IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-射出成形装置 図1
  • 特許-射出成形装置 図2
  • 特許-射出成形装置 図3
  • 特許-射出成形装置 図4
  • 特許-射出成形装置 図5
  • 特許-射出成形装置 図6
  • 特許-射出成形装置 図7
  • 特許-射出成形装置 図8
  • 特許-射出成形装置 図9
  • 特許-射出成形装置 図10
  • 特許-射出成形装置 図11
  • 特許-射出成形装置 図12
  • 特許-射出成形装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-04
(45)【発行日】2025-08-13
(54)【発明の名称】射出成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/16 20060101AFI20250805BHJP
   B29C 45/72 20060101ALI20250805BHJP
【FI】
B29C45/16
B29C45/72
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021125254
(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公開番号】P2023020081
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】山下 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光利
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-180314(JP,A)
【文献】特開2013-188998(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016323(WO,A1)
【文献】特開2006-103203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/16
B29C 45/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定型を着脱可能な第1固定型着脱部と、
第2固定型を着脱可能な第2固定型着脱部と、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第1可動型を着脱可能な第1可動型着脱部と、
第1成形材料を、前記第1固定型の第1ゲート開口を介して射出する第1射出ユニットと、
第2成形材料を、前記第2固定型の第2ゲート開口を介して射出する第2射出ユニットと、
前記第1固定型または前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置するように、前記第1可動型着脱部の位置を変更する位置変更部と、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第2可動型を着脱可能な第2可動型着脱部と、
を含み、
前記位置変更部は、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する回転軸部材と、
前記回転軸部材と接続され、前記第1可動型着脱部が設けられた回転盤と、
を有し、
前記回転盤は、前記回転軸部材の回転軸を中心に回転し、
前記回転軸部材には、前記第1可動型に通じる、媒体が流れる流路が形成され、
前記位置変更部は、
前記第1固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置する場合に、前記第2固定型と対向する位置に前記第2可動型を位置させ、
前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置する場合に、前記第1固定型と対向する位置に前記第2可動型を位置させ、
前記媒体は、前記回転軸部材、前記第1可動型、および前記第2可動型を順に通過して、前記回転軸部材に戻る、射出成形装置。
【請求項2】
第1固定型を着脱可能な第1固定型着脱部と、
第2固定型を着脱可能な第2固定型着脱部と、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第1可動型を着脱可能な第1可動型着脱部と、
第1成形材料を、前記第1固定型の第1ゲート開口を介して射出する第1射出ユニットと、
第2成形材料を、前記第2固定型の第2ゲート開口を介して射出する第2射出ユニットと、
前記第1固定型または前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置するように、前記第1可動型着脱部の位置を変更する位置変更部と、
を含み、
前記位置変更部は、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する回転軸部材と、
前記回転軸部材と接続され、前記第1可動型着脱部が設けられた回転盤と、
を有し、
前記回転盤は、前記回転軸部材の回転軸を中心に回転し、
前記回転軸部材には、前記第1可動型に通じる、媒体が流れる流路が形成され、
前記第1射出ユニットおよび前記第2射出ユニットは、供給された材料を可塑化する可塑化部を有し、
前記可塑化部は、
溝が形成された溝形成面を有するフラットスクリューと、
前記溝形成面に対向する対向面を有し、連通孔が形成されたバレルと、
前記フラットスクリューを収容するケースと、
を有し、
前記フラットスクリューは、
前記溝形成面と交差し、前記材料が導入される導入口が形成された第1側面と、
前記第1側面よりも前記バレルから離れた第2側面と、
を有し、
前記第2側面と前記ケースとの間の距離は、前記第1側面と前記ケースとの間の距離よりも小さい、射出成形装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記回転軸部材の側面には、
前記流路の媒体流入口に接続され、前記側面を一周する流入溝と、
前記流路の媒体流出口に接続され、前記側面を一周する流出溝と、
が形成され、
前記流入溝および前記流出溝は、互いに離間している、射出成形装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記回転軸部材を射出方向に進退させる型締め部を含み、
前記型締め部は、前記回転軸部材と連動して前記駆動部を移動させる、射出成形装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか1項において、
前記第2固定型と対向する位置に設けられたエジェクト機構を含み、
前記第1固定型と対向する位置には、エジェクト機構が設けられていない、射出成形装置。
【請求項6】
請求項において、
前記第1成形材料は、エラストマー樹脂であり、
前記第2成形材料は、エラストマー樹脂ではない樹脂であり、
前記第1射出ユニットにおける前記第2側面と前記ケースとの間の距離は、 前記第2射出ユニットにおける前記第2側面と前記ケースとの間の距離よりも小さい、射出成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可塑化装置によって可塑化された材料を、一対の金型で形成されたキャビティーに供給し、ノズルから射出させる射出成形装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、3つの射出装置と、3つの固定型と、3つの可動型と、を含む回転式射出成形機が記載されている。特許文献1に記載の回転式射出成形機では、各可動型が、回転可能に回転型取付盤に取り付けられ、各固定型と型締めされて、射出装置から成形材料が射出されることにより3色成形品を成形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平2-23390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような射出成形機では、射出後のキャビティー内を冷却するために、可動型を冷却することが必要な場合がある。しかしながら、特許文献1のような多色成形品を成形する射出成形機では、可動型が回転するため、例えば可動型への通水による冷却の場合、ホースの引き回しが煩雑となり装置が複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る射出成形装置の一態様は、
