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特許7715902創出支援装置、創出支援方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-22
(45)【発行日】2025-07-30
(54)【発明の名称】創出支援装置、創出支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250723BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024170231
(22)【出願日】2024-09-30
【審査請求日】2024-12-11
(31)【優先権主張番号】P 2024077714
(32)【優先日】2024-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年4月4日 https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/top https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/tables https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/category https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/advanced https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/subject/4G3-GS-2-05/tables?cryptoId= https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/subject/4G3-GS-2-05/category?cryptoId= https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/subject/4G3-GS-2-05/advanced https://confit.atlas.jp/guide/print/jsai2024/subject/4G3-GS-2-05/detailを通じて発表 令和6年5月13日 https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2024/proceedings/listを通じて発表 令和6年5月31日 一般社団法人 人工知能学会主催の「2024年度人工知能学会全国大会(第38回)」において文書をもって発表 令和6年5月31日 一般社団法人 人工知能学会主催の「2024年度人工知能学会全国大会(第38回)」(オンライン)、https://us06web.zoom.us/j/84408415312?pwd=V9Cf9TWGuqxVp0Mrg06T6l6AJQSrdx.1を通じて発表 令和6年6月20日 アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社主催の「AWS Summit Japan」においてスライド掲載により発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524065479
【氏名又は名称】株式会社博報堂テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】石川 信行
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝明
(72)【発明者】
【氏名】畠山 卓也
(72)【発明者】
【氏名】松井 崇
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特許第7416390(JP,B1)
【文献】三瓶 智輝,Agent Agora:エージェントの選定と放置によるアイデア生成システムの提案と評価,情報処理学会 研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC),日本,情報処理学会,Vol.2024-EC-71 No.38,pp.1-8
【文献】ChatGPT&最新AI活用術,日経PC21,日本,日経BP,第28巻 第9号 ,pp.36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成AIの1以上のエージェントを含む2以上の当事者によるアイデア創出を支援する創出支援装置であって、
1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズを含む1または2以上の各フェーズにおいて、生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、
創出するアイデアに関する属性値であり、アイデアを出す対象のテーマを含む1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部と、
前記設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、当該1以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与える人物設定部と、
前記アイデア出しフェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIの前記1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部と、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデアを出力するアイデア出力部と、
議論変更条件に合致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記議論変更条件に合致すると判断した場合に、前記2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または前記1以上の各エージェントに、再度、前記プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部と、
人からの1以上のアイデアを受け付けるアイデア受付部とを具備し、
前記アイデア出力部は、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデアまたは前記アイデア受付部が受け付けた前記1以上のアイデアを出力し、
前記判断部は、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデア、前記アイデア受付部が受け付けた前記1以上のアイデア、前記アイデア受付部が前記人からの1以上のアイデアを受け付けるまでの時間、または受け付けられた指示が議論変更条件に合致するか判断する創出支援装置。
【請求項2】
前記議論変更部は、
前記追加指示入力処理を行い、
前記追加の指示を受け付ける追加指示受付部と、
前記追加の指示を有するプロンプトを前記生成AIに渡す追加指示部とをさらに具備する請求項1記載の創出支援装置。
【請求項3】
生成AIの1以上のエージェントを含む2以上の当事者によるアイデア創出を支援する創出支援装置であって、
1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズを含む1または2以上の各フェーズにおいて、生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、
創出するアイデアに関する属性値であり、アイデアを出す対象のテーマを含む1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部と、
前記設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、当該1以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与える人物設定部と、
前記アイデア出しフェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIの前記1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部と、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデアを出力するアイデア出力部と、
議論変更条件に合致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記議論変更条件に合致すると判断した場合に、前記2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または前記1以上の各エージェントに、再度、前記プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部と、
人からの1以上のアイデアを受け付けるアイデア受付部とを具備し、
前記議論変更部は、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデア、または前記アイデア受付部が受け付けた前記1以上のアイデアを前記生成AIに与え、かつ前記アイデア出しフェーズに対応する前記プロンプトを前記生成AIに与え、アイデアを取得する前記アイデア再取得処理を行う創出支援装置。
【請求項4】
前記アイデア受付部が受け付けた前記1以上のアイデアを用いて、前記人のランクを決定し、前記人を識別する人識別子と対にして前記ランクを蓄積するランキング部をさらに具備する請求項1記載の創出支援装置。
【請求項5】
生成AIの1以上のエージェントを含む2以上の当事者によるアイデア創出を支援する創出支援装置であって、
1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズを含む1または2以上の各フェーズにおいて、生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、
創出するアイデアに関する属性値であり、アイデアを出す対象のテーマを含む1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部と、
前記設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、当該1以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与える人物設定部と、
前記アイデア出しフェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIの前記1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部と、
前記アイデア取得部が取得した前記アイデアを出力するアイデア出力部と、
議論変更条件に合致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記議論変更条件に合致すると判断した場合に、前記2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または前記1以上の各エージェントに、再度、前記プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部とを具備し、
前記人物設定部は、
前記設定プロンプト雛形を用いて2以上の設定プロンプトを取得し、当該2以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与え、
2以上の各エージェントの発言順序を決定するための発言順序決定プロンプト雛形を用いて発言順序決定プロンプトを取得し、当該発言順序決定プロンプトを前記生成AIに与え、前記2以上の各設定プロンプトに対応するエージェントの発言順序を決定する発言順序決定部をさらに具備し、
前記アイデア取得部は、
前記発言順序決定部が決定した前記2以上のエージェントの発言順序が示す順番に、各エージェントからアイデアを取得する、創出支援装置。
【請求項6】
前記人物設定部は、
前記設定プロンプト雛形を用いて2以上の設定プロンプトを取得し、当該2以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与え、
2以上の各エージェントの発言順序を決定するための発言順序決定プロンプト雛形を用いて発言順序決定プロンプトを取得し、当該発言順序決定プロンプトを前記生成AIに与え、前記2以上の各設定プロンプトに対応するエージェントの発言順序を決定する発言順序決定部をさらに具備し、
前記アイデア取得部は、
前記発言順序決定部が決定した前記2以上のエージェントの発言順序が示す順番に、各エージェントからアイデアを取得する請求項1から請求項4いずれか一項に記載の創出支援装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5いずれか一項に記載の創出支援装置が行うすべての処理を、コンピュータにより実行させる、創出支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
請求項1から請求項5いずれか一項に記載の創出支援装置として機能させるためのプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成AIを用いてアイデアを創出することを支援する創出支援装置等に関するものである。なお、アイデアの創出支援は、アイデアの創出でも良い。
【背景技術】
【0002】
従来、参加者によるアイデアが創出され易い環境としてのプラットフォームとなる、とされているアイデア創出支援システムがあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-35936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の創出支援装置は、生成AIの1以上のエージェントを含む2以上の当事者によるアイデア創出を支援する創出支援装置であって、1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズを含む1または2以上の各フェーズにおいて、生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、創出するアイデアに関する属性値であり、アイデアを出す対象のテーマを含む1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部と、設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、1以上の各設定プロンプトを生成AIに与える人物設定部と、アイデア出しフェーズに対応するフェーズプロンプト雛形と1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、プロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部と、アイデア取得部が取得したアイデアを出力するアイデア出力部と、議論変更条件に合致するか判断する判断部と、判断部が議論変更条件に合致すると判断した場合に、2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または1以上の各エージェントに、再度、プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部とを具備する創出支援装置である。
【0006】
かかる構成により、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【0007】
また、本第二の発明の創出支援装置は、第一の発明に対して、人からの1以上のアイデアを受け付けるアイデア受付部をさらに具備し、アイデア出力部は、アイデア取得部が取得したアイデアまたはアイデア受付部が受け付けた1以上のアイデアを出力し、判断部は、アイデア取得部が取得したアイデア、アイデア受付部が受け付けた1以上のアイデア、アイデア受付部が人からの1以上のアイデアを受け付けるまでの時間、または受け付けられた指示が議論変更条件に合致するか判断する創出支援装置である。
【0008】
かかる構成により、人と生成AIとの協調により、適切なアイデアを創出することを支援できる。
【0009】
また、本第三の発明の創出支援装置は、第二の発明に対して、議論変更部は、追加指示入力処理を行い、追加の指示を受け付ける追加指示受付部と、追加の指示を有するプロンプトを生成AIに渡す追加指示部とをさらに具備する創出支援装置である。
【0010】
かかる構成により、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【0011】
また、本第四の発明の創出支援装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、議論変更部は、アイデア取得部が取得したアイデア、またはアイデア受付部が受け付けた1以上のアイデアを生成AIに与え、かつアイデア出しフェーズに対応するプロンプト生成AIに与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う創出支援装置である。
【0012】
かかる構成により、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【0013】
また、本第五の発明の創出支援装置は、第二の発明に対して、アイデア受付部が受け付けた1以上のアイデアを用いて、人のランクを決定し、人を識別する人識別子と対にしてランクを蓄積するランキング部をさらに具備する創出支援装置である。
【0014】
かかる構成により、アイデアの創出に参加した人のランクを決定できる。
【0015】
また、本第六の発明の創出支援装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、人物設定部は、設定プロンプト雛形を用いて2以上の設定プロンプトを取得し、2以上の各設定プロンプトを生成AIに与え、2以上の各エージェントの発言順序を決定するための発言順序決定プロンプト雛形を用いて発言順序決定プロンプトを取得し、発言順序決定プロンプトを生成AIに与え、2以上の各設定プロンプトに対応するエージェントの発言順序を決定する発言順序決定部をさらに具備し、アイデア取得部は、発言順序決定部が決定した2以上のエージェントの発言順序が示す順番に、各エージェントからアイデアを取得する創出支援装置である。
【0016】
かかる構成により、2以上の生成AIのエージェントを用いてアイデアを創出する場合に、適切な発言順で議論の進行を行える。
【発明の効果】
【0017】
本発明による創出支援装置によれば、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
図2】同情報システムAのブロック図
図3】同創出支援装置1のブロック図
図4】同創出支援装置1の動作例について説明するフローチャート
図5】同前処理の例について説明するフローチャート
図6】同エージェント決定処理の例について説明するフローチャート
図7】同人物設定処理の例について説明するフローチャート
図8】同観点取得処理の例について説明するフローチャート
図9】同アイデア取得処理の例について説明するフローチャート
図10】同アイデア解析処理の例について説明するフローチャート
図11】同アイデア批評処理の例について説明するフローチャート
図12】同アイデア選択処理の例について説明するフローチャート
図13】同遷移管理表を示す図
図14】同プロンプト管理表を示す図
図15】同エージェント情報の例を示す図
図16】同出力例を示す図
図17】同出力例を示す図
図18】同出力例を示す図
図19】同出力例を示す図
図20】実施の形態2における創出支援装置4のブロック図
