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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-23
(45)【発行日】2025-07-31
(54)【発明の名称】柵
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20250724BHJP
【FI】
E04H17/14 102B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024226629
(22)【出願日】2024-12-23
【審査請求日】2024-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2024012307
(32)【優先日】2024-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2024113345
(32)【優先日】2024-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501168375
【氏名又は名称】新藤 正敏
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】新藤 正敏
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-039138(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0108246(US,A1)
【文献】実公昭49-002759(JP,Y1)
【文献】実開昭61-096247(JP,U)
【文献】登録実用新案第3075618(JP,U)
【文献】米国特許第02208881(US,A)
【文献】実開昭56-074143(JP,U)
【文献】実開昭51-081539(JP,U)
【文献】実開平01-131765(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/14
E04H 17/16
E06B 9/01
E04F 10/08
E06B 7/084
E06B 7/086
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に固定された固定格子柵と、前記固定格子柵に対して変位できるように構成された可動格子柵と、前記可動格子柵を幅方向に沿って移動させるパネル移動機構と、を具備し、
前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われない開放状態と、
前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われる遮蔽状態と、をとることができ、
前記固定格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネルを有し、
前記可動格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動する、複数の可動パネルを有し、
前記可動パネルどうしを連結するように横方向に沿って伸びる可動パネル連結部を、更に具備し、
前記可動パネルの幅方向における第1端部の側は、前記固定パネルに対して回転可能に支持され、
前記可動パネルの幅方向における第2端部の側は、前記可動パネル連結部に対して回転可能に連結され、
前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、前記固定パネルに密着し、
前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする柵。
【請求項2】
設置面に固定された固定格子柵と、前記固定格子柵に対して変位できるように構成された可動格子柵と、前記可動格子柵を幅方向に沿って移動させるパネル移動機構と、を具備し、
前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われない開放状態と、
前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われる遮蔽状態と、をとることができ、
前記固定格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネルを有し、
前記可動格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動する、複数の可動パネルを有し、
前記可動パネルどうしを連結するように横方向に沿って伸びる可動パネル連結部を、更に具備し、
前記可動パネルの幅方向における第1端部の側は、前記固定パネルに対して回転可能に支持され、
前記可動パネルの幅方向における第2端部の側は、前記可動パネル連結部に対して回転可能に連結され、
前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルに密着し、
前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、庭や邸宅を囲むように、柵としての格子柵が設置されることがある。格子柵とは、細い角材を縦横、あるいはそのどちらかの方向に間をすかして組んだものである。格子柵を設置することで、外側からの視界を制限することができる。また、以下の各特許文献に、格子柵の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭54-103061号公報
【文献】実開昭51-81539号公報
【文献】実公昭56-15329号公報
【文献】実開昭57-77596号公報
【文献】実開昭60-70195号公報
【文献】実開平7-32003号公報
【文献】特開2003-155847号公報
【文献】登実3233489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術にかかる柵においては、外部からの視界を更に効果的に制限する観点から改善の余地があった。
【0005】
例えば、背景技術にかかる格子柵は、所定の間隔を置いて配設された複数のパネルから構成され、各パネルどうしの間に間隙が形成される。当該間隙が存在することにより、内側から外側への視界が、間隙により確保され、ユーザは開放感を得ることができる。一方、パネルが所定の厚みを有していることで、格子柵に対して傾斜する方向に沿う視界を遮ることができる。
【0006】
しかしながら、格子柵に対して直交する方向に沿う視界は、パネル同士の間隙を通過してしまうことから、遮ることが難しい。これにより、プライバシーが確保されず、防犯性が低下してしまう恐れがある。この対策として、当該間隙を塞ぐべく、別のパネルを設けるとなると、当該間隙を経由した外部からの視界を遮ることができる一方、内側から外側への視界もパネルにより遮られ、ユーザの開放感が損なわれる恐れがある。
【0007】
また、市販されている格子柵は、その外周を枠により囲まれる。このことから、格子柵のサイズが大きくなると、製造する際においては製造コストが高くなり、使用する際には使い勝手が悪くなる課題があった。
【0008】
更に、背景技術に係る柵では、固定格子と可動格子とが支持部材を介して取り付けられるため、固定格子と可動格子との間に支持部材の厚さ分の距離ができ、遮蔽状態にしたときにこの距離分の隙間ができてしまう課題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、必要に応じて外部の正面からの視線を遮りつつ、ユーザの外部への視界を確保することができる柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の柵は、設置面に固定された固定格子柵と、前記固定格子柵に対して変位できるように構成された可動格子柵と、前記可動格子柵を幅方向に沿って移動させるパネル移動機構と、を具備し、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われない開放状態と、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われる遮蔽状態と、をとることができ、前記固定格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネルを有し、前記可動格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動する、複数の可動パネルを有し、前記可動パネルどうしを連結するように横方向に沿って伸びる可動パネル連結部を、更に具備し、前記可動パネルの幅方向における第1端部の側は、前記固定パネルに対して回転可能に支持され、前記可動パネルの幅方向における第2端部の側は、前記可動パネル連結部に対して回転可能に連結され、前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、前記固定パネルに密着し、前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする。