第1固定型を着脱可能な第1固定型着脱部と、
第2固定型を着脱可能な第2固定型着脱部と、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第1可動型を着脱可能な第1可動型着脱部と、
第1成形材料を、前記第1固定型の第1ゲート開口を介して射出する第1射出ユニットと、
第2成形材料を、前記第2固定型の第2ゲート開口を介して射出する第2射出ユニットと、
前記第1固定型または前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置するように、前記第1可動型着脱部の位置を変更する位置変更部と、
を含み、
前記位置変更部は、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する回転軸部材と、
前記回転軸部材と接続され、前記第1可動型着脱部が設けられた回転盤と、
を有し、
前記回転盤は、前記回転軸部材の回転軸を中心に回転し、
前記回転軸部材には、前記第1可動型に通じる、媒体が流れる流路が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す斜視図。
図2】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す断面図。
図3】本実施形態に係る射出成形装置の第1射出ユニットを模式的に示す断面図。
図4】本実施形態に係る射出成形装置のフラットスクリューを模式的に示す斜視図。
図5】本実施形態に係る射出成形装置のバレルを模式的に示す図。
図6】本実施形態に係る射出成形装置の固定型ユニットを模式的に示す斜視図。
図7】本実施形態に係る射出成形装置の可動型ユニットを模式的に示す斜視図。
図8】本実施形態に係る射出成形装置の可動型ユニットを模式的に示す斜視図。
図9】本実施形態に係る射出成形装置の制御部の成形品生成処理を説明するためのフローチャート。
図10】本実施形態に係る射出成形装置の回転軸部材を模式的に示す断面図。
図11】本実施形態に係る射出成形装置の回転軸部材を模式的に示す図。
図12】本実施形態に係る射出成形装置の第1型流路および第2型流路を説明するための図。
図13】本実施形態の変形例に係る射出成形装置の第1射出ユニットを模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1. 射出成形装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る射出成形装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る射出成形装置100を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る射出成形装置100を模式的に示す断面図である。なお、図1および図2では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸方向およびY軸方向は、例えば、水平方向である。Z軸方向は、例えば、鉛直方向である。
【0010】
射出成形装置100は、図1および図2に示すように、例えば、第1射出ユニット10と、第2射出ユニット12と、固定型ユニット20と、可動型ユニット30と、型締め部40と、制御部50と、を含む。なお、便宜上、図2では、第1射出ユニット10を簡略化して図示している。
【0011】
射出成形装置100は、複数の成形材料を順番に射出することにより多色成形を実行して、成形品を成形する。図示の例では、射出成形装置100は、2つの射出ユニット10,12を備え、互いに異なる2つの成形材料を用いて多色成形を実行する。多色形成には、互いに異なる色の成形材料を用いる射出成形に限らず、互いに異なる種類の成形材料を用いる射出成形も含まれる。
【0012】
具体的には、まず、固定型ユニット20および可動型ユニット30によって形成されるキャビティーに向けて、第1射出ユニット10から第1成形材料を射出する。次に、キャビティーに配置された第1成形材料に向けて、第2射出ユニット12から第2成形材料を射出する。これにより、第1成形材料および第2成形材料からなる成形品を製造することができる。
【0013】
以下、射出成形装置100の各部材について、説明する。
【0014】
1.2. 射出ユニット
図3は、第1射出ユニット10を模式的に示す断面図である。第1射出ユニット10は、図1図3に示すように、例えば、材料供給部110と、可塑化部120と、射出部160と、を有する。
【0015】
材料供給部110は、可塑化部120に原料となる材料を供給する。材料供給部110は、例えば、ホッパーによって構成されている。材料供給部110には、ペレット状や粉末状の材料が供給される。
【0016】
可塑化部120は、材料供給部110から供給された材料を可塑化し、流動性を有するペースト状の第1成形材料を生成して射出部160へと導くように構成されている。可塑化部120は、図3に示すように、例えば、スクリューケース122と、スクリュー駆動部124と、フラットスクリュー130と、バレル140と、加熱部150と、を有している。
【0017】
なお、可塑化とは、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。
【0018】
スクリューケース122は、フラットスクリュー130を収容する筐体である。スクリューケース122とバレル140とによって囲まれた空間に、フラットスクリュー130が収容されている。
【0019】
スクリュー駆動部124は、スクリューケース122に設けられている。スクリュー駆動部124は、例えば、モーターによって構成されている。スクリュー駆動部124は、フラットスクリュー130を回転させる。スクリュー駆動部124に接続されたシャフト126は、フラットスクリュー130に接続されている。スクリュー駆動部124は、制御部50によって制御される。なお、図示はしないが、減速機を介して、シャフト126と、フラットスクリュー130とが接続されていてもよい。
【0020】
フラットスクリュー130は、回転軸R方向の大きさが、回転軸R方向と直交する方向の大きさよりも小さい略円柱形状を有している。図示の例では、回転軸Rは、Y軸と平行である。スクリュー駆動部124が発生させるトルクによって、フラットスクリュー130は、回転軸Rを中心に回転する。フラットスクリュー130は、主面131と、主面131とは反対側の溝形成面132と、主面131と溝形成面132とを接続する側面133と、を有している。ここで、図4は、フラットスクリュー130を模式的に示す斜視図である。
【0021】
フラットスクリュー130の溝形成面132には、図4に示すように、第1溝134が形成されている。第1溝134は、例えば、中央部135と、接続部136と、材料導入口137と、を有している。中央部135は、バレル140に形成された連通孔146と対向している。中央部135は、連通孔146と連通している。接続部136は、中央部135と材料導入口137とを接続している。図示の例では、接続部136は、中央部135から溝形成面132の外周に向かって渦状に形成されている。材料導入口137は、溝形成面132の外周に形成されている。すなわち、材料導入口137は、フラットスクリュー130の側面133に形成されている。材料供給部110から供給された材料は、材料導入口137から第1溝134に導入され、接続部136および中央部135を通って、バレル140に形成された連通孔146に搬送される。図示の例では、第1溝134は、2つ形成されている。
