(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-30
(45)【発行日】2025-08-07
(54)【発明の名称】物品保管装置及び物品保管システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20250731BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20250731BHJP
【FI】
G06Q10/083
G07F17/12
(21)【出願番号】P 2022056139
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2024-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 猛
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-278415(JP,A)
【文献】特開2020-160967(JP,A)
【文献】特開2020-107223(JP,A)
【文献】特開2016-21202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の保管部を備え、前記保管部に配達物が保管される物品保管装置であって、
私書箱番号が登録されている登録部と、
所定の前記私書箱番号の入力操作に基づいて、前記配達物の受取に関する情報を外部機器により読み取り可能な態様で表示する表示部と、
前記受取に関する情報に含まれる確認情報を外部より取得する取得部と、
取得した前記確認情報が真正である場合は、前記複数の保管部のうち空いている一の保管部を当該私書箱番号に対応する保管部として割り当て、前記一の保管部を解錠する制御部と、を備え、
前記登録部は、前記一の保管部の識別情報と前記私書箱番号とを関連付けて登録する、
ことを特徴とする物品保管装置。
【請求項2】
前記受取に関する情報は、一次元又は二次元のバーコードであることを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記確認情報は、前記私書箱番号の入力操作後から対応する前記配達物の受け取りまで有効な情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の物品保管装置。
【請求項4】
前記制御部で前記確認情報が真正であると判定された場合、前記一の保管部に前記配達物を入庫するか窓口引渡か選択させる選択部を備え、
前記登録部は、前記選択部で窓口引渡が選択された場合は、対応する前記私書箱番号について窓口引渡を示す情報を関連付けて登録する、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項5】
受け取り操作に基づいて前記受取に関する情報を読み取る読取部を備え、
前記制御部は、前記読取部が読み取った前記受取に関する情報に含まれる前記確認情報に基づいて、対応する前記保管部を解錠する、
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項6】
前記登録部には、前記保管部の数よりも多くの前記私書箱番号が登録されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項7】
複数の保管部を備え、前記保管部に配達物が保管される物品保管装置と、前記物品保管装置が出力する情報を取得可能な第1端末装置と、を有する物品保管システムであって、
前記物品保管装置は、
私書箱番号が登録されている登録部と、
所定の前記私書箱番号の入力操作に基づいて、前記配達物の受取に関する情報を外部機器により読み取り可能な態様で表示する第1表示部と、
前記受取に関する情報に含まれる確認情報を外部より取得する第1取得部と、
取得した前記確認情報が真正である場合は、前記複数の保管部のうち空いている一の保管部を当該私書箱番号に対応する保管部として割り当て、前記一の保管部を解錠する制御部と、を備え、
前記第1端末装置は、
前記受取に関する情報を取得する第2取得部と、
前記受取に関する情報に含まれる確認情報を表示する第2表示部と、
前記受取に関する情報を対応する私書箱番号の利用者へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする物品保管システム。
【請求項8】
