(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-28
(45)【発行日】2025-08-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20250729BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2020210544
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴 昌志
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-72565(JP,A)
【文献】特開2008-269472(JP,A)
【文献】特開2019-121085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0026579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
仕分けられた帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果に対して、作業者による確認及び訂正を受け付けた後で、予め作成されたジョブルールに基づいて前記帳票画像の仕分けに不備を検出した場合に、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、
前記帳票画像の前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれか一方の指示を選択するための画面を表示する制御を行い、
前記画面を介して、前記帳票画像を前記仕分けの工程又は前記文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付ける
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
仕分けられた帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果に対して、作業者による確認及び訂正を受け付けた後で、予め作成されたジョブルールに基づいて前記帳票画像の仕分けに不備を検出した場合に、前記帳票画像の登録又は破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、
前記帳票画像の前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれかの指示を選択するための画面を表示する制御を行い、
前記画面を介して、前記帳票画像の登録又は破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、又は前記文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付け
る
情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
仕分けられた帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果に対して、作業者による確認及び訂正を受け付けた後で、予め作成されたジョブルールに基づいて前記帳票画像の仕分けに不備を検出した場合に、前記帳票画像の登録の指示、前記帳票画像の破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、
前記帳票画像の前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれかの指示を選択するための画面を表示する制御を行い、
前記画面を介して、前記帳票画像の登録の指示、前記帳票画像の登録の破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、又は前記文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付け
る
情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
仕分けられた帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果に対して、作業者による確認及び訂正を受け付けた後で、予め作成されたジョブルールに基づいて前記帳票画像の
前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、画面を介して、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付ける
情報処理装置。
【請求項5】
前記仕分けの工程を担当する作業者によってアクセス可能なステータス管理テーブルであって、前記帳票画像に関する帳票業務の進捗状況を示すステータスを管理する前記ステータス管理テーブルを更に備え、
前記プロセッサは、前記仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、前記ステータス管理テーブルのステータスを、前記仕分けの工程に差し戻したことを示すステータスに変更する
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、前記仕分けの工程を担当する作業者に対して、前記仕分けの工程に差し戻したことを通知する
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
仕分けられた帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果に対して、作業者による確認及び訂正を受け付けた後で、予め作成されたジョブルールに基づいて前記帳票画像の仕分けに不備を検出した場合に、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、