図21】同創出支援装置4の動作例について説明するフローチャート
図22】同発言順序決定処理の例について説明するフローチャート
図23】同アイデア取得処理の例について説明するフローチャート
図24】同報酬処理の例について説明するフローチャート
図25】同ランク取得処理の例について説明するフローチャート
図26】同エージェントアイデア処理の例について説明するフローチャート
図27】同人アイデア処理の例について説明するフローチャート
図28】同プロンプト管理表の例を示す図
図29】同人材管理表の例を示す図
図30】同議論変更管理表の例を示す図
図31】同発言順序決定プロンプトの例を示す図
図32】同生成AIから回答の例を示す図
図33】上記実施の形態におけるコンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、創出支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態において、1以上の生成AIのエージェントを含む2以上の当事者によるアイデアを創出することを支援する装置であって、アイデア出しフェーズにおいて2以上のアイデアを取得し、その後のアイデア選択フェーズにおいて、取得された2以上のアイデアから1以上のアイデアを取得し、出力する創出支援装置について説明する。
【0021】
また、本実施の形態において、アイデアの創出において、人の参加も可能な創出支援装置について説明する。
【0022】
また、本実施の形態において、人からの入力を検査し、その検査結果に応じて、生成AIに当該入力を与える場合と与えない場合とがある創出支援装置について説明する。なお、本実施の形態において、人からの入力の検査結果がエラーである場合にはエラーメッセージを出力したり、エラーのクラスを出力したりする。
【0023】
また、本実施の形態において、司会者のエージェントが存在する創出支援装置について説明する。
【0024】
また、本実施の形態において、所定の条件を満たした場合に、司会者のエージェントが他のエージェントにプロンプトを与えるように動作する創出支援装置について説明する。
【0025】
また、本実施の形態において、アイデアを創出する全体のフェーズの中で、現在のフェーズが分かる態様で、アイデアを創出するための生成AIからの回答等を出力する創出支援装置について説明する。
【0026】
また、本実施の形態において、ユーザからテーマを受け付け、当該テーマに従ったアイデアを創出する創出支援装置について説明する。
【0027】
また、本実施の形態において、必要なエージェントを自動的に決定する創出支援装置について説明する。
【0028】
また、本実施の形態において、出力されたアイデアの集合に対して、多様性の観点での評価を行う創出支援装置について説明する。
【0029】
さらに、本実施の形態において、アイデアを創出するまでの2以上のフェーズとフェーズの遷移条件を管理し、当該管理されている情報に基づいて、フェーズの遷移を制御する創出支援装置について説明する。
【0030】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0031】
また、本明細書において、情報Zを選択したり、決定したりすることは、情報Zを取得すること、情報Zへのポインタを取得すること、情報ZのIDを取得すること、情報Zにフラグを立てること等であり、情報Zにアクセスできれば良い。
【0032】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、創出支援装置1、1または2以上の端末装置2、および1または2以上の生成AI装置3を備える。なお、生成AI装置3に格納されているプログラムを生成AIと言う。また、生成AI装置3を生成AIと言っても良い。情報システムAが有する生成AI装置3は一つでも良いし、2以上でも良い。生成AI装置3が2以上である場合、後述する各エージェントに対応する生成AI装置3が存在することは好適である。なお、生成AI装置は情報システムAに対して外部の装置であり、情報システムAは、生成AI装置3を有さない、と考えても良い。
【0033】
創出支援装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバであるが、その種類は問わない。創出支援装置1は、端末でも良い。創出支援装置1が端末である場合、情報システムAに端末装置2は不要である。創出支援装置1が端末である場合、創出支援装置1が端末装置2を兼ねる、と考えて良い。創出支援装置1が端末である場合、創出支援装置1は、例えば、いわゆるパソコン、スマートフォン、タブレット端末であるが、その種類は問わない。
【0034】
なお、創出支援装置1が1または2以上の生成AIを有していても良い。かかる場合、情報システムAは、生成AI装置3を有さなくても良い。
【0035】
端末装置2は、ユーザが使用する端末である。ユーザは、創出支援装置1を使用する人である。ユーザは、アイデアを入力する当事者でも良いし、創出支援装置1が出力するアイデアを確認する人等でも良い。
【0036】
生成AI装置3は、例えば、ChatGPT(登録商標)のサーバ、Bard(登録商標)のサーバである。
【0037】
創出支援装置1と1以上の各端末装置2、および創出支援装置1と1以上の各生成AI装置3とは、インターネット等のネットワークにより通信可能であることは好適である。
【0038】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。図3は、創出支援装置1のブロック図である。
【0039】
創出支援装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、遷移管理部111、プロンプト管理部112、属性値格納部113、およびカレント管理部114を備える。受付部12は、属性値受付部121、およびアイデア受付部122を備える。処理部13は、エージェント決定部130、人物設定部131、制御部132、司会判断部133、観点取得部134、アイデア取得部135、アイデア批評部136、アイデア選択部137、解析部138、およびスコア取得部139を備える。出力部14は、回答出力部141、アイデア出力部142、スコア出力部143、およびエラー出力部144を備える。
【0040】
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
【0041】
創出支援装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する遷移情報、後述するプロンプト雛形である。
【0042】
遷移管理部111には、遷移情報と遷移条件とが格納される。遷移情報とは、アイデアを創出するための2以上のフェーズの間の遷移を特定する情報である。フェーズは、手順、ステップ、段階等と言っても良い。例えば、フェーズはノード、フェーズ間の遷移はエッジで表現される。遷移情報は、通常、2以上のフェーズ識別子を有する。遷移情報は、例えば、2つのフェーズをリンク付けるエッジ情報を有する。エッジ情報は、例えば、2つのフェーズ識別子を有する。エッジ情報は、例えば、エッジ識別子を有する。
【0043】
遷移条件とは、フェーズが遷移する条件である。遷移条件は、遷移前のフェーズと遷移後のフェーズとに対応付く条件である。遷移条件は、エッジ情報に対応付く条件である。一のフェーズ情報に2以上の遷移条件が対応付いていても良い。一のフェーズ情報に2以上の遷移条件が対応付いている場合、遷移後のフェーズは2以上存在する。つまり、一のフェーズ情報に2以上の遷移条件が対応付いている場合、フェーズは分岐する。
【0044】
遷移情報が特定する2以上の各フェーズは、アイデアを創出するまでのステップである。遷移情報が特定する2以上の各フェーズは、(a)アイデア出しフェーズ、および(b)アイデア選択フェーズを含む。遷移情報が特定する2以上の各フェーズは、例えば、(1)アイデア観点・評価観点検討フェーズ、(2)アイデア出しフェーズ、(3)アイデア批評フェーズ、(4)アイデア選択フェーズである。遷移情報が有するフェーズ識別子は、例えば、「アイデア観点・評価観点検討」「アイデア出し」「アイデア批評」「アイデア選択」である。
【0045】
なお、アイデア選択フェーズとは、2以上のアイデアから一部のアイデアを選択するフェーズでも良いし、2以上のアイデアに対して順位付けするフェーズでも良い。つまり、ここでは、アイデアの順位付けも、アイデアの選択に含まれる、と考えても良い。
【0046】
プロンプト管理部112には、各種のプロンプト雛形が格納される。プロンプト雛形とは、プロンプトを構成するための情報である。プロンプト雛形は、通常、変数を含む。当該変数の箇所に情報が代入されることにより、プロンプトが構成される。ただし、プロンプト雛形は、変数を含まないプロンプトでも良い。プロンプトとは、生成AIに与える情報である。プロンプトを生成AIに与えることにより、通常、生成AIから回答が渡される。プロンプトは、問合せ、クエリ等と言っても良い。プロンプトを生成AIに与えることは、例えば、生成AIのAPIの引数としてプロンプトを与え、当該APIを実行することである。
【0047】
プロンプト管理部112には、1または2以上の設定プロンプト雛形、1または2以上のフェーズプロンプト雛形が格納される。プロンプト管理部112には、例えば、1または2以上のエージェント決定プロンプト雛形が格納される。プロンプト管理部112には、例えば、アイデア解析プロンプト雛形が格納される。
【0048】
プロンプト管理部112には、司会者に対する設定プロンプト雛形と司会者に対するフェーズプロンプト雛形とが格納されていることは好適である。司会者とは、アイデアを創出するロールプレイの中での司会を行う者である。
【0049】
設定プロンプト雛形とは、エージェントの人物設定のためのプロンプト雛形である。一の設定プロンプト雛形は、1または2以上のエージェントの人物設定のための情報である。設定プロンプト雛形は、例えば、エージェント識別子に対応付いている。設定プロンプト雛形は、例えば、変数「名前」、変数「職業」、変数「役割」、変数「専門性」を有する。
【0050】
エージェントとは、ここでは、生成AIが果たす役割である。エージェントは、ここでは、アイデアを創出したり、アイデアを批評したり、アイデアを選択したりする立場の仮想的な人である。エージェントは、ペルソナ等と言っても良い。
【0051】
エージェント決定プロンプト雛形とは、1または2以上のエージェントを決定するためのプロンプトの雛形である。エージェント決定プロンプト雛形は、通常、テーマが代入される変数を有する。エージェント決定プロンプト雛形は、例えば、1または2以上のアイデア観点、1または2以上の評価観点が代入される変数を有する。エージェント決定プロンプト雛形は、例えば、「「<テーマ>」というテーマに関するアイデアを創出する場合に、必要な立場の人は、どんな人でしょうか?」である。
【0052】
フェーズプロンプト雛形とは、いずれかのフェーズにおけるプロンプト雛形である。フェーズプロンプト雛形は、通常、フェーズ識別子に対応付いている。なお、フェーズ識別子に対応付いていることは、プロンプト雛形識別子の中にフェーズ識別子の全部または一部を含むことでも良い。
【0053】
プロンプト管理部112には、例えば、フェーズ識別子「アイデア観点・評価観点検討フェーズ」に対応付いて、アイデア観点プロンプト雛形、評価観点プロンプト雛形が格納される。アイデア観点プロンプト雛形とは、1または2以上のアイデア観点を取得するためのプロンプトの雛形である。アイデア観点プロンプト雛形は、通常、テーマが代入される変数を有する。アイデア観点プロンプト雛形は、例えば、ユーザにより与えられたアイデア観点が代入される変数を有しても良い。アイデア観点プロンプト雛形は、例えば、「<テーマ>というテーマに関するアイデアの観点を教えて!」である。評価観点プロンプト雛形とは、1または2以上の評価観点を取得するためのプロンプトの雛形である。評価観点プロンプト雛形は、通常、テーマが代入される変数を有する。評価観点プロンプト雛形は、例えば、ユーザにより与えられた評価観点が代入される変数を有しても良い。評価観点プロンプト雛形は、例えば、「<テーマ>というテーマに関するアイデアを評価する観点を教えて!」である。
【0054】
アイデア観点とは、アイデアに関する観点である。アイデア観点は、例えば、「目的の明確化」「技術的実現可能性」「法規制」「経済的実現可能性」である。評価観点とは、アイデアを評価する場合の観点である。評価観点は、例えば、「開発コスト」「ユーザビリティ」「市場適用性」「規制の遵守」である。
【0055】
プロンプト管理部112には、例えば、フェーズ識別子「アイデア出しフェーズ」に対応付いて、アイデア出しプロンプト雛形が格納される。アイデア出しプロンプト雛形とは、アイデア出しを行うためのプロンプトを構成するための情報である。アイデア出しプロンプト雛形は、通常、テーマが代入される変数を有する。アイデア出しプロンプト雛形は、アイデア観点と評価観点とを代入する変数を有することは好適である。アイデア出しプロンプト雛形は、エージェント情報の全部または一部(例えば「名前」)を代入する変数を有することは好適である。アイデア出しプロンプト雛形は、例えば、「あなたは<名前>さんです。<テーマ>について、以下のアイデアの観点および以下のアイデアの評価観点を考慮して、アイデアを出してください。<アイデア観点>,<評価観点>」である。
【0056】
プロンプト管理部112には、例えば、フェーズ識別子「アイデア批評フェーズ」に対応付いて、アイデア批評プロンプト雛形が格納される。アイデア批評プロンプト雛形とは、アイデアに対する1以上の批評を得るためのプロンプトの雛形である。アイデア批評プロンプト雛形は、通常、アイデアが代入される変数を有する。アイデア批評プロンプト雛形は、例えば、「<テーマ>に関して、アイデア「<アイデア>」の課題や問題点を挙げてください。」である。
【0057】
プロンプト管理部112には、例えば、フェーズ識別子「アイデア選択フェーズ」に対応付いて、アイデア選択プロンプト雛形が格納される。アイデア選択プロンプト雛形とは、アイデアを選択したり、順位付けしたりするためのプロンプトの雛形である。アイデア選択プロンプト雛形は、2以上のアイデアが代入される変数を有する。なお、アイデアの選択は、アイデアの順位付けでも良い。アイデア選択プロンプト雛形は、例えば、「司会者への依頼です。以下のアイデアの集合に対して、順位付けしてください。 <アイデアの集合>」「司会者への依頼です。以下のアイデアの集合から良いアイデアと思われる5つを選択してください。 <アイデアの集合>」である。
【0058】
アイデア解析プロンプト雛形とは、アイデアを解析するためのプロンプトの雛形である。アイデア解析プロンプト雛形は、通常、アイデアを代入する変数を有する。アイデア解析プロンプト雛形は、例えば、テーマを代入する変数を有する。アイデア解析プロンプト雛形は、例えば、「以下のアイデアが、<テーマ>に関するアイデアとして適切な否かを、適切「1」、不適切「0」のいずれかで回答して! <アイデア>」である。
【0059】
属性値格納部113には、1以上のアイデア属性値が格納される。アイデア属性値とは、創出するアイデアに関する情報である。1以上のアイデア属性値は、例えば、テーマ、目的、アイデアに含める観点、アイデア批評の観点である。属性値格納部113のアイデア属性値は、ユーザから入力された情報でも良いし、予め格納されていた情報でも良いし、生成AIからの回答に基づいて取得された情報でも良い。
【0060】
カレント管理部114は、カレント識別子が格納される。カレント識別子とは、カレントを識別する情報である。カレントとは、2以上の各フェーズのうちの現在のフェーズである。2以上のフェーズには、通常、アイデア出しフェーズとアイデア選択フェーズとを含む。
【0061】
受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、1以上のアイデア属性値、1以上のアイデア、開始指示である。
【0062】
ここでは、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
【0063】
開始指示とは、アイデアの創出の開始の指示である。開始指示は、例えば、テーマを含む1以上のアイデア属性値を含む。
【0064】
属性値受付部121は、1以上のアイデア属性値を受け付ける。1以上のアイデア属性値には、テーマが含まれることは好適である。1以上のアイデア属性値には、例えば、アイデア観点、評価観点が含まれる。属性値受付部121は、例えば、端末装置2から1以上のアイデア属性値を受信する。
【0065】
アイデア受付部122は、人からの1以上のアイデアを受け付ける。アイデア受付部122は、例えば、端末装置2から1以上のアイデアを受信する。
【0066】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、エージェント決定部130、人物設定部131、制御部132、司会判断部133、観点取得部134、アイデア取得部135、アイデア批評部136、アイデア選択部137、解析部138、またはスコア取得部139が行う処理である。
【0067】
エージェント決定部130は、1または2以上のエージェントを決定する。エージェントを決定することは、通常、エージェント情報を取得することである。なお、エージェント情報は、予め与えられていても良い。つまり、エージェント情報は、格納部11に、予め格納されていても良い。
【0068】
エージェント情報とは、エージェントに関する情報である。エージェント情報は、通常、エージェント識別子を含む。エージェント識別子とは、エージェントを識別する情報である。エージェント識別子は、例えば、職業、専門性である。エージェント情報は、例えば、エージェントの能力を示す能力情報を含む。
【0069】
エージェント決定部130は、例えば、エージェント決定プロンプトを、生成AIに与え、当該生成AIから1または2以上のエージェント情報を取得する。
【0070】
エージェント決定部130は、例えば、プロンプト管理部112のエージェント決定プロンプト雛形の変数にテーマ等を代入し、エージェント決定プロンプトを取得し、当該エージェント決定プロンプトを生成AIに与え、当該生成AIから1または2以上のエージェント情報を取得する。
【0071】
エージェント決定部130は、エージェント取得条件に合致する場合のみ、生成AIから1以上のエージェント情報を取得することは好適である。エージェント取得条件とは、エージェントを取得するための条件である。エージェント取得条件は、例えば、与えられたエージェント情報に関する条件である。エージェント取得条件は、例えば、与えられたエージェント情報の数が0または閾値以下であることである。
【0072】
エージェント決定部130は、例えば、アイデア創出のテーマと対になる1または2以上のエージェント情報をエージェント対応表から取得する。エージェント対応表とは、テーマとエージェント情報との対応を示す表である。エージェント対応表は、2以上のエージェント対応情報を有する。エージェント対応情報は、テーマとエージェント情報とを有する。
【0073】
人物設定部131は、設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、1以上の各設定プロンプトを生成AIに与える。
【0074】
人物設定部131は、例えば、プロンプト管理部112から設定プロンプト雛形を取得し、当該設定プロンプト雛形の変数を、1または2以上のエージェント情報に置き換え、設定プロンプトを構成し、当該設定プロンプトを生成AIに与える。人物設定部131は、エージェントごとに設定プロンプトを構成し、エージェントごとに当該設定プロンプトを生成AIに与えても良い。また、人物設定部131は、2以上のエージェントのエージェント情報を含む設定プロンプトを構成し、当該設定プロンプトを生成AIに与えても良い。かかるエージェント情報は、エージェント決定部130が決定した1以上のエージェントに関するエージェント情報でも良いし、予め与えられているエージェント情報でも良い。つまり、人物設定部131は、エージェント決定部130が決定した1以上のエージェントの設定プロンプトを取得し、当該設定プロンプトを生成AIに与えても良い。
