(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-22
(45)【発行日】2025-07-30
(54)【発明の名称】サービスプラグ、車載電源装置、車両
(51)【国際特許分類】
H01H 27/00 20060101AFI20250723BHJP
B60R 16/04 20060101ALN20250723BHJP
【FI】
H01H27/00 B
B60R16/04 S
(21)【出願番号】P 2021067955
(22)【出願日】2021-04-13
【審査請求日】2023-09-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野田 治幸
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0355350(US,A1)
【文献】特開2011-078184(JP,A)
【文献】特開2001-068223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
B60R 16/00-17/02
H01H 27/00-27/10
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧バッテリと前記高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対して着脱可能とされ、前記給電回路部に装着され前記第1給電回路を閉回路にするサービスプラグ本体は、
前記第1給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されると前記一対の第1接続端子とそれぞれ導通し前記第1給電回路を閉回路にする一対の第1導通部と、
補機バッテリから電力が供給され
かつ前記駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と
前記補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部がそれぞれ導通した後に前記一対の第2接続端子とそれぞれ導通し前記第2給電回路を閉回路にする一対の第2導通部と、
を含んで構成され
、
前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記駆動装置に電力を供給する第1給電回路が閉回路とされた後に、前記補機負荷に電力を供給する第2給電回路が閉回路とされるサービスプラグ。
【請求項2】
前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2導通部は、前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される請求項1に記載のサービスプラグ。
【請求項3】
高圧バッテリと前記高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対して着脱可能とされ、前記給電回路部から取り外され前記第1給電回路を開回路にするサービスプラグ本体は、
前記第1給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されると前記一対の第1接続端子との導通状態がそれぞれ解除され前記第1給電回路を開回路にする一対の第1導通部と、
補機バッテリから電力が供給され
かつ前記駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と
前記補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除され前記第2給電回路を開回路にする一対の第2導通部と、
を含んで構成され
、
前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記駆動装置に電力を供給する第1給電回路が開回路とされる前に、前記補機負荷に電力を供給する第2給電回路が開回路とされるサービスプラグ。
【請求項4】
前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部が導通した後に、前記一対の第2導通部は、前記一対の第2接続端子とそれぞれ導通する請求項3に記載のサービスプラグ。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の給電回路部と、請求項1又は請求項2に記載のサービスプラグと、を備え、
前記サービスプラグが前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部が導通した後に、前記一対の第2導通部は前記一対の第2接続端子と
それぞれ導通する車載電源装置。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の給電回路部と、請求項3又は請求項4に記載のサービスプラグと、を備え、
前記サービスプラグが前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2導通部は前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される車載電源装置。
【請求項7】
前記第1接続端子に形成され、前記第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる第1接点部と、
前記第2接続端子に形成され、前記第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる第2接点部と、
を備え、
前記第2接点部は、前記第1接点部よりも前記サービスプラグが前記給電回路部に装着される装着方向の奥方となるように設定されている請求項5又は請求項6に記載の車載電源装置。
【請求項8】
前記第1接続端子に形成され、前記第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる第1接点部と、
前記第2接続端子に形成され、前記第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる第2接点部と、
