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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-30
(45)【発行日】2025-08-07
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20250731BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20250731BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20250731BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250731BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20250731BHJP
【FI】
G08B25/10 A
H04M11/04
G08B21/02
G08B25/00 510M
G01S5/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021137914
(22)【出願日】2021-08-26
(65)【公開番号】P2023032045
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 秀樹
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-115432(JP,A)
【文献】特開2009-003486(JP,A)
【文献】特開2021-021989(JP,A)
【文献】特開2018-037951(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0036861(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 23/00 - 31/00
G08B 19/00 - 21/24
H04M 11/04
G01S 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処置者を部屋内で処置する処置者によって所持される発信機と、
前記被処置者が処置される位置である処置位置よりも前記部屋の入口に近い位置に設置される監視装置と、
前記監視装置と比較して前記処置位置の近くに設置される第2のビーコン検出器と、
を備え、
前記発信機は、ビーコン信号を発信し、
前記第2のビーコン検出器は、前記発信機からの前記ビーコン信号を対象に第2のRSSIを検出し、
前記監視装置は、
前記処置者によって前記被処置者が処置される状況を、開口部を介して撮像する撮像素子と、
前記開口部を開閉する開閉体と、
前記発信機からの前記ビーコン信号を対象に第1のRSSIを検出する第1のビーコン検出器と、
前記第2のビーコン検出器で検出された前記第2のRSSIを取得する取得部と、
前記第1のビーコン検出器によって検出された前記第1のRSSIと、前記取得部によって取得された前記第2のRSSIと、に基づいて前記開閉体の開閉を制御する開閉体制御部と、
を備える、
監視システム。
【請求項2】
請求項1記載の監視システムにおいて、
前記開閉体制御部は、前記開閉体が閉じた状態で、前記第1のRSSIが第1の閾値よりも高くなったのち、所定の時間内に前記第2のRSSIも第2の閾値よりも高くなった場合に、前記開閉体を開くにように制御する、
監視システム。
【請求項3】
請求項1記載の監視システムにおいて、
前記開閉体制御部は、前記開閉体が開いた状態で、前記第2のRSSIが第4の閾値よりも低下し、かつ、前記第1のRSSIが第3の閾値よりも低下した場合に、前記開閉体を閉じるように制御する、
監視システム。
【請求項4】
請求項1記載の監視システムにおいて、
前記開閉体制御部は、
前記開閉体が閉じた状態で、前記第1のRSSIが第1の閾値よりも高くなったのち、所定の時間内に前記第2のRSSIも第2の閾値よりも高くなった場合に、前記開閉体を開くにように制御し、
前記開閉体が開いた状態で、前記第2のRSSIが第4の閾値よりも低下し、かつ、前記第1のRSSIが第3の閾値よりも低下した場合に、前記開閉体を閉じるように制御する、
監視システム。
【請求項5】
請求項4記載の監視システムにおいて、
前記第3の閾値は、前記第1の閾値よりも低く、
前記第4の閾値は、前記第2の閾値よりも低い、
監視システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の監視システムにおいて、
