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特許7722788体温管理システムを用いた患者の体温調節活動を示す値の決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-04
(45)【発行日】2025-08-13
(54)【発明の名称】体温管理システムを用いた患者の体温調節活動を示す値の決定
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20250805BHJP
   A61F 7/12 20060101ALI20250805BHJP
【FI】
A61F7/00 300
A61F7/12 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022546581
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021016590
(87)【国際公開番号】W WO2021158775
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】62/970,123
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510034982
【氏名又は名称】ゾール サーキュレイション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Circulation,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォールズ、ジョージ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヘルコウスキ、リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】ダブロウィアク、ジェレミー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ、バイロン
(72)【発明者】
【氏名】リー、イルジョン
(72)【発明者】
【氏名】デ、マイケル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】イプ、ショーン ダブリュー.
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509837(JP,A)
【文献】特開2013-248293(JP,A)
【文献】特表2004-538087(JP,A)
【文献】特表2011-504063(JP,A)
【文献】特表2003-506385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0058277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0109267(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0167034(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/00
A61F 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体の温度を制御するための及び前記患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムであって、前記体温調節活動は前記患者の前記体の前記温度を変化させるための前記患者の自律性体温調節機能であり、前記体温管理システムは、
熱交換デバイスと体外制御コンソールとを有する熱交換システムであって、前記熱交換システムは、前記患者の前記体の前記温度を制御しながら前記患者の前記体と熱を交換し、且つ、1または複数のセンサからの、前記熱交換システムによって前記患者に適用される加熱又は冷却の量を表す動作データを記録するように構成されている、熱交換システムと、
前記患者の前記体の温度を示す温度データを測定するように構成されているセンサと、
ユーザ入力を受け取り、視覚的警告と可聴警告とのうち少なくとも1つを発するように構成されているユーザインタフェースと、
前記センサに通信可能に連結されている、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連回路と
を備え、前記プロセッサは、
前記センサから、前記患者の前記体の前記温度を示す前記温度データを受信し、
前記温度データに基づいて、前記患者の前記体の前記温度を目標温度範囲内に維持するために、前記熱交換システムを制御し、
前記制御することに応じて、前記1または複数のセンサから前記動作データを受信し、
前記温度データと前記動作データとに基づいて、前記患者の前記体温調節活動を示す前記値を決定し、ここで、前記値は、予め定められた時間間隔の間に前記患者の前記体の前記温度を第1の値から第2の値へと変化させるのに必要とされる冷却力を表し、前記第1の値および前記第2の値の差は、前記患者の内因性体温調節機構の有効性を示し、
前記値に基づいて、前記ユーザインタフェースを通じて、前記患者の前記体温調節活動を示す警告を生成するように構成されている、体温管理システム。
【請求項2】
前記警告は、スコアを含み、前記スコアは、患者が潜在的な高体温状態又は低体温状態を呈することを示す、請求項1に記載の体温管理システム。
【請求項3】
前記警告は、スコアを含み、前記スコアは、前記患者が、ダメージを受けた又は損なわれた内因性体温調節機構を有することを示す、請求項2に記載の体温管理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記患者の前記体の前記温度を変化させることにおける前記患者の内因性体温調節機構の有効性を決定するように更に構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項5】
前記熱交換デバイスは、前記患者と熱を交換するための血管内熱交換カテーテル又は熱交換表面パッドを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記体温調節活動を示す前記値を決定することに応じて、前記患者の前記体温調節活動を治療するための前記熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項7】
前記センサに連結されているカテーテルを更に備え、前記センサは、前記患者の血液温度を測定するように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、経時的な血液温度の変化に基づいて、前記患者における血液の流量を決定するように構成されている、請求項に記載の体温管理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記血液の流量に基づいて、前記患者の心拍出量値を決定するように構成されており、
前記患者の前記体温調節活動を示す前記警告を生成することは、前記患者の前記心拍出量値が心拍出量閾値を超えることに基づく、請求項に記載の体温管理システム。
【請求項10】
前記熱交換システムは、冷却流体を保管するための流体リザーバを有し、
前記動作データは、前記熱交換システムの前記流体リザーバに関連付けられた流体リザーバ温度を含み、
前記プロセッサは、前記流体リザーバ温度に基づいて、前記患者の前記体温調節活動を示す前記警告を生成するように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
複数の患者についての、あるタイプの動作データの複数の測定結果を含む訓練データを受信し、前記あるタイプの動作データは、前記熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の流量、前記熱交換流体または前記熱交換デバイス内の熱交換プレートの温度変化、前記熱交換流体の圧力、前記熱交換システムの消費電力、または、前記熱交換デバイスのポンプのポンプ速度のうちの1つであり、
前記訓練データに基づいて、前記熱交換システムの前記あるタイプの動作データと、前記患者の前記体温調節活動との関係を決定し、
前記関係に基づいて、前記患者の前記体温調節活動を示す前記警告を生成するために、前記あるタイプの動作データに関連付けられた1又は複数の閾値を調整するように更に構成されており、前記1又は複数の閾値は、前記警告を生成するための前記動作データのある値を示す、請求項1から10のいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項12】
前記患者の前記体温調節活動を示す前記値を決定することは、
機械学習ロジックにおいて、2又はそれより多くのタイプの前記動作データを受信することと、
前記機械学習ロジックを前記2又はそれより多くのタイプの前記動作データに適用することとを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項13】
患者の体の温度を制御するための及び前記患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムであって、前記体温調節活動は前記患者の前記体の前記温度を変化させるための前記患者の自律性体温調節機能であり、前記体温管理システムは、
熱交換デバイスと、体外制御コンソールと、冷却流体を保管するための流体リザーバとを有する熱交換システムであって、前記熱交換システムは、前記患者の前記体の前記温度を制御しながら前記患者の前記体と熱を交換し、且つ、1または複数のセンサからの、前記熱交換システムによって前記患者に適用される加熱又は冷却の量を表す動作データを記録するように構成されており、前記動作データは前記熱交換システムの前記流体リザーバに関連付けられた流体リザーバ温度を含む、熱交換システムと、
前記患者の前記体の温度を示す温度データを測定するように構成されているセンサと、
ユーザ入力を受け取り、視覚的警告と可聴警告とのうち少なくとも1つを発するように構成されているユーザインタフェースと、
前記センサに通信可能に連結されている、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連回路と
を備え、前記プロセッサは、
前記センサから、前記患者の前記体の前記温度を示す前記温度データを受信し、
前記温度データに基づいて、前記患者の前記体の前記温度を目標温度範囲内に維持するために、前記熱交換システムを制御し、
前記制御することに応じて、前記1または複数のセンサから前記動作データを受信し、
前記温度データと前記動作データとに基づいて、前記患者の前記体温調節活動を示す前記値を決定し、
前記値に基づいて、前記流体リザーバ温度に基づいて、前記患者の前記体温調節活動を示す警告を生成するように構成されている、体温管理システム。
【請求項14】
前記警告は、スコアを含み、前記スコアは、患者が潜在的な高体温状態又は低体温状態を呈することを示す、請求項13に記載の体温管理システム。
【請求項15】
前記警告は、スコアを含み、前記スコアは、前記患者が、ダメージを受けた又は損なわれた内因性体温調節機構を有することを示す、請求項14に記載の体温管理システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記患者の前記体の前記温度を変化させることにおける前記患者の内因性体温調節機構の有効性を決定するように更に構成されている、請求項13から15のいずれか一項に記載の体温管理システム。
【請求項17】
前記値は、予め定められた時間間隔の間に前記患者の前記体の前記温度を第1の値から第2の値へと変化させるのに必要とされる冷却力を表し、前記第1の値および前記第2の値の差は、前記患者の内因性体温調節機構の有効性を示す、請求項13から16のいずれか一項に記載の体温管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2020年2月4日に出願された米国特許出願第62/970,123号に対する優先権を米国特許法第119条(e)の下で主張し、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、医療及び工学の分野に関し、特に、患者の体温を制御するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な臨床状況において、被検体の体温を加温する、冷却する、又はその他の方法で制御することが望ましい。例えば、低体温症は、虚血性、無酸素性、又は毒性傷害の影響から様々な器官及び組織(例えば、心臓、脳、腎臓)を保護する目的で、人及び一部の動物において誘発されることがある。例えば、動物試験及び/又は臨床治験は、軽い低体温が、虚血性の心臓事象(例えば、心筋梗塞、急性冠症候群等)、心肺蘇生後のポストアノキシック昏睡、外傷性脳負傷、脳卒中、くも膜下出血、発熱、及び神経負傷に悩まされる動物又は人に、神経保護及び/又は心保護の効果を有し得ることを示唆する。
【0004】
低体温を誘発するための1つの方法は、血管内(intravascular)又は血管内(endovascular)体温管理によるものであり、熱交換カテーテルは、血管に挿入され、熱交換流体は、血管内に挿入されているカテーテルの部分上に位置した熱交換器を通って循環する。熱交換流体がカテーテルの熱交換器を通って循環するにつれ、それは、血管内の熱交換器を通過して流れる血液と熱を交換する。そのような技法を使用して、被検体の流れる血液を冷却し得、それにより、被検体の深部体温をある所望の目標温度まで下げる結果になる。血管内(endovascular)体温管理はまた、体を加温すること、及び/又は、監視された体温をある選択された温度に維持するために体温を制御することが可能である。選択された目標温度からの再加温又は再冷却の制御された速度が望まれる場合、これも、体に追加又は除去される熱量を注意深く制御し、それにより患者の温度変化を制御することによって達成され得る。