前記物品保管装置から前記配達物を受け取る前記利用者が所持する第2端末装置を有し、
前記第2端末装置は、
前記受取に関する情報を受信する受信部と、
前記受取に関する情報を表示する第3表示部と、を備え、
前記物品保管装置は、
受け取り操作に基づいて前記受取に関する情報を読み取る読取部と、を備え、
前記登録部には、前記確認情報と対応する前記保管部の識別情報とが関連付けて登録されており、
前記制御部は、前記読取部が読み取った前記受取に関する情報に含まれる前記確認情報に基づいて、対応する前記保管部を解錠する、
ことを特徴とする請求項7に記載の物品保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達物等の物品を保管する物品保管装置及び物品保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている私書箱サービスは、予め申し込みをすることによって、郵便局内に設置された専用の受け取り箱で郵便物が受取れるサービスである。この私書箱サービスでは、自宅や事務所等に郵便物を配送することなく、利用者が郵便物を郵便局まで受け取りに行き、自身で持ち帰る。
【0003】
また、利用者が私書箱利用の申込みのために郵便局等へ出向かなければならないという煩わしさを解消するために、ネットワーク上にて予約することができる私書箱システムが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数の私書箱を備える私書箱集合体と、予約装置と、端末装置と、がネットワークを介して接続され、利用者は私書箱集合体及び端末装置に接続可能なHWキーユニットを有するシステム構成の私書箱システムが記載されている。そして、予約装置が予約時に発行した電子鍵をHWキーユニットに記憶して用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、郵便局に設置されるものであるが、郵便局内ではなく、例えば郵便局の外に私書箱を設置し、いつでも利用可能とするようなサービスも考えられる。このようなサービスでは、配達時(私書箱入庫時)に私書箱に保管したこと等を通知すると受取人にとって便利である。
【0007】
しかしながら、通知等のために私書箱等をネットワークに接続すると通信コストの負担が必要になる他、通信装置等が必要となり、私書箱を構成する装置自体も高価になるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、ネットワークに接続不要で私書箱サービスの利用が可能な物品保管装置及び物品保管システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、複数の保管部を備え、前記保管部に配達物が保管される物品保管装置であって、私書箱番号が登録されている登録部と、所定の前記私書箱番号の入力操作に基づいて、前記配達物の受取に関する情報を外部機器により読み取り可能な態様で表示する表示部と、前記受取に関する情報に含まれる確認情報を外部より取得する取得部と、取得した前記確認情報が真正である場合は、前記複数の保管部のうち空いている一の保管部を当該私書箱番号に対応する保管部として割り当て、前記一の保管部を解錠する制御部と、を備え、前記登録部は、前記一の保管部の識別情報と前記私書箱番号とを関連付けて登録する、ことを特徴とする物品保管装置である。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明は、配達物の受取に関する情報を表示し、受取に関する情報に含まれる確認情報を外部より取得して、真正である場合には、空いている保管部を割り当てて解錠し、配達物を保管することができる。そのため、受取に関する情報の伝達に際してネットワーク接続が不要となる。そして、確認情報を取得することにより受取に関する情報が正しく取得されたことを確認することができる。確認情報が真正であることを確認後、配達物を保管するための保管部を割り当てることで、確実に配達物を保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる物品保管装置を有する物品保管システムの概略構成図である。
【
図2】
図1に示された物品保管装置の機能構成図である。
【
図3】
図1に示された配達員端末及び利用者端末の機能構成図である。
【
図4】
図1に示された物品保管システムにおける配達操作時のフローチャートである。
【
図5】
