、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システム1による患者の行動時間管理の手順を説明するためのフローチャートである。以下では、図7、8、9を用いて上記構成の行動時間管理システム1の動作を説明する。
【0036】
まず、図7(1)のフローチャートを用いて、行動検知装置30の行動検知部31が、患者の行動を検知した場合のセンサ検知処理を説明する。
【0037】
患者の行動を検知したい特定エリアに設置された行動検知装置30の行動検知部31(例えば、赤外線センサ)が患者の行動を検知した場合、介護者向け装置出力部32からネットワーク40を介して、介護者用装置10の行動検知装置入力部13に信号を送り、介護者用装置10の計時および判断部14で、赤外線センサ等の行動検知部31が検知した直近の検知時間(センサ直近検知時間)を現在時刻として設定する(ステップS55)。ここで、介護者用装置10においてセンサ検知開始時間が未設定の場合(ステップS56でNoの場合)、センサ検知開始時間に現在時刻を設定し(ステップS57)、センサ非検知開始時間を初期化(リセット)する(ステップS58)。
【0038】
続いて、図7(2)のフローチャートを用いて、行動検知装置が、患者の行動を検知しなくなった場合のセンサ非検知処理を説明する。
【0039】
行動検知装置30の行動検知部31が患者の行動を検知しなくなった場合、介護者向け装置出力部32からネットワーク40を介して、介護者用装置10の行動検知装置入力部13に信号を送り、介護者用装置10の計時および判断部14において、行動開始時間の値がすでに設定されているかどうかを判断し(ステップS59)、設定されている場合は行動開始済みと判断してステップS59へ遷移し、値が初期値のままで設定されていない場合(No)は行動開始前と判断して特に処理はなされない。一方、ステップS59で行動開始済みと判断された場合(Yes)は、さらにセンサ非検知開始時間が設定されているかどうかを判断する(ステップS60)。その結果、センサ非検知開始時間が未設定の場合(No)は、センサ非検知開始時間に現在時刻を設定する(ステップS61)。
【0040】
続いて、図8及び図9を用いて、本実施形態に係る行動時間管理システム1におけるタイマー有効時間(介護者が介護者用装置10で設定可能な患者が行動する可能性のある時間帯)内の処理を説明する。
【0041】
介護者用装置10において、タイマーが起動された場合、事前に設定されたタイマー計測条件の設定を記憶部15から読み込む(ステップS1)。そして、介護者用装置10では、計時および判断部14において、現在時刻がタイマー有効時間内か否かを確認し、有効時間内であれば一定時間間隔ごとに患者の行動時間の確認を繰り返す(ステップS2からS54)。
【0042】
ここで、一定の時間間隔(X秒間隔)として、時間間隔を0秒に近づけることにより常時行動時間の確認を繰り返すようにしてもよいが、患者用装置20や行動検知装置30の設計・アプリケーションのプログラム等を考慮して、例えば、10秒間隔(X=10秒)で行動時間の確認を繰り返すような設計にすることもできる。具体的には、汎用のセンサシステムを使う場合に当該システムAPIの条件により、1日あたりの最大コール数が1万回に制限されているような場合に、24時間の計測を行なってもコール数が1万回を超えないように10秒間隔で行動時間の確認を行うように設計するようにしてもよい。なお、現在時刻が有効時間外の場合、計時および判断部14は、次に有効時間になった場合にステップS3以降の行動時間の確認を行う(ステップS2)。
【0043】
ステップS2でタイマー有効時間内と判断された場合は、ステップS3の処理に進んで、行動開始の判断が行われることになる。ステップS3の処理では、行動開始時間の値が初期値(リセットされた状態)のままの場合は行動開始前と判断し(No)、値が入っている場合は行動開始済みと判断し(Yes)、ステップS10へ遷移する。そして、行動開始前と判断された場合(No)は、センサ検知開始時間からの経過時間が記憶部15から読み込んだ行動開始条件を満たすか否かを判断する(ステップS4)。その結果、行動開始条件を満たしている場合(Yes)は、行動開始時間としてセンサ検知開始時間を設定する(ステップS5)。一方、ステップS4でセンサ検知開始時間からの経過時間が行動開始条件を満たさない場合(No)は、行動検知装置入力部13における直近の検知信号から一定時間(Y1)が経過したか否かを判断する(ステップS8)。その結果、一定時間が経過した場合(Yes)は、センサ検知開始時間を初期化(リセット)する(ステップS9)。一方、ステップS8でまだ一定時間が経過していない場合(No)は、ステップS54に進んで、ステップS2の処理に戻る。