を備え、
前記第4接点部は、前記第3接点部よりも前記サービスプラグが前記給電回路部に装着される装着方向の前方となるように設定されている請求項5又は請求項6に記載の車載電源装置。
【請求項9】
請求項5~請求項8の何れか1項に記載の車載電源装置が搭載された車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスプラグ、車載電源装置、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数の電源を有する電源回路を開閉するための電源回路開閉装置に関する技術が開示されている。この先行技術では、車両を駆動するための電力を供給する第1電源からなる第1電源系統と、車両に搭載された低電圧機器を駆動するための電力を供給する第2電源からなる第2電源系統と、第1状態への操作により複数の電源系統の電気的な接続を確保すると共に第2状態への操作により複数の電源系統を一度に遮断する回路遮断部材と、を備えている。
【0003】
ここで、回路遮断部材は、第2電源系統を遮断するための第2のリレー回路を第1電源系統に配設される第1のリレー回路に近接させて配置し、かつ第1リレー回路及び第2のリレー回路のリレー接点を接続端子に対して互いに並列に配置している。これにより、回路遮断部材の操作により複数の電源系統が一度に接続又は遮断されるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記先行技術では、リレー回路を遮断するに当たって、第1のリレー回路及び第2のリレー回路が一度に接続又は遮断されてしまう。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、高圧バッテリを含む複数の電源系統において、優先順位に応じて効率良く接続又は遮断可能とされるサービスプラグ、車載電源装置、車両を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係るサービスプラグは、高圧バッテリと前記高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対して着脱可能とされ、前記給電回路部に装着され前記第1給電回路を閉回路にするサービスプラグ本体は、前記第1給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されると前記一対の第1接続端子とそれぞれ導通し前記第1給電回路を閉回路にする一対の第1導通部と、補機バッテリから電力が供給されかつ前記駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と前記補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部がそれぞれ導通した後に前記一対の第2接続端子とそれぞれ導通し前記第2給電回路を閉回路にする一対の第2導通部と、を含んで構成され、前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記駆動装置に電力を供給する第1給電回路が閉回路とされた後に、前記補機負荷に電力を供給する第2給電回路が閉回路とされる。
【0008】
請求項1に記載の発明に係るサービスプラグでは、高圧バッテリと当該高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対してサービスプラグ本体(サービスプラグ)が着脱可能とされ、当該給電回路部にサービスプラグが装着されると、当該第1給電回路は閉回路になる。
【0009】
ここで、サービスプラグには、一対の第1導通部及び一対の第2導通部が設けられている。一対の第1導通部は、駆動装置に電力を供給する第1給電回路に設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされる。本発明では、第1接続端子は略円柱状を成しており、接触により導通可能とされる部位が外周面に設けられている。一方、第1導通部は略円筒状を成しており、接触により導通可能とされる部位が内周面に設けられている。そして、一対の第1導通部は、サービスプラグが給電回路部に装着されると、当該一対の第1導通部の内周面にそれぞれ設けられ接触により導通可能とされる部位が一対の第1接続端子の外周面にそれぞれ設けられ接触により導通可能とされる部位に接触して、当該一対の第1接続端子とそれぞれ導通し、第1給電回路は閉回路となる。
【0010】
一方、一対の第2導通部は、補機バッテリから電力が供給され駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と当該補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされる。本発明では、第2接続端子は略円柱状を成しており、接触により導通可能とされる部位が外周面に設けられている。一方、第2導通部は略円筒状を成しており、接触により導通可能とされる部位が内周面に設けられている。そして、一対の第2導通部は、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、当該一対の第1接続端子と一対の第1導通部がそれぞれ導通した後に、当該一対の第2導通部の内周面にそれぞれ設けられ接触により導通可能とされる部位が一対の第2接続端子の外周面にそれぞれ設けられ接触により導通可能とされる部位に接触して、当該一対の第2接続端子とそれぞれ導通し、第2給電回路は閉回路となる。
すなわち、本発明では、サービスプラグ本体が給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路が閉回路とされた後に、補機負荷に電力を供給する第2給電回路が閉回路とされる。
【0011】
本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路が閉回路とされた後に、補機負荷に電力を供給する第2給電回路が閉回路となる。つまり、本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力が供給された後、補機負荷に電力が供給される。
