(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-29
(45)【発行日】2025-08-06
(54)【発明の名称】プロジェクション・ライナを有する相変化メモリ・セル
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20250730BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20250730BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/20
(21)【出願番号】P 2023522797
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 IB2021060700
(87)【国際公開番号】W WO2022123367
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2024-05-16
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】オーケー、インジョ
(72)【発明者】
【氏名】バオ、ルキャン
(72)【発明者】
【氏名】サイモン、アンドルー、ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】ブルー、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ソルニエ、ニコル
(72)【発明者】
【氏名】サラフ、イクバル、ラシッド
(72)【発明者】
【氏名】ボーサレー、プラサド
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-071314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194294(US,A1)
【文献】特開2011-216768(JP,A)
【文献】国際公開第2007/058175(WO,A1)
【文献】特表2008-522400(JP,A)
【文献】特開2010-245143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0008621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/10
H10N 70/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の誘電体層によって囲まれたヒータと、
前記第2の誘電体層の上のプロジェクション・ライナであって、上面が前記ヒータの上面と実質的に同一面であ
り、前記ヒータの上部の側壁と直接接触する、プロジェクション・ライナと、
前記プロジェクション・ライナの上方の相変化材料層であって、前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層を前記第2の誘電体層から分離する、相変化材料層と
を備える構造体。
【請求項2】
前記ヒータの下方にあり、前記ヒータと電気的に接触する、底部電極と、
前記相変化材料層の上方にあり、前記相変化材料層と電気的に接触する、上部電極と
をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記上部電極の上方にあり、前記上部電極と直接接触する、マスク層と、
前記上部電極の上方にあり、前記上部電極と電気的に接触する、上部電極コンタクトと、
前記底部電極の下方にあり、前記底部電極と電気的に接触する、底部電極コンタクトと
をさらに備える、請求項2に記載の構造体。
【請求項4】
前記相変化材料層は、結晶相及び非晶相を含み、前記非晶相は、前記ヒータの真上にある、請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層の前記結晶相及び前記非晶相に平行な導電経路を提供する、請求項4に記載の構造体。
【請求項6】
前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層の前記非晶相を超えて横方向に延びる、請求項4に記載の構造体。
【請求項7】
前記ヒータは、
外側層と、
前記外側層と内側層との間の中間層と、
前記中間層によって囲まれた前記内側層と
を備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
第2の誘電体層内のヒータであって、上部が前記第2の誘電体層の上方に垂直に延びるヒータと、
前記第2の誘電体層の上のプロジェクション・ライナであって、前記第2の誘電体層の上方に垂直に延びる前記ヒータの上部の上にあり、前記ヒータ
の前記上部の側壁及び上面と直接接触する、プロジェクション・ライナと、
前記プロジェクション・ライナの上方の相変化材料層であって、前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層を前記ヒータ及び前記第2の誘電体層から分離する、相変化材料層と
を備える構造体。
【請求項9】
前記ヒータの下方にあり、前記ヒータと電気的に接触する、底部電極と、
前記相変化材料層の上方にあり、前記相変化材料層と電気的に接触する、上部電極と
をさらに備える、請求項8に記載の構造体。
【請求項10】
前記上部電極の上方にあり、前記上部電極と直接接触する、マスク層と、
前記上部電極の上方にあり、前記上部電極と電気的に接触する、上部電極コンタクトと、
前記底部電極の下方にあり、前記底部電極と電気的に接触する、底部電極コンタクトと
をさらに備える、請求項9に記載の構造体。
【請求項11】
前記相変化材料層は、結晶相及び非晶相を含み、前記非晶相は、前記ヒータの真上にある、請求項8に記載の構造体。
【請求項12】
