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特許7717623手動調節可能なコンベヤベルト案内レールおよび関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-25
(45)【発行日】2025-08-04
(54)【発明の名称】手動調節可能なコンベヤベルト案内レールおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/22 20060101AFI20250728BHJP
【FI】
B65G21/22 D
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021571771
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 US2020037707
(87)【国際公開番号】W WO2020252443
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】62/861,633
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500240553
【氏名又は名称】スパン テック エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SPAN TECH LLC
【住所又は居所原語表記】101 Hilltopper Way Glasgow,KY 42141-3069 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レイン,ジェームズ,エル.
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/213827(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205739146(CN,U)
【文献】特開昭56-163854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/00-21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向において搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
支持レール、および
前記支持レールに係合して前記案内レールを支持する可動支持体であり、前記搬送方向に対して横断方向にある前記コンベヤに対して前記案内レールの位置を調節する少なくとも一つの可動支持体であって、前記支持レールに対して前記少なくとも一つの可動支持体の位置を固定するクランプを有する少なくとも一つの可動支持体を有し、
前記クランプは、ウェッジと作動装置とを有し、前記作動装置を選択的に垂直方向に作動して、前記ウェッジを前記支持レールに係合し、又は前記ウェッジを解放させる
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの可動支持体が折り畳み可能な支持体を有し、この支持体が前記支持レールに係合するシャトルに対して旋回動作するように接続された一対のアームを有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記案内レールの一部を受け取る構成の受け取り装置を有するコネクターに前記一対のアームの各アームが旋回自在に接続される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクターが前記支持レールに係合する延設部を有し、前記一対のアームがロック位置に達することを防止する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
各コネクターは、前記一対のアームの各アームを介して前記支持レールに係合する保持装置に接続される請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記シャトルが前記支持レールに回転可能に係合する少なくとも一つのローラーを有する請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記作動装置が前記支持レールに選択的に係合するウェッジを有する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記作動装置がレバーを有する請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの可動支持体が、前記作動装置を保持する少なくとも一つの保持装置を有する本体および前記ウェッジを受け取りかつ保持する開口を有する請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの保持装置が、前記作動装置の作動状態において前記ウェッジの前記支持レールとの係合によって生み出された外方向力の結果として前記作動装置に係合し摩擦強化される請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記作動装置がハンドルを有する請求項7に記載の装置。
【請求項12】
支持レールとの接続状態で搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
前記搬送方向に対して横断方向に前記コンベヤに対する前記案内レールの位置を調節する少なくとも一つの可動支持体を有し、この少なくとも一つの可動支持体が前記支持レールに係合し、かつ前記案内レールを支持する折り畳み式支持体を有し、この折り畳み式支持体が前記搬送方向に対して横断方向にある前記搬送路に進退して、前記支持レールに対して前記案内レールを選択的に位置決めし、前記少なくとも一つの可動支持体が前記支持レールに前記少なくとも一つの可動支持体を締め付けるクランプを有しており、このクランプが前記支持レールに対して前記少なくとも一つの可動支持体の位置を固定し、そして、
前記クランプは、ウェッジと作動装置とを有し、前記作動装置を選択的に垂直方向に作動して、前記ウェッジを前記支持レールに係合し、又は前記ウェッジを解放させる
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