【0044】
ここで、一定時間Y1については、例えば30秒以上を設定することができる。これは利用間隔としてX=10秒おきに行動時間の確認が行われる場合は3回以上の確認が行われた時間以上となる。このようにある一定の長さの時間の猶予を設けることにより、センサシステムの動作不良等による制限(例えば、ある市販のシステムでは、一度検知すると、検知しなくなってからも30秒間は「検知」の信号を送る仕様となっており、検知漏れが発生した場合も、30秒以内に再度検知すれば、検知が続いていると見なす仕様となっている)に対応させることができる。
【0045】
次に、患者の特定エリアにおける行動終了の判断について説明する。ステップS3において患者の行動について行動開始済みと判断された場合(Yes)、介護者用装置10の記憶部15から読み込んだ行動終了条件がセンサ検知であるかどうかが判断される(ステップS10)。その結果、行動終了条件がセンサ検知の場合(Yes)は、センサ非検知開始時間からの経過時間がバッファ時間以上かどうかを見て(ステップS11)、バッファ時間以上の場合(Yes)は1度目の行動が終了していると判断してステップS12へ遷移する。また、ステップS10の処理で行動終了条件がセンサ検知ではない場合、すなわち行動終了条件がセンサ非検知の場合(No)は、センサ非検知開始時間からの経過時間が行動終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS37)。
【0046】
ステップS11において1度目の行動が続いていると判断される場合、すなわちバッファ時間未満の場合(No)は、一定時間を置いて確認を繰り返す(ステップS2からS54)。一方、1度目の行動が終了していると判断される場合、すなわちバッファ時間以上の場合(Yes)は、行動開始時間とセンサ検知開始時間が一致するか否かを確認する(ステップS12)。その結果、一致している場合(Yes)は2回目の行動計測のため、センサ検知開始時間を初期化する(ステップS13)。次いで、特定エリア内での直接の計測ではなく、その特定エリアへの出入口での計測であるかどうかを判断する(ステップS14)。その結果、出入口での計測でない場合(No)はセンサ非検知開始時間を行動開始時間にセットし(ステップS15)、ステップS16の処理に遷移する。また、ステップS12において、一致していないと判断される場合(No)、及びステップS14で出入口での計測であると判断された場合(Yes)もステップS16の処理に遷移する。
【0047】
ステップS16の処理においてセンサ検知時間が行動終了条件を満たさない場合(No)は、行動検知装置入力部13での直近の検知信号から一定時間(例えば、Y2=30秒以上)経過したかどうかを判断する(ステップS27)。その結果、一定時間以上経過している場合(Yes)はセンサ検知開始時間を初期化し(ステップS28)、ステップS29の処理へ遷移する。一方、ステップS27で一定時間以上経過していない場合(No)はステップS28の処理を行わずに、ステップS29の処理へ遷移する。
【0048】
ステップS37において、センサ非検知開始時間からの経過時間が短くて行動終了条件を満さない場合(No)、 行動検知装置入力部13の信号がセンサ検知であるか否かが判断される(ステップS44)。その結果、センサ検知であると判断された場合(Yes)は、センサ非検知開始時間を初期化し(ステップS45)、ステップS46の処理へ遷移する。一方、センサ検知ではないと判断された場合(Nо)はセンサ非検知開始時間を初期化することなくステップS46の処理へ遷移する。
【0049】
次に、通常処理時の各種通知について説明する。
上述したように行動開始が判断され(ステップS4でYesの場合)、センサ検知開始時間が行動開始時間に設定された後(ステップS5)、記憶部15から読み込んだ行動開始時間の通知要否が判断される(ステップS6)。その開始の通知設定がある場合(Yes)、介護者向け通知提示部17に行動開始通知を提示することで介護者に開始時間を通知する(ステップS7)。その後はステップS54に進んで、ステップS2の処理に戻る。一方、ステップS6で開始の通知設定がない場合(No)は、そのままステップS54に進んで、ステップS2の処理に戻る。
【0050】