前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層の前記結晶相及び前記非晶相に平行な導電経路を提供する、請求項11に記載の構造体。
【請求項13】
前記プロジェクション・ライナは、前記相変化材料層の前記非晶相を超えて横方向に延びる、請求項11に記載の構造体。
【請求項14】
前記ヒータは、
外側層と、
前記外側層と内側層との間の中間層と、
前記中間層によって囲まれた前記内側層と
を備える、請求項8に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に相変化メモリ・セルに関し、より具体的にはプロジェクション・ライナを有するタイプの相変化メモリを形成する方法及び構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリ・セルは、データ・ストレージのために使用することができる。相変化メモリ・セルは、不揮発性ランダム・アムセス・メモリである。相変化メモリ・セルの典型的な構成は、少なくとも2つの電極の間に配置され、それらに結合された相変化材料を含むことができる。相変化メモリ・セルが使用されているとき、相変化材料は、少なくとも2つの可逆的な変換が可能な相である非晶相及び結晶相の一方で動作することができる。非晶相及び結晶相は、互いに異なる。非晶相では、相変化材料は、結晶相に比べて明らかに高い抵抗を有する。相転移を容易にするために、所望の相転移を起こすことができるエネルギー、例えば、電気エネルギー、熱エネルギー、任意の他の適切な形態のエネルギー又はそれらの組み合わせが、相変化材料に供給される。
【0003】
結晶相から非晶相への変化を容易にするために、電圧パルスなどの電気エネルギーを電極の1つ、例えば底部電極に印加して、その電極又は実質的にその近傍の相変化材料を、その融点以上に加熱することができる。次いで、相変化材料は、そのガラス温度以下に急速に冷却される。このように取り扱われる相変化材料は、結晶相から非晶相に変換される。相変化材料には、このような相転移が起きた非晶質区域が生成される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、半導体構造体は、第2の誘電体層によって囲まれたヒータと、第2の誘電体層の上のプロジェクション・ライナと、プロジェクション・ライナの上の相変化材料層とを含む。プロジェクション・ライナの上面は、ヒータの上面と実質的に同一面とすることができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層を第2の誘電体層から分離することができる。半導体構造体は、ヒータの下方にあり、ヒータと電気的に接触する底部電極と、相変化材料層の上方にあり、相変化材料層と電気的に接触する上部電極とを含むことができる。半導体構造体は、さらに、上部電極の上方にあり、上部電極と直接接触するマスク層と、上部電極の上方にあり、上部電極と電気的に接触する上部電極コンタクトと、底部電極の下方にあり、底部電極と電気的に接触する底部電極コンタクトとを含むことができる。相変化材料層は、結晶相及び非晶相を含むことができる。非晶相は、ヒータの真上に存在することができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層の結晶相及び非晶相に平行な導電経路を提供することができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層の非晶層を超えて横方向に延びることができる。ヒータは、外側層と、中間層と、内側層とを含むことができる。中間層は、外側層と内側層の間にあることができ、内側層は、中間層によって囲まれることができる。
【0005】
本発明の別の実施形態により、半導体構造体が提供される。半導体構造体は、第2の誘電体層内のヒータと、第2の誘電体層の上のプロジェクション・ライナと、プロジェクション・ライナの上の相変化材料層とを含むことができる。ヒータの上部は、第2の誘電体層の上方に垂直に延びることができる。プロジェクション・ライナは、第2の誘電体層の上方に垂直に延びるヒータの上部の上にあり、ヒータと直接接触することができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層をヒータ及び第2の誘電体層から分離することができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層の結晶相及び非晶相に平行な導電経路を提供することができる。半導体構造体は、ヒータの下方にあり、ヒータと電気的に接触する底部電極と、相変化材料層の上方にあり、相変化材料層と電気的に接触する上部電極とを含むことができる。半導体構造体は、さらに、上部電極の上方にあり、上部電極と直接接触するマスク層と、上部電極の上方にあり、上部電極と電気的に接触する上部電極コンタクトと、底部電極の下方にあり、底部電極と電気的に接触する底部電極コンタクトとを含むことができる。相変化材料層は、結晶相及び非晶相を含むことができる。非晶相は、ヒータの真上に存在することができる。プロジェクション・ライナは、相変化材料層の非晶相を超えて横方向に延びることができる。ヒータは、外側層と、中間層と、内側層とを含むことができる。中間層は、外側層と内側層との間にあることができ、内側層は、中間層によって囲まれることができる。
【0006】
