(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-28
(45)【発行日】2025-08-05
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20250729BHJP
【FI】
D06F39/08 311C
D06F39/08 311B
D06F39/08 311A
(21)【出願番号】P 2021125511
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂元 仁
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-042115(JP,A)
【文献】特開平11-156089(JP,A)
【文献】特開2012-085839(JP,A)
【文献】実開平04-017774(JP,U)
【文献】特開2007-097745(JP,A)
【文献】米国特許第05868011(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0011980(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体の内部に配置され、排水流れ方向の下流側が持ち上げられて排水トラップが形成される内排水ホースと、
前記内排水ホースと排水口との間を接続する外排水ホースと、
前記内排水ホースを、前記洗濯機本体の下部筐体である底台に固定可能な固定部品とを有しており、
前記固定部品は、前記内排水ホースの下流側端部を前記排水トラップが形成された状態で固定可能であり、
前記外排水ホースは、前記底台の内部で前記内排水ホースと接続され、前記底台の下面に設けられた下面ホース挿通穴から前記洗濯機本体の下に引き出し可能であり、
前記底台は、前記内排水ホースを横に引き出し可能とする側面ホース挿通穴を側面に有しており、
前記内排水ホースを前記側面ホース挿通穴に取り付けて、前記内排水ホースと前記外排水ホースとの接続を前記側面ホース挿通穴で行う場合には、前記固定部品は前記内排水ホースの固定を行わず、前記下面ホース挿通穴を塞ぐように取り付け位置を移動可能であることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水トラップを有する洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、洗濯後の水などを排水するために、排水ホースを排水口に接続した状態で設置される。特許文献1には、排水口からの臭い上がり防止のため、洗濯機本体の側面(底台側面)で排水ホースを持ち上げ、ホースに水を溜めることで排水トラップを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、排水ホースとして内排水ホースと外排水ホースを備え、洗濯機本体の側面の取出口で内排水ホースの下流端を持ち上げて排水トラップを形成し、取出口と排水口との間を外排水ホースで接続する構成とされている。この構成では、内排水ホースに対して外排水ホースを洗濯機本体の側面の取出口で接続することから、排水口が洗濯機の真下にあるような場合でも、排水ホースを洗濯機の側面からはみ出させることになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、排水トラップを維持しつつ、排水ホースを洗濯機の側面からはみ出させずに排水口に接続可能とする洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯機本体の内部に配置され、排水流れ方向の下流側が持ち上げられて排水トラップが形成される内排水ホースと、前記内排水ホースと排水口との間を接続する外排水ホースと、前記内排水ホースを、前記洗濯機本体の下部筐体である底台に固定可能な固定部品とを有しており、前記固定部品は、前記内排水ホースの下流側端部を前記排水トラップが形成された状態で固定可能であり、前記外排水ホースは、前記底台の内部で前記内排水ホースと接続され、前記底台の下面に設けられた下面ホース挿通穴から前記洗濯機本体の下に引き出し可能であることを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、洗濯機の設置箇所において、洗濯機本体の真下に排水口がある場合や、洗濯機本体の両側面に外排水ホースを引き回すだけの十分なスペースが無い場合であっても、洗濯機本体内部で内排水ホースと外排水ホースとの接続を行い、かつ、外排水ホースを底台下面の下面ホース挿通穴から洗濯機本体の外に引き出すことで、排水ホースを排水口に接続することができる。また、内排水ホースに排水トラップが形成された状態で、内排水ホースが固定部品により固定されるため、排水トラップのトラップ性能を安定して確保することができる。
【0008】
また、上記洗濯機では、前記底台は、前記内排水ホースを横に引き出し可能とする側面ホース挿通穴を側面に有している構成とすることができる。
【0009】
上記の構成では、排水口が洗濯機本体の設置箇所の外側にある場合や、洗濯機本体の側面に十分なスペースがある場合には、底台側面の側面ホース挿通穴から内排水ホースを引き出すことで、内排水ホースと外排水ホースとの接続を装置外で行うことも可能となり、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0010】