本発明の柵は、設置面に固定された固定格子柵と、前記固定格子柵に対して変位できるように構成された可動格子柵と、前記可動格子柵を幅方向に沿って移動させるパネル移動機構と、を具備し、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われない開放状態と、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われる遮蔽状態と、をとることができ、前記固定格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネルを有し、前記可動格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動する、複数の可動パネルを有し、前記可動パネルどうしを連結するように横方向に沿って伸びる可動パネル連結部を、更に具備し、前記可動パネルの幅方向における第1端部の側は、前記固定パネルに対して回転可能に支持され、前記可動パネルの幅方向における第2端部の側は、前記可動パネル連結部に対して回転可能に連結され、前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルに密着し、前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする柵。
【発明の効果】
【0011】
本発明の柵によれば、可動パネルを、可動パネル連結部の操作により回転させることで、開放状態と遮蔽状態とを簡易に切り替えることができる。更に本発明によれば、固定格子の1端と、可動格子の1端とが、ヒンジやスリット等を通して直接に接合されるため、上記したような隙間はできず、ほぼ完全な遮蔽状態を作ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る柵である格子柵を備えた敷地等を示す平面図である。
図2A】本発明の第1実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図2B】本発明の第1実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図2C】本発明の第1実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図3A】本発明の第1実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す斜視図である。
図3B】本発明の第1実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す正面図である。
図3C】本発明の第1実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
図4A】本発明の第2実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図4B】本発明の第2実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図4C】本発明の第2実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図5A】本発明の第2実施形態に係る格子柵の中間状態を示す斜視図である。
図5B】本発明の第2実施形態に係る格子柵の中間状態を示す上面図である。
図6A】本発明の第2実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す斜視図である。
図6B】本発明の第2実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
図7A】本発明の第3実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図7B】本発明の第3実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図7C】本発明の第3実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図8A】本発明の第3実施形態に係る格子柵の中間状態を示す斜視図である。
図8B】本発明の第3実施形態に係る格子柵の中間状態を示す上面図である。
図9A】本発明の第3実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す斜視図である。
図9B】本発明の第3実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
図10A】本発明の第4実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図10B】本発明の第4実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図10C】本発明の第4実施形態に係る格子柵に備えられた移動規制部の開放状態を示す斜視図である。
図11A】本発明の第4実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す正面図である。
図11B】本発明の第4実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
図11C】本発明の第4実施形態に係る格子柵に備えられた移動規制部の遮蔽状態を示す斜視図である。
図12A】本発明の第5実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図12B】本発明の第5実施形態に係る格子柵に備えられた移動規制部の遮蔽状態を示す上面図である。
図13A】本発明の第6実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図13B】本発明の第6実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図13C】本発明の第6実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図14A】本発明の第7実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図14B】本発明の第7実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図14C】本発明の第7実施形態に係る格子柵の開放状態を示す側面図である。
図15A】本発明の第8実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図15B】本発明の第8実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図15C】本発明の第8実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図16A】本発明の第8実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す斜視図である。
図16B】本発明の第8実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す正面図である。
図16C】本発明の第8実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
図17A】本発明の第9実施形態に係る格子柵の開放状態を示す正面図である。
図17B】本発明の第9実施形態に係る格子柵の開放状態を示す斜視図である。
図17C】本発明の第9実施形態に係る格子柵の開放状態を示す上面図である。
図18A】本発明の第9実施形態に係る格子柵の中間状態を示す斜視図である。
図18B】本発明の第9実施形態に係る格子柵の中間状態を示す上面図である。