本発明の別に実施形態により、半導体構造体が提供される。半導体構造体は、第2の誘電体層内のヒータと、第2の誘電体層の上方にあり、ヒータと直接接触する相変化材料層とを含むことができる。ヒータの上部は、第2の誘電体層の上方に垂直に延びることができる。半導体構造体は、ヒータの下方にあり、ヒータと電気的に接触する底部電極と、相変化材料層の上方にあり、相変化材料層と電気的に接触する上部電極とを含むことができる。半導体構造体は、さらに、上部電極の上方にあり、上部電極と直接接触するマスク層と、上部電極の上方にあり、上部電極と電気的に接触する上部電極コンタクトと、底部電極の下方にあり、底部電極と電気的に接触する底部電極コンタクトとを含むことができる。相変化材料層は、結晶相及び非晶相を含むことができる。非晶相は、ヒータの真上に存在することができる。ヒータは、外側層と、中間層と、内側層とを含むことができる。中間層は、外側層と内側層の間にあることができ、内側層は、中間層によって囲まれることができる。半導体構造体は、さらに、底部電極コンタクトの下方にあり、底部電極コンタクトと電気的に接触する、第1の金属層と、上部電極コンタクトの上方にあり、上部電極コンタクトと電気的に接触する、第2の金属層と、第1の金属層と第2の金属層との間にあり、第1の金属層及び第2の金属層と電気的に接触するビア・コンタクトとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の詳細な説明は、実施例として与えられ、本発明を単にそれに限定することを意図したものではなく、添付の図面と併せて最もよく認識されるであろう。
【0008】
【
図1】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層内のヒータを示す断面図である。
【
図2】例示的な一実施形態による、ヒータの上方のプロジェクション・ライナを示す断面図である。
【
図3】例示的な一実施形態による、ヒータの上方の相変化材料層を示す断面図である。
【
図4】例示的な一実施形態による、上部電極、上部電極コンタクト、及びビア・コンタクトを示す断面図である。
【
図5】例示的な一実施形態による、上部電極コンタクトの上の第2の金属層を示す断面図である。
【
図6】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の上の有機平坦化層、反射防止コーティング層、及びフォトレジスト層を示す断面図である。
【
図7】例示的な一実施形態による、ヒータの上部の周囲の開口を示す断面図である。
【
図8】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の上方のプロジェクション・ライナを示す断面図である。
【
図9】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の上方の相変化材料層を示す断面図である。
【
図10】例示的な一実施形態による、上部電極、上部電極コンタクト、ビア・コンタクト、及び上部電極コンタクトの上の第2の金属層を示す断面図である。
【
図11】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の上方に垂直に延びるヒータの上部側壁部分を示す断面図である。
【
図12】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層と相変化材料層との間のプロジェクション・ライナを示す断面図である。
【
図13】例示的な一実施形態による、上部電極、上部電極コンタクト、ビア・コンタクト、及び上部電極コンタクトの上の第2の金属層を示す断面図である。
【
図14】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の上方に垂直に延びるヒータの上部側壁部分を示す断面図である。
【
図15】例示的な一実施形態による、第2の誘電体層の真上の相変化材料層を示す断面図である。
【
図16】例示的な一実施形態による、上部電極、上部電極コンタクト、ビア・コンタクト、及び上部電極コンタクトの上の第2の金属層を示す断面図である。
【0009】
図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面は略図に過ぎず、本発明の特定のパラメータを描くことを意図したものではない。図面は、本発明の典型的な実施形態のみを描くことを意図したものである。図面において、同様の番号は同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、特許請求される構造体及び方法の詳細な実施形態が開示されるが、開示される実施形態は、様々な形態で具体化することができる特許請求される構造体及び方法の例示にすぎないことを理解されたい。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で明らかにされる例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が十分かつ完全となるように、及び、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように、提供される。本説明中、周知の特徴及び技術は、提示される実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、省略されている場合がある。
【0011】
以後の説明のために、用語「上方(upper)」、「下方(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上部(top)」、「低部(bottom)」及びそれらの派生語は、図面中に方向付けされた、開示される構造体及び方法に関連する。用語「重ねる(overlying)」、「上に(atop)」、「上に(on top)」、「の上に配置される(positioned on)」又は「頂上に配置される(positioned atop)」は、第1の要素、例えば第1の構造体が、第2の要素、例えば第2の構造体の上に存在するが、介在する要素、例えば界面構造体が、第1の要素と第2の要素との間に存在してもよいことを意味する。用語「直接接触」は、第1の要素、例えば第1の構造体と、第2の要素、例えば第2の構造体とが、2つの要素の界面に中間の導電層、絶縁層又は半導体層が何もなく接続されることを意味する。
【0012】
