(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-28
(45)【発行日】2025-08-05
(54)【発明の名称】アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B21D 3/10 20060101AFI20250729BHJP
【FI】
B21D3/10 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020164463
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-09-29
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゾルノフスキー, マイケル ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー-ヘックマン, エリザベス アデル
【審査官】煤孫 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-102777(JP,A)
【文献】特開昭61-119331(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106181220(CN,A)
【文献】実公昭51-001301(JP,Y1)
【文献】特開2012-157902(JP,A)
【文献】特許第4013574(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法(200)であって、
アルミニウム合金部品(104)の指定に対する温度の関数としての降伏強度を特定することと、
前記アルミニウム合金部品(104)の不適合なフィーチャ(102)を寸法公差内に再形成するために、前記不適合なフィーチャ(102)に加えられる応力を決定することと、
前記フィーチャ(102)に前記応力を加えるときの前記アルミニウム合金部品の処理温度を決定するために、前記応力を前記特定された降伏強度に関連付けることと、
決定された前記処理温度で前記フィーチャ(102)に前記応力を加える持続時間を決定することであって、当該持続時間が、少なくとも前記応力及び前記決定された処理温度の関数である、持続時間を決定することと、
前記アルミニウム合金部品(104)の前記フィーチャ(102)を前記決定された処理温度まで加熱する間、前記フィーチャ(102)に前記応力を加えることであって、前記フィーチャ(102)が、前記応力に対向するように制止される、前記フィーチャ(102)に前記応力を加えること、且つ制止された前記フィーチャ(102)を前記寸法公差内に再形成するために、前記持続時間にわたって、前記フィーチャ(102)に前記応力及び熱を加えることを維持すること
を含む方法(200)。
【請求項2】
前記応力を決定することが、単位面積あたり前記フィーチャ(102)に加えられるべき力に基づいて、前記応力を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記降伏強度を特定することが
、温度の関数としての2つ以上の降伏強度を特定することを
含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記応力を前記特定された降伏強度に関連付けることが、前記フィーチャ(102)に前記応力を加えるときの前記アルミニウム合金部品(104)の前記処理温度を決定するために、前記応力を前記2つ以上の特定された降伏強度に関連付けることを含み、
前記応力が前記2つ以上の特定された降伏強度のそれぞれより小さい場合、前記処理温度は、前記2つの特定された降伏強度のうちの低い方の降伏強度に対応する温度であり、
前記応力が、前記特定された降伏強度のうちの一方より大きいが、前記特定された降伏強度のうちの他方より小さい場合、前記処理温度は、前記2つの特定された降伏強度のうちの高い方の降伏強度に対応する温度である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記降伏強度を特定することが、T6XX、T72、又はT8XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ2000、T6XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ6000、並びにT6XX、T76XX、T73XX、及びT74XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ7000のうちの少なくとも1つの指定を有する前記アルミニウム合金部品(104)に対する温度の関数としての前記降伏強度を特定することを含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理温度を決定するために、前記応力を特定された前記降伏強度に関連付けることが、約93.3℃(200°F)と約204.4℃(400°F)との間の処理温度を決定するために、前記応力を前記特定された降伏強度に関連付けることを含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記応力を決定することが、前記不適合なフィーチャ(102)を約
0.127mm(1000分の5インチ)から
12.7mm(1000分の500インチ)だけ再形成して前記寸法公差内とするために、前記フィーチャ(102)に加えられるべき前記応力を決定することを含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記持続時間を決定することが、約0.5時間から約32時間の間の持続時間を決定することを含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記応力を決定することが、約
