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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-04
(45)【発行日】2025-08-13
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/10 20120101AFI20250805BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250805BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250805BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20250805BHJP
【FI】
B60W50/10
G08G1/16 C
B60W60/00
B60W50/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022126987
(22)【出願日】2022-08-09
(65)【公開番号】P2024024265
(43)【公開日】2024-02-22
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雄真
【審査官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-022075(JP,A)
【文献】特開2021-046021(JP,A)
【文献】特開2021-066226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
G10L 15/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行を自律的に制御する走行制御を実行する運転支援装置であって、
前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求し、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する運転支援装置において、
前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を設定し
前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を設定し、
前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である、
運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置において、
前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、前記承認操作を行うことを前記運転者に要求し、
前記車両の走行状況が前記所定の状況ではない場合、前記音声操作処理の内容を前記運転者に報知するが、前記承認操作を行うことを前記運転者に要求しない、
運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置において、
前記第1上限値及び前記第2上限値は、それぞれ、前記走行制御による前記車両の加速度の上限値である、
運転支援装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置において、
前記第1上限値及び前記第2上限値は、それぞれ、前記走行制御による前記車両の加速度の増大率の上限値である、
運転支援装置。
【請求項5】
車両の走行を自律的に制御する走行制御を実行する運転支援方法であって、
前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求し、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する運転支援方法において、
前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を設定する工程と
前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を設定する工程と、
を有しており、
前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である、
運転支援方法。
【請求項6】
車両の走行を自律的に制御する走行制御をエレクトロニックコントロールユニットにより実行する運転支援プログラムであって、
前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求する支援制御であって、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する支援制御を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行する運転支援プログラムにおいて、
前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を前記エレクトロニックコントロールユニットにより設定
前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を前記エレクトロニックコントロールユニットにより設定し、
前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である、
