IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファーンフィェドラール アクチボラグの特許一覧

特許7717460ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置
<>
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図1
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図2
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図3
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図4
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図5
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図6
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図7
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図8
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図9
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図10
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図11
  • 特許-ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-25
(45)【発行日】2025-08-04
(54)【発明の名称】ベッドまたはシーティング構成体のための硬度制御装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 23/18 20060101AFI20250728BHJP
   A47C 23/22 20060101ALI20250728BHJP
   A47C 27/04 20060101ALI20250728BHJP
   A47C 31/12 20060101ALI20250728BHJP
【FI】
A47C23/18
A47C23/22
A47C27/04 D
A47C31/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020565974
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019066753
(87)【国際公開番号】W WO2020002286
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-26
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】18179629.3
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515200180
【氏名又は名称】スタースプリングス アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】Starsprings AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ケネト、エドリング
【合議体】
【審判長】草野 顕子
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】稲垣 彰彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0015183(US,A1)
【文献】米国特許第5954399(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0201848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00 - 27/22
A47C 7/00 - 7/74
A61G 7/00 - 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド構成体またはシート構成体における使用のための硬度制御装置であって、前記硬度制御装置は、
2つの対向する側面を有する剛性フレームと、
前記2つの対向する側面の間に延びる少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素であって、各非弾性可撓性細長要素が、2つの端部を備え、前記非弾性可撓性細長要素の一方の端部が、前記対向する側面のうちの一方に間接的に接続され、前記非弾性可撓性細長要素の他方の端部が、前記対向する側面のうちの他方に間接的に接続され、各非弾性可撓性細長要素の両方の前記端部が、弾性可撓性細長要素を介して前記対向する側面に間接的に接続される、少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素と、
平坦または湾曲面内に延びる複数の細長スプリングであって、各細長スプリングが、2つの端部を有し、各細長スプリングの前記端部が、2つの分離された連結部において前記少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素のうちの1つに装着される、複数の細長スプリングと、
前記2つの分離された連結部の間の前記非弾性可撓性細長要素を締め付けたり緩めたりするように配置され、それにより、各非弾性可撓性細長要素の前記2つの分離された連結部の間の距離を調節し、それにより前記細長スプリングの湾曲および高さを制御する、引込デバイスと
を含むものであり、
前記非弾性可撓性細長要素が、非弾性可撓性布製のひもである、硬度制御装置。
【請求項2】
