(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-24
(45)【発行日】2025-08-01
(54)【発明の名称】生ゴミ処理用ボックス
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20250725BHJP
【FI】
B65F1/00 A
(21)【出願番号】P 2023153981
(22)【出願日】2023-09-01
【審査請求日】2023-10-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・蒲郡市がウエブサイトhttps://www.city.gamagori.lg.jp https://www.city.gamagori.lg.jp/site/circularcity/ https://www.city.gamagori.lg.jp/site/circularcity/compost.htmlにて2023年2月20日に公開した ・三河湾ネットワークがテレビ回覧板WEEKLYにて2023年3月18日に公開した ・蒲郡市が広報がまごおりNO.1248第3頁にて2023年3月24日に公開した ・東海日日新聞社が東日新聞朝刊第2面とウエブ板https://www.tonichi.net/news/index.php?id=100840にて2023年3月31日に公開した ・中日新聞社が中日新聞朝刊第15面とウエブ板https://www.chunichi.co.jp/article/664848にて2023年4月2日に公開した ・東愛知新聞社が東愛知新聞朝刊第7面にて2023年4月12日に公開した ・読売新聞社中部支社が読売新聞朝刊第28面とウエブ板https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/feature/CO056392/20230425-OYTAT50006/にて2023年4月25日に公開した ・蒲郡市が蒲郡市役所にて2023年5月8日に配布した ・株式会社共伸紙工の丹羽隆太が大宮冬洋(愛知県蒲郡市港町13-48-105)に2023年7月14日に販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】523182533
【氏名又は名称】株式会社共伸紙工
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 隆太
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-272046(JP,A)
【文献】特開2001-017948(JP,A)
【文献】特開平11-157528(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110282300(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00-1/16
B09B 3/00,3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記上部中蓋2の外縁の対向位置に1対の取っ手2tを突設し、前記本体3の内周に沿って前記上部中蓋2の折り曲げ部2cで折り曲げできる構造になっている請求項1記載の生ゴミ処理用ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生ゴミ処理用ボックス内基材の密閉性と発酵熱の保温維持と耐久性と通気性を保ち、脱着しやすい上部中蓋と下部中蓋構造を形成した生ごみ処理用ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のダンボール製の生ゴミ処理用ボックスは、みかん箱に使われるような最も汎用的に使用されているA式ケース
図5が多く、上蓋が半開きで密閉状態を作り出すことは難しい。また、本体に蓋をかぶせる形式で上下が2つに分かれて使用するタイプのC式ケース
図6でも、上蓋と本体の間に隙間ができる為、密閉状態は難しい。密閉に近い状態を作り出すことは、生ごみの発酵を促進させ、かつ防虫効果があるため重要なポイントである。
【0003】