運転支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行を自律的に制御する走行制御を実行する運転支援装置が知られている。走行制御は、例えば、定速走行制御(いわゆるクルーズコントロール)や追従走行制御(いわゆるアダプティブクルーズコントロール)等の自動運転制御である。
【0003】
こうした運転支援装置の1つとして、車両の運転者の発話内容を音声認識し、その音声認識して得た内容に従って走行制御に対して実行する予定の処理(音声操作処理)の内容を運転者に報知するとともに、その報知した内容に対する承認操作を行うことを運転者に要求し、承認操作が行われた場合、音声操作処理を実行する運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-66226号公報
【発明の概要】
【0005】
承認操作を運転者に要求する必要がない状況においては、運転者の負担軽減の観点から、承認操作を運転者に要求せずに音声操作処理を実行することが好ましいが、その音声操作処理の内容が運転者の発話内容とは異なっていた場合、走行制御が運転者の望むものとは異なり、運転者を混乱させてしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっていても、運転者を混乱させてしまう可能性を低くすることができる運転支援装置を提供することにある。
【0007】
本発明に係る運転支援装置は、車両の走行を自律的に制御する走行制御を実行する装置であって、前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求し、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する装置である。本発明に係る運転支援装置は、前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を設定し前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を設定する。前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である。
【0008】
運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっているときに、音声操作処理の実行後の走行制御により車両が大きく加速されると、運転者を混乱させてしまう可能性がある。本発明によれば、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合、走行制御による車両の加速の上限値は、承認操作が行われたことを条件として、音声操作処理が実行された場合の走行制御による車両の加速の上限値よりも小さい値に設定される。このため、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっていても、走行制御により車両が大きく加速されることが抑制されるので、運転者を混乱させてしまう可能性を低くすることができる。
【0009】
尚、本発明に係る運転支援装置は、前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、前記承認操作を行うことを前記運転者に要求し、前記車両の走行状況が前記所定の状況ではない場合、前記音声操作処理の内容を前記運転者に報知するが、前記承認操作を行うことを前記運転者に要求しない、ように構成されてもよい。
【0010】
本発明によれば、車両の走行状況が承認操作を必要としない状況である場合、承認操作を行うことが運転者に要求されない。このため、運転者に承認操作を行うことを要求する頻度を少なくすることができる。
【0011】
又、本発明に係る運転支援装置において、前記第1上限値及び前記第2上限値は、それぞれ、例えば、前記走行制御による前記車両の加速度の上限値である。
【0012】
本発明によれば、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっていても、走行制御により車両が大きく加速されることが抑制されるので、運転者を混乱させてしまう可能性を低くすることができる。
【0013】
又、本発明に係る運転支援装置において、前記第1上限値及び前記第2上限値は、それぞれ、例えば、前記走行制御による前記車両の加速度の増大率の上限値である。
【0014】
本発明によれば、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっていても、走行制御により車両が大きく加速されることが抑制されるので、運転者を混乱させてしまう可能性を低くすることができる。
【0015】
又、本発明に係る運転支援方法は、車両の走行を自律的に制御する走行制御を実行する方法であって、前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求し、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する方法である。本発明に係る運転支援方法は、前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を設定する工程と前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を設定する工程と、を有している。前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である。
【0016】