支持レールとの接続状態で搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
前記支持レールに沿って前後に移動する構成のシャトルを有し、このシャトルがレバーを有し前記支持レールに保持装置を選択的に押圧係合して、前記支持レールに対して前記シャトルの位置を固定し、
前記レバーが複数のチャネルを有し、各チャネルが前記シャトルに対応する前記保持装置に係合することを特徴とする装置。
【請求項14】
前記保持装置がウェッジを有する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
さらに、一端において相対的に旋回動作するように接続した一対のアームを有する折り畳み式支持体を有し、そしてこれらアームの少なくとも一つを前記シャトルに接続し、他端において前記支持レールを係合する請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記一対のアームの各アームを旋回自在にコネクターに接続し、このコネクターが前記案内レールの一部を受け取る構成の受け取り装置を有する請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コネクターが前記支持レールに係合する延設部分を有し、前記一対のアームがロック位置に達することを防止する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記レバーの作動状態において前記保持装置の前記支持レールとの係合が生み出す外方向力の結果として各保持装置が前記チャネルに係合し摩擦強化される請求項13に記載の装置。
【請求項19】
搬送方向にある搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを調節自在に支持する方法であって、
前記案内レールに対応する可動支持体をクランプにより支持レールに締め付け、そして
前記可動支持体を作動して、前記案内レールを前記搬送路に接近あるいはこれから離間するように選択的に進退させる方法であり
前記クランプは、ウェッジと作動装置とを有し、前記作動装置を選択的に垂直方向に作動して、前記ウェッジと前記支持レールとの係合を形成する
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
さらに、前記締め付けを解除して、前記可動支持体を前記支持レールに沿って摺動させる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記締め付け工程において、前記ウェッジを使用して、前記可動支持体の位置を固定する請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記締め付け工程において、前記作動装置がハンドルを有する請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は物品搬送技術、具体的には、手動調節可能なコンベヤベルト案内レールおよび関連方法に関する。なお、本出願は2019年6月14日を出願日とする米国仮特許出願Ser.No.62・861,633の優先権を主張する出願である。また、本出願は2017年5月19日を出願日とする米国仮特許出願Ser.No.62/508,700、2017年8月25を出願日する米国仮特許出願Ser.No.62/550,023、2018年5月21を出願日する国際出願Ser.No.PCT/US18/3365および2019年11月13日を出願日とする米国特許出願Ser.No.16/281,889にも関係し、これら出願すべての開示内容をここに援用するものとする。


【背景技術】
【0002】
コンベヤは一般的に搬送路に沿って物品を案内するコンベヤチェーンまたはベルトの両側に沿ってレールを配置している。物品を確実に搬送路に保持するように位置決めされたレール間を物品は走行する。大きな物品または小さな物品を搬送する場合、換言すると、大きな物品や小さな物品流れに順応するように搬送路の幅を調節する必要がある場合、案内レールをこの状況にフィットさせる必要がある。
【0003】
従来からの案内レール調節システムの場合、案内ロッドを付け足し、案内レールに取り付けられたブラケットを支持する。これら案内ロッドもコンベヤから外向きに周囲のエリアに突き出し、コンベヤの全体幅および設置面積を大きく構成している。剛性ロッドを有する案内レールもロッドの延設部がコンベヤの両側から突き出すため、美観に欠ける。一部の案内レールの場合、モーター式調節装置が必要なため、コストも複雑さも増す。
【0004】
このように、上記問題点ならびにまだ実現されていない他の問題を解決する調節可能な案内レールの必要性が依然として認められる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って搬送される一つかそれ以上の物品を案内する案内レールを装置に関する。本装置は、搬送方向に対して横断方向においてコンベヤに対して案内レールの位置を調節する支持レールおよび少なくとも一つの可動支持体を備える。この少なくとも一つの可動支持体は、支持レールに係合し、案内レールを支持し、かつ支持レールに対して案内レールを選択的に配置するために、搬送方向に対して横断方向において搬送路に対して進退する構成である。また、この少なくとも一つの可動支持体は、支持レールに少なくとも一つの可動支持体を締め付け、支持レールに対して可動支持体の位置を固定するクランプを備える。
【0006】
一つの実施態様では、上記少なくとも一つの可動支持体はシャトルに対して旋回動作して支持レールに係合するように接続した一対のアームを備える折り畳み式の支持体を有する。一対のアームの各アームについては、案内レールの一部を受け取る構成の受け取り装置を備えるコネクターに旋回接合する。このコネクターについては、一対のアームがロック位置に達することを防止するために支持レールに係合する延設部(付け足し部)を備える。受け取り装置の少なくとも一つは、支持レールに係合する保持装置および/または支持レールに回転係合する少なくとも一つのローラーを備える。
【0007】
