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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-28
(45)【発行日】2025-08-05
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/21 20160101AFI20250729BHJP
   B60K 7/00 20060101ALI20250729BHJP
【FI】
H02K11/21
B60K7/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022045406
(22)【出願日】2022-03-22
(65)【公開番号】P2023139722
(43)【公開日】2023-10-04
【審査請求日】2024-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 聡
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 直志
(72)【発明者】
【氏名】砂田 洋尚
(72)【発明者】
【氏名】建部 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】深谷 哲義
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-182317(JP,A)
【文献】特開2006-103392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/21
B60K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータの径方向外側に配置されたロータを有するモータが、車輪のホイール内に設けられた駆動装置であって、
前記ステータの径方向内側に配置され、前記ロータに回転部材を介して連結されたシャフトと、
前記ステータの径方向内側にて、前記シャフトに設けられ、前記シャフトの回転を検出する回転センサと、
前記モータ及び前記回転センサを収容する非回転部材であるハウジングと、
前記モータと軸方向に並んで配置されると共に、少なくとも一部が前記ホイールの内側に配置されて、前記モータと前記車輪との間の動力伝達経路に設けられた減速機と、
前記減速機の出力側の回転要素に連結されると共に、前記ホイールのリム部の内側に配置されて前記ホイールと一体回転するように連結された出力部材と、
を備えており、
前記出力部材は、前記ハウジングに対して回転自在に支持されており、
前記ハウジングは、前記モータを収容する空間と、前記回転センサを収容する空間とを径方向にて区画する、軸方向に延在する円筒状の仕切部を有し、
前記仕切部の外周側には前記モータが配置され、前記仕切部の内周側には前記回転センサが配置されており、
前記仕切部の外周側では、前記ステータが前記仕切部の外周面に固定されており、
前記仕切部の内周側では、前記回転センサに含まれる固定部が前記ハウジングに固定されており、
前記ハウジング内における前記仕切部の内周側にて、前記回転センサに含まれる回転部を前記シャフトに固定したことを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステータの径方向外側に配置されたロータを有する所謂アウターロータ方式のモータが、車輪のホイール内に設けられた車両用駆動装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-100333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用駆動装置が備えるアウターロータ方式のモータにおいて、ロータ及びステータの軸方向の端面に回転センサを取り付けた場合には、モータの軸方向の長さが長くなるためモータの大型化、ひいては車両用駆動装置の大型化を招いてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、大型化を抑制することができる駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動装置は、ステータの径方向外側に配置されたロータを有するモータが、車輪のホイール内に設けられた駆動装置であって、前記ステータの径方向内側に配置され、前記ロータに回転部材を介して連結されたシャフトと、前記シャフトに設けられ、前記シャフトの回転を検出する回転センサと、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る駆動装置は、ステータの径方向内側に配置されたシャフトに回転センサを設けたことによって、モータの軸方向の長さが長くなることを抑制し、大型化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係るインホイールモータユニットを模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態2に係るインホイールモータユニットを模式的に示す図である。
図3図3は、センサ配線及びブレーキ配線の取り出し例を示した図である。
図4図4は、実施形態3に係るインホイールモータユニットを模式的に示す図である。