前記帳票画像の前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれか一方の指示を選択するための画面を表示する制御を行い、
前記画面を介して、前記帳票画像を前記仕分けの工程又は前記文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付けることを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ネットワーク接続された複数の装置からなり、処理対象となるドキュメントを各装置が送受信することにより、各装置においてドキュメントに対する処理内容であるアクションを実行するネットワーク画像処理システムが記載されている。複数の装置のそれぞれは、ドキュメントをアクション単位で一覧表示する表示手段と、一覧表示されたドキュメントの中からユーザによるドキュメントの選択を受け付ける受付手段と、選択されたドキュメントに対応するアクションを実行した装置に作業段階を差し戻す差し戻し手段と、を備える。
【0003】
また、特許文献2には、複数の情報項目から成る電子書類を予め定めた転送順序に従って次の担当者端末装置に順次転送して一連の業務を遂行するワークフローシステムにおける電子書類差戻し方法が記載されている。この電子書類差戻し方法は、電子書類内の情報項目毎に文責者の識別情報を文責テーブルに予め登録しておき、任意の担当者端末装置において差戻し操作と差し戻すべき情報項目が選択されたならば、その差し戻すべき情報項目に対応する文責者の識別情報を文責テーブルから検索し、その検索結果で得た文責者の担当者端末装置に対して電子書類を返送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-72565号公報
【文献】特開平9-34948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、帳票業務システムでは、例えば、帳票画像の仕分け、作業者による仕分け結果の確認訂正、仕分けられた帳票画像の文字認識、作業者による文字認識結果の確認訂正、及び文字認識結果の出力というフローで帳票業務が実行される。
【0006】
作業者による文字認識結果の確認及び訂正を行った後に、帳票の仕分けに不備があった場合、入力された帳票画像は破棄して、帳票の読み取りからやり直さねばならず、作業者にとって煩雑な作業になってしまっていた。
【0007】
本開示は、帳票画像を仕分け、仕分けた帳票画像の文字認識結果を、作業者が確認及び訂正を行った後に、帳票画像の仕分けに不備が見つかった場合に、帳票の読み取りからやり直す場合と比較して、作業を差し戻す時間を短縮することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、仕分けられた帳票画像の文字認識結果を、作業者が確認及び訂正を行った後で、前記帳票画像の仕分けに不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示を受け付ける。
【0009】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果を更に取得し、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれか一方の指示を選択するための画面を表示する制御を行う。
【0010】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果を更に取得し、前記帳票画像の登録又は破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれかの指示を選択するための画面を表示する制御を行う。
【0011】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果を更に取得し、前記帳票画像の登録の指示、前記帳票画像の破棄の指示、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示、及び、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示のいずれかの指示を選択するための画面を表示する制御を行う。
【0012】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第2態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記文字認識結果に対して作業者が確認及び訂正を行った後で、前記帳票画像の前記文字認識結果に不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記文字認識の工程へ差し戻す指示を更に受け付ける。
【0013】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記仕分けの工程を担当する作業者によってアクセス可能なステータス管理テーブルであって、前記帳票画像に関する帳票業務の進捗状況を示すステータスを管理する前記ステータス管理テーブルを更に備え、前記プロセッサが、前記仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、前記ステータス管理テーブルのステータスを、前記仕分けの工程に差し戻したことを示すステータスに変更する。
【0014】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、前記仕分けの工程を担当する作業者に対して、前記仕分けの工程に差し戻したことを通知する。
【0015】