【0012】
比較例として、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、補機負荷に電力が供給された後に、駆動装置に電力が供給される場合、例えば、補機負荷の一部として車両の走行を制御する電子制御装置(ECU;Electrical Control Unit)において、補機電力が供給されているにも拘わらず、駆動装置に電力が供給されていないと判断され、駆動装置側の異常として検出される場合がある。
【0013】
これに対して、本発明では、前述のように、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力が供給されるため、補機負荷に電力が供給された状態では、既に駆動装置には電力が供給された状態となっており、比較例のような問題の発生は抑制される。
【0014】
なお、「補機負荷」には、ECU以外に、例えば、灯火装置、エアコンディショナ、パワーウィンドウ、オーディオ等が含まれる。
【0015】
請求項2に記載の発明に係るサービスプラグは、請求項1に記載の発明に係るサービスプラグにおいて、前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2導通部は、前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される。
【0016】
請求項2に記載の発明に係るサービスプラグでは、当該サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路に設けられた一対の第1接続端子と一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、一対の第2導通部は、補機負荷に電力を供給する第2給電回路に設けられた一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される。
【0017】
本発明では、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、第1給電回路が開回路になる前に、第2給電回路が開回路になる。つまり、本発明では、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、駆動装置への電力供給が遮断される前に、補機負荷への電力供給が遮断される。言い換えると、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、先に補機負荷への電力供給が遮断され、その後、駆動装置への電力供給が遮断される。
【0018】
請求項3に記載の発明に係るサービスプラグは、高圧バッテリと前記高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対して着脱可能とされ、前記給電回路部から取り外され前記第1給電回路を開回路にするサービスプラグ本体は、前記第1給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されると前記一対の第1接続端子との導通状態がそれぞれ解除され前記第1給電回路を開回路にする一対の第1導通部と、補機バッテリから電力が供給されかつ前記駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と前記補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられ略円柱状を成し接触により導通可能とされる部位が外周面にそれぞれ設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされ、略円筒状を成し接触により導通可能とされる部位が内周面にそれぞれ設けられ前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除され前記第2給電回路を開回路にする一対の第2導通部と、を含んで構成され、前記サービスプラグ本体が前記給電回路部から取り外されるとき、前記駆動装置に電力を供給する第1給電回路が開回路とされる前に、前記補機負荷に電力を供給する第2給電回路が開回路とされる。
【0019】
請求項3に記載の発明に係るサービスプラグでは、高圧バッテリと当該高圧バッテリから電力が供給される駆動装置とを電気的に接続する第1給電回路が設けられた給電回路部に対してサービスプラグ本体が着脱可能とされ、当該給電回路部からサービスプラグが取り外されると、当該第1給電回路は開回路になる。
【0020】
ここで、サービスプラグには、一対の第1導通部及び一対の第2導通部が設けられている。一対の第1導通部は、駆動装置に電力を供給する第1給電回路に設けられた一対の第1接続端子に対して導通可能とされる。本発明では、第1接続端子は略円柱状を成しており、接触により導通可能とされる部位が外周面に設けられている。一方、第1導通部は略円筒状を成しており、接触により導通可能とされる部位が内周面に設けられている。サービスプラグが給電回路部から取り外されると、一対の第1導通部は、当該一対の第1接続端子との導通状態がそれぞれ解除され、第1給電回路は開回路になる。
【0021】
また、一対の第2導通部は、補機バッテリから電力が供給され駆動装置に電力が供給されていないと判断すると当該駆動装置側の異常として検出するECUを含む補機負荷と当該補機バッテリとを電気的に接続する第2給電回路に設けられた一対の第2接続端子に対して導通可能とされる。本発明では、第2接続端子は略円柱状を成しており、接触により導通可能とされる部位が外周面に設けられている。一方、第2導通部は略円筒状を成しており、接触により導通可能とされる部位が内周面に設けられている。サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、当該一対の第1接続端子と一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、一対の第2導通部は、当該一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除され、第2給電回路は開回路になる。