【0022】
なお、第1溝134の数は、特に限定されない。図示はしないが、第1溝134は、3つ以上形成されていてもよいし、1つだけ形成されていてもよい。
【0023】
バレル140は、図3に示すように、フラットスクリュー130に対向して設けられている。バレル140は、フラットスクリュー130の溝形成面132に対向する対向面142を有している。対向面142の中心には、連通孔146が形成されている。ここで、図5は、バレル140を模式的に示す図である。
【0024】
バレル140の対向面142には、図5に示すように、第2溝144と、連通孔146と、が形成されている。第2溝144は、複数形成されている。図示の例では、6つの第2溝144が形成されているが、その数は、特に限定されない。複数の第2溝144は、Y軸方向からみて、連通孔146の周りに形成されている。第2溝144は、一端が連通孔146に接続され、連通孔146から対向面142の外周に向かって渦状に延びている。第2溝144は、可塑化された第1成形材料を連通孔146に導く機能を有している。
【0025】
なお、第2溝144の形状は、特に限定されず、直線状であってもよい。また、第2溝144の一端は、連通孔146に接続されていなくてもよい。さらに、第2溝144は、対向面142に形成されていなくてもよい。ただし、連通孔146に第1成形材料を効率よく導くことを考慮すると、第2溝144は、対向面142に形成されていることが好ましい。
【0026】
加熱部150は、図3に示すように、バレル140に設けられている。加熱部150は、フラットスクリュー130とバレル140との間に供給された材料を加熱する。加熱部150の出力は、制御部50によって制御される。可塑化部120は、フラットスクリュー130、バレル140、および加熱部150によって、供給された材料を連通孔146に向かって搬送しながら加熱して可塑化された第1成形材料を生成し、生成された第1成形材料を、連通孔146から射出部160へと流出させる。
【0027】
射出部160は、可塑化部120で生成された第1成形材料を、可動型ユニット30に向けて射出する。射出部160は、例えば、シリンダー162と、プランジャー164と、プランジャー駆動部166と、ノズル168と、を有している。シリンダー162は、連通孔146に接続された略円筒状の部材である。プランジャー164は、シリンダー162の内部を移動する。プランジャー164は、モーターやギア等によって構成されたプランジャー駆動部166によって駆動される。プランジャー駆動部166は、制御部50によって制御される。
【0028】
射出部160は、プランジャー164をシリンダー162内で摺動させることによって、計量操作および射出操作を実行する。計量操作とは、連通孔146から離れる+X軸方向にプランジャー164を移動させることによって、連通孔146に位置する第1成形材料をシリンダー162内へと導いて、シリンダー162内において計量する操作を指す。射出操作とは、連通孔146へ近付く-X軸方向にプランジャー164を移動させることによって、シリンダー162内の第1成形材料を、ノズル168を介して可動型ユニット30に向けて射出する操作を指す。
【0029】
ノズル168は、第1成形材料を可動型ユニット30に向けて射出する。固定型ユニット20に取り付けられる第1固定型230には、ノズル168が挿入されたノズル挿入孔230aと、ノズル168から射出された第1成形材料が通る第1ゲート開口230bと、が形成されている。ノズル168には、連通孔146と連通しているノズル孔169が形成されている。上述した計量操作および射出操作が実行されることによって、シリンダー162内で計量された第1成形材料は、連通孔146を介してノズル孔169へと送ら
れる。そして、ノズル168は、第1成形材料を、ノズル孔169から第1ゲート開口230bを介して射出する。なお、便宜上、図3では、固定型ユニット20の図示を簡略化また省略している。
【0030】
第2射出ユニット12の材料供給部110には、第1射出ユニット10の材料供給部110に供給された原料と異なる原料が供給される。第2射出ユニット12は、第1成形材料と異なる第2成形材料を、第2固定型232の第2ゲート開口232bを介して射出する。第2射出ユニット12は、第1射出ユニット10と基本的に同じ構成を有している。したがって、その詳細な説明を省略する。
【0031】
1.3. 固定型ユニット
図6は、固定型ユニット20を模式的に示す斜視図である。固定型ユニット20は、図2および図6に示すように、例えば、固定板210と、第1固定型着脱部220と、第2固定型着脱部222と、付勢部材240と、を有している。なお、便宜上、図2では、第1固定型230および第2固定型232の図示を省略している。また、便宜上、図6では、付勢部材240の図示を省略している。
【0032】
固定板210は、略板状の形状を有している。固定板210は、図2に示すように、支持棒62を介して、支持台60に固定されている。図示の例では、固定板210の-Y軸方向を向く面に第1射出ユニット10および第2射出ユニット12が接続されている。
【0033】
第1固定型着脱部220および第2固定型着脱部222は、固定板210に設けられている。図示の例では、固定型着脱部220,222は、固定板210の+Y軸方向を向く面に設けられている。固定型着脱部220,222は、例えば、X軸方向に並んで設けられている。
【0034】
第1固定型着脱部220は、第1固定型230を着脱可能に構成されている。図6に示す例では、第1固定型着脱部220は、一対の挟持部221を有し、一対の挟持部221で第1固定型230を挟むことで第1固定型230を保持している。第2固定型着脱部222は、第2固定型232を着脱可能に構成されている。図示の例では、第2固定型着脱部222は、一対の挟持部223を有し、一対の挟持部223で第2固定型232を挟むことで第2固定型232を保持している。
【0035】
第1固定型230は、第1固定型着脱部220に保持される。第1固定型230の+Y軸方向を向く面には、第1成形材料が射出される第1ゲート開口230bが形成されている。さらに、第1固定型230の+Y軸方向を向く面には、キャビティーを構成する図示せぬ凹部が形成されている。
【0036】
第2固定型232は、第2固定型着脱部222に保持される。第2固定型232の+Y軸方向を向く面には、第2成形材料が射出される第2ゲート開口232bが形成されている。さらに、第2固定型232の+Y軸方向を向く面には、キャビティーを構成する図示せぬ凹部が形成されている。固定型230,232の材質は、例えば、金属、セラミック、樹脂である。
【0037】
付勢部材240は、図2に示すように、固定板210に設けられている。付勢部材240は、型締めが行われた後、型開きを行う際に、可動型ユニット30の回転盤346を可動板310に向けて付勢する。図示の例では、付勢部材240は、型締めが行われた後、可動型ユニット30が+Y軸方向に移動する際に、回転盤346を可動板310に向けて付勢する。付勢部材240は、弾性体によって構成されている。付勢部材240によって、型開きを行う際に、回転盤346が固定型ユニット20に残されたままになることを抑
制することができる。
【0038】
なお、「型締め」とは、可動型ユニット30を固定型ユニット20に近づく方向に移動させ、第1固定型230と、第1可動型330または第2可動型332と、を当接させることをいう。また、「型開き」とは、可動型ユニット30を固定型ユニット20から遠ざかる方向に移動させ、第1固定型230と、第1可動型330または第2可動型332と、を離間させることをいう。
【0039】
1.4. 可動型ユニット