【発明の概要】
【0005】
本書類は、熱交換システムを用いて、患者の体の温度を制御するように構成されている体温管理システムを説明する。熱交換システムは、患者の体の温度を制御するために(カテーテル、パッド等といった)熱交換デバイスがどのように動作しているのかを監視することにより、患者の体温調節活動(thermoregulatory activity)を示す値を決定するように構成されている。
【0006】
本明細書において説明される実施例は、1又は複数の利点を提供し得る。体温管理システムは、患者の体温調節応答の問題を示す体温調節活動を示す値を決定し得る。これらの問題は、患者が、患者の体温を制御するために、体温管理システムによって治療されているとき、隠され得る。患者の体温調節応答の問題は、患者が他の手段によって治療されるべき神経ダメージを有することを示してよい。患者の体温調節活動を示す値は、患者が、追加の温度制御、及び/又は温度制御に加えて他の治療的応答を必要とし得る、感染症を有する又は発熱状態を経験していることを示してよい。患者の体温調節活動を示す、決定された値は、患者の加熱又は冷却治療を制御又は変更するために、システムによって使用されてよい。患者の体温調節活動を示す、決定された値は、患者の健康を判断し、患者を治療するためにシステム又は世話をする人によって使用されてよい。例えば、体温管理システムは、ローカルで又はリモート位置において、医療提供者に、患者の体温調節活動を示す値を通知する警告を生成してよく、及び/又は、医療提供者による応答を迅速に誘発するために、別のデバイスに警告を送信してよい。
【0007】
本明細書において説明される実施例は、以下の実施形態のうち1又は複数を含み得る。具体的には、以下の節において説明される実施例は、以下に説明される態様のいずれかの組み合わせで提供されてよいことが理解されるだろう。
【0008】
一様態において、熱交換デバイスと体外制御コンソールとを含む熱交換システムを含む、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムであって、熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように且つ動作データを記録するように構成されている、体温管理システムが提供されている。システムは、患者の体の温度を示す温度データを測定するように構成されているセンサを含んでよい。システムは、ユーザインタフェースであって、ユーザ入力を受け取るように構成されていてよく、視覚的警告と可聴警告とのうち少なくとも1つを発するように構成されていてよいユーザインタフェースを含んでよい。システムは、センサに通信可能に連結されている、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連回路を含む。プロセッサは、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信し、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムを制御し、制御することに応じて、動作データを受信し、温度データと動作データとに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されており、値に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成してよい。警告は、患者の体温調節活動を示して、ユーザインタフェースを通じて、値に基づいて生成されてよい。プロセッサは、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されていてよい。プロセッサは、警告を生成すること及び治療的応答を引き起こすことの両方を行うように構成されていてよい。
【0009】
いくつかの実施例において、警告は、スコアを含み、スコアは、患者が潜在的な高体温状態又は低体温状態を呈することを示す。いくつかの実施例において、警告は、スコアを含み、スコアは、患者がダメージを受けた又は損なわれた内因性体温調節機構を有することを示す。いくつかの実施例において、プロセッサは、患者の体の温度を変化させることにおける患者の内因性体温調節機構の有効性を決定するために構成されている。いくつかの実施例において、値は、予め定められた時間間隔の間にある度数だけ患者の体の温度を変化させるのに必要とされる冷却力を表し、度数は、患者の内因性体温調節機構の有効性を示す。
【0010】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とから選択された1又は複数のタイプの動作データを含む。
【0011】
いくつかの実施例において、熱交換デバイスは、患者と熱を交換するための血管内(intravascular)熱交換カテーテル又は熱交換表面パッドを含む。
【0012】
いくつかの実施例において、プロセッサは、体温調節活動を示す値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されている。いくつかの実施例において、システムは、センサに連結されているカテーテルを含み、センサは、患者の血液温度を測定するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施例において、プロセッサは、血液温度の変化率値が変化率閾値を超えることに応じて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサは、経時的な血液温度の変化に基づいて、質量流量を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサは、質量流量に基づいて、患者の心拍出量値を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す警告を生成することは、患者の心拍出量値が心拍出量閾値を超えることに基づく。
【0014】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムの消費電力値を含む。いくつかの実施例において、プロセッサは、目標温度範囲内に患者の体の温度を維持するために熱交換システムを制御することに関連付けられた消費電力値を決定するように構成されており、患者の体温調節活動を示す警告は、消費電力値が消費電力閾値を超えることに応じて、生成される。
【0015】
いくつかの実施例において、熱交換システムは、冷却流体を保管するための流体リザーバ含む。いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムの流体リザーバに関連付けられた流体リザーバ温度を含む。プロセッサは、流体リザーバ温度に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されていてよい。
【0016】
いくつかの実施例において、プロセッサは、治療提供者に関連付けられた遠隔デバイスに、患者の体温調節活動を示す警告を送信するように構成されている。いくつかの実施例において、遠隔デバイスに患者の体温調節活動を示す警告を送信することは、電話のコール、テキストメッセージ、又はeメールをトリガすることを含む。遠隔デバイスは、ユーザインタフェースを含んでよい。
【0017】
いくつかの実施例において、システムは、プロセッサと通信するように構成されている表示デバイスを含み、患者の体温調節活動を示す警告は、通知を表示デバイスに表示させる。
【0018】
いくつかの実施例において、プロセッサは、複数の患者についての第1タイプの動作データの複数の測定結果を含む訓練データを受信し、訓練データに基づいて、熱交換システムの第1タイプの動作データと、患者の体温調節活動との関係を決定し、関係に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するために、第1タイプの動作データに関連付けられた1又は複数の閾値を調整するように更に構成されている。いくつかの実施例において、患者の体温調節活動は、発熱状態と、感染状態と、低体温状態とのうち少なくとも1つを含む。
【0019】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムは、熱交換デバイスと体外制御コンソールとを含む熱交換システムを含む。熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように且つ動作データを記録するように構成されている。システムは、ユーザインタフェースであって、ユーザ入力を受け取るように構成されていてよく、視覚的警告と可聴警告とのうち少なくとも1つを発するように構成されていてよいユーザインタフェースを含んでよい。システムは、熱交換デバイスに通信可能に連結されている、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連回路を含み、プロセッサは、複数のタイプの動作データのうち第1タイプの動作データの値を受信し、複数のタイプの動作データのうち第2タイプの動作データの値を受信し、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値とのある関係が満たされることを決定するように構成されており、満たされた関係に対応する患者の体温調節活動を示す値を決定し、値に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成してよい。プロセッサは、値に基づいて、ユーザインタフェースを通じて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されていてよい。プロセッサは、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されていてよい。プロセッサは、警告を生成すること及び治療的応答を引き起こすことの両方を行うように構成されていてよい。
【0020】
いくつかの実施例において、第1タイプ及び第2タイプの動作データはそれぞれ、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とのうち1又は複数を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、熱交換デバイスは、患者と熱を交換するためのカテーテル及び表面パッドのうち一方又は両方を含む。
【0022】
いくつかの実施例において、プロセッサは、患者の体温調節活動を示す値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されている。
【0023】
いくつかの実施例において、熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含む。いくつかの実施例において、自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入である。いくつかの実施例において、熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。
【0024】
いくつかの実施例において、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値とのある関係が満たされることを決定することは、第1タイプの動作データの値が第1の閾値を超えることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の閾値を超えることを決定することを含む。いくつかの実施例において、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値との関係が満たされることを決定することは、第1タイプの動作データの値が第1の予め定められた値の範囲内にあることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の予め定められた値の範囲内にあることを決定することを含んでよい。
【0025】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムであって、熱交換デバイスと体外制御コンソールとを含む熱交換システムを含む体温管理システムが提供されている。熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように且つ熱交換デバイスの動作を表す動作データを記録するように構成されていてよい。システムは、ユーザインタフェースであって、ユーザ入力を受け取るように構成されていてよく、視覚的警告と可聴警告とのうち少なくとも1つを発するように構成されていてよいユーザインタフェースを含んでよい。システムは、熱交換システムに通信可能に連結されている、プロセッサ、命令を記憶するメモリ、及び関連回路を含む。プロセッサは、動作データを受信し、動作データに対応する患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されおり、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こしてよい。プロセッサは、値に基づいて、ユーザインタフェースを通じて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されていてよい。プロセッサは、警告を生成すること及び治療的応答を引き起こすことの両方を行うように構成されていてよい。