すなわち、本発明では、サービスプラグ本体が給電回路部から取り外されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路が開回路とされる前に、補機負荷に電力を供給する第2給電回路が開回路とされる。
【0022】
本発明では、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路が開回路とされる前に、補機負荷に電力を供給する第2給電回路が開回路になる。つまり、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、補機負荷への電力供給が遮断された後に、駆動装置への電力供給が遮断される。
【0023】
比較例として、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、駆動装置への電力供給が遮断された後に補機負荷への電力供給が遮断された場合、ECUにおいて、補機負荷に電力が供給されているにも拘わらず、駆動装置に電力が供給されないと判断される場合がある。
【0024】
これに対して、本発明では、前述のように、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、駆動装置への電力供給が遮断される前に補機負荷への電力供給が遮断されるため、ECUにおいて、補機負荷に電力が供給されているにも拘わらず、駆動装置に電力が供給されないと判断される問題の発生は抑制される。
【0025】
請求項4に記載の発明に係るサービスプラグは、請求項3に記載の発明に係るサービスプラグにおいて、前記サービスプラグ本体が前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部が導通した後に、前記一対の第2導通部は、前記一対の第2接続端子とそれぞれ導通する。
【0026】
請求項4に記載の発明に係るサービスプラグでは、当該サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路に設けられた一対の第1接続端子と一対の第1導通部が導通した後に、一対の第2導通部は、補機負荷に電力を供給する第2給電回路に設けられた一対の第2接続端子とそれぞれ導通する。
【0027】
本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、第1給電回路が閉回路になった後に、第2給電回路が閉回路になる。つまり、本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力が供給された後、補機負荷に電力が供給される。
【0028】
請求項5に記載の発明に係る車載電源装置は、請求項1又は請求項2に記載の給電回路部と、請求項1又は請求項2に記載のサービスプラグと、を備え、前記サービスプラグが前記給電回路部に装着されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部が導通した後に、前記一対の第2導通部は前記一対の第2接続端子とそれぞれ導通する。
【0029】
請求項5に記載の発明に係る車載電源装置では、給電回路部とサービスプラグとを備えており、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、給電回路部側に設けられた一対の第1接続端子とサービスプラグ側に設けられた一対の第1導通部が導通した後に、サービスプラグ側に設けられた一対の第2導通部は、給電回路部側に設けられた一対の第2接続端子とそれぞれ導通する。
【0030】
すなわち、本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路が閉回路になった後に補機負荷に電力を供給する第2給電回路が閉回路になり、駆動装置に電力が供給された後、補機負荷に電力が供給される。
【0031】
請求項6に記載の発明に係る車載電源装置は、請求項3又は請求項4に記載の給電回路部と、請求項3又は請求項4に記載のサービスプラグと、を備え、前記サービスプラグが前記給電回路部から取り外されるとき、前記一対の第1接続端子と前記一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、前記一対の第2導通部は前記一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される。
【0032】
請求項6に記載の発明に係る車載電源装置では、給電回路部とサービスプラグとを備えており、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、給電回路部側に設けられた一対の第1接続端子とサービスプラグ側に設けられた一対の第1導通部との導通状態が解除される前に、サービスプラグ側に設けられた一対の第2導通部は、給電回路部側に設けられた一対の第2接続端子との導通状態がそれぞれ解除される。
【0033】
すなわち、本発明では、サービスプラグが給電回路部から取り外されるとき、第1給電回路が開回路になる前に、第2給電回路が開回路になり、駆動装置への電力供給が遮断される前に補機負荷への電力供給が遮断される。
【0034】
請求項7に記載の発明に係る車載電源装置は、請求項5又は請求項6に記載の車載電源装置において、前記第1接続端子に形成され、前記第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる第1接点部と、前記第2接続端子に形成され、前記第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる第2接点部と、を備え、前記第2接点部は、前記第1接点部よりも前記サービスプラグが前記給電回路部に装着される装着方向の奥方となるように設定されている。
【0035】
請求項7に記載の発明に係る車載電源装置では、第1接続端子に第1接点部が形成され、当該第1接点部は、第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる。また、第2接続端子に第2接点部が形成され、当該第2接点部は、第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる。