更に、上記目的を達成するために、第8態様に係る情報処理プログラムは、仕分けられた帳票画像の文字認識結果を、作業者が確認及び訂正を行った後で、前記帳票画像の仕分けに不備が見つかった場合に、前記帳票画像を前記仕分けの工程へ差し戻す指示を受け付けることを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様及び第8態様によれば、帳票画像を仕分け、仕分けた帳票画像の文字認識結果を、作業者が確認及び訂正を行った後に、帳票画像の仕分けに不備が見つかった場合に、帳票の読み取りからやり直す場合と比較して、作業を差し戻す時間を短縮することができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、帳票画像を仕分けの工程に差し戻す指示、及び、帳票画像を文字認識の工程に差し戻す指示のいずれか一方の指示を選択することができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、帳票画像の登録又は破棄の指示、帳票画像を仕分けの工程に差し戻す指示、及び、帳票画像を文字認識の工程に差し戻す指示のいずれかの指示を選択することができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、帳票画像の登録の指示、帳票画像の破棄の指示、帳票画像を仕分けの工程に差し戻す指示、及び、帳票画像を文字認識の工程に差し戻す指示のいずれかの指示を選択することができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、作業者が文字認識結果の確認及び訂正を行った後で、帳票画像を文字認識の工程へ差し戻す指示を受け付けることができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、作業者がステータス管理テーブルにアクセスすることで仕分けの工程に差し戻されたことを把握することができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、作業者が通知を受け取ることで仕分けの工程に差し戻されたことを把握することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態に係る帳票システムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るステータス管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る差し戻し処理の説明に供す図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る差し戻し指示選択画面の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る差し戻し指示選択画面の他の例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る差し戻し指示選択画面の更に他の例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る差し戻し指示選択画面の更に他の例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係るOCR確認訂正画面の一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係るOCR確認訂正画面の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0025】
図1は、本実施形態に係る帳票システム10の概略構成を示す図である。
【0026】
図1に示すように、帳票システム10は、情報処理装置20と、クライアント端末40と、入力装置60とを含む。これらの装置は、図示しないネットワークに接続されており、ネットワークを介して互いに通信可能である。このネットワークには、一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0027】
情報処理装置20は、入力装置60を通じて入力された、帳票を含んだ複数枚の書類の画像データ(以下、「帳票画像」という。)に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を行い、OCR処理の結果を予め定めた出力先に出力する一連の処理の流れを管理する。なお、OCR処理によって認識される対象には、文字、数字に限らず、各種の記号、マーク等も含まれる。情報処理装置20には、一例として、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。情報処理装置20の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0028】
クライアント端末40は、情報処理装置20に対して、OCR処理に関する各種の指示を送信する。この各種の指示には、一例として、帳票画像に対してOCR処理を開始させる指示、及び帳票画像をOCR処理して得られた文字認識結果を表示させる指示等が含まれる。また、クライアント端末40は、受け付けた各種の指示に応じて情報処理装置20が行ったOCR処理の結果、及びOCR処理に関する通知等の各種の情報を表示する。クライアント端末40には、一例として、サーバコンピュータ、又はPC等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
図1の例では、クライアント端末40を一台だけ図示しているが、これに限らず、クライアント端末40が複数台用意されて、一例として、処理別にクライアント端末40が使い分けられてもよい。
【0029】
入力装置60は、OCR処理の対象となる帳票画像を情報処理装置20に入力する。入力装置60には、一例として、サーバコンピュータ、又はPC等の汎用的なコンピュータ装置、並びにスキャン機能、プリンタ機能、及びFAX機能等を有する画像形成装置等が適用される。なお、入力装置60に加えて、クライアント端末40からも情報処理装置20へ帳票画像が入力可能であってもよい。
【0030】
次に、帳票システム10の概要について説明する。帳票システム10は、情報処理装置20が、入力装置60を通じて入力された帳票画像に対してOCR処理を行い、OCR処理の結果を予め定めた出力先に出力するシステムである。