【0026】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とのうち1又は複数を含む。
【0027】
いくつかの実施例において、熱交換デバイスは、患者と熱を交換するためのカテーテル及び表面パッドのうち一方又は両方を含む。
【0028】
いくつかの実施例において、熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含む。いくつかの実施例において、自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入である。いくつかの実施例において、熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。
【0029】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための方法であって、プロセッサが、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信する段階と、プロセッサが、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムを制御する段階であって、熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように且つ熱交換システムの動作を表す動作データを記録するように構成されている、制御する段階と、プロセッサが、制御する段階に応じて、動作データを受信する段階と、温度データと動作データとに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する段階とを含み、プロセッサが、患者の体温調節活動を示す警告を生成する段階を含んでよい、方法が提供されている。方法は、プロセッサに、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こさせる段階を含んでよい。
【0030】
いくつかの実施例において、警告は、スコアを含み、スコアは、患者が潜在的な高体温状態又は低体温状態を呈することを示す。いくつかの実施例において、警告は、スコアを含み、スコアは、患者がダメージを受けた又は損なわれた内因性体温調節機構を有することを示す。
【0031】
いくつかの実施例において、行動は、患者の体の温度を変化させることにおける患者の内因性体温調節機構の有効性を決定することを含む。
【0032】
いくつかの実施例において、値は、予め定められた時間間隔の間にある度数だけ患者の体の温度を変化させるのに必要とされる冷却力を表し、度数は、患者の内因性体温調節機構の有効性を示す。
【0033】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とのうち1又は複数を含む。
【0034】
いくつかの実施例において、熱交換システムは、患者と熱を交換するためのカテーテル及び表面パッドのうち一方又は両方を含む。
【0035】
いくつかの実施例において、プロセッサは、体温調節活動を示す値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されている。
【0036】
いくつかの実施例において、カテーテルは、センサに連結されており、センサは、患者の血液温度を測定するように構成されている。
【0037】
いくつかの実施例において、プロセッサは、血液温度の変化率値が変化率閾値を超えることに応じて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサは、経時的な血液温度の変化に基づいて、質量流量を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサは、質量流量に基づいて、患者の心拍出量値を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す警告を生成することは、患者の心拍出量値が心拍出量閾値を超えることに基づく。
【0038】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムの消費電力値を含み、プロセッサは、目標温度範囲内に患者の体の温度を維持するために熱交換システムを制御することに関連付けられた消費電力値を決定するように構成されている。患者の体温調節活動を示す警告は、消費電力値が消費電力閾値を超えることに応じて、生成されてよい。
【0039】
いくつかの実施例において、熱交換システムは、冷却流体を保管するための流体リザーバ含む。動作データは、熱交換システムの流体リザーバに関連付けられた流体リザーバ温度を含む。プロセッサは、流体リザーバ温度に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するように構成されていてよい。
【0040】
いくつかの実施例において、プロセッサは、治療提供者に関連付けられた遠隔デバイスに、患者の体温調節活動を示す警告を送信するように構成されている。いくつかの実施例において、遠隔デバイスに患者の体温調節活動を示す警告を送信することは、電話のコール、テキストメッセージ、又はeメールをトリガすることを含む。遠隔デバイスは、ユーザインタフェースを含んでよい。
【0041】
いくつかの実施例において、表示デバイスは、プロセッサと通信するように構成されている。患者の体温調節活動を示す警告は、通知を表示デバイスに表示させてよい。
【0042】
いくつかの実施例において、行動は、プロセッサが、複数の患者についての第1タイプの動作データの複数の測定結果を含む訓練データを受信する段階と、プロセッサが、訓練データに基づいて、熱交換システムの第1タイプの動作データと、患者の体温調節活動との関係を決定する段階と、プロセッサが、関係に基づいて、患者の体温調節活動を示す警告を生成するために、第1タイプの動作データに関連付けられた1又は複数の閾値を調整する段階とを含む。いくつかの実施例において、患者の体温調節活動は、発熱状態と、感染状態と、低体温状態とのうち少なくとも1つを含む。
【0043】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための方法であって、プロセッサが、患者の体と熱を交換するように構成されている熱交換システムに関連付けられた複数のタイプの動作データのうち第1タイプの動作データの値を受信する段階と、プロセッサが、複数のタイプの動作データのうち第2タイプの動作データの値を受信する段階と、プロセッサが、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値とのある関係が満たされることを決定する段階と、プロセッサが、満たされた関係に対応する患者の体温調節活動を示す値を決定する段階とを含み、患者の体温調節活動を示す警告を生成する段階を含んでよい、方法が提供されている。警告は、ユーザインタフェースを通じて、生成されてよい。方法は、プロセッサに、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こさせる段階を含んでよい。
【0044】
いくつかの実施例において、動作データのタイプは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とのうち2又はそれより多くを含む。熱交換システムは、患者と熱を交換するためのカテーテル及び表面パッドのうち一方又は両方を含んでよい。プロセッサは、患者の体温調節活動を示す値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こすように構成されていてよい。熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含んでよい。自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入であってよい。熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値との関係が満たされることを決定することは、第1タイプの動作データの値が第1の閾値を超えることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の閾値を超えることを決定することを含んでよい。第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値との関係が満たされることを決定することは、第1タイプの動作データの値が第1の予め定められた値の範囲内にあることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の予め定められた値の範囲内にあることを決定することを含んでよい。
【0045】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための方法であって、プロセッサが、熱交換デバイスと体外コンソールとを有する熱交換システムに関連付けられた動作データを受信する段階であって、熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように構成されている、受信する段階と、プロセッサが、動作データに対応する患者の体温調節活動を示す値を決定する段階とを含み、プロセッサが、値を決定する段階に応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答を引き起こさせる段階を含んでよい、方法が提供されている。方法は、プロセッサが、患者の体温調節活動を示す警告を生成する段階を含んでよい。
【0046】
いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とのうち1又は複数を含む。いくつかの実施例において、熱交換システムは、患者と熱を交換するためのカテーテル及び表面パッドのうち一方又は両方を含む。
【0047】
いくつかの実施例において、熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含む。いくつかの実施例において、自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入である。いくつかの実施例において、熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。
【0048】
いくつかの実施例において、プロセッサは、患者の体の温度の変化率を決定し、患者の温度の変化率及び動作データに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定するように更に構成されている。いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換システムの圧力と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換システムの体外の温度と、熱交換システム内の温度と、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度と、熱交換システム内の熱交換プレートの温度と、熱交換システムの電力消費と、熱交換システムのポンプのポンプ速度とから選択される1又は複数のタイプの動作データを含む。
【0049】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための体温管理システムが提供されている。システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように且つ熱交換デバイスの動作を表す動作データを記録するように構成されている熱交換システムを含む。システムは、少なくとも動作データに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されているプロセッサを含む。動作データは、熱交換デバイスの動作を表すデータであってよい。動作データは、患者の体の温度を含まない場合がある。警告は、患者の体温調節活動を示す値に基づいて、生成されてよい。患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイス若しくはシステムによる治療的応答は、患者の体温調節活動を示す値に基づいて、提供されてよい。プロセッサは、警告を生成すること及び治療的応答を引き起こすことの両方を行うように構成されていてよい。システムは、熱交換デバイスに通信可能に連結されている、命令を記憶するメモリ及び関連回路を含んでよい。
【0050】
一様態において、患者の体の温度を制御するための及び患者の体温調節活動を示す値を決定するための方法であって、プロセッサが、熱交換システムは、患者の体の温度を制御しながら患者の体と熱を交換するように構成されている熱交換システムに関連付けられた動作データを受信する段階と、プロセッサが、少なくとも動作データに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する段階とを含む、方法が提供されている。
【0051】
一実施例において、プロセッサは、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信し、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムを制御し、制御することに応じて、動作データを受信し、温度データと動作データとに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されていてよい。
【0052】
