(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-04
(45)【発行日】2025-08-13
(54)【発明の名称】車両用表示装置、車両用表示システム、車両用表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60K 35/234 20240101AFI20250805BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20250805BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250805BHJP
【FI】
B60K35/234
B60R11/02 C
G08G1/00 D
(21)【出願番号】P 2022103856
(22)【出願日】2022-06-28
【審査請求日】2024-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 宏太
(72)【発明者】
【氏名】登坂 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】久門 仁
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】多賀 柊子
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-029728(JP,A)
【文献】特開2006-171333(JP,A)
【文献】特開2018-160000(JP,A)
【文献】特開2019-174861(JP,A)
【文献】特開2010-231776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 - 37/20
B60R 9/00 - 11/06
B60R 16/00 - 17/02
G01C 21/00 - 21/36
G02B 27/00 - 30/60
G09F 9/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、
前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、
前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示し、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な表示部と、
を備え、
前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い車両用表示装置。
【請求項2】
前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含み、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含まない
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部を備え、
前記表示部が、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときに、前記第2診断結果を表す画像を前記第2態様で表示する請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記車両の運転席の前方に設けられたインストルメントパネルに前記表示部が設けられた請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に
運転者以外の前記乗員である一般乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部を備え、
前記一般乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記モード設定部が、前記車両を前記第2モードに設定する請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2の前記車両用表示装置と、
前記車両の運転診断を実行し且つ前記運転診断結果を生成する運転診断部と、
を備える車両用表示システム。
【請求項7】
車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、
前記車両の運転診断結果を取得するステップ、及び
前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にするステップ、
を有し、
前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い車両用表示方法。
【請求項8】
車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、
前記車両の運転診断結果を取得する処理、及び
前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にする処理、
をコンピュータに
実行させ、
前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低いプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置、車両用表示システム、車両用表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、所定の聴覚情報を特定の乗員に対してのみ呈示可能な聴覚情報提供装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、特定の乗員とは別の乗員に内容を知られないように運転診断に関する情報を表示することに関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、特定の乗員とは別の乗員に内容を知られないように運転診断に関する情報を表示可能な車両用表示装置、車両用表示システム、車両用表示方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用表示装置は、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示し、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な表示部と、を備え、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い。