本発明の実施形態の提示を不明瞭にしないように、以下の詳細の説明において、当技術分野において既知の幾つかの加工ステップ又は操作は、提示のため及び例示のために組み合わせられている場合があり、詳細には説明されていない場合もある。他の場合には、当技術分野において既知の幾つかの加工ステップ又は操作は、全く説明されていない場合がある。以下の説明は、むしろ、本発明の様々な実施形態の顕著な特徴又は要素に焦点が当てられることを理解されたい。
【0013】
相変化メモリ・セルが使用されているとき、相変化材料は、少なくとも2つの可逆的に変換可能な相である非晶相及び結晶相の一方で動作することができる。非晶相及び結晶相はまた、非晶状態及び結晶状態と呼ぶこともできる。相変化材料の非晶状態は、高抵抗及び低コンダクタンスを示し、一方、相変化材料の結晶状態は、低抵抗及び高コンダクタンスを示す。非晶状態及び結晶状態を利用して、相変化メモリ・セルの種々のデータ値をプログラムすることができる。
【0014】
相変化メモリ・セルの種々のデータ値のプログラミングは、例えば、底部電極及び上部電極などの電極を使用して相変化材料に適切な電圧を印加することによって達成することができる。印加される電圧に応じて、相変化材料は、結晶状態から非晶状態に、又はその逆に変化する。さらに、相変化メモリ・セルは、種々のプログラミング・レベルを有することができる。各々のプログラミング・レベルは、相変化材料をプログラムするために相変化材料に印加された異なる電圧に対応することができる。相変化メモリ・セルがプログラムされる(書き込み動作)と、電極を使用して読み出し電圧を印加し、その相変化材料レベルで格納された情報を引き出すことができる。読み出し電圧は、読み出し電圧の印加がプログラムされたセル状態を乱さないことを確実にするように、十分に低くすることができる。
【0015】
しかし、相変化メモリ・セルがプログラムされると、相変化メモリの抵抗は、抵抗ドリフトを示す可能性がある。より具体的には、抵抗ドリフトを示し得るのは非晶状態である。すなわち、非晶状態セルの抵抗は、時間が経つにつれて大きくなり得る。これは、相変化メモリ・セルの抵抗を予測不能にする。従って、抵抗ドリフトを軽減し、相変化材料の抵抗を予測可能で再現性のあるものにすることが有利であろう。さらに、抵抗ドリフトを軽減することによって、相変化メモリ・セルが、印加されるプログラミング・パルスによって直線的に変化することができる抵抗を示すことが可能になる。
【0016】
相変化メモリ・セルのいずれの属性をも損なわずに抵抗ドリフトを軽減するために、本発明の実施形態は、プロジェクション・ライナを有する相変化メモリ・セル構造体及びその構造体を製造する方法を提供する。さらに、本発明の実施形態は、誘電体層の上方を相変化材料層内まで垂直に延びるヒータを有する相変化メモリ・セルを提供する。
【0017】
次に
図1を参照すると、一実施形態による構造体100が示されている。構造体100は、金属層102、NBLOK104、第1の誘電体層106、バリア層108、底部電極110、底部電極コンタクト112、第2の誘電体層114、及びヒータ116を含むことができる。金属層102は、例えば銅などの金属で作成することができる。金属層102は、第1の金属層と呼ばれることがある。NBLOK104は、銅チップに使用されるバリア膜である。NBLOK104は、窒素ドープされた炭化シリコン又は炭素ドープされた窒化シリコンで作成することができる。NBLOK104は、金属層102の上に、標準的な堆積法を使用して形成することができる。NBLOK104は、第1のNBLOKと呼ばれることがある。
【0018】
第1の誘電体層106は、NBLOK104の上面に、既知の堆積技術、例えば、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、又は物理気相堆積(PVD)などを使用して堆積することができる。第1の誘電体層106は、任意の適切な低κ誘電体材料、TEOS、又はTEOSとNBLOKの2重層で作成することができる。底部電極110は、第1の誘電体層106のトレンチ内に形成することができる。トレンチ(図示せず)が形成されると、例えばALDなどの既知の堆積技術を用いて、バリア層108を共形堆積することができる。バリア層108は、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、又はそれらの任意の組み合わせで作成することができる。バリア層108は、底部電極110を形成する材料が第1の誘電体層106に移動するのを防止する。次に、トレンチが、例えば、銅、タングステン、コバルト、又はアルミニウムなどの導電性金属で充填されて、底部電極110を形成する。基板100の上面から余分な材料を除去するために、例えば化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスが行われる。
【0019】
底部電極110に加えて、本構造体は、底部電極コンタクト112を含む。底部電極コンタクト112は、標準的な堆積及びリソグラフィ法を使用して形成することができる。底部電極コンタクト112は、電流が底部電極110及び底部電極コンタクト112を通して流れることを可能にするために、例えば、銅、タングステン、コバルト、又はアルミニウムなどの導電性金属で作成することができる。底部電極コンタクト112は、底部電極110の下方にあり、それと電気的に接触する。底部電極コンタクト112は、金属層102の上方にあり、それと電気的に接触する。2つの底部電極110及び2つの底部電極コンタクト112が図示されているが、本発明の実施形態は、任意の数の底部電極110及び底部電極コンタクト112を含むことができることを認識されたい。
【0020】
底部電極110が形成されると、第2の誘電体層114が、既知の堆積技術、例えば、ALD、CVD、又はPVDなどを使用して、構造体100の上面に堆積される。第2の誘電体層114は、例えば窒化シリコンなどの誘電体材料で、約50nmの厚さに作成することができる。