クランプについては、クランプを選択的に作動し、支持レールに係合し、かつクランプを解除して、可動支持体が支持レールに沿って摺動する構成の作動装置(actuator)を備えることができる。この作動装置の場合、支持レールに選択的に係合するウェッジを有することができる。さらに、作動装置はレバーを備えていてもよい。少なくとも一つの可動支持体に関しては、作動装置を保持する少なくとも一つの保持装置を有する本体、およびウェッジを受け取り保持する開口を備えていてもよい。この少なくとも一つの保持装置の場合、作動装置の作動状態においてウェッジが支持レールに係合する結果として生み出される対向力の結果として作動装置に摩擦強化係合する構成でもよい(frictionally-enhanced for engaging)。この作動装置はハンドルを備えていてもよい。
【0008】
本発明の別な態様は、支持レールとの接続状態で搬送方向において搬送路を有するコンベヤに沿って搬送される一つかそれ以上の物品を案内する案内レールを支持する装置を提供するものである。この装置は、搬送方向に対して横断方向にあるコンベヤに対して案内レールの位置を調節する少なくとも一つの可動支持体を有する。この少なくとも一つの可動支持体の場合、支持レールに係合しかつ案内レールを支持する折り畳み式支持体を有する。この折り畳み式支持体は、支持レールに対して案内レールを選択的に配置するために、搬送方向に対して横断方向にある搬送路に進退する構成である。少なくとも一つの可動支持体は、支持レールに可動支持体を締め付け(clamp)て、支持レールに対する可動支持体の位置を固定するクランプを有する。
【0009】
本発明のさらに別な態様は、支持レールに接続した状態で搬送方向において搬送路を有するコンベヤに沿って搬送される一つかそれ以上の物品を支持する装置に関する。この装置は支持レールに沿って前後に移動する構成のシャトルを有する。このシャトルは、選択的に保持装置を駆動し、これを支持レールに係合し、その上のシャトルの位置を固定するレバーを有する。
【0010】
一つの実施態様では、保持装置はウェッジを有する。さらに、本装置は一端に相対的に旋回動作(relative pivotting movement)するように接続された一対のアームを有する。これらアームの少なくとも一つは、もう一方の端で支持レールに係合して前記シャトルに接続する。一対のアームのそれぞれのアームはコネクターに旋回接続することができ、案内レールの一部を受け取る受け取り装置を有する。またこのコネクターは支持レールに係合して一対のアームがロック位置に達することを防止する延設部を有する。レバーは複数のチャネルを有していてもよく、各レバーがシャトルに対応する保持装置に係合する。各保持装置の場合、レバーの作動状態における保持装置の支持レールとの係合が生み出す対向力の結果としてチャネルに摩擦強化係合する。
【0011】
また、本発明は搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って搬送される一つかそれ以上の物品を案内する案内レールを調節可能に支持する方法にも関する。この方法では、案内レールに対応する可動支持体を支持レールに締め付け、またさらに可動支持体を作動して、搬送路に向けて、あるいはこれから離間するように案内レールを選択的に進退させる。
【0012】
さらに、この方法はクランプを解除して、可動支持体を支持レールに沿って摺動させる工程を有することができる。この締め付け工程では、ウェッジを使用して、可動支持体の位置を固定することができる。締め付け工程では、クランプを下げて、クランプに対応するハンドルに上向き力を加えるなどによって、支持レールに係合させてもよい。
【0013】
本発明のさらに別な態様は、搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って搬送される一つかそれ以上の物品を案内する案内レールを調節する方法に関する。この方法では、案内レールを支持する第1支持体を支持レールに手動係合して、第1支持体の位置を固定するとともに、搬送路に沿って一つかそれ以上の物品を案内する案内レールに係合する。
【0014】
一つの実施態様に係る本発明方法は、案内レールを支持する第2支持体を支持レールに手動係合する工程を有する。さらに、案内レールを支持する第3支持体および第4支持体を支持レールに手動係合する工程を有していてもよく、支持レールに沿った第1支持体および第2支持体間の第1距離が、支持レールに沿った第3支持体および第4支持体間の第2距離と異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に貼付され、本明細書の一部を構成する図面は、本発明のいくつかの態様を示すもので、明細書の記載とともに、本発明の主な原理を説明に役に立つものである。以下の図面において、
【0016】
図1図1は、本発明の一実施態様に係る単独使用のコンベヤ案内レール調節装置の一実施態様を示す上面斜視図である;
図2図2は、図1の調節装置を示す底面斜視図である;
図3-5】図3図4および図5は、それぞれ図1の調節装置を示す上面図、背面図および底面図である;
図6図6は、図1の調節装置を示す正面図である;
図7-8】図7および図8は、図1の調節装置を示す左側面図および右側面図である;
図9図9は、図1図8の調節装置の一部を構成する折り畳み式案内レール支持体を示す斜視図である;
図9A図9Aは、アームを旋回できるように支持体(シャトル)の一つに接続する態様を示す分解図である;
図9B図9Bは、図9Aの組立構成を示す上面図である;
図9C図9Cは、図9Bの線9C-9Cに沿って見た図9Aの組立構成を示す横断面図である;
図10-11】図10および図11は、進退状態にある図9の支持体を示す上面図である;
図12図12は、図9の支持体を示す後面図である;
図13図13は、手動操作用支持体に接続するシャトルを示す斜視図である;
図14図14は、図13のシャトルを示す展開斜視図である;
図15図15は、自動操作用支持体に接続するシャトルを示す斜視図である;
図16図16は、図15のシャトルを示す分解斜視図である;
図16A図16Aは、図15のシャトルを示す部分的な横断上面図である;
図17図17は、調節可能な案内レール支持体を作動させる作動装置の態様を示す側面図である;
図18図18は、調節可能な支持体の作動装置の一部を構成するケーブルのテンショナーを示す図である;
図19-23】図19図20図21図22および図23は別な構成の作動装置を示す図である;
図24-26】図24図25および図26は動作時に複数の調節装置に対応する2つの対向案内レールを示す図である;
図27-28】図27および図28は、延伸可能な案内レールの態様を示す図である;
図29-31】図29図30および図31は、調節装置用支持レールを湾曲部分に沿ってエンドレスケーブルを案内する案内装置を示す図である;