【0031】
情報処理装置20は、OCR処理において、(1)業務設計及び運用検証、(2)帳票画像入力、(3)仕分け・文字認識、(4)帳票判別確認訂正、(5)文字認識結果確認訂正、(6)業務チェック、(7)結果出力、及び(8)差し戻し、の各種処理を管理する。本実施形態においては、単に帳票画像から文字及び記号等を認識する処理だけでなく、文字の修正等の後処理も含めて、OCR処理と呼ぶ。
【0032】
各種処理の管理の一例として、(1)業務設計及び運用検証、(2)帳票画像入力、(3)仕分け・文字認識、(6)業務チェック、及び(7)結果出力の処理は、それぞれ、情報処理装置20により自動で実行される。また、各種処理の管理の一例として、(4)帳票判別確認訂正、及び(5)文字認識結果確認訂正の処理は、それぞれ、クライアント端末40を通じた作業者による入力により受け付けられる。また、各種処理の管理の一例として、(8)差し戻しの処理は、情報処理装置20により自動で実行される場合と、クライアント端末40を通じた管理者又は作業者による入力により受け付けられる場合とがある。
【0033】
(1)業務設計及び運用検証の処理では、読取り定義設定(文字認識定義設定ともいう。)、出力設定、及び業務チェック設定を含んだジョブルールが作成される。読取り定義設定では、一例として、「(3)仕分け・文字認識」の処理において帳票画像を文字認識する範囲である文字認識範囲が設定される。より具体的には、一例として、キーとして抽出される項目の右付近からバリューである項目値を認識するというような定義が設定されうる。出力設定では、一例として、「(7)結果出力」の処理において出力するデータのファイル形式、及び出力先が設定される。業務チェック設定では、一例として、「(6)業務チェック」の処理において検出対象とする帳票における必須の入力項目、及び入力可能な文字数等の書式等が設定される。
【0034】
(2)帳票画像入力の処理では、入力装置60からの帳票画像の入力を受け付ける。入力を受け付けた帳票画像は、「(3)仕分け・文字認識」の処理の実行単位であるジョブとして登録される。
【0035】
(3)仕分け・文字認識の処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中から作業者により選択された、実行されるジョブ用のジョブルールを用いて、当該ジョブ内の帳票画像の仕分けを行う。具体的には、帳票画像がどの帳票のどのページにあたるのか自動的に判別し、予め設定されている、例えば、帳票A、帳票B等に仕分けを行う。そして、この仕分けの結果に基づいて、当該ジョブ内の帳票画像に対して文字認識が行われる。つまり、帳票画像が例えば帳票Aに仕分けされたら、帳票Aとして情報が抽出される。従って、仕分けに不備があると、情報が正しく抽出されない場合がある。また、帳票が複数ページである場合に、仕分けられた帳票画像の順序に誤りがあると、情報の不一致が生じる場合がある。なお、この処理における仕分けは、帳票判別ともいう。
【0036】
(4)帳票判別確認訂正の処理では、「(3)仕分け・文字認識」の処理で行われた帳票判別の結果を基にジョブ内の帳票画像が、ジョブ内に含まれる帳票を示すレコードに分割される。その後、この処理では、分割されたレコードを表示させ、作業者による帳票判別の確認訂正が受け付けられる。
【0037】
(5)文字認識結果確認訂正の処理では、「(3)仕分け・文字認識」の処理で行われた文字認識範囲内の文字及び記号等の文字認識結果を表示させ、作業者による文字認識結果の確認訂正が受け付けられる。なお、ここでいう作業者は、「(4)帳票判別確認訂正」の処理を担当する作業者と同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0038】
(6)業務チェックの処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中から作業者により選択された、当該ジョブ用のジョブルールに含まれる業務チェック設定により、先行する各処理におけるエラーが検出される。検出結果は、管理者又は作業者に提示されてもよい。
【0039】
(7)データ出力の処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中から作業者により選択された、当該ジョブ用のジョブルールに含まれる出力設定を用いてOCR処理の結果を示すデータを作成し、作成したデータが予め定めた出力先に出力される。
【0040】
(8)差し戻しの処理では、OCR処理において実行された処理から、一段階又は複数段階前の処理に差し戻される。差し戻しは、一例として、「(3)仕分け・文字認識」、「(4)帳票判別確認訂正」、及び「(5)文字認識結果確認訂正」等の各種処理の実行中に、クライアント端末40から作業者により指示される。また、差し戻しは、一例として、「(6)業務チェック」と「(7)結果出力」との処理の間に行われる管理者によるチェックの結果に応じて、管理者のクライアント端末40から指示される。
【0041】
ここで、「差し戻し」には、帳票画像を一旦破棄し作業をやり直すこと、帳票画像を前の工程に戻すこと、が含まれる。従って、「差し戻し」には、帳票画像を差し戻すことに限定されるものではなく、作業(工程)が差し戻されることも含まれる。
【0042】
上記のOCR処理において、「(1)業務設計及び運用検証」の処理は、「(3)仕分け・文字認識」以降の処理が行われる前、すなわち帳票システム10の運用前に実行される。さらに、「(1)業務設計及び運用検証」の処理は、「(3)仕分け・文字認識」以降の処理が行われている帳票システム10の運用中に実行されてもよい。一例として、帳票システム10の運用前に「(1)業務設計及び運用検証」の処理において作成したジョブルールを、帳票システム10の運用中の「(5)文字認識結果確認訂正」の処理の結果に応じて適宜修正することができる。