【0007】
特許請求の範囲及び明細書において、乗員が運転診断結果を表す画像を認識するとは、運転診断結果を表す画像が有する意味を乗員が理解すること、及び、運転診断結果を表す画像を乗員が視覚的に認識すること、の両方の意味を含む。
さらに特許請求の範囲及び明細書において、乗員が第1態様より第2態様の方が認識し難いとは、通常の理解力及び通常の視覚的な認識力を有する乗員にとって、第1態様より第2態様の方が認識し難い、という意味である。
【0008】
請求項1に記載の車両用表示装置では、車両が第2モードにあるとき、表示部が運転診断結果を表す画像を、車両の乗員が第1態様より認識し難い第2態様で表示可能である。ここで、車両の車内にいる複数の乗員の中の一人が特定の乗員(以下、特定乗員と称する)である場合を想定する。この場合、特定乗員を含む全ての乗員にとって、第1態様より第2態様の方が認識し難い。しかし、例えば、運転診断結果を表す画像が有する意味を特定乗員のみが理解していれば、運転診断結果を表す画像が視覚的に認識し難くても特定乗員は運転診断結果の内容を知ることができる。そのため請求項1に記載の車両用表示装置は、特定乗員とは別の乗員に内容を知られないように運転診断に関する情報を表示可能である。
【0010】
請求項1に記載の発明では、第2態様の運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、第1態様の運転診断結果を表す画像より低いので、乗員は第1態様より第2態様の方が認識し難い。
【0011】
請求項2に記載の発明に係る車両用表示装置は、請求項1に記載の発明において、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含み、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含まない。
【0012】
請求項2に記載の発明では、第1態様の運転診断結果を表す画像が文字を含み、第2態様の運転診断結果を表す画像が文字を含まない。そのため乗員は、第1態様より第2態様の方が認識し難い。
【0013】
請求項3に記載の発明に係る車両用表示装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部を備え、前記表示部が、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときに、前記第2診断結果を表す画像を前記第2態様で表示する。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、車両が第2モードにあり且つ取得部が第2診断結果を取得したときに、表示部が第2診断結果を表す画像を第2態様で表示する。従って、例えば第2診断結果が特定乗員以外の乗員に知られることが好ましくない場合に、第2診断結果が特定乗員以外の乗員に知られることを抑制できる。
【0015】
請求項4に記載の発明に係る車両用表示装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記車両の運転席の前方に設けられたインストルメントパネルに前記表示部が設けられた。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、運転席に着座した運転者から表示部までの距離より、運転席の後方に位置する乗員から表示部までの距離が長くなる。そのため、この乗員が、表示部に表示された第2診断結果をより認識し難くなる。従って、例えば第2診断結果がこの乗員に知られることが好ましくない場合に、第2診断結果がこの乗員に知られることを抑制できる。
【0017】
請求項5に記載の発明に係る車両用表示装置は、請求項1又は請求項2の発明において、前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に前記運転者以外の前記乗員である一般乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部を備え、前記一般乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記モード設定部が、前記車両を前記第2モードに設定する。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、乗員判定部が、車両に設けられたセンサの情報に基づいて、車内に運転者以外の乗員である一般乗員がいるか否かを判定する。さらに一般乗員がいると乗員判定部が判定したときに、モード設定部が車両を第2モードに設定する。従って、例えば第2診断結果が一般乗員に知られることが好ましくない場合に、第2診断結果が一般乗員に知られることを抑制できる。
【0019】
請求項6に記載の発明に係る車両用表示システムは、請求項1又は請求項2の前記車両用表示装置と、前記車両の運転診断を実行し且つ前記運転診断結果を生成する運転診断部と、を備える。
【0020】
請求項7に記載の発明に係る車両用表示方法は、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、前記車両の運転診断結果を取得するステップ、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にするステップ、を有し、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い。
【0021】
