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特許7720669資金情報記録装置、資金情報記録方法、および資金情報記録プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-31
(45)【発行日】2025-08-08
(54)【発明の名称】資金情報記録装置、資金情報記録方法、および資金情報記録プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250801BHJP
   G06Q 20/04 20120101ALI20250801BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/04 310
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2025002268
(22)【出願日】2025-01-07
【審査請求日】2025-01-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519144129
【氏名又は名称】Gigi株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆志
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-173413(JP,A)
【文献】特開2023-137305(JP,A)
【文献】特開2021-174248(JP,A)
【文献】特開2023-137906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子チケットの提供元に関する情報と前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶している記憶部と、
資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付ける資金受付処理部と、
前記資金受付処理部によって前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録する記録部と、
携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行う提供処理部と、を有し、
前記記録部は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する資金情報記録装置。
【請求項2】
前記記録部は、前記電子チケットへの資金を入金した前記資金提供者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する請求項1に記載の資金情報記録装置。
【請求項3】
前記記録部は、前記電子チケットの前記提供元に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項4】
前記記録部は、前記電子チケットが利用された店舗に関する情報を、利用された当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項5】
前記記録部は、前記電子チケットとして利用された金額に対応する前記トークンの数量に関する情報を前記ブロックチェーン上に記録する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項6】
前記資金提供者が前記提供元に資金を提供したことを証明する資金提供証明書に関する証明書情報を取得する取得部をさらに有し、
前記記録部は、当該資金に対応する前記トークンに前記証明書情報を関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項7】
前記ブロックチェーン上に記録されている前記トークンに関する情報と、当該トークンに対応する前記電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報と、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報とを対応付けて閲覧可能に出力する出力部をさらに有する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項8】
前記サービス情報は、前記配布対象者の登録アカウントに関する情報を含み、
前記利用者情報は、前記利用者の登録アカウントに関する情報を含む請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項9】
前記サービス情報は、前記配布対象者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含み、
前記利用者情報は、前記利用者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含む請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項10】
前記抽出部により前記提供元が複数抽出された場合、前記提供処理部は、複数の前記提供元に関する情報を前記携帯端末装置の利用者に提示して、前記提供元の選択を前記利用者に促す処理を行う、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項11】
前記サービス情報には、電子チケットを利用可能な店舗に関する情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、
前記提供処理部は、前記店舗に関する情報を参照して、前記電子チケットを提供する処理を行う、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項12】
前記サービス情報には、電子チケットの利用内容に関する情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、
前記提供処理部は、前記利用内容に関する情報を参照して、前記電子チケットを提供する処理を行う、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項13】
前記サービス情報には、電子チケットの利用内容に関する情報として、電子チケットの利用可能頻度または利用可能金額を示す情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、
前記利用可能頻度または利用可能金額を示す情報は、第1の値および前記第1の値よりも大きい第2の値を有し、
前記利用者情報は、前記利用者についての特定の状況を示す情報をさらに含み、
前記提供処理部は、前記携帯端末装置の利用者が前記特定の状況にない場合、前記第1の値を参照して前記電子チケットを提供する処理を行い、前記携帯端末装置の利用者が前記特定の状況にある場合、前記第2の値を参照して前記電子チケットを提供する処理を行う、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項14】
前記利用者情報には、利用者を識別するための識別情報が家庭単位で付与されている、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項15】
前記電子チケットが利用された場合、前記提供処理部は、メッセージを入力するための入力画面を提示して、メッセージの入力を前記利用者に促す処理を行い、
前記メッセージが入力された場合、前記記録部は、前記メッセージを、前記電子チケットに対応する前記トークンに関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項16】
前記メッセージが未入力の場合、前記提供処理部は、前記利用者による次回の電子チケットの利用を禁止する処理を行う請求項15に記載の資金情報記録装置。
【請求項17】
前記提供元が複数存在する場合、前記資金受付処理部は、複数の前記提供元に関する情報を前記資金提供者に提示して、前記資金の提供先となる前記提供元の選択を前記資金提供者に促す処理を行う、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項18】
前記電子チケットは、飲食店で利用可能な電子チケットを含む、請求項1または2に記載の資金情報記録装置。
【請求項19】
コンピューターによって実行される資金情報記録方法であって、
前記コンピューターが、電子チケットの提供元に関する情報と前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶部に記憶させるステップ(a)と、
前記コンピューターが、資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付けるステップ(b)と、
前記コンピューターが、前記ステップ(b)において前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録するステップ(c)と、
前記コンピューターが、携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出するステップ(d)と、
