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7715721半導体処理チャンバの構成要素を調整する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-22
(45)【発行日】2025-07-30
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバの構成要素を調整する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20250723BHJP
   C25D 11/04 20060101ALI20250723BHJP
   C25D 11/08 20060101ALI20250723BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
C25D11/04 305
C25D11/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022549596
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021018204
(87)【国際公開番号】W WO2021167897
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】62/978,610
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー・リン
(72)【発明者】
【氏名】ウェツェル・デヴィッド・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ドーアティー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シー・ホン
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン・サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ユアンピン
(72)【発明者】
【氏名】ファム・ジョニー
(72)【発明者】
【氏名】ソン・イウェイ
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・クリストファー
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-522989(JP,A)
【文献】特表2013-542612(JP,A)
【文献】特開2006-241589(JP,A)
【文献】特開2012-212640(JP,A)
【文献】特表2019-512609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C25D 11/04
C25D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバ内で使用する構成要素を製造する方法であって、
熱膨張係数が10.0×10-6/K未満である電気伝導性シリコン含有材料から構成要素本体を形成することと、
前記電気伝導性シリコン含有材料の表面にコンフォーマルなアルミニウムバリア層を電気めっきすることにより、前記構成要素本体の表面上に前記コンフォーマルなアルミニウムバリア層を堆積させることと、
酸化アルミニウムコーティングを前記アルミニウムバリア層の上に堆積させることであって、前記酸化アルミニウムコーティングは、約12μmから約38μmの間の厚みを有する、ことと
を含み、
前記酸化アルミニウムコーティングを堆積させることは、
前記アルミニウムバリア層を陽極酸化させて酸化アルミニウムコーティングを形成することであって、前記アルミニウムバリア層の前記厚みの一部は陽極酸化されずに陽極酸化層と前記構成要素本体との間にアルミニウムバリアを形成すること、を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記酸化アルミニウムコーティングを堆積させることは、前記構成要素本体を前記酸化アルミニウムコーティングで閉じ込めることを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層を堆積させることは、約20マイクロメートル(μm)~150μmの厚みのアルミニウムの層を形成する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層を堆積させることは、約25μm~50μmの厚みのアルミニウムの層を形成する、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層を陽極酸化することは、前記アルミニウムバリア層を0℃~3℃の温度で、60Vを超える電圧で硫酸浴に晒して、水封なしで前記陽極酸化層を形成することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層は、酸化物層を挟まずに前記構成要素本体に直接隣接して配置される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層は、質量換算で少なくとも99%が純粋なアルミニウムである、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記電気伝導性シリコン含有材料は、シリコン、および、炭化シリコンのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記電気伝導性シリコン含有材料の熱膨張係数は、5.0×10-6/K未満である、方法。
【請求項10】
半導体処理チャンバで使用する構成要素であって、
熱膨張係数が10.0×10-6/K未満の電気伝導性シリコン含有材料で作製された構成要素本体と、
前記構成要素本体の表面上のコンフォーマルなアルミニウムバリア層と、
前記アルミニウムバリア層の表面の上に堆積された酸化アルミニウム層と、
を含み、
前記酸化アルミニウム層は、約12μmから約38μmの間の厚みを有し、
前記酸化アルミニウム層は、陽極酸化層であり、
前記構成要素は、エッジリングであり、
前記陽極酸化層は、前記エッジリングの径方向内面のプラズマ対向面に形成され、前記エッジリングの径方向外側には形成されない、
構成要素。
【請求項11】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記電気伝導性シリコンは、ドープシリコンを含む、構成要素。
【請求項12】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記電気伝導性シリコン含有材料の熱膨張係数は、5.0×10-6/K未満である、構成要素。