図7は、可動型ユニット30を模式的に示す斜視図である。可動型ユニット30は、図2および図7に示すように、可動板310と、第1可動型着脱部320と、第2可動型着脱部322と、位置変更部340と、を有している。なお、便宜上、図2では、第1可動型330および第2可動型332の図示を省略している。
【0040】
可動板310は、略板状の形状を有している。可動板310の四隅には、図7に示すように、貫通孔312が形成されている。貫通孔312には、図1に示すように、タイバー64が通過している。タイバー64は、固定型ユニット20および型締め部40に接続されている。可動板310は、型締め部40によって、Y軸方向に移動可能である。
【0041】
第1可動型着脱部320および第2可動型着脱部322は、位置変更部340の回転盤346に設けられている。第1可動型着脱部320は、第1可動型330を着脱可能に構成されている。図7に示す例では、第1可動型着脱部320は、一対の挟持部321を有し、一対の挟持部321で第1固定型230を挟むことで第1固定型230を保持している。第2可動型着脱部322は、第2可動型332を着脱可能に構成されている。図示の例では、第2可動型着脱部322は、一対の挟持部323を有し、一対の挟持部323で第2可動型332を挟むことで第2可動型332を保持している。
【0042】
第1可動型330は、第1可動型着脱部320に保持される。第1可動型330の-Y軸方向を向く面には、キャビティーを構成する図示せぬ凹部が形成されている。第1可動型330は、第1固定型230および第2固定型232の各々と型締め可能性に構成されている。すなわち、第1可動型330に形成された凹部と、第1固定型230に形成された凹部と、によってキャビティーを構成することができるし、第1可動型330に形成された凹部と、第2固定型232に形成された凹部と、によってキャビティーを構成することができる。
【0043】
第2可動型332は、第2可動型着脱部322に保持される。第2可動型332の-Y軸方向を向く面には、キャビティーを構成する図示せぬ凹部が形成されている。第2可動型332は、第1固定型230および第2固定型232の各々と型締め可能性に構成されている。すなわち、第2可動型332に形成された凹部と、第1固定型230に形成された凹部と、によってキャビティーを構成することができるし、第2可動型332に形成された凹部と、第2固定型232に形成された凹部と、によってキャビティーを構成することができる。可動型330,332の材質は、例えば、金属、セラミック、樹脂である。
【0044】
位置変更部340は、可動板310に接続されている。位置変更部340は、例えば、駆動部342と、回転軸部材344と、回転盤346と、エジェクト機構348と、を有している。なお、便宜上、図2では、エジェクト機構348の図示を省略している。
【0045】
駆動部342は、回転軸部材344を回転させる。駆動部342は、例えば、モーターによって構成されている。図2に示す例では、駆動部342で発生されたトルクは、ベルト341およびプーリー343を介して、回転軸部材344に伝達される。
【0046】
回転軸部材344は、駆動部342によって回転する。ここで、図8は、回転軸部材344および回転盤346を模式的に示す斜視図である。回転軸部材344の形状は、図8に示すように、略筒状である。回転軸部材344は、回転軸Qを中心として回転する。図示の例では、回転軸Q方向は、Y軸方向である。回転軸部材344は、図2に示すように、プーリー343を介して回転可能に可動板310に保持されている。なお、回転軸部材344の内部構造については、後述する。
【0047】
回転盤346は、回転軸部材344と接続されている。回転盤346の形状は、略円盤状である。回転盤346は、回転軸部材344の回転に伴い、回転軸部材344の回転軸Qを中心として回転する。回転盤346には、第1可動型着脱部320および第2可動型着脱部322が設けられている。図示の例では、可動型着脱部320,322は、回転盤346の-Y軸方向を向く面に設けられている。
【0048】
回転盤346を回転させることによって、位置変更部340は、第1固定型230または第2固定型232と対向する位置に第1可動型330が位置するように、第1可動型着脱部320の位置を変更する。さらに、位置変更部340は、第1固定型230または第2固定型232と対向する位置に第2可動型332が位置するように、第2可動型着脱部322の位置を変更する。具体的には、位置変更部340は、第1固定型230と対向する位置に第1可動型330が位置する場合に、第2固定型232と対向する位置に第2可動型332を位置させ、第2固定型232と対向する位置に第1可動型330が位置する場合に、第1固定型230と対向する位置に第2可動型332を位置させる。
【0049】
エジェクト機構348は、図7に示すように、可動板310に設けられている。エジェクト機構348は、第1成形材料と第2成形材料とが順に射出されて成形された成形品を、第1可動型330または第2可動型332から取り外すための機構である。図示の例では、エジェクト機構348は、ピンであり、図示せぬ駆動部によって、Y軸方向に移動可能である。可動型330,332には、エジェクト機構348が通る貫通孔349が形成されている。
【0050】
エジェクト機構348は、第2固定型232と対向する位置に設けられている。第1固定型230と対向する位置には、エジェクト機構が設けられていてない。第2固定型232の第2ゲート開口232bから第2成形材料が射出された後、貫通孔349を通ってエジェクト機構348を-Y軸方向に移動させ、第1可動型330または第2可動型332に残っている成形品を、押し出すことができる。
【0051】
1.5. 型締め部
型締め部40は、回転軸部材344および回転盤346を有する可動型ユニット30を、射出方向に進退させる。駆動部342は、回転盤346と連動して移動する。型締め部40は、回転軸部材344と連動して駆動部342を移動させる。射出方向とは、第1射出ユニット10から第1成形材料が射出される方向であり、図示の例では、Y軸方向である。型締め部40は、図2に示すように、例えば、型締め板42と、型駆動部44と、ボールねじ部46と、を有している。
【0052】
型締め板42は、支持棒66を介して、支持台60に固定されている。型締め板42は、略板状の部材である。
【0053】
型駆動部44は、型締め板42に接続されている。型駆動部44は、例えば、モーター、ギアなどによって構成されている。型駆動部44は、ボールねじ部46を介して可動型ユニット30に接続されている。型駆動部44の駆動は、制御部50によって制御される
。ボールねじ部46は、型駆動部44の駆動による動力を可動型ユニット30に伝達する。ボールねじ部46は、型締め板42に対してY軸方向に移動可能である。型締め部40は、型駆動部44およびボールねじ部46によって可動型ユニット30を移動させることによって、型締めおよび型開きを行う。
【0054】
型駆動部44の出力は、プランジャー駆動部166の出力よりも大きい。そのため、型締め部40は、確実に型締めを行うことができる。プランジャー駆動部166の出力が型駆動部44の出力よりも大きいと、成形材料がキャビティーから漏れ出してしまう場合がある。型駆動部44の出力は、例えば、スクリュー駆動部124の出力よりも大きい。
【0055】
なお、第1射出ユニット10のスクリュー駆動部124の出力と、第2射出ユニット12のスクリュー駆動部124の出力とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1射出ユニット10のプランジャー駆動部166の出力と、第2射出ユニット12のプランジャー駆動部166の出力とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0056】