前記コンピューターが、前記ステップ(d)において抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行うステップ(e)と、を含み、
前記ステップ(c)は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する資金情報記録方法。
【請求項20】
電子チケットの提供元に関する情報と、前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶部に記憶させる手順(a)と、
資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付ける手順(b)と、
前記手順(b)において前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録する手順(c)と、
携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出する手順(d)と、
前記手順(d)において抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行う手順(e)と、を含み、
前記手順(c)は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する処理をコンピューターに実行させる資金情報記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資金情報記録装置、資金情報記録方法、および資金情報記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
寄付とは、自らの意思で金銭や品物などを無償で提供する行為であり、様々な形態での寄付が実施されている。たとえば、こども食堂は、寄付によって運営される貧困家庭や孤食の子供に食事を提供するための取り組みであり、共生社会の実現に向けて大きな役割を果たす。
【0003】
これに関連して、下記の特許文献1には、第三者の資金により、予め登録された飲食店において利用者に無償で食事を提供するための技術が開示されている。特許文献1の技術では、利用者がスマートフォン等の携帯端末に所定の画面を表示させることにより、訪れた飲食店において無償で食事をとることが可能になる。この技術によれば、こども食堂として登録された飲食店において、子供に無償で食事を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-174248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、寄付を行うことによって、子ども食堂の運営等を支援して社会に貢献することができる。しかし、寄付により資金を提供した資金提供者は、自らが寄付として提供した資金が、実際にどう使われたかを把握することができないという問題がある。そのため、たとえば寄付を行いたいと思っていても、自身が寄付した資金が実際に困っている子供達等にきちんと行き届いたかを知ることができないため、寄付に不安を感じたり、躊躇したりしてしまうという状況が発生している。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、資金提供者が提供した資金について、誰に行き渡ったか等の資金の流れを把握可能とするための資金情報記録装置、資金情報記録方法、および資金情報記録プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)電子チケットの提供元に関する情報と前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶している記憶部と、資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付ける資金受付処理部と、前記資金受付処理部によって前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録する記録部と、携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行う提供処理部と、を有し、前記記録部は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する資金情報記録装置。
【0009】
(2)前記記録部は、前記電子チケットへの資金を入金した前記資金提供者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)に記載の資金情報記録装置。
【0010】
(3)前記記録部は、前記電子チケットの前記提供元に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0011】
(4)前記記録部は、前記電子チケットが利用された店舗に関する情報を、利用された当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0012】
(5)前記記録部は、前記電子チケットとして利用された金額に対応する前記トークンの数量に関する情報を前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0013】
(6)前記資金提供者が前記提供元に資金を提供したことを証明する資金提供証明書に関する証明書情報を取得する取得部をさらに有し、前記記録部は、当該資金に対応する前記トークンに前記証明書情報を関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0014】
(7)前記ブロックチェーン上に記録されている前記トークンに関する情報と、当該トークンに対応する前記電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報と、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報とを対応付けて閲覧可能に出力する出力部をさらに有する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0015】
(8)前記サービス情報は、前記配布対象者の登録アカウントに関する情報を含み、前記利用者情報は、前記利用者の登録アカウントに関する情報を含む上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0016】
(9)前記サービス情報は、前記配布対象者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含み、前記利用者情報は、前記利用者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含む上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0017】
(10)前記抽出部により前記提供元が複数抽出された場合、前記提供処理部は、複数の前記提供元に関する情報を前記携帯端末装置の利用者に提示して、前記提供元の選択を前記利用者に促す処理を行う、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0018】
(11)前記サービス情報には、電子チケットを利用可能な店舗に関する情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、前記提供処理部は、前記店舗に関する情報を参照して、前記電子チケットを提供する処理を行う、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0019】
(12)前記サービス情報には、電子チケットの利用内容に関する情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、前記提供処理部は、前記利用内容に関する情報を参照して、前記電子チケットを提供する処理を行う、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0020】
(13)前記サービス情報には、電子チケットの利用内容に関する情報として、電子チケットの利用可能頻度または利用可能金額を示す情報が、前記提供元に関する情報とさらに関連付けられており、前記利用可能頻度または利用可能金額を示す情報は、第1の値および前記第1の値よりも大きい第2の値を有し、前記利用者情報は、前記利用者についての特定の状況を示す情報をさらに含み、前記提供処理部は、前記携帯端末装置の利用者が前記特定の状況にない場合、前記第1の値を参照して前記電子チケットを提供する処理を行い、前記携帯端末装置の利用者が前記特定の状況にある場合、前記第2の値を参照して前記電子チケットを提供する処理を行う、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0021】
(14)前記利用者情報には、利用者を識別するための識別情報が家庭単位で付与されている、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0022】