【0043】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置20の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、入出力インターフェース(I/O)24と、記憶部25と、表示部26と、操作部27と、通信部28と、を備えている。
【0045】
CPU21、ROM22、RAM23、及びI/O24は、バスを介して各々接続されている。I/O24には、記憶部25と、表示部26と、操作部27と、通信部28と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O24を介して、CPU21と相互に通信可能とされる。
【0046】
CPU21、ROM22、RAM23、及びI/O24によって制御部が構成される。制御部は、情報処理装置20の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置20の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0047】
記憶部25としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部25には、本実施形態に係る帳票業務を実行するための情報処理プログラム25Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム25Aは、ROM22に記憶されていてもよい。
【0048】
情報処理プログラム25Aは、例えば、情報処理装置20に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム25Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、情報処理装置20に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0049】
表示部26には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部26は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部27には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部26及び操作部27は、情報処理装置20のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部26は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0050】
通信部28は、インターネット、LAN、WAN等のネットワークに接続されており、クライアント端末40及び入力装置60等の外部機器との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0051】
ところで、上述したように、作業者による文字認識結果の確認及び訂正を行った後に、帳票の仕分けに不備があった場合、入力された帳票画像は破棄して、帳票の読み取りからやり直さねばならず、作業者にとって煩雑な作業になってしまっていた。
【0052】
本実施形態に係る情報処理装置20は、作業者による文字認識結果の確認及び訂正を行った後に、帳票画像の仕分けに不備があった場合に、帳票画像を仕分けの工程に差し戻す指示を受け付ける。
【0053】
ここで、差し戻し先の工程について説明する。差し戻し先は、作業者へ差し戻す場合もあれば、管理者が適切な設定を行った上で、やり直す作業に差し戻す場合もある。例えば、管理者が不備帳票に対して「帳票A」を設定した上で、設定された「帳票A」に基づき自動的に仕分け作業をやり直し、作業者に仕分け結果の確認及び訂正を要請する場合と、管理者が仕分けに不備があることを作業者に通知し、作業者が仕分け結果の確認及び訂正を行う工程へ差し戻す場合と、が考えられる。文字認識の場合も同様である。
【0054】
つまり、本実施形態において、仕分けの工程に差し戻すとは、「(3)仕分け・文字認識」又は「(4)帳票判別確認訂正」に差し戻すことを意味する。同様に、文字認識の工程に差し戻すとは、「(3)仕分け・文字認識」又は「(5)文字認識結果確認訂正」に差し戻すことを意味する。
【0055】
具体的に、本実施形態に係る情報処理装置20のCPU21は、記憶部25に記憶されている情報処理プログラム25AをRAM23に書き込んで実行することにより、
図3に示す各部として機能する。なお、CPU21は、プロセッサの一例である。
【0056】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0057】
図3に示すように、本実施形態に係る情報処理装置20のCPU21は、取得部21A、表示制御部21B、指示受付部21C、及び差し戻し処理部21Dとして機能する。
【0058】
本実施形態に係る記憶部25には、一例として、
図4に示すステータス管理テーブル25Bが記憶されている。
【0059】
図4は、本実施形態に係るステータス管理テーブル25Bの一例を示す図である。
【0060】
図4に示すステータス管理テーブル25Bは、作業者が使用するクライアント端末40によってアクセス可能なテーブルである。ステータス管理テーブル25Bは、帳票画像に関する帳票業務の進捗状況を示すステータスを管理する。具体的に、ステータス管理テーブル25Bには、一例として、帳票業務の対象とするジョブ名と、ジョブの詳細情報を示す詳細と、ジョブの進捗状況を示すステータスと、ジョブを登録した日時を示す登録日時と、ジョブ中の確認中のページを示す確認中ページ数と、ジョブ中の出力待ちのページを示す出力待ちページ数と、ジョブ中の出力中又は出力済みのページを示す出力中/済みページ数と、が含まれる。
【0061】
図3において、取得部21Aは、帳票画像及び帳票画像を文字認識して得られた文字認識結果を取得する。
【0062】
表示制御部21Bは、仕分けられた帳票画像の文字認識結果を、作業者が確認及び訂正を行った後で、帳票画像の仕分けに不備が見つかった場合に、一例として、後述の
図7~