前記ビーコン信号は、BLE(Bluetooth low energy)規格に基づくビーコン信号である、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予め求めた屋内の電波強度分布を基に、任意位置にある携帯端末で測定された電波強度から、その携帯端末の正確な位置情報を導出する屋内位置推定方法が示される。具体的には、準備段階において、固定的に設置された発信機からの電波強度を既知の複数の測定位置で測定しておき、この測定結果に対して放射基底関数を用いることで屋内の電波強度分布を求めておく。実使用段階において、携帯端末の任意位置を、携帯端末によって測定された電波強度と、準備段階で得られた電波強度分布とに基づいて推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-144120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、医療施設や福祉施設等では、各種トラブルを記録するため、医師、看護師、介護者といった処置者による、患者、被介護者といった被処置者への処置状況等を、監視カメラで監視することが求められる。ただし、被処置者を監視カメラで常時監視すると、被処置者のプライバシーを保護することが困難となる。特に、被処置者は、監視カメラで撮像されている状況を視認することで、多大なストレスを感じ得る。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、被処置者への処置状況を監視しつつ、被処置者のプライバシーを保護することが可能な監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の監視システムは、被処置者を部屋内で処置する処置者によって所持される発信機と、被処置者が処置される位置である処置位置よりも部屋の入口に近い位置に設置される監視装置と、監視装置と比較して処置位置の近くに設置される第2のビーコン検出器と、を備える。発信機は、ビーコン信号を発信する。第2のビーコン検出器は、発信機からのビーコン信号を対象に第2のRSSIを検出する。監視装置は、撮像素子と、開閉体と、第1のビーコン検出器と、取得部と、開閉体制御部と、を備える。撮像素子は、処置者によって被処置者が処置される状況を、開口部を介して撮像する。開閉体は、開口部を開閉する。第1のビーコン検出器は、発信機からのビーコン信号を対象に第1のRSSIを検出する。取得部は、第2のビーコン検出器で検出された第2のRSSIを取得する。開閉体制御部は、第1のビーコン検出器によって検出された第1のRSSIと、取得部によって取得された第2のRSSIと、に基づいて開閉体の開閉を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被処置者への処置状況を監視しつつ、被処置者のプライバシーを保護することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施の形態による監視システムの構成例および適用例を示す概略図である。
図2A図1の比較例となる監視システムにおける問題点の一例を示す概略図である。
図2B図1の比較例となる監視システムにおける問題点の他の一例を示す概略図である。
図3A図1における監視装置の外形例を示す斜視図である。
図3B図3Aの監視装置における内部構造の外形例を示す平面図である。
図4図1における監視装置周りの主要部の機能構成例を示すブロック図である。
図5図1における発信機の主要部の機能構成例を示すブロック図である。
図6図1におけるビーコン検出器の主要部の機能構成例を示すブロック図である。
図7図4におけるシャッター制御部の閉状態での処理内容の一例を示すフロー図である。
図8図4におけるシャッター制御部のレディ状態での処理内容の一例を示すフロー図である。
図9図4におけるシャッター制御部の開状態での処理内容の一例を示すフロー図である。
図10図7図9の処理の前提として行われる事前準備の処理内容の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
<監視システムの概略>
図1は、一実施の形態による監視システムの構成例および適用例を示す概略図である。図1には、通路1を挟んだ一方の側に2個の部屋2a,2bが設置され、他方の側に2個の部屋2c,2dが設置された施設が示される。当該施設は、例えば、医療施設や福祉施設等である。図1において、処置者7は、例えば、前ポケットやネックストラップ等に発信機TRを所持した状態で、通路1上を歩いている。
【0011】
発信機TRは、発信エリアARにビーコン信号BCを発信する。発信エリアARは、当該ビーコン信号BCを感知可能な領域を表し、受信に最低限必要なRSSI(Received Signal Strength Indicator)が得られる領域を表す。発信エリアARは、理想的には、発信機TRを中心とする円領域である。そして、RSSIは、円の中心から外周に近づくにつれて低くなる。
【0012】
ただし、実際には、ビーコン信号BCは、処置者7の身体によって妨害され得る。このため、発信エリアARは、円領域ではなくなる。すなわち、処置者7の後方側となる後方発信エリアARbの面積は、処置者7の前方側となる前方発信エリアARfの面積よりも小さくなり得る。
【0013】
一方、部屋2aを代表例として、部屋2a内には、ベッド5と、監視装置10と、ビーコン検出器BD2と、が設置される。監視装置10およびビーコン検出器BD2は、発信機TRを含めて監視システムを構成する。ベッド5には、被処置者6が横たわっている。処置者7は、出入口3から入室したのち、被処置者6を、部屋2a内の処置位置、この例ではベッド5の位置で処置する。監視装置10は、当該処置位置、すなわちベッド5の位置よりも部屋2aの出入口3に近い位置に設置され、この例では出入口3の直近に設置される。