【0021】
図1の参照を続けると、ヒータ116が、底部電極110がヒータ116の下方にあり、それと電気的に接触するように、底部電極110の上方の第2の誘電体層114に形成される。ヒータ116は、第2の誘電体層114によって囲まれる。2つのヒータが図示されているが、本発明の実施形態は、任意の数のヒータ116を含むことができることを認識されたい。各々のヒータ116は、外側層118、中間層120、及び内側層122を含む。ヒータ116は、第2の誘電体層114を通って底部電極110まで延び、トレンチ内に形成される。第2の誘電体層114を除去してヒータ116を形成するために、フォトレジストなどのレジストを堆積し、パターン形成することができる。パターン形成されたレジストをエッチング・マスクとして使用して、第2の誘電体層114を底部電極110が露出するまで除去するように、反応性イオン・エッチング(RIE)などのエッチング・プロセスを行うことができる。外側層118は、例えばALDなどの堆積プロセスを使用して、トレンチ内に約5nmの厚さまで共形堆積することができる。外側層118は、例えばTaNなどの材料で作成することができる。中間層120は、例えばALDなどの堆積プロセスを使用して、トレンチ内で外側層118の上に約6nmの厚さまで共形堆積することができる。中間層120は、例えばTiNなどの材料で作成することができる。内側層122は、例えばALDなどの堆積プロセスを使用して、トレンチを充填するように、中間層120の上に約20nmの厚さまで共形堆積することができる。中間層120は、外側層118と内側層122との間に存在する。内側層122は、例えばTaNなどの材料で作成することができる。内側層122は、中間層120によって囲まれる。ヒータ116が形成されると、構造体100の上面に残っている外側層118、中間層120、及び内側層122の余分な部分を除去するために、CMPプロセスを使用することができる。
【0022】
次に
図2を参照すると、一実施形態による、プロジェクション・ライナ124を有する構造体100が示されている。ヒータ116が形成された後、第2の誘電体層114が、エッチング・プロセス、例えば、湿式エッチング又は反応性イオン・エッチング(RIE)プロセスを使用して、各々のヒータ116の上部が露出するように、窪まされる。次に、プロジェクション・ライナ124が構造体100の上面に共形堆積されて、プロジェクション・ライナ124の上面がヒータ116の上面と実質的に同一平面となるように、ヒータ116の露出した上部を覆う。
【0023】
プロジェクション・ライナ124は、金属又は窒化金属などの非絶縁性材料で作成することができ、その場合、金属コンポーネントは、例えば、モリブデン、タングステン、チタン、タンタルなどの耐火材料とすることができる。例えば、プロジェクション・ライナ124はTiNで作成することができる。次に、余分なプロジェクション・ライナを除去してヒータ116の上面を露出するように、CMPプロセスが行われる。プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116から横方向に延びて第2の誘電体層114の上面を覆う。プロジェクション・ライナ124は、相変化材料層126の、ヒータ116の上にある非晶相126bを超えて横方向に延びることができる。プロジェクション・ライナ124は、電流が底部電極110から相変化材料層を通って上部電極まで、相変化材料層の非晶質部分を迂回して、流れることを可能にする。
【0024】
次に
図3を参照すると、一実施形態による、相変化材料層126を有する構造体100が示されている。相変化材料層126は、ALDなどの既知の堆積法を使用して、構造体100の上面に堆積することができる。相変化材料層126は、結晶相126a及び非晶相126bの両方を含むことができる。非晶相126bは、ヒータ116の真上に存在することができる。相変化材料層126は、好ましくはカルコゲニドをベースとする材料を含む種類の材料から形成することができる。カルコゲンは、周期表のVI族の部分を形成する4つの元素、酸素(O)、イオウ(S)、セレン(Se)、及びテルル(Te)のいずれかを含む。カルコゲニドは、カルコゲンと、より電気的に陽性の元素又はラジカルとの化合物を含む。カルコゲニド合金は、カルコゲニドと、遷移金属のような他の材料との組み合わせを含む。カルコゲニド合金は、通常、元素の周期表のIV族からの1つ又は複数の元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)及びスズ(Sn)を含む。カルコゲニド合金は、アンチモン(Sb)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、及び銀(Ag)のうちの1つ又は複数を含んだ化合物を含むことが多い。
【0025】
技術文献には、Ga/Sb、In/Sb、In/Se、Sb/Te、Ge/Te、Ge/Sb/Te、In/Sb/Te、Ga/Se/Te、Sn/Sb/Te、In/Sb/Ge、Ag/In/Sb/Te、Ge/Sn/Sb/Te、Ge/Sb/Se/Te、及びTe/Ge/Sb/Sの合金を含む、多くの相変化に基づくメモリ材料が記載されている。Ge/Sb/Te合金のファミリでは、広範囲の合金組成物が加工可能である。この組成物は、TeGe.Sb100-(a+b)のように特徴付けることができる。より一般的には、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びそれらの混合物又は合金をGe/Sb/Teと組み合わせて、プログラム可能な抵抗特性を有する相変化合金を形成することができる。
【0026】
ここで