【請求項13】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記コンフォーマルなアルミニウムバリア層の厚みは、約20マイクロメートル(μm)~150μmである、構成要素。
【請求項14】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記コンフォーマルなアルミニウムバリア層は、質量換算で少なくとも99.9%が純粋なアルミニウムである、構成要素。
【請求項15】
請求項1に記載の構成要素であって、
前記エッジリングは、前記半導体処理チャンバ内の静電チャックの周りに位置し、前記静電チャックは、処理のためにウエハを支持する、構成要素。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年2月19日に出願された米国仮特許出願第62/978,610号の優先権を主張するものであり、あらゆる目的のために同文献を参照して本願に援用する。
【0002】
本開示は全般に、半導体デバイスの製造に関する。さらに詳細には、本開示は、半導体処理チャンバの構成要素、および基板またはウエハを処理する際に用いる製造/調整方法に関する。
半導体ウエハの処理過程では、プラズマ処理チャンバを使用して半導体デバイスを処理する。プラズマ処理チャンバは、プラズマ、ハロゲンおよび/または酸素に晒されるが、これらはプラズマ処理チャンバ内の構成要素を劣化させるおそれがある。一部のプラズマ処理チャンバは、電極、シャワーヘッド、およびエッジリングなどのシリコン部品を有する。
【0003】
本明細書に記載している背景説明は、本開示の状況を全体的に提示することを目的としている。この背景の項に記載している範囲で、現在明記している発明者の研究、および出願時に先行技術として適格ではない可能性がある説明の側面は、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術であるとは認められない。
【発明の概要】
【0004】
以上を達成するため、本開示の目的に従い、半導体処理チャンバ内で使用する構成要素を製造する方法を提供する。熱膨張係数が低く、例えば熱膨張係数が10.0×10-6/K未満)である導電性材料から構成要素本体を形成する。その後、金属酸化物層を構成要素本体の表面の上に堆積させる。
【0005】
別の表現形態では、プラズマ処理チャンバ内で使用する構成要素を提供する。この構成要素は、構成要素本体を有する。構成要素本体は、熱膨張係数が低い(例えば熱膨張係数が10.0×10-6/K未満)導電性材料を含む。金属酸化物層を構成要素本体の表面の上に堆積させる。
【0006】
本開示のこれらの特徴および他の特徴を、以下の本開示の詳細な説明で以下の図と併せてさらに詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、添付の図面の図に限定的ではなく例として示しており、図面では同様の符号はほぼ同じ要素を指している。
【0008】
図1】一実施形態の高度なフローチャートである。
【0009】
図2A】一実施形態に従って処理したエッジリングの概略断面図である。
図2B】一実施形態に従って処理したエッジリングの概略断面図である。
図2C】一実施形態に従って処理したエッジリングの概略断面図である。
【0010】
図3】一実施形態で使用してよいプラズマ処理チャンバの概略図である。
【0011】
図4】別の実施形態に従って処理したエッジリングの概略断面図である。
【0012】
図5】別の実施形態の高度なフローチャートである。
【0013】
図6A】プラズマ処理チャンバ内で使用するエッジリング構成要素を製造する方法の別の実施形態を示し、エッジリング形態の構成要素基板の上面図である。
図6B】プラズマ処理チャンバ内で使用するエッジリング構成要素を製造する方法の別の実施形態を示し、図6Aの構成要素基板の断面図である。
図6C】プラズマ処理チャンバ内で使用するエッジリング構成要素を製造する方法の別の実施形態を示し、図6Aの基板の面の断面詳細図である。
図6D】プラズマ処理チャンバ内で使用するエッジリング構成要素を製造する方法の別の実施形態を示し、図6Aの基板に電気めっきした高純度アルミニウム層の断面詳細図である。
図6E】プラズマ処理チャンバ内で使用するエッジリング構成要素を製造する方法の別の実施形態を示し、プラズマ処理チャンバの構成要素を形成するために陽極酸化した後の図6Dの電気めっきした構造の断面詳細図である。
【0014】
図7】プラズマ処理チャンバの一部の断面図である。
【0015】
図8】一実施形態で使用してよい別のプラズマ処理チャンバの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付の図面に示した本開示のいくつかの好適な実施形態を参照して本開示を詳細に説明していく。以下の説明では、本開示を完全に理解してもらうために多くの特定の詳細を記載している。しかしながら、本開示がこれらの特定の詳細の一部または全部がなくとも実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の場合では、本開示を不必要に不明瞭にしないように、公知の処理工程および/または構造は詳細には説明していない。
【0017】
本明細書に記載する様々な実施形態では、プラズマエッチングなどのプロセスによるアーク放電および/または浸食による損傷に耐性があり、それ故にプラズマ処理チャンバなどの半導体処理システムに伴うプラズマおよびエッチングプロセスから生じる可能性のある構成要素の消耗を抑制するか最小限に抑える半導体処理チャンバの構成要素を提供する。
【0018】
理解しやすいように、図1は、プラズマ処理チャンバなどの半導体処理チャンバの構成要素を製造し、使用する第1の実施形態のプロセスの高度なフローチャートである。構成要素本体を用意する(工程104)。構成要素本体は、熱膨張係数(CTE)が低く線形である導電性材料を含む。1つの実施形態では、「低CTE」材料を、CTEが10.0×10-6/K未満の材料であると定義する。さらに別の実施形態では、「低CTE」材料を、CTEが5.0×10-6/K未満)の材料であると定義する。以下にさらに詳細に説明するように、構成要素本体の電気伝導性および低CTEは、プラズマ処理チャンバなどの半導体処理チャンバの構成要素で使用するのに特に有益な属性である。1つの実施形態では、構成要素本体は、導電性半導体または低CTE金属を鋳造することによって、例えば溶融した半導体または金属を金型に流し込むか注入することによって形成されて、指定の構成要素の形状を形成する。導電性半導体材料を鋳造する実施形態では、溶融した半導体が金型内で冷却されて硬化し、粒径が大きい多結晶構造を形成する。別の実施形態では、構成要素本体は、導電性半導体粉末を焼結することによって形成されて、導電性セラミック構成要素を形成する。図2Aは、構成要素本体204の概略断面図である。この例では、構成要素本体204は、エッジリングを形成する。この実施形態では、構成要素本体204は、シリコン、炭化シリコンまたはグラファイトの導電性半導体から形成される。導電性シリコンまたは炭化シリコンは、シリコンまたは炭化シリコンをドーピングすることで用意する。別の実施形態では、構成要素本体204は、チタン、モリブデンなどの電気伝導性の低CTE金属から形成される。