(15)前記電子チケットが利用された場合、前記提供処理部は、メッセージを入力するための入力画面を提示して、メッセージの入力を前記利用者に促す処理を行い、前記メッセージが入力された場合、前記記録部は、前記メッセージを、前記電子チケットに対応する前記トークンに関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0023】
(16)前記メッセージが未入力の場合、前記提供処理部は、前記利用者による次回の電子チケットの利用を禁止する処理を行う上記(15)に記載の資金情報記録装置。
【0024】
(17)前記提供元が複数存在する場合、前記資金受付処理部は、複数の前記提供元に関する情報を前記資金提供者に提示して、前記資金の提供先となる前記提供元の選択を前記資金提供者に促す処理を行う、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0025】
(18)前記電子チケットは、飲食店で利用可能な電子チケットを含む、上記(1)または(2)に記載の資金情報記録装置。
【0026】
(19)電子チケットの提供元に関する情報と前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶部に記憶させるステップ(a)と、資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付けるステップ(b)と、前記ステップ(b)において前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録するステップ(c)と、携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出するステップ(d)と、前記ステップ(d)において抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行うステップ(e)と、を含み、前記ステップ(c)は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する資金情報記録方法。
【0027】
(20)電子チケットの提供元に関する情報と、前記電子チケットの配布対象者に関する情報とを関連付けたサービス情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを記憶部に記憶させる手順(a)と、資金提供者から前記提供元の前記電子チケットへの資金の入金を受け付ける手順(b)と、前記手順(b)において前記電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン上に記録する手順(c)と、携帯端末装置の利用者による電子チケット提供要求が認識された場合、前記利用者情報を参照して前記携帯端末装置の利用者に関する情報を取得し、前記サービス情報の前記配布対象者に関する情報を参照して、前記携帯端末装置の利用者が前記配布対象者に該当する前記提供元を抽出する手順(d)と、前記手順(d)において抽出された前記提供元の電子チケットを前記携帯端末装置の利用者に提供する処理を行う手順(e)と、を含み、前記手順(c)は、当該電子チケットが提供された前記携帯端末装置の利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応する前記トークンと関連付けて前記ブロックチェーン上に記録する処理をコンピューターに実行させる資金情報記録プログラム。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態に係る資金情報記録装置によれば、提供元の電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンがブロックチェーン上に記録される。そして、利用者から電子チケットの提供が要求された場合、まず、利用者に対して電子チケットを提供可能なサービス(支援団体)が抽出され、利用可能なサービスの一覧が利用者に提示される。そして、利用者により一のサービスが選択されれば、利用者が利用可能な店舗が抽出され、利用可能な店舗の一覧が利用者に提示される。利用者により一の店舗が選択されれば、当該店舗で利用可能な電子チケットが提供される。そして、電子チケットが提供された利用者に関する情報が、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録される。これにより、電子チケットに対応するトークンに関連付けて、当該電子チケットが提供された利用者に関する情報が記録されるため、たとえば、資金提供者は、自身が提供した資金が誰に提供されたかを把握することができ、資金の流れを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】資金情報記録システムの概略構成を示す図である。
図2】携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】サーバー装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】サーバー装置の記憶部の記憶内容を示す図である。
図6】サービス情報の一例を示す図である。
図7】店舗情報の一例を示す図である。
図8】利用者情報の一例を示す図である。
図9】電子チケット提供処理の手順を示すシーケンスチャートである。
図10図9に後続する図である。
図11】店舗検索画面の一例を示す図である。
図12】サービス一覧画面の一例を示す図である。
図13】店舗一覧画面の一例を示す図である。
図14】メニュー一覧画面の一例を示す図である。
図15】注文確認画面の一例を示す図である。
図16】支払い確定画面の一例を示す図である。
図17】メッセージ入力画面の一例を示す図である。
図18】寄付先一覧画面の一例を示す図である。
図19】寄付金の入金画面にアクセスするための画像の一例を示す図である。
図20】寄付金の受付処理の手順を示すフローチャートである。
図21】記録処理の手順を示すフローチャートである。
図22】出力処理の手順を示すフローチャートである。
図23図22の出力処理において出力される寄付金のフローを確認するための画面の一例を示す図である。
図24図22の出力処理において出力される寄付金のフローを確認するための画面の一例を示す図である。
図25図22の出力処理において出力される証明書の一例を示す図である。
図26】証明書の検証結果を示す画面の一例を示す図である。
図27】電子チケット提供処理および資金情報記録処理が実行される様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下で説明される実施形態は、例示的なものに過ぎず、そのような実施形態から多様な変形が可能である。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る資金情報記録装置が適用される資金情報記録システムの概略構成を示す図である。以下では、資金情報記録装置が、食事用の電子チケットに関する情報を記録する場合を例に挙げて説明するが、電子チケットは食事用に限定されず、様々な用途に使用され得る。また、以下では、資金提供者が寄付として資金を提供する場合を例に挙げて説明するが、資金情報記録装置が対象とする資金の提供者や提供形態はこれに限定されず、税金や政治献金等、様々な提供者および提供形態によって提供される資金に適用され得る。
【0032】
電子チケットは、飲食店1a,1bにおいて利用者2a,2bが店員等に提示することにより、食事の提供を無償で受けられるチケットである。電子チケットは、都道府県・市町村等の自治体、NPO法人、およびボランティア団体等の複数の支援団体3a,3bにより独立的に提供される。支援団体3a,3bには、寄付者(資金提供者)4a,4bにより、電子チケットの原資となる寄付金が入金される。支援団体3a,3bは、電子チケットの利用結果に応じて、利用者2a,2bに代わり、利用者2a,2bの食事料金を飲食店1a,1bに対して支払う。
【0033】
図1に示すとおり、資金情報記録システムは、複数の携帯端末装置10a~10c、複数の端末装置20a,20b、およびサーバー装置30を備える。携帯端末装置10a~10c、端末装置20a,20b、およびサーバー装置30は、インターネット等のネットワーク40により相互に通信可能に構成されている。
【0034】
携帯端末装置10a~10cは、たとえば、スマートフォンであり、利用者2a,2bや寄付者4aにより使用される。端末装置20a,20bは、たとえば、PC(Perspnal Computer)であり、資金情報記録システムのシステム管理者5や寄付者4bにより使用される。
【0035】
なお、ネットワーク40に接続される機器の種類や台数は、図1に示す例に限定されない。ネットワーク40には、多数の携帯端末装置や端末装置が接続される。
【0036】
<携帯端末装置>
次に、図2を参照して、携帯端末装置10a~10cの構成について説明する。なお、携帯端末装置10a~10cは、相互に同様の構成であるため、以下、携帯端末装置10aを代表として用いて説明する。
【0037】
図2は、携帯端末装置10aの概略構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、携帯端末装置10aは、制御部11、記憶部12、通信部13、および操作表示部14を備え、これらはバスにより相互に接続されている。