一実施例において、プロセッサは、複数のタイプの動作データのうち第1タイプの動作データの値を受信し、複数のタイプの動作データのうち第2タイプの動作データの値を受信し、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値とのある関係が満たされることを決定し、満たされた関係に対応する患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。
【0053】
一実施例において、プロセッサは、動作データを受信し、動作データに対応する患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。
【0054】
動作データは、センサを用いて測定される患者の体の温度を含まない場合がある。
【0055】
前述の実施例と同様に、以下の実施例のそれぞれが、前述の態様及び実施例のいずれかとの組み合わせで用いられてよいことが意図される。
【0056】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換流体の流量を、熱交換流体の流量についての値の正常な範囲と比較することであって、正常な範囲は、50mL/分から300mL/分までである、比較することと、比較することに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換流体の圧力を、熱交換流体の圧力についての値の正常な範囲と比較することであって、正常な範囲は、20ポンド毎平方インチ(psi)から40psiまで(約140から275kPaまで)である、比較することと、比較することに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0057】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換流体の温度の変化(ΔT)を、熱交換流体のΔTについての値の正常な範囲と比較することであって、正常な範囲は、5℃から20℃までである、比較することと、比較することに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0058】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、少なくとも1つの熱交換プレートの温度を、少なくとも1つの熱交換プレートの温度についての値の正常な範囲と比較することであって、正常な範囲は、5℃から30℃までである、比較することと、比較することに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0059】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、ポンプ速度の値を、ポンプ速度についての値の正常な範囲と比較することであって、正常な範囲は、5回転毎分(rpm)から20rpmまで(5/minから20/minまで)である、比較することと、比較することに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0060】
いくつかの実施例において、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の流量の正常な動作範囲は、およそ50mL/分から300mL/分までの間である。いくつかの実施例において、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の圧力の正常な動作範囲は、20ポンド毎平方インチ(psi)から40psiまで(約140から275kPaまで)である。いくつかの実施例において、熱交換システムを通って循環する熱交換流体の温度の正常な動作範囲は、5℃から20℃までである。いくつかの実施例において、熱交換システム内の熱交換プレートの温度の正常な動作範囲は、5℃から30℃までである。いくつかの実施例において、熱交換システムのポンプのポンプ速度の正常な動作範囲は、5回転毎分(rpm)から20rpmまで(5/minから20/minまで)である。
【0061】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、機械学習ロジックにおいて、2又はそれより多くのタイプの動作データを受信することと、機械学習ロジックを2又はそれより多くのタイプの動作データに適用することとを含む。
【0062】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換流体の流量を表す動作データを受信することと、熱交換流体の温度の変化(ΔT)若しくは熱交換プレートの温度又はその両方を表す動作データを受信することと、流量と、熱交換流体のΔT若しくは熱交換プレートの温度又はその両方とに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0063】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換流体の流体圧を表す動作データを受信することと、熱交換流体の温度の変化(ΔT)若しくは熱交換プレートの温度又はその両方を表す動作データを受信することと、流体圧と、熱交換流体のΔT若しくは熱交換プレートの温度又はその両方とに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0064】
いくつかの実施例において、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、熱交換システムのポンプ速度を表す動作データを受信することと、熱交換流体の温度の変化(ΔT)若しくは熱交換プレートの温度又はその両方を表す動作データを受信することと、熱交換システムのポンプ速度と、熱交換流体のΔT若しくは熱交換プレートの温度又はその両方とに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することとを含む。
【0065】
一態様によれば、プロセッサに本明細書において開示される任意の方法を実行させるように構成されている命令を含むコンピュータープログラムコードが提供されている。コンピュータープログラムコードは、非一時的コンピュータ可読媒体上で記憶されてよい。
【0066】
1又は複数の実施形態の詳細は、添付図面において及び以下の説明において記載されている。他の特徴及び利点は、説明及び図面から及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】体温管理システムの一実施形態を示す。
【0068】
図2A】開位置においてアクセスカバーを有する制御コンソールの左/正面斜視図である。
【0069】
図2B】制御コンソールの左/背面斜視図である。
【0070】
図3図1図2Bのシステムを、いずれもシステムに接続及び協同して使用されてよい、複数の熱交換カテーテルの部分的な図と組み合わせて示す。
【0071】
図4図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0072】
図5図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0073】
図6図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスを含むフロー図を示す。
【0074】
図7A】警告を提示する例示的なユーザインタフェースを示す。
図7B】警告を提示する例示的なユーザインタフェースを示す。
【0075】
図8図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。
図9図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。
図10図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。
図11図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。
図12図1図3のシステム等の熱交換システムの動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。
【0076】
図13】例示的なコンピューティングシステムの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
本書類は、熱交換システムを用いて、患者の体の温度を制御するように構成されている体温管理システムを説明する。熱交換システムは、熱交換デバイス、例えば、血管内熱交換カテーテル、又は熱交換パッド等の患者の表面に適用される熱交換器を含む。熱交換システムは、後で説明されるような、体外制御コンソールを含む。体温管理システムは、患者の体の温度を制御するために熱交換システムがどのように動作しているのかを監視することにより、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。一般的に、システム又は医療提供者は、患者の健康を判断するのに用いられる重要なバイタルサインとして、患者の体の温度を信頼し得る。患者の体温調節活動又は応答は、患者の体温を人工的に上げる、下げる、又は維持するように行動する熱交換システムによって隠されるので、患者の温度読み取り値自体は、患者の健康を判断するのに信頼性のあるパラメータではない場合がある。
【0078】
患者の体の温度を制御するためのシステムは、例えばシステムの熱交換デバイスに関連付けられた1又は複数のセンサを介して、熱交換システムの動作を説明する動作データを受信するように、及び患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されているプロセッサを含んでよい。プロセッサは、患者の体の温度を示す温度データを受信してよく、温度データ及び/又はデバイス動作データを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定してよい。患者の体温調節活動を示す値は、患者の体温が、熱交換システムによってどのように変化しているのかに関する更なる状況又は見識を提供し得る。患者の体温調節活動を示す値は、患者の状態に対して、システム又は世話をする人の注意を喚起し、また、患者の健康を判断するためにシステム又は世話をする人によって用いられる因子である。この決定された値は、感染症又は体温調節障害等の、熱交換システムによって隠されている患者が経験する有害な健康状態に関する予測的な情報を提供してよい。例えば、体温管理システムによって決定された値は、患者の体温調節応答が、この所望の制御から体温を上げる又は下げることを試みることによる体温管理システムによる温度制御に抵抗しているどうか、又はどの程度抵抗しているのかを示し得る。患者が有害な健康状態を有する場合、患者の体は、熱交換システムによる体温の変化に、想定より大きく又は小さく抵抗してよい。結果として、熱交換システムは、より多くのリソース(例えばより多くの電力)を必要としてよく、又は、健康な患者に想定されるのと比べて異なるように(例えばより高い圧力又は流量で)動作してよい。いくつかの実施例において、体温調節活動を示す値は、患者による正常な体温調節応答(例えば、「公称」健康状態)、発熱状態、感染状態、低体温状態、高体温状態、又はこれらの何らかの組み合わせを示してよい。
【0079】
概して、体温管理システムは、熱交換デバイスが患者の体温をどのように制御しているのかを決定するために、熱交換システムの動作データの値を測定するように構成されている。動作データは、熱交換システムがどのように動作しているかを説明する任意のデータを含み得る。動作データの例は、図面と関連して後で説明される。
【0080】
体温管理システムは、動作データに基づいて、所与の値に患者の体温を維持するために、熱交換システムがどのくらい熱心に作動しているか又は熱交換システムがどのくらい努力しているかを決定するように構成されている。体温管理システムは、熱交換システムの動作データの値を分析することにより、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。動作データの値は、熱交換システムがどのように動作しているかに関する見識を提供する。熱交換システムの熱交換デバイスを含む熱交換システムの動作は、患者の体温調節活動の指標を提供する。例えば、熱交換デバイスが、正常体温に患者を維持するために、高レベルの冷却力を供給している場合、体温管理システムは、患者の体温調節活動を示す高い値を決定してよい。この場合、患者に供給されている高レベルの冷却力に関連付けられた高い体温調節活動の値は、発熱状態(例えば、熱交換デバイスが患者の体を冷却しなかった場合に患者が有するであろう上げられた体温)を示してよい。この具体例は、一般的な例示のための例として、ここで提供されているが、多くの異なる熱交換システムの動作データの例及び関連付けられた患者の体温調節活動の例が、図面を基準にして更に詳細に後で説明される。
【0081】
患者の体温調節活動を示す決定された値は、患者の健康を予測する。例えば、上に説明したように、患者が発熱している場合、彼又は彼女は、高い体温調節活動を有するかもしれない。別の例において、患者が(例えば心停止を経験した後に)脳等の体温調節中枢に負傷を経験した場合、体温調節活動は、患者が熱交換システムによる体温管理に抵抗することができないほど低いかもしれない。体温調節活動又は能力は、体温調節中枢/脳又は関係する神経経路に対する負傷又は損ないの程度と相関関係があってよい。
【0082】