6.8948×10
7
パスカル(10キロポンド/平方インチ(ksi:kilopounds per square inch))から約
4.48159×10
8
パスカル(65キロポンド/平方インチ)の応力を決定することを含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
装置(100)の第1の部分(106)において前記不適合なフィーチャ(102)を制止すること、及び前記装置(100)の第2の部分(108)を使用して、制止された前記フィーチャに前記応力を加えることをさらに
含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フィーチャと動作可能に関係する加熱素子(110)を使用して、前記フィーチャを前記決定された処理温度まで加熱することと、決定された前記持続時間の後、前記制止されたフィーチャ(102)の温度を前記決定された処理温度未満に低下させるように、前記加熱素子(110)から前記熱を加えること及び前記装置(100)の前記第2の部分(108)から前記応力を加えることを止めることと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アルミニウム合金部品の再形成された前記フィーチャ(102)を測定して、前記再形成されたフィーチャ(102)が、前記寸法公差内にあるかを判断することをさらに含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
装置(100)であって、
アルミニウム合金部品(104)の不適合なフィーチャ(102)に加えられた応力に対向するために、フィーチャ(102)を制止するように構成された第1の部分(106)、及び
制止された前記フィーチャ(102)に前記応力を加えるように構成された第2の部分(108)
を備え、
前記制止されたフィーチャ(102)が、前記アルミニウム合金部品(104)の指定に対して特定された降伏強度に対応する処理温度まで加熱され、前記制止されたフィーチャ(102)を寸法公差内に再形成するために、前記応力が、持続時間にわたって前記制止されたフィーチャ(102)に加えられ、前記持続時間が、前記応力及び前記処理温度の関数である、装置(100)。
【請求項14】
前記アルミニウム合金部品(104)の前記不適合なフィーチャ(102)に加えられた前記応力に対向するように前記フィーチャ(102)を制止するために、前記第1の部分(106)が、前記アルミニウム合金部品(104)に適合可能である、請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
前記不適合なフィーチャ(102)を約
0.127mm(1000分の5インチ)から
12.7mm(1000分の500インチ)だけ再形成して前記寸法公差内とするために、前記第1の部分(106)及び前記第2の部分(108)が動作可能に協働する、請求項
13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の部分(106)が、約
1.016mm(1000分の40インチ)から約
3.81mm(1000分の150インチ)の間の厚さを有する前記不適合なフィーチャ(102)を制止するように構成されている、請求項
13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記制止されたフィーチャ(102)を前記処理温度まで加熱するように構成された加熱素子(110)をさらに備えている、請求項
13から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記加熱素子(110)が、約0.5時間と約32時間との間の持続時間にわたって、前記制止されたフィーチャ(102)を約93.3℃(200°F)と約204.4℃(400°F)との間の処理温度まで加熱するように構成されている、請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の部分が、前記制止されたフィーチャ(102)に応力を加えることを止めるように構成され、前記加熱素子(110)が、前記制止されたフィーチャ(102)の温度を前記処理温度未満の温度に低下させるように、前記持続時間の後、熱を加えることを止めるように構成されている、請求項
17に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の部分(108)が、約
6.8948×10
7
パスカル(10キロポンド/平方インチ(ksi:kilopounds per square inch))から約
4.48159×10
8
パスカル(65キロポンド/平方インチ)の応力を加えるように構成されている、請求項
13から19のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アルミニウム合金部品に関する。さらに具体的には、本開示は、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修するための方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
展伸用アルミニウム合金部品は、形状加工された後、残留材料応力を保持することで知られている。このような残留材料応力は、最終的な部分の1つ又は複数のフィーチャの屈曲、ねじれ、反りを引き起こし、結果的に1つ又は複数のフィーチャの寸法が不適合となる。厳密な寸法公差を守ることが必要とされる使用例(例えば、航空機製造)では、アルミニウム合金の1つ又は複数のフィーチャの不適合は問題であることが多い。