【0014】
監視装置10は、撮像ユニットIMと、ビーコン検出器BD1と、開閉体11と、を備える。撮像ユニットIMは、開口部を介して撮像する図示しない撮像素子を備える。開閉体11は、当該撮像ユニットIMの開口部を開閉する。開閉体11は、開口部を開閉できる部材であればよく、例えば、シャッター、バリヤ、カバー等である。実施の形態では、開閉体11として、シャッターが用いられる。撮像ユニットIM内の撮像素子は、処置者7が部屋2aに入室している期間で、処置者7による被処置者6への処置状況を含めて部屋2a全体の状況を撮像する。
【0015】
これにより、被処置者6への処置内容を含めて、部屋2a内での処置者7の行動に伴う各種トラブルを、監視装置10によって記録することが可能になる。ただし、撮像ユニットIMで被処置者6を常時撮像すると、被処置者6のプライバシーを保護することが困難になり得る。特に、被処置者6は、撮像ユニットIMで撮像されている状況を視認することで、多大なストレスを感じ得る。このため、処置者7が部屋2aに入室していない期間では、撮像ユニットIMによる撮像を停止することに加えて、この撮像を停止していることを、被処置者6に明確に視認させることが望まれる。
【0016】
そこで、シャッター(開閉体)11が設けられる。シャッター11は、処置者7が部屋2aに入室して期間では、開口部を開くことで撮像を有効化する。一方、シャッター11は、処置者7が部屋2aに入室していない期間では、開口部を閉じることで、撮像を無効化すると共に、撮像が無効であることを被処置者6へ視認させる。そして、このようなシャッター11の開閉制御を行うため、監視装置10内のビーコン検出器BD1に加えて、少なくとも1個以上のビーコン検出器BD2が設けられる。
【0017】
ビーコン検出器BD1は、発信機TRからのビーコン信号BCを対象にRSSI[1]を検出する。同様に、ビーコン検出器BD2は、発信機TRからのビーコン信号BCを対象にRSSI[2]を検出する。ビーコン検出器BD2は、監視装置10、具体的にはビーコン検出器BD1と比較して、被処置者6への処置位置、すなわちベッド5の位置の近くに設置され、この例ではベッド5の直近に設置される。監視装置10は、RSSI[1]およびRSSI[2]に基づいて、シャッター11の開閉を制御する。すなわち、監視装置10は、RSSI[1]およびRSSI[2]に基づいて、処置者7の部屋2aへの入退室の状況を判別する。
【0018】
<比較例の監視システムおよびその問題点>
図2Aおよび図2Bは、図1の比較例となる監視システムにおける問題点の一例を示す概略図である。図2Aおよび図2Bには、図1における部屋2aの周りの構成が示される。まず、比較例として、例えば、図1におけるビーコン検出器BD2が設けられない場合を想定する。この場合、監視装置10は、例えば、ビーコン検出器BD1を用いてビーコン信号BCを感知している期間では、シャッター11を開き、ビーコン信号BCを感知していない期間では、シャッター11を閉じるような制御を行う必要がある。
【0019】
しかし、図2Aに示されるように、処置者7は、部屋2aに入室するとは限らず、通路1を歩きながら部屋2aの出入口3を通過する場合がある。この場合であっても、監視装置10は、ビーコン検出器BD1を用いてビーコン信号BCを感知し得る。このため、監視装置10は、処置者7が通路1を歩いているだけにも関わらず、シャッター11を開く制御を行ってしまう。
【0020】
また、図2Bに示されるように、処置者7は、ベッド5の傍で、監視装置10に背を向けて被処置者6への処置を行う場合がある。この場合、図1で述べたように、ビーコン検出器BD1は、後方発信エリアARbの面積が前方発信エリアARfの面積よりも小さいため、ビーコン信号BCを感知しないおそれがある。その結果、監視装置10は、被処置者6への処置が行われている状況にも関わらず、シャッター11を閉じる制御を行ってしまう。
【0021】
また、別の比較例として、例えば、図1におけるビーコン検出器BD1が設けられない場合を想定する。この場合、監視装置10は、例えば、ビーコン検出器BD2を用いてビーコン信号BCを感知している期間では、シャッター11を開き、ビーコン信号BCを感知していない期間では、シャッター11を閉じるような制御を行う必要がある。
【0022】
しかし、図示は省略されるが、処置者7は、部屋2a内に留まっている状態で、向きを変えたり、被処置者6への処置箇所、すなわちベッド5から遠ざかったりする場合がある。この場合、ビーコン検出器BD2がビーコン信号BCを感知しない期間が生じるおそれがある。その結果、監視装置10は、処置者7が部屋2a内に留まっている状態にも関わらず、シャッター11を閉じる制御を行ってしまう。そこで、詳細は後述するが、2個以上のビーコン検出器BD1,BD2を設け、それらの検出結果に基づいてシャッター11の開閉を制御することが有益となる。
【0023】
<監視システムの詳細>
図3Aは、図1における監視装置の外形例を示す斜視図である。図3Bは、図3Aの監視装置における内部構造の外形例を示す平面図である。図3Aに示されるように、監視装置10は、略直方体形状のハウジング12を有している。図3Aおよび図3Bに示されるように、監視装置10のハウジング12内には、撮像ユニットIM、言い換えれば監視カメラを構成する撮像素子13およびレンズ14が収容される。撮像素子13は、CCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサである。レンズ14は、撮像素子13に対して被写体からの光を集める。