【0038】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、および、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリにより構成され、プログラムにしたがって上記各部の制御および各種の演算処理を行う。
【0039】
記憶部12は、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disc Drive)により構成され、各種プログラムや各種データを記憶する。
【0040】
通信部13は、他の機器と通信するためのインターフェースであり、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。
【0041】
操作表示部14は、たとえば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報の表示および各種情報の入力を行う。
【0042】
<端末装置>
次に、図3を参照して、端末装置20a,20bの構成について説明する。なお、端末装置20a,20bは、相互に同様の構成であるため、以下、端末装置20aを代表として用いて説明する。
【0043】
図3は、端末装置20aの概略構成を示すブロック図である。図3に示すとおり、端末装置20aは、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、および入力部25を備え、これらはバスにより相互に接続されている。なお、端末装置20aの上記各部のうち、携帯端末装置10aの上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるため、その説明を省略する。
【0044】
表示部24は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。
【0045】
入力部25は、キーボード、テンキー、マウス等を備えており、各種情報の入力を受け付ける。
【0046】
<サーバー装置>
次に、図4を参照して、サーバー装置30の構成について説明する。サーバー装置30は、本発明の資金情報記録装置に対応する。
【0047】
図4は、サーバー装置30の概略構成を示すブロック図である。図4に示すとおり、サーバー装置30は、制御部31、記憶部32、および通信部33を備え、これらはバスにより相互に接続されている。なお、サーバー装置30の上記各部は、携帯端末装置10aの上記各部と同様の機能を有するため、重複する説明を省略する。
【0048】
記憶部32には、受け付けた資金の流れを記録して閲覧可能とするためのブロックチェーン300が記憶されている。ブロックチェーン300については、XRP Ledger等の公知のブロックチェーンのプラットフォームによって構成されうるため、詳細な説明を省略する。なお、ブロックチェーン300は、サーバー装置30の記憶部32に記憶されずに、ブロックチェーン300のノードとして機能する他の装置に記憶されていてもよい。この場合、サーバー装置30は、他の装置にアクセスすることによって、各種情報をブロックチェーン300上に記録したり、ブロックチェーン300上に記録されている各種情報を閲覧可能に出力したりすることができる。また、携帯端末装置10a、端末装置20a等の装置が、ブロックチェーン300にアクセスするためにアカウントを取得して、ブロックチェーン300を記憶したり、ブロックチェーン300を記憶している他の装置にアクセスしたりしてもよい。
【0049】
図5は、サーバー装置30の記憶部32の記憶内容を示す図である。図5に示すとおり、サーバー装置30の記憶部32には、サービス情報110、店舗情報120、および利用者情報130が記憶されている。サービス情報110は、電子チケットの提供元である支援団体毎の電子チケットの利用規則に関する情報である。たとえば、サービス情報は、配布対象者の登録アカウントに関する情報を含んでもよい。また、サービス情報は、配布対象者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含んでもよい。店舗情報120は、登録店舗に関する情報であり、利用者情報130は、登録利用者に関する情報である。たとえば、利用者情報は、利用者の登録アカウントに関する情報を含んでもよい。また、利用者情報は、利用者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含んでもよい。サービス情報110、店舗情報120、および利用者情報130の詳細については後述する。
【0050】
また、サーバー装置30の記憶部32には、資金受付処理部210、記録部220、抽出部230、提供処理部240、取得部250、および出力部260に対応するプログラムが記憶されている。
【0051】
資金受付処理部210は、資金提供者から各支援団体(提供元)が提供する電子チケットへの資金の入金を受け付ける。
【0052】
記録部220は、資金受付処理部210によって電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン300上に記録する。
【0053】
抽出部230は、利用者2a,2bによる電子チケット提供要求が認識された場合、サービス情報110を参照して、利用者が電子チケットの配布対象者に該当する電子チケットの提供元である支援団体(サービス)3a,3bを抽出する。
【0054】
提供処理部240は、抽出部230によって抽出された提供元(サービス)の電子チケットを利用者に提供する処理を行う。記録部220は、電子チケットが提供された利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録する。
【0055】
取得部250は、資金提供者が提供元(サービス)に資金を提供したことを証明する資金提供証明書に関する証明書情報を取得する。この場合、記録部220は、提供された当該資金に対応するトークンに証明書情報を関連付けてブロックチェーン300上に記録する。
【0056】
出力部260は、ブロックチェーン300上に記録されているトークンに関する情報と、当該トークンに対応する電子チケットが提供された利用者に関する情報と、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報とを対応付けて閲覧可能に出力する。
【0057】
また、記録部220は、電子チケットへの資金を入金した資金提供者に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録してもよい。
【0058】
また、記録部220は、電子チケットの提供元に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0059】
また、記録部220は、電子チケットが利用された店舗に関する情報を、利用された当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0060】
また、記録部220は、電子チケットとして利用された金額に対応するトークンの数量に関する情報をブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0061】
また、記録部220は、電子チケットを利用した利用者によってメッセージが入力された場合、当該メッセージを、電子チケットに対応するトークンに関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0062】
上記各部の機能は、それぞれに対応するプログラムを制御部31が実行することにより発揮される。
【0063】
なお、携帯端末装置10a~10c、端末装置20a,20b、およびサーバー装置30は、上述した構成要素以外の構成要素を備えていてもよく、上述した構成要素のうちの一部の構成要素を備えていなくてもよい。たとえば、携帯端末装置10a~10cは、カメラを備えていてもよい。
【0064】
次に、図6図8を参照して、サービス情報110、店舗情報120、および利用者情報130について順番に説明する。
【0065】
図6は、サービス情報110の一例を示す図である。サービス情報110は、電子チケットの利用規則に関する情報であり、たとえば、システム管理者5により、端末装置20aを通じて、サーバー装置30の記憶部32に登録される。
【0066】
図6に示すとおり、サービス情報110は、サービスID情報111、サービス名情報112、対象者年齢情報113、対象者住所情報114、利用頻度情報115a,115b、利用可能金額情報116、利用可能店舗情報117、チケット枚数情報118、および発行済みチケット枚数情報119を含む。
【0067】
サービスID情報111は、電子チケットの提供元である支援団体3a,3bを識別するための情報であり、サービス名情報112は、支援団体3a,3bが提供するチケット提供サービスの名称を示す情報である。対象者年齢情報113は、電子チケットの配布対象者の年齢を示す情報であり、対象者住所情報114は、電子チケットの配布対象者の住所(都道府県・市町村)を示す情報である。
【0068】