ボールねじ部46は、スペーサー48を介して、可動型ユニット30の筐体350に接続されている。ボールねじ部46、スペーサー48、および筐体350は、可動型ユニット30の駆動部342の駆動に基づいて回転しない。ボールねじ部46と回転軸部材344との間には、クリアランスが設けられてもよい。筐体350とプーリー343との間には、クリアランスが設けられていてもよい。筐体350は、回転軸部材344の一部を収容している。
【0057】
1.6. 制御部
制御部50は、例えば、プロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースと、を有するコンピューターによって構成されている。制御部50は、例えば、主記憶装置に読み込んだプログラムをプロセッサーが実行することによって、種々の機能を発揮する。具体的には、制御部50は、射出ユニット10,12、可動型ユニット30、および型締め部40を制御する。なお、制御部50は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。ここで、図9は、制御部50の処理を説明するためのフローチャートである。
【0058】
ユーザーは、例えば、図示せぬ操作部を操作して、制御部50に処理を開始するための処理開始信号を出力する。操作部は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどによって実現される。制御部50は、処理開始信号を受けると、成形品生成処理を開始する。
【0059】
まず、制御部50は、図9に示すように、ステップS1として、型締め部40および位置変更部340を制御して、固定型230,232および可動型330,332を初期位置の状態にする(ステップS1)。初期位置の状態では、固定型230,232と可動型330,332とが離間している型開きの状態となっている。さらに、初期位置の状態では、第1固定型230と第1可動型330とが対向し、第2固定型232と第2可動型332とが対向している。
【0060】
次に、制御部50は、ステップS2として、型締め部40を制御して可動型330,332を-Y軸方向に移動させ、第1固定型230と第1可動型330とを当接させ、第2固定型232と第2可動型332とを当接させて、型締めを行う。
【0061】
次に、制御部50は、ステップS3として、射出ユニット10,12を制御して、第1成形材料および第2成形材料を射出する。具体的には、制御部50は、第1射出ユニット
10を制御して、第1固定型230と第1可動型330とで構成されるキャビティーに第1成形材料を射出する。さらに、制御部50は、第2射出ユニット12を制御して、第2固定型232と第2可動型332とで構成されるキャビティーに第2成形材料を射出する。
【0062】
次に、制御部50は、ステップS4として、型締め部40を制御して可動型330,332を+Y軸方向に移動させて、型開きを行う。制御部50は、型開きを行いながら、エジェクト機構348を制御して、第2可動型332に残っている中間品を押し出して第2可動型332から外す。当該中間品は、第2成形材料のみで構成されており、成形品とはならない。制御部50は、当該中間品を押し出したら、エジェクト機構348を初期位置に戻す。第1可動型330には、成形品となる第1成形材料で構成された中間品が残っている。
【0063】
次に、制御部50は、ステップS5として、位置変更部340を制御して回転盤346を回転させ、第1固定型230と第2可動型332とを対向させ、第2固定型232と第1可動型330とを対向させる。制御部50は、例えば、位置変更部340を制御して、回転盤346を、回転軸Qを中心として180°回転させる。
【0064】
次に、制御部50は、ステップS6として、型締め部40を制御して可動型330,332を-Y軸方向に移動させ、第1固定型230と第2可動型332とを当接させ、第2固定型232と第1可動型330とを当接させて、型締めを行う。
【0065】
次に、制御部50は、ステップS7として、射出ユニット10,12を制御して、第1成形材料および第2成形材料を射出する。具体的には、制御部50は、第1射出ユニット10を制御して、第1固定型230と第2可動型332とで構成されるキャビティーに第1成形材料を射出する。さらに、制御部50は、第2射出ユニット12を制御して、第2固定型232と第1可動型330とで構成されるキャビティーに第2成形材料を射出する。第1可動型330には、ステップS3で射出された第1成形材料かなる中間品が残っている。当該中間品に第2成形材料を射出することにより、第1成形材料および第2成形材料からなる成形品を成形することができる。
【0066】
次に、制御部50は、ステップS8として、型締め部40を制御して可動型330,332を+Y軸方向に移動させて、型開きを行う。制御部50は、型開きを行いながら、エジェクト機構348を制御して、第2可動型332に残っている成形品を押し出して第2可動型332から外す。
【0067】
次に、制御部50は、ステップS9として、成形品生成処理を終了するか否かの判定を行う。例えば、制御部50は、成形品生成処理を開始してから所定時間経過したか否かの判定を行う。所定時間経過したと判定した場合(ステップS9で「YES」の場合)、制御部50は、成形品生成処理を終了する。所定時間経過していないと判定した場合(ステップS9で「NO」の場合)、制御部50は、処理をステップS1に戻す。
【0068】
または、制御部50は、ステップS9として、エジェクト機構348を動作させた回数が所定数以上であるか否かの判定を行う。所定数以上であると判定した場合(ステップS9で「YES」の場合)、制御部50は、成形品生成処理を終了する。所定数以上ではないと判定した場合(ステップS9で「NO」の場合)、制御部50は、処理をステップS1に戻す。
【0069】
なお、処理をステップS1に戻す場合、2回目以降のステップS3では、制御部50は、第2射出ユニット12を制御して、第1成形材料からなる中間品に向けて第2成形材料
を射出する。そのため、2回目以降のステップS4では、制御部50は、エジェクト機構348を制御して、第2可動型332に残っている成形品を押し出す。
【0070】
第2成形材料が無駄になることを考慮すると、1回目のステップS3では、第2射出ユニット12から第2成形材料を射出しないことが好ましい。ただし、制御部50のプログラムの簡素化を考慮すると、1回目のステップS3で第2射出ユニット12から第2成形材料を射出することが好ましい。
【0071】
1.7. 回転軸部材
回転軸部材344には、図2に示すように、第1可動型330および第2可動型332に通じる流路410が形成されている。流路410は、第1軸流路411と、第2軸流路412と、を含んで構成されている。第1軸流路411および第2軸流路412は、互いに離間している。軸流路411,412は、回転軸部材344の側面402から底面404まで形成されている。図示の例では、底面404は、回転軸部材344の-Y軸方向を向く面である。軸流路411,412には、可動型330,332を冷却するための媒体が流れる。媒体としては、例えば、水が挙げられる。
【0072】
回転軸部材344の側面402には、流入溝420および流出溝422が形成されている。ここで、図10は、回転軸部材344の流入溝420および流出溝422近傍を模式的に示す断面図である。図11は、回転軸部材344の流入溝420および流出溝422近傍を模式的に示す図である。
【0073】
流入溝420および流出溝422は、図10および図11に示すように、互いに離間している。流入溝420および流出溝422は、側面402を一周している。言い換えると、流入溝420および流出溝422は、360°にわたって側面402に形成されている。
【0074】
流入溝420は、第1軸流路411の媒体流入口411aに接続されている。媒体流入口411aは、流入溝420の底面に形成されている。媒体流入口411aの形状は、例えば、円である。流出溝422は、第2軸流路412の媒体流出口412aに接続されている。媒体流出口412aは、流出溝422の底面に形成されている。媒体流出口412aの形状は、例えば、円である。媒体流入口411aおよび媒体流出口412aは、互いに反対方向を向いている。