【0024】
図3Aに示されるように、ハウジング12には、レンズ14を介して撮像素子13に光を取り込むための開口部15が形成される。そして、ハウジング12には、この開口部15を開閉するシャッター(開閉体)11が移動自在に取り付けられる。シャッター11は、撮像ユニットIMによる撮影を行う期間では、図3Aに示されるように、開口部15を開く位置に移動する。一方、シャッター11は、撮像ユニットIMによる撮影を停止する期間では、図3Bに示されるように開口部15を閉じる位置に移動する。なお、撮像ユニットIMは、必ずしもレンズ14を有する必要はない。
【0025】
図3Aに示されるように、ハウジング12には、撮影時に点灯するランプLP、メモリカードが挿入されるカードスロットCS、および電源ケーブルが接続される電源ポートPW等が取り付けられる。また、図3Aおよび図3Bに示されるように、ハウジング12内には、2つの無線通信モジュール21,22が収容される。2つの無線通信モジュール21,22は、ビーコン検出器BD1を構成する。
【0026】
各無線通信モジュール21,22は、アンテナを含むプリント基板21a,22aと、プリント基板21a,22aに搭載される集積回路部品21b,22bと、を有する。集積回路部品21b,22bは、例えば、送信電波の変調や受信電波の復調を行うRF(Radio Frequency)回路や、所定の電波強度を有する送信電波を生成するためのパワーアンプといった各種無線通信回路を搭載する。また、この例では、2個のプリント基板21a,22a、ひいては2個のアンテナは、ハウジング12内で互いに直交する向きに配置される。これにより、電波の偏波方向に関わらずアンテナの感度を保つことができる。
【0027】
図4は、図1における監視装置周りの主要部の機能構成例を示すブロック図である。図4に示す監視装置10は、シャッター11と、撮像ユニットIMと、メモリ17と、無線通信モジュール21,22と、赤外線受信ユニット23と、マイク24と、駆動ユニット25と、制御ユニット30と、電源ユニット28と、カードスロットCSと、を備える。メモリ17は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリとの組み合わせで構成される。
【0028】
制御ユニット30は、例えば、プロセッサおよび各種周辺回路を含むマイクロコントローラ等によって構成される。この場合、メモリ17の一部は、マイクロコントローラにも搭載される。制御ユニット30は、監視装置10全体の制御機能を担う。なお、制御ユニット30は、マイクロコントローラに限らず、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されてもよい。
【0029】
撮像ユニットIMは、前述した撮像素子13およびレンズ14に加えて、画像処理ユニット16を備える。撮像素子13は、図1で述べたように、処置者7による被処置者6への処置状況を含めた部屋2a全体の状況を、開口部15を介して撮像する。画像処理ユニット16は、例えば、ISP(Image Signal Processor)である。画像処理ユニット16は、撮像素子13からの画像データ、すなわちRAWデータを、RGB(Red Green Blue)を代表とする所定のフォーマットの画像データに変換してメモリ17に保存する。
【0030】
無線通信モジュール21,22は、発信機TRからの所定の無線通信規格に基づくビーコン信号BCを受信する。ビーコン信号BCは、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)規格、RFID(Radio Frequency IDentification)規格、ZigBee(登録商標)規格等に基づくものであってよい。実施の形態では、特に、発信機TRの消費電力を低減するため、BLE規格に基づくビーコン信号BCが用いられる。
【0031】
また、無線通信モジュール21,22は、ビーコン検出器BD2からの所定の無線通信規格に基づく送信信号TXを受信する。この際に、ビーコン検出器BD2は、ビーコン信号BCのRSSI[2]および識別子(ID)を検出し、その検出されたRSSI[2]およびIDを含む送信信号TXを無線通信モジュール21,22へ送信する。実施の形態では、ビーコン信号BCと同じく、BLE規格に基づく送信信号TXが用いられる。ただし、監視装置10とビーコン検出器BD2との通信には、Wi-Fi(登録商標)等を代表とする他の無線通信規格が用いられてもよく、さらには、無線に限らず有線が用いられてもよい。
【0032】
赤外線受信ユニット23は、例えば、リモコンからの赤外線による命令を受信し、制御ユニット30へ送信する。マイク24は、音声を検出する。検出された音声は、例えば、制御ユニット30を介してメモリ17に保存されてもよく、また、制御ユニット30が音声認識に基づいて各種制御を行うような場合に用いられてもよい。
【0033】