図32-34】図32図33および図34は本開示に係る調節可能な案内レールを使用して各種ゾーンを形成することを示す概略図である;
図35-42】図35図42は手動調節可能な案内レール支持体の一実施態様を示す図である。
【0017】
以下、コンベヤ用の手動調節可能な案内レールの好適な実施態様を詳細に説明する。これら実施態様の実施例については添付図面に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図9に本発明の一態様を構成する案内レール調節装置10の一つの実施可能な実施態様を示す。図示のように、調節装置10は案内レール12に接続し、物品を搬送路に沿って搬送方向D(例えば図19を参照)に案内する。案内レール12については、可撓性か折り畳み可能(即ち、よりコンパクトな形状に折り畳むことができる)な調節装置10の一部を構成する支持体14によって支持することができる。従って、支持体14を有する調節装置10は案内レール12を進退させ、搬送路の相対的な位置を変えることができるが、調節の結果として横断方向における対応するコンベヤの幅全体が広くなることはない。
【0019】
一つの実施態様では、支持体14は相互に接続した第1支持体および第2支持体あるいは第1アーム16および第2アーム18としてリンクを有していてもよい。これらアーム16、18は垂直方向において変形しないが、コネクター20などによって内端部において旋回自在に接続している。即ち、これらアーム16、18およびコネクター20がリンク仕掛けを構成する(このリンク仕掛けについては2本バーリンク仕掛け(two-bar linkage)であればよいが、他のリンク仕掛け構成も使用可能である)。
【0020】
対向端部において、各アーム16、18は摩擦を減じるか摩擦が発生しないように構成するか、あるいは支持構造や軸受構造を与えるように構成した構造部分に接続する。図示の実施態様では、この構造部分は可動ボルスターまたはシャトル22、24の形態を取り、全体として搬送方向Dにおいて案内レール12に平行に延在する細長い支持レール26に(摺動や転動によって)摩擦係合する。従って、これら接続および結果として得られる相対運動によって搬送方向Dに対して横断方向に支持体14を折り曲げるか、あるいは折り畳むことが可能になる。
【0021】
また、支持体14は案内レール12に接続する。図示の実施態様では、この接続はコネクター20に一つかそれ以上のクリップ20a、20bなどの受け取り装置を設けることによって行う(なお、以下に詳しく説明するように、案内レール12は位置が固定されるか、あるいは相対的に摺動できるようにクリップなどが係合する)。図6から理解できるように、調節装置10が垂直方向にきわめて薄くなり、その高さも案内レール12よりも僅かに高い。図1図8から理解できるように、適宜設けるカバー28を設けることができ(なお、図9には示していない)、これが支持レール26に係合し、調節装置10の可動部分を保護することになるが、可動部分の相対的な移動および動作を妨害することはない。
【0022】
図9および図12に、一実施態様において案内レール用の支持体14を形成するアーム16、18の旋回式接続の性質を示す。各アーム16、18にはトラニオン16a、18aを設けることができ、これらの端部をコネクター20の両側の上部受け取り装置および下部受け取り装置20c内に受け取られ、回転自在に取り込まれる。なお、別な構成も使用可能であり、例えば(機械的なピンやリビングヒンジを備えた)単純なヒンジを例示することができる。いずれの場合も、シャトル22、24が支持レール26に沿って相互に移動すると、コネクター20、従って対応する案内レール(図示せず)が搬送方向に対して横断方向に隣接する搬送面に沿って移動する。この移動に関しては、接続に対してアーム16、18の旋回によって、形成した可撓性ジョイントの折り曲げが可能になる点で可撓性移動といえる。同様に、シャトル22、24が反対方向(相互に離間する方向)に移動すると、アーム16、18が相互に(およびコネクター20に対して)屈曲するため、案内レール12が後退する。
【0023】
リンク仕掛けを構成するアーム16、18が“底を突き(bottomed out)”(β=180度かそれ以上)、潜在的にロックされた位置に達することは、(特に調節装置10の動作が手動ではなく、自動の場合には)望ましくない。このように、図10および図11から理解できるように、この状態は案内レール12に対向するコネクター20の側部に搬送方向に対して横断方向に突出する凸部または延設部20dを設けて、アーム16、18の間に形成するジョイントを最大限まで折り曲げることを可能にすると、避けることができる。コネクター20の凸部または延設部20dの大きさおよび位置については、リンク仕掛けが完全に折り畳まれた位置において支持レール26に係合し、これが底を突き、位置がロックされることがなくなる大きさおよび位置であればよい。もちろん、凸部はアーム16、18の一つまたは両方、あるはさらに支持レール26に設けることができ、同様の結果を得られる。
【0024】
図10図11および図12から理解できるように、選択的に進退させることによって、支持体14の対応する案内レール12の調節レベルを改善できる。このように、調節は容易かつ効率よく実施することができ、コンベヤシステム全体の占有面積を過大にすることはない。具体的には、支持体14を進退させると、コネクター20によって支持体に旋回可能に取り付けた案内レール12が多数の異なる幅をもつ被搬送物に対して幅が可変な搬送路になるように構成することができる。例えば、小さなサイズの搬送物を搬送する場合、搬送方向Dに対して横断方向にある内向き(inward or inboard)方向Iに案内レール12を移動させるだけでよく、これによってこの方向に案内レールを折り畳むことができ、(従って可撓性ジョイントの角度を鋭角αに、図示の実施例では5度の鋭角に、アーム16、18を相互に平行に設けた場合にはこれより小さな鋭角にすることが可能になる)。換言するなら、アーム16、18がアーム間の相対的角度が大きい位置から小さい位置まで移動する。このため、搬送路が狭くなり、従ってサイズが異なる各種の物品を容易に状況に対処できる構成で案内することが可能になる。
【0025】