【0003】
アルミニウム合金部品の不適合フィーチャの典型的な改修法には、例えば、間隙を充填するためにシムを追加することや、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを寸法公差内に再形成するために重量を加えることなどが含まれる。幾つかの極端なケースでは、アルミニウム合金部品が実際に廃棄されてしまう。これは、納入予定に影響を与え、部品を作り直すために多くの時間とコストを増し加えることが多い。他の状況では、アルミニウム合金部品のフィーチャは、追加の熱処理に曝され、アルミニウム合金部品が処理温度まで加熱され、次いで、部品が処理温度に留まっている間に再形成される。しかしながら、処理温度でアルミニウム合金部品を再形成することは、アルミニウム合金部品の材料特性を劣化させる結果(すなわち、機械的性能の低下)となり、場合によっては、再形成されたアルミニウム合金部品をなお廃棄する必要がある。
【0004】
したがって、特定の寸法公差に依然として適合しながら、機械的性能を犠牲にせずに、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修するための方法及び装置を対象としている。本開示の一実施例は、アルミニウム合金部品の指定に対する温度の関数としての降伏強度を特定することと、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを寸法公差内に再形成するために、不適合フィーチャに加えられる応力を決定することと、フィーチャに応力を加えるときのアルミニウム合金部品の処理温度を決定するために、応力を特定された降伏強度に関連付けることと、決定された処理温度でフィーチャに応力を加える持続時間を決定することであって、当該持続時間が、少なくとも応力及び決定された処理温度の関数である、持続時間を決定することと、アルミニウム合金部品のフィーチャを決定された処理温度まで加熱する間、フィーチャに応力を加えることであって、フィーチャが、応力に対向するように制止される、フィーチャに応力を加えること、且つ制止されたフィーチャを寸法公差内に再形成するために、持続時間にわたって、フィーチャに応力及び熱を加えることを維持することを含む方法を対象としている。
【0006】
本開示は、別の実施例では、装置であって、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャに加えられた応力に対向するために、フィーチャを制止するように構成された第1の部分、及び制止されたフィーチャに応力を加えるように構成された第2の部分を備え、制止されたフィーチャが、アルミニウム合金部品の指定に対して特定された降伏強度に対応する処理温度まで加熱され、制止されたフィーチャを寸法公差内に再形成するために、応力が、持続時間にわたって制止されたフィーチャに加えられ、持続時間が、応力及び処理温度の関数である、装置をさらに提供する。
【0007】
本開示の、上記の特徴、態様、及び利点、並びにその他の特徴、態様、及び利点は、簡潔に後述する添付図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことで自明となろう。本開示に提示された又は特許請求の範囲のうちの任意の1つ又は複数に引用された2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の数の特徴又は要素が、明示的に組み合わされるか否か、又は別様に本明細書の特定の実施形態の説明又は特許請求の範囲で引用されるか否かに関わらず、本開示は、かかる特徴又は要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、全体論的に読まれるよう意図されており、本開示の任意の分離可能な特徴又は要素は、本開示の文脈が別途明示しない限り、その態様及び実施形態のいずれにおいても組み合せ可能であることが意図されていると見なすべきである。
【0008】
このように一般的な用語を用いて本開示の実施例を説明してきたが、これより添付の図面を参照する。これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修するための装置を示す。
【
図2】アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の幾つかの実施例は、添付図面を参照して以下でより詳しく説明されるが、添付図面には、本発明の幾つかの実施例が示されているが、すべてが示されているわけではない。実際のところ、本開示の様々な実施例は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書に明記された実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が包括的及び完全なものになるように、且つ当業者に本開示の範囲が十分に伝わるように提供される。例えば、別途記載されない限り、何かを「第1の」、「第2の」などのように言及しても、特定の順序を暗示していると解釈すべきではない。さらに、(別途明記されない限り)何かが別のものの上方にあると説明された場合、代わりに下方にあるということもあり、逆もまた然りである。同様に、何かが別のものの左方にあると説明された場合、代わりに右方にあるということもあり、逆もまた然りである。全体を通して、類似の参照番号は類似の要素を示している。
【0011】