図19A】本発明の第9実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す斜視図である。
図19B】本発明の第9実施形態に係る格子柵の遮蔽状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、外側、内側、左右、上下等の各方向を用いて格子柵10の構造等を説明する。ここで、外側とは、図1を参照して、敷地12から外側を向く方向である。内側とは、外側の反対の側である。左右とは、格子柵10を内側から見た場合の左右である。また、以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本実施形態では、柵として格子柵10を例示する。
【0014】
図1は、格子柵10を備えた敷地等を示す平面図である。ここでは、家13が建築された敷地12を示している。敷地12の内部に家13が建築されており、敷地12の外縁の一部に、格子柵10が設置されている。格子柵10は、敷地12の端部である設置面11に設置される。格子柵10を遮蔽状態とすることで、外側から家13を向く視線を遮ることができ、これにより家13に居住するユーザのプライバシーを確保でき、敷地12および家13における防犯性を向上できる。また、後述する様に、ユーザの操作により、格子柵10を開放状態とすることで、格子柵10を介して外部の景色を眺めることができ、一定の開放感を得ることができる。格子柵10の材料としては、木材、合成樹脂、鉄などの金属、または、これらの複合材料を採用できる。
【0015】
図2Aないし図3Cを参照して、第1実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。
【0016】
図2Aは、第1実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図2Bは、第1実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図2Cは、第1実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0017】
前述した様に、格子柵10は、開放状態と、遮蔽状態と、をとることができる。開放状態は、固定パネル21どうしの間隙25が、可動格子柵30により覆われない状態である。遮蔽状態は、固定パネル21どうしの間隙25が、可動格子柵30により覆われる状態である。図2A等では、格子柵10の開放状態を示す。
【0018】
格子柵10は、固定格子柵20と、可動格子柵30と、パネル移動機構40と、を有する。格子柵10は、前述した敷地12の設置面11に設置され、遮蔽状態となることで外部からの視界を遮り、開放状態となることで内部からの視界を良好に確保する。格子柵10は、一例として千本格子である。千本格子である格子柵10に、固定格子柵20および可動格子柵30を取り付けることで、千本格子である格子柵10のプライバシー性および安全性を向上できる。
【0019】
固定格子柵20は、幅方向に沿って離隔して配置される、複数の固定パネル21を有する。固定格子柵20は、開放状態および遮蔽状態において移動しない、左右方向に沿って配設された複数の固定パネル21を有する。固定パネル21は、上下方向に沿う長手方向を有する板である。固定パネル21は、略等間隔に離間され、固定パネル21同士の間には間隙25が形成される。固定パネル21は、固定パネル連結部26により連結される。固定パネル連結部26は、左右方向に沿って伸びる長尺部材である。固定パネル連結部26は、固定パネル21の上端部近傍および下端部近傍に2本が配設される。固定パネル連結部26は、固定パネル21の内側面に固定される。固定パネル連結部26と固定パネル21との接続は、釘、ボルト、接着剤等を用いた接続構造を採用できる。係る接続構造は、他の部材の接続箇所に関しても同様である。複数の固定パネル21が、固定パネル連結部26により接続されることで、全体として略板状の固定格子柵20が組まれる。左右方向における固定格子柵20の両端部に、支柱23が配設される。支柱23は、固定パネル21と同様に、その途中部分が固定パネル連結部26により支持される。また、支柱23は、固定パネル21よりも下方に向かって伸びる。よって、固定格子柵20の両端に配設された支柱23の下端部近傍を、図1に示した敷地12の設置面11に埋設することで、固定格子柵20を含む格子柵10を、設置面11に固定できる。
【0020】
可動格子柵30は、幅方向に沿って離隔して配置される可動パネル31を有する。可動格子柵30は、開放状態および遮蔽状態において移動する、複数の可動パネル31を有する。可動格子柵30は、固定格子柵20に対して、左右方向に沿って変位できるように構成された柵である。可動格子柵30は、必要に応じて間隙25を塞ぐ遮蔽部材である。可動格子柵30は、可動パネル31と、可動パネル連結部32と、を主要に有する。
【0021】
可動パネル31は、所定間隔を経て複数が左右方向に配設され、上下方向に沿って長手方向を有する板である。可動格子柵30の材料としては、可視光線を通過させない非透明な材料を採用することもでき、部分的に可視光線を透過させる半透明材料を採用することもできる。可動格子柵30として、半透明材料を採用することで、格子柵10を遮蔽状態とした場合であっても、外部から採光することができる。
【0022】
可動パネル連結部32は、可動パネル31どうしを連結するように横方向に沿って伸びる。可動パネル連結部32は、各々の可動パネル31の上端部近傍に接続する部材である。可動パネル連結部32は、左右方向に沿って長手方向を有する板状部材である。ここでは、可動パネル連結部32は、可動パネル31の外面に設置される。即ち、可動パネル連結部32は、固定パネル21と可動パネル31との間に配設される。また、可動パネル連結部32の右端は、右方に向かって突出することで可動パネル把持部35を形成する。可動パネル把持部35は、遮蔽状態と開放状態との間で格子柵10の状態を遷移するために、ユーザが把持する部位である。後述する様に、ユーザが可動パネル把持部35を保持して、固定格子柵20を右方に移動させることで、格子柵10は、開放状態から遮蔽状態に遷移する。逆に、ユーザが可動パネル把持部35を保持して、固定格子柵20を左方に移動させることで、格子柵10は、遮蔽状態から開放状態に遷移する。
【0023】
パネル移動機構40は、開放状態から遮蔽状態に遷移する際に、または、開放状態から遮蔽状態に遷移する際に、可動パネル31どうしの間隔を保持しつつ、可動パネル31を移動できるように構成される機構である。パネル移動機構40は、可動格子柵30を幅方向に沿って移動できるように構成される。
【0024】
ここでは、パネル移動機構40は、スリット41と、可動格子柵取付部22とを有する。
【0025】
スリット41は、可動格子柵30に形成される、左右方向に沿う長手方向を有する切込部である。スリット41は、可動パネル連結部32の後面から形成される。
【0026】
可動格子柵取付部22は、固定格子柵20に形成されて内側に向かって突出し、スリット41に挿入される部位である。スリット41の内部において、可動格子柵取付部22は左右方向に沿ってスライド可能とされる。これにより、固定パネル21に対して、可動パネル31がスライド可能とされる。
【0027】
図2A等に示した格子柵10は、開放状態であり、固定格子柵20の間隙25は、可動格子柵30の可動パネル31により遮蔽されていない。即ち、内側から格子柵10を眺めた場合、固定格子柵20の固定パネル21と、可動格子柵30の可動パネル31とは、重畳している。これにより、間隙25を経由して、内側から外側へ向かう視界を確保し、ユーザは外側の景色を眺めることができる。
【0028】
図3Aは、第1実施形態に係る格子柵10の、遮蔽状態を示す斜視図である。図3Bは、第1実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す正面図である。図3Cは、第1実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。
【0029】
格子柵10を、図2A等に示した開放状態から図3A等に示した遮蔽状態にするには、ユーザが、可動パネル把持部35を右方向にスライドさせる。これにより、固定パネル21どうしの間隙25を、移動した可動パネル31により塞ぐことができる。この時、図2Bに示す様に、可動格子柵取付部22は、スリット41の内部において左端に配設される。よって、可動パネル31の間隙25を介した視線を、固定パネル21により適宜に遮ることができ、プライバシーの保護およびセキュリティの向上を図ることができる。