同様に、サイズより大きな物品/物体を搬送することが望ましい場合には、あるいは下のコンベヤに対して搬送路の幅を拡張することが望ましい場合には、搬送方向Dを横断する外向き方向あるいは端に向かう方向Oに動かすだけでよい(これによってジョイント折り曲げ角度をアーム16、18間の大きな180度未満の鈍角βに設定でき、図示のように、延設部または凸部20dが存在するため、ロックアウト状態を避けることができる)。換言するなら、アーム16、18がアーム間の相対的角度が小さい位置から大きくなる位置まで移動する。いずれの場合も、進退の結果として、支持レール26が外向きに突き出るロッド状などの構造物はなく、また構成の幅全体が変化することはない。このため、横断方向に延在するロッドおよび対応する取り付け部を使用する場合よりも本発明コンベヤシステムの占有面積が小さくなる。
【0026】
支持体14の調節については手動でもよく、あるいは自動でもよい。手動調節では、図13および図14に示すように、各シャトル22、24に支持レール26に選択的に係合し、これによってシャトルを望む位置に保持する保持装置30を設けることができる。図示の実施態様では、保持装置30はクリップ32aとのスナップ嵌め嵌合などによって旋回自在に取り付けたレバー34の形を取る作動装置を支持するポスト32を有する。レバー34の内側にはウェッジ36があり、このウェッジのサイズおよび位置に関しては、一つの位置ではレール26に嵌合せず、そして異なる位置ではレール26に摩擦係合するサイズおよび位置である(図5に位置34´(自由位置)および34´´(保持位置)を示す。対向プレート38、40はファスナーFによって保持し、ポスト32の位置を保持し、各プレート38、40は支持レール26の一部を摺動自在に受け取るガイド42を備えていてもよい。プレート38、40も開口38a、40aを有していてもよく、これら開口が各アーム16、18の近位端部から垂下する(キーウェイプラグ:keyway plug)16cなどの、図9A図9Bおよび9Cを参照)対応するファスナーを受け取り、アーム16、18の端部を旋回自在にシャトル22、24に接続する。
【0027】
なお、レバー34を使用して保持装置30との係合を外すことによって、対応するシャトル24が前後に自由に摺動などによって支持レール26に沿って移動し、これによって支持体14、従って対応する案内レール12が進退する。案内レール12の目的の進退に対応する位置に達すると、保持装置30が再始動し、支持レール26に固定係合する。また、同様に、旋回自在に接続したアーム16、18が生み出す支持体14の折り畳み可能な性質の点から見て、案内レール12の目的の進退動作を実現するためにはシャトル22、24の一つを動かすだけでよい。
【0028】
シャトル22、24もまた自動環境に応じて容易に作動できるように設定することができる。具体的には、シャトルの少なくとも一つ、可能ならば各シャトル22、24を作動装置に係合し、作動度に応じて、支持レール26に沿って前後動を引き起こし、アーム16、18を進退させる。図17に示すように、作動装置は可撓性ケーブル44などでシャトル22、24に接続するコネクターを備えていてもよい。ケーブル44は各端部を滑車46に掛け渡すことができる(図17には、支持レール26の一端に取り付けた一つの滑車を示すが、構成は支持レール26の対向端部に示す構成と同じである;図19などを参照)。従って、エンドレスループ構成になる(以下に概略を説明するように、複数の調節装置10に対応する構成である)。
【0029】
ケーブル44をエンドレスパスに横断させるために、本実施態様において作動装置の一部を形成する(サーボモータなどの)モーター50に対応するキャプスタン48などの駆動装置の周囲に搭載することができる。図18に示すように、ケーブル44にはターンバックル44aなどのテンショナーを設けることができ、必要に応じてあるいは望む場合に、張力を調節することができる。
【0030】
本実施例では、図16に示すように、各プレート38、40には保持装置52を設けることができ、ケーブル44に選択的にこれを係合させる。保持装置52は旋回可能なカム54の形を取るクランプを備えることができる(図16に上のカムのみを示す)が、他の形を取ることも可能である(例えば、シャトルの対応表面に対してケーブル44の一部を取り込むフランジを備えたボルトなど)。カム54については、ファスナーFによって所定位置に保持できるポスト56の縮径端部56aに軸支すればよい。
【0031】
図示の実施例では、図16および図16Aに示すように、カム54は拡大した円形内面54aを備え、ケーブルに係合し、これを押圧し、プレート38、40の摩擦強化部分55に係合する(これらプレートは同一プレートでもよいが、逆にすることもできる。換言すると、図16においてプレート38はプレート40と同形であり、上部プレートが摩擦強化部分55を有する)。このカム54の自由端部54bは、保持位置と開放位置との間の動作に触知係合(tactile engagement)するようになっている。スナップ嵌め係合の形で突起58aに係合する可撓性脚部を備えた着脱可能な締め付けタブ58を設けることも可能であり、これは締め付け状態や閉鎖状態においてカム54に係合し、これを固定し、従ってケーブルにも係合する(図16Aに疑似線で示す)。ローラーまたは滑車60はポスト56の反対側にある縮径端部56bに回転自在に軸支する(図16に示すように、カム54が下部プレート38にある場合には上になり、カム54が上部プレート38にある場合には下になる)。
【0032】
なお、ケーブル44はエンドレスループであるため、前進走程と後進走程を有する。図16に示すように設けたクランプ(カム54)を使用して一つのシャトル22を前進走程に接続し、かつ対応する位置においてクランプ(図16Aに示すようにプレート上のカム54)を使用して他方のシャトル24を後進走程に接続することによって、単独の作動装置を使用して作動させると、シャトル22、24が相互に向かって移動し、あるいは相互に離間することによってアーム16、18が作り出す支持体14のジョイントを折り曲げ、案内レール12を進退させる。シャトル22、24に固定されていないケーブル44の交互に現れる走程は単にローラー/滑車60に係合するだけなので、相対的な動作を妨害しない。
【0033】
図16を参照して説明を続けると、各シャトル22、24にもローラー62を設けることができ、支持レール26への低摩擦係合を生み出す。これらローラー62にはファスナー64によってプレート38、40に接続し、支持レール26の外面に係合する個々のローラー62a、およびプレート38、40に軸支され、支持レール26の内面に係合するローラー62bを設けることができる。なお、ローラー62aは離間しているため、支持レール26の一部がカバー28に係合し、これを支持する。