利用頻度情報115a,115bは、利用者が1週間に利用できる電子チケットの利用回数を示す情報であり、第1利用頻度情報115aと第2利用頻度情報115bを含む。第1利用頻度情報115aは、生活保護を受給していない利用者の利用可能回数を示す情報であり、第2利用頻度情報115bは、生活保護を受給している利用者の利用可能回数を示す情報である。利用可能金額情報116は、利用者が1回の食事で利用可能な金額(上限金額)を示す情報であり、利用可能店舗情報117は、電子チケットを利用可能な飲食店を示す情報である。
【0069】
チケット枚数情報118は、支援団体3a,3bが提供可能な電子チケットの枚数を示す情報であり、発行済みチケット枚数情報119は、発行済みの電子チケットの枚数を示す情報である。チケット枚数情報118は、寄付金が入金された場合に更新され、発行済みチケット枚数情報119は、電子チケットが発行された場合に更新される。
【0070】
図7は、店舗情報120の一例を示す図である。店舗情報120は、登録店舗に関する情報であり、たとえば、システム管理者5により、端末装置20aを通じて、サーバー装置30の記憶部32に登録される。
【0071】
図7に示すとおり、店舗情報120は、店舗ID情報121、店名情報122、所在地情報123、提供可能時間帯情報124、メニューID情報125、メニュー名情報126、メニュー料金情報127、提供可能食数情報128、および提供済み食数情報129を含む。
【0072】
店舗ID情報121は、飲食店を識別するための情報であり、店名情報122は、飲食店の名称を示す情報である。所在地情報123は、飲食店の所在地(都道府県・市町村)を示す情報である。提供可能時間帯情報124は、飲食店が電子チケットのメニューを提供可能な時間帯(利用者が電子チケットを利用可能な時間帯)を示す情報である。
【0073】
メニューID情報125は、電子チケットを利用可能なメニューを識別するための情報であり、メニュー名情報126は、メニューの名称を示す情報である。メニュー料金情報127は、メニューの料金を示す情報である。
【0074】
提供可能食数情報128は、飲食店が電子チケットにより1日に提供可能な食数を示し、提供済み食数情報129は、飲食店が1日に提供済みの食数を示す。
【0075】
図8は、利用者情報130の一例を示す図である。利用者情報130は、登録利用者に関する情報であり、たとえば、利用者2a,2b自身により、携帯端末装置10a,10bを通じて、サーバー装置30の記憶部32に登録される。
【0076】
図8に示すとおり、利用者情報130は、利用者ID情報131、氏名情報132、生年月日情報133、住所情報134、および生活保護情報135を含む。
【0077】
利用者ID情報131は、利用者を識別するための情報であり、氏名情報132は、利用者の氏名を示す情報である。生年月日情報133は、利用者の生年月日を示す情報であり、住所情報134は、利用者の住所(都道府県・市町村)を示す情報である。生活保護情報135は、利用者が生活保護を受給しているか否かを示す情報(未受給:0、受給:1)である。なお、利用者ID情報131は、家庭単位で付与される。また、利用者ID情報131や利用者の氏名情報132には、1週間に利用者が利用した電子チケットを示す情報(不図示)が関連付けて記憶される。
【0078】
なお、サーバー装置30の記憶部32に記憶される情報は、上記の情報に限定されない。サーバー装置30の記憶部32には、たとえば、飲食店の営業時間や口座番号を示す情報、電子チケットを提供する支援団体の所在地や口座番号を示す情報、利用者の連絡先を示す情報等が含まれ得る。また、ID情報等の値も、上記の例に限定されず、任意の文字や数字、記号が使用され得る。
【0079】
以下、図9図17を参照して、資金情報記録システムの動作について説明する。なお、以下では、携帯端末装置10aの利用者2aが、電子チケットを利用する場合を例に挙げて説明する。
【0080】
図9および図10は、資金情報記録システムにおいて実行される電子チケット提供処理の手順を示すシーケンスチャートである。シーケンスチャートの処理は、携帯端末装置10aまたはサーバー装置30の記憶部12,32に記憶されたプログラムにしたがい、各装置10a,30の制御部11,31により実行される。なお、シーケンスチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理ステップの分類の仕方によって、本発明が制限されることはない。
【0081】
まず、携帯端末装置10aは、店舗検索指示を受け付ける(ステップS1)。より具体的には、携帯端末装置10aは、たとえば、図11に示すような店舗検索画面310を操作表示部14に表示して、電子チケットを利用可能な店舗を検索する旨の指示を利用者2aから受け付ける。なお、店舗検索画面310は、登録済みの利用者2aがシステムにログインした場合にサーバー装置30から携帯端末装置10aに提供される。
【0082】
店舗検索指示を受け付けた携帯端末装置10aは、店舗検索の実行を指示する検索指示情報をサーバー装置30に送信する(ステップS2)。
【0083】
検索指示情報を受信したサーバー装置30は、携帯端末装置10aの利用者2aが利用可能なサービスを抽出する(ステップS3)。より具体的には、サーバー装置30は、まず、利用者情報130を参照して、携帯端末装置10aの利用者2aの年齢と住所を認識する。そして、サーバー装置30は、サービス情報110の対象者年齢情報113および対象者住所情報114を参照して、複数のサービスの中から、利用者2aが、電子チケットの配布対象者に該当するサービスを抽出する。このとき、サーバー装置30は、サービス情報110を参照して、発行可能な電子チケットの枚数が「0」であるサービスや、利用者2aの電子チケットの利用回数が利用頻度情報115a,115bの値を超えているサービスを、利用可能なサービスから除外する。
【0084】
そして、サーバー装置30は、抽出したサービスを一覧表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS4,S5)。
【0085】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図12に示すようなサービス一覧画面320を操作表示部14に表示して、利用するサービス(支援団体)の選択を利用者2aに促す(ステップS6)。なお、図12では、利用者2aが電子チケットの配布対象者に該当するサービスとして、2つのサービスが抽出された場合の例が示されている。
【0086】
そして、携帯端末装置10aは、サービス一覧画面320を通じて、利用者2aによるサービスの選択を受け付ける(ステップS7)。より具体的には、携帯端末装置10aは、たとえば、サービス一覧画面320に提示される2つのサービスの中から、利用者2aによる一のサービスの選択を受け付ける。
【0087】
サービスの選択を受け付けた携帯端末装置10aは、選択されたサービスに関する情報(たとえば、サービスID情報)をサーバー装置30に送信する(ステップS8)。
【0088】
選択されたサービスに関する情報を受信したサーバー装置30は、利用可能な店舗を抽出する(ステップS9)。より具体的には、サーバー装置30は、サービス情報110の利用可能店舗情報117を参照して、選択されたサービスにおいて利用可能な飲食店を抽出する。このとき、サーバー装置30は、店舗情報120を参照して、電子チケットを利用可能な時間帯でない飲食店や、提供可能な食数が「0」である飲食店を、利用可能な飲食店から除外する。
【0089】
そして、サーバー装置30は、抽出した店舗を一覧表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS10,S11)。
【0090】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図13に示すような店舗一覧画面330を操作表示部14に表示して、利用する店舗の選択を利用者2aに促す(ステップS12)。なお、図13では、利用者2aが利用可能な店舗として、3つの店舗が抽出された場合の例が示されている。
【0091】
そして、携帯端末装置10aは、店舗一覧画面330を通じて、利用者2aによる店舗の選択を受け付ける(ステップS13)。より具体的には、携帯端末装置10aは、たとえば、店舗一覧画面330に提示される3つの店舗の中から、利用者2aによる一の店舗の選択を受け付ける。
【0092】
店舗の選択を受け付けた携帯端末装置10aは、選択された店舗に関する情報(たとえば、店舗ID情報)をサーバー装置30に送信する(ステップS14)。その後、利用者2aは、選択した店舗を訪問する。
【0093】
選択された店舗に関する情報を受信したサーバー装置30は、利用可能なメニューを抽出する(ステップS15)。より具体的には、サーバー装置30は、店舗情報120を参照して、利用者2aにより選択された飲食店で利用可能なメニューを抽出する。
【0094】
そして、サーバー装置30は、抽出したメニューを一覧表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS16,S17)。
【0095】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図14に示すようなメニュー一覧画面340を操作表示部14に表示して、利用するメニューの選択を利用者2aに促す(ステップS18)。なお、図14では、利用者2aが利用可能なメニューとして、1つの料理メニュー(こども定食)と、「金額を指定して利用する」とが抽出された場合の例が示されている。「金額を指定して利用する」については後述する。