【0075】
人物設定部131は、司会者に対する設定プロンプトをも生成AIに与えることは好適である。つまり、エージェントが、2以上、存在し、当該2以上のエージェントのうち、一のエージェントは司会者のエージェントでも良い。司会者に対する設定プロンプトは、例えば、プロンプト管理部112に格納されている。
【0076】
制御部132は、現在のフェーズであるカレントに対応付く遷移条件に合致するか否かを判断し、当該遷移条件に合致する場合に、カレントを、現在のフェーズから遷移条件に対応付く遷移後のフェーズに変更する。制御部132は、通常、カレント管理部114のカレントのフェーズ識別子を遷移後のフェーズのフェーズ識別子に変更する。
【0077】
司会判断部133は、生成AIに与えたプロンプトまたは生成AIからの回答が司会発言条件を満たしたか否かを判断する。司会発言条件は、いずれかの遷移条件でも良い。
【0078】
司会発言条件とは、司会者のエージェントが発言する条件であり、生成AIに与えたプロンプトに関する条件または生成AIからの回答に関する条件である。司会発言条件は、例えば、「2以上のすべての当事者からのアイデアが取得されたこと」「人からの入力が無い状況で、所定時間以上、経過したこと」である。
【0079】
観点取得部134は、1以上のアイデア観点または1以上の評価観点を取得する。観点取得部134は、例えば、属性値受付部121が受け付けた1以上のアイデア観点を取得する。観点取得部134は、例えば、属性値受付部121が受け付けた1以上の評価観点を取得する。
【0080】
観点取得部134は、例えば、アイデア観点プロンプト雛形の変数に、テーマを代入し、アイデア観点プロンプトを構成し、当該アイデア観点プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上のアイデア観点を取得する。なお、アイデア観点プロンプト雛形は、例えば、「以下のテーマについてのアイデアを創出する場合の観点を教えて! <テーマ>」である。また、<テーマ>は、取得されたテーマが代入される変数である。「<」「>」で囲まれた文字列は、変数であることを示す。
【0081】
観点取得部134は、例えば、評価観点プロンプト雛形の変数に、テーマを代入し、評価観点プロンプトを構成し、当該評価観点プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の評価観点を取得する。なお、評価観点プロンプト雛形は、例えば、「以下のテーマのアイデアの評価の観点を教えて! <テーマ>」である。
【0082】
観点取得部134は、例えば、観点取得条件に合致するか否かを判断し、合致すると判断した場合のみ、観点を取得することは好適である。観点取得条件は、例えば、アイデア観点に関する条件である。観点取得条件は、例えば評価観点に関する条件である。観点取得部134は、例えば、受け付けられたアイデア観点の数が閾値以下または閾値未満の場合にアイデア観点を取得する、と判断する。観点取得部134は、例えば、受け付けられた評価観点の数が閾値以下または閾値未満の場合に評価観点を取得する、と判断する。なお、閾値は1以上の自然数である。
【0083】
アイデア取得部135は、1以上の各フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形を用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、2以上のアイデアを取得する。
【0084】
アイデア取得部135は、例えば、アイデア出しフェーズに対応するフェーズプロンプト雛形と1または2以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与え、2以上のアイデアを取得する。ここでの1以上のアイデア属性値は、例えば、テーマ、アイデア観点、評価観点のうちの1または2以上の情報である。アイデア取得部135は、テーマとアイデア観点とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与え、2以上のアイデアを取得することは好適である。アイデア取得部135は、テーマとアイデア観点と評価観点とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与え、2以上のアイデアを取得しても良い。
【0085】
なお、プロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与えることは、例えば、1以上のエージェントに対する問合せであることを示す文字列を含むプロンプトを生成AIに与えることである。生成AIにプロンプトを与えることは、通常、引数にプロンプトを含む生成AIのAPIを実行することである。
【0086】
アイデア取得部135は、例えば、アイデア出しフェーズに対応し、司会者に対するフェーズプロンプト雛形と1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、2以上のエージェントのうちの1または2以上の各エージェントからのアイデアを取得する。
【0087】
アイデア取得部135は、例えば、司会判断部133が司会発言条件を満たしたと判断した場合に、アイデア出しフェーズに対応し、司会者以外の1以上の各エージェントに対するプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、2以上のアイデアを取得する。アイデア取得部135は、1以上の各エージェントから、アイデアを1回だけ取得するだけではなく、2回以上、取得することは好適である。
【0088】
アイデア批評部136は、アイデア取得部135が取得した2以上の各アイデアに対する1以上の批評を取得する。批評は、問題点、課題等と言っても良い。批評は、文字列である。
【0089】
アイデア批評部136は、例えば、アイデア批評フェーズに対応する批評プロンプト雛形の変数に、アイデア取得部135が取得したアイデアを代入し、批評プロンプトを構成し、当該批評プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の批評を取得する。アイデア批評部136は、批評プロンプト雛形の変数に、1または2以上の評価観点をも代入し、批評プロンプトを構成し、当該批評プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の批評を取得しても良い。
【0090】
アイデア批評部136は、例えば、アイデア取得部135が取得した2以上の各アイデアごとに、批評プロンプト雛形の変数にアイデアを代入し、批評プロンプトを構成し、当該批評プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の批評を取得する。
【0091】
アイデア批評部136は、例えば、アイデア取得部135が取得した2以上の各アイデアごと、および2以上の各エージェントごとに、批評プロンプト雛形の変数にアイデアおよびエージェント情報の一部または全部を代入し、批評プロンプトを構成し、当該批評プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の批評を取得する。
【0092】
アイデア批評部136は、例えば、2以上の各評価観点ごとに、批評プロンプトを構成し、当該批評プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから1以上の批評を取得しても良い。かかる場合の批評プロンプト雛形は、例えば、「あなたは<名前>です。 <テーマ>に関して、評価観点「<評価観点>」について、アイデア「<アイデア>」の課題や問題点を挙げてください。」である。以上の処理により、アイデア批評部136は、2以上の各アイデアごと、および2以上の各評価観点ごとに、1または2以上の批評を得る。
【0093】
アイデア選択部137は、アイデア選択フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形とアイデア取得部135が取得した2以上のアイデアとを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、アイデア取得部135が取得した2以上のアイデアに基づいて選択された1以上のアイデアを取得する。なお、選択された1以上のアイデアは、順位付けされた2以上のアイデアでも良い。
【0094】
アイデア選択部137は、例えば、2以上の各エージェントごとに、アイデア選択プロンプト雛形の変数に2以上のアイデアの集合とエージェント情報の一部または全部とを代入し、アイデア選択プロンプトを構成し、当該アイデア選択プロンプトを生成AIに与え、1または2以上のアイデアを取得する。
【0095】
アイデア選択部137は、例えば、アイデア選択フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形の変数にアイデア取得部135が取得した2以上のアイデアを代入し、プロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、選択された1以上のアイデアを取得する。
【0096】
アイデア選択部137は、例えば、アイデア選択フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形の変数にアイデア取得部135が取得した2以上のアイデア、およびアイデア批評部136が取得した1以上の批評を代入し、プロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、選択された1以上のアイデアを取得する。
【0097】
アイデア選択部137は、アイデア選択フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形とアイデア取得部135が取得した2以上のアイデアとアイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデアとを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、アイデア取得部135が取得した2以上のアイデアとアイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデアとに基づいて選択された1以上のアイデアを取得する。
【0098】
アイデア選択部137は、例えば、アイデア選択フェーズに対応するフェーズプロンプト雛形と、解析部138が検討条件を満たさないと判断したアイデアを除いた2以上のアイデアとを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、アイデア取得部135が取得した2以上のアイデアとアイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデアとに基づいて選択された1以上のアイデアを取得する。
【0099】
アイデア選択部137は、例えば、アイデア選択フェーズに対応し、司会者に対するフェーズプロンプト雛形とアイデア取得部135が取得した2以上のアイデアとを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを生成AIに与え、アイデア取得部135が取得した2以上のアイデアに基づいて選択された1以上のアイデアを取得する。
【0100】
解析部138は、アイデア受付部122が受け付けた1以上の各アイデアを解析し、エラーのクラスを取得する。なお、エラーの2以上のクラスは、通常、「正常」を含む。
【0101】
解析部138は、アイデア解析プロンプト雛形の変数にアイデア受付部122が受け付けた1以上の各アイデアを代入し、アイデア解析プロンプトを構成し、当該アイデア解析プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから、アイデアが正常であるか、エラーであるかの回答を取得しても良い。
【0102】
解析部138は、例えば、アイデア受付部122が受け付けた1以上の各アイデアである文字列を自然言語処理し、「アイデア」に該当するか否かを判断し、クラスを取得しても良い。なお、文字列をクラス分けする技術は公知技術である。
【0103】
スコア取得部139は、アイデア取得部135またはアイデア選択部137が取得した2以上のアイデアに対して自然言語処理を行い、アイデアの多様性に関するスコアを取得する。スコア取得部139は、例えば、2以上のアイデアの文字列を用いて、2以上のアイデアの多様性に関するスコアであるRemote-Clique(RC値)、またはChamfer Distance(CD値)を取得する。RC値、CD値を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0104】
スコア取得部139は、アイデア取得部135またはアイデア選択部137が取得した1または2以上の各アイデアのスコアを取得しても良い。スコア取得部139は、例えば、アイデアに対応する1以上の批評であり、アイデア批評部136が取得した1以上の批評を用いて、当該アイデアのスコアを取得することは好適である。スコア取得部139が、どのように各アイデアの1以上の批評を用いて、各アイデアのスコアを取得するかは問わない。
【0105】
例えば、スコア取得部139は、2以上のアイデアの順位付けを回答させるための順位付けプロンプト雛形の変数に、2以上の各評価観点ごとに、2以上のアイデアと評価観点に対する1以上の批評を代入し、順位付けプロンプトを構成し、当該順位付けプロンプトを生成AIに与え、生成AIから、2以上の各評価観点ごとの2以上の各アイデアの順位を得る。次に、スコア取得部139は、2以上の各アイデアについて、2以上の各評価観点ごとの順位が高いほど、高いスコアを取得する。なお、例えば、スコア取得部139は、2以上の各アイデアについて、2以上の各評価観点ごとのスコアを取得し、当該2以上の各スコアをパラメータとする増加関数(例えば、和、平均値、中央値等)により、スコアを算出する。なお、スコア取得部139は、アイデアに対する2以上の各評価観点ごとのスコアは、例えば、評価観点の順位をパラメータとする減少関数により算出される。減少関数は、例えば、「評価観点毎のスコア=(100*(アイデア数-順位))/(評価観点数×(アイデア数-1))」である。
【0106】
また、スコア取得部139は、例えば、アイデアに対応する批評の数が多いほど、低いスコアを取得する。スコア取得部139は、例えば、アイデアに対応する批評の数をパラメータとする減少関数により、スコアを算出する。
【0107】
なお、スコア取得部139が2以上の各スコアを取得した場合、アイデア選択部137は、当該スコアを用いて、2以上のアイデアに、スコアに基づく順位を対応付けても良い(順位付けを行っても良い)。アイデア選択部137は、スコアが高いアイデアほど、高い順位とする。
【0108】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、生成AIから渡された回答の全部または一部、または1または2以上のアイデアである。
【0109】
出力部14は、カレント識別子で識別されるカレントを把握できる態様で、生成AIから渡された回答の全部または一部を出力することは好適である。
【0110】
ここで、出力とは、通常、端末装置2への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0111】
回答出力部141は、生成AIから渡された回答の全部または一部を出力する。生成AIから渡された回答の中には、アイデアが含まれていても良い。
【0112】
アイデア出力部142は、アイデア選択部137が取得した1以上のアイデアを出力する。アイデア出力部142は、アイデア選択部137が順位付けした2以上のアイデアを、順位が分かる態様で出力することは好適である。
【0113】
スコア出力部143は、スコア取得部139が取得したスコアを出力する。
【0114】
エラー出力部144は、解析部138が検討条件を満たさないと判断した場合に、エラーメッセージを出力する。エラー出力部144は、エラーのクラスを含むエラーメッセージを出力することは好適である。
【0115】
端末装置2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、ユーザ識別子である。ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。
【0116】
端末受付部22は、各種の情報や指示等を受け付ける。各種の情報や指示等とは、例えば、1以上のアイデア、1以上のアイデア属性値である。各種の情報や指示等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやマイクやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0117】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0118】
端末送信部24は、各種の情報や指示等を創出支援装置1に送信する。各種の情報や指示等は、例えば、1以上のアイデア、1以上のアイデア属性値である。
【0119】
端末受信部25は、各種の情報を受信する。各種の情報は、例えば、回答、アイデア、スコア、エラーメッセージである。
【0120】
端末出力部26は、種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、回答、アイデア、スコア、エラーメッセージである。
【0121】
格納部11、遷移管理部111、プロンプト管理部112、属性値格納部113、カレント管理部114、および端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0122】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0123】
受付部12、属性値受付部121、およびアイデア受付部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0124】
処理部13、エージェント決定部130、人物設定部131、制御部132、司会判断部133、観点取得部134、アイデア取得部135、アイデア批評部136、アイデア選択部137、解析部138、スコア取得部139、および端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0125】
出力部14、回答出力部141、アイデア出力部142、スコア出力部143、およびエラー出力部144は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現されても良い。
【0126】
端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0127】
端末送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0128】
端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0129】
端末出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0130】
次に、創出支援装置1の動作例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0131】
(ステップS401)属性値受付部121は、開始指示を受け付けたか否かを判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS402に行き、受け付けなかった場合はステップS401に戻る。
【0132】
(ステップS402)処理部13は、前処理を行う。前処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0133】
(ステップS403)観点取得部134は、観点を取得するか否かを判断する。観点を取得する場合はステップS404に行き、取得しない場合はステップS405に行く。