請求項8に記載の発明に係るプログラムは、車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、前記車両の運転診断結果を取得する処理、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にする処理、をコンピュータに実行させ、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る車両用表示装置、車両用表示システム、車両用表示方法及びプログラムは、特定の乗員とは別の乗員に内容を知られないように運転診断に関する情報を表示可能である、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態に係る車両用表示システムの全体図である。
【
図2】
図1に示される車両のルーフ部を省略して示す模式的な平面図である。
【
図3】
図1に示される車両のECU及び外部サーバの制御ブロック図である。
【
図6】ポジティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を第1態様で表示しているディスプレイを表す図である。
【
図7】ポジティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を第2態様で表示しているディスプレイを表す図である。
【
図8】ネガティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を第1態様で表示しているディスプレイを表す図である。
【
図9】ネガティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を第2態様で表示しているディスプレイを表す図である。
【
図10】インストルメントパネル及び料金メータ装置を示す正面図である。
【
図11】インストルメントパネル及びモード切替スイッチを示す正面図である。
【
図12】外部サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図13】ECUのCPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図14】CPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図15】第2実施形態のECUの機能ブロック図である。
【
図16】第2実施形態のECUに記録された分類リストを示す図である。
【
図17】第2実施形態のCPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る車両用表示装置、車両用表示システム(以下、システムと称する)、車両用表示方法及びプログラムの第1実施形態について
図1~
図14を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示されるように第1実施形態のシステム10は、車両12及び外部サーバ30を備える。なお、第1実施形態の外部サーバ30はタクシー運営会社によって保有され、タクシー運営会社がタクシーとして利用される多数の車両12を保有している。なお、各車両12にはそれぞれIDが付与されている。
【0026】
図2に示されたように、外部サーバ30とネットワークを介してデータ通信可能な車両12の車室14Aには、左右一対の前席16、17が設けられている。なお、
図2に記載された矢印FRは車両前後方向の前方側を示し、矢印LHは車両左右方向(車両幅方向)の左側を示す。前席16、17は最前列の座席である。車室14Aの前端部に設けられたインストルメントパネル20Pの左側の部位にはステアリングホイール15が設けられている。即ち、左側の前席16は運転席であり、右側の前席17は助手席である。さらに車室14Aには、前席16、17の後方に位置する後席18が設けられている。前席16には乗員P1が着座しており、前席17には乗員(一般乗員)P2が着座しており、後席18には乗員(一般乗員)P3が着座している。以下の説明では乗員P1を運転者P1と称する。
【0027】
車両12は、
図1に示されるようにECU(Electronic Control Unit)21、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ(センサ)26、GPS(Global Positioning System)受信機27、ディスプレイ28を有する。車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ26、GPS受信機27及びディスプレイ(表示部)28はECU21に接続されている。なお、以下の説明において、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、操舵角センサ25、車内カメラ26及びGPS受信機27を「情報取得部」と総称することがある。
【0028】
車両12には4つの車輪速センサ22が設けられている。各車輪速センサ22は4つの車輪の車輪速をそれぞれ検出する。アクセル開度センサ23は、車両12の運転席に着座している運転者P1によるアクセルペダルの操作に連動して変化するアクセル開度を検出する。ブレーキ踏力センサ24は、運転者P1がブレーキペダル(図示省略)に入力したブレーキ踏力を検出する。操舵角センサ25は、運転者P1によって操作されるステアリングホイール15の操舵角を検出する。車内カメラ26は、車両12の車内に位置する被写体の画像データを取得する。この被写体には、例えば、運転者P1及び乗員P2、P3が含まれる。GPS受信機27はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両12が走行している位置に関する情報(以下、「位置データ」と呼ぶ)を取得する。所定時間が経過する毎に情報取得部が取得した取得データは、車両12に設けられた車内ネットワークを介してECU21に送信され且つECU21の後述するストレージ21Dに時刻情報と関連付けながら保存される。なお、この車内ネットワークは、例えばCAN(Controller Area Network)である。以下の説明において、情報取得部が取得した取得データを「車両関連情報」と称する場合がある。
【0029】