前記弾性可撓性細長要素が、弾性可撓性布製のひもである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記引込デバイスが、前記非弾性可撓性細長要素が延びる平面の真下に配置される、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記引込デバイスが、前記非弾性可撓性細長要素が延びる平面内に本質的に配置される、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記引込デバイスが、前記非弾性可撓性細長要素を軸の周りに巻き付けること、および前記非弾性可撓性細長要素を引っ張ること、のうちの少なくとも1つによって、前記非弾性可撓性細長要素を絞め付けるように配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記引込デバイスが、電気モータおよび電気ポンプのうちの少なくとも一方を用いて動作される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記細長スプリングが、波状スプリング、およびストリップスプリングのうちの少なくとも一方である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの硬度制御装置を含むベッドまたはシート構成体であって、前記構成体が、マットレスをさらに含み、前記硬度制御装置が、前記マットレスの下に配置される、ベッドまたはシート構成体。
【請求項9】
前記マットレスが、ケーシング材料の複数のストリングを含むポケットスプリングマットレスであり、各ストリングが、複数のポケットを規定し、各ポケットがコイルスプリングを含む、請求項8に記載のベッドまたはシート構成体。
【請求項10】
前記マットレスが、前記硬度制御装置を覆って配置され且つ前記マットレスを貫通する少なくとも1つの切欠き部を含む、請求項8または9に記載のベッドまたはシート構成体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの切欠き部内に配置され、前記硬度制御装置を覆うフォームインサートをさらに含む、請求項10に記載のベッドまたはシート構成体。
【請求項12】
前記フォームインサートが、前記硬度制御装置の前記細長スプリングを覆う1つまたはいくつかの凹状に湾曲した内部表面を備える、請求項11に記載のベッドまたはシート構成体。
【請求項13】
前記ベッドまたはシート構成体は、可変硬度を有する少なくとも2つの区域を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のベッドまたはシート構成体。
【請求項14】
前記硬度制御装置が、前記マットレスの幅の50%を超える、ならびに前記マットレスの長さの50%未満である長さを有する、請求項8~13のいずれか一項に記載のベッドまたはシート構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドまたはシーティング構成体における使用のための硬度制御装置、およびそのような硬度制御デバイスを有するベッドまたはシーティング製品に関する。特に、本硬度制御装置は、ベッドまたはシーティング構成体内に調節可能な硬度を有する少なくとも1つの区域を提供する。
【背景技術】
【0002】
ベッド構成体内には、ユーザの体重または体重の部分に対して作用するように支持体が提供され、ベッドは、体重をユーザの身体からデバイスの表面の一部にわたって分散させる。ベッドがユーザの体重をどのように分散させるかによって、ベッドは、柔らかいか、または硬いか、のいずれかとして表れる。そのようなベッドの硬度の程度は、ばね定数など、弾性要素の特性、および、クランピングまたはプレテンショニングなど、弾性部材がどのようにしてベッドに取り付けられているかに依存する。したがって、ベッドの硬度は、通常、デバイスの製造時に設定される。
【0003】
しかしながら、異なる人は、異なる硬度を希望および必要とする。さらに、異なる身体部分は、異なる硬度を必要とし得る。
【0004】
ベッド構成体に可変硬度を提供することが知られている。弾性部材に対して異なる程度まで変形を誘発することにより、デバイスの硬度は調節可能である。変形部材は、弾性部材の存在することによって誘発される変形とは独立して、弾性部材を変形させる能力を有する。これは、ベッドの硬度が、ユーザの希望に応じて、初期設定中に調節可能であることを意味する。弾性構成体の弾性特性における経時的な潜在的変化に対してデバイスの硬度を補うことも可能である。依然としてさらに、マットレス内の様々な区域/部分において独立して硬度を変化させることが知られている。
【0005】
そのような周知のソリューションは、例えば、欧州特許第2245967号明細書および国際公開第2009/120270号パンフレットに開示される。これら両方の文書はまた、全体的な圧力を下げるために、異なる区域に対して印加されている圧力を検知する可能性、および異なる区域の硬度を自動的に制御する可能性を開示する。
【0006】
さらに、可変の高さを有する支持プレート上にコイルスプリングを配置することによってマットレスの硬度の変動を提供することが知られている。支持プレートの高さは、支持プレートの下に配置され、かつ中心を外れた回転軸を有する、回転可能な要素によって制御され得る。ここで、回転可能な要素の回転により、プレートは、様々な高さ位置を前提とする。そのような硬度調節手段は、例えば、米国特許第3340548号明細書および米国特許出願公開第2011/0258772号明細書に論じられる。可変の高さを有する支持プレートを有する同様の構成体を使用することも知られており、この場合、支持プレートの高さは、リニアモータ、ジャック、および他の持上げ機構の形態にある変位部材によって制御され得る。そのような硬度調節手段は、例えば、豪国特許出願公告第551300号明細書、米国特許第4222137号明細書、米国特許出願公開第2006/0253994号明細書、国際公開第99/65366号パンフレット、および欧州特許第2245967号明細書に論じられる。
【0007】
圧力が加圧手段を用いて独立して変化される空気注入式要素によって実現される、可変硬度を有する区域を提供することも知られている。そのような硬度調節手段は、例えば、国際公開第2009/120270号パンフレットに論じられる。
【0008】
さらに、例えば、米国特許第5113539号明細書に論じられるように、コイルスプリングなど、空気注入式要素および他の弾力性要素の組み合わせによって、可変硬度を有するマットレスを実現することが知られている。