【0134】
(ステップS404)観点取得部134は、観点を取得する。かかる観点取得処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0135】
(ステップS405)アイデア取得部135は、アイデア取得処理を行う。アイデア取得処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0136】
(ステップS406)制御部132は、アイデア出しフェーズから次のフェーズに移るための遷移条件を遷移管理部111から取得する。制御部132は、当該遷移条件を満たすか否かを判断する。遷移条件を満たす場合はステップS407に行き、遷移条件を満たさない場合はステップS405に戻る。
【0137】
(ステップS407)制御部132は、遷移管理部111を参照し、次のフェーズがアイデア批評フェーズであるか否かを判断する。アイデア批評フェーズであればステップS408に行き、アイデア批評フェーズでなければステップS410に行く。なお、ここで、制御部132は、次のフェーズのフェーズ識別子をカレント管理部114に蓄積する。
【0138】
(ステップS408)アイデア批評部136は、アイデアの批評を取得する。かかるアイデア批評処理の例について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0139】
(ステップS409)制御部132は、アイデア批評フェーズから、次のフェーズに移るための遷移条件を遷移管理部111から取得し、当該遷移条件を満たすか否かを判断する。遷移条件を満たす場合はステップS410に行き、遷移条件を満たさない場合はステップS408に戻る。
【0140】
(ステップS410)アイデア選択部137は、アイデア選択処理を行う。アイデア選択処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明する。なお、ここで、制御部132は、次のフェーズのフェーズ識別子「アイデア選択」をカレント管理部114に蓄積する。
【0141】
(ステップS411)アイデア出力部142は、ステップS410で取得された1または2以上のアイデアを出力する。ステップS401に戻る。なお、アイデア出力部142は、例えば、1または2以上のアイデアを端末装置2に送信する。
【0142】
(ステップS412)スコア取得部139は、ステップS410で取得された1または2以上のアイデアに基づいてスコアを取得する。
【0143】
(ステップS413)スコア出力部143は、ステップS412で取得されたスコアを出力する。ステップS401に戻る。
【0144】
なお、図4のフローチャートにおいて、回答出力部141は、生成AIから取得された回答の全部または一部を出力しても良い。
【0145】
また、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0146】
次に、ステップS402の前処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0147】
(ステップS501)処理部13は、開始指示が有するテーマ等を取得する。テーマ等は、例えば、テーマと1以上のエージェント情報、またはテーマである。テーマ等は、例えば、1または2以上のアイデア観点、1または2以上の評価観点を含む。
【0148】
(ステップS502)処理部13は、開始指示が有する1または2以上のアイデア観点を取得する。なお、ここで、処理部13は、アイデア観点を取得しなくても良い。
【0149】
(ステップS503)処理部13は、開始指示が有する1または2以上の評価観点を取得する。なお、ここで、処理部13は、評価観点を取得しなくても良い。
【0150】
(ステップS504)エージェント決定部130は、ステップS501で取得された情報の中にエージェント情報が存在するか否かを判断する。エージェント情報が存在する場合はステップS505に行き、存在しない場合はステップS506に行く。
【0151】
(ステップS505)エージェント決定部130は、ステップS501で取得された情報の中の1以上のエージェント情報を取得する。ステップS507に行く。
【0152】
(ステップS506)エージェント決定部130は、エージェント決定処理を行う。エージェント決定処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0153】
(ステップS507)人物設定部131は、人物設定処理を行う。上位処理にリターンする。人物設定処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0154】
なお、図5のフローチャートにおいて、開始指示がエージェント情報を有さない場合に、エージェント決定部130は、エージェント決定処理によりエージェント情報を取得した。しかし、図5のフローチャートにおいて、開始指示に含まれるエージェント情報の数が閾値以下または閾値未満である場合に、エージェント決定部130は、エージェント決定処理によりエージェント情報を取得しても良い。
【0155】
次に、ステップS506のエージェント決定処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0156】
(ステップS601)エージェント決定部130は、エージェント決定プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0157】
(ステップS602)エージェント決定部130は、受け付けられたテーマ等を取得する。
【0158】
(ステップS603)エージェント決定部130は、ステップS601で取得したエージェント決定プロンプト雛形の変数に、ステップS602で取得したテーマ等を代入し、エージェント決定プロンプトを取得する。
【0159】
(ステップS604)エージェント決定部130は、ステップS603で取得したエージェント決定プロンプトを生成AIに渡す。
【0160】
(ステップS605)エージェント決定部130は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS606に行き、回答を取得しなかった場合はステップS605に戻る。
【0161】
(ステップS606)エージェント決定部130は、回答から1または2以上のエージェント情報を取得する。
【0162】
(ステップS607)回答出力部141は、1以上のエージェント情報を出力する。上位処理にリターンする。回答出力部141は、例えば、端末装置2に1以上のエージェント情報を送信する。
【0163】
次に、ステップS507の人物設定処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0164】
(ステップS701)人物設定部131は、設定プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0165】
(ステップS702)人物設定部131は、司会者のエージェント情報を取得する。なお、司会者のエージェント情報は開始指示に含まれていても良いし、格納部11に予め格納されていても良い。
【0166】
(ステップS703)人物設定部131は、ステップS701で取得した設定プロンプト雛形の変数に、ステップS702で取得した司会者のエージェント情報を代入し、司会者の設定プロンプトを取得する。
【0167】
(ステップS704)人物設定部131は、ステップS703で取得した司会者の設定プロンプトを生成AIに与える。
【0168】
(ステップS705)人物設定部131は、カウンタiに1を代入する。
【0169】
(ステップS706)人物設定部131は、取得されているエージェント情報であり、司会者のエージェント情報を除くi番目のエージェント情報が存在するか否かを判断する。i番目のエージェント情報が存在する場合はステップS707に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0170】
(ステップS707)人物設定部131は、i番目のエージェント情報を取得する。
【0171】
(ステップS708)人物設定部131は、設定プロンプト雛形の変数に、i番目のエージェント情報を代入し、i番目のエージェントの設定プロンプトを取得する。
【0172】
(ステップS709)人物設定部131は、ステップS708で取得したi番目のエージェントの設定プロンプトを生成AIに与える。
【0173】
(ステップS710)人物設定部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS706に戻る。
【0174】
次に、ステップS404の観点取得処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0175】
(ステップS801)観点取得部134は、アイデア観点プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0176】
(ステップS802)観点取得部134は、ステップS801で取得したアイデア観点プロンプト雛形に代入するべき情報であるテーマ等を取得する。観点取得部134は、当該テーマ等をアイデア観点プロンプト雛形に代入し、アイデア観点プロンプトを取得する。
【0177】
(ステップS803)観点取得部134は、ステップS802で取得したアイデア観点プロンプトを生成AIに与える.
【0178】
(ステップS804)観点取得部134は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS805に行き、回答を取得しなかった場合はステップS804に戻る。
【0179】
(ステップS805)観点取得部134は、ステップS804で生成AIから取得した回答から1以上のアイデア観点を取得する。
【0180】
(ステップS806)回答出力部141は、ステップS805で取得した1以上のアイデア観点を出力する。回答出力部141は、例えば、端末装置2に1以上のアイデア観点を送信する。
【0181】
(ステップS807)観点取得部134は、評価観点プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0182】
(ステップS808)観点取得部134は、ステップS807で取得した評価観点プロンプト雛形に代入するべき情報であるテーマ等を取得する。観点取得部134は、当該テーマ等を評価観点プロンプト雛形に代入し、評価観点プロンプトを取得する。
【0183】
(ステップS809)観点取得部134は、ステップS808で取得した評価観点プロンプトを生成AIに与える.
【0184】
(ステップS810)観点取得部134は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS811に行き、回答を取得しなかった場合はステップS810に戻る。
【0185】
(ステップS811)観点取得部134は、ステップS810で生成AIから取得した回答から1以上の評価観点を取得する。
【0186】
(ステップS812)回答出力部141は、ステップS811で取得した1以上の評価観点を出力する。回答出力部141は、例えば、端末装置2に1以上の評価観点を送信する。
【0187】
次に、ステップS405のアイデア取得処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0188】
(ステップS901)アイデア取得部135は、アイデア出しプロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0189】
(ステップS902)アイデア取得部135は、カウンタiに1を代入する。
【0190】
(ステップS903)アイデア取得部135は、司会者を除くi番目のエージェントが存在するか否かを判断する。i番目のエージェントが存在する場合はステップS904に行き、i番目のエージェントが存在しない場合はステップS911に行く。なお、i番目のエージェントが存在するか否かは、i番目のエージェント情報が存在するか否かである。
【0191】
(ステップS904)アイデア取得部135は、i番目のエージェント情報を取得する。
【0192】
(ステップS905)アイデア取得部135は、アイデア出しプロンプト雛形の変数にi番目のエージェント情報の一部または全部を代入し、i番目のエージェントに対するアイデア出しプロンプトを取得する。
【0193】
(ステップS906)アイデア取得部135は、ステップS905で取得したアイデア出しプロンプトを生成AIに与える。
【0194】
(ステップS907)アイデア取得部135は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS908に行き、回答を取得しなかった場合はステップS907に戻る。
【0195】
(ステップS908)アイデア取得部135は、ステップS907で取得した回答から1または2以上のアイデアを取得する。
【0196】
(ステップS909)アイデア出力部142は、ステップS908で取得した1または2以上のアイデアを出力する。アイデア出力部142は、例えば、1以上のアイデアを端末装置2に送信する。
【0197】
(ステップS910)アイデア取得部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS903に戻る。
【0198】
(ステップS911)アイデア取得部135は、人からのアイデアの入力を受け付けるか否かを判断する。人からのアイデアの入力を受け付ける場合はステップS912に行き、受け付けない場合は上位処理にリターンする。
【0199】
(ステップS912)アイデア取得部135は、カウンタiに1を代入する。
【0200】
(ステップS913)アイデア取得部135は、アイデアを入力するi番目の人が存在するか否かを判断する。i番目の人が存在する場合はステップS914に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0201】
(ステップS914)アイデア取得部135は、人から1以上のアイデアを受け付けたか否かを判断する。アイデアを受け付けた場合はステップS915に行き、受け付けなかった場合はステップS914に戻る。なお、ここで、タイムアウトの場合、S919に行っても良い。また、人からのアイデアの受け付けは、例えば、端末装置2からのアイデアの受信である。
【0202】
(ステップS915)解析部138は、ステップS914で受け付けられた1以上のアイデアを解析する。かかるアイデア解析処理の例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0203】
(ステップS916)アイデア取得部135は、ステップS915における解析結果が「エラー」であったか否かを判断する。「エラー」である場合はステップS918に行き、「エラー」でない場合はステップS917に行く。
【0204】
(ステップS917)アイデア取得部135は、ステップS914で受け付けられた1以上のアイデアを取得する。
【0205】
(ステップS918)エラー出力部144は、エラーメッセージを出力する。エラー出力部144は、例えば、1以上のアイデアを送信した端末装置2にエラーメッセージを送信する。
【0206】
(ステップS919)アイデア取得部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS913に戻る。
【0207】
次に、ステップS915のアイデア解析処理の例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0208】
(ステップS1001)解析部138は、アイデア解析プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0209】
(ステップS1002)解析部138は、カウンタiに1を代入する。
【0210】
(ステップS1003)解析部138は、i番目のアイデアが存在するか否かを判断する。i番目のアイデアが存在する場合はステップS1004に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0211】
(ステップS1004)解析部138は、i番目のアイデアを取得する。
【0212】
(ステップS1005)解析部138は、ステップS1001で取得したアイデア解析プロンプト雛形にi番目のアイデアを代入し、アイデア解析プロンプトを取得する。
【0213】
(ステップS1006)解析部138は、ステップS1005で取得したアイデア解析プロンプトを生成AIに渡す。
【0214】
(ステップS1007)解析部138は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS1008に行き、回答を取得しなかった場合はステップS1007に戻る。
【0215】
(ステップS1008)解析部138は、ステップS1007で取得した回答から解析結果(例えば、「正常」または「エラー」)を取得し、i番目のアイデアに対応付ける。
【0216】
(ステップS1009)解析部138は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1003に戻る。
【0217】
次に、ステップS408のアイデア批評処理の例について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0218】
(ステップS1101)アイデア批評部136は、アイデア批評プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0219】
(ステップS1102)アイデア批評部136は、カウンタiに1を代入する。
【0220】
(ステップS1103)アイデア批評部136は、批評対象のi番目のアイデアが存在するか否かを判断する。i番目のアイデアが存在する場合はステップS1104に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0221】
(ステップS1104)アイデア批評部136は、カウンタjに1を代入する。
【0222】
(ステップS1105)アイデア批評部136は、j番目のエージェントが存在するか否かを判断する。j番目のエージェントが存在する場合はステップS1106に行き、存在しない場合はステップS1113に行く。
【0223】
(ステップS1106)アイデア批評部136は、j番目のエージェント情報を取得する。
【0224】
(ステップS1107)アイデア批評部136は、ステップS1101で取得したアイデア批評プロンプト雛形にi番目のアイデアとj番目のエージェント情報の一部または全部を代入し、アイデア批評プロンプトを取得する。
【0225】
(ステップS1108)アイデア批評部136は、ステップS1107で取得したアイデア批評プロンプトを生成AIに渡す。
【0226】
(ステップS1109)アイデア批評部136は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS1110に行き、取得しなかった場合はステップS1109に戻る。
【0227】
(ステップS1110)アイデア批評部136は、ステップS1109で取得した生成AIからの回答から1以上の批評を取得する。
【0228】
(ステップS1111)回答出力部141は、i番目のアイデアに対応付けて、ステップS1110で取得した1以上の批評を出力する。
【0229】
(ステップS1112)アイデア批評部136は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1105に戻る。
【0230】
(ステップS1113)アイデア批評部136は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1103に戻る。
【0231】
次に、ステップS410のアイデア選択処理の例について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0232】