又、本発明に係る運転支援プログラムは、車両の走行を自律的に制御する走行制御をエレクトロニックコントロールユニットにより実行するプログラムであって、前記車両の運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従って前記走行制御に対して実行する予定の処理である音声操作処理の内容を前記運転者に報知するとともに、該報知した内容に対する承認操作を行うことを前記運転者に要求する支援制御であって、前記承認操作が行われた場合、前記音声操作処理を実行する支援制御を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行するプログラムである。本発明に係る運転支援プログラムは、前記車両の走行状況が前記承認操作を必要とすると判断できる所定の状況ではない場合、前記承認操作が行われることを条件とせずに、前記音声操作処理を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第1上限値を前記エレクトロニックコントロールユニットにより設定前記車両の走行状況が前記所定の状況である場合、前記承認操作が行われることを条件として前記音声操作処理を前記エレクトロニックコントロールユニットにより実行するとともに、前記走行制御による前記車両の加速の上限値として第2上限値を前記エレクトロニックコントロールユニットにより設定する、ように構成されている。前記第1上限値は、前記第2上限値よりも小さい値である。
【0017】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態に係る運転支援装置及びそれが搭載される車両(自車両)を示した図である。
図2図2の(A)は、自車両が定速走行制御により走行されている場面を示した図であり、図2の(B)は、自車両が追従走行制御により走行されている場面を示した図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る運転支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る運転支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る運転支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る運転支援装置について説明する。図1に示したように、本発明の実施形態に係る運転支援装置10は、車両100(以下「自車両100」)に搭載される。
【0020】
運転支援装置10は、ECU90、車両走行装置21、報知装置22、表示装置23、走行制御操作器31、設定速度設定操作器32、車間距離設定操作器33、周辺情報検出装置34、音声認識操作器35、音声取得装置36、承認操作器37及び運転者監視装置38を備えている。
【0021】
ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。
【0022】
尚、本例において、運転支援装置10は、1つのECU90のみを備えているが、複数のECUを備え、それぞれのECUに所定の機能を実現させるように構成されていてもよい。
【0023】
車両走行装置21は、自車両100に駆動力(又は駆動トルク)、制動力(又は制動トルク)及び操舵力(又は操舵トルク)を与える装置である。車両走行装置21は、ECU90に電気的に接続されており、ECU90は、車両走行装置21の作動を制御することができる。
【0024】
報知装置22は、音声を出力する装置であり、本例においては、スピーカー221である。スピーカー221は、ECU90に電気的に接続されており、ECU90は、スピーカー221から各種音声を出力することができる。尚、スピーカー221は、自車両100の運転者が音声を聞き取ることができる箇所に設置されている。
【0025】
表示装置23は、画像を表示する装置であり、本例においては、ディスプレイ231である。ディスプレイ231は、ECU90に電気的に接続されており、ECU90は、ディスプレイ231に各種画像を表示させることができる。尚、ディスプレイ231は、自車両100の運転者がディスプレイ231を視認することができる箇所に設置されている。
【0026】
走行制御操作器31は、走行制御の実行や走行制御の終了をECU90に要求するために運転者により操作されるボタンやスイッチ等の機器であり、例えば、自車両100のハンドルに設けられている。
【0027】
走行制御は、自車両100に対して実行される制御であって、自車両100の走行を自律的に制御する制御であり、特に、自車両100の運動を自律的に変更(制御)する制御である。本例において、走行制御は、定速走行制御及び追従走行制御である。定速走行制御は、自車両100の走行速度Vが一定の速度(設定速度Vset)に維持されるように自車両100を自律的に加減速する制御である。一方、追従走行制御は、自車両100と先行車200との間の距離(車間距離D)が一定の距離(目標車間距離Dtgt)に維持されるように自車両100を自律的に加減速する制御である。尚、車間距離Dは、周辺検出情報ISに基づいて取得される。
【0028】
走行制御操作器31は、ECU90に電気的に接続されている。走行制御操作器31は、操作されると、信号をECU90に送信する。ECU90は、走行制御が実行されていないときに走行制御操作器31から信号を受信すると、走行制御の実行が要求されたと判断する。一方、ECU90は、走行制御が実行されているときに走行制御操作器31から信号を受信すると、走行制御の終了が要求されたと判断する。
【0029】
ECU90は、走行制御の実行が要求されたと判断したときに所定の条件(走行制御前提条件)が満たされている場合において、図2の(A)に示したように、先行車200が存在しない場合、定速走行制御を実行する。尚、走行制御前提条件は、走行制御により自車両100の走行を適切に走行させるための前提となる条件であり、例えば、車両走行装置21等の機器や周辺情報検出装置34等の機器が正常に動作しているとの条件である。尚、先行車200が存在するか否かは、周辺検出情報ISに基づいて判断される。