図2に示されるように、車両12のインストルメントパネル20Pの左右方向の中央部に設けられた、タッチパネルを備えるディスプレイ28は、様々な画像を表示可能である。ディスプレイ28は前席16、17の前方に位置する。
【0030】
図2に示されるようにECU(コンピュータ)21は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21A、ROM(Read Only Memory)21B、RAM(Random Access Memory)21C、ストレージ21D、通信I/F(Inter Face)21E及び入出力I/F21Fを含んで構成されている。CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、通信I/F21E及び入出力I/F21Fは、バス21Zを介して相互に通信可能に接続されている。CPU21Aは、タイマー(図示省略)から日時に関する情報を取得可能である。
【0031】
CPU21Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dからプログラムを読み出し、RAM21Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理(情報処理)を行う。
【0032】
ROM21Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM21Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ21Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。
【0033】
通信I/F21Eは、様々な機器と通信するためのインタフェースである。例えば通信I/F21Eは、車両12に設けられたECU21とは別の機器と上記車内ネットワークを介して通信可能である。これらの機器には、例えば情報取得部が含まれる。さらに通信I/F21Eは、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して外部サーバ30と無線通信可能である。
【0034】
図4にはECU21の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU21は、機能構成として、診断部(運転診断部)(取得部)201、モード設定部202、ディスプレイ制御部203及び通信制御部204を有する。これらの機能構成は、CPU21AがROM21Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0035】
診断部201は、車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、及び操舵角センサ25の取得データに基づいて運転診断を行う。例えば特開2019-12481号公報及び特開2020-95403号公報に開示されているように、これらの取得データに基づいて行われる運転診断の方法は周知である。
【0036】
さらに診断部201は、アクセル開度センサ23の取得データ及び車輪速センサ22の取得データに基づいて、車両12のアクセルペダル操作について運転診断を行う。さらに診断部201は、ブレーキ踏力センサ24の取得データ及び車輪速センサ22の取得データに基づいて、車両12のブレーキペダル操作について運転診断を行う。さらに診断部201は、操舵角センサ25の取得データに基づいてステアリング操作について運転診断を行う。
【0037】
車輪速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキ踏力センサ24、及び操舵角センサ25の取得データに基づく運転診断の結果に関する情報が、リアルタイム運転診断の結果に関する情報である。なお、これらの結果情報は、位置データ及び時刻情報と共にストレージ21Dに記録される。さらに以下の説明では、リアルタイム運転診断の結果を「運転診断結果」と称する。
【0038】
モード設定部202は、ストレージ21Dに記録されたモード設定情報に基づいて、車両12のモードを切り替える。このモードには第1モードと第2モードが含まれる。
【0039】
ディスプレイ制御部203はディスプレイ28を制御する。ディスプレイ制御部203によって制御されたディスプレイ28は運転診断結果に関する情報を所定の表示時間に渡って表示可能である。この表示時間は、例えば5秒間である。
【0040】
但しディスプレイ制御部203は、車両12が第1モードと第2モードの何れにあるかに応じて、ディスプレイ28の制御方法を変える。
【0041】
車両12が第1モードにある場合、ディスプレイ制御部203は、ディスプレイ28に運転診断結果を第1態様で表示させる。一方、車両12が第2モードにある場合、ディスプレイ制御部203は、ディスプレイ28に運転診断結果を第2態様で表示させる。第2態様は第1態様よりも、運転者P1及び乗員P2、P3が認識し難い表示態様である。ここで運転者P1及び乗員P2、P3が、ディスプレイ28に表示された運転診断結果を認識するとは、運転者P1及び乗員P2、P3が運転診断結果を表す画像が有する意味を理解すること、及び、運転者P1及び乗員P2、P3が運転診断結果を表す画像を視覚的に認識すること、の両方の意味を含む。さらに運転者P1及び乗員P2、P3は、通常の理解力及び通常の視覚的な認識力を有するものとする。従って、運転者P1及び乗員P2、P3にとって、第2態様で表示された運転診断結果は第1態様で表示された運転診断結果よりも、運転診断結果が有する意味を理解し難いことがある。また、運転者P1及び乗員P2、P3にとって、第2態様で表示された運転診断結果は第1態様で表示された運転診断結果よりも、視覚的に認識し難いことがある。また、運転者P1及び乗員P2、P3にとって、第2態様で表示された運転診断結果は第1態様で表示された運転診断結果よりも、運転診断結果が有する意味を理解し難く且つ視覚的に認識し難いことがある。
【0042】
但し、運転者P1は、全ての第2態様の運転診断結果の画像が有する意味を理解している。一方、乗員P2、P3は、全ての第2態様の運転診断結果の画像が有する意味を理解していないものとする。