【0019】
構成要素本体204の上にアルミニウムバリア層を堆積させる(工程108)。この実施形態では、電気めっきを用いて、質量換算で99.9%が純粋であるアルミニウム層を用意する。電気めっきのプロセスでは、めっきする部分が陰極で、陽極が超高純度アルミニウムで、両方の構成要素が電解液に浸される標準の電気化学セルを必要とする。純度が十分に高いアルミニウムバリア層を用意するために、水ベースの溶液ではなく導電性有機ベースの溶液が望まれる。図2Bは、アルミニウムバリア層208を堆積させた後の構成要素本体204の概略断面図である。この例では、アルミニウムバリア層208は、構成要素本体204を閉じ込める。他の実施形態では、アルミニウムバリア層208は、構成要素本体204の1つの面にあってよい。
【0020】
金属酸化物層を陽極酸化によって形成する(工程112)。この実施形態では、アルミニウムバリア層208の表面は、硬質陽極酸化されるため(硬質コーティングまたはタイプIIIの陽極酸化とも呼ばれる)、金属酸化物層は酸化アルミニウム(Al23)である。硬質陽極酸化プロセスは、Al純度の高いアルミニウムバリア層208の表面に極めて硬質で耐摩耗性の多孔質酸化物を形成する。陽極酸化の設定も典型的な電気化学セルであり、純粋なAlでコーティングされた部分は酸浴(通常は硫酸)内の陽極である。電気化学セルに電流が流れると、陰極では水素が放出され、アルミニウム陽極の表面では酸素が放出されるため、酸化アルミニウムの蓄積が起こる。図2Cは、アルミニウムバリア層208の表面を硬質陽極酸化して金属酸化物層212を形成した後の構成要素本体の断面図である。アルミニウムバリア層208の純度が高いため、陽極酸化プロセスでも高純度の金属酸化物層212ができる。
【0021】
構成要素本体をプラズマ処理チャンバなどの半導体処理チャンバに取りつける(工程116)。この例では、構成要素本体をエッジリングとして使用する。図3は、プラズマ処理基板のプラズマ処理チャンバ300の概略図であり、一実施形態で構成要素が設置される。いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバ300は、ガス入口を提供するガス分配プレート306および静電チャック(ESC)316を、チャンバ壁350で囲まれたプラズマ処理チャンバ304の中に有する。プラズマ処理チャンバ304の中では、基板307をESC316の上に配置する。ESC316は、ESC電源348からバイアスを供給してよい。プラズマ処理チャンバ304にはガス分配プレート306を介してガス源310が接続される。ESC温度コントローラ351がESC316に接続され、ESC316の温度制御を行う。高周波(RF)電源330がRF電力をESC316および上方電極に供給する。この実施形態では、上方電極は、ガス分配プレート306である。好適な実施形態では、13.56メガヘルツ(MHz)、2MHz、60MHz、および/または任意で27MHzの電源がRF電源330およびESC電源348となる。RF電源330、ESC電源348、排出ポンプ320、およびガス源310には、コントローラ335が制御可能な形で接続される。高フローライナー360は、プラズマ処理チャンバ304の中のライナーである。高フローライナーは、ガス源からのガスを閉じ込め、スロット362を有する。スロット362は、ガス源310から排出ポンプ320へ通すように制御されたガス流を維持する。エッジリング364は基板307を取り囲み、石英リング368によって大部分がプラズマから遮蔽される。このようなプラズマ処理チャンバの一例が、カリフォルニア州フリーモントのラム・リサーチ・コーポレーションが製造するFlex(登録商標)エッチングシステムである。処理チャンバは、CCP(容量結合プラズマ)反応器またはICP(誘導結合プラズマ)反応器とすることができる。
【0022】
プラズマ処理チャンバ304は、エッジリング364を使用して基板307をプラズマ処理する(工程120)。プラズマ処理は、エッチング、堆積、不動態化、または別のプラズマ処理のうちの1つ以上の処理であってよい。プラズマ処理は、プラズマ以外の処理と組み合わせて行ってもよい。このような処理は、エッジリング364をプラズマ含有ハロゲンおよび/または酸素に曝露することがある。
【0023】
エッジリングは一般に、半導体処理チャンバ内での位置および機能の点から消耗品である。エッジリングの上面は、基板の上面と同じ高さにあることが望ましい。したがって、エッジリングの上面を基板の上面と同一に保つために、エッジリングが消耗するにつれてエッチングリングを動かすための様々な機構を用意してよい。その上、エッジリングが十分に消耗すれば、エッジリングを交換しなければならず、プラズマ処理チャンバの中断時間の原因となる。他の実施形態では、このような構成要素をプラズマから遮蔽された場所に配置してよい。エッジリングは、熱膨張係数が低く、電気伝導性および熱伝導性に優れていることが理想である。
【0024】
この実施形態では、硬質陽極酸化した金属酸化物層212は、プラズマ浸食に対して十分にエッチング耐性があるため、エッジリングは、もはや消耗品ではないか、最小限の消耗品であり、よって頻繁に交換する必要がない。高純度のアルミニウムバリア層208を形成するためのアルミニウムの電気めっきは、硬質陽極酸化するアルミニウムから合金またはその他の不純物を除去する。高純度アルミニウムバリア層208は、酸化すると、さらに耐エッチング性のある酸化アルミニウム層となり、プラズマ処理過程で不純物の生成を防止する。また、アルミニウムバリア層208の電気めっきは、薄く均一でコンフォーマルなアルミニウム層を形成する。硬質陽極酸化は、生じた硬質陽極酸化層の厚みをわずかに増大させるだけである可能性がある。その結果、エッジリングをプラズマ処理チャンバ300内で適合させるために硬質陽極酸化層を平滑にし、かつ/または薄くするための機械加工は必要ない。また、硬質陽極酸化層の薄い保護層は、熱膨張の問題をあまり受けない。アルミニウムバリア層208の電気めっきおよびアルミニウムバリア層208の硬質陽極酸化は、金属酸化物層212をもたらすことが可能な比較的安価なプロセスである。この実施形態では、電気めっきで堆積したアルミニウムバリア層208の厚みは、1ミクロン~100ミクロンの範囲内である。硬質陽極酸化によって形成された金属酸化物層212は、純度が高く、厚みが5ミクロン~100ミクロンである。高純度の金属酸化物層212は、低純度の金属酸化物層よりもさらにエッチング耐性がある。
