(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-28
(45)【発行日】2025-08-05
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60L 53/16 20190101AFI20250729BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20250729BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20250729BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250729BHJP
【FI】
B60L53/16
B60L50/60
B60L58/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
(21)【出願番号】P 2022154011
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 遼
(72)【発明者】
【氏名】宗本 健太郎
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-213407(JP,A)
【文献】特開2020-097816(JP,A)
【文献】特開2016-110700(JP,A)
【文献】特開2021-191053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリから外部負荷へ電力を供給可能に構成されている給電部と、
外部電源による前記バッテリの充電のための充電コネクタが着脱される充電インレットを有する充電ポートユニットと、
前記充電ポートユニットが有する可動部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記充電ポートユニットの前記可動部は、
前記充電インレットを覆う閉鎖位置と、前記充電インレットを露出させる開放位置と、の間で移動可能に構成されている蓋体と、
前記蓋体を前記閉鎖位置に固定するロック装置と、
前記充電コネクタと係合する係合位置と、前記充電コネクタとの係合が解除される解除位置と、の間を移動可能に構成された係合部材と、
前記係合部材を前記係合位置と前記解除位置との間で移動させるアクチュエータと、
を備えており、
前記制御部は、
前記蓋体が前記閉鎖位置にある状態で前記給電部から前記外部負荷へ電力を供給する外部給電処理が開始されたときは、前記ロック装置を作動させて前記蓋体を閉鎖位置に固定するとともに、前記外部給電処理が継続されている間は前記ロック装置の作動解除を禁止することで、前記充電インレットに前記充電コネクタが接続されることを物理的に禁止し、
前記蓋体が前記開放位置にある状態で前記外部給電処理が開始されるとともに、前記充電インレットに前記充電コネクタが接続されていないときは、前記アクチュエータを作動させて前記係合部材を前記係合位置へ移動させることで、前記充電インレットに前記充電コネクタが接続されることを物理的に禁止する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が備える充電インレットに充電コネクタを接続することで、外部電源を用いて車両が備えるバッテリを充電する技術が知られている。また、バッテリから外部負荷へ電力を供給可能な給電部を備えた車両が知られている。なお、関連する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給電部を介してバッテリから外部負荷へ電力供給することに起因して、充電インレットの端子に電圧変動が発生する場合がある。また、充電コネクタを充電インレットに接続して充電を開始しようとする場合に、充電ケーブルに各種の異常(例:CCIDリレー溶着など)が発生しているか否かを診断する場合がある。すると、給電部からの電力供給中に充電コネクタを充電インレットに接続して診断が実行されると、充電インレットの端子の電圧変動によって、充電ケーブルに異常が発生していると誤診断されてしまう場合がある。その結果、充電が禁止されてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する車両は、バッテリと、バッテリから外部負荷へ電力を供給可能に構成されている給電部と、外部電源によるバッテリの充電のための充電コネクタが着脱される充電インレットを有する充電ポートユニットと、充電ポートユニットが有する可動部の動作を制御する制御部と、を備える。制御部は、給電部から外部負荷へ電力を供給する外部給電処理が実行されるときには、充電ポートユニットの可動部を制御して、充電インレットに充電コネクタが接続されることを物理的に禁止する。