ステップS16の処理においてセンサ検知時間が行動終了条件を満たす場合(Yes)、行動時間が記憶部15から読み込んだ最低利用時間を上回るか否かを判断する(ステップS17)。その結果、最低利用時間以上の場合(Yes)は、介護者向け通知提示部17に患者の行動時間を通知することで介護者に知らせる(ステップS18)。
【0051】
次に、患者の検知が特定エリアの出入口での計測か否かを判断し(ステップS22)、出入口での計測と判断された場合(Yes)は、タイマーを初期化(リセット)し(ステップS23)、ステップS54に進む。一方、ステップS22で出入口での計測ではないと判断された場合(No)は、センサ非検知開始時間を行動開始時間にセットし(ステップS24)、センサ検知開始時間を初期化し(ステップS25)、さらにスヌーズ回数を初期化し(ステップS26)、ステップS54に進む。
なお、ステップS38、S39、S43の各処理の内容は、それぞれ上述したステップS17、S18、S23の各処理に準ずる。
【0052】
次に、患者の行動時間が介護者によって設定された所定時間を超過した場合の警告について説明する。
ステップS29の処理では、行動時間がアラート時間やスヌーズ時間を超えているかを判断する。その結果、超えていると判断された場合(Yes)は、行動終了条件と行動検知装置入力部13の信号が一致しているか、すなわちセンサ検知であるか否かを判断する(ステップS30)。その結果、一致している場合、すなわちセンサ検知である場合(Yes)は行動が終了中であると判断して警告を発生させることなく、ステップS34へ遷移する。一方、一致しない場合、すなわちセンサ検知ではない場合(No)は、初回のアラートである場合、又は記憶部15から読み込んだスヌーズ設定がある場合かを判断する(ステップS31)。その結果、初回のアラート、又はスヌーズ設定ありの場合(Yes)は、患者用装置通信部16を通じて患者用装置に警告等の通知を送信して患者に行動終了を促し(ステップS32)、スヌーズ回数をカウントアップ(インクリメント)して(ステップS33)、ステップS34の処理に遷移する。
【0053】
ステップS34では、行動時間が記憶部15から読み込んだ介護者通知時間を上回っているか否かを判断する。その結果、行動時間が介護者通知時間を上回っている場合(Yes)は介護者向け通知提示部17を介して警告を通知して介護者へ患者の行動時間が超過している旨を警告し(ステップS35)、タイマーを初期化して(ステップS36)、ステップS54に進む。
なお、ステップS46からS53の各処理の内容は、それぞれ上述したステップS29からS36の各処理に準ずる。
【0054】
次に、患者の行動時間が介護者の設定した所定時間未満である場合の警告について説明する。
ステップS16でセンサ検知時間が行動終了条件を満たした場合(Yes)、ステップS17の処理で行動時間が記憶部15から読み込んだ最低利用時間以上かどうかが判断される。その結果、行動時間が最低利用時間を下回った場合(No)は、最低時間通知設定があるか否か、すなわち記憶部15から更に最低利用時間の警告要否を読み込み(ステップS19)、最低時間の通知設定があって警告が必要な場合(Yes)は、患者用装置通信部16を通じて患者用装置20に通知を行うことで患者に行動忘れを警告し(ステップS20)、さらに介護者向け通知提示部17に通知を行うことで介護者に最低時間未満である旨の警告を行い(ステップS21)、ステップS22の処理へ遷移する。
なお、ステップS38、及びS40からS42の各処理の内容は、それぞれ上述したステップS17、及びS19からS21の各処理に準ずる。
【0055】
<センサからの通知を受けてアプリケーションで状態遷移を把握する例>
続いて、行動検知装置30に、市販の汎用センサのうち、人の動きとドアの開閉の両方を検知し、かつ、検知時に介護者用装置10に対して、通知を送信できるセンサを用いる場合の実施形態を説明する。
【0056】
例えば、人の動きとドアの開閉の両方を検知等するセンサとしては、ドアに取り付けるセンサ本体と、ドア枠に取り付ける磁石の2つのパーツから構成される。通常、両パーツとも、トイレのドアの内側や、脱衣所のドアの内側といったように、基本的に室内側に設置される。
【0057】
そして、このセンサ本体に、人感センサ機能と、磁石との距離を検知する磁気センサ機能が搭載され、この2つの機能を組み合わせて、以下で説明するように4つの動作を検知する。
【0058】