図4を参照すると、一実施形態による、上部電極128、マスク層130、第3の誘電体層132、上部電極コンタクト134、及びビア・コンタクト136を有する構造体100が示されている。上部電極128は、電流が底部電極110から相変化材料層126を通って上部電極128まで流れることができるように、相変化材料層126の上に堆積される。上部電極128は、相変化材料層126の上方にあり、それと電気的に接触する。上部電極128を形成するために、既知の適切な堆積技術、例えば、ALD、CVD、又はPVDなどを使用することができる。上部電極128は、相変化材料層126と直接接触する。上部電極128は、例えばTiNなどの底部電極110と実質的に同じ導電性材料から作成することができる。
【0027】
マスク層130は、上部電極128の上に、既知の堆積技術を用いて堆積される。マスク層130は、上部電極128と直接接触する。マスク層130は、誘電体材料、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、若しくは酸窒化シリコン又はそれらの組み合わせなどで作成することができる。幾つかの実施形態において、マスク層130は、通常の堆積プロセス、例えばCVD又はPVDなどを使用して、形成することができる。次いで、マスク層130は、パターン形成される(図示せず)。パターン形成は、リソグラフィ及びエッチングによって行うことができる。マスク層130、上部電極128、相変化材料層126、及びプロジェクション・ライナ124の部分を除去するために、例えば、RIEプロセスのようなエッチング・プロセスを行うことができる。結果として得られる構造体100は、プロジェクション・ライナ124、相変化材料層126、上部電極128、及びマスク層130の、ヒータ116の真上に残っている部分を含む。
【0028】
マスク層130がパターン形成された後、第3の誘電体層132が、プロジェクション・ライナ124、相変化材料層126、上部電極128、及びマスク層130の残りの部分を覆うように、構造体100の上面に堆積される。第3の誘電体層132は、例えば、窒化シリコン、シリコン・ベースの低κ誘電体、又はTEOSなどの任意の適切な誘電体材料で作成することができる。既知の適切な堆積技術、例えば、ALD、CVD、又はPVDなどを用いて、第3の誘電体層132を形成することができる。第3の誘電体層132は、低い熱伝導度を有する材料で作成される。その結果、第3の誘電体層132は、断熱材として機能する。
【0029】
図4の参照を続けると、構造体100は、ビア・コンタクト開口及び上部電極コンタクト開口(図示せず)を生成するようにパターン形成される。上部電極コンタクト開口は、第3の誘電体層132の上面からマスク層130を通って上部電極128まで延びる。ビア開口は、第3の誘電体層132の上面から第2及び第1の誘電体層114、106を通り、NBLOK104を通って、金属層102まで延びる。次にバリア層108が、ビア開口及び上部電極開口の両方の内部に堆積される。次に開口が、例えば、銅、タングステン、コバルト、又はアルミニウムなどの導電性金属で充填され、上部電極コンタクト134及びビア・コンタクト136を形成する。次に、構造体100の上面から余分な材料を除去するために、CMPを行うことができる。上部電極コンタクト134は、上部電極の上方にあり、それと電気的に接触する。ビア・コンタクト136は、第1の金属層102と第2の金属層140との間にあり、それらと電気的に接触する。
【0030】
上部電極コンタクト134及びビア・コンタクト136が形成された後、構造体100は、さらに、
図5に示されるように、第2のNBLOK層138及び第2の金属層140を形成するためのさらに別の加工を受ける。既知の堆積技術を使用して、第2のNBLOK層138を構造体100の上面に堆積することができる。第2のNBLOK層138は、第1のNBLOK層104と実質的に同じ材料で作成することができる。既知の堆積技術を使用して、第2のNBLOK層138の上に第2の金属層140を堆積することができる。第2の金属層は、第1の金属層102と実質的に同じ材料で作成することができる。第2の金属層140の底面は、上部電極コンタクト134の上面及びビア・コンタクト136の上面と直接接触する。次に、第2の金属層140がパターン形成され、第4の誘電体層142が堆積される。第4の誘電体層142は、第1の誘電体層106と実質的に同じ材料で作成される。
【0031】
図1~
図5は、プロジェクション・ライナ124を有する相変化メモリ・セルを製造する方法を与える。相変化メモリ・セルは、相変化材料層126の非晶相126bの形状のために、マッシュルーム型相変化メモリ・セルと呼ぶことができる。結果として得られる構造体100は、
図5に示されるように、第2の誘電体層114を相変化材料層126から分離するプロジェクション・ライナ124を含む。プロジェクション・ライナ124は、相変化材料層126と平行である。
【0032】
プロジェクション・ライナ124の抵抗は、プロジェクション・ライナ124が書き込み動作(その際に相転移が起こる)に僅かな影響を及ぼすが、読み出し動作には大きな影響を及ぼすように、選択される。これは、非晶相126bの電気的輸送が非常に非線形であるために、実際に可能である。高電場では、非晶質材料は、いわゆる電子閾値スイッチングを起こし、低抵抗状態(オン状態)となる。従って、高電場の書き込みプロセス中に、プロジェクション・ライナ124の抵抗が、非晶相126bのオン状態抵抗より著しく高くなる場合、大部分の電流は相変化材料層126を通して流れることになる。しかし、低電場の読み出しプロセスの間、電流は、高抵抗の非晶相126bを迂回し、それに平行な第1のプロジェクション・ライナ124の部分を通して流れる。従って、デバイスの抵抗は、プロジェクション・ライナ124のその部分の抵抗によって支配され、非晶相/結晶相の構成の良い尺度となる。典型的に非晶相126bの長さに格納される情報は、ある意味で、プロジェクション・ライナ124に射影される。プロジェクション・ライナ124が読み出し及び書き込み動作の両方の際に存在する場合にも、「射影」は読み出しプロセスの際にのみ起こるように設計されることに留意されたい。従って、プロジェクション・ライナ124は、相変化材料層126の結晶相126a及び非晶相126bに平行な導電経路を提供する。プロジェクション・ライナ124は、非晶相126bの周囲で電流を迂回する平行抵抗器として機能する。