電源ユニット28は、例えば、電源管理IC等で構成され、図3Aに示した電源ポートPWからの電源を受け、監視装置10の各部へ所定の電源電圧値で電力供給を行う。また、電源ユニット28は、制御ユニット30からの命令に基づいて各部への電力供給を制御する。その一つとして、電源ユニット28は、撮影を行わない期間で不必要な箇所への電力供給を遮断する省電力制御等を行ってもよい。なお、電源ユニット28は、電源ポートPWからの電源に限らず、バッテリからの電源を受けてもよい。
【0034】
カードスロットCSには、制御ユニット30によってアクセス可能なメモリカードMCが挿入される。制御ユニット30は、例えば、撮像ユニットIMによってメモリ17に保存された画像データを、メモリカードMCにコピーするようなことも可能である。
【0035】
制御ユニット30は、例えば、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することで実現されるRSSI検出部31、ID検出部32、取得部33およびシャッター制御部34と、カウンタ35とを備える。RSSI検出部31およびID検出部32は、無線通信モジュール21,22と共にビーコン検出器BD1を構成する。
【0036】
RSSI検出部31は、無線通信モジュール21,22や、アナログディジタル変換器等を介して、発信機TRからのビーコン信号BCを対象にRSSI[1]を検出する。ID検出部32は、当該ビーコン信号BCに含まれる識別子(ID)を検出することで、発信機TR、ひいては処置者7を特定する。取得部33は、無線通信モジュール21,22で受信した送信信号TXに基づいて、ビーコン検出器BD2で検出されたRSSI[2]およびIDを取得する。
【0037】
シャッター制御部(開閉体制御部)34は、概略的には、RSSI検出部31およびID検出部32によって検出されたRSSI[1],IDと、取得部33によって取得されたRSSI[2],IDと、に基づいて、駆動ユニット25を介してシャッター(開閉体)11の開閉を制御する。加えて、シャッター制御部34は、所定の時間(Tmax)をカウントするカウンタ35を用いて、シャッター11の開閉を制御する。駆動ユニット25は、シャッター制御部34からの開閉命令に応じて、アクチュエータ26およびリンク機構27を介して、シャッター11を開閉駆動する。
【0038】
図5は、図1における発信機の主要部の機能構成例を示すブロック図である。図5に示す発信機TRは、ビーコン発生器40と、ID設定部41と、メモリ42と、電池43とを備える。メモリ42には、予めID情報等が格納される。ID設定部41は、メモリ42に格納されたID情報に基づいて、ビーコン信号BCのIDを設定する。ビーコン発生器40は、当該設定されたIDを含むビーコン信号BCを発信する。詳細には、ビーコン発生器40は、図4で述べたように、例えば、BLE規格に基づくビーコン信号BCを発信する。電池43は、発信機TR全体に電力を供給する。なお、ID設定部41およびメモリ42は、例えば、DIPスイッチ等で実現されてもよい。
【0039】
例えば、発信機TRは、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末などの携帯型情報端末である。ID情報は、これらの端末の製造番号(IMEI番号)、電話番号などが用いられ、持ち主(処置者)を識別する名前、社員番号と組み合わせたものとなる。また、ID情報は、図示しないサーバなどの中央制御装置により、リストなどのフォーマットで一元管理される。
【0040】
図6は、図1におけるビーコン検出器の主要部の機能構成例を示すブロック図である。図6に示すビーコン検出器BD2は、無線通信モジュール50と、制御ユニット51と、メモリ52と、を備える。メモリ52は、揮発性メモリと、不揮発性メモリとの組み合わせで構成される。無線通信モジュール50は、図4の無線通信モジュール21,22と同様に、発信機TRからの、例えばBLE規格に基づくビーコン信号BCを受信する。
【0041】
制御ユニット51は、図4の場合と同様に、マイクロコントローラ等によって構成される。制御ユニット51は、例えば、プロセッサがメモリ52に格納されたプログラムを実行することで実現されるRSSI検出部55、ID検出部56および送信信号生成部57を備える。RSSI検出部55は、無線通信モジュール50や、アナログディジタル変換器等を介して、発信機TRからのビーコン信号BCを対象にRSSI[2]を検出する。ID検出部56は、当該ビーコン信号BCに含まれる識別子(ID)を検出することで、処置者7を特定する。
【0042】
送信信号生成部57は、RSSI検出部55で検出されたRSSI[2]と、ID検出部56で検出されたIDとを含む送信信号TXを生成する。そして、送信信号生成部57は、生成した送信信号TXを、無線通信モジュール50を介して図4の無線通信モジュール21,22へ送信する。この際に、無線通信モジュール50は、図4の場合と同様に、例えば、BLE規格に基づいて送信信号TXを送信する。
【0043】
<シャッター制御部の詳細>
図7は、図4におけるシャッター制御部の閉状態での処理内容の一例を示すフロー図である。図8は、図4におけるシャッター制御部のレディ状態での処理内容の一例を示すフロー図である。図9は、図4におけるシャッター制御部の開状態での処理内容の一例を示すフロー図である。
【0044】