また、従来のダンボール製の生ごみ処理用ボックスは、地面に置くと箱と地面が密着する為に空間がなく通気性の確保ができない為、箱底部に水分が溜まり蒸れて箱の底部が劣化しやすく、生ゴミ処理用ボックス内基材の湿度が上がり、発酵の妨げになる。蒸れを予防し、通気性の確保は重要なポイントである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のダンボール製生ゴミ処理用ボックスは、A式ケース
図5が多い為、上蓋が半開き状態で密閉性や保温性を維持することが難く、密閉性や保温性を維持するために、布や防虫カバーなどで上から覆って他に物品の購入が必要である。
【0006】
また、箱底部分は平坦な場所で直置きすると地面と密着してしまい通気性が悪く、蒸れてしまうため、簀の子や網かごの上に置いて空間を造り、通気性の確保が必要で、他に物品の購入や置き場所などを工夫するひと手間がいる。
【0007】
また、密閉性や保温性を維持するために中蓋を使う物もあるが、はめ込むと取り出しにくく、毎回の取外しにストレスを感じ、力任せに引っ張ると壊れや破れの原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
生ゴミ処理用ボックスは本体3が筒状で、上部外蓋1と下部外蓋6の上下同寸法の外蓋を上下からかぶせる形式とし、前記本体3の内側上部に上部中蓋2を設けると共に、前記本体3の底には第1下部中蓋4及び第2下部中蓋5を同一形状で設けて二重構造にしたものであって、前記上部中蓋2、前記第1下部中蓋4及び前記第2下部中蓋5は、前記本体3の内周と同寸法の天板と前記天板の外周から折り曲げて立ち上がる部分の側板で形成されて前記本体3内部にはめ込む形状であり、前記本体3の底の二重構造は前記第1下部中蓋4の天板4a、前記第2下部中蓋5の天板5aを背中合わせにし、前記第1下部中蓋4の折り曲げ部4cと前記第2下部中蓋5の折り曲げ部5cとを前記本体3の内周に沿って折り曲げて前記本体3の底にはめ込んで形成され、前記下部中蓋4は前記本体3内部の基材を受ける役割をし、前記下部中蓋5の立ち上げ部分の側板5bは本体内側の側面7に沿って立接し、前記下部外蓋6との間に前記側板5bの高さ分の空間を造る構造になっている。
【0009】
前記上部中蓋2の外縁の対向位置に1対の取っ手2tを突設し、前記本体3の内周に沿って前記上部中蓋2の折り曲げ部2cで折り曲げできる構造になっている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は前記のような手段を講じたことにより、次のような効果を奏する。請求項1の発明は、ダンボール製の生ゴミ処理用ボックス本体3に上部中蓋2と第1下部中蓋4、第2下部中蓋5を取付け、さらに上部外蓋1、下部外蓋6をかぶせ蓋にしたことで密閉性や保温性の保持ができ、さらに下部中蓋を二重構造にしたことで耐久性も維持され、第2下部中蓋5の立ち上げ部分の側板5bが下駄の役割をする為、地面に直置きしても底に空間ができて通気性が確保され、生ごみ処理用ボックス内の蒸れを防ぐことができ、生ゴミ処理用ボックス単体で保温性と通気性という相反する状態を同時に解決し、適度な湿度を保つことができる。
【0011】
請求項2の発明は、上部中蓋2に取っ手2tを設けたことで取外しが簡単にでき、毎日の生ごみ投入時間短縮と共に、はめ込み位置を合わせずに取り外しができる為、毎回の小さなストレスを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るダンボール製生ゴミ処理用ボックス全体の斜視図
【
図2】本発明の実施形態に係るダンボール製生ごみ処理用ボックスの使用状態を示す縦断面図
【
図6】従来の他のダンボール製のケースを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るダンボール製生ゴミ処理用ボックス全体の斜視図である。この生ゴミ処理用ボックスは八角柱で、強度と混ぜやすさのバランスが取れた設計で、筒状箱の本体3に上部外蓋1と下部外蓋6を上下同一寸法のかぶせ蓋で構成し、その内部は上部に取っ手付きの上部中蓋2を底は同一形状の部品で第1下部中蓋4と第2下部中蓋5を二重にはめ込む構造で、その三つの中蓋は本体3の内周と同寸法の天板2a、4a、5aと天板の外周から折り曲げて立ち上げる部分の側板2b、4b、5bで形成され、その境目に折り曲げ可能な辺を共有し、その折り曲げ部2c、4c、5cで90度に立ち上げると本体内側の側面7に沿ってはめ込みでき、密閉性や保温性の保持に対応できる構造になる。