図4に示された配達操作時の操作表示部21の画面遷移を示す図である。
【
図6】
図1に示された物品保管システムにおける受取操作のフローチャートである。
【
図7】
図6に示された受取操作時の操作表示部の画面遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる物品保管装置を有する物品保管システムの概略構成図である。
【0013】
図1に示した物品保管システム100は、物品保管装置としてのロッカー装置1と、配達員端末40と、利用者端末50と、を有している。また、ロッカー装置1と配達員端末40とは、後述するように、主にQRコード(登録商標)等の一次元バーコードや二次元バーコードといった一次元コード又は二次元コードにより情報のやり取りを行う。なお、以下の説明では、QRコード(登録商標)で説明するが一部を除き単にコードと略して記載する。また、QRコード(登録商標)のコードを暗号化し、端末等で読み取られた後に当該端末側で復号するような構成としてセキュリティを保つようにしてもよい。
【0014】
即ち、ロッカー装置1は、配達員端末40及び利用者端末50を含め、他のサーバ装置等とも通信回線で接続されていない。
【0015】
ロッカー装置1は、私書箱として例えば郵便局外に設置される。ロッカー装置1は、
図2に示したように、集中制御装置2と、ロッカー部3と、を備えている。集中制御装置2は、操作表示部21と、コードリーダ22と、スピーカ27と、制御部28と、を備えている。
【0016】
操作表示部21は、例えば利用者に情報を表示する液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))とタッチパネルから構成されている。本実施形態では、ロッカー装置1の利用をする際に操作する操作メニュー等が表示される。
【0017】
コードリーダ22は、上述したように利用者端末50の表示部に表示されたQRコード(登録商標)等のコードを読み取る。スピーカ27は、例えば案内音声等を出力する。
【0018】
制御部28は、操作表示部21、コードリーダ22、スピーカ27の各構成要素と通信可能に接続され、ロッカー装置1全体を制御する中央演算装置(CPU)等のプロセッサやメモリ等の記憶装置を含むユニットである。
【0019】
また、制御部28には、ロッカー装置1を管轄する郵便局の局コード及びロッカー装置1で受取可能な私書箱番号が登録されている。局コードとは、上述した一次元や二次元のコードではなく、郵便局毎に付与される識別符号であり、本実施形態では複数桁の数字列となっている。本実施形態では、制御部28に登録されている私書箱番号の数は、ロッカー装置1が有するロッカーボックス32の数よりも多くなっている。また、制御部28は、ロッカー装置1内のロッカーボックス32の空き状態の管理や、登録された私書箱番号と、後述する配達コードや割り当てられたロッカーボックス32との紐付け(関連付け)管理等も行っている。
【0020】
ロッカー部3は、複数個のロッカーボックス32を備えている。即ち、ロッカーボックス32が保管部として機能する。また、ロッカー部3は、ブザー31が設けられている。ブザー31は、そのロッカー部3に属するロッカーボックス32が所定の状態において所定の操作が行われた場合に制御部28からの指示に基づいて警告音等を発する。なお、ブザー31は、ロッカー部3単位で設けるに限らずロッカーボックス32単位で設けてもよい。
【0021】
ロッカーボックス32は、周知のように扉が開閉可能に設けられている。扉には、取手等が設けられている。また、ロッカーボックス32は、
図2に示したようにロック部33を備えている。ロック部33は、扉を施錠及び解錠する機構であり、電気錠34と、扉開閉スイッチ35と、ランプ37と、を備えている。
【0022】
電気錠34は、扉の開閉を規制する機構であって、扉開閉スイッチ35の状態に基づいて、もしくは集中制御装置2(制御部28)からの指示に応じて、扉の施錠または解錠を行う。電気錠34によりロッカーボックス32は施錠及び解錠可能となっている。即ち、電気錠34は、ロッカーボックス32の施錠及び解錠を行う施錠部として機能する。
【0023】
扉開閉スイッチ35は、扉の開閉状態を判定するスイッチ(SW)であり、例えば、電気錠34に設けられたマイクロスイッチで構成することができる。扉開閉スイッチ35がON/OFFされると、そのON/OFFされたことを示す情報が制御部28へ出力される。
【0024】