【0030】
また、遮蔽状態から開放状態に遷移する場合は、ユーザは可動パネル把持部35を把持して可動格子柵30を左方に向かって移動させる。これにより、図2Bに示す開放状態となり、間隙25を介した視界が再び確保される。
【0031】
また、図2Aを参照して、本実施形態にかかる格子柵10は、全体を外側から囲む外枠を有していない。よって、格子柵10は、製造コストを低廉にすることができ、設計の自由度を向上できる。また、格子柵10は、ユーザの使用時における使い勝手を向上できる。
【0032】
図4Aないし図6Bを参照して、第2実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。第2実施形態に係る格子柵10では、可動パネル31が90度回転する回転式であり、その他の事項は、第1実施形態と同様である。ここで、前述した可動パネル連結部32は、軸連結部44である。係る事項は、第3実施形態以降の形態に関しても同様である。
【0033】
図4Aは、第2実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図4Bは、第2実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図4Cは、第2実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0034】
図4Cを参照して、可動パネル31は回転可能とされており、幅方向における一端側である第1端部33と、幅方向における他端側である第2端部34と、を有する。開放状態に於いては、可動パネル31の最大面は、後述する軸連結部44が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、固定パネル21に密着する。そして、可動パネル31は、固定パネル21の右側面を左方に向かって窪ませた窪み部に収納される。これにより、可動パネル31は、開放状態に於いて、間隙25を塞がない。
【0035】
図4Bを参照して、パネル移動機構40は、軸連結部44および回転軸部43を有する。軸連結部44は、略棒状の部材であり、固定パネル21の下方側に配設される。軸連結部44は、格子柵10の左端から右端に至るまで略直線状に伸びる。図4Bに示す様に、回転軸部43は、軸連結部44から上方に向かって回転軸部43が伸びる。回転軸部43は、図4Cに示す第2端部34と回転可能に接続される。
【0036】
可動パネル把持部35は、軸連結部44の幅方向端部である右端側から、上方に向かって伸びる略棒状部材である。可動パネル把持部35が係る構成であることで、ユーザは、可動パネル把持部35を左右に移動させる簡易な操作により、格子柵10を開放状態および遮蔽状態の間で遷移できる。また、ユーザは、しゃがむことなく、可動パネル把持部35を操作することができる。
【0037】
可動パネル31の第1端部33は、固定格子柵20の固定パネル21に対して回転可能に支持される。図4Bを参照して、第1端部33は、可動パネル31の上端部および下端部に形成される。
【0038】
可動パネル31の第2端部34の側は、前述した様に、回転軸部43を経由して軸連結部44と連結される。また、可動パネル31の第2端部34は、可動パネル把持部35に対して回転可能に連結される。
【0039】
ここで、軸連結部44および回転軸部43は、固定パネル21の上方側に配設することもできる。係る場合、回転軸部43は、可動パネル31の上端において、第2端部34に接続する。軸連結部44は、固定パネル21の上方側において、固定格子柵20の左端部から右端部まで伸びる。可動パネル把持部35は、軸連結部44の右端部から下方に向かって伸びる。
【0040】
図5Aは、第2実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す斜視図である。図5Bは、第2実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す上面図である。
【0041】
図5Aおよび図5Bを参照して、ユーザが可動パネル把持部35を把持して右方に引くことで、開放状態と遮蔽状態との中間的な状態である中間状態が実現される。具体的には、ユーザが、可動パネル把持部35を把持して右方側に向かって移動させると、図5Bを参照して、軸連結部44および回転軸部43を介して、可動パネル31の第2端部34が、右方に向かって引かれる。そうすると、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として、反時計回りに向かって回転する。図5Bに示す状態から、ユーザが可動パネル把持部35を更に右方に向かって移動させると、後述する遮蔽状態となる。この時、図5Aを参照して、軸連結部44は、固定パネル21の下端よりも下方に配置されていることから、軸連結部44は固定パネル21の下方側に移動することができる。よって、軸連結部44の移動が固定パネル21により阻害されることはない。
【0042】
図6Aは、第2実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す斜視図である。図6Bは、第2実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。
【0043】
図6Bを参照して、遮蔽状態においては、可動パネル31は、可動パネル把持部35が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、固定パネル21から離れることで間隙25を塞ぐ。
【0044】
具体的には、ユーザが可動パネル把持部35を右方に向かって更に引くことで、軸連結部44および回転軸部43を介して、可動パネル31の第2端部34が、更に右方に向かって引かれる。これにより、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として、更に反時計回りに向かって回転する。開放状態の場合と比較すると、可動パネル31は90度回転したことになる。これにより、間隙25は可動パネル31により塞がれ、遮蔽状態が実現される。
【0045】
ここでは、可動パネル31を、可動パネル把持部35の操作により回転させることで、開放状態と遮蔽状態とを簡易に切り替えることができる。図4C等に示した開放状態において、可動パネル31は、軸連結部44が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、固定パネル21に密着する。一方、図6Bに示す遮蔽状態において、可動パネル31は、可動パネル把持部35が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、固定パネル21から離れることで間隙25を塞ぐことができる。
【0046】
図7Aないし図9Bを参照して、第3実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。第3実施形態に係る格子柵10では、可動パネル31が180度回転する回転式であり、その他の事項は、第1実施形態と同様である。
【0047】
図7Aは、第3実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図7Bは、第3実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図7Cは、第3実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0048】
図7Cを参照して、開放状態において、可動パネル31は、軸連結部44が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、固定パネル21の内側の側面に密着する。即ち、可動パネル31と固定パネル21とは重畳した状態であり、可動パネル31は間隙25を塞がない。これにより、間隙25を経由した視界が確保される。
【0049】
可動パネル31は、第1端部33と第2端部34とを有する。第1端部33は、可動パネル31の右側端部である。可動パネル31の第1端部33は、固定パネル21の右側端部と、回転可能に接続される。第2端部34は、可動パネル31の左側端部であり、回転軸部43を介して軸連結部44と回転可能に接続される。
【0050】
回転軸部43、軸連結部44および可動パネル把持部35の構成は、前述した第2実施形態と略同様である。
【0051】