【0036】
ここで、本発明では、当該第2接点部は、第1接点部よりもサービスプラグが給電回路部に装着される装着方向の奥方となるように設定されている。これにより、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、第1接続端子の第1接点部に第1導通部の第3接点部が接触し第1接続端子と第1導通部が導通した後に、第2導通部の第4接点部が、第2接続端子の第2接点部に接触して第2接続端子と第2導通部が導通する。
【0037】
つまり、本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、第1接続端子と第1導通部が導通することによって第1給電回路が閉回路となり駆動装置に電力が供給された後、第2接続端子と第2導通部が導通することによって第2給電回路が閉回路となり補機負荷に電力が供給される。
【0038】
請求項8に記載の発明に係る車載電源装置は、請求項5又は請求項6に記載の車載電源装置において、前記第1接続端子に形成され、前記第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる第1接点部と、前記第2接続端子に形成され、前記第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる第2接点部と、を備え、前記第4接点部は、前記第3接点部よりも前記サービスプラグが前記給電回路部に装着される装着方向の前方となるように設定されている。
【0039】
請求項8に記載の発明に係る車載電源装置では、第1接続端子に第1接点部が形成され、当該第1接点部は、第1導通部に形成された第3接点部と接触し導通可能とされる。また、第2接続端子に第2接点部が形成され、当該第2接点部は、第2導通部に形成された第4接点部と接触し導通可能とされる。
【0040】
ここで、本発明では、第4接点部は、第3接点部よりもサービスプラグが給電回路部に装着される装着方向の前方となるように設定されている。これにより、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、第1接続端子の第1接点部に第1導通部の第3接点部が接触し第1接続端子と第1導通部が導通した後に、第2導通部の第4接点部が、第2接続端子の第2接点部に接触して第2接続端子と第2導通部が導通する。
【0041】
つまり、本発明では、サービスプラグが給電回路部に装着されるとき、第1接続端子と第1導通部が導通することによって第1給電回路が閉回路となり駆動装置に電力が供給された後、第2接続端子と第2導通部が導通することによって第2給電回路が閉回路となり補機負荷に電力が供給される。
【0042】
請求項9に記載の発明に係る車両は、請求項5~請求項8の何れか1項に記載の車載電源装置が搭載されている。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、本発明に係るサービスプラグ、車載電源装置、車両は、高圧バッテリを含む複数の電源系統において、優先順位に応じて効率良く接続又は遮断可能とされる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本実施の形態に係るサービスプラグを備えた車載電源装置の概略ブロック図である。
【
図2】本実施の形態に係るサービスプラグが給電回路部に装着された状態を示す、(A)は、概略側面図であり、(B)は概略平面図である。
【
図3】本実施の形態に係るサービスプラグが給電回路部から取り外された状態を示す、(A)は、概略側面図であり、(B)は概略平面図である。
【
図4】本実施の形態に係るサービスプラグが給電回路部に装着される前の状態を示す模式図である。
【
図5】本実施の形態に係るサービスプラグが給電回路部に装着され、第1給電回路側のみが閉回路とされた状態を示す模式図である。
【
図6】本実施の形態に係るサービスプラグが給電回路部に装着され、第1給電回路及び第2給電回路が閉回路とされた状態を示す模式図である。
【
図7】変形例1として
図4に対応する模式図である。
【
図8】変形例1として
図5に対応する模式図である。
【
図9】変形例1として
図6に対応する模式図である。
【
図10】変形例2として
図2(A)、(B)にそれぞれ対応する(A)は、概略側面図であり、(B)は概略平面図である。
【
図11】変形例2として
図3(A)、(B)にそれぞれ対応する(A)は、概略側面図であり、(B)は概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照して本実施の形態に係るサービスプラグを備えた車載電源装置について説明する。
【0046】
(車載電源装置の構成)
まず、本発明の実施の形態に係るサービスプラグを備えた車載電源装置の構成について説明する。
【0047】
図1には、本実施の形態に係るサービスプラグ24を備えた車載電源装置12の概略ブロック図が示されている。
図1に示されるように、車両10に搭載された車載電源装置12には、給電回路部14が設けられている。当該給電回路部14には、第1給電回路16及び第2給電回路18が設けられており、第1給電回路16は、高圧バッテリ20と当該高圧バッテリ20から電力が供給される駆動装置(図示省略)とを電気的に接続する。一方、第2給電回路18は、いわゆる12Vバッテリと称される補機バッテリ22と当該補機バッテリ22から電力が供給される補機負荷(図示省略)とを電気的に接続する。なお、補機負荷の1つとしてECUが挙げられる。
【0048】
給電回路部14には、サービスプラグ24が着脱可能に設けられている。給電回路部14は、車両10側に設けられており、
図3(A)、(B)に示されるように、例えば、箱状を成し、給電回路部14には被接続部26が設けられている。なお、
図3(A)は、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外された状態を示す概略側面図であり、(B)は、概略平面図である。
【0049】