シャッター制御部34には、内部の制御状態として、閉状態、レディ状態および開状態が設けられる。制御状態が閉状態の場合、シャッター11は、閉じた状態に制御される。制御状態が開状態の場合、シャッター11は、開いた状態に制御される。レディ状態は、閉状態から開状態へ遷移するか否かを判別するために設けられる状態である。
【0045】
まず、シャッター11が閉じた状態では、シャッター制御部34は、図7に示す閉状態での処理を実行し、続いて図8に示すレディ状態での処理を実行する。図7および図8において、シャッター制御部34は、概略的には、ビーコン検出器BD1でのRSSI[1]が閾値Rth1よりも高くなったのち、所定の時間(Tmax)内にビーコン検出器BD2でのRSSI[2]も閾値Rth2よりも高くなった場合に、シャッター11を開くにように制御する。
【0046】
詳細には、図7において、シャッター制御部34は、ビーコン検出器BD1、すなわちRSSI検出部31を用いて、ビーコン信号BCのRSSI[1]を検出する(ステップS101)。続いて、シャッター制御部34は、検出したRSSI[1]と閾値Rth1とを比較する(ステップS102)。そして、シャッター制御部34は、検出したRSSI[1]が閾値Rth1よりも高くなるまで、ステップS101,S102の処理を繰り返し実行する(ステップS102:No)。
【0047】
一方、RSSI[1]が閾値Rth1よりも高くなると(ステップS102:Yes)、シャッター制御部34は、ID検出部32を用いて、ビーコン信号BCのIDを検出し、検出したIDを候補IDに設定する(ステップS103)。候補IDは、部屋に入室する可能性がある発信機TR、ひいては処置者7のIDを意味する。その後、シャッター制御部34は、当該閉状態から図8のレディ状態へ遷移する(ステップS104)。
【0048】
図8において、シャッター制御部34は、カウンタ35を起動する(ステップS201)。続いて、シャッター制御部34は、カウンタ35のカウント値と予め定めた時間Tmaxとを比較する(ステップS202)。当該時間Tmaxは、任意に定められ、例えば、20秒等に定められる。ここで、シャッター制御部34は、カウント値が時間Tmaxを超えていない場合(ステップS202:Yes)には、ステップS203へ移行し、カウント値が時間Tmaxを超えた場合(ステップS202:No)には、ステップS208へ移行する。
【0049】
ステップS203において、シャッター制御部34は、取得部33を用いて、ビーコン検出器BD2で検出されたRSSI[2]およびIDを取得する。続いて、シャッター制御部34は、取得したIDが図7のステップS103で定めた候補IDに等しいか否かを判定する(ステップS204)。取得したIDが候補IDに等しい場合(ステップS204:Yes)、シャッター制御部34は、取得したRSSI[2]と閾値Rth2とを比較する(ステップS205)。
【0050】
ここで、取得したRSSI[2]が閾値Rth2よりも高かった場合(ステップS205:Yes)、シャッター制御部34は、候補IDを監視IDに定める(ステップS206)。監視IDは、部屋に入室した処置者7のIDを意味する。その後、シャッター制御部34は、駆動ユニット25を介してシャッター11を開き、開状態へ遷移することで、図9のステップS301へ移行する(ステップS207)。一方、取得したRSSI[2]が閾値Rth2よりも低い場合(ステップS205:No)や、取得したIDが候補IDと異なる場合(ステップS204:No)、シャッター制御部34は、ステップS202へ戻る。
【0051】
シャッター制御部34は、カウント値が時間Tmaxを超えない限り、ステップS203~S205の処理を再度実行する。一方、カウント値が時間Tmaxを超えた場合(ステップS202:No)、シャッター制御部34は、カウンタ35を停止および初期化する(ステップS208)。そして、シャッター制御部34は、レディ状態から閉状態へ遷移することで、図7のステップS101へ戻る(ステップ209)。
【0052】
シャッター11が開いた状態では、シャッター制御部34は、図9に示す開状態での処理を実行する。図9において、シャッター制御部34は、概略的には、ビーコン検出器BD2でのRSSI[2]が閾値Rth4よりも低下し、かつ、ビーコン検出器BD1でのRSSI[1]が閾値Rth3よりも低下した場合に、シャッター11を閉じるように制御する。
【0053】
詳細には、図9において、シャッター制御部34は、ビーコン検出器BD1、すなわちRSSI検出部31を用いて、ビーコン信号BCのRSSI[1]を検出する(ステップS301)。続いて、シャッター制御部34は、ID検出部32を用いて、ビーコン信号BCのIDを検出する(ステップS302)。次いで、シャッター制御部34は、検出したIDが図8のステップS206で定めた監視IDに等しいか否かを判定する(ステップS303)。
【0054】
検出したIDが監視IDに等しい場合(ステップS303:Yes)、シャッター制御部34は、取得部33を用いて、ビーコン検出器BD2で検出されたRSSI[2]およびIDを取得する(ステップS304)。続いて、シャッター制御部34は、取得したIDが監視IDに等しいか否かを判定する(ステップS305)。
【0055】