【0009】
例えば、米国特許第4667357号明細書に論じられるように、他の硬度調節手段もまた、マットレスに糸を通して配置することなどによって実現可能であり、それにより高さ位置および/または張力が変化される。
【0010】
しかしながら、これらの以前に知られている可変硬度を有するベッド構成体にある共通の問題は、それらが比較的複雑で、重く、生産するための費用が高いことである。さらに、これらの知られているベッド構成体はまた、多くの場合、使用するのが比較的困難かつ面倒である。さらに、これらの知られているベッド構成体が、ある程度の調節性を提供するとしても、これは、多くの場合、ユーザのニーズには不十分である。
【0011】
したがって、硬度制御装置、および、上で論じた問題を軽減する調節可能な硬度を有するベッドまたはシーティング構成体が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、これらの問題を少なくとも部分的に克服すること、また、改善された硬度制御装置、ならびにベッドおよびシーティング構成体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下から明らかになるこれらの目的および他の目的は、添付の特許請求の範囲に従う、硬度制御装置、ならびにベッドおよびシーティング構成体によって達成される。
【0014】
本発明の第1の態様によると、ベッド構成体またはシーティング構成体における使用のための硬度制御装置であって、
2つの対向する側面を有する剛性フレームと、
2つの対向する側面の間に延びる少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素であって、各非弾性可撓性細長要素が、2つの端部を備え、非弾性可撓性細長要素の各端部が、対向する側面のうちの一方に直接的または間接的に接続され、各非弾性可撓性細長要素の端部のうちの少なくとも1つが、弾性可撓性細長要素を介して対向する側面のうちの一方に間接的に接続される、少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素と、
平坦または湾曲面内に延びる複数の細長スプリングであって、各細長スプリングが、2つの端部を有し、各細長スプリングの端部が、2つの分離された連結部において非弾性可撓性細長要素のうちの1つに装着される、複数の細長スプリングと、
2つの分離された連結部の間の少なくとも1つの非弾性可撓性細長要素を締め付けたり緩めたりするように配置され、それにより、各非弾性可撓性細長要素の2つの分離された連結部の間の距離、ならびに細長スプリングの湾曲および高さを調節する引込デバイスと
を含む、硬度制御装置が提供される。
【0015】
新規の硬度制御装置は、生産するのに非常に費用対効果が高く、以下により詳細に論じられるように、硬度制御装置を覆うまたは囲むように配置される多種多様のマットレスと共に使用され得る。硬度制御装置は、本質的に平坦であり、任意のタイプのマットレスの下に配置され得、またマットレスおよびベッドもしくはイス底板の真下に提供されてもよく、ならびに/または上方マットレスと下方マットレスとの間に配置されてもよい。
【0016】
睡眠体験、および、何が快適またはそうでないと見なされるかは、人によって大きく異なる。さらに、ユーザは多くの場合、うつ伏せ、すなわち腹臥位、または横向きなどの、1つの横になった姿勢を使用するときには、あおむけ、すなわち仰臥位などの他の横になった姿勢よりも、柔らかいマットレスを有することがより快適であると思う場合がある。本発明は、ユーザの希望とは独立して、および、例えば、横になった姿勢の選択に基づいて、マットレス特性を変化させる、効率的でありながら、比較的単純かつ費用対効果の高い方法を提供する。このことが、睡眠および休息体験を大きく向上させ、それがより良い休息および睡眠の質を提供することが分かっている。向上された睡眠および休息はまた、ユーザの健康を向上させ、向上された生活の質を全体としてもたらす。
【0017】
本発明の前には、調節可能な特性を有するマットレスおよびベッドは、複雑で、重く、かつ高費用であり、また使用するのが困難かつ面倒であることが知られていた。対照的に、本発明は、生産するのが比較的単純でかつ費用対効果が高く、ユーザにとって操作するのが容易であり、例えば、より多くのまたはより少ない調節可能な区域を使用するために、修正するのが容易である調節可能な特性を有するベッド構成体を提供する。ベッド構成体はまた、自動化または半自動化製造に非常によく適している。
【0018】
本硬度制御装置は、非常に少ない比較的安価な部品を含むことから、これは、低費用で生産可能である。本硬度制御装置は、新規のベッドまたはシーティング構成体上に配置され得るが、既存のベッドまたはシーティング構成体上にも容易に据え付けられ得る。
【0019】
新規の硬度制御装置はまた、幅広い連続可変硬度を提供することにおいて非常に効率的であり、また非常に正確かつ信頼性の高い制御性を伴うことが分かっている。したがって、1つまたはいくつかの硬度制御装置は、マットレスの1つまたはいくつかの区域に可変硬度を提供するように、ベッドまたはシーティング構成体内に提供され得る。
【0020】
非弾性可撓性細長要素の長さの小さいまたは中程度の変動により、硬度特性におけるかなりの変動が得られるということが分かっている。硬度はまた、非常に正確かつ予測可能な方法で制御可能である。
【0021】
“剛性フレーム”とは、本発明の文脈では、細長スプリングが収縮されるとき、および弛緩されるときの両方において、細長スプリング、ならびに可撓性の弾性および非弾性細長要素からの力に耐えるためにフレームの平面において十分に剛性であるフレームを意味する。フレームの剛性は、好ましくは、フレームがそのような力が原因で著しく変形されないようなものである。しかしながら、剛性フレームは、フレームの平面に垂直の方向など、他の方向においては依然として可撓性であり得る。これにより、剛性フレームは、配送、保管、および同様のことのために、例えば、マットレスが丸められ、非常にコンパクトな形式へと真空パックされるときに、屈曲され得る。したがって、本硬度制御装置は、これにより、非常にコンパクトなパッケージングを可能にし、これはかなり重要である。