一方、サービスプラグ24は、例えば、箱状を成しており、サービスプラグ24には被接続部26に接続される接続部28が設けられている。また、サービスプラグ24の内形寸法は、給電回路部14の外形寸法よりも大きくなるように設定されており、サービスプラグ24が給電回路部14に装着(嵌合)された状態で、給電回路部14はサービスプラグ24によって覆われる。
【0050】
当該サービスプラグ24には、一対の側壁24Aにそれぞれ軸部30が設けられている。この軸部30には、略U字状の操作レバー32が取り付けられており、操作レバー32は、軸部30を中心に回動可能とされている。
【0051】
ここで、サービスプラグ24の側壁24Aには、図示しないカム溝が形成されている。このカム溝には、操作レバー32が横倒された状態で、給電回路部14の側壁から突出されたピン(図示省略)が挿入可能とされている。サービスプラグ24のカム溝内に給電回路部14のピンが挿入された状態で、サービスプラグ24は給電回路部14に係合された状態とされ、この状態から横倒された操作レバー32を起立させる(
図2(A)、(B)参照)。
【0052】
サービスプラグ24が給電回路部14に係合された状態で、操作レバー32の移動軌跡上にはピンが配置されている。このため、横倒された操作レバー32を起立させると、当該操作レバー32を介して、ピンを基準にしてカム溝の形状に沿ってサービスプラグ24が移動する。その際、サービスプラグ24は給電回路部14側へ引き込まれるように移動し、サービスプラグ24が給電回路部14に嵌合して、サービスプラグ24の接続部28が給電回路部14の被接続部26に接続される。
【0053】
一方、
図3(A)、(B)に示されるように、起立した操作レバー32を横倒させることによって、ピンを基準にしてカム溝の形状に沿ってサービスプラグ24が給電回路部14との嵌合状態を解除する方向へ移動する。操作レバー32が横倒された状態では、操作レバー32はカム溝と干渉しない位置に移動する。このため、ピンを基準にしてカム溝の形状に沿ってサービスプラグ24を給電回路部14から取り外すことができる。
【0054】
このように、起立した操作レバー32を横倒させることによって、サービスプラグ24が給電回路部14に係合された状態は解除され、サービスプラグ24の接続部28が給電回路部14の被接続部26に接続された状態が解除される。そして、操作レバー32を引き抜くことで、サービスプラグ24を給電回路部14から取り外すことができる。なお、給電回路部14及びサービスプラグ24において、ピン、カム溝及び操作レバーを利用した嵌合関係については、周知の技術が適用される。
【0055】
ところで、
図1に示されるように、サービスプラグ24には、第1給電回路16及び第2給電回路18の一部が設けられており、
図2(B)に示されるように、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されることによって、第1給電回路16及び第2給電回路18は閉回路とされる。一方、
図3(B)に示されるように、サービスプラグ24を給電回路部14から取り外すことによって、第1給電回路16及び第2給電回路18は開回路とされる。
【0056】
図4には、給電回路部14の被接続部26及びサービスプラグ24の接続部28が図示されている。給電回路部14の被接続部26には、第1給電回路16に設けられた一対の第1接続端子34、及び第2給電回路18に設けられた一対の第2接続端子36がそれぞれ設けられている。
【0057】
例えば、第1接続端子34及び第2接続端子36は略円柱状に形成されている。第1接続端子34の先端部には、当該第1接続端子34の外周面に第1接点部38が形成されており、第2接続端子36の先端部には、当該第2接続端子36の外周面に第2接点部40が形成されている。
【0058】
一方、サービスプラグ24の接続部28には、一対の第1接続端子34に対してそれぞれ導通可能に接続される一対の第1導通部42、及び一対の第2接続端子36に対してそれぞれ導通可能に接続される一対の第2導通部44が設けられている。
【0059】
例えば、第1導通部42及び第2導通部44は略円筒状に形成されている。第1導通部42には第1接続端子34が挿入可能とされており、第2導通部44には第2接続端子36が挿入可能とされている。
【0060】
また、第1導通部42の先端部には、当該第1導通部42の内周面に第3接点部46が形成されており、第3接点部46は、第1導通部42に第1接続端子34が挿入された状態で、第1接続端子34に形成された第1接点部38と接触し導通可能とされる。また、第2導通部44の先端部には、当該第2導通部44の内周面に第4接点部48が形成されており、第4接点部48は、第2導通部44に第2接続端子36が挿入された状態で、第2接続端子36に形成された第2接点部40と接触し導通可能とされる。
【0061】
ここで、本実施形態では、サービスプラグ24に設けられた第1導通部42及び第2導通部44は、サービスプラグ24が給電回路部14に装着される装着方向(矢印A方向)に沿って同じ長さとされ、第1導通部42の第3接点部46及び第2導通部44の第4接点部48は、サービスプラグ24の装着方向に沿った同じ位置に形成されている。
【0062】
一方、給電回路部14に設けられた第2接続端子36は、第1接続端子34よりも長さが短く形成され、給電回路部14に設けられた第2接続端子36の第2接点部40は、第1接続端子34の第1接点部38よりもサービスプラグ24の装着方向の奥方となるように設定されている。
【0063】
(車載電源装置の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係るサービスプラグを備えた車載電源装置の作用及び効果について説明する。
【0064】
図2(A)、(B)に示されるように、給電回路部14に対して着脱可能に設けられたサービスプラグ24には、一対の第1導通部42及び一対の第2導通部44が設けられており、一対の第1導通部42は、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されると、給電回路部14に設けられた当該一対の第1接続端子34とそれぞれ導通し、第1給電回路16を閉回路にして、駆動装置に電力を供給する。
【0065】