ランプ37は、ロッカーボックス32の施錠状態を示す表示手段である。ランプ37は、後述するように、ロッカーボックス32が、解錠状態、施錠状態の各状態に応じて例えば消灯、点灯のいずれかの状態で動作する。
【0025】
第1端末装置としての配達員端末40は、郵便物等の配達員4が所持し、物品保管システム100が提供する私書箱サービスを利用するための端末である。配達員端末40は、ロッカー装置1の操作表示部21に表示されたコードを読み取る機能(カメラ機能やスキャン機能等)を有している。配達員端末40は、例えばスマートフォン等の携帯端末で構成されている。本実施形態では、配達員端末40はスマートフォンとして説明する。
【0026】
第2端末装置としての利用者端末50は、配達物を受け取る利用者5が所持し、物品保管システム100が提供する私書箱サービスを利用するための端末である。利用者端末50は、ロッカー装置1のコードリーダ22にコードを読み取らせるため、コードを表示する機能を有している。利用者端末50は、例えばスマートフォン等の携帯端末で構成されている。本実施形態では、利用者端末50はスマートフォンとして説明する。
【0027】
図3(a)に配達員端末40の概略構成図を示す。配達員端末40は、カメラ41と、表示部42と、記憶部43と、通信部44と、を備えている。カメラ41は、動画像や静止画像の撮像が可能なカメラであるが、本実施形態では、上述したように操作表示部21に表示されたコードを読み取る際に用いる。表示部42は、各種アプリのアイコンや起動されたアプリの画面等が表示される。記憶部43は、配達員端末40を制御するOS(Operating System)やアプリ等のデータが記憶されている。通信部44は、無線LAN(Local Area Network)や公衆回線等と無線通信で接続され、通話やデータ通信等を行う。
【0028】
また、配達員端末40は、配達員が私書箱サービスを利用するためのアプリ43aがインストールされている。また、カメラ41と、表示部42と、記憶部43と、通信部44と、はCPU(不図示)がOSやアプリを読み出して実行することで制御される。
【0029】
図3(b)に利用者端末50の概略構成図を示す。利用者端末50は、表示部52と、記憶部53と、通信部54と、を備えている。表示部52は、各種アプリのアイコンや起動されたアプリの画面等が表示される。記憶部53は、利用者端末50を制御するOSやアプリ等のデータが記憶されている。通信部54は、無線LANや公衆回線等と無線通信で接続され、通話やデータ通信等を行う。
【0030】
また、利用者端末50は、本実施形態では、利用者が私書箱サービスを利用するためのアプリ53aがインストールされている。なお、利用者端末50は、後述するように配達コードが表示できればよいため、QRコード(登録商標)等のコードの表示機能を有していればアプリ53aのインストールは必須でない。また、表示部52と、記憶部53と、通信部54と、はCPU(不図示)がOSやアプリを読み出して実行することで制御される。
【0031】
次に、上述した構成の物品保管システム100の私書箱サービス利用時の動作について
図4~
図6を参照して説明する。本実施形態における私書箱サービスでは、郵便物として配達されるはがき、封書、小包等に限らず、宅配事業者が扱うダイレクトメール等を含めてもよい。
【0032】
図4は配達(入庫)時の操作のフローチャートであり、
図5は、配達時の操作表示部21の画面遷移を示す図である。まず、
図4において、操作表示部21にはTOP画面が表示されている(ステップS101)。TOP画面は例えば
図5のT101に示すような画面である。配達員4はTOP画面に表示されている「配達」ボタンを操作する(ステップS102)。
【0033】
「配達」ボタンが操作されると、局コードの入力画面が表示される(ステップS103)。局コードの入力画面は例えば
図5のT102に示すような画面である。配達員4が局コードを入力すると、私書箱番号の入力画面が表示される(ステップS104)。私書箱番号の入力画面は例えば
図5のT103に示すような画面である。
【0034】
次に、配達員4が私書箱番号を入力すると、制御部28は、局コードと私書箱番号が登録されているか判定する(ステップS105)。ロッカー装置1を管轄する郵便局の局コードと受取可能な私書箱番号は、制御部28内のメモリ等に記憶(登録)されているので、登録されている局コード及び私書箱番号と入力された局コード及び私書箱番号とを照合する。即ち、制御部28は登録部として機能する。ステップS105の判定の結果、局コード及び私書箱番号のいずれかが登録されていない場合は(ステップS105;無し)、登録無しメッセージを操作表示部21に表示させる(ステップS106)。