図5図5は、センサ配線及びブレーキ配線の取り出し例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下に、本発明に係る駆動装置の実施形態1について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態1に係るインホイールモータユニット1を模式的に示す図である。インホイールモータユニット1は、車輪10を駆動することが可能であるとともに、車輪10を制動することが可能な駆動装置である。車輪10は、ホイール11とタイヤ12とを備える駆動輪であり、車両の左右両側に設けられている。このホイール11の内側にインホイールモータユニット1が設けられている。なお、図1には、左右両側に設けられた車輪10のうちの右輪について、その右輪を車両後方側から見た場合が示されている。また、車輪10の回転中心軸線と平行な方向を軸方向と記載する。
【0011】
インホイールモータユニット1は、モータ2と、減速機3と、回転センサ4と、ハウジング5と、シャフト6と、出力部材7と、を備える。
【0012】
モータ2は、車輪10を駆動するインホイールモータである。このモータ2は三相交流モータであり、車両に搭載された電源装置と電気的に接続されている。力行時、モータ2は電源装置から供給される電力により力行トルクを発生して車輪10を駆動する。回生時、モータ2は車輪10の回転力によって回されて発電し、発電した電力を電源装置に供給する。
【0013】
このモータ2は、ロータ21がステータ22の径方向外側に配置されたアウターロータ型のモータである。
【0014】
ロータ21は、回転部材23に取り付けられており、回転部材23と一体回転する。回転部材23はカップ状に形成された部材であり、円筒部23aと、円盤部23bとを有する。円筒部23aは、軸方向に沿って延在し、その内周面にロータ21が固定されている。円盤部23bは、円筒部23aの軸方向一方端から径方向内側に向けて延在し、その内周部がシャフト6に連結されている。例えば、円盤部23bの内周部はシャフト6の外周部とスプライン嵌合している。よって、ロータ21は、回転部材23を介してシャフト6と連結されており、回転部材23及びシャフト6と一体回転する。
【0015】
シャフト6は、減速機3に接続された回転軸部材である。ロータ21はシャフト6を介して減速機3と連結されている。そのため、このシャフト6はモータ2の動力を車輪10に伝達する際に減速機3の入力軸として機能する。モータ2が減速機3を介して車輪10と動力伝達可能に接続されているので、モータ2から出力された動力は減速機3を介して車輪10に伝達される。
【0016】
ステータ22は、ステータコアと、ステータコアに巻き付けられたステータコイルとを有する。ステータコイルはモータ配線を介して電源装置と電気的に接続されている。そして、ステータ22はハウジング5に固定されている。
【0017】
ハウジング5は、モータ2及び回転センサ4を収容する非回転部材である。このハウジング5は、モータ2を収容する空間と、シャフト6の回転を検出する回転センサ4を収容する空間とを径方向に区画する円筒状の仕切部51を有する。
【0018】
仕切部51は、軸方向に延在する円筒状の部位である。ハウジング5内において、仕切部51の外周側にはモータ2が配置され、仕切部51の内周側には回転センサ4が配置される。仕切部51の外周側では、ステータ22が仕切部51の外周面に固定されている。仕切部51の内周側では、回転センサ4に含まれる固定部42がハウジング5に固定されている。回転センサ4に含まれる固定部42とは、回転センサ4を構成する部材のうちの非回転部材である。また、ハウジング5内おける仕切部51の内周側にて、回転センサ4に含まれる回転部41がシャフト6に固定されている。回転センサ4に含まれる回転部41とは、回転センサ4を構成する部材のうちの回転部材である。このようにインホイールモータユニット1では、モータ2を収容するハウジングと回転センサ4を収容するハウジングとが一つのハウジング5に共通化されている。
【0019】
ハウジング5は、仕切部51の軸方向一端から径方向内側に向けて延在する内周側の円盤部52と、仕切部51の軸方向他端から径方向外側に向けて延在する外周側の円盤部53とを有する。内周側の円盤部52は、モータ2の内側で径方向に沿って延在する。また、円盤部52の内周部に軸受61が取り付けられている。外周側の円盤部53は、モータ2と軸方向に対向する位置で径方向に沿って延在する。円盤部53は、径方向においてカバー8の外側で径方向に沿って延在する。この円盤部53の外周部に軸受63が取り付けられている。軸受63とカバー8とは軸方向で重なる位置に配置されている。
【0020】
また、ハウジング5には、回転センサ4を収容する空間を軸方向に区画するようにしてカバー8が取り付けられている。カバー8は、仕切部51における軸方向一方側の開口部(車両内側の開口部)を塞ぐようにしてハウジング5に固定されている。カバー8は、例えば、ボルト締結によってハウジング5に固定されている。
【0021】
減速機3は、モータ2と車輪10との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達機構である。この減速機3は、モータ2と軸方向に並んで配置され、少なくとも一部がホイール11の内側に配置されている。減速機3と回転センサ4とは軸方向で重なる位置に配置される。モータ2と減速機3との位置関係について、モータ2は相対的に車両内側に配置され、減速機3は相対的に車両外側に配置される。
【0022】