図1は、本開示の一実施形態による、人の患者の体温を制御する動作時の体温管理システムを示す。体温管理システムは、熱交換システム10を含み得る。ユーザインタフェース、処理デバイス、センサ、及び他の体温管理システムのコンポーネントが、熱交換システム10に含まれてよい。この熱交換システム10は、概して、熱交換カテーテル12と、体外制御コンソール14と、管/カセット/センサモジュールアセンブリ60又はカテーテル12の制御コンソール14への接続を容易にするカセットアセンブリと、温度センサ56とを含む。いくつかの実施例において、カテーテル12と、管/カセット/センサモジュールアセンブリ60又はカセットアセンブリと、温度センサ56とは、1回の使用が意図された使い捨て部材であってよく、その一方で、制御コンソール14は、複数回の使用が意図された非使い捨てデバイスであってよい。
【0083】
示された実施形態において、血管内(intravascular)熱交換カテーテル12は、細長いカテーテル本体16と、カテーテル本体16の遠位部分上に位置する熱交換器18とを含む。流入及び流出管腔(図示されていない)は、熱交換器18を通じた、熱交換流体(例えば、滅菌0.9%塩化ナトリウム溶液又は他の好適な熱交換流体)の循環を容易にするために、カテーテル本体16内に存在する。必要に応じて、カテーテルシャフト16はまた、カテーテル本体16を通って延び、カテーテル本体16の遠位端における開口部において遠位に終結する作業用管腔(図示されていない)を含んでよい。そのような作業用管腔は、カテーテル12の挿入及び位置を容易にするガイドワイヤ管腔として機能してよく、及び/又は、流体、薬剤、又は他のデバイスの供給のためにカテーテル12を挿入した後に用いられてよい。例えば、図1に示されるように、いくつかの実施形態において、温度センサ56は、カテーテルの作業用管腔を通って挿入され、カテーテル本体16の遠位端を超えた位置へと遠位端開口部の外へ進ませられてよい。代替的に、他の実施形態において、温度センサ56は、所望の体温を検知するために、被検体の体上の又は内の様々な他の位置に位置されてよい。本明細書に説明された実施形態では、様々な熱交換カテーテルが使用されてよい。
【0084】
用いられてよい他の熱交換カテーテル及び関連装置の非限定的な例は、「Heat exchange catheter and their methods of manufacture and use」という表題の、2016年11月15日に発行された米国特許第9,492,633号、及び「Endovascular Cooling Catheter System Which Employs Phase-Changing Heat Exchange Media」という表題の、2012年9月28日に出願された米国出願公開第2013/0090708号、「Heat Exchange Catheters with Bi-Directional Fluid Flow and Their Methods of Manufacture and Use」という表題の、2017年5月30日に発行された米国特許第9,662,243号、「Patient Temperature Control Catheter with Helical Heat Exchange Paths」という表題の、2018年8月14日に発行された米国特許第10,045,881号、「Self-Centering Patient Temperature Control Catheter」という表題の、2016年4月19日に発行された米国特許第9,314,370号、「Intravascular Heat Exchange Catheter with Multiple Spaced Apart Discrete Coolant Loops」という表題の、2016年1月26日に発行された米国特許第9,241,827号、「Intravascular Heat Exchange Catheter with Non-Round Coiled Coolant Path」という表題の、2017年8月1日に発行された米国特許第9,717,625号、「Intravascular Heat Exchange Catheter With Rib Cage-Like Coolant Path」という表題の、2016年9月6日に発行された米国特許第9,433,526号、「High Efficiency Heat Exchange Catheters For Control Of Patient Body Temperature」という表題の、2016年12月30日に出願された第2018/0185193号、「Fluid-Circulating Catheters Useable for Endovascular Heat Exchange」という表題の、2016年12月30日に出願された米国特許出願第2018/018519号、及び「Managing Patient Body Temperature Using Endovascular Heat Exchange In Combination With Body Surface Heat Exchange」という表題の、2017年1月23日に出願された第2018/0207024号において説明されており、そのような特許及び出願のそれぞれの全開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。この発明において用いられてよいカテーテルの他の例は、Cool Line(登録商標)カテーテル、Icy(登録商標)カテーテル、Quattro(登録商標)カテーテル、Solex 7(登録商標)カテーテル等の、カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.から商業的に入手可能なものを含む。また、参照により本明細書に組み込まれるものは、「Advanced Systems and Methods for Patient Body Temperature Control」という表題の、2017年5月12日に出願された米国特許出願番号第2018/0325725号の全開示である。
【0085】
体外制御コンソール14は、概して、メインハウジング20と、コンソールヘッド24とを含む。メインハウジング20は、熱交換流体を制御された温度まで加温/冷却するための、及び、そのような加温された又は冷却された熱交換流体を、カテーテル18を通じてポンプして、効果的に被検体の体温を変更及び/又は制御するための、様々な装置及び回路を含む。コンソールヘッド24は、タッチスクリーンシステム等の表示デバイス又はユーザインタフェースを含み、これにより、特定の情報がシステム10のユーザによって入力されてよく、特定の情報がシステム10のユーザに表示されてよい。ハウジング20上には、図1に示されるような、熱交換カテーテル12を通って挿入される温度センサ56の接続のための第1接続ポート40、並びに追加の又は代替的なタイプの温度センサ及び/又は他の装置の接続のための他の接続ポート36、38が提供されている。
【0086】
管/カセット/センサモジュールアセンブリ60又はカセットアセンブリ(その一例は、更なる詳細には図3を参照)は、概して、センサモジュール34と、流入導管32と、流入コネクタ33と、流出導管30と、流出コネクタ35と、温度リード線58と、温度リード線コネクタ31と、圧力リード線54と、カセット64と、カセットハウジング62と、蠕動ポンプ管65とを含む。特定の実施形態において、ポンプチューブは、所望の期間にわたる連続的な又は断続的な使用に好適な、例えば、20分から12時間若しくは1時間から7日間又はそれより長い期間にわたる使用に好適な材料からできていてよい。そのような材料の例には、Elastollan(登録商標)、Norprene(登録商標)、及び他の類似材料が含まれる。
【0087】
カセットハウジング62は、拡張可能な容器又はバッグ63の側縁をサポートするフレーム69に取り付けられている。特定の実施形態において、容器又はバッグは、使用又は製造中に破損するのを防止するのに好適な厚みを有する1又は複数の側面を含んでよい。例えば、厚みは、0.001インチ~0.005インチ(約0.025~0.13mm)であってよい。特定の実施形態において、厚みは、約0.002インチ(約0.05mm)であってよい。拡張可能な容器又はバッグの下縁63aは、密閉されており、支柱を含んでよい。
【0088】
図2A図2Bは、ハウジング20内のコンポーネントの更なる詳細と、管/カセット/センサモジュールアセンブリ60又はカセットアセンブリが、制御コンソール14に挿入及び接続される態様とを示す。制御コンソール14は、開かれているときに、スペース66を受け入れるカセットへのカセット64の挿入、並びに、以下に説明するシステムの他のコンポーネントへの管/カセット/センサモジュールアセンブリ60又はカセットアセンブリの他の接続を許可する開閉可能なアクセスカバー42を有する。アクセスカバー42上の磁石44は、磁気センサ46と相互に作用して、アクセスカバー42が開いているか閉じているかを示す信号を発する。当業者に知られている他のセンサ及び検出機構も同様に利用してよい。ハウジング20内に位置したプロセッサは、アクセスカバー44が開かれているときに、システムの特定のコンポーネントの実行を停止するようにプログラムされていてよい。ハウジング20の後ろには、電源スイッチ50と電源コードホルダー52とが提供されている。ブラケット48は、流体のバッグ又は容器を吊るすためのコンソールヘッド24をサポートする、ハウジングの直立部上に提供されている。
【0089】
図1に戻って、特定の管/カセット/センサモジュールアセンブリ60(「第1」カセットアセンブリ)は、一つのタイプの体熱交換器のみに利用可能である又は使用が承認されていてよい。そのような実施形態において、検知モジュール34は、情報であって、第1カセットのみに固有であるだけでなく、その第1カセットアセンブリ60に利用可能である又は使用が承認されている、特定の体熱交換器タイプ、例えば、カテーテルタイプ又は体表面熱交換器(例えばパッド又は衣服)タイプに固有であるアルゴリズム及び/又は動作設定/変数を含む若しくはプロセッサに使用させる情報で、エンコードされてよい。
【0090】
図3を参照すると、第1カセットアセンブリ60又は別のカセットアセンブリ60a(「第2」カセットアセンブリ)は、熱交換カテーテル又は体表面熱交換器、例えば、熱交換するブランケット、パッド、又は衣服等の複数の異なるタイプの体熱交換器に利用可能である又は使用が承認されていてよい。そのような実施形態において、検知モジュール34は、情報であって、カセットのみに固有であるだけでなく、そのカセットアセンブリに利用可能である又は使用が承認されている、特定の体熱交換器タイプ、例えば、カテーテルタイプ又は体表面熱交換器(例えばパッド又は衣服)に固有であるアルゴリズム及び/又は動作設定/変数を含む若しくはプロセッサに使用させる情報で、エンコードされてよい。第2カセットアセンブリ60aは、複数の異なるタイプの承認された熱交換カテーテル12a、12b、12c若しくは12d、及び1又は複数の冷却又は加熱表面パッド12eと交互に接続可能及び利用可能である。この特定の例において、図3に示される第1の承認された熱交換カテーテル12aは、Cool Line(登録商標)カテーテル(カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.)として商業的に入手可能であり、第2の承認された熱交換カテーテル12bは、Solex 7(登録商標)カテーテル(カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.)として商業的に入手可能であり、第3の承認された熱交換カテーテル12cは、Icy(登録商標)カテーテル(カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.)として商業的に入手可能であり、第4の承認された熱交換カテーテル12dは、Quattro(登録商標)カテーテル(カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.)として商業的に入手可能である。冷却パッド12Eは、ZOLL(登録商標)STx(商標)Surface Pad System(カリフォルニア州、サンノゼ、ZOLL Circulation Inc.)として入手可能である。これらの異なるタイプのカテーテルは、異なるタイプの動作データ(例えば、異なる最大流体圧定格)を有してよいが、全て、カセットアセンブリ60aへの使用が承認されており、カセットアセンブリ60aの検知モジュール34は、これら熱交換カテーテル12a~12d及び1又は複数の冷却又は加熱表面パッド12eのいずれかに好適であるアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを含む若しくはプロセッサに選択及び使用させるエンコードされた情報を含んでよい。具体的に、検知モジュール34におけるエンコードされた情報は、使用される予定の特定のアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを含んでよく、又は、代替的に、プロセッサは、複数の様々なアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータで予めプログラムされていてよく、また更に、エンコードされたカセット情報に基づいて、挿入されたアカセットアセンブリ60又は60aに利用可能である又は使用が承認されている1又は複数のカテーテルに好適なアルゴリズム及び/又は動作設定又はデータを選択及び実施するためにプログラムされていてよい。例えば、特定の実施形態において、複数の承認された体熱交換器、例えば、カテーテルのそれぞれは、推奨される圧力限度を有してよく、カセットのエンコードされた情報は、カセットに接続された体熱交換器内での熱交換流体圧力が、複数の体熱交換器のタイプのうちいずれがカセットに接続されているのかに関係なく、その体熱交換器にとっての最大圧力限度を超えないように、ポンプの速度を制限する制御アルゴリズム、動作設定又はデータを含んでよい又はコントローラに選択若しくは使用させてよい。