また、上記洗濯機では、前記内排水ホースを前記側面ホース挿通穴に取り付けて、前記内排水ホースと前記外排水ホースとの接続を前記側面ホース挿通穴で行う場合には、前記固定部品は前記内排水ホースの固定を行わず、前記下面ホース挿通穴を塞ぐように取り付け位置を移動可能である構成とすることができる。
【0011】
上記の構成では、固定部品による内排水ホースの固定、および下面ホース挿通穴への外排水ホースの挿通が不要となる状況において、固定部品で下面ホース挿通穴を塞ぐことが可能となり、ユーザが清掃などで下面ホース挿通穴から装置内に手や指を入れて電気部品に触れてしまうことなどを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗濯機は、固定部品によって排水トラップを維持しつつ、洗濯機本体内で内排水ホースと外排水ホースとの接続を行い、外排水ホースを底台下面から洗濯機本体の外に引き出すことで、排水ホースを洗濯機の側面からはみ出させずに排水口に接続することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明が適用される洗濯機の外観例を示す斜視図である。
【
図2】底台の下面から排水ホースを引き出した状態における底台を抜き出して示す斜視図である。
【
図6A】洗濯機の設置時における排水ホースの接続作業手順の説明図である。
【
図6B】洗濯機の設置時における排水ホースの接続作業手順の説明図である。
【
図6C】洗濯機の設置時における排水ホースの接続作業手順の説明図である。
【
図6D】洗濯機の設置時における排水ホースの接続作業手順の説明図である。
【
図6E】洗濯機の設置時における排水ホースの接続作業手順の説明図である。
【
図7】底台の側面から内排水ホースを引き出した状態における底台を抜き出して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される洗濯機1の外観例を示す斜視図である。
図1で示す洗濯機1はドラム型洗濯機を例示しているが、本発明において洗濯機の種類は特に限定されるものではなく、縦型洗濯機や洗濯乾燥機であってもよい。
【0015】
図1に示すように、洗濯機1は、洗濯機本体10と、洗濯槽(図示せず)からの排水を行うための排水ホース110(
図2~
図5参照)とを備えている。洗濯機本体10の前方側にはドア11が設けられている。さらに、洗濯機本体10は、下部筐体として底台100を有している。本実施の形態1に係る洗濯機1は、洗濯機本体10の真下に排水口がある場合や、洗濯機本体10の両側面で排水ホース110を引き回すだけの十分なスペースが無い場合に、底台100の下面から排水ホース110を引き出せるようになっている。
図2は、底台100の下面から排水ホース110を引き出した状態における底台100を抜き出して示す斜視図である。
図3は、
図2の底台100に対応する上面図である。
図4は、
図2の底台100に対応する底台100の下面図である。
図5は、
図2の底台100に対応する底台100の断面図(
図3,
図4におけるA-A断面図)である。尚、
図2~
図5では、底台100に取り付けられる各種部品も併せて図示している。
【0016】
洗濯機1は、洗濯槽(図示せず)からの排水を行うための排水ホース110を必要とする。底台100は、排水ホース110に排水トラップを形成しながら取り付けできるようなっている。排水ホース110は、内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとに分割されている。具体的には、内排水ホース110Aは、(排水流れ方向に対する)上流側端部が洗濯槽の排水弁ユニット140(
図5参照)に接続され、下流側端部に外排水ホース110Bが接続される。外排水ホース110Bは、内排水ホース110Aと排水口との間を接続するものであり、下流側端部が例えば防水パンに設けられた排水口に接続される。詳細は後述するが、このように排水ホース110を内排水ホース110Aおよび外排水ホース110Bに分割可能な構成とすることで、洗濯機1の設置作業が容易に行える。
【0017】
排水ホース110における排水トラップは、内排水ホース110Aの途中に形成されるようになっている。すなわち、
図5に示すように、内排水ホース110Aは、底台100の下方で一旦横方向に曲げた後、再び上方に向かうように折り曲げることで、湾曲部が形成され、この湾曲部が排水トラップTrとなる。排水トラップTrは、洗濯槽からの排水の一部を湾曲部に残すことで、排水口からの臭い上がりを防止する。
【0018】
続いて、洗濯機1の設置時における、洗濯機本体10の真下に排水口がある場合の排水ホース110の接続作業について、
図6A~
図6Eを参照して説明する。尚、以下の接続作業は、例えば、洗濯機1のドア11を開き、かつ洗濯機本体10から前方下部パネル120(
図1参照)を取り外した状態であれば、洗濯機本体10の前方内部において容易に行える。
【0019】
最初に、洗濯機1の設置の前段階として、外排水ホース110Bの下流側端部を排水口に接続し、外排水ホース110Bの上流側端部を前方側へ引き出しておく(
図6A参照)。外排水ホース110Bの排水口への接続後、洗濯機本体10を所定位置(設置スペース)に設置する。
【0020】