図10は、本実施形態で使用される人の動きとドアの開閉の両方を検知等するセンサを用いる場合の計測条件の一例を示す図である。図10に示される計測条件は、前述した実施形態における図6における(2)計測条件テーブル定義中の「B:出入口での計測の値」に準じた定義になっており、図6(2)の「B:出入口での計測の値」が図4及び図5を参照しているのに対して、図10の「D:出入口での計測の値(開閉センサ併用)」では、参照先が図5に限定される。また、図10の「D:出入口での計測の値(開閉センサ併用)」では、計測終了条件やバッファ時間参照先が、図6(2)の「B:出入口での計測の値」のそれらとは異なっている。
また、図11は、本実施形態で使用されるセンサによる検知信号とそこから推定される行動の一例を説明するための図である。
【0059】
<<人感センサを室内側に設置する場合>>
以下では、行動時間管理システム1の行動検知装置30として人感センサを使用し、当該人感センサを室内側に設置する場合(図11(1)の場合)の患者等の推定される行動について説明する。
【0060】
(イベントI1:入室時開扉)
入室時は、室外からドアを開けるため、室内側に向けて設置された人感センサは検知せず、開閉センサによってドアが開くのが検知される。したがって、このような場合に入室時開扉のイベント発生とする。
(イベントI2:入室時閉扉)
入室後は、人感センサが人の動きを検知し、その後、ドアが閉められたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に、入室時閉扉のイベント発生とする。
(イベントI3:退室時開扉)
退室時は、人感センサが人の動きを検知した後に、ドアが開かれたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に退室時開扉のイベント発生とする。
(イベントI4)
退室後は、室内側に向けて設置された人感センサは検知せず、ドアが閉じられたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に退室時閉扉のイベント発生とする。
【0061】
<<人感センサを室外側に設置する場合>>
また、行動時間管理システム1の行動検知装置30として人感センサを使用し、当該人感センサを室外側に設置する場合(図11(2)の場合)の患者等の推定される行動について説明する。
【0062】
(イベントI1:入室時開扉)
入室時は、室外からドアを開けるため、室外側に設置された人感センサが人の動きを検知し、開閉センサはドアが開くのを検知する。したがって、このような場合に入室時開扉のイベント発生とする。
(イベントI2:入室時閉扉)
入室後は、人感センサは人の動きを検知せず、その後、ドアが閉められたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に、入室時閉扉のイベント発生とする。
(イベントI3:退室時開扉)
退室時は、室外側に設置された人感センサは人の動きを検知せず、ドアが開かれたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に退室時開扉のイベント発生とする。
(イベントI4)
退室後は、室外側に設置された人感センサが検知し、ドアが閉じられたことを開閉センサが検知する。したがって、このような場合に退室時閉扉のイベント発生とする。
【0063】
続いて、行動時間管理システム1において行動検知装置30からの通知を受け取った際に、介護者用装置10で行われる状態遷移処理を説明する。図12は、本発明の一実施形態に係る行動検知装置30から通知を受け取った介護者用装置10における状態遷移処理の一例を説明するための図である。
介護者用装置10において、タイマーが起動された場合、初期の状態は、非滞在中(状態J10)となる。その後、入室時開扉(イベントI1)、または、入室時閉扉(イベントI2)の通知を受け取った場合に、非滞在中〈チャタリング対策中〉(状態J20)に遷移する。ここで、チャタリング(chattering)とは、機械や電子システムにおいて特定の状況で発生する不安定な動作や振動のことをいい、機械部品の振動によってノイズ等を引き起こす機械的チャタリングと、スイッチやリレーがオン/オフを高速で繰り返すような電子的チャタリングがある。
【0064】
次に、非滞在中〈チャタリング対策中〉に遷移後、チャタリング発生の可能性がある時間(X秒)が経過した後に、滞在中(状態J30)に遷移する。すなわち、チャタリング発生の可能性がある時間Xは、チャタリング対策時間に相当し、この時間以内のセンサからの通知は、チャタリングによるものとして状態遷移を行わないようにする。
【0065】