図10に示す差し戻し指示選択画面を、管理者のクライアント端末40に表示する制御を行う。帳票画像の仕分けの不備は、管理者又は作業者が目視で見つけてもよいし、上述の「(6)業務チェック」の処理で自動的に検出するようにしてもよい。帳票画像の仕分けの不備とは、一例として、異なる帳票の混在、ページの欠落、ページの重複等の不備とされる。
【0063】
指示受付部21Cは、クライアント端末40に表示された差し戻し指示選択画面を介して、帳票画像を仕分けの工程へ差し戻す指示を受け付ける。
【0064】
差し戻し処理部21Dは、仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、ステータス管理テーブル25Bのステータスを、仕分けの工程に差し戻したことを示すステータスに変更する。同様に、差し戻し処理部21Dは、文字認識の工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、ステータス管理テーブル25Bのステータスを、文字認識の工程に差し戻したことを示すステータスに変更する。作業者は、クライアント端末40からステータス管理テーブル25Bにアクセスし、差し戻されたことを把握し、作業をやり直す。また、差し戻し処理部21Dは、仕分けの工程に差し戻す指示を受け付けた場合に、仕分けの工程を担当する作業者のクライアント端末40に対して、仕分けの工程に差し戻したことを通知するようにしてもよい。この差し戻しの通知は、文字認識の工程についても同様である。通知の方法は、特に限定されるものではないが、一例として、電子メール等が用いられる。
【0065】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る差し戻し処理について具体的に説明する。
【0066】
図5は、本実施形態に係る差し戻し処理の説明に供す図である。
【0067】
図5に示すように、例えば、「(5)文字認識結果確認訂正」の処理で作業者の目視により帳票画像に不備が見つかった場合、「(8)差し戻し」の処理に移行する。また、「(6)業務チェック」の処理で帳票画像に不備が検出された場合、「(8)差し戻し」の処理に移行する。
【0068】
「(8)差し戻し」の処理においては、(a)不備帳票の登録、(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し、(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し、及び、(d)不備帳票の破棄、の4つの選択肢が提示される。「(a)不備帳票の登録」では、一例として、不備帳票をそのまま登録する、不備帳票を修正して後の工程である「(7)結果出力」の処理に移行する、のいずれかが選択可能とされる。また、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」では、「(3)仕分け・文字認識」の処理又は「(5)文字認識結果確認訂正」の処理のいずれかに差し戻すことが可能とされる。また、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」では、「(3)仕分け・文字認識」の処理又は「(4)帳票判別確認訂正」の処理のいずれかに差し戻すことが可能とされる。また、「(d)不備帳票の破棄」では、不備対応を実施せずにそのまま終了する。
【0069】
なお、上記では、「(a)不備帳票の登録」、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」、及び、「(d)不備帳票の破棄」の4つの選択肢が提示される場合について説明したが、これに限定されない。選択肢は、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」及び「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の2つの選択肢としてもよい。選択肢は、「(a)不備帳票の登録」、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」、及び「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」、又は、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」、及び「(d)不備帳票の破棄」の3つの選択肢としてもよい。
【0070】
なお、上記(a)~(d)の4つの選択肢に加えて、「(6)業務チェック」の処理をもう一度行うことを示す「業務チェックをもう一度行う」という選択肢を含めるようにしてもよい。
【0071】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の作用を説明する。
【0072】
図6は、本実施形態に係る情報処理プログラム25Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、情報処理装置20に対して、帳票業務の実行が指示されると、CPU21により情報処理プログラム25Aが起動され、以下のステップを実行する。
【0074】
図6のステップS101では、CPU21が、入力された帳票画像の中に不備帳票が有るか否かを判定する。不備帳票が有ると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS102に移行し、不備帳票がないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101で待機となる。なお、不備帳票は、上述したように、管理者又は作業者が目視により見つけてよいし、「(6)業務チェック」の処理で自動的に検出するようにしてもよい。
【0075】
ステップS102では、CPU21が、一例として、後述の
図7~
図10に示す差し戻し指示選択画面を、管理者のクライアント端末40に表示する制御を行う。
【0076】