【0025】
様々なプラズマ処理チャンバ300では、アルミニウムまたは金属酸化物層またはコーティングを有する他の構成要素を使用してよい。このような構成要素として、とりわけESC316、ピナクル(登録商標)、高フローライナー360、ガス分配プレート306がある。アルミニウムまたは金属酸化物のコーティングは、消耗するプラズマ処理チャンバ構成要素に最も有用である。
【0026】
誘電性コーティングが完全であることが、電気離隔と耐薬品性の両方を維持するために重要である。誘電性コーティングが厚いほど、亀裂が発生しやすくなる。誘電性コーティングが薄ければ、プラズマ処理チャンバ300で使用する電圧によって生じる損傷を防止するのに十分な絶縁にならない。
【0027】
様々な実施形態では、プラズマ電解酸化(PEO)または陽極酸化のタイプI、IIまたはIIIを用いてアルミニウムバリア層208の表面を陽極酸化して、金属酸化物層212を形成するとしてよい。他の実施形態では、金属酸化物層212は、アルミニウムバリア層208の上にスプレーコーティングされる。スプレーコーティングは、溶射コーティングまたはプラズマスプレーコーティングであってよい。溶射/プラズマスプレーは、厚いコーティングを構築するのに最良の方法である。いくつかの実施形態では、高密度コーティングを施すためにエアロゾル堆積を用いてよい。ただし、エアロゾル堆積は、3D形状ではさらに困難なことがある。スプレーコーティングは、より厚く不均一なコーティングを形成することがある。その結果、スプレーコーティングを用いる場合は、金属酸化物層212を平滑にするために機械加工が必要なことがある。いくつかの実施形態では、良好な適合を実現するためには厚めの金属酸化物層212が望ましいことがある。薄めの金属酸化物層212が望ましい場合は、機械加工を用いて金属酸化物層212を薄くする。様々な実施形態では、化学蒸着または様々な噴霧プロセスまたは他の堆積プロセスを用いてアルミニウムバリア層208を堆積させてよい。溶射金属酸化物コーティングプロセスには、原料(粉末形態)を溶融して微小の液滴にして基板上に高速で吹き付ける熱源(炎またはプラズマ)が含まれる。このようなプロセスでは、他のコーティング技術と比較して複雑な形状に高い堆積率で厚いコーティングを堆積させることができる。
【0028】
他の実施形態では、他の金属酸化物を溶射によってアルミニウムバリア層208に堆積させてよい。このような他の金属酸化物は、イットリア(Y23)、三元イットリア-アルミナ酸化物(イットリウムアルミニウムガーネット(Y3Al512(YAG))、イットリウムアルミニウム単斜晶(Y4Al29(YAM))、またはイットリウムアルミニウムペロブスカイト(YAlO3(YAP))など)、またはYSZ(イットリア安定化ジルコニア)であってよい。
【0029】
別の実施形態では、アルミニウムバリア層208を堆積させる(工程108)代わりに、金属酸化物層を構成要素本体204の表面に直接溶射する。図4は、構成要素400の断面概略図であり、金属酸化物層412が構成要素本体404に直接噴霧されている。溶射によって堆積した金属酸化物層412の厚みは、0.5~2mmの範囲内であってよい。
【0030】
図5は、プラズマ処理チャンバなどの半導体処理チャンバの構成要素を製造し、使用する方法の第2の実施形態の高度なフローチャートを示している。基板本体を用意する(工程504)。図6A図6Cを参照すると、用意した基板本体604は、少なくとも部分的に静電チャック(ESC)を取り囲んでいる中央孔608を有するエッジリングなど、プラズマ処理チャンバで使用する構成要素の形状に形成されてよい。図6Aは基板本体の上面図であり、図6Bは基板本体の断面図である。図6Cは、基板本体の表面612の断面A-Aの拡大図を示している。図6A図8に示した画像は、例示を目的としているにすぎず、縮尺、形状、および特徴部分に関しては異なっていることがあることが理解される。基板本体604は、多くの様々な製造プロセス、例えば機械加工、成形、焼結、研磨、化学エッチングなどを介して形成されるとしてよい。
【0031】
一実施形態によれば、基板本体604は、熱膨張係数が低い(例えば10.0×10-6/K未満)導電性材料を含む。さらに別の実施形態では、基板本体604は、電気伝導性の半導体、および特に電気伝導性の多結晶ドープシリコンまたは炭化シリコン半導体材料を含む。代替実施形態では、基板本体は、その他の導電性半導体(例えばゲルマニウム、グラファイトなど)、またはチタン、モリブデンなどのその他の低CTE金属を含んでいてよい。様々な実施形態では、半導体は、多結晶であってよい。多結晶シリコンは、多結晶シリコンの粒子よりも平均で1大きい粒子を有する。多結晶シリコンの平均粒子サイズは1mmを超えている。熱膨張係数が低いと、一般には応力、摩耗が少なくなり、構成要素どうしの適合性が良好になる。特にチャンバでの処理過程では、エッジリングとその他の隣接部品(特にESCベースプレート)は、温度が異なる。プラズマによって起こる加熱により、エッジリングは一般に、温度が積極的に制御される(-40℃~50℃の範囲)ESCベースプレートよりも遥かに熱い(150℃~250℃の範囲)。熱膨張係数の小さいエッジリング材料を選択すると、エッジリングと隣接する部品(ESC)との間の間隙サイズの変動が効果的に小さくなるため、2つの導体間でより一貫した静電容量を達成できる。その結果、電気的により一貫した性能が得られる。
【0032】
図5および図6Dを参照すると、基板本体604を用意した後、基板本体604の表面612の上に高純度アルミニウム層616(図6D)を形成する(工程508)。いくつかの実施形態によれば、アルミニウム層616は、電気めっき堆積方法を用いて堆積され、この方法では、アルミニウムの純度が高く、下にある基板本体604との結合強度が高い、実質的に均一で欠陥のないアルミニウム層616を用意する。代替実施形態では、原子層堆積(ALD)またはプラズマ電解酸化(PEO)などの堆積方法を用いてよい。1つの実施形態では、シリコン基板は、製造プロセスで生じる酸化物(例えば酸化シリコン)および表面の損傷をアルミニウム堆積前に表面から除去するか実質的に除去するように処理される。これは、アルミニウム層616と基板本体604との間に酸化物、酸化、または遊離粒子が存在しないかほとんど存在しないようにするために、電気めっきプロセスでも実施されてよい。
【0033】