本開示の実施例は、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修するための方法及び装置を対象としている。本明細書に開示されているように、当該方法及び装置は、アルミニウム合金の不適合フィーチャ(non-conforming features)(例えば、補強材や平行面等)を改修する航空宇宙用途において使用される。しかしながら、本明細書に開示された方法及び装置は、展伸用の又は鋳造されたアルミニウム合金部品の1つ又は複数のフィーチャを所望の寸法交差内に再形成することが必要とされる任意の用途でも利用可能である。本明細書で使用される「寸法公差」とは、アルミニウム合金部品の機械的性能に影響を与えずに、フィーチャの所与の寸法又は形状特性が変動し得る量を示す。寸法交差は、部品の使用状況に応じて選択される。航空宇宙用途で利用される部品は、厳密な寸法適合が要求され、寸法公差の範囲が狭い。概して、寸法公差は、部品の設計段階で設定される。したがって、本明細書で使用される「寸法公差」は、本開示の方法を実施する前の段階で決定される。
【0012】
アルミニウム合金部品は、典型的に、従来の成形方法(例えば、圧延、鋳造、機械加工等)を使用して形成される。しかしながら、場合によっては、形成されたアルミニウム合金部品の1つ又は複数のフィーチャは、所望の寸法公差内に適合しない。これは、例えば、形成されている間又は成形加工されている間にアルミニウム合金部品によって保持される残留応力に起因している。これらの応力は、アルミニウム合金部品の屈曲、ねじれ、及び/又は反りを引き起こすことが多く、それにより、寸法的不適合又は特定の寸法公差からの逸脱に至る。寸法的不適合は、製造又は加工方法の小さな変化により、以前適合していた部分に現れることも多い。したがって、本開示の方法及び装置は、場合によっては制止された1つ又は複数の不適合フィーチャを、アルミニウム合金部品の指定に対して特定された降伏強度に対応する処理温度まで加熱し、制止されたフィーチャを寸法公差内に再形成するために、持続時間にわたって制止されたフィーチャに応力を加えることを通して、アルミニウム合金部品の1つ又は複数の不適合フィーチャを改修する。持続時間は、少なくとも応力及び処理温度の関数である。
【0013】
幾つかの例示的な事象では、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを弾性的に変形させ、所望の寸法公差内に適合させるために、熱的に活性化された弾性矯正又は「疑似クリープ」機構が使用される。アルミニウム合金部品の不適合フィーチャが熱と応力に曝されると、熱的活性化弾性矯正機構(thermally-activated elastic straightening mechanism)が活性化される。この応力は、アルミニウム合金の降伏強度より小さい。一旦活性化されると、熱的活性化弾性矯正機構は、機械的性能を犠牲にせずに、不適合フィーチャが再形成距離だけ所望の寸法公差内に動くことを可能にする。
【0014】
例えば、
図1では、アルミニウム合金部品104の不適合フィーチャ102を改修するための装置100が例示されている。アルミニウム合金部品104は、特定の態様では、部品、構成要素、モジュール、プロダクト、及び/又は展伸用の又は鋳造されたアルミニウム合金部品から形成された任意の他の要素を含む。例えば、アルミニウム合金部品104は、T6XX、T72、又はT8XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ2000、T6XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ6000、並びにT6XX、T76XX、T73XX、及びT74XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ7000の指定を有する。
【0015】
一態様では、装置100は、アルミニウム合金部品104の不適合フィーチャ102に加えられた応力に対向するようにフィーチャ102を制止するように構成された第1の部分106を備えている。例えば、第1の部分106には、万力、クランプ、プラテン等が含まれ、これらは、不適合フィーチャ102を制止して、フィーチャ102に加えられた応力に対向するように、アルミニウム合金部品104に対して配置される。本実施例では、第1の部分106は、約1000分の40インチから約1000分の150インチの間の厚さを有する部品104の不適合フィーチャ102を制止することが可能である。しかしながら、他の部分厚も本開示では意図されている。
【0016】
第1の部分106は、幾つかの態様では、不適合フィーチャ102に加えられた応力に対向するようにフィーチャ102を制止するために、アルミニウム合金部品104に適合可能である。例えば、
図1に例示されているように、第1の部分106は、例えば、アルミニウム合金部品104の反転した「T」形状などの断面形状に対して補完的な断面形状(例えば、反転した「L」形状)を有し、それにより、不適合フィーチャ102に加えられる応力に対向するように「T」形状の水平部分が制止される(例えば、反転した「T」形状の垂直部分が、「T」形状の水平部分に対して直角をなしていない)。第1の部分106は、不適合フィーチャ102が、「T」形状の水平部分に対して直角をなす構成に戻るよう再形成されるとき、第1の部分106の端部が、フィーチャ102に加えられた応力に対向するように、不適合フィーチャ102に直接接触するように構成されている。
【0017】
幾つかの他の態様では、第1の部分106は、様々な形状、サイズ、及び断面の1つ又は複数のアルミニウム合金部品に適合するように構成され、又はアルミニウム合金部品104を受容するように構成されており、アルミニウムの自然な弛緩が結果的に所望の形状を実現する(例えば、寸法公差内に適合する)ように、フィーチャ102を所望の形状以外の形状に「オーバー形成」又は形成する。