図8Aは、第3実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す斜視図である。図8Bは、第3実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す上面図である。
【0052】
ユーザが可動パネル把持部35を右方に向かって引くことで、軸連結部44および回転軸部43を経由して、可動パネル31の第2端部34も、右方に向かって引かれる。そうすると、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として反時計回りに向かって回転する。ここでは、可動パネル31が約90度回転した状態を示す。
【0053】
図9Aは、第3実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す斜視図である。図9Bは、第3実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。
【0054】
図9Aおよび図9Bを参照して、ユーザが可動パネル把持部35を更に右方に向かって引くことで、可動パネル31は更に回転して間隙25を塞ぐ。ここでは、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として180度回転した遮蔽状態を示す。遮蔽状態において、可動パネル31は、軸連結部44が伸びる方向に対して略平行である。更に、可動パネル31は、固定パネル21の内側側面から離れ、間隙25を塞ぐ。
【0055】
ここでは、図7Cに示した様に、開放状態においては、可動パネル31が固定パネル21と重畳することで、可動パネル31が固定パネル21どうしの間隙25を塞がない。一方、図9Bに示す遮蔽状態においては、可動パネル31が固定パネル21どうしの間隙25を塞ぐ構成となる。また、可動パネル把持部35は、可動パネル31の第2端部34と連結された軸連結部44である。更に、軸連結部44は、固定パネル21の下方に配置される。よって、軸連結部44が固定パネル21の下方に配置されることにより、軸連結部44の変位が固定パネル21により阻害されることが無い。
【0056】
図10Aないし図11Cを参照して、第4実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。第4実施形態に係る格子柵10は、パネル移動機構40として移動規制部50を備えている。更に、第4実施形態に係る格子柵10では、可動パネル31の収納形態が前述した各実施形態とは異なる。その他の事項は、第1実施形態等と同様である。
【0057】
図10Aは、第4実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図10Bは、第4実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。図10Cは、第4実施形態に係る移動規制部50の開放状態を示す斜視図である。ここでは、パネル移動機構40は、パネル付勢部42と、移動規制部50と、を有する。
【0058】
概略的には、ここでの格子柵10は、各々の固定パネル21にパネル収納部45が形成され、パネル収納部45に可動パネル31が収納される。また、可動パネル31の進退は移動規制部50が制御する。
【0059】
パネル収納部45は、固定パネル21に形成された空洞であり、右方に向けて開口する。パネル収納部45は、可動パネル31を収納することができる大きさを有する。
【0060】
可動パネル31は、各々の固定パネル21において、パネル収納部45の内部に、幅方向に沿って進退できるように収納される。後述する様に、可動パネル31がパネル収納部45に収納されることで、格子柵10は開放状態となる。一方、可動パネル31がパネル収納部45から右方に向かって突出することで、格子柵10は遮蔽状態となる。
【0061】
パネル付勢部42は、パネル収納部45に内蔵され、可動パネル31を幅方向外側に向かって付勢するように構成される。パネル付勢部42としては、弾性体を全般的に採用可能であり、例えば、コイルバネを採用できる。パネル付勢部42は、パネル収納部45の左端部に配置され、可動パネル31を右方に向かって付勢する。
【0062】
図10Cを参照して、移動規制部50は、可動パネル31の、パネル収納部45からの移動を規制するように構成される。後述する様に、移動規制部50は、開放状態に於いて可動パネル31の突出を規制し、遮蔽状態に於いて可動パネル31の突出を規制しない。具体的には、移動規制部50は、規制連結部51と、パネル移動規制部52と、規制当接部53と、を有する。
【0063】
規制連結部51は、幅方向沿って伸びる長尺部材である。規制連結部51としては、略棒状の部材を採用することができる。規制連結部51は、格子柵10の左端部近傍から右端部近傍まで直線状に伸びる。規制連結部51は、固定パネル21に回転可能に支持される。
【0064】
パネル移動規制部52は、規制連結部51と連結され、可動パネル31に当接することで、可動パネル31の幅方向外側への移動を制限するように構成される。図10Cに示す様に、パネル移動規制部52は、規制連結部51に対して固定された略円板状の部位である。また、図10Bに示す様に、パネル移動規制部52は、各々の可動パネル31に対応して設けられる。後述する様に、パネル移動規制部52は、開放状態および遮蔽状態の両状態に於いて、可動パネル31の右端部に当接する。
【0065】
規制当接部53は、規制連結部51と連結され、固定格子柵20に適宜当接するように構成される。規制当接部53の形状は、パネル移動規制部52とは異なる。規制当接部53の形状は、例えば、一部を切り欠いた略円形状とされる。規制当接部53は、開放状態において固定パネル21の左端部に当接する。また、規制当接部53は、遮蔽状態に於いて固定パネル21の左端部に当接しない。規制当接部53は、回転することで、固定パネル21の左側面に当接する当接状態と、固定パネル21の左側面に当接しない非当接状態と、をとることができる。
【0066】
開放状態では、規制当接部53が固定格子柵20に当接することで、規制連結部51を経由してパネル移動規制部52の位置が固定される。具体的には、図10Cに示す様に、規制当接部53の切欠部は外側に配置されており、規制当接部53の内側部分は略円形を呈する。よって、図10Bに示す様に、移動規制部50の規制当接部53は、最も左側に配設された固定パネル21の左側面に当接する。これにより、規制連結部51を経由して、左右方向におけるパネル移動規制部52の位置が固定される。具体的には、パネル移動規制部52は、固定パネル21の右側面の直近に配置される。よって、パネル移動規制部52は、パネル収納部45に収納されている規制連結部51の右端部を押さえ込む。これにより、可動パネル31がパネル付勢部42に右方に向かって付勢されている状態であっても、パネル移動規制部52が可動パネル31を押さえ込む。よって、可動パネル31は、パネル移動規制部52の側には突出しない。これにより、開放状態における間隙25を経由した視界が確保される。
【0067】
開放状態において、移動規制部50を回転させ、規制当接部53の切欠部を内側に移動させることで、後述する遮蔽状態となる。
【0068】
図11Aは、第4実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す正面図である。図11Bは、第4実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。図11Cは、第4実施形態に係る移動規制部50の遮蔽状態を示す斜視図である。
【0069】
図11Cを参照して、ユーザが規制当接部53を回転させることで、規制当接部53の切欠部は内側に配置される。ここで、規制当接部53の回転は、規制当接部53のみを回転させても良いし、移動規制部50の全体を回転させるものでも良い。
【0070】
図11Bを参照して、規制当接部53の切欠が内側に配設されることで、規制当接部53は、固定パネル21の左側面に当接しないようになる。即ち、パネル移動規制部52の位置が固定されない。一方、各々の固定パネル21に内蔵されたパネル付勢部42は、可動パネル31およびパネル移動規制部52を、幅方向外側である右方に向かって付勢している。これにより、各々の可動パネル31およびパネル移動規制部52は、右方に向かって移動する。その結果、パネル移動規制部52は、固定パネル21の右側面に当接する。これにより、可動パネル31は、固定パネル21から右方に向かって移動し、パネル移動規制部52を遮蔽する。これにより、格子柵10の遮蔽状態が実現される。
【0071】