(ステップS1201)アイデア選択部137は、アイデア選択プロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0233】
(ステップS1202)アイデア選択部137は、アイデア取得部135が取得したアイデア、またはアイデア取得部135が取得したアイデアとアイデア受付部122が受け付けたアイデアを取得する。アイデア選択部137は、アイデア批評部136が取得した1以上の批評を取得することは好適である。
【0234】
(ステップS1203)アイデア選択部137は、ステップS1201で取得したアイデア選択プロンプト雛形に、2以上のアイデア、または2以上のアイデアと1以上の批評とを代入し、アイデア選択プロンプトを取得する。
【0235】
(ステップS1204)アイデア選択部137は、ステップS1203で取得したアイデア選択プロンプトを生成AIに渡す。
【0236】
(ステップS1205)アイデア選択部137は、生成AIから回答を取得したか否かを判断する。回答を取得した場合はステップS1206に行き、回答を取得しなかった場合はステップS1205に戻る。
【0237】
(ステップS1206)アイデア選択部137は、ステップS1205で取得した回答から1以上のアイデアを取得する。上位処理にリターンする。なお、ここで、アイデア選択部137は、順位付けられた2以上のアイデアを取得することは好適である。
【0238】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作例について説明する。
【0239】
今、創出支援装置1の遷移管理部111には、図13に示す遷移管理表が格納されている。遷移管理表とは、アイデアの創出のためのフェーズの遷移を管理する表である。遷移管理表は、「ID」「フェーズ識別子」「遷移条件」「次フェーズ識別子」を有する2以上のレコードを管理する。「ID」は、レコードを識別する情報である。「遷移条件」「次フェーズ識別子」の組により、「フェーズ識別子」で識別されるカレントのフェーズにおいて、遷移条件に合致した場合に次フェーズ識別子が示す次のフェーズに移行することを示す。
【0240】
図13において、開始指示に含まれるアイデア観点数と評価観点数とが「ID=1」の遷移条件を満たした場合、「アイデア観点・評価観点検討」フェーズはスキップされる。
【0241】
図13の「ID=2」のレコードにおいて、一のフェーズ識別子である「アイデア出し」に対して2つの「遷移条件」「次フェーズ識別子」の組が対応付く。つまり、「ID=2」のレコードは、フェーズ「アイデア出し」から、合致する遷移条件に応じて、異なる次フェーズに移行することを示す。「ID=2」のレコードは、フェーズの遷移において、分岐し得ることを示す。
【0242】
また、プロンプト管理部112には、図14に示すプロンプト管理表が格納されている。プロンプト管理表とは、プロンプト雛形を管理する表である。プロンプト管理表は、「プロンプト雛形識別子」「プロンプト雛形」を有するレコードを多数、管理する。「プロンプト雛形識別子」は、各々、フェーズ識別子に対応付いていても良い。「アイデア観点プロンプト雛形」「評価観点プロンプト雛形」は、フェーズ識別子「アイデア観点・評価検討」に対応付く。「アイデア出しプロンプト雛形」は、フェーズ識別子「アイデア出し」に対応付く。「アイデア批評プロンプト雛形」は、フェーズ識別子「アイデア批評」に対応付く。「アイデア選択プロンプト雛形」は、フェーズ識別子「アイデア選択」に対応付く。「アイデア出しプロンプト雛形」は、変数<アイデア観点>と変数<評価観点>とを有するが、変数<評価観点>は有さなくても良い。「アイデア批評プロンプト雛形」は、変数<評価観点>を有しても良い。かかる場合の「アイデア批評プロンプト雛形」は、例えば、「あなたは<名前>です。 <テーマ>に関して、アイデア「<アイデア>」の課題や問題点を、以下のアイデアの評価観点を考慮して、挙げてください。 [評価観点]<評価観点>」である。
【0243】
以上の状況において、ユーザUは、「AIとカメラを利用したソリューション」についてのアイデアを生成AIの2以上のエージェントと一緒に創出したいと考え、「<テーマ>AIとカメラを利用したソリューション <エージェント><名前>Aさん <エージェント名>AIエンジニア <役割>AI関連技術を活用して、アイデアやプロダクトのAI利用を推進し、問題解決能力を高めることです。<ペルソナ>[’機械学習、ディープラーニング、自然言語処理などのAI技術に関する深い知識と経験を持つ’,’データセットの前処理、モデルの訓練と評価、AIソリューションのデプロイメントに熟練している’,’AIの倫理的側面と社会的影響を考慮した開発に取り組む意識がある’]</エージェント>」を含む開始指示を端末装置2に入力した、とする。
【0244】
次に、端末装置2は当該開始指示を受け付け、当該開始指示を創出支援装置1に送信する。
【0245】
次に、創出支援装置1の受付部12は、当該開始指示を受信する。次に、処理部13は、以下のように前処理を行う。
【0246】
つまり、処理部13は、開始指示が有するテーマ「AIとカメラを利用したソリューション」を取得する。また、処理部13は、開始指示からアイデア観点や評価観点を取得しようとするが、取得できない。次に、エージェント決定部130は、エージェント決定プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。エージェント決定部130は、開始指示から、当該テーマと「<エージェント><名前>Aさん <エージェント名>AIエンジニア・・・</エージェント>」とを取得する。そして、エージェント決定部130は、エージェント決定プロンプト雛形の変数<テーマ>に「AIとカメラを利用したソリューション」を代入し、変数<ユーザ指定エージェント>に<エージェント名>の「AIエンジニア」を代入し、エージェント決定プロンプトを取得する。次に、エージェント決定部130は、当該エージェント決定プロンプトを生成AIに渡す。次に、エージェント決定部130は、生成AIから回答を取得し、当該回答から1以上のエージェント情報を取得する。ここで、エージェント決定部130は、「データサイエンティスト」および「営業」のエージェント情報を取得した、とする(図15参照)。つまり、エージェント決定部130は、ユーザUから与えられた「AIエンジニア」と、生成AIからの回答である「データサイエンティスト」および「営業」のエージェント情報を取得したことになる。
【0247】
次に、人物設定部131は、以下のように、図7のフローチャートを用いて説明した処理に従って、人物設定処理を行う。つまり、人物設定部131は、設定プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。人物設定部131は、ユーザUに入力されたエージェント情報およびエージェント決定部130が取得したエージェント情報の各々から、<名前><エージェント名><役割><ペルソナ>を設定プロンプト雛形に代入し、人物ごとに設定プロンプトを取得し、生成AIに設定プロンプトを渡す。その結果、AIエンジニア、データサイエンス、営業の人物設定ができた。また、人物設定部131は、格納部11の司会のエージェント情報を取得し、同様の処理を行い、司会の人物設定を行う。以上により、前処理が完了する。
【0248】
次に、観点取得部134は、開始指示にアイデア観点、および評価観点が含まれないため、アイデア観点取得条件(開始指示に含まれるアイデア観点数<=閾値a)を満たし、かつ評価観点取得条件(開始指示に含まれる評価観点数<=閾値b)を満たす、と判断する。そして、観点取得部134は、アイデア観点プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。観点取得部134は、アイデア観点プロンプト雛形に代入する<テーマ>と<入力アイデア観点>とを取得する。なお、ここで<入力アイデア観点>は取得されない。観点取得部134は、当該テーマをアイデア観点プロンプト雛形に代入し、アイデア観点プロンプトを取得する。)観点取得部134は、当該アイデア観点プロンプトを生成AIに与える.そして、観点取得部134は、例えば、アイデア観点である「参入市場」「技術の革新性」を得た、とする。
【0249】
また、観点取得部134は、評価観点プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。観点取得部134は、評価観点プロンプト雛形に代入する<テーマ>と<入力評価観点>とを取得する。なお、ここで<入力評価観点>は取得されない。観点取得部134は、当該テーマを評価観点プロンプト雛形に代入し、評価観点プロンプトを取得する。)観点取得部134は、当該評価観点プロンプトを生成AIに与える.そして、観点取得部134は、例えば、評価観点である「技術的実現可能性」「利用者の利便性」「市場のニーズ」を得た、とする。
【0250】
次に、アイデア取得部135は、以下のように、図9のフローチャートを用いて説明したアイデア取得処理を行う。つまり、アイデア取得部135は、アイデア出しプロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。また、アイデア取得部135は、取得されているエージェント情報であり、司会者以外のエージェント情報が有する名前「Aさん、Sさん、Xさん」を取得する。また、アイデア取得部135は、テーマ「AIとカメラを利用したソリューション」を取得する。また、アイデア取得部135は、取得されているアイデア観点「参入市場」「技術の革新性」、および評価観点「技術的実現可能性」「利用者の利便性」「市場のニーズ」を取得する。次に、アイデア取得部135は、アイデア出しプロンプト雛形の各変数に「名前」「テーマ」「アイデア観点」「評価観点」を、3つの各名前ごとに代入し、3つのアイデア出しプロンプトを取得する。そして、アイデア取得部135は、3つの各アイデア出しプロンプトを生成AIに与え、生成AIから回答を取得する。次に、アイデア取得部135は、3つの各回答からアイデアを取得する。その結果、アイデア取得部135は、「スマートアシスト眼鏡」「AI駆動型トラフィックモニタリングシステム」「パーソナライズされたリテールエクスペリエンスシステム」を取得した、とする。
【0251】
次に、出力部14は、プロンプト、および回答から得られたアイデア等を、順次、端末装置2に送信する。
【0252】
次に、端末装置2は、創出支援装置1から送信されたプロンプトや回答等を受信し、出力する。かかる出力例は、図16である。
【0253】
なお、創出支援装置1のカレント管理部114には、フェーズ識別子「アイデア出し」が格納されている。つまり、アイデアを創出する流れの中で、カレントのフェーズが「アイデア出し」である。そして、図16の1601に示すように、出力部14は、カレント識別子で識別されるカレント「アイデア出し」を把握できる態様で、生成AIから渡された回答(アイデア等)を送信している。
【0254】
次に、アイデア取得部135は、アイデアを入力する1番目の人が存在する、と判断する。そして、出力部14は、ユーザUの端末装置2に、アイデアを入力することを促す画面情報を送信する。
【0255】
次に、ユーザUの端末装置2は、当該画面情報を受信し、出力する。かかる出力例は、図17である。そして、ユーザUは、アイデアを入力するフィールド1701にアイデア「顧客推定スマートレジシステム」等を代入し、送信ボタン1702を押下した、とする。
【0256】
次に、アイデア取得部135は、端末装置2からアイデア「顧客推定スマートレジシステム」等を受信する。次に、解析部138は、ユーザから受け付けられた1以上のアイデアを解析し、「正常」であると判断した、とする。その結果、アイデア取得部135は、受け付けられたアイデア「顧客推定スマートレジシステム」等を取得する。
【0257】
次に、制御部132は、アイデア出しフェーズから、次のフェーズに移るための2つの遷移条件を遷移管理表から取得する。そして、制御部132は、遷移条件のパラメータであるアイデア数「4」を取得する。また、制御部132は、「人のアイデアあり」を取得する。次に、制御部132は、2つの遷移条件のいずれも満たさないと判断する。
【0258】
そして、アイデア取得部135は、司会者が、Aさん、Sさん、Xさんの各々に依頼するアイデア出しプロンプトを取得し、各プロンプトを生成AIに渡し、回答を取得した、とする。次に、アイデア取得部135は、3つの各回答から、それぞれアイデア「スマートセキュリティ監視システム」「AI駆動型リアルタイム交通最適化システム」「AI駆動型パーソナルショッピングアシスタント」を取得した、とする。
【0259】
また、出力部14は、生成AIに与えたプロンプトと回答から得られたアイデアを端末装置2に送信する。
【0260】
次に、端末装置2は、生成AIに与えたプロンプトを受信し、出力する。また、端末装置2は、アイデアを受信し、出力する。
【0261】
次に、制御部132は、アイデア出しフェーズから、次のフェーズに移るための2つの遷移条件を遷移管理表(図14)から取得し、取得しているアイデア数「7」は、遷移条件「アイデア数>=x」を満たすと判断した、とする。つまり、「x」は7以下の自然数である。
【0262】
次に、制御部132は、遷移管理表を参照し、遷移条件「アイデア数>=x」と対になる次フェーズ識別子「アイデア批評」を取得する。
【0263】
そして、制御部132は、カレント管理部114のカレントを「アイデア批評」に更新する。
【0264】
次に、アイデア批評部136は、図11のフローチャートを用いて説明したアイデア批評処理を行う。つまり、アイデア批評部136は、アイデア批評プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。また、アイデア批評部136は、各エージェント情報が有する名前「Aさん、Sさん、Xさん」を取得する。また、アイデア批評部136は、テーマ「AIとカメラを利用したソリューション」を取得する。また、アイデア批評部136は、取得されている7つのアイデアを取得する。アイデア批評部136は、アイデア批評プロンプト雛形に、各アイデアごと、および各エージェントの名前ごとに、「名前」「テーマ」および「アイデア」を代入し、アイデア批評プロンプトを取得する。アイデア批評部136は、例えば、アイデア批評プロンプト「あなたはAさんです。「AIとカメラを利用したソリューション」に関して、アイデア「スマートアシスト眼鏡」の課題や問題点を挙げてください。」を取得する。次に、アイデア批評部136は、各アイデア批評プロンプトを生成AIに渡す。出力部14は、生成AIに与えたプロンプトを端末装置2に送信する。また、アイデア批評部136は、生成AIから回答を取得する。アイデア批評部136は、生成AIからの回答から1以上の批評を取得する。出力部14は、取得した1以上の批評を端末装置2に送信する。出力部14は、カレント識別子で識別されるカレントを把握できる態様で、生成AIから渡された1以上の批評を送信する。
【0265】
端末装置2は、アイデア批評プロンプトを受信し、出力する。また、端末装置2は、各アイデアごと、および各エージェントの名前ごとに、1以上の批評を受信し、出力する。かかる出力例は、図18である。図18の1801は、アイデア「スマートアシスト眼鏡」に対する「Aさん」の批評である。また、図18において、カレントは「アイデア批評」であることが明示されている(1802)。
【0266】
アイデア批評フェーズにおいて、アイデアごと、エージェントごとに、上記の動作を繰り返す。
【0267】
次に、制御部132は、アイデア批評フェーズから、次のフェーズに移るための遷移条件「批評数>=x」を遷移管理表(図13)から取得し、当該遷移条件を満たすと判断する。なお、制御部132は、取得された批評の数「21」を取得し、「批評数>=x」を満たす、と判断した、とする。
【0268】
次に、アイデア選択部137は、図12のフローチャートを用いて説明したアイデア選択処理を行う。つまり、アイデア選択部137は、アイデア選択プロンプト雛形をプロンプト管理表(図14)から取得する。アイデア選択部137は、アイデア取得部135が取得したアイデアとアイデア受付部122が受け付けたアイデアをすべて取得する。かかるアイデアの集合は、ここでは、「スマートアシスト眼鏡」「AI駆動型トラフィックモニタリングシステム」「パーソナライズされたリテールエクスペリエンスシステム」「顧客推定スマートレジシステム」「スマートセキュリティ監視システム」「AI駆動型リアルタイム交通最適化システム」「AI駆動型パーソナルショッピングアシスタント」の7つである。また、アイデア選択部137は、取得された21の批評を取得する。次に、アイデア選択部137は、アイデア選択プロンプト雛形の変数<アイデア集合>に7つのアイデアを代入し、変数<既出批評>に取得された21の批評を代入し、アイデア選択プロンプトを取得する。次に、アイデア選択部137は、アイデア選択プロンプトを生成AIに渡す。そして、アイデア選択部137は、生成AIから回答を取得する。次に、アイデア選択部137は、回答から1以上のアイデアを取得する。ここでは、アイデア選択部137は、回答から順位付けされた7つのアイデアを取得する。
【0269】
出力部14は、アイデア選択プロンプトを端末装置2に送信する。また、アイデア出力部142は、アイデア選択部137が取得した7つの順位付きのアイデアの情報を端末装置2に送信する。
【0270】
端末装置2は、アイデア選択プロンプトを受信し、出力する。また、端末装置2は、7つの順位付きのアイデアの情報を受信し、出力する。かかる出力例は、図19である。図19において、アイデア選択プロンプトは1901であり、7つの順位付きのアイデアの情報は1902である。また、図19において、カレントは「アイデア選択」であることが明示されている(1903)。
【0271】
以上、本実施の形態によれば、生成AIを用いて適切なアイデアを創出することを支援できる。
【0272】
また、本実施の形態によれば、人と生成AIとの協調により、適切なアイデアを創出することを支援できる。
【0273】
また、本実施の形態によれば、不適切な人の入力を排除できる。また、本実施の形態によれば、不適切な人の入力があった場合に、当該人に不適切な入力であることを知らせることができる。
【0274】
また、本実施の形態によれば、司会者エージェントにより、生成AIを用いてより適切なアイデアを創出することを支援できる。
【0275】
また、本実施の形態によれば、司会者エージェントによる適切なプロンプトを、適切なタイミングで生成AIに与えることができる。
【0276】
さらに、本実施の形態によれば、生成AIを用いて適切なアイデアを創出するための議論の流れを分かりやすく提示できる。
【0277】
なお、本実施の形態において、上述したように、スコア取得部139は、アイデア取得部135またはアイデア選択部137が取得した1または2以上の各アイデアのスコアを取得し、出力部14は、当該各アイデアのスコアを出力しても良い。例えば、テーマが「清涼飲料の新企画アイデア」である場合に、上述した処理により、アイデア取得部135が5つのアイデア「トロピカルココナッツ(インバウンド需要の高まりで伸長が期待できる)」「リフレッシュサディスティック(若年層の栄養不足から需要は高まる見込み)」「爽快グレープフルーツ(高齢化が進行し需要は増加する見通し)」「シークレットオレンジ(eスポーツ人気の高まりから成長が見込まれる)」「アノニマス グレープ(オフィス人口は過去最高だが他社との差別化が課題)」を取得した、とする。次に、アイデア批評部136が、上述した処理により、5つの各アイデアごと、および評価観点ごとに、1以上の批評を取得する。次に、スコア取得部139は、上述した処理により、5つの各アイデアについて、評価観点ごとの順位付けを行う。ここで、評価観点は「市場規模」、「成長性」、「参入障壁」の3つであった、とする。そして、スコア取得部139は、3つの各観点における5つのアイデアの順位を以下のように取得した。
1.市場規模
1位 リフレッシュサディスティック(若年層の栄養補助飲料市場は約3,000億円と最大)
2位 爽快グレープフルーツ(高齢者向け飲料市場が約800億円と比較的大きい)?