【0043】
例えば
図6及び
図7のディスプレイ28は共に、ポジティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を表示している。
図6の運転診断結果の表示態様が第1態様であり、
図7の運転診断結果の表示態様が第2態様である。
【0044】
図6に示された第1態様の運転診断結果を表す画像28A1は、運転診断結果の内容を表す文字で描かれている。一方、
図7に示された第2態様の運転診断結果を表す画像28A2は、運転診断結果の内容を直接的に表さない図形である。そのため、運転者P1及び乗員P2、P3は、画像28A1が表す意味より画像28A2が表す意味を理解し難い。
【0045】
さらに画像28A1の明度及び彩度よりも画像28A2の明度及び彩度が低い。さらに
図6における画像28A1とディスプレイ28の画像28A1以外の部位の画像28B1とのコントラストよりも、
図7における画像28A2とディスプレイ28の画像28A2以外の部位の画像28B2とのコントラストの方が小さい。そのため、運転者P1及び乗員P2、P3は、画像28A1より画像28A2を視覚的に認識し難い。
【0046】
また、例えば
図8及び
図9のディスプレイ28は共に、ネガティブなアクセルペダル操作に関する運転診断結果を表示している。
図8の運転診断結果の表示態様が第1態様であり、
図9の運転診断結果の表示態様が第2態様である。
【0047】
図8に示された第1態様の運転診断結果を表す画像28C1は、運転診断結果の内容を表す文字で描かれている。一方、
図9に示された第2態様の運転診断結果を表す画像28C2は、運転診断結果の内容を直接的に表さない図形である。そのため、運転者P1及び乗員P2、P3は、画像28C1が表す意味より画像28C2が表す意味を理解し難い。
【0048】
さらに画像28C1の明度及び彩度よりも画像28C2の明度及び彩度が低い。さらに
図8における画像28C1とディスプレイ28の画像28C1以外の部位の画像28D1とのコントラストよりも、
図9における画像28C2とディスプレイ28の画像28C2以外の部位の画像28D2とのコントラストの方が小さい。そのため、運転者P1及び乗員P2、P3は、画像28C1より画像28C2を視覚的に認識し難い。
【0049】
通信制御部204は通信I/F21Eを制御する。通信制御部204によって制御された通信I/F21Eは、外部サーバ30と無線通信可能である。例えば、通信I/F21Eは、外部サーバ30から送信された後述するモード設定情報を受信可能である。モード設定情報を受信した通信I/F21Eは、このモード設定情報をストレージ21Dに記録する。
【0050】
図3に示されるように外部サーバ30は、CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E及び入出力I/F31Fを含んで構成されている。CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E及び入出力I/F31Fは、バス31Zを介して相互に通信可能に接続されている。CPU31A、ROM31B、RAM31C、ストレージ31D、通信I/F31E、入出力I/F31Fは、CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、通信I/F21E、入出力I/F21Fとそれぞれ対応する機能を有する。
【0051】
図5には外部サーバ30の機能構成の一例がブロック図で示されている。外部サーバ30は、機能構成として、設定情報生成部301及び通信制御部302を有する。これらの機能構成はCPU31AがROM31Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0052】
設定情報生成部301は、車両12のモード設定部202が車両12のモードを設定するために利用するモード設定情報を、各車両12毎に生成する。即ち、モード設定情報は車両12のモードを決めるためのルールを表し、且つ、設定情報生成部301が生成するモード設定情報は、各車両12のIDを表すID情報を含んでいる。設定情報生成部301が生成したモード設定情報は、ストレージ31Dに記録される。さらに設定情報生成部301がモード設定情報を更新した場合、設定情報生成部301はストレージ31Dに記録されたモード設定情報を新しい情報に更新する。
【0053】
なお外部サーバ30は情報入力装置(図示省略)を備える。外部サーバ30の管理者(図示省略)は、この情報入力装置を用いて車両12のモードを決めるためのルールを表す情報を入力可能である。情報入力装置を用いて当該情報が入力されると、設定情報生成部301が、入力された情報を表すモード設定情報を生成する。
【0054】
管理者は情報入力装置を用いて様々なモード設定情報を生成可能である。以下の例1~例3はモード設定情報の具体例である。
【0055】
例1:車内カメラ26が取得した画像データに基づいて車両12の車内に運転者P1のみがいるとECU21のCPU(乗員判定部)21Aが判定したときに、モード設定部202によって車両12が第1モードに設定される。一方、車内に運転者P1以外の乗員がいるとECU21が判定したときに、モード設定部202によって車両12が第2モードに設定される。
車内カメラ26が取得した画像はECU21に送信される。ECU21のROM21Bには運転者P1の顔の画像データである判定用データが記録されており、車内カメラ26から取得した画像データが判定用データと一致したときに、ECU21は運転者P1が乗車していると判定する。さらに車内カメラ26から取得した画像データに、判定用データと一致しない人間の画像データが含まれているとき、ECU21は運転者P1以外の乗員が乗車していると判定する。
【0056】
例2:インストルメントパネル20Pに設けられた料金メータ装置20A(
図10参照)が運賃の計算を行っていないときにモード設定部202によって車両12が第1モードに設定される。一方、料金メータ装置20Aが運賃の計算を行っているときにモード設定部202によって車両12が第2モードに設定される。