【0096】
そして、携帯端末装置10aは、メニュー一覧画面340を通じて、利用者2aによるメニューの選択を受け付ける(ステップS19)。より具体的には、携帯端末装置10aは、たとえば、メニュー一覧画面340に提示される2つのメニューの中から、利用者2aによる一のメニューの選択を受け付ける。なお、利用者ID情報に対応する利用者が2名以上存在する場合(たとえば、1つの利用者ID情報に対して兄弟が登録されている場合)、利用者2aは、不図示の利用者選択画面を通じて自身の氏名を選択したうえで、メニューの選択を行う。
【0097】
メニューの選択を受け付けた携帯端末装置10aは、選択されたメニューに関する情報(たとえば、メニューID情報)をサーバー装置30に送信する(ステップS20)。
【0098】
選択されたメニューに関する情報を受信したサーバー装置30は、注文確認画面を表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS21,S22)。
【0099】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図15に示すような注文確認画面350を操作表示部14に表示する(ステップS23)。利用者2aは、店舗において、電子チケットとして、注文確認画面350を店員に提示しながら、注文確認ボタン351を押下(タップ)する。
【0100】
注文確認ボタン351が押下されれば、携帯端末装置10aは、利用者2aによる注文の確認を受け付ける(ステップS24)。注文の確認を受け付けた携帯端末装置10aは、注文が確認された旨を示す情報をサーバー装置30に送信する(ステップS25)。
【0101】
注文が確認された旨を示す情報を受信したサーバー装置30は、支払い確定画面を表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS26,S27)。このとき、サーバー装置30は、サービス情報110の発行済みチケット枚数情報119や、店舗情報120の提供済み食数情報129、1週間に利用者2aが利用した電子チケットを示す情報等を更新する。
【0102】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図16に示すような支払い確定画面360を操作表示部14に表示する(ステップS28)。利用者2aは、店舗において、支払い確定画面360を店員に提示しながら、支払い確定ボタン361を押下する。
【0103】
支払い確定ボタン361が押下されれば、携帯端末装置10aは、利用者2aによる支払いの確定を受け付ける(ステップS29)。支払いの確定を受け付けた携帯端末装置10aは、支払いが確定された旨を示す情報をサーバー装置30に送信する(ステップS30)。
【0104】
支払いが確定された旨を示す情報を受信したサーバー装置30は、支払い情報を保存する(ステップS31)。より具体的には、サーバー装置30は、利用者2aが食事の提供を受けた飲食店の情報や提供を受けた日時の情報、提供を受けたメニューの名称や料金の情報を支払い情報として記憶部32に記憶させる。後日、支払い情報に基づいて、電子チケットの提供元である支援団体から、飲食店に対して料金が支払われる。
【0105】
そして、サーバー装置30は、メッセージ入力画面を表示するための表示用情報を生成し、携帯端末装置10aに送信する(ステップS32,S33)。
【0106】
表示用情報を受信した携帯端末装置10aは、図17に示すようなメッセージ入力画面370を操作表示部14に表示して、感謝メッセージの入力を利用者2aに促す(ステップS34)。
【0107】
そして、携帯端末装置10aは、メッセージ入力画面370を通じて、利用者2aによるメッセージの入力を受け付ける(ステップS35)。メッセージの入力を受け付けた携帯端末装置10aは、メッセージに関する情報をサーバー装置30に送信する(ステップS36)。
【0108】
メッセージに関する情報を受信したサーバー装置30は、メッセージを公開する(ステップS37)。より具体的には、電子チケットの提供元である支援団体への寄付を行った寄付者4a,4bが、利用者からの感謝メッセージを携帯端末装置10cや端末装置20b上で閲覧できるように、メッセージを公開する。
【0109】
なお、感謝メッセージが入力されない場合、感謝メッセージが入力されるまで、サーバー装置30は、利用者2aに対して次回の電子チケットの利用を禁止する。このような構成によれば、利用者により感謝メッセージが確実に入力される。
【0110】
なお、上述した電子チケット提供処理において、金額を指定して電子チケットを利用する場合、サーバー装置30は、サービス情報110の利用可能金額情報116を参照して、利用可能金額を上限とする金額入力画面(不図示)を利用者2aに提示する処理を行う。利用者2aが利用金額を入力すれば、サーバー装置30は、当該金額の電子チケットを発行する。
【0111】
以下、図18および図19を参照して、寄付者4a,4bからの寄付金の入力を受け付ける処理について説明する。
【0112】
サーバー装置30は、各支援団体3a,3bに対して、支援団体の口座に寄付金を入金するための入力画面(不図示)および当該画面にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を提供する。寄付者4a,4bは、携帯端末装置10cや端末装置20bから入力画面にアクセスすることにより、支援団体3a,3bに寄付金を容易に入金できる。
【0113】
このとき、寄付者は、たとえば、図18に示すような寄付先一覧画面400を通じて、複数の支援団体(サービス)の中から、寄付金の寄付先となる一の支援団体を選択できる。このような構成によれば、寄付者は、所望の支援団体に寄付金を寄付できる。
【0114】
なお、上記入力画面への誘導は、たとえば、図19に示すようなポスター500を飲食店内等に掲示して行ってもよい。この場合、寄付者4a,4bが、携帯端末装置のカメラにより、QRコード(登録商標)等の二次元コード画像510を読み取れば、寄付金を入金するための入力画面(URL)に直ちにアクセスできる。
【0115】
以下、図20~26を参照して、資金情報記録システムにおいて実行される資金情報記録処理について説明する。
【0116】
図20は、寄付金の受付処理の手順を示すフローチャートである。図21は、記録処理の手順を示すフローチャートである。図22は、出力処理の手順を示すフローチャートである。図23および図24は、図22の出力処理において出力される寄付金のフローを確認するための画面の一例を示す図である。図25は、図22の出力処理において出力される証明書の一例を示す図である。図26は、証明書の検証結果を示す画面の一例を示す図である。
【0117】
まず、寄付金の受付処理について説明する。
【0118】
図20に示すように、サーバー装置30は、寄付者から寄付を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。寄付は、たとえば、各支援団体(提供元)が提供する電子チケットへの資金の入金として受け付けられる。
【0119】
寄付が受け付けられていない場合(ステップS101:NO)、サーバー装置30は、寄付が受け付けられるまで待機する。
【0120】
寄付が受け付けられた場合(ステップS101:YES)、サーバー装置30は、電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンを発行してブロックチェーン300上に記録する(ステップS102)。たとえば、サーバー装置は、1万円分の資金を受け付けた場合、1万円に対応するトークン(たとえば1万トークン)をブロックチェーン300上に記録する。また、サーバー装置30は、電子チケットへの資金を入金した寄付者(資金提供者)に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。また、サーバー装置30は、電子チケットの提供元に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。サーバー装置30は、寄付金の受付処理を終了する。
【0121】
次に、電子チケットの利用に関する情報の記録処理について説明する。
【0122】
図21に示すように、サーバー装置30は、電子チケットの利用が発生したか否かを判断する(ステップS201)。たとえば、電子チケットが利用者によって対象の店舗等において利用された場合、サーバー装置30は、電子チケットの利用が発生したと判断する。なお、サーバー装置30は、電子チケットが実際に利用されていなくても、たとえば、電子チケットが利用者に配布された時点で、電子チケットの利用が発生したと判断してもよい。
【0123】
電子チケットの利用が発生していない場合(ステップS201:NO)、サーバー装置30は、電子チケットの利用が発生するまで待機する。
【0124】