アルミニウム層616は、アルミニウム合金(Al6061など)の陽極酸化と比較して、より均一で、多孔性が最小限で、微量汚染物質がより少ない陽極酸化層624の形成を補助するのに役立つ(後述)。合わさったアルミニウム層616/陽極酸化層624は、刺激的なプラズマ環境に対する耐腐食バリアとなり、高電圧のプラズマ環境から電圧を離隔する保護にもなる。一実施形態によれば、アルミニウム層616は、質量換算で少なくとも99%が純粋なアルミニウムである。別の実施形態によれば、アルミニウム層616は、質量換算で少なくとも99.5%が純粋なアルミニウムである。さらに別の実施形態によれば、アルミニウム層616は、質量換算で少なくとも99.9%が純粋なアルミニウムである。1つの実施形態では、電気めっき工程508は、AlumiPlateプロセス(ミネソタ州クーンラピッズ市のAlumiPlate社)によって行われ、電気めっきしたアルミニウム層616の純度は、純粋なアルミニウムを質量換算で99.99%より多く含むものである。
【0034】
アルミニウム層616の厚みは、構成要素の種類、構成要素の位置、構成要素の形状、基板材料の特性、コストなどを含む1つ以上の要因によって変化してよい。1つの実施形態によれば、アルミニウム層616の厚みは、約20マイクロメートル(μm)~150μmである。別の実施形態では、アルミニウム層616の厚みは、約25μm~125μmである。別の実施形態によれば、アルミニウム層616の厚みは、約25μm~50μmである。さらに別の実施形態では、アルミニウム層616の厚みは、約25μm~35μmである。
【0035】
図5および図6Eを参照すると、アルミニウム層616が形成された後、アルミニウム層616の表面620が陽極酸化され(工程512)、陽極酸化層624を有するプラズマ処理構成要素600を形成する。図6Eは、陽極酸化後のシリコン基板604の一部の実施形態の断面図を示している。図6Eに示したように、陽極酸化層624と基板604との間にアルミニウム層616の少なくとも一部がまだ残った状態で、アルミニウム層616の一部が貫通されて陽極酸化層624を生成する。陽極酸化層624の追加の層の深さは、アルミニウム層616の元の表面620の上に加わるため、部品全体の厚さが増す。1つの実施形態では、陽極酸化層624の深さは、表面620の下におよそ50%入り込み、50%が表面620の上にさらに堆積している。アルミニウム層616の少なくとも一部はそのまま(すなわち陽極酸化していない)にすることが望ましい。なぜなら、陽極酸化層624と基板604との間の境界の接合に有意な利点をもたらすからである。陽極酸化層624およびシリコン基板本体604は比較的硬い表面であるため、柔軟で可鍛性のアルミニウム層は、チャンバ内でのプラズマエッチングプロセスで層にかかる熱応力を緩和する緩衝材として作用する。熱応力が緩和されない場合、陽極酸化層は、温度変化を受けたときにシリコン基板本体604から分離する可能性がある。様々な実施形態では、陽極酸化層624およびシリコン基板本体604が数回の極端な熱サイクルを受けたとき、アルミニウム層616は分離を防止した。また、シリコン酸化物の形成は、シリコン基板本体604と陽極酸化層624との間の境界で熱亀裂を引き起こす。熱亀裂は、シリコン基板本体604に露出部分を作り出す。シリコン基板本体604の露出部分は、浸食される。
【0036】
1つの実施形態では、陽極酸化工程512は、硬質コーティングまたはタイプIIIの陽極酸化プロセス(硬質陽極酸化または硬質コーティング陽極酸化ともいう)を含み、アルミニウムめっきしたシリコン基板604を0℃~3℃の温度かつ高電圧(直流電流25Vから開始し、プロセスが進むにつれて60~100Vに上昇)で硫酸浴に晒して酸化物または「陽極酸化」層を作製する。タイプIIIの陽極酸化プロセスでは、厚みが最大約50μmまたはそれよりも大きい陽極酸化層624を作製した。この実施形態では、陽極酸化後にウォーターシールまたはその他の熱水手段または沈殿手段は実施しない。なぜなら、このようなシールは、プラズマプロセスからの亀裂または劣化の可能性が高いからである。陽極酸化プロセスでは、スペースのあるカラムを作る。このスペースは、カラムが亀裂なしで拡張するよう余裕を持たせるものである。シーリングによりスペースがなくなるか縮小されるため、熱による加熱によってカラムが膨張すると、陽極酸化層に亀裂が入りやすくなる。亀裂により、層によって行われる保護が低下する。シーリングによりベーマイトが形成されることがあるため、表面の耐摩耗性が低下する可能性がある。また、タイプIIまたは混合酸またはシュウ酸などの他の陽極酸化プロセスを用いて、Alめっきを陽極酸化保護層に変換することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、陽極酸化層614は、少なくとも10μmの厚みであり、50μm以上の厚みにすることができる。他の実施形態では、陽極酸化層614の厚みは、5μm~50μmの範囲内である。他の実施形態では、陽極酸化層614の厚みは、12μm~38μmの範囲内である。さらに別の実施形態では、陽極酸化層614の厚みは、25μm~35μmの範囲内である。様々な実施形態では、陽極酸化されていないアルミニウム層616の部分の厚みは、7μm~113μmの範囲内である。様々な実施形態では、陽極酸化されていないアルミニウム層616の部分の厚みは、12μm~32μmの範囲内である。
【0038】
一実施形態によれば、陽極酸化層624は、酸化アルミニウムの純度が質量換算で少なくとも99%の酸化アルミニウム層である。別の実施形態によれば、陽極酸化された酸化物層614は、酸化アルミニウムの純度が質量換算で少なくとも99.5%の酸化アルミニウム層である。さらに別の実施形態によれば、陽極酸化層624は、酸化アルミニウムの純度が質量換算で少なくとも99.9%の酸化アルミニウム層である。
【0039】
図5のプロセスの工程504~512に従って製造してできたアルミニウム/陽極酸化層616/624は、上記に詳述したように、汚染物質を最小限に抑え(例えば6061アルミニウム合金に見られる典型的な180ppmと比較して、亜鉛含有量が5ppm)、腐食耐性が向上した(塩酸(HCl)バブルテストでテストした耐性は、混合酸またはシュウ酸のいずれかで陽極酸化した6061アルミニウムでは5~13時間であったのと比較して、140時間と長くなった)。さらに、アルミニウム/陽極酸化16/24では、0.001インチあたり2500Vという高い絶縁耐力が測定された。
【0040】