【0035】
一方、局コード及び私書箱番号のいずれも登録されている場合は(ステップS105;有り)、制御部28は、私書箱番号と紐づけられているロッカーボックス32があるか判定する(ステップS107)。制御部28は、私書箱番号と紐づけられているロッカーボックス32が無い場合は(ステップS107;無し)、空いているロッカーボックス32(空きBOX)があるか判定する(ステップS108)。空いているロッカーボックス32が無い場合は(ステップS108;無し)、制御部28は、空き無しメッセージを操作表示部21に表示させる(ステップS109)。
【0036】
制御部28は、ロッカーボックス32が使用状態になるとロッカーボックス32の番号と私書箱番号とを紐付けて管理する。ステップS107は、ステップS104で入力された私書箱番号がロッカーボックス32と紐付けられている場合は、入力した私書箱番号については使用中(受け取りが未完)のロッカーボックス32があると判断し、そのロッカーボックス32に今回の配達分もまとめて入庫させる。
【0037】
ステップS107で私書箱番号と紐づけられているロッカーボックス32が有る場合(ステップS107;有り)又はステップS108で空きBOXが有る場合は(ステップS108;有り)、操作表示部21に配送コード及びランダムコード入力欄を表示させる(ステップS110)。これらの表示は例えば
図5のT104に示す画面となる。T104において、符号DCで示されたQRコード(登録商標)が配達コード、符号TKで示されたテンキーがランダムコード入力欄となる。即ち、配達コードDCは、外部機器により読み取り可能な態様で表示される。
【0038】
配達コードは、配達人がランダムコードを入力するためと、受取人(利用者)が受け取り時に使用するためと、に用いるコードであり、局コード、私書箱番号及びランダムコードが含まれている。即ち、配達コードは、私書箱番号の入力操作に基づいて、操作表示部21に表示される配達物の受取に関する情報となる。
【0039】
ランダムコードは、後述するように配達員端末40で配達コードDCを読み取ったことを確認するためのものである。即ち、ランダムコードは、当該配達コードDCの読み取りを確認する確認情報となる。このランダムコードは、配達操作の際(私書箱番号入力後)に生成され、利用者5により受け取りが完了するまで有効となる。本実施形態では、ランダムコードは、ランダムに生成される複数桁の数字列とするが、ランダムに生成されたものでなくてもよいし、アルファベット等の文字を含むものであってもよい。
【0040】
なお、ステップS108で「有り」と判断されてステップS110を実行した場合、ランダムコードは前回のランダムコードと同じものであってもよい。これは、後述するように、受け取り時にもランダムコードを利用するため、受取前にランダムコードが変化すると却って操作ミス等を誘発するおそれがあるためである。
【0041】
次に、制御部28は、配達員4から入力されたランダムコードを照合し、OKか判定する(ステップS111)。配達員4は、配達コードDCを配達員端末40で読み取ることで得たランダムコードをT104に示したテンキーTKを用いて入力する。制御部28は、入力されたランダムコードとステップS110で表示する際に生成したランダムコードとを照合する。照合の結果NGの場合は、照合NGである旨のメッセージを操作表示部21に表示させる(ステップS112)。即ち、操作表示部21は、ランダムコード(確認情報)を外部より取得する取得部として機能する。
【0042】
一方、照合の結果OKの場合(ランダムコードが真正である場合)は、ロッカーボックス32に入庫する(BOX入庫)か、窓口渡しか選択する選択画面が操作表示部21に表示される(ステップS113)。選択画面の表示は例えば
図5のT106に示す画面となる。即ち、操作表示部21は、一の保管部に配達物を入庫するか窓口引渡か選択させる選択部として機能する。本実施形態では、配達物について、ロッカーボックス32に入庫するか窓口渡しか選択できるようになっている。これは、書留等の受け取り確認が必要なものはロッカーボックス32による受け取りに適さないため、そのような配達物がある場合は窓口渡しを選択する。
【0043】