また、滞在中(状態J30)に遷移後、閉め忘れ対策時間(Y秒)が経過しても退室の通知がない場合は、ドアの閉め忘れやセンサの検知漏れが疑われる。したがって、逆位相(実際は非滞在中なのに滞在中と判断、またはその反対)防止のために、滞在中〈閉め忘れ対策中〉(状態J35)に遷移する。すなわち、閉め忘れ対策時間Yは、この時間を過ぎてもセンサーから通知がない場合は、閉め忘れが疑われるため、入室時閉扉の遷移先を非滞在中に変更する。
【0066】
ここで、非滞在中〈チャタリング対策中〉(状態J20)に退室時開扉(イベントI3)の通知があった場合、または、滞在中(状態J30)に入室時開扉(イベントI1)の通知があった場合は、滞在中〈閉扉待ち中〉(状態J45)に遷移する。
滞在中〈閉扉待ち中〉(状態J45)では、閉扉待ち時間(Z秒)が経過してもセンサから通知がない場合は、ドアの開け閉めのみやセンサの検知漏れが疑われる。したがって、非滞在中(状態J10)に遷移する。
【0067】
いずれかの滞在中の状態(状態J30~45)で、退室時開扉または退室時閉扉の通知があった場合は、滞在中〈チャタリング対策中〉(状態J40)に遷移し、チャタリング対策時間(X秒)経過後に、非滞在中(状態J10)に遷移する。
【0068】
ここで、図13図14及び図15を用いて、ドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1の処理を説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。図13に示される2つのフローチャート(非滞在中(状態J20)への遷移、及び、非滞在中(状態J10)への遷移)は、それぞれ図7に示される2つのフローチャート(センサ検知処理、及び、センサ非検知処理)に対応しており、同一の処理ステップについては同じ処理ステップ番号を付している。
【0069】
すなわち、患者の行動管理手順で異なる部分は次のとおりである。まず、図7では「センサ検知」及び「センサ非検知」がそれぞれ処理のトリガーであるが、本処理においては、「センサ検知」に代えて「非滞在中〈チャタリング対策中〉(状態J20)への遷移」がトリガーとなっている。また、「センサ非検知」に代えて「非滞在中(状態J10)への遷移」がトリガーとなっている。なお、図13に示されるように、ドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順は、トリガー以外の個々の処理は図7に示される処理と同じであるため、同じステップ番号を付している。
【0070】
図14は、本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。図14に示されるフローチャートは、図8に示されるフローチャートに対応しており、同一の処理ステップについては同じ処理ステップ番号を付している。
【0071】
すなわち、図14に示す患者の行動管理手順で図8の手順と異なる部分は次のとおりである。まず、図8の「タイマー有効時間内で、X秒置きに実行」処理(ステップS2)を、「タイマー有効時間内で、状態遷移またはトリガー発火の都度実行」処理(ステップS2-1)に変更する。次に、図8の「センサ非検知時間>=バッファ時間」処理(ステップS11)を不問(常にYes)とする。また、図8の「センサ直近検知からY2秒以上?」処理(ステップS27)を、「センサ直近検知から0秒以上?」処理(ステップS27-1)に変更する。さらに、図8の「センサ検知?」処理(ステップS30)を、「滞在中(状態J30~45)?」処理(ステップS30-1)に変更する。またさらに、図8の繰り返し処理の終了(ステップS54)の前に、「行動開始時間設定済?」処理(ステップS62)を追加し、設定済みの場合(Yes)は、「アラート時間またはスヌーズ間隔のうち短い方の時間後にトリガーをセット」処理(ステップS63)を行う。なお、図14に示されるように、ドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順は、上記のステップ以外の個々の処理は図8に示される処理と同じであるため、同じステップ番号を付している。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態に係るドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順を説明するためのフローチャートである。図15に示されるフローチャートは、図9に示されるフローチャートに対応しており、同一の処理ステップについては同じ処理ステップ番号を付している。
【0073】