【0030】
一方、ECU90は、走行制御の実行が要求されたと判断したときに所定の条件(走行制御前提条件)が満たされている場合において、図2の(B)に示したように、先行車200が存在する場合、追従走行制御を実行する。尚、先行車200は、図2の(B)に示したように、自車両100の前方で自車線LNを走行している車両であって、自車両100から所定の距離以内に存在する車両である。尚、図2において、符号LMLは、自車線LNを区画している左側区画線であり、符号LMRは、自車線LNを区画している右側区画線である。
【0031】
設定速度設定操作器32は、定速走行制御における設定速度Vsetを設定するために運転者により操作される機器であり、例えば、自車両100のハンドルに設けられている。本例において、設定速度設定操作器32は、増速ボタン321及び減速ボタン322を含んでいる。増速ボタン321は、設定速度Vsetを増大させるために運転者により操作される機器であり、減速ボタン322は、設定速度Vsetを減少させるために運転者により操作される機器である。
【0032】
増速ボタン321及び減速ボタン322は、ECU90に電気的に接続されている。増速ボタン321及び減速ボタン322は、操作されると、信号をECU90に送信する。ECU90は、定速走行制御の実行中に増速ボタン321から信号を受信すると、設定速度Vsetを増大させる。一方、ECU90は、定速走行制御の実行中に減速ボタン322から信号を受信すると、設定速度Vsetを減少させる。
【0033】
車間距離設定操作器33は、追従走行制御における目標車間距離Dtgtを設定するために運転者により操作される機器であり、例えば、自車両100のハンドルに設けられている。本例において、車間距離設定操作器33は、車間距離増大ボタン331及び車間距離減少ボタン332を含んでいる。車間距離増大ボタン331は、目標車間距離Dtgtを増大させるために運転者により操作される機器であり、車間距離減少ボタン332は、目標車間距離Dtgtを減少させるために運転者により操作される機器である。
【0034】
車間距離増大ボタン331及び車間距離減少ボタン332は、ECU90に電気的に接続されている。車間距離増大ボタン331及び車間距離減少ボタン332は、操作されると、信号をECU90に送信する。ECU90は、追従走行制御の実行中に車間距離増大ボタン331から信号を受信すると、目標車間距離Dtgtを増大させる。一方、ECU90は、追従走行制御の実行中に車間距離減少ボタン332から信号を受信すると、目標車間距離Dtgtを減少させる。
【0035】
周辺情報検出装置34は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、本例においては、電波センサ341及び画像センサ342を備えている。電波センサ341は、例えば、レーダセンサ(ミリ波レーダ等)である。又、画像センサ342は、例えば、カメラである。尚、周辺情報検出装置34は、超音波センサ(クリアランスソナー)等の音波センサやレーザーレーダ(LiDAR)等の光センサを備えていてもよい。
【0036】
電波センサ341は、ECU90に電気的に接続されている。電波センサ341は、電波を自車両100の外に発信するとともに、自車両100の周辺に存在する物体で反射した電波(反射波)を受信する。電波センサ341は、発信した電波及び受信した電波(反射波)に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。別の言い方をすると、電波センサ341は、自車両100の周辺に存在する物体を検知し、その検知した物体に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。ECU90は、その情報(電波情報)に基づいて自車両100の周辺に存在する物体に係る情報を周辺検出情報ISとして取得する。尚、本例において、物体は、車両、自動二輪車、自転車及び人等である。
【0037】
画像センサ342も、ECU90に電気的に接続されている。画像センサ342は、自車両100の周辺を撮像(撮影)し、撮像した画像(撮像画像、撮影画像、カメラ画像)に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報(撮像画像情報、撮影画像情報、カメラ画像情報)に基づいて自車両100の周辺に関する情報を周辺検出情報ISとして取得する。
【0038】
音声認識操作器35は、後述する音声認識処理をECU90に実行させるために運転者が操作する機器であり、本例においては、音声認識スイッチ351である。音声認識スイッチ351は、ECU90に電気的に接続されており、操作されると、信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号を受信した場合、音声認識スイッチ351が操作されたと判定する。
【0039】
音声取得装置36は、音を検出する装置であり、本例においては、マイク361である。マイク361は、ECU90に電気的に接続されており、音を検出すると、その検出した音に対応する信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号を受信すると、その信号に基づいて音を取得することができる。尚、マイク361は、自車両100の運転者の声を検出することができる箇所に設置されている。
【0040】