3位 アノニマス グレープ(オフィス向け飲料水市場が1,100億円と中規模)
4位 トロピカルココナッツ(リゾート地向け飲料の具体的な市場規模は不明)
5位 シークレットオレンジ(eスポーツ関連市場は1,430億円と比較的小さい)
2.成長性
1位 トロピカルココナッツ(インバウンド需要の高まりで伸長が期待できる)
2位 リフレッシュサディスティック(若年層の栄養不足から需要は高まる見込み)
3位 爽快グレープフルーツ(高齢化が進行し需要は増加する見通し)
4位 シークレットオレンジ (eスポーツ人気の高まりから成長が見込まれる)
5位 アノニマス グレープ (オフィス人口は過去最高だが他社との差別化が課題)
3.参入障壁?
1位 アノニマス グレープ(同種の無地ペットボトル製品が多数出回っている)
2位 リフレッシュサディスティック(多くのメーカーが既に参入しており差別化が難しい)
3位 トロピカルココナッツ(季節・地域による需要変動で安定供給が課題)
4位 爽快グレープフルーツ(大手メーカーが積極的に参入済みの市場)
5位 シークレットオレンジ(類似製品が存在するものの新規参入の余地もある)
【0278】
次に、スコア取得部139は、上述した演算式「評価観点毎のスコア=(100*(アイデア数-順位))/(評価観点数×(アイデア数-1))」を用いて、各アイデアの各評価観点のスコアを算出する。次に、スコア取得部139は、5つの各スコアごとに、3つの各評価観点のスコアの和を算出し、順位付けした。そして、出力部は、以下の「総評評価」のように5つの各アイデアの順位およびスコア(総合スコア)を出力した。
総合評価
1位 リフレッシュサディスティック 33.3+25.0+25.0=83.3
2位 トロピカルココナッツ 8.3+33.3+16.6=58.2
3位 爽快グレープフルーツ 25.0+16.6+8.3=49.9
4位 アノニマス グレープ 16.6+0.0+33.3=49.9
5位 シークレットオレンジ 0.0+8.3+0.0=8.3
【0279】
なお、各評価観点におけるスコアについて、1位は33.3点、2位は25.0点、3位は16.6点、4位は8.3点、5位は0.0点である。
【0280】
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における 創出支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズとアイデア選択フェーズとを含む2以上の各フェーズにおいて、前記生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、創出するアイデアに関する属性値である1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
前記設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、当該1以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与える人物設定部と、前記アイデア出しフェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIの前記1以上の各エージェントに与え、2以上のアイデアを取得するアイデア取得部と、前記アイデア選択フェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記アイデア取得部が取得した前記2以上のアイデアとを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIに与え、前記アイデア取得部が取得した前記2以上のアイデアに基づいて選択された1以上のアイデアを取得するアイデア選択部と、前記アイデア選択部が取得した前記1以上のアイデアを出力するアイデア出力部として機能させるためのプログラムである。
【0281】
(実施の形態2)
本実施の形態において、議論変更条件に合致した場合に、議論の流れや議論の詳細な内容等を変更するための処理を行う創出支援装置について説明する。なお、議論の流れや議論の詳細な内容等を変更するための処理は、例えば、2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または1以上の各エージェントに、再度、プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理である。
【0282】
本実施の形態において、人が出したアイデアに基づき、人のランクを決定する創出支援装置について説明する。
【0283】
本実施の形態において、エージェントの発言順序を自動決定する創出支援装置について説明する。
【0284】
本実施の形態における情報システムBの概念図は、創出支援装置の符号を除いて、図1と同じである。情報システムBは、創出支援装置4、1または2以上の端末装置2、および1または2以上の生成AI装置3を備える。
【0285】
創出支援装置4は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバであるが、その種類は問わない。なお、創出支援装置4が1または2以上の生成AIを有していても良い。かかる場合、情報システムBは、生成AI装置3を有さなくても良い。
【0286】
創出支援装置4と1または2以上の各端末装置2、および創出支援装置4と1または2以上の生成AI装置3とは、インターネット等のネットワークにより通信可能である。
【0287】
図20は、本実施の形態における情報システムBを構成する創出支援装置4のブロック図である。
【0288】
創出支援装置4は、格納部41、受付部42、処理部43、および出力部44を備える。格納部41は、遷移管理部111、プロンプト管理部412、属性値格納部113、カレント管理部114、および人材管理部411を備える。受付部42は、属性値受付部121、アイデア受付部122、および追加指示受付部421を備える。処理部43は、エージェント決定部130、人物設定部131、発言順序決定部431、制御部132、司会判断部133、観点取得部134、アイデア取得部135、アイデア批評部136、アイデア選択部137、解析部138、スコア取得部139、判断部432、議論変更部433、追加指示部434、評価部435、ランキング部436、および報酬処理部437を備える。出力部44は、回答出力部141、アイデア出力部142、スコア出力部143、エラー出力部144、評価出力部441、およびランク出力部442を備える。
【0289】
創出支援装置4を構成する格納部41には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、遷移情報、各種のプロンプト雛形、アイデア属性値、カレント識別子、後述する人材情報である。
【0290】
人材管理部411には、1または2以上の人材情報が格納される。人材情報とは、アイデアを出す候補者に関する情報である。候補者は、アイデアを出す提案者になり得る人である。候補者や提案者は、単に、人と言っても良い。人材情報は、例えば、1または2以上のテーマ情報と人識別子とを有する。人材情報は、通知先情報、ポイント、ランク、口座情報、電子マネー情報を有しても良い。
【0291】
テーマ情報とは、候補者がアイデアを出すことができるテーマに関する情報である。テーマ情報は、テーマでも良いし、テーマの分野、テーマの特徴を示すキーワード等でも良い。テーマ情報は、テーマに関する情報であれば良い。
【0292】
人識別子とは、人を識別する情報である、人識別子は、例えば、候補者のID、メールアドレス、電話番号、氏名である。
【0293】
通知先情報とは、通知先を特定する情報である。通知先情報は、例えば、候補者のID、メールアドレス、電話番号である。通知先情報は、人識別子と同じでも良い。
【0294】
ポイントとは、人が保有するポイントである。ポイントは、報酬でも良い。ポイントは、今までに与えられた累積のポイントでも良い。
【0295】
ランクとは、人のランクを示す情報である。ランクは、例えば、5段階、または3段階であるが問わない。5段階のランクは、例えば、「1」から「5」のいずれかの自然数で表される。3段階のランクは、例えば、「A」「B」「C」のいずれかである。
【0296】
口座情報とは、人に報酬(例えば、金銭)を支払うための情報である。口座情報は、例えば、銀行口座の情報(例えば、銀行名、口座番号等)である。口座情報は、電子マネー情報を含むと考えても良い。電子マネー情報は、電子マネー(例えば、Paypay(登録商標))のユーザIDを有する。
【0297】
プロンプト管理部412には、設定プロンプト雛形と、フェーズプロンプト雛形とが格納される。ここでのプロンプト管理部412に格納されているフェーズプロンプト雛形は、アイデア出しフェーズに対応するフェーズプロンプト雛形だけでも良い。つまり、本実施の形態において、フェーズはアイデア出しフェーズのみでも良い。
【0298】
プロンプト管理部412には、発言順序決定プロンプト雛形が格納されていても良い。発言順序決定プロンプト雛形とは、2以上の各当事者の発言順序を決定するためのプロンプトを取得するためのプロンプト雛形である。発言順序決定プロンプト雛形は、1または2以上の人と1以上のエージェントを含む2以上のアイデア出しの当事者の発言順序を決定するためのプロンプトを取得するためのプロンプト雛形でも良い。発言順序決定プロンプト雛形は、例えば、1または2以上の変数を有する。変数は、例えば、テーマが代入される変数、2以上の各当事者が代入される変数である。つまり、発言順序決定プロンプトは、テーマおよび2以上の各当事者の情報を有する。なお、当事者とは、アイデア出しを行う者であり、エージェントまたは人である。当事者の情報は、例えば、当事者の役割を示す情報、当事者の属性値(例えば、役職、年齢、性別、所属部署、専門性、得意なこと)を有する。
【0299】
プロンプト管理部412には、プロンプト管理部112と同じプロンプト雛形が格納されていても良い。
【0300】
受付部42は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、1以上のアイデア属性値、1以上のアイデア、開始指示、後述する追加の指示、議論変更指示である。
【0301】
議論変更指示とは、議論の変更の指示である。議論変更指示は、例えば、エージェントの発言順序の変更の指示、新しい情報を生成AIに与える指示、エージェントに、再度、アイデアを出させる指示である。なお、新しい情報は、例えば、新しい観点、テーマに関する詳細な情報である。
【0302】
追加指示受付部421は、追加の指示を受け付ける。追加指示受付部421は、人からの追加の指示を受け付ける。追加の指示は、通常、生成AIに与えるプロンプトを構成する情報である。追加の指示の内容は問わない。追加の指示は、例えば、人が考えた情報であり、出力されるアイデア等により変わり得る情報である。追加の指示は、上述の新しい情報でも良い。
【0303】
ここでは、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
【0304】
処理部43は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、エージェント決定部130、人物設定部131、発言順序決定部431、制御部132、司会判断部133、観点取得部134、アイデア取得部135、アイデア批評部136、アイデア選択部137、解析部138、スコア取得部139、判断部432、議論変更部433、追加指示部434、評価部435、ランキング部436、または報酬処理部437が行う処理である。
【0305】
発言順序決定部431は、2以上の各設定プロンプトに対応するエージェントの発言順序を決定する。発言順序決定部431は、例えば、人と1または2以上のエージェントを含む2以上のアイデア出しの当事者の発言順序を決定しても良い。
【0306】
発言順序決定部431は、例えば、2以上の各エージェントの発言順序を決定するための発言順序決定プロンプト雛形を用いて発言順序決定プロンプトを取得し、発言順序決定プロンプトを生成AIに与え、2以上の各設定プロンプトに対応するエージェントの発言順序を決定する。
【0307】
発言順序決定部431は、順序決定条件を満たす場合のみ、発言順序を決定しても良い。順序決定条件は、例えば、エージェントの数が閾値以上であること、アイデア出しの当事者に人が含まれること、アイデア出しの当事者に人が含まれないことである。
【0308】
判断部432は、議論変更条件に合致するか判断する。議論変更条件は、例えば、アイデアに関する条件、アイデアが受け付けられるまでの時間に関する条件である。アイデアに関する条件は、例えば、アイデア取得部135が取得したアイデアに関する条件、アイデア受付部122が受け付けたアイデアに関する条件である。議論変更条件は、例えば、議論変更指示が受け付けられたことである。
【0309】
判断部432は、例えば、アイデア取得部135が取得したアイデア、アイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデア、アイデア受付部122が人からの1以上のアイデアを受け付けるまでの時間、または受け付けられた指示が議論変更条件に合致するか判断する。なお、議論変更条件に合致する受け付けられた指示は、議論変更指示である。
【0310】
議論変更条件は、例えば、アイデア取得部135が取得したアイデアの総数が閾値以下または閾値未満であること、アイデア受付部122が受け付けたアイデアの検査結果がエラーであること、人からのアイデアの受け付けを開始してから閾値以上または閾値より長い時間、アイデア受付部122がアイデアを受け付けなかったことである。議論変更条件は、例えば、端末装置2から人が入力した議論変更の指示が受け付けられたことである。なお、人が入力する議論変更の指示は、例えば、端末装置2に表示されている画面上のボタンの指示である。ボタンは、例えば、追加指示の入力のためのボタンである。ボタンの指示により、例えば、追加指示の入力のための画面が端末装置2に表示される。
【0311】
議論変更部433は、判断部432が議論変更条件に合致すると判断した場合に、議論を変更するための処理である議論変更処理を行う。議論変更処理は、例えば、発言順序変更処理、追加指示入力処理、アイデア再取得処理、フェーズ変更処理である。
【0312】
発言順序変更処理とは、2以上の当事者の発言順序を変更する処理である。発言順序変更処理は、1または2以上の各当事者(例えば、人)を、アイデア出しを行う当事者から外す処理を含んでも良い。発言順序変更処理は、例えば、エラーとなるアイデアを入力した人を最後の発言者(当事者)に移動すること、エラーとなるアイデアを入力した人を当事者から外すことである。発言順序変更処理は、新たな立場のエージェントを追加するエージェント追加処理でも良い。エージェント追加処理は、例えば、生成AIにエージェント追加プロンプトを与え、新たなエージェントの情報を取得し、当該情報を用いて、上述した人物設定処理を行うことである。なお、エージェント追加プロンプトは、例えば、「さらに良いアイデアを出すために必要なエージェントを紹介してください」である。
【0313】
追加指示入力処理とは、人に追加の指示を入力させるための処理である。追加指示入力処理は、例えば、人に追加の指示を入力させるための画面情報を取得し、当該人の端末装置2に当該画面情報を送信する処理である。
【0314】
アイデア再取得処理とは、1または2以上の各エージェントに、再度、プロンプトを与え、アイデアを取得する処理である。
【0315】
フェーズ変更処理とは、現在のフェーズを、他のフェーズに変更する処理である。フェーズ変更処理は、例えば、カレント識別子を、異なるフェーズ識別子に変更する処理である。フェーズ変更処理は、例えば、特定のフェーズ(例えば、アイデア選択フェーズ、アイデア批評フェーズ)を飛ばす処理である。
【0316】
議論変更部433は、例えば、アイデア出しフェーズに対応するプロンプトを生成AIに与え、再度、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う。アイデア再取得処理は、アイデア取得部135が取得した1以上のアイデア、またはアイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデアを生成AIに与え、かつアイデア出しフェーズに対応するプロンプトを生成AIに与え、再度、アイデアを取得する処理でも良い。
【0317】
追加指示部434は、追加の指示を有するプロンプトを生成AIに渡す。追加の指示を有するプロンプトは、例えば、追加する観点を含むプロンプト、テーマに関するさらなる詳細な情報を含むプロンプトである。
【0318】
評価部435は、アイデア受付部122が提案者から受け付けたアイデアの評価である評価情報を取得する。
【0319】