【0018】
幾つかの態様では、装置100は、制止されたフィーチャ102に応力を加えるように構成された第2の部分108をさらに備えている。例えば、第2の部分108は、不適合フィーチャ102を寸法公差内に再形成するのに十分な応力を加えるように構成されている。この応力(σ)は、単位面積(A)あたりの加えられた力(F)を計算することによって決定される(式1):
式1:σ=F/A
式中、Fは、ニュートンで測定され、Aは、平方メートルで測定され、σは、平行メートルあたりのN又はパスカル(Pa)で測定される。
【0019】
しかしながら、応力を決定する前に、アルミニウム合金部品104のフィーチャ102が、寸法公差内にあるかどうかを決定するために測定される。幾つかの特定の態様では、本明細書に記載された方法及び装置は、不適合フィーチャを約1000分の5インチから1000分の500インチの再形成距離だけ所望の寸法公差内に再形成(又は移動)することが可能である。しかしながら、本開示では、約1000分の5インチから1000分の500インチより短い又は長い他の距離も意図されている。
【0020】
フィーチャ(例えば、フィーチャ102)の測定が所望の寸法公差に適合する場合、部品のさらなる処理が継続され、開示された方法は、必要とされず、したがって実施されない。しかしながら、フィーチャの測定が所望の寸法公差に適合しない場合、アルミニウム合金部品104の指定に対して、1つ又は複数の降伏強度が、温度の関数として特定又は選択される。降伏強度は、アルミニウム合金部品の弾性限度、又はサイズ若しくは形状を恒久的に変更することなく不適合フィーチャを伸張することが可能な最大限度を示す。様々なアルミニウム合金部品は様々な形状、ひいては弾性限度を有するので、特定された降伏強度又は強度は、少なくとも部品の形状、アルミニウム合金部品の指定(例えば、T6XX)、部品の厚さ、及び対応温度に応じて変動することになる。幾つかの態様では、アルミニウム合金部品の指定に関連付けられた降伏強度を特定し、対応する処理温度及び持続時間を決定するために、周知の材料データベース(例えば、ASMインターナショナルのASM合金センターデータベース(商標))にアクセスする。
【0021】
例えば、周知の材料データベースは、最大7インチの厚さの部分まで、平方インチ当たり10から50キロポンド(ksi)で30分から32時間にわたって華氏200度(°F)と400°Fとの間で精製されたT6XX、T72、又はT8XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ2000、最大7インチの厚さの部分まで、平方インチ当たり10から38キロポンド(ksi)で45分から32時間にわたって華氏200度(°F)と400°Fとの間で精製されたT6XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ6000、並びに最大10インチの厚さの部品まで、平方インチ当たり10から65キロポンド(ksi)で30分から32時間にわたって華氏200度(°F)と375°Fとの間で精製されたT6XX、T76XX、T73XX、及びT74XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ7000を含む。比較のために、幾つかの例示的な実施例では、アルミニウム合金部品の指定の2つの異なる降伏強度が、「低い」温度及び「高い」温度(例えば、200°F及び375/400°F)に特定され、対応する降伏強度は、温度の関数として変動する。所望される場合、アルミニウム合金指定の追加の降伏強度(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ等)も温度の関数として特定される。
【0022】
一旦降伏強度が特定されると、計算された応力(すなわち、式1からの応力)が、特定された降伏強度に関連付けられ、アルミニウム合金部品104の処理温度が決定される。降伏強度が幾つ(すなわち、1つの降伏強度、2つの降伏強度、3つの降伏強度等)特定されたかに応じて、処理温度を決定するために、応力を特定された降伏強度に関連付けることは、応力を1つの降伏強度、2つの降伏強度、3つの降伏強度、4つの降伏強度等に関連付けることを含む。より具体的には、計算された応力が1つ又は複数の降伏強度未満であるかを判断するために、計算された応力は、特定された1つ又は複数の降伏強度と比較される。計算された応力が、1つ又は複数の特定された降伏強度のうちの少なくとも1つの降伏強度未満である場合、計算された応力は、不適合フィーチャ102の再形成に使用可能である。これは、熱的活性化弾性矯正機構に起因する。このようにして、且つ利用可能なアルミニウム合金の指定に基づいて、計算された応力は、概して、約10キロポンド/平方インチから約65キロポンド/平方インチの間である。
【0023】
応力を特定された1つの降伏強度、2つの降伏強度、3つの降伏強度等と関連付けることに基づき、処理温度(加えられた応力と連動して不適合フィーチャを再形成するために当該部分が加熱される温度)を、特定された降伏強度に対応する温度として決定することが可能である。1つの特定の態様では、応力が2つ以上の特定された降伏強度のそれぞれより小さい場合、処理温度は、2つの特定された降伏強度のうちの低い方に対応する温度となる。別の特定の態様では、応力が、特定された降伏強度のうちの一方より大きいが、特定された降伏強度のうちの他方より小さい場合、処理温度は、2つの特定された降伏強度のうちの大きい方の降伏強度に対応する温度である。例えば、式1で計算された応力は、それぞれ選択された温度(例えば、「低い」温度(例えば、200°F)及び「高い」温度(例えば、375/400°F)における降伏強度に関連付けられたり、当該降伏強度と比較され、低い温度と高い温度の両方より低いと判断される。したがって、本実施例では、処理温度は、2つの特定された降伏強度のうちの低い方に対応する温度、又は「低い」温度(例えば、200°F)であると判断される。このようにして、且つ利用可能なアルミニウム合金の指定に基づいて、処理温度は、概して、約200°Fと約400°Fとの間である。