ステップS103では、CPU21が、管理者のクライアント端末40に表示されている差し戻し指示選択画面を介して、「(a)不備帳票の登録」、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」、及び「不備帳票の破棄」のいずれかの指示の選択を受け付ける。
【0077】
ステップS104では、CPU21が、ステップS103で受け付けた指示の選択が「(a)不備帳票の登録」の指示であるか否かを判定する。「(a)不備帳票の登録」の指示であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS105に移行し、「(a)不備帳票の登録」の指示ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS106に移行する。
【0078】
図7は、本実施形態に係る差し戻し指示選択画面41の一例を示す正面図である。
【0079】
図7に示す差し戻し指示選択画面41は、管理者が使用するクライアント端末40に表示される。差し戻し指示選択画面41には、差し戻し対象とされる不備帳票42、差し戻しメニュー項目43が表示される。
図7の例では、差し戻しメニュー項目43において、「(a)不備帳票の登録」の項目が選択された状態(ここでは項目の背景色が変化した状態)を示している。「(a)不備帳票の登録」の項目が選択されると、ダイアログ44が表示される。このダイアログ44には、一例として、「以下のレコードを「不備帳票」として登録します。」というメッセージ、ジョブ名、レコードID、及びコメントが表示される。コメントは、管理者が入力するコメントであり、一例として、「不備帳票の可能性があります。確認してください。」等のコメントが入力される。
【0080】
ステップS105では、CPU21が、一例として、
図7に示す差し戻し指示選択画面41のダイアログ44における「OK」ボタンが選択操作されると、「(a)不備帳票の登録」の指示の選択を確定し、ステップS112に移行する。
【0081】
一方、ステップS106では、CPU21が、ステップS103で受け付けた指示の選択が「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の指示であるか否かを判定する。「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の指示であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS107に移行し、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の指示ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0082】
図8は、本実施形態に係る差し戻し指示選択画面41の他の例を示す正面図である。
【0083】
図8に示す差し戻し指示選択画面41は、
図7と同様に、管理者が使用するクライアント端末40に表示される。差し戻し指示選択画面41には、差し戻し対象とされる不備帳票42、差し戻しメニュー項目43が表示される。
図8の例では、差し戻しメニュー項目43において、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の項目が選択された状態(ここでは項目の背景色が変化した状態)を示している。「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の項目が選択されると、ダイアログ45が表示される。このダイアログ45には、一例として、「以下のレコードを「不備帳票」として差し戻します。」というメッセージ、ジョブ名、レコードID、担当者名、及びコメントが表示される。コメントは、管理者が入力するコメントであり、一例として、「確認しました。申請日が未来の日付になっており不適切なため、差し戻します。」等のコメントが入力される。
【0084】
ステップS107では、CPU21が、一例として、
図8に示す差し戻し指示選択画面41のダイアログ45における「OK」ボタンが選択操作されると、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の指示の選択を確定し、ステップS112に移行する。
【0085】
一方、ステップS108では、CPU21が、ステップS103で受け付けた指示の選択が「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の指示であるか否かを判定する。「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の指示であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS109に移行し、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の指示ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS110に移行する。
【0086】
図9は、本実施形態に係る差し戻し指示選択画面41の更に他の例を示す正面図である。
【0087】
図9に示す差し戻し指示選択画面41は、
図7又は
図8と同様に、管理者が使用するクライアント端末40に表示される。差し戻し指示選択画面41には、差し戻し対象とされる不備帳票42、差し戻しメニュー項目43が表示される。
図9の例では、差し戻しメニュー項目43において、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の項目が選択された状態(ここでは項目の背景色が変化した状態)を示している。「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の項目が選択されると、ダイアログ46が表示される。このダイアログ46には、一例として、「以下のレコードを含むジョブを差し戻します。」というメッセージ、ジョブ名、レコードID、及びコメントが表示される。コメントは、管理者が入力するコメントであり、一例として、「不備帳票の可能性があります。確認してください。」等のコメントが入力される。