減速機3は、モータ2の動力を車輪10に伝達する際、モータ2の回転を減速して出力部材7に出力する。出力部材7は、減速機3の出力側の回転部材(出力要素)に連結され、減速機3の出力部材として機能する。この出力部材7は、ホイール11と一体回転するように連結されている。出力部材7とホイール11とは、複数のボルト9によって締結されて一体化されている。さらに、出力部材7は中空軸部を有し、ホイール11のリム部の内側に配置されている。この出力部材7は、車輪10の回転中心軸線に沿って配置され、軸受63によってハウジング5に対して回転自在に支持されている。軸受63は、外輪が出力部材7に取り付けられ、内輪がハウジング5に取り付けられた転がり軸受である。そして、出力部材7の内側にモータ2と減速機3と回転センサ4とが配置されている。
【0023】
シャフト6は、車輪10の回転中心軸線上に配置される。このシャフト6は、軸受61,62によってハウジング5及びカバー8に対して回転自在に支持されている。軸受61は、外輪がハウジング5に取り付けられ、内輪がシャフト6に取り付けられた転がり軸受である。軸受62は、外輪がカバー8に取り付けられ、内輪がシャフト6に取り付けられた転がり軸受である。
【0024】
以上説明した通り、実施形態1によれば、ロータ21がステータ22の径方向外側に配置されたモータ2を備えるインホイールモータユニット1について、回転センサ4をステータ22の径方向内側にて、回転センサ4に含まれる回転部41をシャフト6に固定し、回転センサ4をシャフト6に設けることにより、モータ2の軸方向の長さが長くなることを抑制し、インホイールモータユニット1の大型化を抑制することができる。
【0025】
(実施形態2)
以下に、本発明に係る駆動装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態2の説明では、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、その参照符号を引用する。
【0026】
図2は、実施形態2に係るインホイールモータユニット1を模式的に示す図である。実施形態2のインホイールモータユニット1は、モータ2の内側に配置されたブレーキ70を備える。
【0027】
ブレーキ70は、車輪10に制動力を付与する装置であって、例えば、非励磁作動型の電磁ブレーキである。インホイールモータユニット1では、シャフト6が減速機3の前(動力伝達経路で減速機3よりも上流側)に設けられているので、ブレーキ70はシャフト6を制動することによって減速機3を介して車輪10に制動力を付与する。そのため、ブレーキ70により生じた制動トルクは減速機3で増幅されて車輪10に伝達される。この増幅作用は、モータ2の力行時や回生時でも同様である。力行時、モータ2で生じた力行トルクが減速機3で増幅された車輪10に伝達される。回生時、モータ2で生じた回生トルクが減速機3で増幅されて車輪10に伝達される。モータ2は、回生ブレーキとして機能し、車輪10に制動力を付与することができる。
【0028】
ブレーキ70は、通電されていない状態でシャフト6を制動する作動状態となり、通電されることにより発生する磁気吸引力を利用してシャフト6を回転可能に解放する解放状態となる。ブレーキ70はノーマリークローズのブレーキである。このブレーキ70は、固定プレート71と押し付け機構72と回転ディスク73とブレーキ配線74とを備えている。押し付け機構72は、電磁コイル、ヨーク、バネ、及び、アーマチュアなどを備えている。
【0029】
回転ディスク73は、シャフト6と一体回転するように連結されている。回転ディスク73はハブを介してシャフト6に連結されている。回転ディスク73とハブとシャフト6とは一体回転する。
【0030】
電磁コイルは、通電されることにより励磁するコイルである。この電磁コイルは、ブレーキ配線74を介して電源装置と電気的に接続されている。この電源装置はモータ2と共通の電源装置である。ヨークは、電磁コイルを保持する部材である。このヨークは、断面形状がコ字形状に形成され、全体として円環状に形成されている。ヨークには、ボルトが挿通されるボルト孔が設けられている。そして、ヨークはコ字形状の部分に電磁コイルを収容した状態でボルトによってハウジング5に固定されている。バネは、ヨークとアーマチュアとの間に挟まれて配置され、アーマチュアに付勢力を作用する。この付勢力は係合方向の力である。このバネはヨークの内周側の部位によって軸方向の移動が規制されている。アーマチュアは、円盤状のプレート部材であり、回転ディスク73と電磁コイルとの間に配置されている。アーマチュアの一方の面は電磁コイルおよびヨークと軸方向に対向し、アーマチュアの他方の面は回転ディスク73と軸方向に対向する。そして、アーマチュアにはバネによって回転ディスク73側に押される力が作用している。
【0031】
例えば、電磁コイルへの通電がある場合、通電より発生する磁気吸引力によって、アーマチュアがバネの付勢力に抗して電磁コイル側へ引き寄せられて軸方向に移動する。電磁コイルへの通電がない場合、磁気吸引力が発生しないため、アーマチュアがバネの付勢力により係合方向に押されて回転ディスク73に押し付けられる。この非励磁状態では、バネの付勢力によって回転ディスク73がアーマチュアと固定プレート71とに挟み付けられてブレーキ70が作動した状態となる。
【0032】
固定プレート71は、ヨークに固定された円環状のプレート部材であり、回転ディスク73を制動するブレーキプレートとして機能する。この固定プレート71はネジとカラーによってヨークに固定されている。ネジは、カラーに挿入された状態でヨークに螺合している。カラーは、固定プレート71が軸方向に移動することを規制するとともに、アーマチュアを支持する。アーマチュアは、カラーによってヨークに対して軸方向に相対移動可能に支持された状態で、ネジによって回転不能に固定されている。固定プレート71はカラーによって軸方向への移動ができない状態にされ、ネジによって回転不能に固定されている。