【0024】
一旦処理温度が決定されると、次いで、決定された処理温度でフィーチャ102に応力を加える持続時間が決定される。持続時間は、応力及び決定された処理温度の少なくとも関数である。しかしながら、幾つかの態様では、例えば、再形成距離や部品の厚さなどの持続時間に影響を与える他の変数がある。幾つかの特定の態様では、持続時間は、特定された降伏強度、及びアルミニウム合金部品104の指定に対する処理温度に対応する時間である。例えば、T72の展伸用アルミニウム合金シリーズ2000として指定された部品104の不適合フィーチャ102に対する持続時間は、0.5時間から32時間であるが、制止されたフィーチャ102が再形成距離だけ動いたかを判断するために、制止されたフィーチャ102は、この持続時間内の一定間隔でモニタリングされる。
【0025】
持続時間を決定することの他の態様は、再形成距離、曲げモーメント、計算された応力、部品104の材料特性の関数として持続時間を決定することを含む。このようにして、且つ利用可能なアルミニウム合金の指定に基づいて、処理温度は、概して、約0.5時間と約32時間の間である。
【0026】
一旦、応力、処理温度、及び持続時間が決定されると、不適合フィーチャを再形成する準備が整う。特筆すべきことは、処理温度や応力の均一性などの装置の物理的制約が、不適合フィーチャを効率良く低コストで改善するために、処理温度、応力、及び持続時間のうちの1つ又は複数の調節を保証するときがあることである。例えば、大型のアルミニウム合金部品(例えば、リブ又はスパー)の不適合フィーチャを改善するために、大型の装置が必要である。本実施例では、装置の資本コストを低く抑えるように、「高い」処理温度で、「短い」持続時間にわたって「小さい」応力を大型アルミニウム合金部品の不適合フィーチャに加えることが有利なときがある。別の実施例では、複雑な形状の不適合フィーチャを改善するために大型装置を使用した場合、「低い」処理温度で、「長い」持続時間にわたって「大きい」応力を加えることが有利なことがあり、それにより、アルミニウム合金部品全体にわたって処理温度の均一性を保ち、当該処理温度を保つために装置へエネルギーを入力する必要性を減らし、より短い処理サイクル時間を可能にする(すなわち、大型装置の加熱又は冷却にかかる時間が、高い処理温度よりも低い処理温度で短くなる)。代替的には、不適合フィーチャを改修するために使用される装置の物理的な制約によっては、「低い」処理温度で、「短い」持続時間にわたって「大きい」応力を加えること、「低い」処理温度で、「長い」持続時間にわたって「小さい」応力を加えること、又は「低い」処理温度で、「短い」持続時間にわたって「小さい」応力を加えることが有利である。
【0027】
幾つかの態様では、装置100は、
図1に示すように、制止されたフィーチャ102を処理温度まで加熱するように構成された加熱素子110を含む。幾つかの態様では、例えば、装置100は、炉であり、又は決定された持続時間にわたって、部品104を処理温度まで加熱し、その処理温度を維持することが可能な他の装置である。幾つかの実施例では、加熱素子110は、炎を発生させる燃料源を点火する点火機構や電気抵抗加熱素子等である。さらに、幾つかの態様では、加熱素子110は、持続時間にわたって不適合フィーチャ102を処理温度まで加熱するのに十分な熱を生成するために制御デバイス112を介して制御可能である。制御デバイス112は、幾つかの態様では、機械的なスイッチ、ベローズ、非一過性のコンピュータ可読媒体、これらの任意の組み合わせ等であり、少なくとも加熱素子110と通信し、加熱素子110を制御することが可能である。
【0028】
したがって、幾つかの態様では、不適合フィーチャ102は、装置100の第1の部分106において制止され、装置100の第2の部分108を使用して、応力が制止されたフィーチャ102に加えられる。次いで、フィーチャ102に動作可能に関係した加熱素子110を使用して、フィーチャ102が決定された処理温度まで加熱される。任意選択的に、フィーチャ102が再形成距離だけ動いたかを判断するために、フィーチャ102は、持続時間内の一定間隔でモニタリングされる。一旦フィーチャ102が再形成距離だけ動くと、及び/又は決定された持続時間の後、加熱素子110から熱を加えることと、装置100の第2の部分108から応力を加えることとが止まり、制止されたフィーチャ102の温度が決定された処理温度未満に減少する。幾つかの態様では、制御デバイス112を使用して、不適合フィーチャ102の再形成を開始、停止、及びモニタリングする。
【0029】
制止されたフィーチャ102の温度が決定された処理温度未満まで減少した後、フィーチャ102が第1の部分106から取り外され、再形成されたフィーチャ102が寸法公差内にあるか測定される。特筆すべきことは、制止されたフィーチャ102が処理温度まで加熱されるとすぐにアルミニウム合金部品は装置100から取り外し可能になるということである。しかしながら、フィーチャ102は、その温度が処理温度より低くなるまでそのままにしておくことが有利である。なぜなら、フィーチャ102が制止されている間に、冷却により生じた変形が減少するからである。フィーチャ102が再成形距離だけ動いていない場合、フィーチャ102は再び制止され、決定された処理温度での決定された持続時間を満たすまで加熱処理が繰り返される。