構成要素600を図5の工程504~512を介して適切に処理した後、プラズマ処理チャンバなどの半導体処理チャンバ内に設置する(図5の工程516)。図5に示した製造プロセスは、消耗する誘電性のプラズマ処理チャンバ構成要素を製造するのに特に有用である。さらに詳細には、図5および図6A図6Eに示したプロセスから形成された構成要素600は、プラズマ処理チャンバの1つ以上の構成要素を形成し、かつ/または調整して、プラズマ処理チャンバに固有のプラズマ、反応性ハロゲン種、またはその他のエネルギーイオンおよびエッチングプロセスを介して構成要素の消耗を抑制または最小限に抑えるのに特に適している。
【0041】
以下の実施形態では、図5および図6A図6Eに示したプロセスから形成された構成要素600は、プラズマ処理チャンバ(例えば図8に示したプラズマ処理チャンバ804)で使用するために静電チャック(ESC)アセンブリまたはシステム(例えば図7のESCアセンブリ700)の中にあるエッジリングまたは同様の構成要素として、特定の用途を対象としている。ただし、図5および図6A図6Eに示したプロセスから形成された構成要素600は、他の部品の中のとりわけ高フローライナー、ガス分配プレートなどに加えて、腐食耐性が高く、電気伝導性に優れ、熱膨張係数が低いという特性が望まれる程度まで、ESCアセンブリ700またはプラズマ処理チャンバ804の中のピナクルおよび静電チャック(ESC)などの任意の数の構成要素として実装されてよいことが理解されるであろう。
【0042】
図7は、プラズマ処理システムで使用するための可動式のエッジリング構成を有するESCアセンブリ700の一部(図8に示した断面B-Bによって画定される)の断面図を示している。ESCアセンブリ700は、静電チャック(ESC)704を取り囲むように構成された上部エッジリング724を含む。ESC704は、基板支持体と呼ばれることもあり、処理過程でウエハ866を処理するための支持体として機能する。上部エッジリング724は、可動式エッジリング708に支持される環状下方凹部726を有する。可動式エッジリング708は、ESC704、加熱プレート752、および中間内側エッジリング728を有する径方向内側と、静止エッジリング716、外側エッジリング712およびカバーエッジリング720を有する径方向外側とによって画定されるキャビティ内で、垂直に関節運動するように配置される。カバーエッジリング720は、上部エッジリング724を部分的に覆う径方向内側突出部722を有する。
【0043】
上部エッジリング724は、処理ウエハ866を処理する際に浸食性のプラズマおよびエッチング剤に曝露されるため、必ず摩耗し、それによってその厚みは、曝露が多くなるにつれて高さが減少する。したがって、可動式エッジリング708を使用して上部エッジリング724を持ち上げて、上部エッジリング724の上面と処理ウエハ/基板866との高さの関係を回復する。このような高さの調整に影響を及ぼすために、1つ以上のリフトピン740が(ESC704の開口部748および静止エッジリング716の開口部718を通って)垂直方向に作動して可動式エッジリング708を押し上げ、すると可動式エッジリングが上部エッジリング724の垂直方向の向きを調整する。ESC704の開口部748を密閉するためにリフトピン740の周に沿ってスリーブ744が配置される。
【0044】
一実施形態によれば、構成要素600は、図5および図6A図6Eのプロセスに従って製造されて、ESCアセンブリ700に取り付けるための可動式エッジリング708を形成する。可動式エッジリングの場所は、チャンバ内で、処理ウエハ866を処理する際に、プラズマの近くにあってプラズマに曝露されるため(すなわち1つ以上の「プラズマ対向面」を有する)、可動式エッジリング708は、構成要素600のアルミニウム/陽極酸化層616/624の耐腐食特性から多大な恩恵を受けている。一例では、プラズマは、上部エッジリング724と外側エッジリング712とカバーエッジリング720との間から、可動式エッジリング708の外面および静止エッジリング716の内面へ移動するとしてよい。移動するプラズマの量は、上部エッジリング724の位置によって変わる。また、図8に示した位置では、上部エッジリング724は、プラズマが上部エッジリング724と中間内側エッジリング728との間から可動式エッジリング708の内面へ移動するのを防ぐとしてよい。可動式エッジリング708が上部エッジリング724を持ち上げると、上部エッジリング724と中間内側エッジリング728との間に間隙ができ、プラズマを可動式エッジリング708の内面に到達させる。
【0045】
1つの実施形態では、構成要素600に設けたようなアルミニウム/陽極酸化層616/624を含むように可動式エッジリング708の外面全体を処理してよい。ただし、構成要素の外面の一部のみを処理する必要があることが理解される。例えば、可動式エッジリング708の外面または径方向外側の面は、(例えばマスクなどを用いた処理で)アルミニウムめっきおよび/または陽極酸化から除外してよく、それによってプラズマ対向面(例えば中央孔608、図6Bを参照)のみがアルミニウム/陽極酸化層616/624を有する。このような部分的なコーティング処理では、コーティングされないマスキング部分が必要なことがある。プラズマ対向面とは、プラズマ処理過程でプラズマに曝露されるか、高温低圧で反応性ハロゲン種に曝露される面である。反応性ハロゲン種は、遠隔プラズマまたは熱反応性フッ素から形成されてよい。いくつかの実施形態では、可動式エッジリング708上の接点はコーティングされない。なぜなら、そのような接点は、電気めっき処理中に電極と接続するのに使用されることがあるからである。
【0046】
さらに、可動式エッジリング708は、静止エッジリング716と共にESC704へのRF伝導(交流電流)経路となって、チャンバでの処理過程でさらに均一なプラズマを達成し、近端のウエハ処理の均一性を改善し、それによって構成要素600基板本体604の電気伝導性から恩恵を受ける。したがって、静止エッジリング716および上部エッジリング724は、ESCアセンブリ700およびプラズマ処理チャンバシステム800の他の構成要素の中で特に、図5および図6A図6Eに示したプロセスを用いて構成要素600のアルミニウム電気めっきおよび陽極酸化層616/624で形成されてよい。
【0047】
図5に開示したプロセスに戻って参照すると、構成要素600は、処理ウエハ866上での半導体製造を容易にするためにプラズマ処理チャンバ内で使用される(工程520)。プラズマ処理は、エッチング、堆積、不動態化、または別のプラズマ処理のうちの1つ以上の処理であってよい。プラズマ処理は、プラズマ以外の処理と組み合わせて行ってもよい。
【0048】