遮蔽状態から開放状態に遷移する為には、ユーザが移動規制部50を左方に押し戻し、規制当接部53を回転させ、固定パネル21の左側面に規制当接部53を係合させる。これにより、図10A等に示した状態に戻り、即ち可動パネル31は、固定パネル21の内部に収納され、格子柵10は開放状態となる。
【0072】
ここでは、開放状態では、移動規制部50により、可動パネル31の移動を規制して収納状態を維持することができる。一方、遮蔽状態では、移動規制部50を回転させることにより当該規制を解除することで、パネル付勢部42の付勢力により、固定パネル21のパネル収納部45から可動パネル31を幅方向外側に向かって突出させ、固定パネル21どうしの間隙25を可動パネル31により埋めることができる。
【0073】
図12Aおよび図12Bを参照して、第5実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。第5実施形態に係る格子柵10は、可動パネル31が第1可動パネル311および第2可動パネル312を備えており、その他の事項は、第4実施形態と同様である。
【0074】
図12Aは、第5実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。図12Bは、第5実施形態に係る移動規制部50の遮蔽状態を示す上面図である。
【0075】
図12Aを参照して、可動パネル31は、第1可動パネル311および第2可動パネル312を有する。第1可動パネル311および第2可動パネル312は、共に、固定パネル21に収納される。第1可動パネル311および第2可動パネル312は、固定パネル21の内部に重畳して配置される。また、第1可動パネル311と第2可動パネル312とは、連結部36を介して接続される。連結部36は、第1可動パネル311と第2可動パネル312とを、スライド可能に接続する接続部である。パネル付勢部42は、固定パネル21の内部において、第1可動パネル311を右方に向かって付勢する。図12Aに示す開放状態では、規制当接部53が固定パネル21の左側面に当接することで、各々の固定パネル21において、パネル移動規制部52が第1可動パネル311および第2可動パネル312を押さえている。
【0076】
図12Bを参照して、規制当接部53が回転することで、固定パネル21の左側面と規制当接部53との係合が外れると、パネル付勢部42の付勢力により、パネル移動規制部52を含む移動規制部50は、右方に向かって移動する。そうすると、第1可動パネル311および第2可動パネル312が、固定パネル21の内部から右方に向かって突出し、間隙25を塞ぐ。これにより、間隙25が第1可動パネル311および第2可動パネル312により塞がれる遮蔽状態となる。
【0077】
遮蔽状態から開放状態に遷移する為には、ユーザが移動規制部50を左方に押し戻し、規制当接部53を回転させ、固定パネル21の左側面に規制当接部53を係合させる。これにより、図12Aに示した状態に戻り、即ち第1可動パネル311および第2可動パネル312は、固定パネル21の内部に収納され、格子柵10は開放状態となる。
【0078】
ここでは、可動パネル31が第1可動パネル311および第2可動パネル312から構成されることで、固定パネル21の幅を狭めることができる。
【0079】
図13Aないし図13Cを参照して、第6実施形態に係る格子柵10の構成を説明する。図13Aは、第6実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図13Bは、第6実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図13Cは、第6実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0080】
第6実施形態に係る格子柵10の構成等の基本構成および動作は、図7A等に示した第3実施形態に係る格子柵10と同様であるので、相違する事項を中心に説明し、共通する構成等に関しては説明を割愛して援用する。
【0081】
ここでは、可動パネル把持部35は、幅方向において軸連結部44の中間部に備えられている。一例として、可動パネル把持部35は、幅方向における略中央部に配設される。具体的には、軸連結部44は、固定パネル21および可動パネル31の下方側に配設され、可動パネル把持部35は、軸連結部44の略中央部から、上方に向かって伸びる棒状の部材である。
【0082】
ユーザが可動パネル31の開閉動作を行う際には、可動パネル把持部35を把持することで操作する。可動パネル把持部35が軸連結部44の略中央部に配設されることにより、可動パネル把持部35および軸連結部44を介して、各々の可動パネル31をスムーズに回動させることができる。
【0083】
ここで、図13Cを参照して、可動パネル把持部35は固定パネル連結部26よりも内側に配設されても良い。この場合は、可動パネル把持部35は、幅方向における軸連結部44の略中央部から、軸連結部44および固定パネル連結部26の下部を経由し、固定パネル連結部26よりも内側まで伸び、更に上方に向かって延在する。このようにすることで、ユーザは、固定パネル連結部26の内側に存在する可動パネル把持部35を操作することで、可動パネル31の両方向への回動を行うことができる。
【0084】
図14Aないし図14Cを参照して、第7実施形態に係る格子柵10の構成を説明する。図14Aは、第7実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図14Bは、第7実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。図14Cは、第7実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す側面図である。
【0085】
第7実施形態に係る格子柵10の構成等の基本構成および動作は、図7A等に示した第3実施形態に係る格子柵10と同様であるので、相違する事項を中心に説明し、共通する構成等に関しては説明を割愛して援用する。
【0086】
図14Aおよび図14Bを参照して、可動パネル把持部35は、軸連結部44ではなく、可動パネル31の外側面に固定される。可動パネル把持部35は、図14Cに示す様に、一般的な把手の如き形状を呈する。可動パネル把持部35は、上下方向において、可動パネル31の中間部、好ましくは中央部に配設される。また、可動パネル把持部35は、左右方向において、中間部または略中央部に配設された可動パネル31に配設される。このようにすることで、軸連結部44を介した、可動パネル31の回動をスムーズに行うことができる。
【0087】
図15Aないし図16Cを参照して、第8実施形態に係る格子柵10の構成を説明する。
【0088】
図15Aは、第8実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図15Bは、第8実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図15Cは、第8実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0089】
第8実施形態に係る格子柵10の構成等の基本構成および動作は、図2A等に示した第1実施形態に係る格子柵10と同様であるので、相違する事項を中心に説明し、共通する構成等に関しては説明を割愛して援用する。図15Bおよび図15Cでは、レール機構37を明示するために、可動パネル連結部32を図示していない。実際の格子柵10では、可動パネル連結部32は、可動パネル31の内側面、または、外側面を、共通に固定する。
【0090】
図15Bおよび図15Cを参照して、固定パネル21と可動パネル31との間には、レール機構37が配設される。レール機構37は、固定パネル21の内側面と、可動パネル31の外側面との間に配設される。レール機構37は、左右方向に伸びるレール部と、当該レール部を左右方向に沿って移動可能に支持するレール受部と、を有する。レール部およびレール受部は、一方が固定パネル21の内側面に設置され、他方が可動パネル31の外側面に配設される。レール機構37は、固定パネル21と可動パネル31との組み合わせの、夫々に配設される。レール機構37は、格子柵10の上部のみに配設されても良いし、下部のみに配設されても良いし、上部および下部の両方に配設されても良い。
【0091】