電子チケットの利用が発生した場合(ステップS201:YES)、サーバー装置30は、電子チケット利用に関する情報を対応するトークンに関連付けてブロックチェーン300上に記録する(ステップS202)。たとえば、サーバー装置30は、トークンに対応する電子チケットが提供された利用者に関する情報を、当該トークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録する。利用者に関する情報は、たとえば、サーバー装置30において利用者を識別するための利用者ID情報であってもよく、利用者がブロックチェーン300にアクセスするためのアカウント(ウォレットのアカウント等)であってもよい。また、サーバー装置30は、トークンに対応する電子チケットが利用された店舗に関する情報を、利用された当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。また、サーバー装置30は、電子チケットとして利用された金額に対応するトークンの数量に関する情報をブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0125】
次に、各種方法の出力処理について説明する。
【0126】
図22に示すように、サーバー装置30は、各種情報の出力要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS301)。たとえば、寄付者は、自身が寄付した資金に関する各種情報を確認するために、端末装置20a等を操作して、出力要求をサーバー装置30に送信する。出力要求には、出力する情報を特定するために、寄付者を識別するための情報や、寄付者が提供した資金に対応する各トークンを識別するための情報等が含まれる。サーバー装置30は、端末装置20aから送信された出力要求を受け付ける。
【0127】
出力要求が受け付けられていない場合(ステップS301:NO)、サーバー装置30は、出力要求が受け付けられるまで待機する。
【0128】
出力要求が受け付けられた場合(ステップS301:YES)、サーバー装置30は、ブロックチェーン300上に記録されている各種情報を閲覧可能に出力する(ステップS302)。たとえば、サーバー装置30は、寄付者が提供者した資金に対応するトークンに関する情報と、当該トークンに対応する電子チケットが提供された利用者に関する情報と、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報とを対応付けて閲覧可能に出力する。たとえば、サーバー装置30は、図23および図24に示すような画面を出力することによって、ブロックチェーン300上に記録されている各種情報を閲覧可能に出力する。
【0129】
たとえば、図23の画面において、上部の検索用の入力スペースにおいて、寄付者のアカウントのアドレスやトークンに関する個別のトランザクションIDの入力が受け付けられる。これにより、対応するトークンに関する情報が「Token Transaction」と記載された欄に一覧表示される。一覧表示されたトークンに関する情報の中から、対象の情報が選択されると、図24のような画面が表示される。図24の画面においては、対象のトークン(電子チケット)が、どの電子チケットの提供元(支援団体)を経由して、どの利用者に配布されて、どの店舗で利用されたかが、トークンの数量とともに表示されている。
【0130】
また、サーバー装置30は、寄付者が支援団体に寄付を行ったことを証明する寄付証明書(資金提供証明書)に関する証明書情報を取得して、当該寄付に対応するトークンに証明書情報を関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。たとえば、サーバー装置30は、図25に示すような寄付証明書を出力するための証明書情報をブロックチェーン300上にデジタル証明書として記録する。サーバー装置30は、各支援団体から証明書情報を受領して記録してもよく、あるいは、各支援団体から許可を得て証明書情報を生成してもよい。サーバー装置30は、寄付者から寄付に関する証明書情報の出力要求を受け付けた場合には、図25のような画面を出力して、寄付者が証明書を取得して使用できるようにする。また、サーバー装置30は、上記のような証明書の有効性を検証して、図26に示すように、検証結果を出力する画面を表示してもよい。
【0131】
また、サーバー装置30は、図10のステップS34~S37において携帯端末装置10aから受信して公開するメッセージ(図17)を示す情報を、使用された電子チケットに対応するトークンに関連付けてブロックチェーン300上に記録してもよい。
【0132】
図27は、電子チケット提供処理および資金情報記録処理が実行される様子を示す概念図である。
【0133】
図27に示すように、資金提供者A1が、電子チケットの提供元B1に10000円の資金を提供すると、ブロックチェーン300上に、電子チケットとして受け付けられた10000円の資金に対応するトークン(たとえば10000トークン)が記録される。
【0134】
また、電子チケットの配布対象である利用者C1が、店舗D1において700円分の電子チケットを利用すると、10000トークンのうちの700トークンが、利用者C1によって店舗D1において使用されたことがブロックチェーン300上に記録される。さらに、利用者C1が感謝のメッセージを送信すると、使用されたトークンに関連付けて当該メッセージがブロックチェーン300上に記録される。これにより、資金提供者は、自身が提供した資金について、誰がどのように使用したかを把握することができる。さらに、実際に資金を使用した利用者からの感謝のメッセージも確認することができる。
【0135】
以上のとおり、本実施形態の資金情報記録システムによれば、提供元の電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンがブロックチェーン上に記録される。そして、利用者から電子チケットの提供が要求された場合、まず、利用者に対して電子チケットを提供可能なサービス(支援団体)が抽出され、利用可能なサービスの一覧が利用者に提示される。そして、利用者により一のサービスが選択されれば、利用者が利用可能な店舗が抽出され、利用可能な店舗の一覧が利用者に提示される。利用者により一の店舗が選択されれば、当該店舗で利用可能な電子チケットが提供される。そして、電子チケットが提供された利用者に関する情報が、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録される。これにより、電子チケットに対応するトークンに関連付けて、当該電子チケットが提供された利用者に関する情報が記録されるため、たとえば、資金提供者は、自身が提供した資金が誰に提供されたかを把握することができ、資金の流れを把握することができる。従来、寄付金や支援金、税金等の資金は、いわゆる「お金に色はない」という特性から、提供した資金が何に使われたかを明確に把握することができないという事情があり、これが寄付等を行う際の大きな課題となっていた。本発明の資金情報記録装置によれば、対象者に配布する電子チケットとして使用されるために提供された資金がブロックチェーン上においてトークンとして記録され、電子チケットが配布されたり利用されたりする度に、その内容がブロックチェーン上に記録される。したがって、提供した資金の流れを透明化したいという資金提供者等のニーズを満たすことができる。
【0136】
また、資金情報記録システムは、電子チケットへの資金を入金した資金提供者に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、電子チケットへの資金を提供した資金提供者に関する情報が電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上において記録されるため、誰が提供した資金に対応する電子チケットであるかを明確に記録することができる。
【0137】
また、資金情報記録システムは、電子チケットの提供元に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、電子チケットの提供元に関する情報が、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上において記録されるため、どの提供元の電子チケットであるかを明確に記録することができる。
【0138】
また、資金情報記録システムは、電子チケットが利用された店舗に関する情報を、利用された当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、電子チケットに対応するトークンに関連付けて、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報が記録される。したがって、資金提供者は、自身が提供した資金がどこで利用されたかを把握することができ、資金の流れをより詳細に把握することができる。
【0139】
また、資金情報記録システムは、電子チケットとして利用された金額に対応するトークンの数量に関する情報をブロックチェーン上に記録する。これにより、電子チケットとして利用された金額に対応するトークンの数量が記録されるため、資金提供者は、自身が提供した資金のうちのどれぐらいの数量が利用されたかを把握することができ、資金の流れをより詳細に把握することができる。
【0140】