【0034】
別な形態の作動も可能であり、この場合には作動装置を単独使用し、複数の調節装置10を使用して搬送路の幅を調節するのが有利である。例えば、図19に示すように、ケーブル44などのコネクターを、回転自在なピニオン68に係合するように構成したラック66に対応させればよい。ケーブル44がエンドレスな性質を有しているため、また対応して上記のようにシャトル22、24に接続しているため、ピニオン68をある一つの方向に作動すると同時に、複数の調節装置10が作動する。これによって、案内レール12(例示する目的で疑似部分をもつ2つの分断された部分として示す)が、搬送方向Dにある搬送面(チェーンまたはベルトB)によって構成される搬送路Pを備えたコンベヤCの横断方向Tに進む。なお、案内レール12が横断方向に進む結果として幅が狭い搬送路P´になる。具体的には、時計方向にピニオンを回転させると、ラックが図19において右に移動し、また各案内レール調節装置10のシャトル22にケーブル44の前進走程が接続しかつ戻り走程がシャトル24に接続しているため、図示の前進が生じる。ピニオン68の回転方向を逆にすると、反対の動作が生じる。
【0035】
コンベヤCに対応する調節装置10の作動も同様に手動でもよく、あるいは自動でもよい。即ち、図20図22に示すように、手動ハンドル70を対応するコンベヤCに接続し、これを回転させて一つかそれ以上の、例えば2、5、10、20個の調節装置10を用いる差動装置の強度に応じて作動させればよい(基本的には、任意の数の調節装置を単独使用のコネクターまたはケーブル44に接続する)。図23は、自動操作に(サーボモータなどの)モーター72を使用する態様を示す。
【0036】
図24図25および図26は搬送路(図示せず)を有するコンベヤに接続する際に使用する複数の調節装置10を組み込んだ調節可能な案内レールシステムの実施可能な構成を示す概要図である。搬送路に沿って物品(図示せず)を案内する対向関係にある内側案内レール12aおよび外側案内レール12bを示す。調節可能案内レール支持体14a、14bが内側案内レール12aを支持し、調節可能な案内レール支持体14cが外側案内レール12bを支持する。このように、搬送路の幅Wを調節して、異なるサイズの物品(または物品群)を収めることが望まれる場合、(案内レール支持体14a、14bと共に)案内レール12aおよび(案内レール14cおよびその他の物とともに)案内レール12bを移動させてもよい。この動作は手動でもよく、あるいは自動でもよい。いずれの場合も、各支持レール26に沿って(制御装置の単独使用によって操作を調和させることができる対応するモーターを備えた)搬送方向Dを横断する作動装置(ケーブル44を含む)を単独使用して、搬送路の幅Wを広げるか狭める。なお、図25にはより狭い幅W´を示し、図26にはさらに狭い幅W´´を示す。いずれも瓶や缶などの一列の物品を搬送する場合に相当する。このような状態では、(クリップ20a、20bなど)受け取り装置が一つ置きの調節装置10において案内レール12a、12bには強く係合するが、他の調節装置においては摺動係合するため、望むとおりの進退が可能になる。
【0037】
図27および図28に、垂直方向の寸法の小さい脚部12c、12d(基本的に案内レールの全体高さの2分の1に等しい)などの部分を備えた延長可能なジョイント74を備えることができる案内レール12を示す。これら脚部12c、12は相互に重なるか、あるいは垂直方向において重複し、受け取り装置76に摺動自在に受け取られる。これら受け取り装置は、(案内レール12の後退時には共通の中心に向かって、そして進展時には案内レールから離間する)脚部の相対的動作を可能にするC字形クランプの形を取ることができる。このように、受け取り装置76は脚部12c、12dを一緒に保持するが、対応する案内レール部分の進退時には搬送方向に相対動作を行うことができる。このため、案内レール12が支持部14などによって進退を望む通りに実行し、搬送されている特定の物品を収容でき、あるいは特定の搬送路を形成できる。従って、脚部12c、12dのいずれか一方、あるいは両方を湾曲することができるが、伸縮可能なジョイントによって接続する真っ直ぐな部分に支持体14を使用することも可能になる。また、図28から理解できるように、これら伸縮可能なジョイント74を使用すると、対向する案内レール12を異なる量進退させることができ、これは一方を内側の湾曲部に対応させ、また他方を外側の湾曲部に対応させた場合に生じる。
【0038】
下にあるコンベヤCのサイズや形状に応じて、調節装置10の中間にガイドを設け、ケーブル44などのコネクターを案内することも可能である。図29図30および図31に示すように、このためには図13および図14に示す手動シャトル22または24を設けてもよく、このシャトルにはケーブル44の上下の走程に係合する滑車60を設けることができる。これらシャトル22、24については、対応する保持装置30を使用して選択的に位置決めすることができる。静止ブラケット78には、上部ガイド78aおよび下部ガイド78bを設けることも可能であり、ケーブル44のそれぞれの走程を案内することができる。
【0039】
図32図33および図34は、コンベヤの単独使用や(複数のコンベヤを備えた)コンベヤシステムの使用において異なる幅のゾーンを形成する調節装置10の実施可能な適用例を示す概略図である。図32に示すように、下にあるコンベヤCに対応する第1の一連の調節装置10aを使用して、案内レール12a、12bをさらに離間したコンベヤの上流側部分を形成して第1ゾーンZ1を構成し、第2の一連の調節装置10bを使用して、間隔が狭い下流側案内レール12e、12fを形成し、第2ゾーンZ2を構成する。調節装置10a、10bについては、手動調節してもよく、あるいは(上記のようにケーブルシステムなどの)異なる作動装置と対応させてもよい。遅れて、図33に示すように、調節装置10a、10bが調節動作を行い、図34に示すように、ゾーンZ1、Z2の幅を同じにするか、あるいはZ2をZ1よりも広くする調節を行う。いうまでもなく、案内レール12a、12bの材質は相対的に動作できる可撓性であればよく、あるいは(上記ジョイント74を含む)可撓性の相互接続部を備えたものであればよい。なお、概略図は例示のために誇張してある。
【0040】