【0022】
剛性フレームは、例えば、スチールバンド製、または他の材料製のバンドであり、フレーム平面に延びる幅よりもはるかに小さい、フレーム平面に垂直の方向に厚さを有し得る。厚さは、例えば、0.5~2mmの範囲内にあり得、幅は、4~10mmの範囲内にあり得る。
【0023】
非弾性可撓性細長要素は、好ましくは、ひもまたはコードの形態で提供され、好ましくは、しなやかであるが非弾性の材料でできている。
【0024】
2つなど、少数の非弾性可撓性細長要素が提供され得る。この場合、非弾性可撓性細長要素は、好ましくは、比較的幅広であり、好ましくは、可変区域の幅の15%超にわたって延びる、およびさらにより好ましくは25%超にわたって延びるなど、可変区域の幅のかなりの部分にわたって延びる。しかしながら、好ましくは、少なくとも3つ、4つ、またはそれ以上の平行な非弾性可撓性細長要素が、上記可変区域の各々の下に延びるように配置される。
【0025】
1つの実施形態において、各細長スプリングが別個の可撓性細長要素と接続され得るように、細長スプリングの数と同じだけの可撓性非弾性細長要素が存在する。そのような実施形態において、可撓性非弾性細長要素の幅は、細長スプリングの幅と同じまたは同様であり得る。しかしながら、2つ以上の細長スプリングを共通の単一の可撓性非弾性細長要素に接続することも可能である。1つのそのような実施形態において、すべての細長スプリングは、共通の単一の可撓性非弾性細長要素に装着され得る。そのような実施形態において、可撓性非弾性細長要素は、好ましくは、各弾性スプリングの幅を大いに超える、および好ましくは、硬度制御装置の本質的に全幅にわたって延びる幅を有する。この場合、単一の可撓性非弾性細長要素が、単一の可撓性弾性細長要素を介して、または複数の可撓性弾性細長要素によって、フレームに接続され得る。
【0026】
各非弾性可撓性細長要素の端部のうちの少なくとも1つが、弾性可撓性細長要素を介してフレームの対向する側面のうちの一方に間接的に接続されるため、弾性および非弾性可撓性細長要素の合計長さは、非弾性可撓性細長要素の収縮および弛緩の間、一定のままであり得る。弾性可撓性細長要素はまた、非弾性可撓性細長要素が常にいくらか緊張したままであり、それにより非弾性可撓性細長要素を、比較的真っ直ぐの構成に維持すること、および非弾性可撓性細長要素が弛緩されるときに非弾性可撓性細長要素の端部を引き離すことを確実にする。
【0027】
1つの実施形態において、非弾性可撓性細長要素の端部のうちの1つのみが、対向する側面のうちの一方に間接的に接続される。すべての非弾性可撓性細長要素が、同じ側面において弾性細長要素によって接続される場合、硬度が増大されるとき、増大した硬度の点は、直接的に接続された端部の方へわずかに変化する。しかしながら、多くの用途では、これは完全に許容可能である。さらに、非弾性可撓性細長要素のうちの一部は、対向する側面のうちの一方に直接的に接続されるが、他は、対向する側面のうちの他方に直接的に接続される。これにより、増大された硬度の点の変動は、非弾性可撓性細長要素の間で均一にされる。1つの好ましい実施形態において、1つおきの非弾性可撓性細長要素は、対向する側面のうちの一方に接続されるが、1つおきの非弾性可撓性細長要素は、対向する側面のうちの他方に接続される。
【0028】
しかしながら、さらにより好ましい実施形態において、各非弾性可撓性細長要素の両方の端部は、弾性可撓性細長要素を介して対向する側面のうちの一方に間接的に接続される。これにより、増大された硬度の点は、硬度の増大および減少の間常に同じ位置に留まる。
【0029】
非弾性可撓性細長要素は、金属ワイヤ、ロープなど、様々な方法で実現され得る。しかしながら、好ましくは、非弾性細長要素は、厚さを超える幅を有する、テープのようなものである。1つの実施形態において、非弾性可撓性細長要素は、非弾性可撓性布製のひもである。
【0030】
同様に、弾性可撓性細長要素は、弾性コード、コイルスプリング、および同様のものであり得る。しかしながら、好ましくは、非弾性細長要素は、厚さを超える幅を有する、テープのようなものである。1つの実施形態において、弾性可撓性細長要素は、弾性可撓性布製のひもである。
【0031】
引込デバイスは、非弾性可撓性細長要素が延びる平面の真下に配置され得る。例えば、引込デバイスは、例えば、2つのローラ、滑り面、または同様のものの間で、非弾性可撓性細長要素を引き下げるように配置され得る。
【0032】
しかしながら、代替的に、引込デバイスは、本質的に、非弾性可撓性細長要素が延びる平面内に配置され得る。例えば、非弾性可撓性細長要素は、回転モータ/ポンプまたは同様のものに接続される回転可能なロッド、シャフト、または同様のものに接続され得、これにより、一方向におけるロッド/シャフトの回転が、非弾性可撓性細長要素を引き込み、他方向においては、非弾性可撓性細長要素を解放する。
【0033】
非弾性可撓性細長要素は、好ましくは、すべての非弾性可撓性細長要素を同時におよび同じ方法で制御する単一の引込手段によって、すべて動作される。そのようなソリューションは、非常に費用対効果が高く、実現するのが単純である。しかしながら、代替的に、非弾性可撓性細長要素は、個々に制御可能であり得るか、または非弾性可撓性細長要素のセットが、別個に制御され得る。
【0034】
引込デバイスは、好ましくは、可撓性細長要素を軸の周りに巻き付けること、可撓性細長要素を引っ張ること、および可撓性細長要素を押すことのうちの少なくとも1つによって、非弾性可撓性細長要素を絞め付けるように配置される。
【0035】
引込デバイスは、好ましくは、電気モータおよび電気ポンプのうちの少なくとも一方を用いて動作される。これは、例えば、制御パネルまたは遠隔制御を単に動作させることによって、硬度の調節を非常に簡便にする。引込デバイスを制御する制御ユニットとの通信のため、例えばワイヤレスインターフェースを通じて、制御ユニットと通信するように適合される遠隔制御が使用され得る。
【0036】
しかしながら、引込デバイスが、制御ホイールまたは同様ものを回転させることによって、手動で動作される機械的なソリューションを提供することも実現可能である。例えば、主ねじまたは並進ねじが使用され得る。次いで、ノブ、ホイール、または任意の他のタイプのハンドルが手動で回転され得、それにより、ねじを回転させ、可撓性細長要素の接続の対応する変位を結果としてもたらす。様々な変位位置にある保持ピンまたは同様のものに解放可能に接続される、可撓性細長要素内の別個の穴を長手方向に提供することなどによって、他のタイプの手動で動作可能な引込デバイスもまた実現可能である。