すなわち、患者の行動管理手順で異なる部分は次のとおりである。まず、図9の「センサ直近検知からY1秒以上?」処理(ステップS8)を、「センサ直近検知から0秒以上?」処理(ステップS8-1)に変更する。次に、図9の「センサ直近検知からY3秒以上?」処理(ステップS47)を、「センサ直近検知から0秒以上?」処理(ステップS47-1)に変更する。さらに、図9の「センサ検知?」処理(ステップS44)を、「滞在中(状態J30~45)?」処理(ステップS44-1)に変更する。なお、図15に示されるように、ドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順は、上記のステップ以外の個々の処理は図9に示される処理と同じであるため、同じステップ番号を付している。
【0074】
上述した図13図14、及び図15で示されるドア開閉検知と通知送信機能を備えたセンサを組み入れた場合の行動時間管理システム1による患者の行動管理の手順の上記変更箇所以外の処理フローは、段落0041から段落0054等で前述した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0075】
<患者等の入浴及びトイレ利用に関する計測ケース例>
次に、本実施形態における行動時間管理システム1での計測ケース例について図面を参照して説明する。図16及び図17は、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システム1における患者等の入浴及びトイレ利用に関する計測ケースの一例を説明するための図である。
【0076】
ケース1は、患者の入浴行動について計時を行う例である。例えば、行動検知装置30は脱衣所の浴室への出入口に設置され、患者用装置20は脱衣所に設置されている。患者が17:00に脱衣所に入室し、閾値時間(5分)経過後に浴室に入ったので、脱衣所へ入室した17:00が行動開始時間になっている。ケース1では、行動開始から所定時間(45分)を超過したので、行動時間管理システム1では患者への通知がされた後、患者が自発的に入浴を終了した場合のタイマーの状態を表している。また、その間に介護者が脱衣所に入室しているが、設定した閾値時間に満たない短時間であるため、患者の行動終了とは区別できている。このように、本実施形態に係る行動時間管理システム1によれば、介護者の介助行動や患者の行動時間の超過があっても、介護者が介護者用装置10等の操作する必要はなく、正常に計測を行うことができる。
【0077】
本ケースの場合、例えば、介護者用装置10の計時条件入力部12から閾値時間を入力しておく。そして、計時および判断部14により、患者の検出情報がその閾値時間以上継続して取得された場合に、検出情報が最初に取得された時刻を行動開始時刻として設定するようにできる。また、計時および判断部14は、行動開始時刻が設定された後に、行動検知装置入力部13からの検出情報の継続した取得が中断し、その後同一のセンサから検出情報が再度継続して取得される場合に、その検出情報が再度取得され始めた時刻を特定エリア(例えば、浴室)における患者の前記行動の行動終了時刻として設定する。さらに、計時条件入力部12から患者の特定エリアにおける最大行動時間を入力しておき、計時および判断部14は、患者の行動開始時刻から入力された最大行動時間が経過したことを条件として患者の行動を異常と判断するようにしてもよい。この場合、患者用装置通信部16及び介護者向け通知提示部17は、出力装置として機能する患者用装置20又は介護者用装置10を介して、患者の行動を終了するように患者又は当該患者の介護者に警告するように指示を行わせる。
【0078】
また、ケース2では、患者の同居家族が入浴した場合のタイマーの状態を表している。本実施形態では、健常者が通常の動作速度で行動した場合に計測条件を満たさないように、図4及び図5に示される各種パラメータが設定されている。したがって、健常者である同居家族等の入浴行動においては本行動時間管理システム1では計測は行われない。すなわち、計時条件入力部12から入力される閾値時間を、対象の行動(例えば、入浴)における患者の行動時間よりも短く、患者を介護する介護者(健常者)の行動時間よりも長いように設定することで実現できる。
【0079】
さらに、ケース3では、患者のトイレの利用間隔が所定時間(設定は2時間)を超過し、患者へのスヌーズ機能による数度の通知後も患者の自発的な行動がない場合に、介護者用装置10へ通知することで介護者が患者に直接声をかけるように促す場合のタイマーの状態を表している。このように本実施形態に係る行動時間管理システム1では、患者の自発的な行動がない場合であっても、介護者の声掛けで行動が起これば、介護者用装置10を操作する必要はなく、正常に計測が完了する。