承認操作器37は、後述するようにマイク361を介して取得した運転者の発話内容を音声認識して得た内容に従った処理(音声操作処理)の実行を承認するために運転者が操作する機器であり、本例においては、承認ボタン371である。承認ボタン371は、ECU90に電気的に接続されている。承認ボタン371は、操作されると、信号をECU90に送信する。ECU90は、運転者の発話内容を音声認識した後、音声操作処理の実行を待機している間に承認ボタン371から信号を受信した場合、承認操作が行われたと判定する。
【0041】
尚、ECU90は、音声操作処理の実行を承認するために運転者が操作する画像(承認画像)をディスプレイ231に表示し、運転者の発話内容を音声認識した後、音声操作処理の実行を待機している間に承認画像がタッチ操作された場合、承認操作が行われたと判定するように構成されてもよい。
【0042】
運転者監視装置38は、自車両100の運転者の様子を監視する装置の1つであり、本例においては、ドライバーモニターカメラ381である。ドライバーモニターカメラ381は、運転者を撮影し、その撮影した運転者の画像データを出力する機器である。ドライバーモニターカメラ381は、運転者を撮影することができるように自車両100に設置されている。ドライバーモニターカメラ381は、ECU90に電気的に接続されている。ドライバーモニターカメラ381は、撮影した運転者の画像データをECU90に送信する。ECU90は、その画像データに基づいて運転者に関する情報(ドライバー情報ID)を取得する。
【0043】
<運転支援装置の作動の概要>
次に、運転支援装置10の作動の概要について説明する。
【0044】
運転支援装置10は、音声認識処理を実行していないときに音声認識スイッチ351が操作された場合、音声認識処理を開始する。一方、運転支援装置10は、音声認識処理を実行しているときに音声認識スイッチ351が操作された場合、音声認識処理を終了する。
【0045】
音声認識処理は、自車両100の運転者の発話内容を音声認識し、その発話内容を音声認識内容として得るための処理であり、本例においては、マイク361を介して取得した運転者の発話内容を音声認識し、その発話内容を音声認識内容として得るための処理である。
【0046】
運転者は、定速走行制御の実行中、増速ボタン321又は減速ボタン322を操作することにより、設定速度Vsetを設定することができるが、音声認識処理が実行されている場合、設定速度Vsetに関する発話を行うことにより、設定速度Vsetを設定することができる。
【0047】
同様に、運転者は、追従走行制御の実行中、車間距離増大ボタン331又は車間距離減少ボタン332を操作することにより、目標車間距離Dtgtを設定することができるが、音声認識処理が実行されている場合、目標車間距離Dtgtに関する発話を行うことにより、目標車間距離Dtgtを変更することができる。
【0048】
運転支援装置10は、音声認識処理の実行中、運転者の発話内容を音声認識内容として取得すると、後述する承認要求条件が成立している場合、その音声認識内容に従って走行制御に対して実行する予定の処理(音声操作処理)の内容を運転者に報知する音声(第1音声)をスピーカー221から出力する。
【0049】
更に、運転支援装置10は、第1音声に続いて、その第1音声により報知した音声操作処理の内容に対する承認操作を行うことを運転者に要求する音声(第2音声)をスピーカー221から出力する。
【0050】
即ち、運転支援装置10は、音声認識処理の実行中、運転者の発話内容を音声認識したときに後述する承認要求条件が成立している場合に限り、第1音声の出力及びそれに続く第2音声の出力を行う。
【0051】
尚、運転支援装置10は、音声認識処理の実行中、運転者の発話内容を音声認識したときに車両運動制御条件を成立しており且つ後述する承認要求条件が成立している場合に限り、第1音声の出力及びそれに続く第2音声の出力を行うように構成されてもよい。車両運動制御条件は、音声操作処理の内容が自車両100の運動を変更する内容であるとの条件である。
【0052】
運転支援装置10は、第2音声をスピーカー221から出力した時点から所定の時間(所定待機時間Tw)が経過するまでに承認操作が行われた場合、音声操作処理を実行する。
【0053】
例えば、運転者が設定速度Vsetとして希望する速度を発話した場合、運転支援装置10は、その発話の内容を音声認識して得た内容(音声認識内容)に従って走行制御に対して実行する予定の処理(音声操作処理)の内容を報知する第1音声及び承認操作を行うことを要求する第2音声をスピーカー221から出力した後、所定待機時間Twが経過するまでに承認操作が行われた場合、音声操作処理(この場合、設定速度Vsetを運転者が発話した設定速度Vsetに設定する処理)を実行する。
【0054】
或いは、運転者が目標車間距離Dtgtとして希望する距離を発話した場合、運転支援装置10は、その発話の内容を音声認識して得た内容(音声認識内容)に従って走行制御に対して実行する予定の処理(音声操作処理)の内容を報知する第1音声及び承認操作を行うことを要求する第2音声をスピーカー221から出力した後、所定待機時間Twが経過するまでに承認操作が行われた場合、音声操作処理(この場合、目標車間距離Dtgtを運転者が発話した目標車間距離Dtgtに設定する処理)を実行する。
【0055】
尚、所定待機時間Twが経過するまでに承認操作が行われなかった場合、即ち、承認操作が行われないまま、所定待機時間Twが経過した場合、運転支援装置10は、音声操作処理を実行しない旨を表す音声をスピーカー221から出力する。尚、この場合、運転支援装置10は、音声操作処理を実行しない。
【0056】