洗濯機本体10の内部では、内排水ホース110Aの下流側端部を底台100に固定するための固定部品111を底台100から一旦取り外す。尚、固定部品111は、底台100に対してネジ止めや嵌合などで固定されるものであり、ネジや嵌合部を外すことで底台100から取り外し可能である。次に、取り外した固定部品111を内排水ホース110Aへ取り付ける。固定部品111の内排水ホース110Aへの取り付けも、ネジ止めによって行われる。このため、内排水ホース110Aの下流側端部にはフランジ部112が設けられており、このフランジ部112を固定部品111の枠部と重ねた状態でネジ止めできるようになっている(
図6B参照)。尚、ネジ止めに代えて、フランジ部112および固定部品111が互いに嵌合可能な構成としてもよい。
【0021】
一方、外排水ホース110Bは、底台100の底面前方付近に設けられた下面ホース挿通穴101からその上流側端部を洗濯機本体10の内部に引き込む(
図6C参照)。そして、洗濯機本体10の前方内部において、内排水ホース110Aの下流側端部と外排水ホース110Bの上流側端部とを接続する(
図6D参照)。このとき、内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続箇所は、ホースクリップなどで固定することが好ましい。最後に、固定部品111を底台100に再び固定することで排水ホース110が底台100に固定され、排水ホース110の接続作業が終了する(
図6E参照)。尚、固定部品111は、底台100に固定された状態で、排水トラップTrよりも高い位置で内排水ホース110Aを固定するようになっている。
【0022】
固定部品111は、内排水ホース110Aのフランジ部112にネジ止め固定されることで、内排水ホース110Aにおける肉厚の薄いホース部分を掴まずに内排水ホース110Aの固定が行える。この構造では、単にホースをフックに引っ掛ける構造と比較し、ホース引き回し作業によるホース破れを防ぐことができる。また、そもそもホースを固定しない場合、周囲の内部部品にホースが接触する懸念やトラップ高さが十分確保できない懸念があるが、内排水ホース110Aを固定部品111で固定することで、内部部品へのホース接触を防止し、排水トラップTrのトラップ性能を安定して確保することができる。
【0023】
本実施の形態1に係る洗濯機1では、洗濯機1の設置箇所において、洗濯機本体10の真下に排水口がある場合や、洗濯機本体10の両側面に外排水ホース110Bを引き回すだけの十分なスペースが無い場合であっても、洗濯機本体10の前方内部で(すなわち作業者の手の入りやすい箇所で)、内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続を容易に行うことができる。さらに、内排水ホース110Aは、固定部品111によって排水トラップTrよりも高い位置で底台100に固定できるため、排水トラップTrの形成も容易である。また、外排水ホース110Bは、底台100の下面に設けられた下面ホース挿通穴101から装置外に引き出されるため、排水ホース110が洗濯機1の側面からはみ出すこともない。
【0024】
内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続箇所については、他の内部部品の少ない空間とすることが望ましい。例えば、
図2に示す底台100は、前方から見て左側に排水フィルタ130を配置しており、このような場合は排水フィルタ130と反対側(前方から見て右側)で内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続を行うことが好ましい。内排水ホース110Aおよび外排水ホース110Bの接続を、作業者の手が届きやすく、かつ、他の部品が少ない空間で行うことで、ホースの接続や引き回し作業を容易に実施できる。それにより、接続作業不良による漏水やホース引き回し誤りによるホース破れなどを抑制することができる。
【0025】
また、底台100における外排水ホース110Bの取込口(すなわち下面ホース挿通穴101)は洗濯機本体10の前方で左右方向の中央付近とすることが望ましい。このように、外排水ホース110Bの取込口を中央付近にすれば、排水口の位置によらず(左右どの位置にあっても)ホース弛みを抑えながら外排水ホース110Bを容易に引き回すことができる。また、外排水ホース110Bの長さを抑えることができる。
【0026】
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、洗濯機本体10の真下に排水口がある場合や、洗濯機本体10の両側面に外排水ホース110Bを引き回すだけの十分なスペースが無い場合に、洗濯機本体10の前方内部で内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続を行い、外排水ホース110Bを底台100の下面から装置外に引き出せる構成を説明した。但し、排水口が洗濯機本体10の設置箇所の外側にある場合や、洗濯機本体10の側面に十分なスペースがある場合には、洗濯機本体10の側面でも内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続を可能とすることが好ましい。
図1~
図5に示した洗濯機1は、洗濯機本体10の側面でも内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続が可能な構成を備えている。本実施の形態2では、洗濯機本体10の側面で内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとを接続する場合の方法について説明する。
【0027】