【0006】
上記構成によると、外部給電処理が実行されるときには、充電インレットに充電コネクタを接続することができない状態とすることができる。これにより、外部給電処理中に、充電ケーブルの異常有無の診断が実行されてしまうことを防止できる。外部給電処理に起因して、異常が発生していると誤診断されてしまう事態を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】充電ポートユニット11の構成を説明する図である。
【
図3】充電ポートユニット11の構成を説明する図である。
【
図4】実施例1における車両10の動作を説明するフローチャートである。
【
図5】実施例2における車両10の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書が開示する一例の車両では、充電ポートユニットの可動部は、充電インレットを覆う閉鎖位置と、充電インレットを露出させる開放位置と、の間で移動可能に構成されている蓋体をさらに備えていてもよい。充電ポートユニットの可動部は、蓋体を閉鎖位置に固定するロック装置をさらに備えていてもよい。制御部は、蓋体が閉鎖位置にある状態で外部給電処理が開始されたときは、ロック装置を作動させて蓋体を閉鎖位置に固定するとともに、外部給電処理が継続されている間はロック装置の作動解除を禁止してもよい。この構成によれば、外部給電処理中において、充電インレットを蓋体で覆っている状態を維持することができる。外部給電処理中に、充電インレットに充電コネクタを接続することができない状態とすることが可能となる。
【0009】
本明細書が開示する一例の車両では、充電ポートユニットは、蓋体を閉鎖位置と開放位置との間で移動させる第1アクチュエータをさらに備えていてもよい。制御部は、蓋体が開放位置にある状態で外部給電処理が開始されたときは、第1アクチュエータを作動させて蓋体を閉鎖位置へ移動させてもよい。この構成によれば、外部給電処理が開始されたときに蓋体が開放位置にある場合には、蓋体を自動で閉じることができる。外部給電処理中に充電インレットに充電コネクタを接続できない状態を、確実に作り出すことが可能となる。
【0010】
本明細書が開示する一例の車両では、充電ポートユニットの可動部は、充電コネクタと係合する係合位置と、充電コネクタとの係合が解除される解除位置と、の間を移動可能に構成された係合部材を備えていてもよい。充電ポートユニットの可動部は、係合部材を係合位置と解除位置との間で移動させる第2アクチュエータを備えていてもよい。制御部は、外部給電処理が開始されるとともに、充電インレットに充電コネクタが接続されていないときは、第2アクチュエータを作動させて係合部材を係合位置へ移動させてもよい。この構成によれば、外部給電処理が開始されたときに充電コネクタが接続されていない場合には、係合部材を係合位置へ自動で移動させることができる。係合位置に位置している係合部材によって、充電インレットへの充電コネクタの接続を阻害することができる。これにより、外部給電処理中において、充電インレットに充電コネクタを接続できない状態を作り出すことが可能となる。
【実施例1】
【0011】
(充電システム1の構成)
図1に、充電システム1の全体構成の概略図を示す。充電システムは、車両10、充電ケーブル30および外部電源40を備える。車両10は、バッテリ17からの電力によって走行可能な車両であれば、その構成は特に限定されるものではない。車両10には、たとえばハイブリッド自動車、電気自動車および燃料電池自動車が含まれる。車両10は、充電ポートユニット11、フィルタ回路12、電圧計13、リレー14、電力変換回路15、コンデンサ16、バッテリ17、制御部18、給電部19、を備える。
【0012】
図2および
図3を用いて、充電ポートユニット11の構成を説明する。
図2および
図3は、充電ポートユニット11の概略拡大図である。
図2は、蓋体20が、充電インレット25を覆う閉鎖位置にある状態を示している。
図3は、蓋体20が、充電インレット25を露出させる開放位置にある状態を示している。
【0013】
充電ポートユニット11は、蓋体20、第1モータ21、ロック装置22、係合部材23、第2モータ24、充電インレット25、を備える。第1モータ21は、蓋体20を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるアクチュエータである。ロック装置22は、ロックピン22pを備えている。