取得したIDが監視IDに等しい場合(ステップS305:Yes)、シャッター制御部34は、ステップS304で取得したRSSI[2]と閾値Rth4とを比較する(ステップS306)。取得したRSSI[2]が閾値Rth4よりも低下した場合(ステップS306:Yes)、シャッター制御部34は、ステップS301で検出したRSSI[1]と閾値Rth3とを比較する(ステップS307)。
【0056】
そして、検出したRSSI[1]が閾値Rth3よりも低下した場合(ステップS307:Yes)、シャッター制御部34は、駆動ユニット25を介してシャッター11を閉じ、閉状態へ遷移することで、図7のステップS101へ移行する。一方、検出したRSSI[1]が閾値Rth3よりも高い場合(ステップS307:No)か、または、取得したRSSI[2]が閾値Rth4よりも高い場合(ステップS306:No)、シャッター制御部34は、ステップS301へ戻る。
【0057】
このようにして、シャッター制御部34は、取得したRSSI[2]が閾値Rth4よりも低下し、かつ、検出したRSSI[1]が閾値Rth3よりも低下するまでステップS301~S307の処理を繰り返す。ここで、閾値Rth3は、図7に示した閾値Rth1よりも低く設定される。また、閾値Rth4も、図8に示した閾値Rth2よりも低く設定される。
【0058】
なお、検出したIDが監視IDと異なる場合(ステップS303:No)や、または、取得したIDが監視IDと異なる場合(ステップS305:No)、シャッター制御部34は、ステップS301へ戻る。これは、例えば、ビーコン検出器BD1,BD2が新たな処置者7からのビーコン信号BCを感知したような場合に該当する。この場合、シャッター制御部34は、ステップS303,S305の処理によって、監視IDを含むビーコン信号BCのRSSI[1],RSSI[2]が検出されるのを待つ。
【0059】
以上のようなシャッター制御部34を用いることで、処置者7の部屋への入退室の状況を高精度に判別することができ、シャッター11の開閉を適切に制御することが可能になる。具体例として、図2Aに示したように、処置者7が、通路1を歩きながら部屋2aの出入口3を通過した場合を想定する。この場合、図7のステップS102は“Yes”となるが、図8のステップS204,S205は“No”となる。その結果、入室無しと判別され、シャッター11は、閉じた状態を維持する。
【0060】
また、処置者7が出入口3から部屋2aに入室したのち、図2Bに示されるように、被処置者6への処置を行っている場合を想定する。この場合、図7のステップS102が“Yes”となったのち、所定の時間(Tmax)内に、図8のステップS204,S205も“Yes”となる。その結果、入室有りと判別され、シャッター11は、閉じた状態から開いた状態に変化する。
【0061】
ただし、処置者7は、部屋2a内で、移動したり、向きを変えることがある。この場合であっても、ビーコン検出器BD1,BD2の少なくとも一方は、微弱な強度になり得るが、処置者7からのビーコン信号BCを感知し得る。すなわち、図9のステップS306,S307の少なくとも一方は、“No”となり得る。その結果、処置者7が部屋2aに留まっていると判別され、シャッター11は、開いた状態を維持する。
【0062】
その後、処置者7は、出入口3から部屋2aを退室し、通路1を歩きながら出入口3から遠ざかっていく。この段階で、ビーコン検出器BD1,BD2は、共に、微弱な電波すら感知せず、図9のステップS306,S307は、両方共に“Yes”になり得る。その結果、退室有りと判別され、シャッター11は、開いた状態から閉じた状態に変化する。このような判別を行うために、閾値Rth3は閾値Rth1よりも低く、閾値Rth4は閾値Rth2よりも低く設定される。
【0063】
なお、シャッター制御部34の判別方式は、必ずしも図7図9に示したような方式に限定されず、適宜変更されてもよい。例えば、開状態への遷移条件として、図8に示したような、レディ状態を用いた条件、すなわちステートフルな条件に限らず、ステートレスな条件を用いてもよい。例えば、ステートレスな開状態への遷移条件として、単純に、RSSI[1]>閾値A、かつRSSI[2]>閾値Bといった条件を用いてもよい。
【0064】
ただし、この場合、当該遷移条件を満たす領域が、部屋2a内の限られた狭い領域となる可能性がある。例えば、この領域は、処置者7が出入口3から被処置者6の頭側へ向かう途中に存在する狭い領域となり得る。この場合、処置者7が出入口3から被処置者6の足側へ向かうような場合に、この狭い領域を通過しない可能性がある。この観点では、図7および図8に示したようなステートフルな遷移条件を用いることがより好ましい。
【0065】
また、例えば、予め、RSSI[1],RSSI[2]と、処置者7の部屋2a内での位置や向きとの対応関係をマッピングしておくような方式を用いてもよい。この場合、シャッター制御部34は、当該マッピング情報に基づいて、処置者7の位置や向きを判別し、その判別結果に基づいて、シャッター11の開閉を制御する。ただし、このような方式を用いる場合、マッピング情報の作成や、マッピング情報に基づく位置の判別処理が複雑化するおそれがある。この観点では、図7図9に示したような簡素な方式を用いることがより好ましい。
【0066】