【0037】
細長スプリングは、様々な方法で実現され得る。しかしながら、好ましい実施形態によると、細長スプリングは、no-sagスプリングなどの波状スプリング、およびストリップスチールスプリングなどのストリップスプリングのうちの少なくとも一方である。ストリップスプリングはまた、プラスチック材料、複合材料などの他の弾性材料で形成され得る。しかしながら、波状スプリングは、それらが長さ方向および長さ方向を横断する方向の両方において弾性であることから、特に好ましい。
【0038】
波状スプリングは、好ましくは、ジグザグパターンを有し、好ましくは、非弾性可撓性細長要素が収縮されるときにスプリングが上方には曲がるが下方には曲がらないことを確実にするため、わずかに上方に屈曲する弧を、2つの連結部の間に、また弛緩した配備で、有するように配置される。
【0039】
波状スプリングの一番端の部分は、波状スプリングの一番端の部分を可撓性要素内に一体して形成されるループ内に挿入すること、縫い付けによってそれらを装着すること、および同様のことなどを含む、任意の数の方法で、非弾性可撓性細長要素に固定され得る。
【0040】
非弾性可撓性細長要素の各長さは、細長スプリングに接続されない、細長スプリングへの連結部の間の伸張部全体にわたって延びる、中間部分を有する。
【0041】
本発明の第2の態様によると、上に論じられるような少なくとも1つの硬度制御装置を含むベッドまたはシーティング構成体であって、該構成体が、マットレスをさらに含み、硬度制御装置が、マットレスの下に配置される、ベッドまたはシーティング構成体が提供される。
【0042】
マットレスは、好ましくは、ケーシング材料の複数のストリングを含むポケットスプリングマットレスであり、各ストリングが、複数のポケットを規定し、各ポケットがコイルスプリングを含む。
【0043】
硬度制御装置は、ポケットスプリングマットレスの真下に配置され得、それにより、特定のポケットの下から増大した圧力を提供し、それにより、これらのポケットの硬度を増大させる。
【0044】
しかしながら、代替的に、マットレスは、硬度制御装置を覆って配置される少なくとも1つの切欠き部を含み得る。この切欠き部は、収縮されるときに細長スプリングによって全体的または部分的に充填されるように、空であり得る。そのような実施形態において、切欠き部は、好ましくは、硬度制御装置の細長スプリングのみを覆って、またマットレスのポケットがそれらの間に配置された状態で、配置される。
【0045】
しかしながら、切欠き部はまた、マットレスの平らな表面を提供するため、ならびに細長スプリングが収縮および弛緩されるときに、それぞれ増大および減少された硬度を均一にするために、硬度制御装置の上に配置されるマットレスインサートを含み得る。
【0046】
ベッドまたはシーティング構成体はまた、切欠き部がマットレスに提供される場合には特に、快適性を増大させ、滑らかで平面の上表面を提供するために、マットレスの上部に配置される追加の層を含み得る。この追加の層は、パッド層、ならびに/または、布、および好ましくは、伸縮可能な布の層を含み得る。代替的に、または追加的に、追加の層はまた、追加の上方マットレスを含み得る。上方マットレスは、同じくポケットスプリングマットレスタイプのものであるなど、下方マットレスと同じタイプのものであり得る。上方マットレスは、下方マットレスと同じサイズを有し得るが、代替的に、より薄くてもよい。上方マットレスは、好ましくは、下方マットレスの全表面にわたって延び、好ましくは、切欠き部および同様のものがない。
【0047】
1つの実施形態において、インサートは、ポケットスプリングマットレスインサートを含む。しかしながら、インサートは、フォームインサートも含み得る。フォームインサートは、硬度制御装置の細長スプリングを覆う1つまたはいくつかの凹状に湾曲した内部表面を備え得る。
【0048】
ベッドまたはシーティング構成体は、可変硬度の1つの区域を提供するために、1つの硬度制御装置を含み得る。しかしながら、代替的に、それは、可変硬度を有する少なくとも2つの区域をさらに含み、少なくとも1つの硬度制御装置が各区域に提供される。
【0049】
硬度制御装置は、好ましくは、マットレスの幅の50%を超える、および好ましくは75%を超える幅伸張、ならびにマットレスの長さの50%未満、および好ましくは25%未満である長さ伸張を有する。
【0050】
可変区域は、好ましくは、上方マットレスの本質的に全幅にわたって延びる。いくつかの区域が提供される場合、区域は、好ましくは、マットレスの長手方向に分離される。ユーザが中央で横になるか、または片方の側を向いて横になるかに関係なく、同じ硬度が通常、必要とされるため、通常、区域を幅方向に分離する必要はない。しかしながら、ベッド構成体が2人以上の人によって使用されることになる場合、または、他の理由により異なる横方向位置を区別する必要がある場合、可変硬度が幅方向にも分離されている区域が使用され得る。この場合、2つの別個の、および独立して動作可能な、硬度制御装置、および、例えば、これら2つの硬度制御装置の上に配置される共通の上方マットレスを使用することが実現可能である。
【0051】
ベッド構成体は、好ましくは、少なくとも2つの区域を含み、そのうちの少なくとも一方が、可変区域を構成する。
【0052】
さらに、ベッド構成体は、好ましくは、少なくとも2つの可変区域、および、上記区域の硬度を制御するために独立して動作可能である上記可変区域の各々のための少なくとも1つの硬度制御装置を有する。3つ、5つ、7つなど、3つ以上の区域が提供され得る。例えば、可変硬度を有する異なる区域は、少なくともユーザの臀部および肩部のために提供され得る。そのような区域は、ユーザの脚部および頭部のためにも提供され得る。これらの区域の間には、一定の硬度が備わっている区域が提供され得る。しかしながら、代替的には、これらの区域もまた、可変硬度を有し得る。したがって、より緻密な実施形態において、可変硬度を有する、7、10、またはそれ以上の区域が提供され得る。
【0053】