【0033】
プロジェクション・ライナ124を有する相変化メモリ・セルを製造するための別の実施形態が、添付の
図6~
図12を参照しながら以下で詳しく説明される。本実施形態において、プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部のみを囲む。
【0034】
次に
図6を参照すると、本発明の一実施形態による、ヒータ116形成(
図1に関連して前述された)後の製造の中間ステップにおける構造体200が示されている。構造体200は、
図1に関連して詳細に前述された構造体100に、全ての点で実質的に同様であるが、本実施形態において、構造体200は、有機平坦化層(OPL)144、反射防止コーティング層146、及びフォトレジスト層148を含む。
図1の構造体100で開始すると、OPL144は、第2の誘電体層114及びヒータ116の上面に、約200nmの厚さまで堆積される。次に、反射防止コーティング層146が、OPL144の上に堆積される。反射防止コーティング層146は、約35nmの厚さである。反射防止コーティング層146は、底部反射防止コーティング(BARC)又はシリコン含有反射防止コーティング(SIARC)とすることができる。フォトレジスト層148は、反射防止コーティング層146の上面に堆積することができる。OPL144、反射防止コーティング層146、及びフォトレジスト層148は、それぞれ、既知の堆積技術、例えばスピン・オン・コーティングなどを使用して堆積することができる。フォトレジスト層148は、トレンチ150を形成するようにパターン形成される。トレンチ150は、ヒータ116の真上に形成される。
【0035】
次に
図7を参照すると、一実施形態による、第2の誘電体層114がヒータ116の上部の周囲で凹まされた構造体200が示されている。トレンチ500が形成された後、フォトレジスト層148及び反射防止コーティング層146の両方が除去されるが、OPL144は残る。例えば、RIEプロセスなどのエッチング・プロセスを使用して、第2の誘電体層114のヒータ116を囲む部分が除去される。その結果、ヒータ116の上部が露出され、開口152を生成する。次に、OPL144が、既知の方法を使用して除去され、第2の誘電体層114の上面を露出する。
【0036】
次に
図8を参照すると、一実施形態による、プロジェクション・ライナ124を有する構造体200が示されている。プロジェクション・ライナ124は、構造体200の上面に堆積され、開口152を充填する。プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部を囲む。プロジェクション・ライナ124は、抵抗値が、相変化材料層の結晶相の抵抗値と非晶相の抵抗値との間である材料で作成される。
【0037】
プロジェクション・ライナ124が堆積された後、第2の誘電体層114からプロジェクション・ライナ124を除去してヒータ116の上面を露出するように、CMPプロセスが行われる。その結果、プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部の周囲のみに残る。構造体200は、
図9に示されるように、相変化材料層126が堆積されるさらに別の加工を受ける。相変化材料層126は、結晶相126a及び非晶相126bの両方を含む。
【0038】
次に
図10を参照すると、構造体200は、
図5を参照しながら詳細に説明された付加的な加工を受ける。
図10に示される結果として得られる構造体200と、
図5に示される結果として得られる構造体100とは、いずれの構造体もプロジェクション・ライナ124を含むので、実質的に同じである。しかし、
図5に示されるプロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部を囲み、第2の誘電体層114の上面の上を横方向に延びて、第2の誘電体層114の上面を効果的に覆う。その結果、構造体100のプロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114を相変化材料層128から分離して、構造体200と比較すると、スイッチングの際のより小さい抵抗変化をもたらす。
図10に示される構造体200のプロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部を囲むだけである。
図10に示されるプロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114の上面の上を横方向に延びるものではない。その結果、第2の誘電体層114は、相変化材料層126と直接接触する。
【0039】
プロジェクション・ライナ124を有する相変化メモリ・セルを製造するための別の実施形態が、添付の
図11~
図13を参照しながら以下で詳しく説明される。本実施形態においては、プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の上部を囲み、第2の誘電体層144の上面及びヒータ116の上面を覆う。
【0040】
ここで
図11を参照すると、本発明の一実施形態による、ヒータ116形成(
図1に関連して前述された)後の製造の中間ステップにおける構造体300が示されている。構造体300は、
図1に関連して詳しく前述された構造体100と全ての点で実質的に同じものとすることができるが、本実施形態においては、ヒータ116の上部側壁部分が露出され、第2の誘電体層114の上面の上に垂直に延びる。
図1の構造体100で開始すると、第2の誘電体層114の一部分を凹ませ、それによりヒータ116の上部を露出させるように、エッチング・プロセス、例えばRIEプロセスが行われる。その結果、ヒータ116の上部は、第2の誘電体層114の上に垂直に延びる。