図2に示すように、ロックピン22pを蓋体20に係合させることで、蓋体20を閉鎖位置に固定することができる。
【0014】
係合部材23は、係合位置P1(
図3、点線)と、解除位置P2(
図3、実線)と、の間を移動可能に構成されている。第2モータ24は、係合部材23を、係合位置P1と解除位置P2との間で移動させるアクチュエータである。充電コネクタ31が充電インレット25に接続されている場合に、係合部材23を係合位置P1に位置させることで、係合部材23を充電コネクタ31と係合させることができる(
図1参照)。これにより、充電コネクタ31と充電インレット25との接続をロックすることができる。また、係合部材23を解除位置P2に位置させることで、係合部材23と充電コネクタとの係合を解除することができる。
【0015】
充電インレット25は、外部電源40によるバッテリ17の充電のための充電コネクタ31が着脱される部位である。充電インレット25は、第1端子T1および第2端子T2を備えている。
図1に示すように、第1端子T1と電力変換回路15の交流第1端子AT1とは、第1電力線L1によって接続されている。第2端子T2と電力変換回路15の交流第2端子AT2とは、第2電力線L2によって接続されている。
【0016】
充電インレット25と電力変換回路15との接続経路上には、フィルタ回路12a、電圧計13、リレー14、フィルタ回路12bが配置されている。フィルタ回路12aおよび12bは、電力変換回路15等に含まれるノイズを除去し、車外へのノイズ流出を防ぐ回路である。フィルタ回路12aおよび12bは、基準電圧部位GNDに接続されている。フィルタ回路12aおよび12bには様々な回路構成を採用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0017】
電圧計13は、交流電圧を検出する部位である。電圧計13は、高位基準電圧部位VH-GNDに接続されている。すなわち、充電インレット25の第2端子T2は、電圧計13を介して高位基準電圧部位VH-GNDに接続されている。リレー14は、C接点リレーである。リレー14によって、電力変換回路15の接続先を、充電インレット25と給電部19との間で択一的に選択することができる。
【0018】
電力変換回路15は、交流第1端子AT1と交流第2端子AT2との間に印加される交流電力と、直流第1端子DT1と直流第2端子DT2との間に印加される直流電力と、の間で電力変換可能な電力変換回路である。電力変換回路15は、例えば既知のPFC(power factor correction)回路であってもよい。電力変換回路15の回路には既知の構成を用いることができるため、詳細な説明を省略する。
【0019】
直流第1端子DT1は、正極線PLを介してバッテリ17に接続されている。直流第2端子DT2は、負極線NLを介してバッテリ17に接続されている。バッテリ17は、再充電可能な直流電源である。バッテリ17は、例えば、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池のような二次電池を含んで構成される。負極線NLは、高位基準電圧部位VH-GNDに接続されている。正極線PLには高圧電圧VHが出力されている。高圧電圧VHは、例えば400V程度であってよい。また、電力変換回路15とバッテリ17との接続経路上に、各種の不図示の回路(例:DCDCコンバータ)が配置されていてもよい。コンデンサ16は、直流第1端子DT1と直流第2端子DT2との間に接続されている。コンデンサ16は、正極線PLと負極線NLとの間の電圧変動を平滑化する機能を有する。
【0020】
給電部19は、各種の外部負荷50が接続可能な部位である。給電部19には、例えば、単層100Vのコンセントを使用することができる。給電部19は、バッテリ17から外部負荷50へ電力を供給可能に構成されている。具体的には、バッテリ17の直流電力を電力変換回路15によって家庭用の単層交流電力に変換し、給電部19から出力する。
【0021】
制御部18は、図示しない各センサからの検出信号を受けるとともに、車両10に含まれる各機器に制御信号を出力することで車両全体を制御する。また制御部18は、充電ポートユニット11が有する可動部(蓋体20、第1モータ21、ロック装置22、係合部材23、第2モータ24)の動作を制御する。なお
図1では、各種の信号経路を点線の矢印で示している。
【0022】
充電ケーブル30は、充電コネクタ31、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)32、プラグ33、電線部34、を備える。プラグ33は、外部電源40の電源コンセント42に接続される。充電コネクタ31は、車両10の充電インレット25に接続される。電線部34は、外部電源40からの電力を車両10に伝達するための電力線である。