また、資金情報記録システムは、資金提供者が提供元に資金を提供したことを証明する資金提供証明書に関する証明書情報を取得し、当該資金に対応するトークンに証明書情報を関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、たとえば、資金提供者が寄付として資金提供を行った場合、資金提供者が寄付を行った事実がブロックチェーン上に明確に記録されるため、資金提供者は、偽造や改変等が困難な信頼性の高い資金提供証明書を入手することができる。寄付を行った資金提供者は、入手した資金提供証明書を用いて、様々な用途や場面において、寄付を行ったことを第三者に対して証明することができる。
【0141】
また、資金情報記録システムは、ブロックチェーン上に記録されているトークンに関する情報と、当該トークンに対応する電子チケットが提供された利用者に関する情報と、当該電子チケットが利用された店舗に関する情報とを対応付けて閲覧可能に出力する。これにより、たとえば資金提供者等は、自身が提供した資金に対応する各電子チケットが、誰にどこで使用されたかを容易に把握することができる。
【0142】
また、サービス情報は、配布対象者の登録アカウントに関する情報を含み、利用者情報は、利用者の登録アカウントに関する情報を含む。これにより、提供元の電子チケットの配布対象者となる利用者のアカウントを事前に登録しておけば、アカウントが事前に登録されている利用者に対して当該提供元の電子チケットを提供することができる。
【0143】
また、サービス情報は、配布対象者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含み、利用者情報は、利用者の年齢および住所のうちの少なくともいずれかに関する情報を含む。これにより、提供元の電子チケットの配布対象者となる利用者の年齢または住所に関する条件を事前に登録しておけば、年齢または住所に関する条件を満たす利用者に対して当該提供元の電子チケットを提供することができる。
【0144】
また、資金情報記録システムは、提供元が複数抽出された場合、複数の提供元に関する情報を携帯端末装置の利用者に提示して、提供元の選択を利用者に促す処理を行う。これにより、利用者は複数の提供元の電子チケットの中から利用する電子チケットを選択することができる。
【0145】
また、資金情報記録システムは、サービス情報に関連付けられた電子チケットを利用可能な店舗に関する情報を参照して、電子チケットを提供する処理を行う。これにより、たとえば、各電子チケットの提供元等は、電子チケットを利用可能な店舗を指定することができる。
【0146】
また、資金情報記録システムは、サービス情報に関連付けられた電子チケットの利用内容に関する情報を参照して、電子チケットを提供する処理を行う。これにより、たとえば、各電子チケットの提供元や店舗等は、電子チケットの利用内容を指定することができる。
【0147】
また、資金情報記録システムは、電子チケットが利用された場合、メッセージの入力を利用者に促す処理を行い、入力されたメッセージを、電子チケットに対応するトークンに関連付けてブロックチェーン上に記録する。これにより、たとえば資金提供者は、自身が提供した資金に基づいて提供された電子チケットの利用者からのメッセージを確認することができる。
【0148】
また、資金情報記録システムは、上記のメッセージが未入力の場合、当該利用者による次回の電子チケットの利用を禁止する処理を行う。これにより、電子チケットを利用した利用者がメッセージを入力することを促進することができる。したがって、電子チケットの利用者から資金提供者に対して直接感謝の気持ち等を伝えることを促進することができ、資金提供者に対して、誰かの役に立ったという実感や意義、さらなる資金提供への意欲等の前向きな気持ちを与えることができる。
【0149】
また、資金情報記録システムは、提供元が複数存在する場合、複数の提供元に関する情報を資金提供者に提示して、資金の提供先となる提供元の選択を資金提供者に促す処理を行う。これにより、資金提供者は複数の電子チケットの提供元の中から、自身が資金を提供したい電子チケットの提供元を選択することができる。
【0150】
また、本実施形態の資金情報記録システムによれば、利用者の生活保護の受給状況に応じて、電子チケットの利用頻度が変更される。具体的には、生活保護を受給していない利用者には、1週間に1回の利用が許容される一方で、生活保護を受給している利用者には、1週間に7回の利用が許容される。このような構成によれば、生活保護を受給している利用者をより手厚く支援できる。
【0151】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0152】
たとえば、上述した実施形態では、資金提供者が寄付として資金を提供する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、資金情報記録装置が対象とする資金の提供者や提供形態はこれに限定されない。たとえば、納税者が国や自治体に提供する税金や、企業や個人が政治家や政党等に提供する政治資金等、様々な提供者および提供形態によって提供されて、様々な用途に使用される資金に適用され得る。
【0153】
また、上述した実施形態では、利用者が飲食店を訪問して、電子チケットを利用する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の資金情報記録装置により提供される食事用の電子チケットは、飲食店を訪問して利用可能な電子チケットに限定されるものではなく、たとえば、飲食配達サービスで利用可能な電子チケットであってもよい。
【0154】
また、上述した実施形態では、本発明の資金情報記録装置が食事用の電子チケットを提供する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の資金情報記録装置により提供される電子チケットは、食事用の電子チケットに限定されず、たとえば、食事以外の商品・サービスと引き換え可能な引換券や、飲食店以外の店舗で利用可能な金券のような電子チケットであってもよい。
【0155】
また、上述した実施形態では、サービス情報110として、電子チケットの提供元である支援団体3a,3b毎に電子チケットの利用規則に関する情報を登録する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、電子チケットの提供元は、自治体やNPO法人等の支援団体3a,3bに限定されるものではなく、種々の資金グループであり得る。この場合、資金グループ毎に電子チケットの利用規則に関する情報が登録される。
【0156】
また、上述した実施形態では、利用者の生活保護の受給状況に応じて、電子チケットの利用可能回数(利用頻度)が変更された。しかしながら、利用者の特定の状況に応じて変更される利用内容は、電子チケットの利用頻度に限定されるものではなく、電子チケットの利用可能金額が変更されてもよい。この場合、利用者が生活保護を受給している場合の方が、生活保護を受給していない場合よりも、利用可能金額が大きくなるように、利用可能金額情報116の値が2通り設定される。
【0157】
上述した実施形態において、各装置が有する機能は、他の装置によって実現されてもよい。たとえば、サーバー装置30が有する各機能は、携帯端末装置10a,10bによって実現されてもよく、あるいは、他のサーバー装置によって実現されてもよい。あるいは、携帯端末装置10a,10bが有する各機能の一部が、サーバー装置30によって実現されてもよい。
【0158】
上述した実施形態に係る資金情報記録装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、HDD等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、資金情報記録装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0159】
10a,10b,10c 携帯端末装置、
11,21,31 制御部、
12,22,32 記憶部、
13,23,33 通信部、
14 操作表示部、
20a,20b 端末装置、
24 表示部、
25 入力部、
30 サーバー装置、
40 ネットワーク、
110 サービス情報、
120 店舗情報、
130 利用者情報、
300 ブロックチェーン。
【要約】      (修正有)
【課題】資金提供者が提供した資金について、資金の流れを把握可能とするための資金情報記録装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の携帯端末装置、複数の端末装置及びサーバー装置が、ネットワークにより相互に通信可能な資金情報記録システムにおいて、資金情報記録装置であるサーバー装置30は、提供元の電子チケットとして受け付けられた資金に対応するトークンをブロックチェーン300上に記録し、利用者から電子チケットの提供が要求された場合、利用者に対して電子チケットを提供可能なサービスを抽出し、利用可能なサービスの一覧を利用者に提示し、利用者が一のサービスを選択すると、利用可能な店舗を抽出して利用可能な店舗の一覧を提示し、利用者が一の店舗を選択すると、当該店舗で利用可能な電子チケットを提供し、該利用者に関する情報を、当該電子チケットに対応するトークンと関連付けてブロックチェーン上に記録する。
【選択図】図4
図1
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図3
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