ステップS113でBOX入庫が選択された場合は、制御部28は、空きBOXを割り当てて当該BOXを解錠する。又は、ステップS108で紐付けBOXが有りと判定された場合は紐付けられているロッカーボックス32を解錠する(ステップS114)。ランダムコードの照合がOKになったことで、配達コードDCを解読してランダムコードを抽出することができるアプリ43aがインストールされた配達員端末40を所持する正規の配達員4であることが確認できる。そのため、正規の配達員を確認するための業者情報等をロッカー装置1に登録することが不要となる。
【0044】
次に、配達員4は、解錠されたロッカーボックス32に配達物を入庫する(ステップS115)。入庫時の操作表示部21の画面例を
図5のT107に示す。そして、ロッカーボックス32の扉が閉められた場合は、制御部28は、当該ロッカーボックス32を施錠する(ステップS116)。本実施形態では、解錠にはランダムコードの入力等が必要であるが、施錠は扉が閉まると自動で行い、パスコード等の鍵情報は不要である。施錠時の操作表示部21の画面例を
図5のT108に示す。
【0045】
次に、T108の画面において、「入庫完了」又は「もう一度開ける」のいずれかを選択させる(ステップS117)。「もう一度開ける」が選択された場合は、ステップS114に戻り解錠する。なお、「もう一度開ける」の選択は30秒間など所定時間のみ有効としてもよい。一方、「入庫完了」が選択された場合は、制御部28は、当該ロッカーボックス32の番号等の識別情報を私書箱番号とランダムコードとに紐付けて記憶(保存)する(ステップS118)。そして、配達が完了となる(ステップS119)。
【0046】
ステップS113で窓口渡しが選択された場合は、「窓口で保管してください」とのメッセージを操作表示部21に表示し(ステップS120)、制御部28は、窓口渡しである旨を示す情報を私書箱番号とランダムコードと紐付けて記憶(保存)する(ステップS121)。即ち、制御部28は、選択部で窓口引渡が選択された場合は、対応する私書箱番号について窓口引渡を示す情報を関連付けて登録している。
【0047】
本実施形態では、上述したように、空きBOX有無を判断するため、ロッカー装置1に登録されている私書箱番号の数とロッカーボックス32の数とが一致していなくてもよい。私書箱として登録しても、毎回全ての私書箱に配達物が届くことは少なく、利用されない私書箱もある。そのため、ロッカーボックス32の数よりも多くの私書箱番号を管理することで効率的にロッカー装置1を利用することができる。また、上述したように、空きBOXを都度割り当てるので、私書箱番号とロッカーボックス32の位置とが対応せず、外部から私書箱番号の特定が困難となり、セキュリティを高めることができる。
【0048】
配達員端末40では、アプリ43aを起動してカメラ41で配達コードACを読み取る(ステップS201)。即ち、カメラ41は、配達コードDCを取得する第2取得部として機能する。このアプリ43aは、専用のアプリでもよいし、既存のアプリ上で実行されるアプリサービス等でもよい。
【0049】
次に、ステップS201で起動したアプリ43aは、読み取った配達コードDCに含まれるランダムコードを配達員端末40の表示部42に表示させる(ステップS202)。この表示は例えば
図5のT105に示す画面となる。T105において、符号RCがランダムコードである。T105では、配達コードDCも表示しているがランダムコードRCのみであってもよい。即ち、表示部42は、配達コードDCに含まれるランダムコードRCを表示する第2表示部として機能する。
【0050】
次に、アプリ43a上で入庫完了操作を行う(ステップS203)。すると、配達コードDCが私書箱番号と紐付けて(関連付けて)アプリ43a内に登録される(ステップS204)。アプリ43aは、私書箱サービスの利用者の情報へアクセス可能となっており、配達コードDCに含まれる局コードと私書箱番号から、受取人となる利用者の情報(受取人情報)を取得して、受取人情報と配達コードとを紐付ける。
【0051】
次に、アプリ43a上で受取人に通知操作を行う(ステップS205)。すると、配達コードDCを受取人に通知する(ステップS206)。上述した受取人情報には、利用者5のメールアドレス等の連絡先の情報が含まれており、アプリ43aは、当該連絡先に配達コードDCを送信して通知する。つまり、アプリ43aは、通信部44にネットワークNを介して利用者端末50へ送信させる。ここで、受取人に通知する配達コードDCは、ロッカー装置1から取得した配達コードDCと同一でなくてもよい。少なくとも私書箱番号とランダムコードRCが含まれていれば、異なる態様のコードであってもよい。