図10は、図7図9の処理の前提として行われる事前準備の処理内容の一例を示すフロー図である。まず、発信機TRに、所定のID(IDxとする)が設定される(ステップS401)。また、ビーコン検出器BD1,BD2にも、当該発信機TRのIDxが設定される(ステップS402)。具体的には、例えば、ビーコン検出器BD1,BD2のメモリ17,52に当該IDxが格納される。
【0067】
続いて、発信機TRを所持した所有者が、部屋2a内や通路1上の所定の位置に、所定の向きで配置される(ステップS403)。この状態で、ビーコン検出器BD1,BD2は、IDxを含むビーコン信号BCのRSSI[1],RSSI[2]をそれぞれ検出する(ステップS404)。検出されたRSSI[1],RSSI[2]は、例えば、監視装置10のメモリ17等に格納される(ステップS405)。
【0068】
このステップS404,S405の処理は、所定の検出回数に到達するまで繰り返し実行される(ステップS406)。これは、電波の不安定性等を考慮して、RSSI[1],RSSI[2]の各平均値等を算出するためである。続いて、所有者の向きや位置を変えながら、予め定めた向きや位置を全て網羅するまで、ステップS403~S406の処理が繰り返し実行される(ステップS407)。
【0069】
当該ステップS403~S407の処理によって、所有者の位置および向きと、RSSI[1],RSSI[2]との対応関係を表すRSSIマップデータが作成される。図7図9に示した閾値Rth1~Rth4は、このRSSIマップデータに基づいて定められる(ステップS408)。そして、定められた閾値Rth1,Rth3は、監視装置10のメモリ17に格納され、定められた閾値Rth2,Rth4は、ビーコン検出器BD2のメモリ52に格納される。なお、ステップS408の処理は、例えば、管理者等によって行われる。
【0070】
<各種変形例>
図1の例では、1個の部屋2aに2個のビーコン検出器を設置したが、部屋2aの広さや、部屋2a内のベッド5の個数等に応じて、2個以上のより少ない数のビーコン検出器を設置すればよい。例えば、部屋2a内に2個のベッド5が設置される場合、出入口3でRSSI[1]を検出する1個のビーコン検出器と、2個のベッドでRSSI[2],RSSI[3]をそれぞれ検出する2個のビーコン検出器とを含めた、計3個以上のビーコン検出器を設置すればよい。
【0071】
この場合、開状態への遷移要否を判定する際には、例えば、図8のステップS205において、RSSI[2]が閾値よりも高いか、または、RSSI[3]が閾値よりも高い場合といったオア判定を用いればよい。一方、閉状態への遷移要否を判定する際には、例えば、図9のステップS306において、RSSI[2]が閾値よりも低く、かつ、RSSI[3]も閾値よりも低い場合といったアンド判定を用いればよい。また、部屋2a内に、いずれのビーコン検出器でもビーコン信号BCを感知できない領域が生じる場合には、その領域を補うために、別途、ビーコン検出器を設置すればよい。
【0072】
<実施の形態の主要な効果>
以上、実施の形態の監視システムでは、部屋内に2個以上のビーコン検出器を設けることで、処置者7の入退室の状況を高精度に判別し、その判別結果に基づいて、シャッター11の開閉を適切に制御することが可能になる。その結果、処置者7が入室している期間で、被処置者6への処置状況を監視しつつ、処置者7が入室していない期間で、被処置者6のプライバシーを保護することが可能になる。
【0073】
さらに、監視システムを低コストで実現できる。例えば、部屋内でメッシュ状に多くのビーコン検出器を設置することで、処置者7の位置を高精度に判別するような方式が考えられる。ただし、このような方式では、コストが増加し、また、位置の判別処理も複雑化し得る。一方、実施の形態で述べたような用途では、処置者7の位置を高精度に判別する必要はなく、処置者7の入退室の状況を把握できればよい。このような性質を利用して、実施の形態の方式では、部屋内に2個以上のより少ない数のビーコン検出器を設けることで、コストの削減を実現している。また、単にRSSIを閾値と比較することで、処理の簡素化を実現している。
【0074】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…通路、2a~2d…部屋、3…出入口、5…ベッド、6…被処置者、7…処置者、10…監視装置、11…シャッター、12…ハウジング、13…撮像素子、14…レンズ、15…開口部、16…画像処理ユニット、17…メモリ、21,22…無線通信モジュール、21a,22a…プリント基板、21b,22b…集積回路部品、23…赤外線受信ユニット、24…マイク、25…駆動ユニット、26…アクチュエータ、27…リンク機構、28…電源ユニット、30…制御ユニット、31…RSSI検出部、32…ID検出部、33…取得部、34…シャッター制御部、35…カウンタ、40…ビーコン発生器、41…ID設定部、42…メモリ、43…電池、50…無線通信モジュール、51…制御ユニット、52…メモリ、55…RSSI検出部、56…ID検出部、57…送信信号生成部、AR…発信エリア、BC…ビーコン信号、BD1,BD2…ビーコン検出器、CS…カードスロット、IM…撮像ユニット、LP…ランプ、MC…メモリカード、PW…電源ポート、Rth1~Rth4…閾値、TR…発信機、TX…送信信号
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10