【0023】
CCID32は、CCID制御部35およびCCIDリレー36を備えている。CCID制御部35は、各種の充電制御を行うための部位である。CCID制御部35は、CCIDリレー36の開閉制御を行う。またCCID制御部35は、充電インレット25の第1端子T1および第2端子T2の電圧を検出する。CCIDリレー36は、電線部34上に設けられ、CCID制御部35によって制御される。CCIDリレー36が開放されているときは、充電ケーブル30内の電力経路が遮断される。一方、CCIDリレー36が閉成されると、外部電源40から車両10への電力供給が可能となる。
【0024】
外部電源40は、交流電源41および電源コンセント42を備えている。交流電源41には、例えば、電気事業者が提供する交流系統電源を用いてもよい。
【0025】
(車両10の動作)
図4のフローチャートを用いて、車両10の動作を説明する。
図4の処理は、例えば、イグニションスイッチがオンにされることによって実行開始される。ステップS10において、制御部18は、給電部19から外部負荷50へ電力を供給する外部給電処理が実行開始されるか否かを判断する。この判断は、例えば、不図示の外部給電スイッチがオンされることに応じて行われてもよい。否定判断される場合(S10:NO)には待機し、肯定判断される場合(S10:YES)にはステップS20へ進む。
【0026】
ステップS20において、制御部18は、蓋体20が閉鎖位置にあるか否かを判断する。当該判断は、不図示のセンサによって行ってもよいし、第1モータ21の状態に基づいて行ってもよい。肯定判断される場合(S20:YES)には、ステップS40へ進む。
【0027】
ステップS40において、制御部18は、ロック装置22を作動させて蓋体20を閉鎖位置に固定する(
図2参照)。またステップS50において、制御部18は、ロック装置22の作動解除を禁止する。すなわち、ロックピン22pが蓋体20に係合している状態を、ユーザの操作によって解除することができない状態とする。このとき例えば、運転席のディスプレイ(不図示)に、蓋体20のロックを解除できない旨の情報を表示してもよい。
【0028】
ステップS60において、制御部18は、外部給電処理が終了されたか否かを判断する。この判断は、例えば、不図示の外部給電スイッチがオフされることに応じて行われてもよい。否定判断される場合(S60:NO)には待機し、肯定判断される場合(S60:YES)にはステップS70へ進む。ステップS70において、制御部18は、ロック装置22の作動解除を許可する。例えば、運転席のディスプレイ(不図示)に、蓋体20のロック解除が可能になった旨の情報を表示してもよい。そしてステップS10へ戻る。
【0029】
一方、ステップS20において、蓋体20が閉鎖位置にない場合(S20:NO)には、蓋体20が開放位置にある状態で外部給電処理が開始されたときであると判断され、ステップS80へ進む。ステップS80において、制御部18は、充電インレット25に充電コネクタ31が接続されているか否かを判断する。当該判断は、不図示の信号線によって充電ケーブル30から送信されてくる信号の有無を検出することによって行われてもよい。充電コネクタ31が接続されている場合(S80:YES)にはステップS10へ戻り、充電コネクタ31が接続されていない場合(S80:NO)にはステップS90へ進む。ステップS90において、制御部18は、第2モータ24を作動させて係合部材23を係合位置P1へ移動させる(
図3参照)。
【0030】
ステップS100において、制御部18は、外部給電処理が終了されたか否かを判断する。否定判断される場合(S100:NO)には待機し、肯定判断される場合(S100:YES)にはステップS110へ進む。ステップS110において、制御部18は、第2モータ24を作動させて係合部材23を解除位置P2へ退避させる(
図3参照)。そしてステップS10へ戻る。
【0031】
(課題および効果)
まず、課題を説明する。充電ケーブル30は、充電コネクタ31を充電インレット25に接続したときに、充電ケーブル30に各種の異常が発生しているか否かを診断する機能を備えている。一例として、充電ケーブル30は、CCIDリレー36の溶着の有無を診断する。具体的には、充電コネクタ31の接続時にCCID制御部35によって、第1端子T1の電圧と基準電圧部位GNDのグランド電圧との間の電圧、および、第2端子T2の電圧と基準電圧部位GNDのグランド電圧との間の電圧が検出される。そして、検出電圧が予め定められたしきい値を超過する場合には、CCIDリレー36に溶着が発生していると判断される。この場合、CCID制御部35は、充電ケーブル30による充電を禁止する。