【0075】
流入溝420は、図10に示すように、流入管430と接続されている。流入管430は、筐体350を貫通している。流入管430は、例えば、媒体を循環させるため図示しないポンプと接続されている。流出溝422は、流出管432と接続されている。流出管432は、筐体350を貫通している。流入管430および流出管432は、回転軸部材344の回転に伴って回転しない。なお、便宜上、図2では、流入管430および流出管432の図示を省略している。また、図11では、筐体350、流入管430、および流出管432の図示を省略している。
【0076】
回転軸部材344の側面402には、図10および図11に示すように、パッキン441,442,443,444,445が設けられている。流入溝420は、第1パッキン441と第2パッキン442との間に設けられている。流出溝422は、第2パッキン442と第3パッキン443との間に設けられている。パッキン441,442,443としては、例えば、Oリングを用いる。パッキン441,442によって、流入溝420を流れる媒体が外部に漏れる可能性を小さくすることができる。パッキン442,443によって、流出溝422を流れる媒体が外部に漏れる可能性を小さくすることができる。第4パッキン444は、第1パッキン441の+Y軸方向に設けられている。第5パッキン
445は、第3パッキン443の-Y軸方向に設けられている。パッキン444,445によって、媒体が外部に漏れる可能性を、より小さくすることができる。パッキン441,442,443,444,445は、例えば、筐体350に当接しながら、回転軸部材344の回転に伴って、回転する。
【0077】
ここで、図12は、第1可動型330に形成された第1型流路414、および第2可動型332に形成された第2型流路416を説明するための図である。
【0078】
第1型流路414は、図12に示すように、Y軸方向からみて、第1可動型330の外周に沿うように形成されている。第1型流路414は、第1連結管434を介して第1軸流路411と接続されている。第2型流路416は、Y軸方向からみて、第2可動型332の外周に沿うように形成されている。第2型流路416は、第2連結管436を介して第1型流路414と接続されている。さらに、第2型流路416は、第3連結管438を介して第2軸流路412と接続されている。
【0079】
媒体は、回転軸部材344、第1可動型330、および第2可動型332を順に通過して、回転軸部材344に戻る。図示の例では、媒体は、流入管430、流入溝420、第1軸流路411、第1連結管434、第1型流路414、第2連結管436、第2型流路416、第3連結管438、第2軸流路412、流出溝422、流出管432の順に通過する。第1軸流路411、第1連結管434、第1型流路414、第2連結管436、第2型流路416、第3連結管438、および第2軸流路412は、流路410を構成している。流出管432から流出された媒体は、図示せぬ冷却機構によって冷却されて流入管430に戻されてもよいし、そのまま破棄されてもよい。媒体は、制御部50が成形品生成処理を行っている間、上記の第1軸流路411等を流れる。
【0080】
なお、図示はしないが、第1固定型230および第2固定型232には、媒体が流れる流路が形成されている。第1固定型230に形成された流路および第2固定型232に形成された流路は、互いに連結されている。可動型330,332を流れる媒体は、固定型230,232を通らずに排出される。
【0081】
1.8. 作用効果
射出成形装置100では、位置変更部340は、駆動部342と、駆動部342によって回転する回転軸部材344と、回転軸部材344と接続され、第1可動型着脱部320が設けられた回転盤346と、を有し、回転盤346は、回転軸部材344の回転軸Qを中心に回転し、回転軸部材344には、第1可動型330に通じる、媒体が流れる流路410が形成されている。そのため、射出成形装置100では、例えば回転軸部材に流路を形成せずに媒体が流れるホースを直接可動型に接続する場合に比べて、装置の簡素化を図ることができる。例えば、ホースを直接可動型に接続する場合は、ホースが回転軸部材の回転に伴って回転するため、ホースの引き回しが煩雑となり装置が複雑となる。また、水漏れが発生したりする場合がある。
【0082】
射出成形装置100では、回転軸部材344の側面402には、流路410の媒体流入口411aに接続され、側面402を一周する流入溝420と、流路410の媒体流出口412aに接続され、側面402を一周する流出溝422と、が形成され、流入溝420および流出溝422は、互いに離間している。そのため、射出成形装置100では、流入溝420に媒体を流入させる流入管430を、回転軸部材344の回転に伴って回転させずに、流路410に媒体を流入させることができる。さらに、射出成形装置100では、流出溝422から媒体が流出される流出管432を、回転軸部材344の回転に伴って回転させずに、流出溝422から媒体を流出させることができる。これにより、装置の簡素化を図ることができる。
【0083】
射出成形装置100では、回転軸部材344を射出方向に進退させる型締め部40を含み、型締め部40は、回転軸部材344と連動して駆動部342を移動させる。そのため、射出成形装置100では、型締め部が回転軸部材と連動して駆動部を移動させない場合に比べて、駆動部342で発生したトルクを回転軸部材344に伝達する機構の簡素化を図ることができる。
【0084】
射出成形装置100では、第2固定型232と対向する位置に設けられたエジェクト機構348を含み、第1固定型230と対向する位置には、エジェクト機構が設けられていない。そのため、射出成形装置100では、第1固定型230と対向する位置にエジェクト機構が設けられている場合に比べて、装置の簡素化を図ることができる。
【0085】
なお、図示はしないが、第1固定型230と対向する位置、および第2固定型232と対向する位置の2か所にエジェクト機構348が設けられていてもよい。また、上述の例では、可動型330,332が+Y軸方向に移動することに連動して、エジェクト機構348が駆動する例について説明したが、エジェクト機構348は、可動型330,332の移動と連動せずに駆動してもよい。
【0086】
射出成形装置100では、第1固定型230および第2固定型232の各々と型締め可能に構成された第2可動型332を着脱可能な第2可動型着脱部322を含み、位置変更部340は、第1固定型230と対向する位置に第1可動型330が位置する場合に、第2固定型232と対向する位置に第2可動型332を位置させ、第2固定型232と対向する位置に第1可動型330が位置する場合に、第1固定型230と対向する位置に第2可動型332を位置させる。そのため、射出成形装置100では、第2固定型232の第2ゲート開口232bを介して第2射出ユニット12から第1可動型330に向けて第2成形材料を射出する際に、第1固定型230の第1ゲート開口230bを介して第1射出ユニット10から第2可動型332に向けて第1成形材料を射出することができる。これにより、第1成形材料および第2成形材料からなる成形品を生産するための生産力を向上させることができる。
【0087】
射出成形装置100では、媒体は、回転軸部材344、第1可動型330、および第2可動型332を順に通過して、回転軸部材344に戻る。そのため、射出成形装置100では、連続した1本の流路で2つの可動型330,332を冷却することができる。
【0088】
1.9 供給される材料
材料供給部110から供給される材料としては、熱可塑性を有する材料、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料とした材料を挙げることができる。ここで、「主材料」とは、成形品の形状を形作っている中心となる材料を意味し、成形品において50質量%以上の含有率を占める材料を意味する。上述した材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