ところで、音声操作処理の内容が自車両100の運動を変更する内容である場合、自車両100の走行安全性を考慮すると、原則的には、音声操作処理の内容が運転者により承認された場合に限定して、音声操作処理を実行することが好ましい。しかしながら、自車両100が環境変化の小さい道路を走行している場合や自車両100が環境の変化大きい道路を走行していても運転者がその環境変化に十分に対応することができる状態にある場合には、音声操作処理の内容を運転者に承認させることなく、音声操作処理を行っても、自車両100の走行安全性を大きく損なう可能性は小さい。
【0057】
そこで、運転支援装置10は、運転者の発話内容を音声認識したときに承認要求条件が成立しているか否かを判定し、承認要求条件が成立している場合には、第1音声及び第2音声の出力を行い、承認操作が行われた場合、音声操作処理を実行する。
【0058】
一方、運転支援装置10は、運転者の発話内容を音声認識したときに承認要求条件が成立していない場合には、第1音声及び第2音声の出力を行わずに音声操作処理を実行する。即ち、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していない場合には、承認操作が行われなくても、音声操作処理を実行する。
【0059】
本例において、承認要求条件は、自車両100の走行に関する状況(自車両の走行状況)が承認操作を必要とすると判断できる所定の状況にあるとの条件、別の言い方をすると、自車両走行状況が承認操作が行われたことを条件とせずに音声操作処理が実行されると、自車両100の走行安全性を確保することができない可能性があると判断できる状況にあるとの条件である。
【0060】
本例においては、承認要求条件としては、自車両100の周辺の環境(車両の周辺環境)が承認操作を必要とすると判断できる所定の環境にあるとの条件、特に、自車両100が走行している道路を取り巻く環境(道路環境)が一定程度以上に大きく変化すると判断できる所定の環境であるとの条件(道路環境条件)、及び/又は、運転者の状態が自車両100の運転操作を適切に行うことができると判断できる所定の状態にないとの条件(運転者状態条件)が採用される。
【0061】
道路環境条件としては、例えば、以下の条件の1つ又は複数が採用される。
【0062】
(1)自車両100が住宅街の道路を走行しているとの条件。尚、この条件が成立しているか否かは、例えば、周辺検出情報ISに基づいて判断されるが、GPS信号から取得した自車両100の現在位置情報と地図情報とに基づいて判断されてもよい。
(2)自車両100が白線等の区画線の設けられていない道路を走行しているとの条件。尚、この条件が成立しているか否かは、例えば、周辺検出情報ISに基づいて判断されるが、GPS信号から取得した自車両100の現在位置情報と地図情報とに基づいて判断されてもよい。
(3)自車両100が信号機の設けられている交差点を走行しているとの条件。尚、この条件が成立しているか否かは、例えば、周辺検出情報ISに基づいて判断されるが、GPS信号から取得した自車両100の現在位置情報と地図情報とに基づいて判断されてもよい。
(4)自車両100が歩道と車道との間にガードレール又は縁石等が設けられていない道路を走行しているとの条件。即ち、自車両100が歩道と車道とが物理的には分離されていない道路を走行しているとの条件。尚、この条件が成立しているか否かは、例えば、周辺検出情報ISに基づいて判断されるが、GPS信号から取得した自車両100の現在位置情報と地図情報とに基づいて判断されてもよい。
(5)自車両100が高速道路等の自動車専用道路を走行しているがその自動車専用道路に中央分離帯等の屈強な構造物が設けられていないとの条件。即ち、自車両100が自動車専用道路を走行しているが自車両100が走行している車線と対向車線とが中央分離帯等の屈強な構造物により分離されていないとの条件。尚、この条件が成立しているか否かは、例えば、周辺検出情報ISに基づいて判断されるが、GPS信号から取得した自車両100の現在位置情報と地図情報とに基づいて判断されてもよい。
【0063】
尚、自車両100が中央分離帯等の屈強な構造物の設けられている自動車専用道路を走行している場合、承認要求条件は、成立しない。
【0064】
又、道路環境条件が成立するか否かの判断は、周辺検出情報ISに基づいて行われる。
【0065】
又、運転者状態条件としては、例えば、以下の条件の1つ又は複数が採用される。
【0066】
(1)運転者が脇見運転をしているとの条件。
(2)運転者が居眠り運転をしているとの条件。
(3)運転者の運転姿勢が崩れているとの条件。
(4)運転者の目が閉じられているとの条件。
【0067】
尚、運転者状態条件が成立するか否かの判断は、ドライバー情報IDに基づいて行われる。
【0068】
ところで、上述したように、承認要求条件が成立しない場合、第1音声の出力が行われずに、音声操作処理が実行されるので、その音声操作処理の内容が運転者の発話内容に一致するか否かを運転者が確認していない状態で、音声操作処理が実行される。従って、仮に、その音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なるものであった場合、走行制御による自車両100の走行が運転者の望むものとは異なることになり、そのとき、例えば、自車両100が運転者の想定よりも大きく加速されたりすると、運転者が混乱してしまう可能性がある。
【0069】
一方、承認要求条件が成立している場合には、第1音声の出力が行われ、それに対して運転者が承認操作を行うことから、運転者は、音声操作処理の内容を理解しており、従って、音声操作処理の実行後の走行制御により、自車両100の走行が制御されても、運転者に混乱を引き起こす可能性は低い。
【0070】