【0091】
体外制御コンソール14と、管/カセット/センサモジュールアセンブリ60とを有する体温管理システムは、本明細書において説明されるプロセスを実行するように構成されているプロセッサを有する熱交換システムの一例を含む。ZOLLのThermogard XP(登録商標)血管内体温管理システムは、別の例である。特定の実施例において、体温管理システムは、患者の表面に適用される熱交換カテーテル又は熱交換器(例えば、パッド又は衣服)、プロセッサと熱交換浴を有する体外制御コンソール、熱交換浴に挿入され、管アセンブリを介して、患者の表面に適用される熱交換カテーテル又は熱交換器に連結されるように構成されている熱交換器(例えばコイル)、及び/又は1又は複数のセンサ、例えば、温度センサを含んでよく、そのような体温管理システムは、本明細書において説明されるプロセスを実行してよい。表面冷却及び/又は加温を提供する他の血管内熱交換システム及び熱交換システムもまた、本明細書において説明するプロセスを実行するように構成されていてよい。本明細書において説明されている体温管理システム及び/又は熱交換システムは、本明細書において説明されているように、動作データを検出するための1又は複数のセンサを含んでよい。
【0092】
図4図6及び図8図12は、体温管理システム(例えば、図1図3の熱交換システム10)の少なくとも一部の動作を説明するデータ、及び/又は患者の体の温度を示す、センサからの温度データを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセスをそれぞれ含むフロー図を示す。熱交換システム10は、前述したように、患者の体温を制御するように構成されている。熱交換システム10のプロセッサ(例えば、システムコントローラ)は、患者の体温が、熱交換システムによって制御されるときに、熱交換システム10の1又は複数のセンサから、1又は複数の動作データの値を受信する。
【0093】
1又は複数のセンサは、動作データの値を測定する。熱交換システム10の動作データの値を測定するために含まれる特定のセンサは、熱交換システム10のハードウェア構成に依存して、及び測定された動作データに依存して変わり得る。例えば、センサは、1又は複数の温度センサ(例えばサーミスタ)、流体流量センサ又は計器、圧力センサ、電流計、又は熱交換システム10の1又は複数のコンポーネントにより消費される電力を測定するための他のセンサ、及び回転速度計又はポンプrpm又はポンプインペラ速度を測定するための他のセンサ等、動作データの値を測定するためのものを含み得る。いくつかの動作データは、温度センサを介して、熱交換システム10の動作中の作動流体温度Tin-Toutの変化を測定することによって、熱交換システムによって供給される冷却力を決定する等、間接的に決定され得る。
【0094】
動作データの値は、熱交換システム10が、所与の時点において、どのように動作しているのかを示す。これらの値は、いくつかの実施例において、単独で、また他の実施例において検知された患者の温度との組み合わせで、患者の体温調節活動を示す。熱交換システム10は、変則的な健康状態を有さない患者の温度を制御するとき、第1の動作状態を有してよい。第1の動作状態は、熱交換システム10の動作にとって、正常であるとみなされる(例えば、公称範囲内にある又は規定閾値を満たす)値を有する1又は複数のタイプの動作データ(例えば、動作データのパラメータ)によって表され得る。患者が、有害な健康状態を経験している場合、熱交換システム10は、患者が有害な健康状態を有さないときに患者の体の温度を制御するための熱交換システムの典型的な動作からの変化を示す第2、第3、第4等の動作状態を有し得る。故に、それに続く熱交換システム10の「変則的な」動作状態は、変則的であるとみなされ、変則的な患者の体温調節活動を示す値を有する1又は複数のタイプの動作データによって表され得る。患者の体温調節活動は、患者の健康を判断するために、システム又は世話をする人によって用いられてよい有益な情報を提供する。熱交換システム10の「変則的な」動作状態は、熱交換システムが、患者の体温を制御するために意図されるように作動すると同時に、患者の有害な健康状態によって引き起こされる追加の負荷又は他の因子を補填していることを示す。
【0095】
動作データは、熱交換システム10の動作からもたらされる任意の測定できる値を含み得る。いくつかの実施例において、動作データは、熱交換システム10の温度制御ループの特定の構成に依存しない。例えば、あるタイプの動作データは、消費されたワット数等の熱交換システム10の電力消費含み得る。いくつかの実施例において、あるタイプの動作データは、熱交換システムによって供給される冷却力を含み得る。いくつかの実施例において、あるタイプの動作データは、熱交換システム10の特定のハードウェア構成に固有であり得る。例えば、あるタイプの動作データは、冷却コイルを収容する冷却剤ウェルの浴温、作動流体リザーバ温度、コールドプレートであって、それを通って冷媒が循環する、及び冷媒と熱交換カセット内で循環する生理食塩水との間で熱を交換するためにその間に熱交換カセットが挿入されるコールドプレートの一つ又はそれぞれの温度、及び1又は複数のパッドの外部の温度等を含み得る。多くの他の例示的なタイプの動作データが可能である。例えば、動作データは、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の流量を表す値、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の圧力、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の温度、熱交換デバイス内の熱交換プレートの温度、熱交換デバイスのポンプのポンプ速度、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。上記の例における熱交換流体は、生理食塩水又は他の溶液であってよい。
【0096】
患者の体温調節活動を示す値を決定すべく、熱交換システム10は、患者の体温を制御し、治療の間のシステムの動作データの値を監視する。熱交換システム10のプロセッサは、温度センサ(例えば、温度リード線58)からデータを受信し、熱交換システム10は、図1図3と関連して説明される検知温度に基づいて、患者の体温を制御する。例えば、患者の体温が、閾値を超える場合、熱交換システム10は、患者の体温を閾値温度の値以下に下げるための是正措置を講じる。例えば、プロセッサは、患者の体温を下げるべく、熱交換システム10に、作動流体のポンプ速度を低下させることによって、カテーテルへの作動流体の流量を低下させ得る、又は作動流体リザーバの温度を下げさせ得る。熱交換システム10の動作データを測定する1又は複数のセンサは、動作データの値を示すデータをプロセッサに送信する。プロセッサは、これらの値を分析して、動作データが、熱交換システム10によって講じられた是正措置に応じて、どのように変化したのかを決定し得る。例えば、作動流体の流量を増加させるために、熱交換システム10は、より多くの電力を消費してよい。
【0097】
一態様において、熱交換システム10は、体温管理システムのプロセッサが熱交換システムの消費電力値を決定することに応答して熱交換デバイスを制御する。例えば、プロセッサは、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために熱交換デバイスを制御することに関連付けられた消費電力値を決定するように構成されている。値は、瞬時値として、移動平均として、過去の平均として、又は他の態様で測定され得る。消費電力値が、消費電力閾値を満たす(例えば、超える又は超えることができない)とき、体温管理システムは、患者の体温調節活動を示す値を表す警告を生成する。
【0098】
前述したように、体温管理システムにとって入手可能な動作データのタイプのライブラリは、熱交換システム10のハードウェア構成に依存し得る。例えば、熱交換システム10は、冷却流体を保管するための流体リザーバ含み得る。プロセッサは、流体リザーバ温度センサから、熱交換デバイスの流体リザーバに関連付けられた流体リザーバ温度を含む動作データの値を受信し得る。流体リザーバ温度の値は、基準値又は閾値と比較され得る。プロセッサは、流体リザーバ温度及び患者の体の温度を示す、センサからの温度データに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成され得る。プロセッサは、決定された値に基づいて、体温管理システムのユーザインタフェースを介して、警告を生成するように構成され得る。
【0099】
プロセッサは、動作データの値を分析して、1又は複数の規則が満されているかを決定してよい。規則が満たされたとき、規則は、(有害な健康状態を経験している患者を示す活動等の)患者についての体温調節活動のレベルを示唆する動作データの値に対する条件を示し得る。規則(又は規則のセット)は、患者の公称健康状態又は発熱状態等の患者の健康状態を判断するために用いられ得る、患者についての体温調節活動の特定のレベルを示唆し得る。いくつかの実施例において、規則は、より一般的に、患者が有害な健康状態を示す体温調節活動のレベルを有すること、又は患者の健康状態が公称であることを示す。
【0100】
体温管理システム10のプロセッサが動作データを分析して、規則を比較する方法は、どの動作データがプロセッサによって監視されているか、及び何のデータがプロセッサにとって入手可能であるかに依存し得る。例えば、第1タイプの動作データについては、プロセッサは、単に、その動作データの瞬間値を閾値と比較してよい。より具体的には、プロセッサが、冷却コイルについて、熱交換システム10の浴温を監視するために、センサデータを受信している場合、プロセッサは、その瞬間温度を浴の公称動作温度を表す閾値温度と比較し得る。例えば、プロセッサが熱交換システム10の電力消費を監視するためのセンサデータを受信する場合、プロセッサは、電力消費を周期的又は連続的に読み、現在の電力消費が過去の平均よりも高いかを決定し得る。
【0101】
プロセッサは、1又は複数のセンサからの動作データを分析するための多数の他の技術を用いて、熱交換システム10がどのように動作しているかを決定し得る。例えば、体温管理システムは、動作データの値のセットが、値のプロファイルと一致することを決定し得る。値のプロファイルは、患者の体温調節活動(例えば患者の体温調節応答が変則的である又は公称であるかどうか)を共に示す、複数のタイプの動作データのそれぞれに対する具体的な値(又はこれらの値に対して規定された範囲)含み得る。いくつかの実施例において、プロファイルの値は、機械学習モデルを訓練するために、匿名の患者のデータをクラウドソーシングすることによって決定される。いくつかの実施例において、プロファイルの値は、ユーザによって直接規定され得る。
【0102】
一態様において、体温管理システムのプロセッサは、複数の患者についての所与のタイプの熱交換システム10の動作データについての複数の値を含む訓練データを受信する。複数の値はそれぞれ、患者温度プロファイルデータから決定されてよい、値が測定された時の既知のレベルの体温調節活動又は関連する患者の健康状態に関連付けられている。プロセッサは、訓練データを用いて、動作データの値と、患者の体温調節活動又は関連する健康状態との関係を決定する。プロセッサは、決定された関係に基づいて、患者の体温調節活動又は関連する健康状態を示す警告を生成するために、所与のタイプの動作データに関連付けられた1又は複数の閾値を設定する。例えば、プロセッサは、1°Cだけ患者の体温を冷却するために熱交換システム10によって概して消費されたおおよその電力量を、患者データから決定し得る。患者の体を冷却するために消費された電力量が、閾値差分よりも大きいだけ訓練された値から異なる場合、プロセッサは、体温調節活動又は有害な健康状態を示す送信されるべき警告をトリガしてよい。例えば、小さすぎる電力が消費される場合、患者は、患者が体温を下落させることに対してほとんど抵抗できないような、神経ダメージを有しているかもしれず、大きすぎる電力が消費される場合、患者は、感染症を有し、患者を冷却するためにシステムがより多くの電力を消費することを必要とする発熱状態にあり得る。故に、生成される警告は、測定された値は、訓練データと比較してどうなのかに依存して変動し得る。類似の例は、動作データの他のパラメータについてプロセッサを訓練することに適用され得る。
【0103】
体温管理システムは、2つのタイプの動作データの又は複数のタイプの動作データの間での関係が満たされていることを決定し得る。例えば、これは、第2タイプの動作データの値を超える第1タイプの動作データの値、等しい若しくは閾値差分内にある2つのタイプ(例えばパラメータ)の値、又はいくつかの他の関数的関係を満たす2又はそれより多くのパラメータの値を含み得る。2又はそれより多くのパラメータの間での関係に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定することは、図5と関連して更に説明される。
【0104】
体温管理システムは、動作データが特定の動向を満たすことを決定し得る。例えば、体温管理システムは、動作データの値が、増加、低下、往復、又はいくつかの他の動向を実行することを決定し得る。例えば、体温管理システムは、制御温度になるべき患者の温度の応答時間が、閾値応答時間を基準にして、速すぎる又は遅すぎることを決定し得る。体温管理システムは、動作データの値の微分係数が、閾値を満たすことを決定し得る。体温管理システムは、動作データの値が、過去の平均からの閾値差分であることを決定し得る。
【0105】