本発明のこれらの追加の態様を用いて、本発明の第1の態様に関連して上に論じられるような同様の目的および利点が獲得可能である。
【0054】
目的を例示化するため、本発明は、添付の図面に例証される本発明の実施形態に関して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の実施形態に従う、弛緩状態にある硬度制御装置の概略斜視図である。
図2】わずかに収縮した状態にある図1の硬度制御装置の概略斜視図である。
図3】弛緩状態にある図1の硬度制御装置の垂直断面図である。
図4】引込デバイスが非弾性可撓性細長要素と同じ平面に配置された状態にある、収縮状態にある図1の硬度制御装置の垂直断面図である。
図5】引込デバイスが非弾性可撓性細長要素の真下に配置された状態にある、収縮状態にある図1の硬度制御装置の垂直断面図である。
図6】本発明の実施形態に従う硬度制御装置の別の実施形態の概略斜視図である。
図7】わずかに収縮した状態にある図6の硬度制御装置の概略斜視図である。
図8】本発明の実施形態に従うベッド構成体の、少し上から見た概略分解組立図である。
図9】収縮状態にある図8のベッド構成体の垂直断面図である。
図10】本発明の実施形態に従うベッド構成体の上面図である。
図11】本発明の別の実施形態に従うベッド構成体の上面図である。
図12】本発明のさらに別の実施形態に従うベッド構成体の、下から見た概略分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下の詳細な説明では、本発明の好ましい実施形態が説明される。しかしながら、別途具体的に記載のない限り、異なる実施形態の特徴が、実施形態間で交換可能であること、および異なる方法で組み合わされ得ることを理解されたい。明瞭性の目的のため、図面に例証される特定の構成要素の寸法は、例えば、細長スプリングの長さなど、本発明の現実の実装形態における対応する寸法とは異なり得ることにも留意されたい。さらに、以下に論じられることになる特定の実施形態は、主にベッド構成体に関連するが、わずかに異なる寸法をおそらくは有する、硬度制御装置が、シーティング構成体および同様のもののために使用され得る。
【0057】
硬度制御装置1の第1の実施形態は、図1図4に例証される。硬度制御装置は、以下にさらに詳細に論じられるように、ベッド構成体またはシーティング構成体内で使用され得る。硬度制御装置1は、2つの対向する側面11aおよび11bを有する剛性フレーム11を含む。フレームは、例えば、形状が長方形であり得、2つの対向する側面11aおよび11bが、長方形の長さ方向に沿った2つの側面、または幅方向に沿った2つの側面であり得る。フレームは、鋼などの金属製であり得るが、代替的に、木、プラスチック材料、または同様のものでできていてもよい。
【0058】
硬度制御装置は、2つの対向する側面11aおよび11bの間に延びる複数の非弾性可撓性細長要素12をさらに含む。非弾性可撓性細長要素12は、例えば、厚さを大いに超える幅を有する、非弾性ひもの形態にあり得る。各非弾性可撓性細長要素12は、2つの端部12aおよび12bを備え、これら端部12a、12bの各々は、対向する側面11a、11bのうちの一方に直接的または間接的に接続される。各非弾性可撓性細長要素12の端部12a、12bのうちの少なくとも一方は、弾性可撓性細長要素13を介して、対向する側面11a、11bのうちの一方に間接的に接続される。例証的な例において、各非弾性可撓性細長要素12の両方の端部12a、12bが、そのような弾性可撓性細長要素13を介して、対向する側面11a、11bのうちの一方に間接的に接続される。したがって、各弾性可撓性細長要素の一方の端部がフレームに接続される一方、他方は、非弾性可撓性細長要素12の端部に接続される。
【0059】
非弾性可撓性細長要素12は、非弾性布製であり得るが、代替的に、全体的または部分的に、金属および同様のものからできていてもよい。非弾性可撓性細長要素は、例証的な実施形態にあるように、ひもの形態にある、すなわち、テープのような形態を有することがある。しかしながら、それらは、代替的に、コード、ワイヤ、および同様のものの形態にあり得る。
【0060】
弾性可撓性細長要素13は、ストレッチ布など、弾性布製であり得るが、ゴムバンド、弾性リボンなどの形態にあってもよい。代替的に、弾性可撓性細長要素13は、細長の、好ましくは比較的薄い、コイルスプリングなどの、スプリングを含み得る。
【0061】
非弾性可撓性細長要素12は、一方または両方の端部において、対向するフレーム側面11a、11bの長手方向において好ましくは分離される、2つの弾性可撓性細長要素13など、2つ以上の弾性可撓性細長要素13に接続され得る。同様に、弾性可撓性細長要素13は、好ましくは、対向するフレーム側面11a、11bの長手方向において好ましくは分離される、2つの非弾性可撓性細長要素12など、2つ以上の非弾性可撓性細長要素12に接続され得る。そのような実現は、非弾性可撓性細長要素がひもの形態にあり、弾性可撓性細長要素がコードの形態にあるとき、またはその反対であるときなど、弾性および非弾性可撓性細長要素の幅が異なる場合に特に有用である。
【0062】
硬度制御装置は、平坦または湾曲面内に延びる複数の細長スプリング14をさらに含む。細長スプリング14は、好ましくは、図1図4の例示的な実施形態に示されるように、no-sagスプリングなどの波状スプリングである。しかしながら、細長スプリングは、代替的に、ストリップスチールスプリングなどのストリップスプリングなど、他の方法で実現され得る。すべての細長スプリングは、好ましくは、同じタイプのものである。しかしながら、異なるタイプの細長スプリングの組み合わせも実現可能である。
【0063】
各細長スプリング14は、2つの端部14aおよび14bを有し、端部14a、14bの各々は、2つの分離された連結部において非弾性可撓性細長要素のうちの1つに装着される。好ましくは、端部14aは、非弾性可撓性細長要素の端部12aにおいて、またはその近くに、好ましくは接続され、端部14bは、非弾性可撓性細長要素の端部12bにおいて、またはその近くに、好ましくは接続される。端点14aおよび14bの間の細長スプリングの残部は、好ましくは、非弾性可撓性細長要素に接続されていない。
【0064】
細長スプリングの端部は、非弾性可撓性細長要素に、その中に形成されるループに挿入されることによって、または、縫い付け、接着剤、ボルト、リベットなどによってなど、他の方法で、接続され得る。