手動調節を行う可動支持体100の形を取る調節装置の別な実施態様について、図35図42を参照して説明する。図34図35および図36から理解できるように、各可動支持体100は静止支持レール104に係合するシャトル102の形を取り内レール支持アーム106に接続するコネクターを備える。シャトル102はクランプ112を支持する一対の保持装置を備えた本体108を有する。このクランプ112は、例えば垂直方向に保持装置110に沿って移動する構成のレバー114の形を取る作動装置を備える。レバー114が作動すると、ウェッジ116などの可動保持装置が支持レール104の対応する面(外面)に強制係合する。なお、図38におけるレバー114およびウェッジ116の位置と開口Qに存在する支持レール(図示省略)に係合する図39におけるレバー114´およびウェッジ116´の高い位置との比較が参考になる。

【0041】
レバー114については、ウェッジ116を受け取り、これを垂直位置にある場合などレバー動作時に支持レール104に強制係合する受け取り装置114aを備えていてもよく、またさらに保持装置110を受け取るチャネル114bを備えていてもよい。これら保持装置は、ウェッジ116が生み出す外方向力の結果として、(図示のように、ネジなどによって)摩擦を強化し、適正な保持力を生み出し、作動状態でレバー114を保持するが、指の操作により簡単に解除できる(なお、このためにハンドル114cを使用する;即ち、レバー114を上方に動かし、ウェッジ116を支持レールに強制係合する)。
【0042】
既に指摘したように、可動支持体100は、図40に示すように、第2支持アーム118を始めとする各支持アームに対応していればよい。この可動支持体100の場合、支持レールに沿ってその位置を固定する保持装置を備える必要はない。アーム106、118によって上記の固定可能な支持体に接続されているからである。この第2支持体100の場合、開口Qに存在する支持レール(図示せず)に低摩擦転動接触する一つかそれ以上のローラー120を備えていてもよい。なお、図41に示すように、各支持体100にクランプ11を取り付けることが可能であり、このクランプを使用して各支持体を独立して対応する支持レール104に固定することができる。
【0043】
図42から理解できるように、上記実施態様の場合、支持レール104に沿って各支持体100を独立して(搬送方向において相互に接近する位置や、相互に離間する位置などの)所定位置まで移動し、それぞれの支持アーム106、118に対応する受け取り装置124として示す案内レールコネクターを位置決めすることができる(このコネクター124の場合、支持体100が折り畳まれた状態で支持レール104に係合する延設部124aを備えることができるため、これが底を突くことはない)。このように、案内レール(図示省略)の相対的位置決めをユーザーが電力、モーターなどを必要としない手動アプローチを使用して独立的かつ選択的に実施することが可能になるが、支持体100の薄い性質が維持されるため、既に説明したように、各種の問題を生み出す外向きロッドや類似構造体のないコンベヤシステムを提供することができる。
【0044】
以下に、本発明の任意に組み合わせることができる項目を順に示す。
1.搬送方向において搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
支持レール、および
前記搬送方向に対して横断方向にある前記コンベヤに対して前記案内レールの位置を調節する少なくとも一つの可動支持体であって、前記支持レールに締め付けて、前記支持レールに対して前記少なくとも一つの可動支持体の位置を固定するクランプを有する装置。
2.前記少なくとも一つの可動支持体が折り畳み可能な支持体を有し、この支持体が前記支持体に係合するシャトルに対して旋回動作するように接続された一対のアームを有する項目1の装置。
3.前記案内レールの一部を受け取る構成の受け取り装置を有するコネクターに前記一対のアームの各アームを旋回自在に接続する項目2の装置。
4.前記コネクターが前記支持レールに係合する延設部を有し、前記一対のアームがロック位置に達することを防止した請求項3の装置。
5.前記少なくとも一つの可動支持体が前記支持レールに係合する保持装置を有する項目1~4のいずれかの装置。
6.前記少なくとも一つの可動支持体が前記支持レールに回転係合する少なくとも一つのローラーを有する項目1~5のいずれかの装置。
7.前記クランプが、このクランプを選択的に作動して、前記支持レールに係合し、かつ前記クランプを解放して、前記少なくとも一つの可動支持体を前記支持レールに沿って摺動させる作動装置を有する項目1~6のいずれかの装置。
8.前記作動装置が前記支持レールに選択的に係合するウェッジを有する項目7の装置。
9.前記作動装置がレバーを有する項目7または8の装置。
10.前記少なくとも一つの可動支持体が、前記作動装置を保持する少なくとも一つの保持装置および前記ウェッジを受け取りかつ保持する開口を有する項目1~9のいずれかの装置。
11.前記少なくとも一つの保持装置が、前記作動装置の作動状態において前記ウェッジの前記支持レールとの係合によって生み出された対向力の結果として前記作動装置に摩擦強化係合する項目10の装置。
12.前記作動装置がハンドルを有する項目8~11のいずれかの装置。
13.支持レールとの接続状態で搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
前記搬送方向に対して横断方向に前記コンベヤに対する前記案内レールの位置を調節する少なくとも一つの可動支持体を有し、この少なくとも一つの可動支持体が前記支持レールに係合し、かつ前記案内レールを支持する折り畳み式支持体を有し、この折り畳み式支持体が前記搬送方向に対して横断方向にある前記搬送路に進退して、前記支持レールに対して前記案内レールを選択的に位置決めし、前記少なくとも一つのクランプを有する可動支持体が前記支持レールに前記少なくとも一つの可動支持体を締め付けて、前記支持レールに対して前記少なくとも一つの可動支持体の位置を固定する装置。
14.支持レールとの接続状態で搬送方向に搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを支持する装置において、
前記支持レールに沿って前後に移動する構成のシャトルを有し、このシャトルが前記支持レールに保持装置を選択的に押圧係合して、この上の前記シャトルの位置を固定する装置。
15.前記保持装置がウェッジを有する項目14の装置。