プロセッサは、値を規則と比較することによって、動作データの値から、患者の体温調節活動を示す値を決定する。規則(又は規則のセット)が満たされる場合、プロセッサは、患者の体温調節活動を示す値をユーザに通知するための警告を生成し得る。警告は、体温管理システムのユーザインタフェース上への表示のために生成され得る。プロセッサは、警告を、患者の医療提供者に関連付けられたコンピューティングデバイス等の、1又は複数の他のコンピューティングデバイスに送信し得る。一様態において、表示デバイスは、プロセッサと通信するように構成されており、患者の体温調節活動を示す値を示す警告を表すデータは、通知を表示デバイス上に表示させる。
【0106】
プロセッサによって生成される警告の体温調節活動を示す値は、患者の一般的な健康状態を示し得る。一般的に、警告は、体温調節能力への負傷又は損ない程度に基づいた、予後の又は予測的な情報であってよい赤旗を上げている。警告は、臨床状態又は潜在的な患者の状態に更に関する患者の状態を調査するために、医療提供者に指標を提供する。いくつかの実施例において、プロセッサは、1又は複数のデバイスに行動を実行させる警告を生成する。例えば、音声の合図及び視覚的表示等といったフィードバックは、医療提供者に提示され得る。警告は、デバイスに、医療提供者と連絡させ得る(例えば、医師、看護師等に、電話のコールをかける又はページを置く)。警告は、所与の時間ウィンドウへの患者の温度の表示等、デバイスに患者についての特定のデータを表示させ得る。警告は、デバイスに、患者に関連付けられた健康記録をアップデートさせ得る、又はデバイスに更なる分析のために、患者に関連付けられた健康記録を読み出させ得る。特定の実施例において、システムのプロセッサは、警告が、リアルタイムの警告であるか、回顧的なレビューのために記録されたものかを決定するように構成されていてよい。それがリアルタイムである場合であれば、それは、それがスクリーンに表示されているか、情報連鎖で更に送信されているか、又はサードパーティのモニタに表示されているかを決定してよい。例示的なルートは、医師又は看護師の携帯電話に警告を送信することである。警告は、携帯電話ベースのアプリケーションを開く、又はインターネットベースのアプリケーションを開いてよい。いずれかのアプリケーションから、医師又は看護師は、警告に加えて送信されていてよい他の関連データを参照し得る。警告は、病院固有患者識別子を含んでよく、そうでなければ、医師又は病院が患者の名前を、電話上のアプリケーション又はインターネットのいずれかに追加していない限り、患者の識別に関して見えない。警告は、ベッド番号等の非患者固有識別子を含んでよい。また、医師は、警告を受け取ったことに応じて行動を講じる機会を有するだろう。これは、ICUのデスクへの電話のコールをトリガすること、(アプリケーション内で又は体温管理システムに対して遠隔で)警告上で温度変化範囲又は変化の継続期間を調整すること、又は医師が警告を見たことをマーキングすることを含むかもしれない。継続期間又は範囲を変化させることは、瞬間的なスパイクが警告をトリガしないであろうように、ユーザが継続期間を設定することを可能にし得る。例えば、5分間維持される0.4Cの逸脱は、警告をトリガするかもしれず、その一方で、治療における一時停止は、この警告を無効化し得るが、異なる警告をトリガし得る。警告の時間及び/又は継続期間を調整する場合、そのような調整は、その具体的な人物に対する通知にのみ影響を及ぼしてよい。例えば、温度変化警告範囲を、0.4C温度変化から0.5C温度変化へと調整するが継続期間は同じにしておくことは、アプリケーションが、その医師の特定のアプリケーション又はウェブベースのプログラム上で音/警告を発するかどうかに影響を及ぼしてよい。データは、依然として、回顧的な又は他のレビューのために、システム内で収集され得る。このように、看護師又は医師への二重警告は、異なる警告範囲及び行動を有するかもしれない。説明される特徴は、ユーザ、例えば医師を完全な制御に置いてよい。例えば、制御の第1ポイントは、警告範囲が設定されてよいベッドサイドにあってよい。制御の第2ポイントは、ユーザが例えば「音」に対する公称設定を調整してよい受信アプリケーション又はウェブサイトにあってよい。このように、2又はそれより多くのトリガが確立されてよく、第1は、警告をネットワークへの機械から受信デバイスに「送信」するためのものであり、第2は、受信デバイスが警告を受信する時に講じる行動である。シフトを去るある医師から、シフトに来る別の医師にデータを転送することを可能にするスケジューリング特徴もまた提供されてよい。警告が見られたか、又は、ある医師から別の医師に転送されたかの確認応答を必要とする応答ツリーが、提供されてよい。例えば、第1の医者は、警告の確認応答を受け取るのに5分が与えられ、確認応答がない場合、警告は、別の医師又は看護師に送信される。特定の実施例において、本明細書において説明された様々な警告又は警告パラメータのうち1又は複数は、ユーザによってカスタマイズされてよい。警告供給についての複数の選択肢、例えばデバイスディスプレイ、ナースステーション、EMR、携帯電話等が設定されてよい。
【0107】
プロセッサは、熱交換システム10によって患者の体温の制御することに応答して動作データの値を分析することにより、患者の体温調節活動を示す値を決定し、警告を生成し得る。いくつかの実施例において、プロセッサは、制御の間、患者の体温調節活動を示す値を決定する。いくつかの実施例において、プロセッサは、所与の時間、動作データの値を保管するデータストレージと通信し得る。プロセッサは、所与の時間中の所与の瞬間に対する患者の体温調節活動を示す値、又は所与の時間にわたる患者の体温調節活動を示す値を決定し得る。
【0108】
いくつかの実施例において、警告は、動作データの値が、特定の患者の体温調節活動を示すことを示し得る。例えば、プロセッサは、患者が熱交換システム10の体温管理と戦っているか、及び患者が体温管理とどのくらい戦っているかを決定し得る。プロセッサは、患者のこの比較的な体温調節能力を示す評価を生成するように構成されている。
【0109】
図7Aは、警告の視覚的表示を含む例示的なユーザインタフェース100を示す。ユーザインタフェースは、患者の温度調節系が、熱交換システム10による制御温度にどのくらいよく応答するかを評価する、数目盛り102を含む。目盛り102は、患者が温度制御に抵抗していないこと、又は温度制御に対して弱い体温調節応答を示していることを示す、低い体温調節応答部分104を含む。目盛り102は、患者が温度制御に完全に抵抗していること、又は温度制御に対して強い体温調節抵抗を示していることを示す、高い体温調節応答部分106を含む。言い換えると、部分104は、体温調節適合性を示しており、部分106は、患者が発熱していることを示している。警告は、評価を目印108として示し得る。いくつかの実施例において、数目盛りは、目標温度との比較的なものであり得る(例えば、0又は数目盛りのいくつか他の値で表される)。数目盛りは、患者の体温調節活動を示す値を示す傾き又は他の平均値を含み得る。臨床指標は、患者の応答レベルが目盛り上のどこにあるべきであるかを指示し得る。ユーザインタフェース100は、目盛り102上の患者の応答の値を述べるテキスト110を含み得る。いくつかの実施例において、テキスト110(又は音声の合図等)は、患者の体温調節活動の可能性の高いステータス、更に、患者の体温調節活動を調査することの推奨を示し得る。図7Bを参照すると、いくつかの実施例において、メッセージ110a及び/又は指標108aは、患者のステータスが、患者の体温調節応答が有害な健康状態を示さないように、公称であることを示し得る。
【0110】
いくつかの実施例において、警告は、スコアを含む。スコアは、患者が、応答レベルというより、潜在的な高体温状態又は低体温状態を呈することを示し得る。例えば、熱交換システム10が患者の体温を制御していない場合、スコアは、患者の推測された「ベース」体温の関数であり得る。スコアは、推測されたベース体温であり得る。いくつかの実施例において、スコアは、患者が、ダメージを受けた又は損なわれた内因性体温調節機構を有することを示す。例えば、より低いスコアは、より高いスコアによって表される能力よりも、患者が体温を自己制御することができないことを示し得、閾値より低いスコアが検出された場合、警告は、患者の内因性体温調節機構を調査するための警告を含み得る。
【0111】
いくつかの実施例において、データが低い応答レベルを示すことに応答して、プロセッサは、患者の体の制御温度を変化させることにより、応答レベルをテストし、テストにおける応答を測定するように構成されている。テストは、目標温度を上げて又は下げてよく、応答メカニズムがダメージを受けたかを決定するために、(例えば、必要に応じて更なるデータを取って)患者の応答を密接に監視してよい。例えば、新しい制御値にまで患者の体温を変化させるのにどのくらいの長さがかかるのかを示す応答時間が、測定され得る。応答時間は、そのような変化に対して想定される応答時間と比較され得る。テストの結果は、医療提供者に提示され得る。故に、体温管理システムは、患者の体温を変化させる、患者の内因性体温調節機構の有効性を決定し得る。例えば、プロセッサは、予め定められた時間間隔の間にn度だけ患者の体温を変化させるのに必要とされる冷却力を表す値を測定し得、これは、患者の体温を変化させる、患者の内因性体温調節機構の有効性を示す。
【0112】
一様態において、体温管理システムは、患者が変則的な体温調節健康状態を有することの決定に対する治療的応答のために、1又は複数の行動を引き起こすように構成されている。患者を加熱又は冷却する等の治療的応答は、熱交換システム10による治療を含み得る。薬剤の注射等の治療的応答は、プロセッサによって、別のデバイスにおいて引き起こされ得る。いくつかの実施例において、患者に薬物を与える又は別の形の治療を適用する等の治療的応答は、医療提供者によって実行される。例えば、体温管理システムは、熱交換デバイス又は熱交換システム10の別のデバイスに、変則的な体温調節活動に対応すべく動作を変化させ得る。患者が、弱い体温調節応答を有する場合、体温管理システムは、熱交換システム10に、患者の体温を制御するための冷却又は加熱努力を低減させ得る。患者が、強い体温調節応答を有する場合、体温管理システムは、熱交換システム10に、患者の体温を制御するための冷却又は加熱努力を増加させ得る。体温管理システムは、デバイスが是正措置を講じるのに寄与するために、患者の治療を援助している別のシステム(例えば、別の医学デバイス)に、コマンドを送信し得る。前述したように、体温管理システムは、メッセージを別のデバイスに送信させて、是正措置を講じるために、医療提供者の注意を喚起し得る。
【0113】
一様態において、体温管理システムのプロセッサは、体温管理システムに、例えば、(無線又は有線ネットワークを通じて)患者の体温調節活動を示す値を示す警告を表すデータを治療提供者に関連付けられた遠隔デバイスに送信させるように構成されている。例えば、患者の体温調節活動を示す値を含む警告を表すデータを遠隔デバイスに送信することは、電話のコール、テキストメッセージ、又はeメールをトリガすることを含み得る。遠隔デバイスは、ユーザインタフェースを含んでよい。
【0114】
一様態において、熱交換システム10の温度センサ56は、図1に関して前述されるように、患者の血液温度を測定する。体温管理システムは、患者の血液温度の変化に応答して、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。例えば、体温管理システムは、熱交換システム10の動作データの特定の値を検出したことに応答するのみでなく、血液温度の対応する値を検出したことにも応じて、患者の体温調節活動を示す値を決定し得る。体温管理システムは、患者の血液温度の変化率値を測定し得る。このプロセスは、患者の体温調節応答を決定するために、上述したように、患者の体温の変化率を測定するプロセスと類似する。患者の血液温度の変化率が、変化率閾値を超える場合、体温管理システムは、患者が弱い体温調節応答を有することを決定し得る。同様に、変化率が閾値より低い場合、体温管理システムは、患者が強い体温調節応答を有すること(及び発熱している又は感染症を有し得ること)を決定し得る。
【0115】
図4を参照すると、例示的なプロセス400は、図1図3の熱交換システム10の動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するために示されている。体温管理システム10のプロセッサは、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信する(402)。プロセッサは、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換デバイスを制御する(404)。プロセッサは、制御することに応じて、熱交換システムの動作を表す動作データを受信する(406)。プロセッサは、温度データ及び動作データに基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(408)。プロセッサは、ユーザインタフェースを通じて、警告を生成する(410)。警告は、値を含む、患者の体温調節状態のステータスを示し得る。プロセッサは、体温調節活動を示す値が治療的応答を必要とするかを決定する(412)。応答が必要な場合、プロセッサは、患者の健康状態を治療するための、(該当する場合は)熱交換システム、又は別のデバイスによる治療的応答を引き起こす(414)ように構成されている。治療的応答は、患者の温度を上げること又は下げること、及び、別のデバイスに患者の生理学的パラメータ(例えば、データ値)を測定させて、患者の有害な可能性のある健康状態等についてのより多くのデータを収集すること等を含み得る。応答が必要とされない場合、プロセッサは、追加の温度データを受信する(416)ように構成されている。