図16Aは、第8実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す正面図である。図16Bは、第8実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す斜視図である。図16Cは、第8実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。
【0092】
図16Bおよび図16Cを参照して、ユーザが可動パネル把持部35を右方に向かって操作することで、可動格子柵30が右方に向かって移動し、可動パネル31は間隙25を塞ぐ位置に配設される。かかる構成により、間隙25を介した外部からの視線を塞ぐことができる。遮蔽状態において、レール機構37は、可動パネル31の右方への移動をガイドしつつ保持する。逆に、遮蔽状態から開放状態に移行する際には、ユーザが可動パネル把持部35を左方に向かって押すことで、レール機構37にガイドされる可動パネル31を、左方に向かって変位させる。
【0093】
更に、図15Cを参照して、固定パネル21の内側面に、可動パネル31の外側面を密着させることができる。かかる密着構成は、例えば、レール機構37を構成するレール部およびレール受部を、固定パネル21および可動パネル31の厚み部分に収容させることで可能となる。
【0094】
また、レール機構37には、左右方向における可動パネル31の移動量を制御するストッパを設けることができる。かかるストッパにより、可動パネル31の左方向およびA方向への過度な移動を抑止できる。
【0095】
図17Aないし図19Bを参照して、第9実施形態に係る格子柵10の構成等を説明する。第9実施形態に係る格子柵10の構成および動作は、図5A等を参照して前述した第2実施形態に係る格子柵10の構成および動作と、原則的には同様であり、第1端部33が内側に配設され、且つ、第2端部34が外側に配設されている点が異なる。
【0096】
図17Aは、第9実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す正面図である。図17Bは、第9実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す斜視図である。図17Cは、第9実施形態に係る格子柵10の開放状態を示す上面図である。
【0097】
図17Cを参照して、可動パネル31は回転可能とされており、内側に配設された第1端部33と、外側に配設された第2端部34と、を有する。開放状態に於いては、可動パネル31の最大面は、後述する軸連結部44が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、固定パネル21に密着する。そして、可動パネル31は、固定パネル21の右側面を左方に向かって窪ませた窪み部に収納される。これにより、可動パネル31は、開放状態に於いて、間隙25を塞がない。
【0098】
図17Bを参照して、パネル移動機構40は、軸連結部44および回転軸部43を有する。軸連結部44は、略棒状の部材であり、固定パネル21の下方側に配設される。軸連結部44は、格子柵10の左端から右端に至るまで略直線状に伸びる。図17Bに示す様に、回転軸部43は、軸連結部44から上方に向かって回転軸部43が伸びる。回転軸部43は、図17Cに示す第2端部34と回転可能に接続される。
【0099】
可動パネル把持部35は、軸連結部44の幅方向端部である右端側から、上方に向かって伸びる略棒状部材である。可動パネル把持部35が係る構成であることで、ユーザは、可動パネル把持部35を左右に移動させる簡易な操作により、格子柵10を開放状態および遮蔽状態の間で遷移できる。また、ユーザは、しゃがむことなく、可動パネル把持部35を操作することができる。
【0100】
可動パネル31の第1端部33は、固定格子柵20の固定パネル21に対して回転可能に支持される。図17Bを参照して、第1端部33は、可動パネル31の上端部および下端部に形成される。図17Cに示す様に、第1端部33は、固定パネル21の右側面の内側において回転可能に接続される。
【0101】
図18Aは、第9実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す斜視図である。図18Bは、第9実施形態に係る格子柵10の中間状態を示す上面図である。
【0102】
図18Aおよび図18Bを参照して、ユーザが可動パネル把持部35を把持して右方に引くことで、開放状態と遮蔽状態との中間的な状態である中間状態が実現される。具体的には、ユーザが、可動パネル把持部35を把持して右方側に向かって移動させると、図18Bを参照して、軸連結部44および回転軸部43を介して、可動パネル31の第2端部34が、右方に向かって引かれる。そうすると、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として、時計回りに向かって回転する。図18Bに示す状態から、ユーザが可動パネル把持部35を更に右方に向かって移動させると、後述する遮蔽状態となる。
【0103】
図19Aは、第9実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す斜視図である。図19Bは、第9実施形態に係る格子柵10の遮蔽状態を示す上面図である。
【0104】
図19Bを参照して、遮蔽状態においては、可動パネル31は、可動パネル把持部35が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、固定パネル21から離れることで間隙25を塞ぐ。
【0105】
具体的には、ユーザが可動パネル把持部35を右方に向かって更に引くことで、軸連結部44および回転軸部43を介して、可動パネル31の第2端部34が、更に右方に向かって引かれる。これにより、可動パネル31は、第1端部33を回転中心として、更に時計回りに向かって回転する。開放状態の場合と比較すると、可動パネル31は90度回転したことになる。これにより、間隙25は可動パネル31により塞がれ、遮蔽状態が実現される。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0107】
例えば、図1を参照して、格子柵10は、固定格子柵20と、可動格子柵30と、パネル移動機構40とを備えていたが、可動格子柵30とパネル移動機構40とからなる機構を可動柵モジュールとして構成することもできる。この場合は、既設の格子柵10に対して、可動柵モジュールを取り付けることで、既設の格子柵10のプライバシーおよび安全性を向上することができる。
【0108】
また、前述した全ての実施形態、特に第2実施形態および第5実施形態において、左右方向において、間隙25の幅は、固定パネル21の幅よりも、短くても良いし、長くても良い。間隙25の幅を、固定パネル21の幅よりも短くすることで、外側からの視界を遮る効果を顕著にできる。一方、間隙25の幅が広い場合であっても、固定パネル21により間隙25を埋めることで、完全な遮蔽状態を作り出すことができる。
【0109】
更に、前述した可動パネル31に、広告等を表示することもできる。例えば、図9B等を参照して、固定パネル21および可動パネル31の外側を向く面に、広告、所定の柄、ロゴマーク等を表示することもできる。このようにすることで、格子柵10の遮蔽状態に於いて、可動パネル31の外側に広告等を表示させることができ、格子柵10の外観意匠性を向上させ、格子柵10を店舗等で活用することもできる。
【0110】
更に、図10Aないし図11Cに示した第4実施形態の格子柵10に、図2Aないし図3Cに示した第2実施に示したスリット41および可動格子柵取付部22の構成、更には、図16B等に示したレール機構37を採用することもできる。
【0111】
更に、前述した各実施形態において、格子柵10を敷地12以外に設置する用途に用いることもできる。例えば、格子柵10を、家13の窓に設置することもできる。即ち、格子柵10を窓格子として用いることもできる。
【0112】
更に、全ての実施形態において、固定パネル21と可動パネル31との位置関係を入れ替えることができる。例えば、図2Cを参照して、固定パネル21を内側に配置し、可動パネル31を外側に配置することができる。
【0113】
上記した実施形態から把握できる発明を、その効果と共に下記する。
【0114】