【0065】
引込デバイス15は、2つの分離された連結部の間の非弾性可撓性細長要素12を絞め付けたり緩めたりするように配置される。図1図4に例証される実施形態において、引込デバイス15は、本質的に、非弾性可撓性細長要素が延びる平面内に配置され得る。引込デバイスは、ここでは、非弾性可撓性細長要素12が延びて通る開口部を有する回転可能なシャフト15aを含む。シャフトを回転させることによって、非弾性可撓性細長要素は、シャフトに巻き付けられ、それにより連結部の間の距離を減少させる。これにより、細長スプリングの端部14aおよび14bは一緒に引っ張られ、以て、細長スプリング14は上向きの弧内に突出する。シャフト15aが回転されるほど、弧は高くなる。シャフトが異なる方向に回転される場合、弧の高さは、代わりに、減少する。このように、弧の高さは、2つの方向にいずれかにおけるシャフトの回転によって容易に制御され得る。これは、図3および図4に例証されており、図3は、下げられた弛緩した位置にある細長スプリングを示し、図4は、細長スプリングが上向きの弧を形成する、いくらか収縮された緊張した位置にある細長スプリングを示す。
【0066】
シャフト15aは、例えば、クランクまたは同様のものによって動作可能であることによって、手動で制御され得る。しかしながら、それはまた、自動駆動ユニット16、例えば、ポンプ、電気モータ、または同様のものによって動作され得る。
【0067】
非弾性可撓性細長要素はまた、他の方法で引き込まれ得る。1つのそのような代替案は、図5に例証されており、非弾性可撓性細長要素12は、2つのローラ15bまたは滑り面により下方へ導かれる。非弾性可撓性細長要素は、次いで、プランジャ15cまたは同様のものによって下方に引っ張られ得る。この引っ張りは下方に発生し得るが、例証的な例に示されるように、例えば、更なるローラ15dにより導かれることによって、フレームの平面内でも発生し得る。この実施形態において、引込デバイスは、非弾性可撓性細長要素が延びる平面の真下に配置され得る。プランジャは、例えば、電気ポンプに接続されることによって、手動で、または自動的に、動作され得る。
【0068】
図6および図7において、硬度制御装置の別の実施形態が例証される。ここでは、細長スプリングは、ストリップスチールスプリングなどのストリップスプリングとして形成される。この違いは別として、図6および図7に示されるような硬度制御装置は、図1図4に関連して説明されるものと本質的に同じ方法で作製され、同じ方法で動作する。図6は、弛緩した下げられた位置にある細長スプリングを示し、図7は、細長スプリングが上向きの弧を形成する、いくらか緊張した収縮された位置にある細長スプリングを示す。
【0069】
自動化されるとき、引込デバイスは、例えば、ワイヤレスまたは有線接続によって駆動ユニットに接続され得る、遠隔制御を用いて制御され得る。
【0070】
硬度制御装置は、1つまたはいくつかの区域内に可変硬度を有するベッドまたはシーティング構成体を形成するために、マットレスまたはクッションと組み合わせて使用され得る。硬度制御装置は、これにより、マットレスの真下、例えば、ベッド底の上、または上方マットレスの真下に配置される下方マットレスの上に配置される。そのようなベッド構成体のいくつかの代替的な実施形態は、これよりいくらか詳細に論じられ、同じまたは同様の構成体がシーティング構成体のためにも使用され得るということを当業者は理解するものとする。
【0071】
ベッド構成体は、適応的硬度を有し、より詳細には、独立して調節可能な硬度を有する少なくとも1つの区域を含む。ベッド構成体は、単一の区域、または2つ以上の区域を含み得る。さらに、いくつかの区域が使用される場合、1つまたは複数の区域が可変であり得る。さらに、非可変である1つまたは複数の区域もまた使用され得る。例えば、可変硬度を有する異なる区域は、少なくとも、ユーザの尻および肩のうちの一方のために提供され得る。そのような区域は、ユーザの脚および頭のためにも提供され得る。これらの区域の間、および任意選択的にその周辺には、一定硬度を備えた区域が提供され得る。
【0072】
好ましくは、独立して調節可能な硬度を有する区域は、ベッド構成体の幅の少なくとも半分にわたって延び、例えば、ベッド構成体の本質的に全幅にわたって延び得る。
【0073】
マットレスは、例えば、弾力性フォーム要素、弾力性ゴム、および同様のものを含む、様々なタイプのものであり得る。しかしながら、好ましくは、マットレスは、ポケットスプリングマットレスを規定するために、複数のコイルスプリング、および好ましくは、カバー材料の別個のポケット内に配置されるコイルスプリングを含む。
【0074】
本マットレスのポケットマットレス実現において、可変硬度を有さないマットレス形成区域の少なくとも部分、および任意選択的には、部分的または全体的に、可変硬度を有する区域もまた、ポケットスプリングマットレスとして形成される。ポケットスプリングマットレスは、すべて一体型のマットレスを形成し得るか、または、互いに組み立てられる別個のポケットマットレスとして配置されるように形成され得る。
【0075】
例えば、図8および図9に関して、ポケットマットレス2は、好ましくは、接着剤、溶接、Velcro(ベルクロ)、または同様のものなどの表面接着を用いて、隣り合って相互接続される複数のストリング21を含む。各ストリングは、溶接シームなどの横断シーム23により、連続したケーシング材料および互いから分離されているポケットによって形成される、複数の連続したケーシング/ポケット22を含む。各ケーシング/ポケットは、少なくとも1つの、および好ましくは、1つのみの、らせんコイルスプリング24を含む。スプリングは、およそ2~10cm、および好ましくは6cmの直径を有するらせん状の巻きを有し得る。
【0076】
しかしながら、上に論じられるように、他のタイプのマットレスもまた、上述したベッド構成体において使用することが可能である。
【0077】
図8および図9に例証される1つの実施形態において、ポケットマットレスは、ベッド構成体の幅および長さ全体にわたって、ならびに可変硬度を有する区域および可変硬度を有さない区域の両方にわたって延びる、一体化された連続したマットレスである。
【0078】