洗濯機1は、洗濯機本体10の側面(より具体的には底台100の側面)に側面ホース挿通穴102(
図1,
図2参照)を有しており、側面ホース挿通穴102において内排水ホース110Aの下流側端部を洗濯機本体10の外部に引き出せるように(あるいは、側面ホース挿通穴102に内排水ホース110Aの下流側端部を取り付けられるように)なっている。このように、洗濯機本体10の側面に内排水ホース110Aを取り付けたり引き出すようにすることで、内排水ホース110Aおよび外排水ホース110Bの接続を装置外で(側面ホース挿通穴102で)行えるようになる。この場合、洗濯機本体10から前方下部パネル120を取り外すことなく、内排水ホース110Aおよび外排水ホース110Bの接続が行え、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0028】
図7は、底台100の側面から内排水ホース110Aを引き出した状態における底台100を抜き出して示す斜視図である。
図8は、
図7の底台100に対応する上面図である。尚、
図7,
図8では、底台100に取り付けられる各種部品も併せて図示しているが、外排水ホース110Bについては図示を省略している。
【0029】
図7に示すように、洗濯機本体10の内部(より具体的には底台100の内部)には内部ホース挿通穴103が設けられている。そして、側面ホース挿通穴102と内部ホース挿通穴103は、底台100の内部から区画された領域150に設けられており、側面ホース挿通穴102は洗濯機本体10の外部に向けて開口し、内部ホース挿通穴103は底台100の内部に向けて開口している。
【0030】
実施の形態1のように、洗濯機本体10の前方内部で内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続を行う場合には、
図2や
図3に示すように、内排水ホース110Aの下流側端部は、内部ホース挿通穴103に挿通されて底台100の内部に引き込まれ、固定部品111によって外排水ホース110Bと接続される。
【0031】
一方、内排水ホース110Aを側面ホース挿通穴102から引き出す場合、内排水ホース110Aの下流側端部は側面ホース挿通穴102へと引き出される。すなわち、内排水ホース110Aの下流側端部は、領域150において引き出される方向を切り替えることで、内排水ホース110Aと外排水ホース110Bとの接続箇所を変更する。
【0032】
このとき、側面ホース挿通穴102と内部ホース挿通穴103が形成される領域150は、底台100の内部から区画されているため、内排水ホース110Aの下流側端部が引き出される方向を切り替える際に、内排水ホース110Aが底台100の内部に不要に侵入することを防ぎ、底台100内部に設置された機器と内排水ホース110Aとの干渉を防止できる。
【0033】
内排水ホース110Aを側面ホース挿通穴102から引き出す場合、内排水ホース110Aの下流側端部では、内排水ホース110Aのフランジ部112が底台100のフレームにネジ止めされる。このネジ止めには、内排水ホース110Aを固定部品111に取り付ける場合と同じネジおよびネジ穴が使用できる。また、ネジ止めに代えて、フランジ部112およびフレームが互いに嵌合可能な構成としてもよい。尚、側面ホース挿通穴102は、排水トラップTrよりも高い位置で内排水ホース110Aを固定するようになっている。
【0034】
一方、内排水ホース110Aを側面ホース挿通穴102から引き出す場合において、内排水ホース110Aの固定に固定部品111を使用することは不要となる。また、外排水ホース110Bは装置外で内排水ホース110Aと接続されるため、下面ホース挿通穴101に外排水ホース110Bを通す必要も無くなる。このため、内排水ホース110Aを側面ホース挿通穴102から引き出す場合においては、固定部品111を内排水ホース110Aから取り外し、下面ホース挿通穴101を塞ぐように取り付け位置を移動可能とすることが好ましい(
図8参照)。固定部品111により下面ホース挿通穴101を塞ぐことで、例えば、ユーザが清掃などで下面ホース挿通穴101から装置内に手や指を入れて電気部品に触れてしまうことなどを防止できる。
【0035】
洗濯機1において、本実施の形態2の構成が採用される場合、側面ホース挿通穴102に内排水ホース110Aが取り付けられた状態を初期状態(製品出荷状態)としてもよい。この場合、洗濯機本体10の側面に外排水ホース110Bを引き回すだけのスペースがあれば、即座に内排水ホース110Aおよび外排水ホース110Bの接続が行える。そして、装置本体10の側面に外排水ホース110Bを引き回すだけのスペースが無い場合に、内排水ホース110Aの付け替えを行えばよい。すなわち、側面ホース挿通穴102から内排水ホース110Aを外すとともに、下面ホース挿通穴101から固定部品111を外し、外した固定部品111を内排水ホース110Aに取り付ける(実施の形態1で説明した
図6Bの状態とする)。その後は、実施の形態1で説明した
図6C~
図6Eの手順に沿って排水ホース110の接続作業を行えばよい。
【0036】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 洗濯機
10 洗濯機本体
11 ドア
100 底台
101 下面ホース挿通穴
102 側面ホース挿通穴
103 内部ホース挿通穴
110 排水ホース
110A 内排水ホース
110B 外排水ホース
111 固定部品
112 フランジ部
120 前方下部パネル
Tr 排水トラップ