本発明の実施形態にかかる格子柵は、設置面に固定された固定格子柵と、前記固定格子柵に対して変位できるように構成された可動格子柵と、前記可動格子柵を幅方向に沿って移動させるパネル移動機構と、を具備し、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われない開放状態と、前記固定格子柵の間隙が、前記可動格子柵により覆われる遮蔽状態と、をとることができ、前記固定格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネルを有し、前記可動格子柵は、幅方向に沿って離隔して配置され、前記開放状態および前記遮蔽状態において移動する、複数の可動パネルを有し、前記パネル移動機構は、前記可動パネルどうしの間隔を保持しつつ、前記可動パネルを移動できるように構成されることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、パネル移動機構により可動格子柵の可動パネルを幅方向に移動させることで、固定パネルどうしの間隙を可動パネルにより塞ぐことができる。よって、固定パネルの間隙を介した視線を、可動パネルにより適宜に遮ることができ、プライバシーの保護およびセキュリティの向上を図ることができる。
【0115】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記可動格子柵は、前記可動パネルどうしを連結するように横方向に沿って伸びる可動パネル連結部を、更に有し、前記パネル移動機構は、前記可動格子柵に形成されたスリットと、前記固定格子柵に形成されて前記スリットに挿入された可動格子柵取付部と、を有し、前記スリットの内部において、前記可動格子柵取付部はスライド可能とされることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、固定パネルに対して可動パネルがスライド可能とされることから、例えば、ユーザが可動パネル連結部を横方向にスライドさせることで、固定パネルどうしの間隙を可動パネルにより塞ぐことができる。
【0116】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記パネル移動機構は、前記可動パネルの幅方向における第1端部を、前記固定格子柵に対して回転可能に支持され、前記可動パネルの幅方向における第2端部の側は、前記可動パネル連結部に対して回転可能に連結されることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、可動パネルを、可動パネル連結部の操作により回転させることで、開放状態と遮蔽状態とを簡易に切り替えることができる。
【0117】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略直角であり、且つ、前記固定パネルに密着し、前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする。本発明の格子柵によれば、開放状態においては、可動パネルが固定パネルと密着することで、可動パネルが固定パネルどうしの間隙を塞がない。一方、遮蔽状態においては、可動パネルが固定パネルどうしの間隙を塞ぐ構成とすることができる。
【0118】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記開放状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルに密着し、前記遮蔽状態において、前記可動パネルは、前記可動パネル連結部が伸びる方向に対して略平行であり、且つ、前記固定パネルから離れることで間隙を塞ぐことを特徴とする。本発明の格子柵によれば、開放状態においては、可動パネルが固定パネルと重畳することで、可動パネルが固定パネルどうしの間隙を塞がない。一方、遮蔽状態においては、可動パネルが固定パネルどうしの間隙を塞ぐ構成とすることができる。
【0119】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記可動パネル連結部は、前記可動パネルの前記第2端部と連結された軸連結部であり、前記軸連結部は、前記固定パネルの下方または上方に配置されることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、軸連結部が固定パネルの下方または上方に配置されることにより、軸連結部の変位が固定パネルにより阻害されることが無い。
【0120】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記パネル移動機構は、可動パネル把持部を更に有し、前記可動パネル把持部は、ユーザの操作により、前記開放状態から前記遮蔽状態に遷移させることを可能とするように構成され、且つ、前記軸連結部の幅方向端部側から上方に向かって伸びるように構成されることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、ユーザの簡易な操作により、可動格子柵の状態を遷移させることができる。
【0121】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記固定パネルには、前記可動パネルが収納されるパネル収納部が形成され、前記可動パネルは、前記固定パネルの前記パネル収納部に、幅方向に沿って進退できるように収納され、前記パネル移動機構は、前記パネル収納部に内蔵され、前記可動パネルを幅方向外側に向かって付勢するパネル付勢部と、前記可動パネルの前記パネル収納部からの移動を規制する移動規制部と、を有し、前記移動規制部は、幅方向沿って伸びる長尺部材である規制連結部と、前記規制連結部と連結され、前記可動パネルに当接することで、前記可動パネルの幅方向外側への移動を制限するパネル移動規制部と、前記規制連結部と連結され、前記固定格子柵に当接するように構成された規制当接部と、を有し、前記開放状態では、前記規制当接部が前記固定格子柵に当接することで、前記規制連結部を経由して前記パネル移動規制部の位置が固定され、前記パネル移動規制部が前記可動パネルを押さえることで、前記可動パネルが前記パネル収納部に収納され、前記遮蔽状態では、前記規制当接部が前記固定格子柵に当接しないことで、前記パネル移動規制部の位置が固定されず、前記パネル付勢部により付勢された前記可動パネルが、前記パネル収納部から幅方向外側に移動する、ことを特徴とする。本発明の格子柵によれば、開放状態では、移動規制部により、固定パネルのパネル収納部に可動パネルを収納させた状態を維持することができる。一方、遮蔽状態では、移動規制部による規制を解除することで、パネル付勢部の付勢力により、固定パネルのパネル収納部から可動パネルを幅方向外側に向かって突出させ、固定パネルどうしの間隙を可動パネルにより埋めることができる。
【0122】
また、本発明の実施形態にかかる格子柵では、前記規制当接部は、前記固定格子柵に当接する当接状態と、前記固定格子柵に当接しない非当接状態と、をとることができ、前記規制当接部が回転することで、前記当接状態と前記非当接状態とを切り替えるように構成されることを特徴とする。本発明の格子柵によれば、規制当接部を回転させる簡易な操作により、規制当接部と固定格子柵との当接状態および非当接状態を切り替えることができ、ひいては格子柵の開放状態および遮蔽状態を簡易に切り替えることができる。
【符号の説明】
【0123】
10格子柵
11 設置面
12 敷地
13 家
20 固定格子柵
21 固定パネル
22 可動格子柵取付部
23 支柱
25 間隙
26 固定パネル連結部
30 可動格子柵
31 可動パネル
311 第1可動パネル
312 第2可動パネル
32 可動パネル連結部
33 第1端部
34 第2端部
35 可動パネル把持部
36 連結部
37 レール機構
40 パネル移動機構
41 スリット
42 パネル付勢部
43 回転軸部
44 軸連結部
45 パネル収納部
50 移動規制部
51 規制連結部
52 パネル移動規制部
53 規制当接部
【要約】
【課題】必要に応じて外部からの視線を遮りつつ、ユーザの外部への視界を確保することができる格子柵を提供する。
【解決手段】格子柵10は、開放状態と、遮蔽状態と、をとることができる。固定格子柵20は、幅方向に沿って離隔して配置される。固定格子柵20は、開放状態および遮蔽状態において移動しない、複数の固定パネル21を有する。可動格子柵30は、幅方向に沿って離隔して配置される。可動格子柵30は、開放状態および遮蔽状態において移動する、複数の可動パネル31を有する。パネル移動機構40は、開放状態から遮蔽状態に遷移する際に、または、遮蔽状態から開放状態に遷移する際に、可動パネル31どうしの間隔を保持しつつ、可動パネル31を移動できるように構成される。
【選択図】図2B
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19A
図19B