理解しやすくするため、図8は、一実施形態で使用してよいプラズマ処理チャンバシステム800の一例を概略的に示している。プラズマ処理チャンバシステム800は、プラズマ処理チャンバ804が中にあるプラズマ反応器802を含む。電力整合ネットワーク808によって調整されるプラズマ電源806は、誘導結合電力を供給することにより、誘電性で誘導性の電力窓812の近くに位置するトランス結合プラズマ(TCP)コイル810に電力を供給して、プラズマ処理チャンバ804内でプラズマ814を生成する。プラズマ処理チャンバ804のチャンバ壁876から誘電性かつ誘導性の電力窓812にピナクル872が延在し、ピナクルリングを形成する。ピナクル872は、チャンバ壁876および誘電性かつ誘導性の電力窓812に対して角度がついている。例えば、ピナクル872とチャンバ壁876との間の内角、およびピナクル872と誘電性かつ誘導性の電力窓812との間の内角は、それぞれが90°よりも大きく180°よりも小さいとしてよい。図示したように、ピナクル872は、プラズマ処理チャンバ804の上部近くで角度の付いたリングとなる。TCPコイル(上部電源)810は、プラズマ処理チャンバ804内に均一に分散させる輪郭ができるように構成されてよい。例えば、TCPコイル810は、プラズマ814にトーラス状の電力分散を生み出すように構成されてよい。誘電性かつ誘導性の電力窓812は、TCPコイル810をプラズマ処理チャンバ804から分離しつつ、エネルギーをTCPコイル810からプラズマ処理チャンバ804に流せるように設けられる。バイアス整合ネットワーク818によって調整されるウエハバイアス電圧電源816がESCアセンブリ700に電力を供給して、処理ウエハ866がESCアセンブリ700に設置されるときにバイアス電圧を設定する。コントローラ824がプラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816を制御する。
【0049】
プラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816は、例えば13.56メガヘルツ(MHz)、27MHz、2MHz、60MHz、400キロヘルツ(kHz)、2.54ギガヘルツ(GHz)、またはこれらの組み合わせなどの特定の無線周波数で動作するように構成されてよい。プラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816は、所望の処理性能を達成するために、ある範囲の電力を供給するように適切にサイズ設定されてよい。例えば1つの実施形態では、プラズマ電源806は、50~5000ワットの範囲の電力を供給してよく、ウエハバイアス電圧電源816は、20~3000ボルト(V)の範囲のバイアス電圧を供給してよい。また、TCPコイル810および/またはESCアセンブリ700は、2つ以上のサブコイルまたはサブ電極で構成されてよい。サブコイルまたはサブ電極は、単一の電源で給電されてもよいし、複数の電源で給電されてもよい。
【0050】
図8に示したように、プラズマ処理チャンバシステム800はさらに、ガス源/ガス供給機構830を含む。ガス源830は、ガス注入器840などのガス入口を通してプラズマ処理チャンバ804と流体接続している。ガス注入器840は、ガスがガス注入器840を通ってプラズマ処理チャンバ804に流れるように少なくとも1つのボアホール841を有する。ガス注入器840は、プラズマ処理チャンバ804の任意の有利な場所に位置していてよく、ガスを注入するのにどのような形態であってもよい。ただし、ガス入口は、「調整可能な」ガス注入の輪郭ができるように構成されてよいことが好ましい。調整可能なガス注入の輪郭により、プラズマ処理チャンバ804の複数の領域へのそれぞれのガスの流れを独立して調整することが可能になる。さらに好ましくは、ガス注入器は、誘電性かつ誘導性の電力窓812に取り付けられる。ガス注入器は、電力窓に外側に接して取りつけられるか、電力窓の中に取り付けられるか、電力窓の一部を形成してよい。処理ガスおよび副生成物は、圧力制御バルブ842およびポンプ844を介してプラズマ処理チャンバ804から取り除かれる。圧力制御バルブ842およびポンプ844は、プラズマ処理チャンバ804の中を特定の圧力に維持する役割も果たす。圧力制御バルブ842は、処理中に圧力を1トル未満に維持できる。ESCアセンブリ700の上部の周囲に1つ以上のエッジリングを設置してよい。ガス源/ガス供給機構830は、コントローラ24で制御される。カリフォルニア州フレモントのラム・リサーチ・コーポレーション(登録商標)によるKiyo(登録商標)、Strata(登録商標)、またはVector(登録商標)を使用して一実施形態を実施してよい。
【0051】
に示したように、処理ウエハ866がプラズマ処理チャンバ04内に配置され、特にESCアセンブリ700の上または中に配置される。処理ウエハ866にプラズマ処理を適用する(例えば図1の工程120)。この例では、処理ウエハ866のプラズマ処理は、積層体のタングステン含有層をエッチングするためなど、処理ウエハ866上の積層体の一部をエッチングするために用いられる。この実施形態では、プラズマ処理では、550℃を超える温度まで加熱する。また、プラズマ処理では、プラズマ処理チャンバ804の内部に残留物が堆積する。処理ウエハ866をプラズマ処理した後、処理ウエハ866は、プラズマ処理チャンバ804から取り除かれる。プラズマ処理チャンバ804は、堆積した残留物を除去するために洗浄される。この実施形態では、遠隔のフッ素プラズマからの反応性フッ素を使用してプラズマ処理チャンバ804の内部を洗浄する。1ミリトル(mTorr)~10トルの範囲内の圧力をかける。ESCアセンブリ700は、十分に冷めておらず、500℃を超える温度のままである。洗浄が完了した後、プラズマ処理チャンバ804に新たな処理ウエハ866を配置して新たなサイクルを開始してよい。別の例では、プラズマ処理を用いて炭素層、ポリシリコン層、または酸化物/窒化物層を含むエッチングを行う。このような例では、in-situのO2およびNF3プラズマでウエハを処理した後、ウエハの温度は0℃~150℃の範囲に制御され、チャンバは洗浄される。
【0052】
様々な実施形態では、アルミニウム電気めっきおよび陽極酸化層616/624および構成要素600の特徴は、閉じ込めリング、エッジリング、静電チャック、接地リング、チャンバライナー、ドアライナー、ピナクル、シャワーヘッド、誘電性電力窓、ガス注入器、エッジリング、セラミック搬送アーム、またはその他の構成要素など、プラズマ処理チャンバ804の様々な部品に実装されてよい。例えば、アルミニウム電気めっきおよび陽極酸化層は、上部エッジリング724に形成されてよい。構成要素600およびESCアセンブリ700は、プラズマ処理チャンバシステム800の誘導結合プラズマ(ICP)反応器で使用することに関して図8の実施形態に示されているが、その他の構成要素および/またはその他の種類のプラズマ処理チャンバを使用してよいことが理解される。構成要素600を使用してよいその他の種類のプラズマ処理チャンバの例が、容量結合プラズマ処理チャンバ(CCP)、ベベルプラズマ処理チャンバなどの処理チャンバである。別の例では、プラズマ処理チャンバは、誘電性処理チャンバまたは導体処理チャンバであってよい。このようなプラズマ処理チャンバの一例が、カリフォルニア州フリーモントのラム・リサーチ・コーポレーション(登録商標)によって製造されたExelan Flex(登録商標)エッチングシステムである。