【0041】
ここで
図12を参照すると、一実施形態による、プロジェクション・ライナ124及び相変化材料層126を有する構造体300が示されている。プロジェクション・ライナ124は、構造体300の上面に共形堆積される。次に、構造体300は、相変化材料層126がプロジェクション・ライナの上面に堆積されるさらに別の加工を受ける。既知の堆積技術、例えばALDなどを使用して、プロジェクション・ライナ124及び相変化材料層126を堆積することができる。
【0042】
プロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114の上面を覆い、相変化材料層126の非晶相126bを超えて横方向に延びる。プロジェクション・ライナ124は、相変化材料層126を第2の誘電体層114及びヒータ116から分離する。プロジェクション・ライナ124は、ヒータ116の露出した側壁部分及びヒータ116の上面を覆う。プロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114の上方に垂直に延びるヒータ116の上部と直接接触する。ヒータ116の上にプロジェクション・ライナ124を有することにより、抵抗ドリフトが小さくなる。
【0043】
次に
図13を参照すると、構造体300は、
図5に関連して詳細に説明されたように、さらに別の加工を受ける。
図13に示される、結果として得られる構造体300と、
図5に示される、結果として得られる構造体100とは、両構造体がプロジェクション・ライナ124を含むので、実質的に同じである。しかし、
図5に示される構造体100のプロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114の上面の上を横方向に延び、第2の誘電体層114の上面を効果的に覆う。
図13に示される構造体300のプロジェクション・ライナ124は、第2の誘電体層114の上面の上を横方向に延びるだけでなく、ヒータ116の上面の上を横方向に延び、第2の誘電体層114の上方にあるヒータ116の側壁の上を垂直に延びる。
【0044】
プログラミング電流を減らすことができる相変化メモリ・セルを製造するための別の実施形態が、添付の
図14~
図16を参照しながら以下で説明される。本実施形態において、ヒータ116は、第2の誘電体層114の上方で相変化材料層126の内部まで垂直に延びる。
【0045】
ここで
図14を参照すると、本発明の一実施形態による、ヒータ116形成(
図1に関連して前述された)後の製造の中間ステップにおける構造体400が示される。構造体400は、
図1に関連して詳細に説明された構造体100と全ての点で実質的に同様であるが、本実施形態においては、ヒータ116の上部側壁部分が露出し、第2の誘電体層114の上面の上方に垂直に延びる。
図1の構造体100で開始すると、第2の誘電体層114の一部分を凹ませ、それによりヒータ116の上部を露出させるように、エッチング・プロセス、例えばRIEプロセスが行われる。
【0046】
ここで
図15~
図16を参照すると、構造体400は、相変化材料層126が第2の誘電体層114の上面に堆積される、さらに別の加工を受ける。既知の堆積技術、例えばALDを使用して、相変化材料層126を堆積することができる。相変化材料層126の底面は、第2の誘電体層114の上面と直接接触する。さらに、相変化材料層126は、第2の誘電体層114を凹ませた結果として露出したヒータ116の部分を囲む。次に、構造体400は、上部電極128及びマスク層130が堆積されパターン形成される、
図5に関連して詳細に説明されたさらに別の加工を受ける。
【0047】
図16に示される、結果として得られる構造体400は、プロジェクション・ライナ124を含まないため、構造体100(
図5に示された)、構造体200(
図10に示された)、及び構造体300(
図13に示された)とは異なる。むしろ、構造体400は、第2の誘電体層114の上方に伸びる垂直側壁の部分を有するヒータ116を含む。ヒータ116の垂直側壁の部分は、相変化材料層126がヒータ116の上部の側面全体を囲むように、相変化材料層126内に延びる。さらに、相変化材料層126は、第2の誘電体層114の上方にあり、それと直接接触する。
【0048】
上述の本発明の実施形態は、プロジェクション・ライナ124(構造体100、200、300)、及び、誘電体層114の上方に相変化材料層126の内部まで垂直に延びるヒータ116(構造体400)を含む相変化メモリ・セルを形成する方法及び構造体を例示する。プロジェクション・ライナ124と誘電体層114の上方に垂直に延びるヒータ116とは、相変化メモリ・セルにおける抵抗ドリフトの問題に対する解決策を提供する。プロジェクション・ライナ124は、自己整合型である。プロジェクション・ライナ124は、相変化材料層126の非晶相126bを迂回する底部電極110から上部電極128までの電流経路を提供することによって、抵抗ドリフトを軽減する。さらに、ヒータ116の一部を第2の誘電体層114の上方に伸ばすことは、ヒータ116が相変化材料層126の内部に垂直に延びる又は突出し、プログミングの際にヒータ116の周囲により多くの熱を発生させるという事実により、プログラミング電流の低減をさらに向上させる。
【0049】
本発明の様々な実施形態の説明が例示のために提示されているが、網羅的であること又は開示された実施形態に限定されることを意図したものではない。当業者には、説明された実施形態の範囲から逸脱しない多くの修正形及び変化形が明白となるであろう。本明細書で使用された用語法は、実施形態の原理、実際的用途、又は市場に見られる技術を超える技術的改善を最もよく説明するために、或いは、他の当業者が本明細書で開示された実施形態を理解できるように、選択されたものである。