【0032】
また、バッテリ17から給電部19を介して外部負荷50へ電力供給する外部給電処理の実行中には、電力変換回路15のスイッチング動作により、直流の高圧電圧VHが単層交流の100V電圧に変換される。このスイッチング動作により発生した電圧の揺れが、基準電圧部位GNDに伝達する。この伝達時に、高位基準電圧部位VH-GNDに電圧が生じる。そして高位基準電圧部位VH-GNDは、電圧計13を介して、充電インレット25の第2端子T2に接続している。従って、外部給電処理の実行中には、第2端子T2に電圧が発生している状態となる。
【0033】
すると外部給電処理の実行中に、充電インレット25に充電ケーブル30を接続する場合には、第2端子T2に電圧が発生している状態で、第1端子T1および第2端子T2の電圧値が検出されることになる。よって、検出電圧がしきい値を超過してしまい、CCIDリレー36に溶着が発生していると誤検出されてしまう恐れがある。その結果、充電ケーブル30による充電ができなくなる懸念がある。このような問題を解決するために、外部給電処理の実行中に第2端子T2に電圧を発生させないように、充電回路構成の変更や追加を行うことが考えられる。しかし充電回路構成の変更・追加は、開発コストや製造コストの増大を招くため、好ましくない。
【0034】
そこで本明細書の技術では、蓋体20が閉鎖位置にある状態(S20:YES)で外部給電処理が開始(S10:YES)されたときは、ロック装置22を作動させて蓋体20を閉鎖位置に固定する(S40)。また、外部給電処理が継続されている間は、ロック装置22の作動解除を禁止する(S50)。これにより、外部給電処理中において、充電インレット25を蓋体20で覆っている状態を維持することができる。外部給電処理中に充電インレット25に充電コネクタ31を接続することを禁止することができるため、外部給電処理中に充電ケーブル30の異常有無の診断が実行されてしまうことを防止できる。充電回路構成の変更・追加を行うことなく、CCIDリレー36に溶着が発生していると誤検出されてしまう事態を防止することが可能となる。
【0035】
また本明細書の技術では、外部給電処理が開始されたときに充電コネクタ31が接続されていない場合(S80:NO)には、係合部材23を係合位置P1へ自動で移動させることができる(S90、
図3参照)。蓋体20が開いている場合においても、係合位置P1に位置している係合部材23によって、充電インレット25への充電コネクタ31の接続を阻害することができる。これにより、外部給電処理中において、充電インレット25に充電コネクタ31を接続できない状態を作り出すことが可能となる。よって、CCIDリレー36に溶着が発生していると誤検出されてしまう事態を防止することが可能となる。
【実施例2】
【0036】
図5のフローチャートを用いて、実施例2における車両10の動作を説明する。実施例2(
図5)のフローと実施例1(
図4)のフローとの共通部位には、同一符号を付すことで、説明を省略する。また実施例特有のステップには、符号の末尾に「a」を付すことで区別する。
【0037】
蓋体20が閉鎖位置にない場合(S20:NO)において、充電インレット25に充電コネクタ31が接続されていない場合(S80:NO)には、ステップS85aへ進む。ステップS85aにおいて、制御部18は、第1モータ21を作動させて蓋体20を閉鎖位置へ移動させる。その後ステップS40へ進み、ロック装置22を作動させて蓋体20を閉鎖位置に固定する(
図2参照)。
【0038】
(効果)
実施例2の技術では、外部給電処理が開始されたときに蓋体20が開放位置にある場合(S20:NO)には、蓋体20を自動で閉じることができる。外部給電処理中に充電インレットに充電コネクタを接続できない状態を、確実に作り出すことが可能となる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0040】
(変形例)
蓋体20、ロック装置22、係合部材23の構造は特に限定されず、様々な構造を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:充電システム 10:車両 11:充電ポートユニット 15:電力変換回路 17:バッテリ 18:制御部 19:給電部 20:蓋体 23:係合部材 25:充電インレット 30:充電ケーブル 32:CCID 35:CCID制御部 36:CCIDリレー 40:外部電源 50:外部負荷