一方、一対の第2導通部44は、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、当該一対の第1接続端子34と一対の第1導通部42がそれぞれ導通した後に、給電回路部14に設けられた当該一対の第2接続端子36とそれぞれ導通し、第2給電回路18を閉回路にして、ECUを含む補機負荷に電力を供給する。
【0066】
すなわち、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、駆動装置に電力を供給する第1給電回路16が閉回路とされた後に、補機負荷に電力を供給する第2給電回路18が閉回路となり、駆動装置に電力が供給された後、補機負荷に電力が供給される。
【0067】
具体的に説明すると、
図4に示されるように、本実施形態では、サービスプラグ24側に設けられた第3接点部46及び第4接点部48は、サービスプラグ24が給電回路部14に装着される装着方向(矢印A方向)に沿った同じ位置に形成されている。一方、給電回路部14側に設けられた第2接点部40は、第1接点部38よりもサービスプラグ24の装着方向の奥方となるように設定されている。
【0068】
これにより、
図5に示されるように、第1接続端子34の第1接点部38に第1導通部42の第3接点部46が接触し第1接続端子34と第1導通部42が導通した状態で、第2導通部44の第4接点部48と第2接続端子36の第2接点部40は離間し当該第2接続端子36と第2導通部44は導通しない状態が生じる。つまり、駆動装置には電力が供給されるが補機負荷には電力が供給されない状態である。
【0069】
比較例として、例えば、図示はしないが、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、第2給電回路18が閉回路となった後に第1給電回路16が閉回路となる場合、補機負荷に電力が供給された後に駆動装置に電力が供給されるため、ECUにおいて、駆動装置に電力が供給されていないと判断され、駆動装置側の異常として検出される場合がある。
【0070】
これに対して、本実施形態では、
図5、
図6に示されるように、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、第1給電回路16が閉回路となった後に第2給電回路18が閉回路になる。したがって、本実施形態では、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力が供給されるため、補機負荷に電力が供給された状態では、既に駆動装置には電力が供給された状態となっており、比較例のような問題の発生は抑制される。
【0071】
一方、
図3(A)、(B)、
図5に示されるように、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、第1給電回路16に設けられた一対の第1接続端子34と一対の第1導通部42との導通状態が解除される前に、一対の第2導通部44は、第2給電回路18に設けられた一対の第2接続端子36との導通状態がそれぞれ解除される。
【0072】
つまり、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、第1給電回路16が開回路とされる前に、第2給電回路18が開回路とされる。したがって、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、駆動装置への電力供給が遮断される前に、補機負荷への電力供給が遮断される。言い換えると、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、先に補機負荷への電力供給が遮断され、その後、駆動装置への電力供給が遮断される。
【0073】
したがって、本実施形態では、補機負荷への電力供給が遮断された後に駆動装置への電力供給が遮断されるため、補機負荷に電力が供給されているにも拘わらず駆動装置に電力が供給されていないという状況は生じない。このため、比較例のような問題の発生は抑制される。
【0074】
以上のように、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、第1給電回路16が閉回路になった後に第2給電回路18が閉回路になることで、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力が供給されるように設定されている。また、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、第1給電回路16が開回路になる前に第2給電回路18が開回路になることで、駆動装置への電力供給が遮断される前に、補機負荷への電力供給が遮断されるように設定されている。
【0075】
これにより、本実施形態では、高圧バッテリを含む複数の電源系統を有する車載電源装置12において、優先順位に応じて当該複数の電源系統を効率良く接続又は遮断することができる。
【0076】
また、本実施形態では、駆動装置に電力を供給するための第1給電回路16が設けられた給電回路部14の被接続部26に補機負荷に電力を供給するための第2給電回路18が設けられている。これにより、本実施形態では、サービスプラグ24の操作レバー32を操作することによって、例えば、サービスプラグ24の接続部28を給電回路部14の被接続部26に接続(又は解除)させ、第1給電回路16及び第2給電回路18を閉回路(又は開回路)にすることができる。
【0077】
つまり、本実施形態では、サービスプラグ24の操作レバー32を操作するだけで、駆動装置及び補機負荷に対して電力を供給(又は遮断)することができるため、駆動装置、補機負荷に対してそれぞれ操作する場合と比較して作業性を向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、補機負荷に電力が供給された状態では、既に駆動装置には電力が供給された状態となり、補機負荷に電力が供給されているにも拘わらず駆動装置に電力が供給されていない状況は生じ難い。したがって、本実施形態によれば、サービスプラグ24において、第1給電回路16が閉回路とされない状態を検知するインターロックスイッチ49(
図1参照)は必ずしも必要ではない。