そこで、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していなかった場合において、音声操作処理を実行したときには、走行制御による自車両100の加速の上限値を、承認要求条件が成立していた場合において、音声操作処理を実行したときの走行制御による自車両100の加速の上限値よりも小さい値に設定する。
【0071】
より具体的には、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していなかった場合において、音声操作処理を実行したときには、走行制御による自車両100の加速度の上限値を、承認要求条件が成立していた場合において、音声操作処理を実行したときの走行制御による自車両100の加速度の上限値よりも小さい値に設定する。
【0072】
或いは、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していなかった場合において、音声操作処理を実行したときには、走行制御による自車両100の加速度の増大率の上限値を、承認要求条件が成立していた場合において、音声操作処理を実行したときの走行制御による自車両100の加速度の増大率の上限値よりも小さい値に設定する。
【0073】
これによれば、承認要求条件が成立しておらず、音声操作処理の内容を報知する第1音声の出力を行わずに音声操作処理を実行した場合、走行制御による自車両100の加速度が比較的小さい値以下に制限される。このため、運転者により承認操作が行われたことを条件とせずに、音声操作処理が実行された場合において、音声操作処理の内容が運転者の発話内容と異なっていても、走行制御により自車両100が大きく加速されることが抑制されるので、運転者を混乱させてしまう可能性を低くすることができる。
【0074】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0075】
例えば、上述したように、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していない場合、承認操作が行われなくても、音声操作処理を実行するが、その音声操作処理を実行する前に、第1音声をスピーカー221から出力するように構成されてもよい。或いは、運転支援装置10は、承認要求条件が成立していない場合、音声操作処理を行った後、その行った音声操作処理の内容を報知する音声(第3音声)をスピーカー221から出力するように構成されてもよい。
【0076】
<運転支援装置の具体的な作動>
次に、運転支援装置10の具体的な作動について説明する。運転支援装置10のECU90のCPUは、音声認識処理の実行中、図3に示したルーチンを所定演算周期で実行するように構成されている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図3に示したルーチンのステップS300から処理を開始し、その処理をステップS305に進め、処理中フラグX1の値が「0」であるか否かを判定する。
【0077】
CPUは、ステップS305にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS310に進め、運転者の発話内容を音声認識して音声認識内容を取得したか否かを判定する。
【0078】
CPUは、ステップS310にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS315に進め、車両運動制御条件が成立しているか否かを判定する。
【0079】
CPUは、ステップS315にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS320に進め、承認要求条件が成立しているか否かを判定する。
【0080】
CPUは、ステップS320にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS325に進み、処理中フラグX1の値を「1」に設定する。この場合、図4に示したルーチンにより、第1音声及び第2音声の出力等の処理が実行される。次いで、CPUは、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0081】
一方、CPUは、ステップS320にて「No」と判定した場合、処理をステップS330に進め、第1音声をスピーカー221から出力する。次いで、CPUは、処理をステップS335に進め、音声操作処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップS340に進め、自車両100の加速度の上限値Glimitを第1加速度G1に設定する。これにより、走行制御による自車両100の加速度は、第1加速度G1以下に制限される。尚、第1加速度G1は、後述する第2加速度G2よりも小さい値に設定されている。次いで、CPUは、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0082】
又、CPUは、ステップS315にて「No」と判定した場合、処理をステップS345に進め、音声操作処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップS395に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0083】
又、CPUは、ステップS305又はステップS310にて「No」と判定した場合、処理をステップS395に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0084】
更に、CPUは、音声認識処理の実行中、図4に示したルーチンを所定演算周期で実行するように構成されている。従って、CPUは、所定のタイミングになると、図4に示したルーチンのステップS400から処理を開始し、その処理をステップS405に進め、処理中フラグX1の値が「1」であるか否かを判定する。