【0052】
また、連絡は電子メールに限らずSNS(Social Networking Service)等であってもよい。利用者端末50では、通信部54により配達コードDCが受信される。即ち、通信部44は、配達コードDCを対応する私書箱番号の利用者5へ送信する送信部として機能し、通信部54は、配達コードDCを受信する受信部として機能する。
【0053】
図6は受取操作のフローチャートであり、
図7は、受取操作時の操作表示部21の画面遷移を示す図である。まず、
図6において、操作表示部21にはTOP画面が表示されている(ステップS301)。TOP画面は
図7のT201に示すように
図5のT101と同様である。利用者(受取人)5はTOP画面に表示されている「受取」ボタンを操作する(ステップS302)。
【0054】
「受取」ボタンが操作されると、コードリーダ22は、配達コードDCを読み取る(ステップS303)。この際に、制御部28は、例えば
図7のT202に示す画面を操作表示部21に表示させる。T202が表示されると、利用者5は、利用者端末50の表示部52に配達コードDCを表示させ、コードリーダ22にかざす(ステップS401)。即ち、コードリーダ22は、受け取り操作に基づいて配達コードを読み取る読取部として機能し、表示部52は、配達コードDCを表示する第3表示部として機能する。
【0055】
制御部28は、コードリーダ22が読み取った配達コードDCから私書箱番号とランダムコードRCを抽出する。そして、抽出した私書箱番号とランダムコードRCとの組み合わせと、制御部28で紐付けられて記憶されている組み合わせと、を照合する(ステップS304)。照合した結果、不一致の場合は、照合NGである旨のメッセージを操作表示部21に表示させる(ステップS305)。
【0056】
一方、照合した結果一致の場合は、制御部28は、窓口渡しか判定する(ステップS306)。窓口渡しか否かは、
図4のステップS118やS121で紐付け記憶された情報を参照することで判定する。
【0057】
窓口渡しでない場合は(ステップS306;NO)、ステップS118で紐づけたロッカーボックス32を解錠する(ステップS307)。そして、利用者5は配達物を受け取る。つまり、出庫する(ステップS308)。出庫時の操作表示部21の画面例を
図7のT204に示す。そして、ロッカーボックス32の扉が閉められた場合は、制御部28は、当該ロッカーボックス32を施錠する(ステップS309)。施錠時の操作表示部21の画面例を
図7のT205に示す。即ち、制御部28は、コードリーダ22が読み取った配達コードDCに含まれるランダムコードRCに基づいて、対応するロッカーボックス32を解錠している。
【0058】
次に、T205の画面において、「おわり」又は「もう一度開ける」のいずれかを選択させる(ステップS310)。「もう一度開ける」が選択された場合は、ステップS307に戻り解錠する。なお、「もう一度開ける」の選択は30秒間など所定時間のみ有効としてもよい。一方、「おわり」が選択された場合は、制御部28は、当該ロッカーボックス32の番号の私書箱番号とランダムコードRCとの紐付けを解除する(ステップS311)。そして、受け取りが完了となる(ステップS312)。
【0059】
ステップS306で窓口渡しであった場合は(ステップS306;YES)、「窓口においでください」とのメッセージを操作表示部21に表示し(ステップS313)、制御部28は、窓口渡しである旨を示す情報の私書箱番号とランダムコードRCとの紐付けを解除する(ステップS314)。
【0060】
本実施形態によれば、複数のロッカーボックス32を備え、ロッカーボックス32に配達物が保管されるロッカー装置1は、所定の私書箱番号の入力操作に基づいて配達コードDCを表示するとともに、配達コードDCに含まれるランダムコードRCが入力される操作表示部21を備えている。そして、ロッカー装置1は、私書箱番号が登録されているとともに、入力されたランダムコードRCが真正である場合は、複数のロッカーボックス32のうち空いているロッカーボックス32を当該私書箱番号に対応するロッカーボックス32として割り当て、そのロッカーボックス32を解錠する制御部28を備えている。そして、制御部28は、割り当てたロッカーボックス32と私書箱番号とを関連付けて登録する。
【0061】