【0053】
金属合金とは異なり、陽極酸化されている実質的に純粋なアルミニウム(質量換算で少なくとも99%が純粋なアルミニウム)は、固有の汚染リスクを低減する。実質的に純粋なアルミニウムにより、その後の酸化アルミニウム層614の陽極酸化で欠陥およびボイドがなくなる。高純度のアルミニウム材料は、基板または陽極酸化層内のプラズマエッチングチャンバの汚染を大幅に削減するという追加の利点ももたらす。この優れた構造により、金属マトリクス複合材に対するスタンドアロンの標準の酸性陽極酸化と比較して、腐食、誘電性、および摩耗に対する性能が改善される。
【0054】
本開示をいくつかの好適な実施形態に関して説明したが、変更、置換、修正、および様々な代替となる均等物があり、それは本開示の範囲内に収まるものである。本開示の方法および装置を実現する多くの代替方法があることにも注意されたい。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲内に収まるようなあらゆる変更、置換、および様々な代替となる均等物を含むものとして解釈されることを意図している。本開示は以下の適用例を含む。
[適用例1]
半導体処理チャンバ内で使用する構成要素を製造する方法であって、
熱膨張係数が10.0×10 -6 /K未満である導電性材料から構成要素本体を形成することと、
金属酸化物のコーティングを前記構成要素本体の上に堆積させることと
を含む、方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記金属酸化物のコーティングを堆積させることは、前記構成要素本体を前記金属酸化物のコーティングで閉じ込めることを含む、方法。
[適用例3]
適用例1に記載の方法であって、
前記金属酸化物のコーティングを堆積させることは、
アルミニウムバリア層を堆積させることと、
前記アルミニウムバリア層を陽極酸化させて酸化アルミニウムのコーティングを形成することと、を含む、
方法。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層を堆積させることは電気めっきによる、方法。
[適用例5]
適用例1に記載の方法であって、
前記構成要素本体は、電気伝導性の半導体、モリブデンまたはチタンの物体を含み、
前記金属酸化物のコーティングを堆積させることは、
前記構成要素本体の表面の上に、特定の厚みを有するアルミニウムの層をめっきすることと、
前記アルミニウムの層の厚みの一部を陽極酸化させて陽極酸化層を形成することと、を含み、
前記アルミニウムの層の前記厚みの一部は陽極酸化されずに前記陽極酸化層と前記構成要素本体との間にバリアを形成する、方法。
[適用例6]
適用例5に記載の方法であって、
前記アルミニウムの層をめっきすることは、約20マイクロメートル(μm)~150μmの厚みのアルミニウムの層を形成する、方法。
[適用例7]
適用例5に記載の方法であって、
前記アルミニウムの層をめっきすることは、約25μm~50μmの厚みのアルミニウムの層を形成する、方法。
[適用例8]
適用例5に記載の方法であって、
前記陽極酸化層の厚みは、約5μm~50μmであり、陽極酸化されていない前記アルミニウムの層の一部は、厚みが約7μm~113μmのアルミニウム層を形成する、方法。
[適用例9]
適用例5に記載の方法であって、
前記アルミニウムの層の前記厚みの一部を陽極酸化することは、前記アルミニウムの層を0℃~3℃の温度で、60Vを超える電圧で硫酸浴に晒して、水封なしで前記陽極酸化層を形成することを含む、方法。
[適用例10]
適用例5に記載の方法であって、
前記アルミニウム層は、酸化物層を挟まずに前記構成要素本体に直接隣接して配置される、方法。
[適用例11]
適用例3に記載の方法であって、
前記アルミニウムバリア層は、質量換算で少なくとも99%が純粋なアルミニウムである、方法。
[適用例12]
適用例1に記載の方法であって、
前記導電性材料は、シリコン、炭化シリコン、およびグラファイトのうちの少なくとも1つを含む、方法。
[適用例13]
適用例1に記載の方法であって、
前記導電性材料の熱膨張係数は、5.0×10 -6 /K未満である、方法。
[適用例14]
半導体処理チャンバで使用する構成要素であって、
熱膨張係数が10.0×10 -6 /K未満の導電性材料で作製された構成要素本体、および
前記構成要素本体の表面の上に堆積された金属酸化物層
を含む、構成要素。
[適用例15]
適用例14に記載の構成要素であって、
前記導電性材料は、電気伝導性の半導体、モリブデンまたはチタンを含む、構成要素。
[適用例16]
適用例14に記載の構成要素であって、
前記導電性材料は、シリコン、炭化シリコンおよびグラファイトのうちの少なくとも1つを含む、構成要素。
[適用例17]
適用例14に記載の構成要素であって、
前記導電性材料の熱膨張係数は、5.0×10 -6 /K未満である、構成要素。
[適用例18]
適用例14に記載の構成要素であって、
前記構成要素本体と前記金属酸化物層を形成する酸化アルミニウム層との間にアルミニウムバリア層をさらに有する、構成要素。
[適用例19]
適用例18に記載の構成要素であって、
前記アルミニウムバリア層の厚みは、約20マイクロメートル(μm)~150μmである、構成要素。
[適用例20]
適用例18に記載の構成要素であって、
前記酸化アルミニウム層の厚みは、約5μm~50μmである、構成要素。
[適用例21]
適用例20に記載の構成要素であって、
陽極酸化されていないアルミニウム層の一部は、厚みが約7μm~113μmのアルミニウム層を形成する、構成要素。
[適用例22]
適用例18に記載の構成要素であって、
前記アルミニウムバリア層は、質量換算で少なくとも99.9%が純粋なアルミニウムである、構成要素。
[適用例23]
適用例14に記載の構成要素であって、
前記構成要素は、前記プラズマ処理チャンバで使用する電極、シャワーヘッド、エッジリング、または高フローライナーのうちの少なくとも1つである、構成要素。
[適用例24]
適用例23に記載の構成要素であって、
前記構成要素は、前記プラズマ処理チャンバ内の静電チャックの周りにエッジリングを形成し、前記静電チャックは、処理のためにウエハを支持する、構成要素。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8