【0089】
熱可塑性を有する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM )、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0090】
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、可塑化部120において、フラットスクリュー130の回転と、加熱部150の加熱と、によって可塑化されて溶融した状態に転化される。また、そのように生成された第1形成材料および第2成形材料は、ノズル168から射出された後、温度の低下によって硬化する。熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル168から射出されることが望ましい。
【0091】
可塑化部120では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、金属材料を粉末状にした粉末材料に、第1形成材料および第2成形材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、可塑化部120に投入されることが望ましい。
【0092】
金属材料としては、例えば、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム (Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金、また、マルエージング鋼、ステンレス鋼、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金が挙げられる。
【0093】
可塑化部120においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックなどが挙げられる。
【0094】
材料供給部110から供給される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上述の熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、可塑化部120において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
【0095】
材料供給部110から供給される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、溶剤を添加することもできる。溶剤としては、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ-ピコリン、2,6-ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等が挙げられる。
【0096】
その他に、材料供給部110から供給される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、バインダーが添加されていてもよい。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、あるいはその他の合成樹脂、
または、PLA、PA、PPS、PEEK、あるいはその他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0097】
2. 射出成形装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る射出成形装置について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態の変形例に係る射出成形装置200を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態の第1変形例に係る射出成形装置200において、上述した本実施形態に係る射出成形装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0098】
射出成形装置200では、図13に示すように、フラットスクリュー130は、第1側面133aと、第2側面133bと、を有している点において、上述した射出成形装置100と異なる。
【0099】
フラットスクリュー130は、例えば、第1部分130aと、第2部分130bと、を有している。第1部分130aは、第2部分130bよりもバレル140側に設けられている。第1部分130aは、バレル140と第2部分130bとの間に設けられている。第1部分130aの形状は、例えば、Y軸方向からみて、円形である。第1部分130aの中心C1は、Y軸方向からみて、回転軸R上に位置している。第1部分130aは、溝形成面132と、溝形成面132と交差する第1側面133aと、を有している。図示の例では、第1側面133aは、溝形成面132と直交している。第1側面133aには、第1溝134の材料導入口137が形成されている。
【0100】
第2部分130bは、第1部分130aのバレル140とは反対側に設けられている。図示の例では、第2部分130bは、第1部分130aよりも-Y軸方向に位置している。第2部分130bには、シャフト126が接続されている。第2部分130bは、第1部分130aと接続されている。第2部分130bの形状は、例えば、Y軸方向からみて、円形である。第2部分130bの中心C2は、Y軸方向からみて、回転軸R上に位置している。
【0101】
第2部分130bは、第2側面133bを有している。第2側面133bは、第1側面133aよりもバレル140から離れている。第2側面133bとバレル140との間の距離は、第1側面133aとバレル140との間の距離よりも大きい。
【0102】
第2部分130bの径D2は、Y軸方向からみて、第1部分130aの径D1よりも大きい。第2側面133bとスクリューケース122との間の距離L2は、第1側面133aとスクリューケース122との間の距離L1よりも小さい。距離L1は、第1側面133aとスクリューケース122との間の最短距離である。距離L2は、第2側面133bとスクリューケース122との間の最短距離である。
【0103】
第1射出ユニット10から射出される第1成形材料は、エラストマー樹脂である。エラストマー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。第2射出ユニット12から射出される第2成形材料は、エラストマー樹脂ではない樹脂である。第2成形材料は、例えば、ABS樹脂等である。
【0104】
第1成形材料がエラストマー樹脂であり、第2成形材料がエラストマー樹脂ではない樹脂の場合、第1射出ユニット10における第2側面133bとスクリューケース122との間の距離L2は、第2射出ユニット12における第2側面133bとスクリューケース122との間の距離L2よりも小さい。
【0105】
エラストマー樹脂は、エラストマー樹脂ではないABS樹脂などに比べて、弾性および伸縮性が高く、軽い樹脂である。そのため、エラストマー樹脂がフラットスクリューとスクリューケースとの間に侵入した場合、当該間に侵入したエラストマー樹脂を除去することが難しく、さらには、エラストマー樹脂がシャフトまで到達し、フラットスクリューの回転を停止させる場合もある。
【0106】
上記のような問題に対し、射出成形装置200では、エラストマー樹脂を扱う第1射出ユニット10における第2側面133bとスクリューケース122との間の距離L2を、エラストマー樹脂を扱わない第2射出ユニット12における第2側面133bとスクリューケース122との間の距離L2よりも小さくしている。これにより、エラストマー樹脂が第2部分130bとスクリューケース122との間に侵入する可能性を小さくすることができる。