料金メータ装置20Aに設けられた開始スイッチ20A1が押されたときに、料金メータ装置20Aが運賃の計算を開始する。即ち、料金ディスプレイ20A3に運賃を表す数字が表示される。終了スイッチ20A2が押されたときに運賃の計算が終了する。料金メータ装置20AはECU21に接続されており、CPU21Aは開始スイッチ20A1が押されたこと及び終了スイッチ20A2が押されたことを認識する。通常、運転者P1は、乗員P2、P3が車両12に乗車したときに料金メータ装置20Aに運賃の計算を実行させ、乗員P2、P3が降車するときに終了スイッチ20A2を押す。
【0057】
例3:インストルメントパネル20Pに設けられたモード切替スイッチ20B(
図11参照)が押される毎に、モード設定部202によって、車両12のモードが第1モードと第2モードとの間で切り替えられる。
モード切替スイッチ20BはECU21に接続されており、CPU21Aはモード切替スイッチ20Bが押されたことを認識する。
【0058】
通信制御部302は通信I/F31Eを制御する。通信I/F31Eは、ストレージ31Dに記録されているモード設定情報を、そのモード設定情報に含まれるID情報が示す車両12の通信I/F21Eへ無線送信する。
【0059】
(作用並びに効果)
次に、第1実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0060】
まず外部サーバ30のCPU31Aが行う処理の流れについて、
図12のフローチャートを用いて説明する。CPU31Aは所定時間が経過する毎に、
図12のフローチャートの処理を繰り返し実行する。なお、下記の説明では、
図12並びに後述する
図13、
図14及び
図17の各フローチャートの処理を一つのプロセッサ(CPU)が実行するが、複数のプロセッサ(CPU)が
図12~
図14及び
図17の各フローチャートの処理を実行してもよい。
【0061】
まずS10(以下、「ステップ」の文字を省略する)においてCPU31Aは、情報入力装置を用いて車両12のモードを表す情報が入力されたか否かを判定する。
【0062】
S10でYesと判定したとき、CPU31AはS11へ進み、情報入力装置を用いて入力された情報が表すモード設定情報を生成する。
【0063】
続いてCPU31AはS12へ進み、生成されたモード設定情報を車両12へ無線送信するように通信I/F31Eを制御する。
【0064】
S10でNoと判定したとき又はS12の処理を終えたとき、CPU31Aは
図12のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0065】
続いて、車両12のCPU21Aが行う処理の流れについて説明する。CPU21Aは、所定時間が経過する毎に、
図13及び
図14のフローチャートの処理を繰り返し実行する。まずは
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
S20においてCPU21Aは、ストレージ21Dにモード設定情報が記録されているか否かを判定する。
【0067】
S20でYesと判定したとき、CPU21AはS21へ進み、モード設定情報を参照しながら車両12のモードを所定のモードに設定する。例えば、ストレージ21Dに上記例1のモード設定情報が記録され、且つ、車内カメラ26が取得した画像データに基づいて車両12の車内に運転者P1のみがいるとCPU21Aが判定したときに、CPU21Aは車両12を第1モードに設定する。また、例えば、ストレージ21Dに上記例2のモード設定情報が記録され、且つ、料金メータ装置20Aが運賃の計算を行っているとCPU21Aが判定したときに、CPU21Aは車両12を第2モードに設定する。
【0068】
S20でNoと判定したとき又はS21の処理を終えたとき、CPU21Aは
図13のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0069】
続いて、
図14のフローチャートの処理について説明する。
【0070】
S30においてCPU21Aは、車両関連情報を取得したか否かを判定する。
【0071】
S30でYesと判定したとき、CPU21AはS31へ進み、取得した車両関連情報をストレージ21Dに記録する。
【0072】
続いてCPU21AはS32へ進み、現在時刻と、現在時刻から所定時間だけ前の時刻との間の時間帯において、リアルタイム運転診断を実行するために十分な量の車両関連情報がストレージ21Dに記録されたか否かを判定する。
【0073】
S32でYesと判定したとき、CPU21AはS33へ進み、S32でYesと判定された車両関連情報に基づいてリアルタイム運転診断を実行する。
【0074】
続いてCPU21AはS34へ進み、車両12のモードが第2モードか否かを判定する。
【0075】
S34でNoと判定したとき、CPU21AはS35へ進み、S33で生成された運転診断結果を、ディスプレイ28に第1態様で上記表示時間に渡って表示させる。例えば、S33でアクセルペダル操作に関する運転診断結果が生成された場合は、ディスプレイ28に
図6の画像28A1又は
図8の画像28C1が表示される。
【0076】
一方、S34でYesと判定したとき、CPU21AはS36へ進み、S33で生成された運転診断結果を、ディスプレイ28に第2態様で上記表示時間に渡って表示させる。例えば、S33でアクセルペダル操作に関する運転診断結果が生成された場合は、ディスプレイ28に
図7の画像28A2又は
図9の画像28C2が表示される。
【0077】
S30、32でNoと判定したとき又はS35、36の処理を終えたとき、CPU21Aは
図14のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0078】