このようにすることにより、配達コードDCを表示し、配達コードDCに含まれるランダムコードRCを外部より取得して、真正である場合には、空いているロッカーボックス32を割り当てて解錠し、配達物を保管することができる。そのため、配達コードDCの伝達に際してネットワーク接続が不要となる。そして、ランダムコードRCを取得することにより配達コードDCが正しく取得されたことを確認することができる。ランダムコードRCが真正であることを確認後、配達物を保管するためのロッカーボックス32を割り当てることで、確実に配達物を保管することができる。
【0062】
また、配達コードDCは、一次元又は二次元のバーコードで構成されている。このようにすることにより、配達コードDCに私書箱番号やランダムコードRCといった情報を含めた上でコンパクトにまとめることができ、配達員4や利用者5にとって利用し易い形態にすることができる。
【0063】
また、ランダムコードRCは、生成から対応する配達物の受け取りまで有効な情報であるので、受け取り後に悪用されることを防止できる。
【0064】
また、制御部28でランダムコードRCが真正であると判定された場合、操作表示部21は、ロッカーボックス32に配達物を入庫するか窓口引渡か選択させる画面が表示される。そして、制御部28は、操作表示部21で窓口引渡が選択された場合は、対応する私書箱番号について窓口引渡を示す情報を関連付けて登録する。このようにすることにより、書留等の受け取り確認が必要な配達物があることを受取人に通常の受け取り操作で通知することができる。
【0065】
また、受け取り操作に基づいて配達コードDCを読み取るコードリーダ22を備え、制御部28は、コードリーダ22が読み取った配達コードDCに含まれるランダムコードRCに基づいて、対応するロッカーボックス32を解錠する。このようにすることにより、ランダムコードが受取時の解錠キーを兼ねることができる。したがって、解錠キーを別途生成する必要が無くなる。
【0066】
また、配達員端末40は、配達コードDCを取得するカメラ41と、配達コードDCに含まれるランダムコードRCを表示する表示部42と、配達コードDCを対応する私書箱番号の利用者へ送信する通信部44と、を備えている。このようにすることにより、ロッカー装置1から配達コードDCを通信によらず取得することができ、ランダムコードRCをロッカー装置1に入力することが正常に取得できたことの確認もできる。そして、配達コードDCは配達員端末40から送信することで、ロッカー装置1はネットワーク接続が不要となる。
【0067】
また、利用者端末50は、配達コードDCを受信する通信部54と、配達コードDCを表示する表示部52と、を備えている。また、ロッカー装置1は、配達コードDCを読み取るコードリーダ22を備え、制御部28には、ランダムコードRCと対応するロッカーボックス32とが紐づけられて登録されている。そして、制御部28は、コードリーダ22が読み取った配達コードDCに含まれるランダムコードRCに基づいて、対応するロッカーボックス32を解錠する。このようにすることにより、利用者端末50は、配達員端末40から送信された配達コードDCをコードリーダ22にかざすだけで配達物を受け取ることができる。また、ランダムコードRCを解錠キーとして利用することができ、別に解錠キーを生成する必要がなくなる。
【0068】
また、配達員端末40、利用者端末50ともスマートフォン等の汎用の端末装置とすることで、アプリ等をインストールすることで容易に私書箱サービスを利用することができる。また、配達員端末40、利用者端末50を私書箱サービスにおける通信機器として用いることで通信コストを抑えることが可能となる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の物品保管装置及び物品保管システムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 ロッカー装置(物品保管装置)
21 操作制御部(取得部、選択部、第1表示部、第1取得部)
22 コードリーダ(読取部)
28 制御部(登録部)
32 ロッカーボックス(保管部)
40 配達員端末(第1端末装置)
41 カメラ(第2取得部)
42 表示部(第2表示部)
43a アプリ
44 通信部(送信部)
50 利用者端末(第2端末装置)
52 表示部(第3表示部)
54 通信部(受信部)
100 ロッカーシステム(物品保管システム)
DC 配達コード(受取に関する情報)
RC ランダムコード(確認情報)