【0085】
CPUは、ステップS405にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS410に進め、承認操作が行われたか否かを判定する。
【0086】
CPUは、ステップS410にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS415に進め、音声操作処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップS420に進め、自車両100の加速度の上限値Glimitを第2加速度G2に設定する。これにより、走行制御による自車両100の加速度は、第2加速度G2以下に制限される。次いで、CPUは、処理をステップS425に進め、処理中フラグX1の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップS495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0087】
一方、CPUは、ステップS415にて「No」と判定した場合、処理をステップS420に進め、スピーカー221からの第2音声の出力を中止する。次いで、CPUは、処理をステップS425に進め、音声認識内容を報知する第1音声の出力が完了しているか否かを判定する。
【0088】
一方、CPUは、ステップS410にて「No」と判定した場合、処理を図5に示したルーチンのステップS505に進め、第1音声の出力が完了したか否かを判定する。
【0089】
CPUは、ステップS505にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS510に進め、第2音声の出力が完了したか否かを判定する。
【0090】
CPUは、ステップS510にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS515に進め、第2音声の出力が完了してから所定待機時間Twが経過したか否かを判定する。
【0091】
CPUは、ステップS515にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS520に進め、スピーカー221からの第4音声の出力を実行する。第4音声は、音声操作処理を実行しない旨を報知する音声である。尚、第4音声には、音声操作処理を実行しない理由を報知する音声が含まれていてもよい。次いで、CPUは、処理をステップS525に進め、処理中フラグX1の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理を図4に示したルーチンのステップS495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0092】
一方、CPUは、ステップS515にて「No」と判定した場合、処理をステップS530に進め、不許可条件が成立したか否かを判定する。不許可条件は、自車両100の走行に係る状況(車両の走行状況)が音声操作処理の実行を許可することができないと判断できる所定の状況にあるとの条件であり、例えば、音声操作処理が設定速度Vsetを設定し又は変更する処理であるときにその音声操作処理により設定される設定速度Vsetが自車両100に適用される制限速度を超えることになるとの条件である。
【0093】
CPUは、ステップS530にて「Yes」と判定した場合、処理をステップS535に進め、スピーカー221からの第5音声の出力を実行する。第5音声は、音声操作処理の実行が許可されない旨を報知する音声である。尚、第5音声には、音声操作処理の実行が許可されない理由を報知する音声が含まれていてもよい。次いで、CPUは、処理をステップS540に進め、処理中フラグX1の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理を図4に示したルーチンのステップS495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0094】
一方、CPUは、ステップS530にて「No」と判定した場合、処理を図4に示したルーチンのステップS495に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0095】
又、CPUは、ステップS505にて「No」と判定した場合、処理をステップS545に進め、スピーカー221からの第1音声の出力を実行又は継続する。次いで、CPUは、処理を図4に示したルーチンのステップS495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0096】
又、CPUは、ステップS510にて「No」と判定した場合、処理をステップS550に進め、スピーカー221からの第2音声の出力を実行又は継続する。次いで、CPUは、処理を図4に示したルーチンのステップS495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0097】
以上が運転支援装置10の具体的な作動である。
【符号の説明】
【0098】
10…運転支援装置、21…車両走行装置、22…報知装置、221…スピーカー、31…走行制御操作器、35…音声認識操作器、351…音声認識スイッチ、36…音声取得装置、361…マイク、37…承認操作器、371…承認ボタン、38…運転者監視装置、381…ドライバーモニターカメラ、90…ECU、100…車両(自車両)、200…先行車

図1
図2
図3
図4
図5