評価情報とは、アイデアの評価に関する情報である。評価情報は、アイデアの評価を特定する情報である。評価情報は、例えば、評価値、アイデアの良し悪しを示す情報、アイデアのスコアである。つまり、評価部435は、スコア取得部139でも良い。スコア取得部139は、アイデア受付部122が受け付けたアイデアに対するスコアを、上述した処理により取得しても良い。
【0320】
評価部435は、例えば、アイデア受付部122が受け付けたアイデアが、アイデア選択部137により選択された場合に、当該アイデアに対するスコアである評価情報を取得する。
【0321】
評価部435は、例えば、「以下のアイデアを評価し、評価値を回答してください。評価値は、5段階のいずれかで回答してください。レベルが最高の値は「5」です。 [アイデア]<アイデア>」というプロンプト雛形の変数<アイデア>に人(提案者と言っても良い)から受け付けられたアイデアを代入し、プロンプトを構成し、当該プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから評価値である評価情報を取得する。
【0322】
評価部435は、例えば、提案者から受け付けたアイデアから1または2以上のパラメータを取得し、当該1以上のパラメータを用いて、評価値である評価情報を取得する。パラメータは、例えば、アイデアの数、アイデアに含まれる文字数、アイデアに含まれる技術用語の数である。なお、文字列から技術用語を取得する処理は公知技術(例えば“TermExtract”)である。
【0323】
ランキング部436は、アイデア受付部122が受け付けた1以上のアイデアを用いて、人のランクを決定し、人を識別する人識別子と対にしてランクを蓄積する。
【0324】
なお、アイデア受付部122が受け付けたアイデアには、通常、人識別子が対応付いている。そして、ランキング部436は、アイデア受付部122が受け付けた1または2以上のアイデアを用いてランクを決定し、当該アイデアに対応付く人識別子と対にして当該ランクを蓄積する。
【0325】
ランキング部436は、例えば、評価部435が取得した評価情報を用いて、アイデアを出した人のランクを取得する。ランキング部436は、通常、高い評価情報に対応する人に対してほど、高いランクを取得する。
【0326】
報酬処理部437は、提案者に対して報酬を与えるための報酬処理を行う。報酬処理部437は、例えば、提案者に対して与える報酬量を決定し、当該報酬量を提案者に与えるための報酬処理を行う。
【0327】
報酬処理とは、報酬を与えるための処理である。報酬処理は、例えば、提案者を識別する人識別子と対になるポイントを増加させる処理、提案者を識別する人識別子と対になる口座情報を用いて、当該口座情報が特定する銀行口座にお金を振り込む処理、提案者を識別する人識別子と対になる電子マネー情報が有するユーザIDを用いて、当該ユーザに電子マネーを送金する処理である。
【0328】
出力部44は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、生成AIから渡された回答の全部または一部、または1または2以上のアイデア、スコア、エラーメッセージ、評価情報、ランクである。
【0329】
ここで、出力とは、通常、端末装置2への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0330】
評価出力部441は、評価部435が取得した評価情報を出力する。評価出力部441は、例えば、評価情報を人識別子と対にして蓄積する。評価出力部441は、例えば、人識別子に対応する端末装置2に評価情報を送信する。
【0331】
ランク出力部442は、ランキング部436が取得したランクを出力する。ランク出力部442は、例えば、ランクを人識別子と対にして蓄積する。ランク出力部442は、例えば、例えば、人識別子に対応する端末装置2にランクを送信する。
【0332】
格納部41、人材管理部411、およびプロンプト管理部412は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0333】
格納部41等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部41等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部41等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部41等で記憶されるようになってもよい。
【0334】
受付部42、および追加指示受付部421は、無線または有線の通信手段で実現されることが好適であるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0335】
処理部43、発言順序決定部431、判断部432、議論変更部433、追加指示部434、評価部435、ランキング部436、および報酬処理部437は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部43等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0336】
出力部44、評価出力部441、およびランク出力部442は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現されても良い。
【0337】
次に、創出支援装置4の動作例について、図21のフローチャートを用いて説明する。図21のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一のステップについて説明を省略する。また、図21のフローチャートにおいて、ステップS401の開始指示の受け付けは、例えば、アイデア出しの開始時刻になったこと、人からの指示が受け付けられたことである。開始時刻は、例えば、自動または人手により設定された時刻である。
【0338】
(ステップS2101)発言順序決定部431は、エージェントの数、またはアイデア出しの当事者に人が含まれるか否かの情報を取得し、当該情報が順序決定条件を満たすか否かを判断する。順序決定条件を満たす場合はステップS2102に行き、満たさない場合はステップS2103に行く。
【0339】
(ステップS2102)発言順序決定部431は、エージェント等の発言順序を決定する処理を行う。かかる発言順序決定処理の例について、図22のフローチャートを用いて説明する。なお、発言順序
【0340】
(ステップS2103)アイデア取得部135等は、アイデアを取得する。かかるアイデア取得処理の例について、図23のフローチャートを用いて説明する。
【0341】
(ステップS2104)報酬処理部437は、報酬処理を行う。報酬処理の例について、図24のフローチャートを用いて説明する。
【0342】
(ステップS2105)ランキング部436は、ランク取得処理を行う。ランク取得処理の例について、図25のフローチャートを用いて説明する。
【0343】
なお、図21のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0344】
次に、ステップS2102の発言順序決定処理の例について、図22のフローチャートを用いて説明する。
【0345】
(ステップS2201)発言順序決定部431は、発言順序決定プロンプト雛形を格納部41から取得する。
【0346】
(ステップS2202)発言順序決定部431は、カウンタiに1を代入する。
【0347】
(ステップS2203)発言順序決定部431は、i番目のエージェント情報が存在するか否かを判断する。i番目のエージェント情報が存在する場合はステップS2204に行き、存在しない場合はステップS2206に行く。なお、ここでのエージェント情報は、アイデア出しの当事者となるエージェントの情報である。
【0348】
(ステップS2204)発言順序決定部431は、i番目のエージェント情報を取得し、当該エージェント情報を、発言順序決定プロンプト雛形の中のエージェント情報を代入する変数の位置に追記する。
【0349】
(ステップS2205)発言順序決定部431は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2203に戻る。
【0350】
(ステップS2206)発言順序決定部431は、カウンタiに1を代入する。
【0351】
(ステップS2207)発言順序決定部431は、アイデア出しに参加する人の人識別子の中で、i番目の人識別子が存在するか否かを判断する。i番目の人識別子が存在する場合はステップS2208に行き、存在しない場合はステップS2210に行く。
【0352】
(ステップS2208)発言順序決定部431は、i番目の人材情報を人材管理部411から取得し、当該人材情報を、発言順序決定プロンプト雛形の中の人材情報を代入する変数の位置に追記する。
【0353】
(ステップS2209)発言順序決定部431は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2207に戻る。
【0354】
(ステップS2210)発言順序決定部431は、完成された発言順序決定プロンプトを生成AIに与える。
【0355】
(ステップS2211)発言順序決定部431は、発言順序決定プロンプトに対応する回答を生成AIから取得し、当該回答から発言順序情報を取得する。上位処理にリターンする。発言順序情報は、例えば、当事者の情報が発言順に並んだものである。
【0356】
次に、ステップS2103のアイデア取得処理の例について、図23のフローチャートを用いて説明する。
【0357】
(ステップS2301)アイデア取得部135は、アイデア出しプロンプト雛形をプロンプト管理部112から取得する。
【0358】
(ステップS2302)アイデア取得部135は、カウンタiに1を代入する。
【0359】
(ステップS2303)アイデア取得部135は、発言順序情報を参照し、司会者を除くi番目の当事者が存在するか否かを判断する。i番目の当事者が存在する場合はステップS904に行き、i番目の当事者が存在しない場合はステップS911に行く。なお、i番目の当事者が存在するか否かは、エージェント情報と人識別子の中で、i番目の情報が存在するか否かにより決定される。
【0360】
(ステップS2304)アイデア取得部135は、i番目の当事者がエージェントであるか人であるかを判断する。i番目の当事者がエージェントであればステップS2305に行き、人であればステップS2309に行く。
【0361】
(ステップS2305)アイデア取得部135等は、エージェントアイデア処理を行う。エージェントアイデア処理とは、エージェントが出すアイデアに関する処理である。エージェントアイデア処理の例について、図26のフローチャートを用いて説明する。
【0362】
(ステップS2306)判断部432は、ステップS2305で取得された1または2以上のアイデアが議論変更条件を満たすか否かを判断する。議論変更条件を満たす場合はステップS2307に行き、議論変更条件を満たさない場合はステップS2312に行く。
【0363】
(ステップS2307)追加指示受付部421は、人からの追加の指示を受け付ける。なお、追加指示受付部421は、通常、人が使用する端末装置2に、追加の指示を入力させるための画面を出力し、当該画面に入力された追加の指示を受け付ける。
【0364】
(ステップS2308)議論変更部433は、追加の指示を生成AIに与える。ステップS2305に戻る。
【0365】
(ステップS2309)アイデア取得部135等は、人アイデア処理を行う。人アイデア処理とは、人が出すアイデアに関する処理である。人アイデア処理の例について、図27のフローチャートを用いて説明する。
【0366】
(ステップS2310)判断部432は、ステップS2309で取得された1または2以上のアイデアが議論変更条件を満たすか否かを判断する。議論変更条件を満たす場合はステップS2311に行き、議論変更条件を満たさない場合はステップS2312に行く。
【0367】
(ステップS2311)議論変更部433は、発言順序を変更する。なお、発言順序の変更は、人またはエージェントに発言をさせないようにすることを含む。発言順序の変更は、例えば、ステップS2309で受け付けられたアイデアと対になる人識別子(アイデアを出した人の識別子)を発言順序情報の最下位にすること、ステップS2309で受け付けられたアイデアと対になる人識別子を発言順序情報から削除することである。人識別子を発言順序情報から削除することは、当該人を当事者から除くことである。
【0368】
(ステップS2312)アイデア取得部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2303に戻る。
【0369】
(ステップS2313)判断部432は、今までに取得された1または2以上のアイデアが議論変更条件を満たすか否かを判断する。議論変更条件を満たす場合はステップS2314に行き、議論変更条件を満たさない場合は上位処理にリターンする。なお、ここでの議論変更条件は、例えば、アイデアの総数が閾値以下または閾値未満であることである。
【0370】
(ステップS2314)処理部43は、追加指示を受け付けるか否かを判断する。追加指示を受け付ける場合はステップS2315に行き、受け付けない場合はステップS2302に戻る。ステップS2302に戻った場合、再度、各当事者がアイデアを出すこととなる。処理部43は、例えば、今までの追加指示の受け付けが閾値以下または閾値未満である場合に、追加指示を受け付ける、と判断する。
【0371】
(ステップS2315)追加指示受付部421は、人からの追加の指示を受け付ける。追加指示受付部421は、例えば、追加指示の入力画面を端末装置2に送信し、当該端末装置2から追加指示を受信する。
【0372】
(ステップS2316)議論変更部433は、ステップS2315で受け付けられた追加の指示を生成AIに与える。ステップS2302に戻る。
【0373】
次に、ステップS2104の報酬処理の例について、図24のフローチャートを用いて説明する。
【0374】
(ステップS2401)報酬処理部437は、カウンタiに1を代入する。
【0375】
(ステップS2402)報酬処理部437は、i番目の提案者が存在するか否かを判断する。i番目の提案者が存在する場合はステップS2403に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0376】
なお、ここで、例えば、報酬処理部437は、当該テーマのテーマ識別子と対になるi番目の人識別子が存在するか否かを判断する。
【0377】
(ステップS2403)報酬処理部437は、i番目の提案者の人識別子を取得する。
【0378】
(ステップS2404)報酬処理部437は、ステップS2403で取得した人識別子と対になる評価情報であり、評価部435が取得した評価情報を取得する。
【0379】
(ステップS2405)報酬処理部437は、ステップS2403で取得した人識別子と対になるランクを取得する。
【0380】
(ステップS2406)報酬処理部437は、ステップS2404で取得した評価情報とステップS240で取得したランクとを用いて、報酬量を取得する。報酬処理部437は、通常、評価情報が示す評価が高いほど、およびランクが高いほど、高い報酬量を取得する。報酬処理部437は、評価情報のみまたはランクのみに基づいて報酬量を取得しても良い。報酬処理部437は、固定の報酬量を格納部41から取得しても良い。
【0381】
(ステップS2407)報酬処理部437は、i番目の提案者の人識別子で識別される人に、ステップS2406で取得した報酬量が示す報酬を与える報酬処理を行う。
【0382】
(ステップS2408)報酬処理部437は、i番目の提案者の人識別子と対になる通知先情報を取得する。報酬処理部437は、当該通知先情報が示す通知先に、報酬量が示す報酬が与えられた旨の情報を送信する。
【0383】
(ステップS2409)報酬処理部437は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2402に戻る。
【0384】
次に、ステップS2105のランク取得処理の例について、図25のフローチャートを用いて説明する。
【0385】
(ステップS2501)ランキング部436は、カウンタiに1を代入する。
【0386】
(ステップS2502)ランキング部436は、i番目の提案者が存在するか否かを判断する。i番目の提案者が存在する場合はステップS2503に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0387】
(ステップS2503)ランキング部436は、i番目の提案者の人識別子を取得する。
【0388】
(ステップS2504)ランキング部436は、人識別子と対になるランクを人材管理部411から取得する。かかるランクは元のランクである。