【0088】
ステップS109では、CPU21が、一例として、
図9に示す差し戻し指示選択画面41のダイアログ46における「OK」ボタンが選択操作されると、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の指示の選択を確定し、ステップS112に移行する。
【0089】
一方、ステップS110では、CPU21が、ステップS103で受け付けた指示の選択が「(d)不備帳票の破棄」の指示であるか否かを判定する。「(d)不備帳票の破棄」の指示であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS111に移行し、「(d)不備帳票の破棄」の指示ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS103に戻り待機となる。
【0090】
図10は、本実施形態に係る差し戻し指示選択画面41の更に他の例を示す正面図である。
【0091】
図10に示す差し戻し指示選択画面41は、
図7、
図8、又は
図9と同様に、管理者が使用するクライアント端末40に表示される。差し戻し指示選択画面41には、差し戻し対象とされる不備帳票42、差し戻しメニュー項目43が表示される。
図10の例では、差し戻しメニュー項目43において、「(d)不備帳票の破棄」の項目が選択された状態(ここでは項目の背景色が変化した状態)を示している。「(d)不備帳票の破棄」の項目が選択されると、ダイアログ47が表示される。このダイアログ47には、一例として、「以下のレコードを「不備帳票」として破棄します。」というメッセージ、ジョブ名、レコードID、及び担当者名が表示される。
【0092】
ステップS111では、CPU21が、一例として、
図10に示す差し戻し指示選択画面41のダイアログ47における「OK」ボタンが選択操作されると、「(d)不備帳票の破棄」の指示の選択を確定し、ステップS112に移行する。
【0093】
ステップS112では、CPU21が、対象とされたジョブについて、一例として、上述の
図4に示すステータス管理テーブル25Bのステータスを変更し、ステップS113に移行する。例えば、「(b)不備帳票の文字認識の工程への差し戻し」の指示の場合、文字認識の工程に差し戻したことを示すステータスに変更し、「(c)不備帳票の仕分けの工程への差し戻し」の指示の場合、仕分けの工程に差し戻したことを示すステータスに変更する。なお、CPU21は、作業者のクライアント端末40に対して、文字認識の工程又は仕分けの工程に差し戻したことを、例えば、電子メール等を用いて通知するようにしてもよい。
【0094】
ステップS113では、CPU21が、例えば、帳票業務の終了指示等による終了タイミングが到来したか否かを判定する。終了タイミングが到来していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101に戻り処理を繰り返し、終了タイミングが到来したと判定した場合(肯定判定の場合)、本情報処理プログラム25Aによる一連の処理を終了する。
【0095】
次に、
図11及び
図12を参照して、本実施形態に係るOCR確認訂正画面について具体的に説明する。
【0096】
図11は、本実施形態に係るOCR確認訂正画面48の一例を示す正面図である。
【0097】
図11に示すOCR確認訂正画面48は、「(5)文字認識結果確認訂正」の処理において、文字認識結果の確認及び訂正を行う作業者が目視チェックにより仕分けの不備を見つけた場合に、仕分けの不備が管理者に報知され、管理者が使用するクライアント端末40に表示される。OCR確認訂正画面48には、差し戻しの対象とされる不備帳票49、不備帳票49に関する文字認識結果50、作業者が記入するコメントである作業者コメント51が表示される。作業者コメント51は、一例として、「他のレコードとページが混ざっている可能性あり、確認してください。」というコメントとされる。
【0098】
図12は、本実施形態に係るOCR確認訂正画面48の他の例を示す正面図である。
【0099】
図12に示すOCR確認訂正画面48は、「(6)業務チェック」において、業務チェックによって文字認識結果に不備が見つかった場合に、文字認識結果の不備が管理者に報知され、管理者のクライアント端末40に表示される。OCR確認訂正画面48には、差し戻しの対象とされる不備帳票49、業務チェックによって不備が見つかった文字認識結果52が表示される。
【0100】
このように本実施形態によれば、作業者による文字認識結果の確認及び訂正を行った後に、帳票画像の仕分けに不備があった場合に、帳票画像を仕分けの工程に差し戻す指示を受け付ける。このため、入力された帳票画像を破棄して、帳票の読み取りからやり直す必要がなく、作業を差し戻す時間が短縮される。
【0101】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0102】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0103】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0104】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0105】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0107】
10 帳票システム
20 情報処理装置
21 CPU
21A 取得部
21B 表示制御部
21C 指示受付部
21D 差し戻し処理部
22 ROM
23 RAM
24 I/O
25 記憶部
25A 情報処理プログラム
25B ステータス管理テーブル
26 表示部
27 操作部
28 通信部
40 クライアント端末
41 差し戻し指示選択画面
48 OCR確認訂正画面
60 入力装置