以上説明したように第1実施形態では、車両12が第2モードにあるとき、ディスプレイ28が運転診断結果を表す画像を、運転者P1及び乗員P2、P3が第1態様より認識し難い第2態様で表示する。即ち、ディスプレイ28は、運転者P1及び乗員P2、P3が、意味を理解し難く且つ視覚的に認識し難い第2態様で表示する。しかし運転者P1は第2態様で表された運転診断結果を表す画像が有する意味を理解している。そのため運転診断結果を表す画像を見た運転者P1は、運転診断結果を表す画像が視覚的に認識し難くても、運転診断結果の内容を知ることができる。一方、乗員P2、P3は第2態様で表された運転診断結果を表す画像を視覚的に認識し難く、且つ、この画像が有する意味を理解していない。さらに
図2に示されたように、ディスプレイ28は前席16、17の前方に位置するので、乗員P3は特に第2態様で表された運転診断結果を表す画像を視覚的に認識し難い。そのため、乗員P2、P3に第2態様で表示された運転診断結果の内容を知られるおそれが殆どない。
【0079】
さらに、例えば、上記例1のモード設定情報に基づいてモード設定部202によって車両12が第1モードに設定された場合は、運転者P1は、ディスプレイ28に表示された運転診断結果を視覚的に明瞭に認識でき且つ運転診断結果の意味を明確に理解できる。さらにこの場合は車内に運転者P1以外の乗員がいないので、ディスプレイ28にネガティブな運転診断結果が表示されたとしても、このネガティブな運転診断結果が運転者P1以外の乗員に知られることがない。
【0080】
さらに第1実施形態では、外部サーバ30がモード設定情報を生成し、生成されたモード設定情報に基づいて車両12のモードが設定される。そのため外部サーバ30の管理者は、各車両12のモードを決めるためのルールを設定できる。
【0081】
次に、
図15~
図17を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0082】
図15に示されたように、第2実施形態のECU21は、機能構成として、診断部201、モード設定部202、ディスプレイ制御部203、通信制御部204及び分類部205を有する。
【0083】
分類部205は、診断部201が生成した運転診断結果を、ROM21B又はストレージ21Dに記録され且つ
図16に示された分類リスト21Lに基づいて分類する。分類リスト21Lは、運転診断結を2つの属性に分類する。即ち、分類リスト21Lは、運転診断結果の属性として、第1診断結果及び第2診断結果を規定する。第1診断結果はポジティブな運転診断結果であり、第2診断結果はネガティブな運転診断結果である。
【0084】
例えば、滑らかなアクセルペダル操作を表す運転診断結果、優しいブレーキペダル操作を表す運転診断結果、及び滑らかなステアリング操作を表す運転診断結果が、第1診断結果に属する。例えば、急激なアクセルペダル操作を表す運転診断結果、急激なブレーキペダル操作を表す運転診断結果、及び急激なステアリング操作を表す運転診断結果が、第2診断結果に属する。
【0085】
さらに本実施形態のディスプレイ制御部203は、車両12が第2モードにある場合に、運転診断結果の属性に基づいて、運転診断結果の表示態様を決定する。即ち、車両12が第2モードにある場合、ディスプレイ28は第1診断結果を表す画像を第1態様で表示し、第2診断結果を表す画像を第2態様で表示する。
【0086】
(作用並びに効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0087】
第2実施形態のCPU21Aは、所定時間が経過する毎に、
図17のフローチャートの処理を繰り返し実行する。なお、S30~34は説明済みのため、これらの処理の説明は省略する。
【0088】
S34でNoと判定したとき、CPU21AはS37へ進み、S33で生成された運転診断結果を、ディスプレイ28に第1態様で上記表示時間に渡って表示させる。即ち、この場合は、運転診断結果の属性の種類に拘わらず、ディスプレイ28に運転診断結果が第1態様で表示される。
【0089】
一方、S34でYesと判定したとき、CPU21AはS38へ進み、S33で生成された運転診断結果が第2診断結果か否かを判定する。
【0090】
S38でNoと判定したとき、CPU21AはS37へ進む。そのため、S33で生成された第1診断結果が、ディスプレイ28に第1態様で上記表示時間に渡って表示される。
【0091】
一方、S38でYesと判定したとき、CPU21AはS39へ進む。この場合は、S33で生成された第2診断結果が、ディスプレイ28に第2態様で上記表示時間に渡って表示される。
【0092】
S30、32でNoと判定したとき又はS37、39の処理を終えたとき、CPU21Aは
図17のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0093】
以上説明したように第2実施形態では、車両12が第1モードにあるときは、運転診断結果が第1診断結果と第2診断結果のいずれであっても、運転診断結果が第1態様でディスプレイ28に表示される。そのため、運転者P1は、ディスプレイ28に表示された運転診断結果を視覚的に明瞭に認識でき且つ運転診断結果の意味を明確に理解できる。
【0094】
さらに車両12が第2モードにあり且つ診断部201が第1診断結果を生成した場合は、生成された第1診断結果が第1態様でディスプレイ28に表示される。そのため、運転者P1は、ディスプレイ28に表示された第1診断結果を視覚的に明瞭に認識でき且つ第1診断結果の意味を明確に理解できる。この場合は、乗員P2、P3もディスプレイ28を見ることにより、第1診断結果を認識できる。しかし第1診断結果はポジティブな運転診断結果なので、乗員P2、P3が第1診断結果を見ることによって、運転者P1にとって好ましくない状況が発生するおそれは小さい。
【0095】
また、車両12が第2モードにあり且つ診断部201が第2診断結果を生成した場合は、生成された第2診断結果が第2態様でディスプレイ28に表示される。従って、ネガティブな運転診断結果である第2診断結果の内容を乗員P2、P3に知られることなく、運転者P1のみが第2診断結果の内容を知ることが可能である。
【0096】
以上、各実施形態に係る車両用表示装置、システム10、車両用表示方法及びプログラムについて説明したが、これらは本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0097】