【0030】
代替的に、決定された持続時間の一部のみの間、フィーチャ102が加熱且つ制止された場合、フィーチャ102は、再び制止されて、加熱処理が第2の処理温度で残りの持続時間にわたって繰り返される。例えば、6061-T6XXアルミニウム合金部品が、300°Fの第1の処理温度で5時間の持続時間にわたって処理された場合、6061-T6XXアルミニウム合金部品は、275°Fの第2の処理温度で16時間の持続時間にわたってのみ、又は350°Fの第2の処理温度で1.5時間の持続時間にわたってのみ処理され得る。このように、本明細書に記載された方法は、第2の処理温度を決定するために繰り返される。第2の処理温度は、初期の処理温度又は以前に決定された処理温度と異なる。
【0031】
フィーチャ102が再形成距離だけ動いた場合、部品104は、寸法的に許容され、望む通りに利用可能である。このように、装置100の第1の部分106及び第2の部分108は、アルミニウム合金部品104の機械的性能に影響を与えずに、協働的に動作して、不適合フィーチャ102を寸法交差内へと再形成距離だけ動かす(すなわち、不適合フィーチャ102を約1000分の5インチから1000分の500インチだけ再形成する)。
【0032】
図2を参照すると、アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを改修する方法200が示されている。方法200は、第1のステップ202として、アルミニウム合金部品の指定に対する温度の関数としての降伏強度を特定することを含む。当該方法は、第2のステップ204として、不適合フィーチャを寸法公差内に再形成するために、不適合フィーチャに加えられる応力を決定することをさらに含む。当該方法は、第3のステップ206として、フィーチャに応力を加えるときのアルミニウム合金部品の処理温度を決定するために、応力を特定された降伏強度に関連付けることをさらに含む。当該方法は、第4のステップ208として、決定された処理温度でフィーチャに応力を加える持続時間を決定することをさらに含む。持続時間は、少なくとも応力及び決定された処理温度の関数である。当該方法は、第5のステップ210として、アルミニウム合金部品のフィーチャを決定された処理温度まで加熱する間、フィーチャに応力を加えることであって、フィーチャが、応力に対向するように制止される、フィーチャに応力を加えること、且つ制止されたフィーチャを寸法公差内に再形成するために、持続時間にわたって、フィーチャに応力及び熱を加えることを維持することをさらに含む。
【0033】
条項1
アルミニウム合金部品の指定に対する温度の関数としての降伏強度を特定することと、前記アルミニウム合金部品の不適合フィーチャを寸法公差内に再形成するために、前記不適合フィーチャに加えられる応力を決定することと、前記フィーチャに前記応力を加えるときの前記アルミニウム合金部品の処理温度を決定するために、前記応力を前記特定された降伏強度に関連付けることと、決定された前記処理温度で前記フィーチャに前記応力を加える持続時間を決定することであって、当該持続時間が、前記応力及び前記決定された処理温度の関数である、持続時間を決定することと、前記アルミニウム合金部品の前記フィーチャを前記決定された処理温度まで加熱する間、前記フィーチャに前記応力を加えることであって、前記フィーチャが、前記応力に対向するように制止される、前記フィーチャに前記応力を加えること、且つ制止された前記フィーチャを前記寸法公差内に再形成するために、前記持続時間にわたって、前記フィーチャに前記応力及び熱を加えることを維持することを含む方法。
【0034】
条項2
前記応力を決定することが、単位面積あたり前記フィーチャに加えられるべき力に基づいて、前記応力を計算することを含む、条項1に記載の方法。
【0035】
条項3
前記降伏強度を特定することが、温度の関数としての2つ以上の降伏強度を特定することを含む、条項1又は2に記載の方法。
【0036】
条項4
前記応力を特定された前記降伏強度に関連付けることが、前記フィーチャに前記応力を加えるときの前記アルミニウム合金部品の前記処理温度を決定するために、前記応力を前記2つ以上の特定された降伏強度に関連付けることを含み、前記応力が前記2つ以上の特定された降伏強度のそれぞれより低い場合、前記処理温度は、前記2つの特定された降伏強度のうちの低い方の降伏強度に対応する温度であり、前記応力が、前記特定された降伏強度のうちの一方より大きいが、前記特定された降伏強度のうちの他方より小さい場合、前記処理温度は、前記2つの特定された降伏強度のうちの高い方の降伏強度に対応する温度である、条項3に記載の方法。
【0037】
条項5
前記降伏強度を特定することが、T6XX、T72、又はT8XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ2000、T6XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ6000、並びにT6XX、T76XX、T73XX、及びT74XX状態の展伸用アルミニウム合金シリーズ7000のうちの少なくとも1つの指定を有する前記アルミニウム合金部品に対する温度の関数としての前記降伏強度を特定することを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0038】
条項6
前記処理温度を決定するために、前記応力を特定された前記降伏強度に関連付けることが、約200°Fと約400°Fとの間の処理温度を決定するために、前記応力を前記特定された降伏強度に関連付けることを含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0039】