【0080】
本ケースの場合は、患者の行動が毎日定期的に行われる種類の行動の一つであるトイレの利用に関するもので、例えば、患者のトイレの利用間隔が開きすぎないように警告をするものである。そこで、例えば、計時条件入力部12から患者が行動(トイレ利用)を繰り返す場合の時間間隔の最大許容時間を入力する。そして、計時および判断部14が行動終了時刻から最大許容時間が経過したことを条件として患者の行動を異常と判断する。次いで、患者用装置通信部16及び介護者向け通知提示部17は、患者用装置20又は介護者用装置10を介して、患者が行動を開始するように、患者又は当該患者の介護者に警告する。
【0081】
さらにまた、ケース4では、同居家族がトイレを利用した場合のタイマーの状態を表している。この場合、ケース2と同様の理由で、健常者が通常の動作速度でトイレ利用を行う場合は短時間で計測条件を満たさないため、計測は行われない。
【0082】
さらにまた、ケース5では、患者が入浴の途中で忘れ物に気づき、入浴が中断された場合のタイマーの状態を表している。すなわち、計測が開始(行動開始時間は17:00)された後で患者が忘れ物などに気がついて脱衣所を出てしまう場合、本実施形態では汎用センサ等を用いているためどの方向に患者が進むかは検知できないため、入浴中と誤判断または誤判定されてしまう。そこで、介護者がそのことに気が付いた場合は手動で計測を開始する必要がある。
【0083】
さらにまた、ケース6では、患者が洗身や洗髪などの行動をし忘れて短時間で入浴行為を終了した場合、すなわち、患者の入浴時間が最低時間に満たずに終了した場合のタイマーの状態を表している。このように、患者が浴室から出て脱衣所に入ると閾値時間を過ぎているため、入浴終了と判断されてしまう。しかし行動時間が最低利用時間(本実施形態では30分)に満たないため、システムは患者に警告するとともに、介護者にも通知することになる。そこで、介護者は手動で計測を開始する必要がある。
本ケースの場合、例えば、計時条件入力部12から患者の行動の最低行動時間を入力する。そして、計時および判断部14は、患者の行動開始時刻から行動終了時刻に至るまでの時間が入力された最低行動時間に満たないことを条件として患者の行動を異常と判断する。次いで、患者用装置通信部16及び介護者向け通知提示部17は、患者用装置20又は介護者用装置10を介して、患者が当該行動を継続するように、患者又は当該患者の介護者に警告する。
【0084】
さらにまた、ケース7では、患者が入浴している間にトイレの利用間隔超過が発生した場合のタイマーの状態を表している。この場合、トイレの利用間隔(本実施形態では2時間)の超過は、患者の主な滞在場所(本実施形態では居間)で通知されるため、入浴中の患者には届かない。そのため、介護者が入浴後の患者にトイレの利用を促す必要があり、このようなケースを示している。
【0085】
図18は、本発明の一実施形態に係る行動時間管理システム1におけるトイレ利用間隔及び入浴時間の管理における人と装置等の関係を説明するための図である。本発明に係る行動時間管理システム1は、患者自身が識別信号の発信機を備える必要は必ずしもないが、患者自身がスマートウォッチ等の携帯デバイスを携行することができる場合は、当該デバイスを患者の固有信号を発信させる発信機として、また患者に音声や画面等で警告をすることができる患者用装置20として使用することができる。図12に示すように、患者が患者用装置20を携帯しない場合は、特定エリアに設置する当該装置は例えばスマートスピーカー等を用いることができる。一方、患者が患者用装置20を携帯する場合は、当該装置は例えばスマートウォッチ等の音声や画面で患者に警告等を通知することができるものを用いることができる。また、スマートウォッチから装置の識別信号(患者の識別として用いる)を発信させ、この識別信号を介護者用装置10に通知することで、行動時間管理に患者の識別を用いることができ、施設等の複数の患者が同じエリアを利用するようなシーンで本システムを適用することが可能になる。
【0086】
例えば、介護者用装置10の行動検知装置入力部13から患者の検出情報を取得する際に、当該患者が携帯する患者用装置20からの識別信号を取得する。そして、計時および判断部14は、行動開始時刻又は行動終了時刻の少なくともいずれかを利用して識別信号で特定される患者の行動の異常を判断する。次いで、患者用装置通信部16及び介護者向け通知提示部17は、患者用装置20又は介護者用装置10を介して、特定の患者又は当該特定の患者の介護者に警告を行う。