【0014】
さらに、上部中蓋2の外縁の対向位置に一対の取っ手2tとその対向位置より90度回転した位置にも同様に一対の取っ手2tを突設してどの位置からでも取外し可能にし、第1下部中蓋4の天板4aと第2下部中蓋5の天板5aを背中合わせにして、天板の外周から折り曲げて立ち上げた第1下部中蓋4の側板4bと第2下部中蓋5の5bを本体内側の側面7に沿って底まではめ込むと、下部中蓋は二重構造になり密閉性や保温性や耐久性に対応できる構造になる。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係るダンボール製生ごみ処理用ボックスの使用状態で、本体3の中に生ゴミを分解発酵するための基材8を入れて生ゴミを投入できる状態を示した縦断面図である。上部中蓋2は側板2bを折り曲げ部2cで90度に折り曲げ、側板2bは本体内側の側面7に沿って上部にはめ込むと密着し、第1下部中蓋4の側板4b、第2下部中蓋5の側板5bも第1下部中蓋4の折り曲げ部4cと第2下部中蓋5の折り曲げ部5cを90度に折り曲げる。そして、第1下部中蓋4の天板4aと第2下部中蓋5の天板5aを背中合わせにし、側板4b、5bの外側面が本体内側の側面7に沿って底にはめ込むと密着した二重構造になり、上部外蓋1と下部外蓋6を上下にかぶせると保温性や耐久性に対応できる。さらに第2下部中蓋5の側板5bが下部外蓋6の底面と垂直に接することで側板5bの高さが下駄の役割をし、底空間9を生み出して通気性を確保し、蒸れを防ぐ構造になっている。
【0016】
図3は、本発明によるダンボール製の生ゴミ処理用ボックスの本体3の内側上部に取付ける上部中蓋2の展開図である。本体3の内周と同寸法の天板2aは正八角形の板状で、八つの各辺から長方形状の側板2bが設けられ、隣接し合う側板2b間に45度の切り込みを入れ、折り曲げ部2cで天板2aに対し90度まで折り曲げていくと隣接し合う側板2bどうしが密着し、本体内側の側面7に沿ってはめ込むと、隙間がなくなり密閉性に対応した構成になる。また、上部中蓋2の対向位置に大きさ30mm程度の一対の取っ手2tを突設、その取っ手位置から90度回転した対向位置にも一対の取っ手2tを突設して八角形の上部中蓋2にバランスが取れた位置に取っ手を形成し、尚且つどの位置からでも取外しできる使いやすい構造になっている。尚、上述した寸法は一例でありそれに限られるものではない。
【0017】
図4は、本発明によるダンボール製の生ゴミ処理用ボックスの本体3の底に取付ける第1下部中蓋4、第2下部中蓋5の展開図である。本体3の内周と同寸法の第1下部中蓋4の天板4a、第2下部中蓋5の天板5aは正八角形の板状で、八つの各辺から長方形状の第1下部中蓋4の側板4b、第2下部中蓋5の5bが設けられ、隣接し合う側板4b、5bの間に45度の切り込みを入れ、第1下部中蓋4の折り曲げ部4c、第2下部中蓋5の折り曲げ部5cで天板4a、5aに対し90度まで折り曲げていくと隣接し合う側板4b、5bどうしが密着し、さらに天板4a、5aにおける側板4b、5bの付け根部には三角形状の突起片5dを設け、その突起片5dを本体内側角部7eに沿ってはめ込むことでさらに隙間がなくなり中身の基材8の漏れを防ぐ構造になっている。
【0018】
尚、上記実施形態では本体3が正八角形筒状で、上部中蓋2の天板2a、第1下部中蓋4の天板4a及び第2下部中蓋5の天板5aが正八角形の場合について説明したがこれには限られない。本体3の筒状及び各中蓋の天板の形状は正多角形で偶数が好ましく、特に正八角形、正十角形及び正六角形が好ましい。
【符号の説明】
【0019】
1 上部外蓋
2 上部中蓋
2a 天板
2b 側板
2c 折り曲げ部
2t 中蓋取っ手
3 本体
4 第1下部中蓋
4a 天板
4b 側板
4c 折り曲げ部
4d 突起片
5 第2下部中蓋
5a 天板
5b 側板
5c 折り曲げ部
5d 突起片
6 下部外蓋
7 本体内側の側面
7e 本体内側角部
8 基材
9 底空間
10 A式ケース
11 C式ケース