条項7
前記応力を決定することが、不適合フィーチャを約1000分の5インチから1000分の500インチだけ前記寸法公差内に再形成するために前記フィーチャに加えられるべき前記応力を決定することを含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0040】
条項8
前記持続時間を決定することが、約0.5時間から約32時間の間の持続時間を決定することを含む、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0041】
条項9
前記応力を決定することが、約10キロポンド/平方インチから約65キロポンド/平方インチの応力を決定することを含む、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0042】
条項10
装置の第1の部分において前記不適合フィーチャを制止し、前記装置の第2の部分を使用して、制止された前記フィーチャに前記応力を加えることをさらに含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0043】
条項11
前記フィーチャと動作可能に関係する加熱素子を使用して、前記フィーチャを決定された前記処理温度まで加熱することと、決定された前記持続時間の後、前記制止されたフィーチャの温度を前記決定された処理温度未満に低下させるように、前記加熱素子から前記熱を加えること及び前記装置の前記第2の部分から前記応力を加えることを止めることと、をさらに含む、条項10に記載の方法。
【0044】
条項12
前記アルミニウム合金部品の再形成された前記フィーチャを測定して、前記再形成されたフィーチャが、前記寸法公差内にあるかを判断することをさらに含む、条項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0045】
条項13
アルミニウム合金部品の不適合フィーチャに加えられた応力に対向するために、前記フィーチャを制止するように構成された第1の部分、及び制止された前記フィーチャに前記応力を加えるように構成された第2の部分を備え、前記制止されたフィーチャが、前記アルミニウム合金部品の指定に対して特定された降伏強度に対応する処理温度まで加熱され、前記制止されたフィーチャを寸法公差内に再形成するために、前記応力が、持続時間にわたって前記制止されたフィーチャに加えられ、前記持続時間が、前記応力及び前記処理温度の関数である、装置。
【0046】
条項14
前記アルミニウム合金部品の前記不適合フィーチャに加えられた前記応力に対向するように前記フィーチャを制止するために、前記第1の部分が、前記アルミニウム合金部品に適合可能である、条項13に記載の装置。
【0047】
条項15
前記不適合フィーチャを約1000分の5インチから1000分の500インチだけ前記寸法公差内に再形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分が動作可能に協働する、条項13又は14に記載の装置。
【0048】
条項16
前記第1の部分が、約1000分の40インチから約1000分の150インチの間の厚さを有する前記不適合フィーチャを制止するように構成されている、条項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【0049】
条項17
前記制止されたフィーチャを前記処理温度まで加熱するように構成された加熱素子をさらに備えている、条項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【0050】
条項18
前記加熱素子が、約0.5時間と約32時間との間の持続時間にわたって、前記制止されたフィーチャを約200°Fと約400°Fとの間の処理温度まで加熱するように構成されている、条項17に記載の装置。
【0051】
条項19
前記第2の部分が、前記制止されたフィーチャに応力を加えることを止めるように構成され、前記加熱素子が、前記制止されたフィーチャの温度を前記処理温度未満の温度に低下させるように、前記持続時間の後、熱を加えることを止めるように構成されている、条項17又は18に記載の装置。
【0052】
条項20
前記第2の部分が、約10キロポンド/平方インチから約65キロポンド/平方インチの応力を加えるように構成されている、条項13から19のいずれか一項に記載の装置。
【0053】
上述の説明及び関連図面に提示されている教示の恩恵を受ける、本開示に関連する当業者には、本明細書に明記された本開示の多数の改変例及びその他の実施例が想起されよう。したがって、本開示は、開示した特定の実施例に限定されるものでなく、変形及び他の実施例は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図しているものと理解されたい。さらに、上述の説明及び添付図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせに関連して実施例を説明しているが、特許請求の範囲から逸脱しなければ、代替的な実施例によって要素及び/又は機能の種々の組み合わせを提供し得ることを理解されたい。即ち、添付の特許請求の範囲の一部に明記され得るように、例えば、上記で明示されているものとは異なる要素及び/または機能の組み合わせも、また想定される。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは、一般的且つ解説的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。