例えばディスプレイ28に表示された第2態様の画像の明度及び彩度の一方が、第1態様の画像より低くてもよい。
【0098】
ディスプレイ28に表示された第2態様の画像が文字を含んでもよい。
【0099】
ディスプレイ28を、インストルメントパネル20Pの左右方向の中央部から左側にずれた位置に設けてもよい。このようすれば、前席16からディスプレイ28までの距離より、前席17からディスプレイ28までの距離が長くなる。そのため乗員P2は運転者P1よりも、第2態様で表示された運転診断結果を視覚的に認識し難くなる。なお、前席の右側が運転席の場合は、ディスプレイ28を、インストルメントパネル20Pの左右方向の中央部から右側にずれた位置に設けるのが好ましい。
【0100】
外部サーバ30が診断部201に相当する機能を有し、且つ、車両12から送信された車両関連情報に基づいて外部サーバ30が運転診断を行ってもよい。この場合、外部サーバ30は生成した運転診断結果を車両12の通信I/F(取得部)21Eへ無線送信し、車両12が受信した運転診断結果を分類部205が分類してもよい。
【0101】
また、外部サーバ30が診断部201及び分類部205に相当する機能を有してもよい。この場合は、車両12から送信された車両関連情報に基づいて外部サーバ30が運転診断を行ない、且つ、生成した運転診断結果をROM31B又はストレージ31Dに記録された分類リスト21Lに基づいて分類する。さらに外部サーバ30は、生成した運転診断結果を分類情報と共に車両12へ無線送信する。
【0102】
モード設定情報が、車両12を常に第2モードに設定する内容であってもよい。
【0103】
車両12がタクシーでなくてもよい。
【0104】
分類リスト21Lの内容を、車両12に設けられた音声入力装置(図示省略)又はディスプレイ28に設けられたタッチパネルを用いて変更可能としてもよい。また、外部サーバ30に接続された上記情報入力装置への入力情報を外部サーバ30が車両12へ無線送信し、ECU21がこの入力情報に基づいて分類リスト21Lの内容を変更してもよい。
【0105】
ディスプレイ28に設けられたタッチパネル又は音声入力装置を用いて入力された情報に基づいて、ECU21がモード設定情報を生成してもよい。
【0106】
[付記]
本発明の車両用表示装置は以下の構成1~構成6を任意に組み合わせたものであってもよい。
〈構成1〉車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する、前記車両に設けられたモード設定部と、前記車両の運転診断結果を取得する、前記車両に設けられた取得部と、前記車両が前記第1モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示し、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な表示部と、を備える車両用表示装置。
〈構成2〉前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像の明度及び彩度の少なくとも一方が、前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像より低い車両用表示装置。
〈構成3〉前記第1態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含み、前記第2態様の前記運転診断結果を表す画像が文字を含まない車両用表示装置。
〈構成4〉前記運転診断結果の内容に基づいて、前記運転診断結果を第1診断結果又は第2診断結果に分類する分類部を備え、前記表示部が、前記車両が前記第2モードにあり且つ前記取得部が前記第2診断結果を取得したときに、前記第2診断結果を表す画像を前記第2態様で表示する車両用表示装置。
〈構成5〉前記車両の運転席の前方に設けられたインストルメントパネルに前記表示部が設けられた車両用表示装置。
〈構成6〉前記車両に設けられたセンサの情報に基づいて、前記車両の車内に前記運転者以外の前記乗員である一般乗員がいるか否かを判定する、前記車両に設けられた乗員判定部を備え、前記一般乗員がいると前記乗員判定部が判定したときに、前記表示部が、前記運転診断結果を表す画像を前記第2態様で表示する車両用表示装置。
さらに本発明の車両用表示システムは以下の構成7と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成7〉前記車両用表示装置と、前記車両の運転診断を実行し且つ前記運転診断結果を生成する運転診断部と、を備える車両用表示システム。
さらに本発明の車両用表示方法は以下の構成8と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成8〉車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定するステップ、前記車両の運転診断結果を取得するステップ、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にするステップ、を有する車両用表示方法。
さらに本発明のプログラムは以下の構成9と、構成1~6の少なくとも一つを組み合わせたものであってもよい。
〈構成9〉車両のモードを第1モード及び第2モードの一方に設定する処理、前記車両の運転診断結果を取得する処理、及び前記車両が前記第1モードにあるときは、表示部に、前記運転診断結果を表す画像を第1態様で表示させ、前記車両が前記第2モードにあるときは、前記表示部を、前記運転診断結果を表す画像を、前記車両の乗員が前記第1態様より認識し難い第2態様で表示可能な状態にする処理、をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0107】
10 車両用表示システム(システム)
12 車両
20P インストルメントパネル
21A CPU(乗員判定部)
21E 通信I/F(取得部)
201 診断部(運転診断部)(取得部)
202 モード設定部
205 分類部
26 車内カメラ(センサ)
28 ディスプレイ(表示部)
30 外部サーバ(運転診断部)
P1 乗員(運転者)(特定乗員)
P2 P3 乗員(一般乗員)