【0033】
ブレーキ配線74は、電磁コイルに接続された状態で、シャフト6の回転中心よりも上側の位置において、ハウジング5とカバー8とにより区画されたブレーキ70を収容する空間内から、軸方向でカバー8の内部を通ってカバー8の外に取り出されて延在している。インホイールモータユニット1では、モータ2とブレーキ70とが共通の制御部によって制御される。この制御部は、モータ2とブレーキ70とを共通の電圧指令により制御することができる。
【0034】
また、実施形態2に係るインホイールモータユニット1においては、軸方向でシャフト6の端部がカバー8の内部に連通しており、シャフト6の軸端面がカバー8から外に露出している。そして、そのシャフト6の軸端面に設けられた嵌合穴に、回転センサ4に含まれる回転部41に接続された軸部43が、シャフト6の回転軸線と同一軸線上となるように嵌まり込んで固定されている。このように、実施形態2に係るインホイールモータユニット1では、カバー8に対して軸方向で外側にて、シャフト6に回転センサ4が設けられている。また、回転センサ4から延びるセンサ配線44は、モータ2とブレーキ70とを制御する制御部に接続されており、回転センサ4によって検出されたシャフト6の回転の検出結果に応じた信号が、センサ配線44を介して制御部に出力され、制御部によるモータ2及びブレーキ70などの制御に用いられる。
【0035】
以上説明した通り、実施形態2に係るインホイールモータユニット1においては、モータ2の軸長が伸びることなく、回転センサ4によってシャフト6の回転を検出することによりモータ2の回転数及び位相を知ることが可能となる。また、ブレーキ70に対して小径(小型)の回転センサ4を設けることによって、インホイールモータユニット1の大型化を抑制することができる。また、径方向でブレーキ70よりも回転センサ4が小さいため、図3に示すように、カバー8の径方向で回転センサ4よりも外側の位置からブレーキ配線74を取り出して配策が可能となる。
【0036】
(実施形態3)
以下に、本発明に係る駆動装置の実施形態3について説明する。なお、実施形態3の説明では、実施形態1及び2と同様の構成については説明を省略し、その参照符号を引用する。
【0037】
図4は、実施形態3に係るインホイールモータユニット1を模式的に示す図である。実施形態3に係るインホイールモータユニット1においては、回転センサ4をステータ22の径方向内側にて、回転センサ4に含まれる回転部41をシャフト6に固定し、回転センサ4をシャフト6に設けている。回転センサ4のセンサ配線44は、シャフト6の回転中心よりも上側の位置において、ハウジング5とカバー8とにより区画された、回転センサ4を収容する空間内から、ハウジング5の内部、具体的には、仕切部51及び円盤部53の内部を通って、軸方向でハウジング5(円盤部53)の外に取り出されて延在している。
【0038】
また、実施形態3に係るインホイールモータユニット1においては、軸方向でシャフト6の端部が、カバー8の外側へ突出するようにカバー8の内部を連通している。そして、そのカバー8の外側に突出したシャフト6の端部に、ブレーキ70の回転ディスク73がハブを介して連結されている。また、実施形態3に係るインホイールモータユニット1においてブレーキ70は、固定プレート71と押し付け機構72と回転ディスク73とを覆うブレーキカバー75を備えており、固定プレート71と押し付け機構72とがブレーキカバー75に固定されている。ブレーキカバー75は、ハウジング5の円盤部53に取り付けられている。ブレーキ70のブレーキ配線74は、径方向でブレーキカバー75内から外に取り出されて延在している。
【0039】
以上説明した通り、実施形態3に係るインホイールモータユニット1においては、モータ2の軸長が伸びることなく、回転センサ4によってシャフト6の回転を検出することによりモータ2の回転数及び位相を知ることが可能となる。また、ブレーキ70に対して小径(小型)の回転センサ4をモータ2の内部に設置することで、モータ2の外部にブレーキ70の回転ディスク73などの径を大きくすることができ、制動トルクが大きなブレーキ70を搭載しつつ、インホイールモータユニット1の大型化を抑制することができる。
【0040】
また、回転センサ4のセンサ配線44をハウジング5(仕切部51及び円盤部53)の内部を通して配策し、図5に示すように、ハウジング5の円盤部53における径方向でブレーキカバー75よりも外の位置からセンサ配線44を取り出すことによって、ブレーキ70の回転ディスク73などの径を大きくすることが可能となり、ブレーキ70の保持トルク及び制動トルクを大きくすることができる。また、ブレーキ70の軸方向の長さを小さくでき、インホイールモータユニット1の大型化を抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 インホイールモータユニット
2 モータ
3 減速機
4 回転センサ
5 ハウジング
6 シャフト
7 出力部材
8 カバー
9 ボルト
10 車輪
11 ホイール
12 タイヤ
23 回転部材
23a 円筒部
23b 円盤部
41 回転部
42 固定部
43 軸部
44 センサ配線
51 仕切部
52 円盤部
53 円盤部
70 ブレーキ
71 固定プレート
72 押し付け機構
73 回転ディスク
74 ブレーキ配線
75 ブレーキカバー
図1
図2
図3
図4
図5