【0107】
なお、射出成形装置200では、供給される材料に応じて射出ユニット10,12を着脱可能に構成されていてもよい。また、第1射出ユニット10は、熱硬化性樹脂を射出し、第2射出ユニット12は、熱可塑性樹脂を射出してもよい。
【0108】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0109】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0110】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0111】
射出成形装置の一態様は、
第1固定型を着脱可能な第1固定型着脱部と、
第2固定型を着脱可能な第2固定型着脱部と、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第1可動型を着脱可能な第1可動型着脱部と、
第1成形材料を、前記第1固定型の第1ゲート開口を介して射出する第1射出ユニットと、
第2成形材料を、前記第2固定型の第2ゲート開口を介して射出する第2射出ユニットと、
前記第1固定型または前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置するように、前記第1可動型着脱部の位置を変更する位置変更部と、
を含み、
前記位置変更部は、
駆動部と、
前記駆動部によって回転する回転軸部材と、
前記回転軸部材と接続され、前記第1可動型着脱部が設けられた回転盤と、
を有し、
前記回転盤は、前記回転軸部材の回転軸を中心に回転し、
前記回転軸部材には、前記第1可動型に通じる、媒体が流れる流路が形成されている。
【0112】
この射出成形装置によれば、装置の簡素化を図ることができる。
【0113】
前記射出成形装置の一態様において、
前記回転軸部材の側面には、
前記流路の媒体流入口に接続され、前記側面を一周する流入溝と、
前記流路の媒体流出口に接続され、前記側面を一周する流出溝と、
が形成され、
前記流入溝および前記流出溝は、互いに離間していてもよい。
【0114】
この射出成形装置によれば、流入溝に媒体を流入させる流入管を、回転軸部材の回転に伴って回転させずに、流路に媒体を流入させることができる。さらに、流出溝から媒体が流出される流出管を、回転軸部材の回転に伴って回転させずに、流出溝から媒体を流出させることができる。
【0115】
前記射出成形装置の一態様において、
前記回転軸部材を射出方向に進退させる型締め部を含み、
前記型締め部は、前記回転軸部材と連動して前記駆動部を移動させてもよい。
【0116】
この射出成形装置によれば、駆動部で発生したトルクを回転軸部材に伝達する機構の簡素化を図ることができる。
【0117】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第2固定型と対向する位置に設けられたエジェクト機構を含み、
前記第1固定型と対向する位置には、エジェクト機構が設けられていなくてもよい。
【0118】
この射出成形装置によれば、装置の簡素化を図ることができる。
【0119】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第1固定型および前記第2固定型の各々と型締め可能に構成された第2可動型を着脱可能な第2可動型着脱部を含み、
前記位置変更部は、
前記第1固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置する場合に、前記第2固定型と対向する位置に前記第2可動型を位置させ、
前記第2固定型と対向する位置に前記第1可動型が位置する場合に、前記第1固定型と対向する位置に前記第2可動型を位置させてもよい。
【0120】
この射出成形装置によれば、第1成形材料および第2成形材料からなる成形品を生産するための生産力を向上させることができる。
【0121】
前記射出成形装置の一態様において、
前記媒体は、前記回転軸部材、前記第1可動型、および前記第2可動型を順に通過して、前記回転軸部材に戻ってもよい。
【0122】
この射出成形装置によれば、連続した1本の流路で2つの可動型を冷却することができる。
【0123】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第1射出ユニットおよび前記第2射出ユニットは、供給された材料を可塑化する可塑化部を有し、
前記可塑化部は、
溝が形成された溝形成面を有するフラットスクリューと、
前記溝形成面に対向する対向面を有し、連通孔が形成されたバレルと、
前記フラットスクリューを収容するケースと、
を有し、
前記フラットスクリューは、
前記溝形成面と交差し、前記材料が導入される導入口が形成された第1側面と、
前記第1側面よりも前記バレルから離れた第2側面と、
を有し、
前記第2側面と前記ケースとの間の距離は、前記第1側面と前記ケースとの間の距離よりも小さくてもよい。
【0124】
この射出成形装置によれば、第2側面とケースとの間に第1成形材料が侵入する可能性を小さくすることができる。
【0125】
前記射出成形装置の一態様において、
前記第1成形材料は、エラストマー樹脂であり、
前記第2成形材料は、エラストマー樹脂ではない樹脂であり、
前記第1射出ユニットにおける前記第2側面と前記ケースとの間の距離は、 前記第2射出ユニットにおける前記第2側面と前記ケースとの間の距離よりも小さくてもよい。
【0126】
この射出成形装置によれば、第2側面とケースとの間に、エラストマー樹脂である第1成形材料が侵入する可能性を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0127】
10…第1射出ユニット、12…第2射出ユニット、20…固定型ユニット、30…可動型ユニット、40…型締め部、42…型締め板、44…型駆動部、46…ボールねじ部、48…スペーサー、50…制御部、60…支持台、62…支持棒、64…タイバー、66…支持棒、100…射出成形装置、110…材料供給部、120…可塑化部、122…スクリューケース、124…スクリュー駆動部、126…シャフト、130…フラットスクリュー、130a…第1部分、130b…第2部分、131…主面、132…溝形成面、133…側面、133a…第1側面、133b…第2側面、134…第1溝、135…中央部、136…接続部、137…材料導入口、140…バレル、142…対向面、144…第2溝、146…連通孔、160…射出部、162…シリンダー、164…プランジャー、166…プランジャー駆動部、168…ノズル、169…ノズル孔、200…射出成形装置、210…固定板、220…第1固定型着脱部、221…挟持部、222…第2固定型着脱部、223…挟持部、230…第1固定型、230a…ノズル挿入孔、230b…第1ゲート開口、232…第2固定型、232b…第2ゲート開口、310…可動板、312…貫通孔、320…第1可動型着脱部、321…挟持部、322…第2可動型着脱部、323…挟持部、330…第1可動型、332…第2可動型、340…位置変更部、341…ベルト、342…駆動部、343…プーリー、344…回転軸部材、346…回転盤、348…エジェクト機構、349…貫通孔、350…筐体、402…側面、404…底面、410…流路、411…第1軸流路、411a…媒体流入口、412…第2軸流路、412a…媒体流出口、414…第1型流路、416…第2型流路、420…流入溝、422…流出溝、430…流入管、432…流出管、434…第1連結管、436…第2連結管、438…第3連結管、441…第1パッキン、442…第2パッキン、443…第3パッキン、444…第4パッキン、445…第5パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13