【0087】
上述の実施形態では、軽度の認知症患者が自宅等で家族やその他の介護者の介護支援を受けて入浴における入浴時間の管理やトイレ利用における利用間隔を管理する場合における行動時間管理システム1の適用例について説明した。それら以外にも、本発明に係る行動時間管理システム1によればトイレ出入口等に行動検知装置30を設置する場合にはトイレの利用時間の管理も行うことができる。
またそれ以外にも、患者が就寝するベッドに圧力センサを行動検知装置30として設置して、睡眠時間が長すぎる場合にアラートを出したり、起床時間(睡眠と睡眠の間隔)が長すぎる場合に就寝を促すなどの行動管理にも応用することができる。
【0088】
上述のように、本実施形態に係る行動時間管理システム1によれば、浴室のような高温・多湿の電子機器の設置には不向きな環境であっても、入浴行動の時間管理を行うために浴室内に直接機器を設置する必要は必ずしもなく、その出入口の外側のように環境条件が良い場所に最低1個の汎用センサを設置するだけで同様の効果を得ることができる。これにより、センサなど機器の故障や誤検知のリスクを低減でき、導入コストも安価に抑えられる。
【0089】
また、本実施形態に係る行動時間管理システム1によれば、入浴時間やトイレの利用時間など1回ごとの行動時間を計測できる一方で、トイレ利用などの1日の間に繰り返し行われる行動の利用間隔を計測する用途にも使用でき、行動サイクルの管理・適正化を図ることにも好適である。
【0090】
さらに、本実施形態に係る行動時間管理システム1によれば、患者自身の装置の携帯は必須ではないため、患者がシステムの設置目的を理解・記憶できない場合でも問題なく適用でき、装置の携帯・携行を忘れてしまうような問題も発生せず、安定的に行動時間の管理を適切に行うことができる。
【0091】
さらにまた、本実施形態に係る行動時間管理システム1によれば、軽度の認知症患者の行動の所要時間を計測条件の閾値として反映することで、健常者が行動可能な所定時間未満の行動を誤判断または誤判定することがなくなる。また、軽度の認知症患者と健常者の行動時間の差を、計測条件の閾値として反映することで、自宅内等で健常者である家族(介護者)の介助行動や、同居家族のその他の行動の影響を受けずに、患者の行動時間を適切に計測することができる。
【0092】
さらにまた、患者の行動時間に最低利用時間等の設定をすることで、患者が行動の途中で一時的にその検知エリアから不在になった場合でも、患者や介護者に通知を行うことで、再行動を促し、行動忘れを防止することができる。
さらにまた、患者の行動時間を適切に管理し、適切に警告や声掛けを繰り返すことで、軽度の認知症患者に散見される行動忘れや、短時間の間に同じ行動を繰り返すことの防止にもつながる。すなわち、認知症による記憶障害のために行動開始時の記憶を保持できないことに起因する、患者の日常生活上の危険の回避や、生活習慣の乱れの是正を行うことに繋げることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る行動時間管理システム1では、介護者用装置10によって提供される機能の全部又は一部をスマートフォン等のデバイスを用いてインストールされたプログラムをAPIを介して提供するサービスによって実現することができる。また、各サービスは、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)等を介して提供することもできる。
【0094】
なお、本実施形態で説明した行動時間管理システム1の構成、介護者用装置10及び患者用装置20の構成は一例であり、本発明の範囲を超えない範囲において変更してもよい。また、介護者用装置10等の処理の流れも一例であり、本発明の範囲を超えない範囲において不要処理ステップの削除や新規処理ステップの追加や処理ステップの入れ替えは可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 行動時間管理システム
10 介護者用装置
11 患者情報入力部
12 計時条件入力部
13 行動検知装置入力部
14 計時および判断部
15 記憶部
16 患者用装置通信部
17 介護者向け通知提示部
20 患者用装置
21 介護者向け装置通信部
22 患者向け通知提示部
30 行動検知装置
31 行動検知部
32 介護者向け装置出力部
40 ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18