16.さらに、一端において相対的に旋回動作するように接続した一対のアームを有する折り畳み式支持体を有し、そしてこれらアームの少なくとも一つを前記シャトルに接続し、他端において前記支持レールに係合する項目14または15の装置。
17.前記一対のアームの各アームを旋回自在にコネクターに接続し、このコネクターが前記案内レールの一部を受け取る構成の受け取り装置を有する項目16の装置。
18.前記コネクターが前記支持レールに係合する延設部を有し、これによって前記一対のアームがロック位置に達しないように構成した項目17の装置。
19.前記レバーがチャネルを有し、各チャネルが前記シャトルに対応する前記保持装置に係合する項目14~18のいずれかの装置。
20.前記レバーの作動状態において前記保持装置の前記支持レベルとの係合が生み出す対向力の結果として各保持装置が前記チャネルに摩擦強化係合する項目19の装置。
21.搬送方向にある搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを調節自在に支持する方法であって、
前記案内レールに対応する可動支持体を支持レールに締め付け、そして
前記可動支持体を作動して、前記案内レールを前記搬送路に接近あるいはこれから離間するように選択的に進退させる方法。
22.さらに、前記締め付けを解除して、前記可動支持体を前記支持レールに沿って摺動させる項目21の方法。
23.前記締め付け工程において、ウェッジを使用して、前記可動支持体の位置を固定する項目21の方法。
24.前記締め付け工程において、クランプの高さを低くして、前記支持レールとの係合を形成する項目21の方法。
25.前記締め付け工程において、前記クランプに対応するハンドルに上方に押し付ける項目24の方法。
26.搬送方向にある搬送路を有するコンベヤに沿って一つかそれ以上の被搬送物品を案内する案内レールを調節する方法であって、
前記案内レールを支持する第1支持体を支持レールに手動係合して、この第1支持体、従って前記搬送路に沿って前記一つかそれ以上の物品を案内する前記案内レールの位置を固定する方法。
27.さらに、前記案内レールを支持する第2支持体を前記支持レールに手動係合する工程を有する項目26の方法。
28.さらに、前記案内レールを支持する第3支持体および第4支持体を前記支持レールに手動係合する工程を有し、前記支持レールに沿う前記第1支持体および前記第2支持体間の第1距離が、前記支持レールに沿う前記第3支持体および前記第4支持体間の第2距離とは異なっている項目27の方法。
【0045】
手動調節可能な案内レールおよび関連方法の各種実施態様の以上の説明は、本発明の技術思想を展開するものである。以上の説明を徹底的な開示を意図するものではなく、また開示発明をここに開示した正確な形態に制限するものでもない。本明細書に開示した教示に照らして一部修正および変更が可能である。例えば、作動装置の一部を形成するコネクターは可撓性リボンを備えることができ、このリボンをレバーや同様に突出片によって手動作動させると、所定の機構が動作または調節を行う。シャトル22、24の場合、図示のように、支持レール26の上にあり、かつ摺動するものであるが、これらを支持レール26内のキャビティ内に設けてもよく、同様にシャトルして機能する。また、これらシャトルは異なる形態を取ることも可能であり、例えば細長い可撓性リボンをアーム16、18に接続し、支持レール26に沿って、あるいは形成したキャビティ内で移動させることも可能である。本明細書において要素を単数で表現している場合も複数の要素を使用することは可能であり(即ち“1”は“2”以上を意味することもある)、複数の要素であっても各要素を単独使用できる。ある要素、装置、方法あるいはこれらの組み合わせの一つの改変に関連して開示した特徴は他の改変、例えば寸法、形状、素材やこれら組み合わせにも適用できる。“全体としては、あるいは一般的には”、“約”や“ほぼ”は対応する状態に合理的に可能な限り近い状態を指すが、特に断らない限り、10%以上を超えることはない。ある属の要素の種要素に関しては、この属の任意の他の種要素の特性または成分をもつものでもある。“を有する”は限定を意図するものではない。本発明を実施するための上記構成、要素または完成体および方法並びにその要素、本発明態様の改変などは任意の組み合わせの形で併用および修正することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 調節装置
10a、10b 調節装置
12 案内レール
12a 内側案内レール
12b 外側案内レール
12c、12d 脚部
12e、12f 下流側案内レール
14 支持体
14a、14b 案内レール支持体
14c 案内レール
16 第1アーム
16a トラニオン
16c キーウェイプラグ
18 第2アーム
18a トラニオン
20 コネクター
20a、20b クリップ
20c 受け取り装置
20d 延設部または凸部
22 シャトル
24 シャトル
26 支持レール
28 カバー
30 保持装置
32 ポスト
32a クリップ
34 レバー
34´ (自由位置)
34´´ (保持位置)
36 ウェッジ
38 対向プレート
38a 開口
40 対向プレート
40a 開口
42 ガイド
44 ケーブル
44a ターンバックル
46 滑車
48 キャプスタン
50 モーター
52 保持装置
54 カム
54a 円形内面
54b 自由端部
55 摩擦強化部分
56 ポスト
56a 縮径端部
58 タブ
58a 突起
60 ローラー/滑車
62 ローラー
62a ローラー
62b ローラー
64 ファスナー
66 ラック
68 ピニオン
70 手動ハンドル
72 モーター
74 ジョイント
76 受け取り装置
78 静止ブラケット
78a 上部ガイド
78b 下部ガイド
100 可動支持体
102 シャトル
104 静止支持レール
106 支持アーム
108 本体
110 保持装置
112 クランプ
114 レバー
114´ レバー
114a 受け取り装置
114b チャネル
114c ハンドル
116 ウェッジ
116´ およびウェッジ
118 第2支持アーム
120 ローラー
124 受け取り装置
124a 延設部
B チェーンまたはベルト
C コンベヤ
D 搬送方向
O 方向
P 搬送路
P´ 搬送路
Q 開口
T 横断方向
W 幅
W´ 幅
W´´ 幅
Z1 第1ゾーン
Z2 第2ゾーン
α 鋭角
β 鈍角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42