上に論じられるような硬度制御装置1は、マットレス2の区域の真下に配置される。図8および図9に示される硬度制御装置は、図6および図7に関連して論じられるタイプのものであるが、先に論じられる実施形態のうちのいずれが使用されてもよい。
【0079】
硬度制御装置1は、ベッド底(図示されない)上に、ゆるく配置され得、マットレスはこのとき、ベッド底の上部に、および硬度制御装置の上にゆるく配置されている。しかしながら、硬度制御装置は、代替的に、ベッド底、もしくはベッドの他の部分に、および/またはマットレスに接続され得る。ベッド底またはベッドフレームへの接続は、接着剤、ボルトなどによってなされ得る。マットレスへの接続は、接着剤、縫い付けなどによって実現され得る。
【0080】
硬度制御装置の細長スプリングが、図9に示されるように、弧として上方に延びるように収縮されるとき、弧を覆うマットレス内のスプリングは、圧縮され、結果としてより硬くなる。
【0081】
図10に示されるような別の実施形態において、マットレスは、硬度制御装置を覆って配置される少なくとも1つの切欠き部25を含む。切欠き部は、好ましくは、ポケットの少なくとも1つまたは複数の列が切欠き部の各側に幅方向に配置されるように、ポケットスプリングマットレスによって完全に囲まれる。この切欠き部によって形成される腔は、マットレス内容物3によって充填され得る。このマットレス内容物は、例えば、同じくポケットスプリングマットレスであってもよいが、例えば、周囲のポケットスプリングマットレスよりも柔らかいなど、異なる特性を有する。しかしながら、好ましくは、マットレス内容物は、フォームマットレスなど、異なるタイプのマットレスである。
【0082】
図11に例証されるような代替の実施形態において、複数の切欠き部25’が提供される。ここでは、切欠き部は、細長であり、隣り合って配置され、本質的に、下にある硬度制御装置の細長スプリングのみを覆うように配置される。切欠き部は、好ましくは、1つのポケットの幅に対応するサイズのものであり、切欠き部が単一のストリング内に形成されること、および隣接する近隣ストリングによって囲まれることを可能にする。
【0083】
この実施形態において、切欠き部によって形成される腔は、充填される必要がない。したがって、硬度制御装置の細長スプリングが弛緩されるとき、ポケットスプリングマットレスの腔は空である。これにより、可変硬度を有する区域におけるマットレスの硬度は、切欠き部の間に配置される残りのポケットスプリングによってのみ提供される。故に、この区域は、この状態では、マットレスの他の区域よりも柔らかい。しかしながら、硬度制御装置の細長スプリングが収縮されると、このとき形成される弧が、切欠き部によって形成される腔内へ持ち上がり、それにより部分的または完全に腔を充填する。以て、硬度は、細長スプリングが収縮されるときに次第に増大し、このとき可変区域の硬度は、細長スプリング弧、および切欠き部の間のポケットスプリングの両方によって提供され得る。増大した硬度のそのような状態において、可変区域は、非可変区域と比較して、より大きいまたははるかに大きい硬度を有し得る。
【0084】
パッド、布、または同様のものの上層が、マットレスの上部に配置され得、それにより、切欠き部を目に見えなく、あまり気付かれないようにする。
【0085】
しかしながら、マットレスの表面の滑らかさを増大させるために、図12に示されるように、これらの切欠き部25’にもマットレス内容物3’を提供することも可能である。この内容物は、図10に関連して上に論じられるように、例えば、同じくポケットスプリングマットレスであってもよいが、例えば、周囲のポケットスプリングマットレスよりも柔らかいなどの異なる特性を有する。しかしながら、好ましくは、マットレス内容物は、フォームマットレスなど、異なるタイプのマットレスである。
【0086】
内容物25’は、ここでは、下にある硬度制御装置の細長スプリングの方を向く内部表面を備えることが好ましく、この内部表面は、内容物が端部においてはより厚く、中央部分においてはより薄く、それらの間での段階的な湾曲遷移を伴うように、凹状に湾曲される。凹状の湾曲は、好ましくは、対応する高さまで持上げられるとき、対応する細長スプリングの弧の形状に対応する。
【0087】
内容物は、上方マットレス表面をより滑らかに、およびより均一にする。加えて、内容物はまた、マットレスのこの部分の硬度の少なくともわずかな増大をもたらし、また、弧まで持ち上げられるとき、細長スプリングによって提供される増大した硬度に貢献する。
【0088】
図12に例証される例示的な実施形態において、湾曲した内部表面を有する内容物は、ポケットスプリングマットレスのストリングの間に形成される細長の切欠き部25’に提供される細長の内容物として提供される。
【0089】
しかしながら、図10に関連して論じられるものなど、より大きい内容物3内に同じタイプの凹状に湾曲した内部表面を提供することも可能である。したがって、内容物3は、ここでは、その全幅にわたって延びるそのような内部湾曲を有し得る。しかしながら、代替的に、内部湾曲は、図12の例にあるように、硬度制御装置の細長スプリングを覆う位置にのみ提供され得、それらの間に平坦な非湾曲の内部表面を伴う。そのような内容物は、例えば、湾曲した内部表面を有する内容物片および直方体内容物片の組み合わせを使用することによって提供され得る。このとき、1つおきの内容物片が、湾曲タイプであり、1つおきに直方体タイプである。内容物片は、このとき、例えば、接着剤によって互いに接続されて、内容物を形成し得る。
【0090】
当業者は、本発明が上に説明される好ましい実施形態に決して限定されないことを認識する。逆に、多くの修正形態および変形形態が添付の特許請求の範囲内で可能である。例えば、フォーム、ゴム、コイルスプリング、ポケットコイルスプリング、空気注入式要素、および同様のものによって形成される弾力性要素など、代替のマットレス要素は、区域内で使用することが可能である。また、マットレスの硬度は、電気ポンプ、モータ、もしくは同様のものを使用して、手動または自動方式で、制御され得る。ベッドまたはシーティング構成体はまた、完全に自動化され得、予め格納された選好に従って、および/またはセンサデータに基づいて、硬度を自動的に制御するためにコントローラを備え得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12