【0389】
(ステップS2505)ランキング部436は、ランクアップの判断に使用する情報を取得する。かかる情報は、例えば、スコア取得部139が取得したスコア、評価部435が取得した評価情報、アイデア選択部137が選択したアイデアの中に当該提案者のアイデアが入っていたか否かである。
【0390】
(ステップS2506)ランキング部436は、ステップS2505で取得した1または2以上の情報がランクアップ条件に合致するか否かを判断する。ランクアップ条件に合致する場合はステップS2507に行き、合致しない場合はステップS2509に行く。
【0391】
(ステップS2507)ランキング部436は、ステップS2504で取得した元のランクを1、インクリメントした新しいランクを取得する。
【0392】
(ステップS2508)ランキング部436は、ステップS2507で取得した新しいランクを、当該提案者の人識別子と対にして人材管理部411に蓄積する。
【0393】
(ステップS2509)ランキング部436は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2502に戻る。
【0394】
なお、図25のフローチャートにおいて、既に最高のランクに該当する提案者のランクアップの処理は行わないことは好適である。
【0395】
次に、ステップS2305のエージェントアイデア処理の例について、図26のフローチャートを用いて説明する。図26のフローチャートは、図9のステップS904からS909である。
【0396】
次に、ステップS2309の人アイデア処理の例について、図27のフローチャートを用いて説明する。図27のフローチャートにおいて、図9のフローチャートと同一のステップについて説明を省略する。
【0397】
(ステップS2701)アイデア取得部135は、アイデア入力画面を端末装置2に出力する。ステップS914に進む。
【0398】
以下、本実施の形態における情報システムBの具体的な動作例について説明する。
【0399】
今、創出支援装置4の遷移管理部111には、図13に示す遷移管理表が格納されている。また、創出支援装置4のプロンプト管理部112には、図28に示すプロンプト管理表が格納されている。図28に示すプロンプト管理表は、図14のプロンプト管理表のプロンプト雛形に加え、発言順序決定プロンプト雛形が追加されている。発言順序決定プロンプト雛形は、「「<テーマ>」というテーマに関してアイデアを創出する場合の以下のエージェント及び以下の提案者の適切な発言順序を箇条書きで示して! [エージェント]<エージェント情報> [提案者]<キーワード>専門家」である。なお、<エージェント情報>には、1または2以上のエージェントの情報が代入される。また、「<キーワード>専門家」は、1または2以上の人の情報に置き換えられる。
【0400】
今、創出支援装置4の人材管理部411には、図29に示す人材管理表が格納されている、とする。人材管理表とは、人材情報を管理する表である。人材管理表は、「ID」「人材情報」を有する1以上のレコードを管理する。「人材情報」は、「人識別子」「通知先情報」「テーマ情報」「口座情報」「ポイント」「ランク」を有する。「テーマ情報」は、「分野」「キーワード」を有する。「分野」は、候補者が得意とする分野である。「キーワード」は、候補者の専門技術を示すキーワードである。また、本具体例において、アイデアを出す人は、人識別子「P01」「P03」の提案者である、とする。
【0401】
また、創出支援装置4の格納部41には、順序決定条件「当事者数>=5」が格納されている、とする。
【0402】
また、格納部41には、図30に示す議論変更管理表が格納されている、とする。議論変更管理表とは、議論変更に関する情報を管理する表である。議論変更管理表は、「ID」「対象」「議論変更条件」「議論変更処理識別子」を有する1以上のレコードを管理する。、「ID」はレコードを識別する情報である。「対象」は検査対象である。「議論変更条件」は議論変更条件である。「議論変更処理識別子」は、議論変更条件に合致する場合に行われる処理を識別する情報である。図30の「ID=1」のレコードは、提案者がアイデアを入力する順番になってから3分以上、アイデアの入力が無い場合に、当該提案者を発言者(アイデアの入力者)から除く処理である発言順序変更処理を行うことを意味する。「ID=2」のレコードは、一当事者が発言する一の回に取得したアイデアの解析結果がエラーである場合に当該当事者に対してアイデアを再取得する処理を行うことを示す。「ID=3」のレコードは、出されたアイデア総数が6以下である場合、人(提案者)に対して追加の指示(例えば、新たな観点)の入力を促し、追加指示を受け付け、当該追加指示を生成AIに与えたのち、全当事者に対してアイデアを再取得する処理を行うことを示す。
【0403】
さらに、アイデアを出す対象のテーマとして「AIとカメラを利用したソリューション」が与えられた、とする。
【0404】
以上の状況において、エージェント決定部130は、上述した処理により、エージェント「・市場分析エージェント ・技術トレンドエージェント ・ビジネスモデルエージェント ・法規制エージェント」の4つのエージェントを、自動的に決定した、とする。
【0405】
以上より、アイデア出しに参加する当事者は、二人の人、および4つのエージェントの合計6当事者となった。
【0406】
次に、人物設定部131は、以下のように、図7のフローチャートを用いて説明した処理に従って、人物設定処理を行う。
【0407】
また、観点取得部134は、実施の形態1で説明した処理と同様の処理により、アイデア観点「参入市場」「技術の革新性」を得た、とする。また、観点取得部134は、評価観点「技術的実現可能性」「利用者の利便性」「市場のニーズ」を得た、とする。
【0408】
また、発言順序決定部431は、当事者数「6」を取得し、当該当事者数は、格納部41の順序決定条件「当事者数>=5」を満たす、と判断する。
【0409】
そして、発言順序決定部431は、図22のフローチャートを用いて説明した処理により、発言順序決定プロンプト雛形(図28)を用いて、図31の発言順序決定プロンプトを構成し、当該プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから図32の回答を得る。そして、発言順序決定部431は、当該回答から発言順序情報「1.市場分析エージェント 2.技術トレンドエージェント 3.AI、機械学習専門家 4.AI、自然言語処理専門家 5.ビジネスモデルエージェント 6.法規制エージェント」を得る。
【0410】
そして、アイデア取得部135等は、図23のフローチャートを用いて説明したアイデア取得処理を行う。ここで、アイデア取得部135は、発言順序情報が示す順序で、エージェントまたは提案者からアイデアを取得していく。
【0411】
また、アイデア取得の過程で、提案者「3.AI、機械学習専門家」が自分のアイデアの入力の順番になった時以降、3分が経過してもアイデアを入力しなかったので、判断部432は、図30の表を参照し、当該提案者を当事者から除く、と判断する。そして、議論変更部433は、発言順序情報を「1.市場分析エージェント 2.技術トレンドエージェント 3.AI、機械学習専門家 4.AI、自然言語処理専門家 5.ビジネスモデルエージェント 6.法規制エージェント」から「1.市場分析エージェント 2.技術トレンドエージェント 3.AI、自然言語処理専門家 4.ビジネスモデルエージェント 5.法規制エージェント」に変更する。その結果、以後のアイデア出しにおいて、提案者「AI、機械学習専門家」に、アイデアの入力を促されることはないこととなる。
【0412】
また、一通りのアイデア出しが完了した段階で、出されたアイデア総数が「5」であった、とする。
【0413】
次に、判断部432は、図30の表を参照し、「ID=3」の議論変更条件を満たすと判断する。次に、議論変更部433は、図30の表を参照し、「ID=3」の議論変更処理識別子「追加指示入力処理」および「アイデア再取得処理」を行う。つまり、議論変更部433は、提案者「AI、自然言語処理専門家」の端末装置2に、追加の指示(ここでは、アイデアを創出する新たな観点の入力指示)を送信する。そして、当該提案者は、追加指示「ユーザ・顧客視点」を入力した、とする。
【0414】
次に、議論変更部433は、追加指示「ユーザ・顧客視点」を端末装置2から受信し、プロンプト「ユーザ・顧客視点でもアイデアを出して!」を構成し、当該プロンプトを生成AIに与えた、とする。なお、議論変更部433は、プロンプト管理部412のプロンプト雛形「<追加指示>でもアイデアを出して!」の変数<追加指示>に受信された追加指示「ユーザ・顧客視点」を代入し、プロンプト「ユーザ・顧客視点でもアイデアを出して!」を構成する。なお、当該プロンプトを生成AIに与えることは、追加指示を生成AIに与えることである。
【0415】
次に、議論変更部433は、再度、図23のフローチャートを用いて説明したアイデア取得処理を行うように、アイデア取得部135等に指示し、再度のアイデア取得処理が行われた、とする。
【0416】
以上の処理の結果、6以上の多数のアイデアが取得された、とする。
【0417】
次に、実施の形態1の具体例において説明したように、アイデア批評部136は、図11のフローチャートを用いて説明したアイデア批評の処理を行う。また、アイデア選択部137は、図12のフローチャートを用いて説明したアイデア選択処理を行う。
【0418】
以上の処理の結果、端末装置2は、例えば、7つの順位付きのアイデアの情報を受信し、出力する。かかる出力例は、図19である。
【0419】
また、本具体例において、評価部435は、提案者「P03」が出したアイデアの評価情報を取得する。また、評価出力部441は、当該評価情報をユーザUの端末装置2および当該提案者の端末装置2に送信する。
【0420】
ユーザUの端末装置2および提案者「P03」の端末装置2は、提案者「P03」が出したアイデアの評価情報を受信し、出力する。
【0421】
また、ランキング部436は、上述した処理により、人識別子「P03」で識別される提案者1のランクを、例えば、「3」から「4」に更新する。また、ランキング部436は、アイデアを出さなかった人の人識別子「P01」と対になるランクを「4」から「3」に減じて、更新する。
【0422】
また、報酬処理部437は、上述した処理により、人識別子「P03」で識別される提案者1の報酬量を決定する。
【0423】
以上、本実施の形態によれば、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【0424】
また、本実施の形態によれば、2以上の生成AIのエージェントを用いてアイデアを創出する場合に、適切な発言順で議論の進行を行える。
【0425】
また、本実施の形態によれば、人と生成AIとの協調により、適切なアイデアを創出することを支援できる。
【0426】
また、本実施の形態によれば、アイデアの創出に参加した人のランクを決定できる。
【0427】
なお、本実施の形態における創出支援装置4を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、1または2以上の各エージェントの人物設定のためのプロンプトを構成するための設定プロンプト雛形と、アイデア出しフェーズを含む1または2以上の各フェーズにおいて、生成AIに与えるプロンプトを構成するためのフェーズプロンプト雛形とが格納されるプロンプト管理部と、創出するアイデアに関する属性値であり、アイデアを出す対象のテーマを含む1以上のアイデア属性値が格納される属性値格納部とにアクセス可能なコンピュータを、前記設定プロンプト雛形を用いて1以上の設定プロンプトを取得し、当該1以上の各設定プロンプトを前記生成AIに与える人物設定部と、前記アイデア出しフェーズに対応する前記フェーズプロンプト雛形と前記1以上のアイデア属性値とを用いてプロンプトを取得し、当該プロンプトを前記生成AIの前記1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部と、前記アイデア取得部が取得した前記アイデアを出力するアイデア出力部と、議論変更条件に合致するか判断する判断部と、前記判断部が前記議論変更条件に合致すると判断した場合に、前記2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または前記1以上の各エージェントに、再度、前記プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部として機能させるためのプログラムである。
【0428】
また、図33は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の創出支援装置4等を実現するコンピュータシステム300のブロック図である。
【0429】
図33において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0430】
図33において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0431】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の創出支援装置4等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0432】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の創出支援装置4等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0433】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0434】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0435】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0436】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0437】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0438】
以上のように、本発明にかかる創出支援装置4は、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できるという効果を有し、アイデアの創出を支援するサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0439】
A、B 情報システム
1、4 創出支援装置
2 端末装置
3 生成AI装置
11、41 格納部
12、42 受付部
13、43 処理部
14、44 出力部
21 端末格納部
22 端末受付部
23 端末処理部
24 端末送信部
25 端末受信部
26 端末出力部
111 遷移管理部
112、412 プロンプト管理部
113 属性値格納部
114 カレント管理部
121 属性値受付部
122 アイデア受付部
130 エージェント決定部
131 人物設定部
132 制御部
133 司会判断部
134 観点取得部
135 アイデア取得部
136 アイデア批評部
137 アイデア選択部
138 解析部
139 スコア取得部
141 回答出力部
142 アイデア出力部
143 スコア出力部
144 エラー出力部
411 人材管理部
421 追加指示受付部
431 発言順序決定部
432 判断部
433 議論変更部
434 追加指示部
435 評価部
436 ランキング部
437 報酬処理部
441 評価出力部
442 ランク出力部
【要約】
【課題】生成AIを用いてアイデアを創出する場合の議論の進行を適切に制御できなかった。
【解決手段】1以上の各エージェントの人物設定のための設定プロンプトを生成AIに与える人物設定部131と、アイデア出しフェーズに対応するフェーズプロンプトを生成AIの1以上の各エージェントに与え、アイデアを取得するアイデア取得部135と、当該アイデアを出力するアイデア出力部142と、議論変更条件に合致するか判断する判断部432と、判断部432が議論変更条件に合致する場合に、2以上の当事者の発言順序を変更するための発言順序変更処理、または人に対して、追加の指示を入力させるための追加指示入力処理、または1以上の各エージェントに、再度、プロンプトを与え、アイデアを取得するアイデア再取得処理を行う議論変更部433とを具備する創出支援装置4により、生成AIを用いてアイデアを創出する場合に、議論の進行を適切に制御できる。
【選択図】図20
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