【0079】
このように、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力が供給され、また、サービスプラグ24が給電回路部14から取り外されるとき、駆動装置への電力供給が遮断される前に補機負荷への電力供給が遮断される構成であればよいため、これに限るものではない。
【0080】
(変形例)
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0081】
図4に示される実施形態では、サービスプラグ24に設けられた第1導通部42及び第2導通部44は、サービスプラグ24の装着方向(矢印A方向)に沿って同じ長さとされ、第1導通部42の第3接点部46及び第2導通部44の第4接点部48は、サービスプラグ24の装着方向に沿った同じ位置に形成されている。一方、給電回路部14に設けられた第2接続端子36は、第1接続端子34よりも長さが短く、給電回路部14に設けられた第2接続端子36の第2接点部40は、第1接続端子34の第1接点部38よりもサービスプラグ24の装着方向の奥方となるように設定されている。
【0082】
これに対して、変形例1では、
図7に示されるように、給電回路部50に設けられた第1接続端子52と第2接続端子54が同じ長さに形成され、第2接続端子54の第2接点部56が、第1接続端子52の第1接点部58よりもサービスプラグ24の装着方向(矢印A方向)の奥方となるように設定される。
【0083】
これにより、
図8に示されるように、第1接続端子52の第1接点部58に第1導通部42の第3接点部46が接触し第1接続端子52と第1導通部42が導通した状態で、第2接続端子54の第2接点部56は第2導通部44の第4接点部48とは離間する。
【0084】
したがって、本実施形態では、サービスプラグ24が給電回路部14に装着されるとき、第1接続端子52の第1接点部58と第1導通部42の第3接点部46が導通し第1給電回路16が閉回路となった後に、
図9に示されるように、第2導通部44の第4接点部48と第2接続端子54の第2接点部56が導通して第2給電回路18が閉回路となる。このようにして、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力を供給することが可能となるようにしてもよい。
【0085】
なお、以上の実施形態では、給電回路部50に設けられた第2接続端子54の第2接点部40の位置が、第1接続端子34の第1接点部38よりもサービスプラグ24の装着方向の奥方となるように設定されている。しかしながら、図示はしないが、サービスプラグ24に設けられた第2導通部44の第4接点部48の位置が、第1導通部42の第3接点部46よりもサービスプラグ24の装着方向の前方となるように設定されてもよい。
【0086】
また、
図2(A)、(B)に示される実施形態では、給電回路部14には、駆動装置に電力を供給するための第1給電回路16の第1接続端子52及び補機負荷に電力を供給するための第2給電回路18の第2接続端子54が設けられ、サービスプラグ24には、第1接続端子52と導通する第1導通部42及び第2接続端子54と導通する第2導通部44が設けられているが、これに限るものではない。
【0087】
例えば、変形例2として、
図10(A)、(B)に示される実施形態では、駆動装置に電力を供給するための第1給電回路60が設けられた高圧回路部62と補機負荷に電力を供給するための第2給電回路64が設けられた低圧回路部66が別々に設けられている。
【0088】
さらに、当該低圧回路部66が、高圧回路部62よりもサービスプラグ68の装着方向の手前側に設けられている。また、操作レバー70の把持部70Aには、サブプラグ72が設けられており、当該サブプラグ72の接続部74には、第2給電回路64の被接続部76に設けられた第2接続端子78と導通する第2導通部80が設けられ、サブプラグ72が低圧回路部66に対して着脱可能とされる。
【0089】
図11(A)、(B)に示されるように、操作レバー70が横倒された状態で、操作レバー70の把持部70Aには、サブプラグ72が低圧回路部66の被接続部76に接続される接続部74を上にして設けられている。このサブプラグ72の移動軌跡上に低圧回路部66が配置されている。このため、操作レバー70を起立させると、サービスプラグ68が高圧回路部62に接続されると共に、サブプラグ72が低圧回路部66に接続される。
【0090】
ここで、前述のように、低圧回路部66は、高圧回路部62よりもサービスプラグ68の装着方向の手前側に設けられているが、サービスプラグ68が高圧回路部62に装着されるとき、サービスプラグ68に設けられた図示しないカム機構により、サービスプラグ68が高圧回路部62に接続された後にサブプラグ72が低圧回路部66に接続されるように設定されている。これにより、駆動装置に電力が供給された後に補機負荷に電力が供給される。
【0091】
一方、サービスプラグ24を高圧回路部62から取り外すとき、起立した操作レバー32を横倒させるが、低圧回路部66は、高圧回路部62よりもサービスプラグ68の装着方向の手前側に設けられているため、サービスプラグ68が高圧回路部62に接続された状態が解除される前にサブプラグ72が低圧回路部66に接続された状態が解除される。つまり、補機負荷への電力供給が遮断された後に駆動装置への電力供給が遮断される
【0092】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0093】
10 車両
12 車載電源装置
14 給電回路部
16 第1給電回路
18 第2給電回路
20 高圧バッテリ
22 補機バッテリ
24 サービスプラグ(サービスプラグ本体)
34 第1接続端子
36 第2接続端子
38 第1接点部
40 第2接点部
42 第1導通部
44 第2導通部
46 第3接点部
48 第4接点部
50 給電回路部
52 第1接続端子
54 第2接続端子
56 第2接点部
58 第1接点部
60 第1給電回路
62 高圧回路部(給電回路部)
64 第2給電回路
66 低圧回路部(給電回路部)
68 サービスプラグ
72 サブプラグ(サービスプラグ)
78 第2接続端子
80 第2導通部