【0116】
図5を参照すると、プロセス500は、図1図3の熱交換システム10の動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するために示されている。プロセス500を用いて、体温管理システムのプロセッサは、2又はそれより多くのタイプの動作データ及びそれらの互いの関係を分析することによって、患者の体温調節活動を示す値を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、前述されたように、2又はそれより多くのタイプの動作データの値は、機械学習モデルを訓練することに基づいて、又は何らかの他のキャリブレーション機構によってのいずれかで、特定の体温調節活動に関連付けられたプロファイルを形成し得る。体温管理システムのプロセッサは、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信する。プロセッサは、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムを制御する。当該プロセッサ(例えば、あるプロセッサ)は、第1タイプの動作データを受信し(502)、第2タイプの動作データを受信する(504)ように構成されている。
【0117】
プロセッサは、第1タイプの動作データの値及び第2タイプの動作データの値とのある関係が満たされることを決定する(506)ように構成されている。関係は、2又はそれより多くのタイプの動作データの値の動向の比較を含み得る。例えば、第1タイプのデータに対する値が経時的に増加しており、その一方で、第2タイプのデータに対する値が経時的に低下している、又は第2の値もまた経時的に増加している場合等に、関係は満たされ得る。関係は、数学上の関数を含み得る。例えば、関係は、2又はそれより多くのタイプの動作データの値が、第3タイプの動作データの特定の値を増大させる、又は第3タイプの動作データの閾値差分内である場合、満たされ得る。関係は、2つの値の変化率の間についてのものであり得る。例えば、第1の値が第2の値よりも迅速に低下又は増加している場合に、関係は満たされ得る。他のそのような関係は、2つのタイプの動作データ間で、又は複数のタイプの動作データの間で決定され得る。
【0118】
いくつかの実施例において、プロセッサは、第1タイプの動作データの値が第1の閾値を超えることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の閾値を超えることを決定することによって、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値との関係が満たされることを決定する。いくつかの実施例において、プロセッサは、第1タイプの動作データの値が第1の予め定められた値の範囲内にあることを決定し、第2タイプの動作データの値が第2の予め定められた値の範囲内にあることを決定することによって、第1タイプの動作データの値と第2タイプの動作データの値との関係が満たされることを決定する。他のそのような比較は、可能である。
【0119】
いくつかの実施例において、プロセッサは、動作データの値のプロファイルを、複数の関係と比較して、複数の関係が満たされているかを決定する。いくつかの実施例において、動作データの値又はタイプの間での満たされた関係の異なる組み合わせはそれぞれ、体温調節活動を示し得る。関係はそれぞれ、体温調節活動のどのタイプを患者が経験しているであろうかについての投票システムとして動作するためにテストされ得、プロセッサは、患者が発熱している又は感染症を有している等の体温調節活動を有する可能性を示す、警告に関連付けられた確率を出力し得る。
【0120】
プロセッサは、1又は複数の関係が満たされているかを決定することに応答して、満たされた関係に対応する患者の体温調節活動を示す値を決定する(508)。プロセッサは、値に基づいて、患者の体温調節活動を表すインタフェースを介した警告を生成する(510)。プロセッサは、図4と関連して説明されるプロセス400と同様に、患者の体温調節活動が治療的応答を必要としているかを決定し得(512)、応答を引き起こす(514)。いくつかの実施例において、熱交換システム又は別のシステム若しくはデバイスによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含む。例えば、自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入である。いくつかの実施例において、熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。
【0121】
いくつかの実施例において、動作データのタイプは、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の流量と、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の圧力と、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の温度、熱交換デバイス内の熱交換プレートの温度と、熱交換デバイスのポンプのポンプ速度とのうち2又はそれより多くを含む。体温管理システムは、動作データの値を用い、これらを、患者と熱を交換するためのカテーテル及び/又は表面パッドを含む熱交換デバイスについて比較するように構成され得る。
【0122】
図6を参照すると、プロセス600は、図1図3の熱交換システム10の動作を説明するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するために示されている。体温管理システムのプロセッサは、センサから、患者の体の温度を示す温度データを受信する(602)。プロセッサは、温度データに基づいて、患者の体の温度を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システム10を制御する(604)。体温管理システムのプロセッサは、1又は複数のタイプの動作データを受信する(606)ように構成されている。前述したように、動作データのタイプは、例えば、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の流量、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の圧力、熱交換デバイスを通って循環する熱交換流体の温度、熱交換デバイス内の熱交換プレートの温度、及び熱交換デバイスのポンプのポンプ速度、又は別のタイプの動作データのうち1又は複数を含み得る。いくつかの実施例において、熱交換システム10の熱交換デバイスは、患者と熱を交換するためのカテーテル又は表面パッドを含み、動作データのタイプは、パッド及び/又はカテーテルに固有である。
【0123】
プロセッサは、動作データの値に対応する患者の体温調節活動を示す値を決定する(608)。プロセッサは、値を決定することに応じて、患者の体温調節活動を治療するための熱交換システム又は追加のデバイスによる治療的応答を引き起こす(610)。いくつかの実施例において、熱交換システム10又は他のデバイスによる治療的応答は、補助的流体の自動的な注射又は注入を含む。いくつかの実施例において、自動的な注射又は注入は、抗シバリング薬の注射又は注入である。いくつかの実施例において、熱交換システムによる治療的応答は、患者の体温を上げること又は下げることを含む。
【0124】
図8は、図1図3の熱交換システムの流量に関するデータを用いて、患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセス800を含むフロー図を示す。体温管理システムのプロセッサは、患者の体温を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムの温度センサから受信された温度データに基づいて、熱交換デバイスを制御する(802)ように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、制御することに応じて、熱交換システムの熱交換流体(例えば、作動流体、冷媒等)の流量を表す動作データを受信する(804)ように構成されている。作動流体は、患者の体を冷却又は加熱するための生理食塩水又は他の流体を含み得る。作動流体は、カテーテル又は冷却/加熱パッド等の熱交換デバイスを加熱又は冷却するように構成され得る。作動流体の流量を測定することは、患者を冷却するためにどのくらいの流体が用いられるかを示し得る。より高い流量は、患者を冷却するために経時的により多くの流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに抵抗している、より活発な体温調節応答を有し得る。より低い流量は、患者を冷却するために経時的により少ない流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに対してより少ない抵抗を提供している、比較的活発でない体温調節応答を有し得る。測定された流量が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、患者の測定された温度、又は温度の変化率を考慮してよい。別の実施形態において、測定された流量が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、カテーテル等の熱交換デバイスに入る熱交換流体、例えば生理食塩水、及び熱交換デバイスから出てくる熱交換流体の温度の差分又は変化(ΔT)を考慮してよく、又はプロセッサは、熱交換プレートの温度を考慮してよい。
【0125】
熱交換流体の流量を測定するために、システムは、熱交換システム10の動作の、ある時間にわたる、例えば、24時間にわたる流量を測定するように構成されている。プロセッサは、記録された流量の平均、例えば治療されている患者にとっての最近の24時間にわたる記録された流量の平均を計算してよい。体温管理システムのプロセッサは、測定された流量又は測定された流量の平均を、熱交換システム10についての作動流体流量にとっての正常な動作範囲等の閾値と比較する(806)。例えば、正常な動作の作動流体流量の範囲は、患者を一定温度に維持している間、50mL/分から300mL/分までである。プロセッサは、システムメモリ上でローカルに又はリモートデータベース内に記憶されているルックアップテーブルにアクセスすることによって、作動流体流量にとっての正常な動作範囲を読み出してよい。体温管理システムのプロセッサは、比較に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(808)ように構成されている。例えば、測定された流量が、持続期間にわたって閾値よりも高い(例えば、10~30分間にわたって300mL/分よりも10~20mL/分高い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常よりも高い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常よりも高い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が感染症を経験しており、発熱していることを示してよい。測定された流量が、持続期間にわたって閾値より低い(例えば、5~10分間にわたって50mL/分よりも10~20mL/分低い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常より低い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常より低い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が神経ダメージ又は患者の体温調節応答に影響を及ぼしている別の状態を経験していることを示してよい。体温管理システムのプロセッサは、決定することに応答して、ユーザインタフェースによる警告を生成する(810)。警告は、-5までの0より低い値が、正常な体温調節活動より低いことに等しく、+5までの0より高い値が、正常な体温調節活動よりも高いことに等しく、0は、正常な体温調節活動を表す、数目盛りの形であり得る。
【0126】
判定段階に応じて、体温管理システムのプロセッサは、患者が治療的応答を受けるべきかを決定し得る(812)。治療的応答が必要とされる場合、体温管理システムは、熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムのいずれかに、患者を治療するための応答を適用させる(814)。例えば、熱交換システム10は、患者の冷却を増加させるために、熱交換デバイスを通って循環する冷媒又は生理食塩水流体の温度の低下を引き起こしてよい。必要に応じて、システムは、世話をする人に治療的応答を承認することを、応答が生じる前に、促してよい。
【0127】
図9は、図1図3の熱交換システムの流体圧に関するデータを用いて患者の体温調節活動を示す値を決定するための例示的なプロセス900を含むフロー図を示す。体温管理システムのプロセッサは、患者の体温を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムの温度センサから受信された温度データに基づいて、熱交換システム10を制御する(902)ように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、制御することに応じて、熱交換システムの熱交換流体(例えば、作動流体、冷媒等)の圧力を表す動作データを受信する(904)ように構成されている。作動流体は、患者の体を冷却又は加熱するための生理食塩水又は他の流体を含み得る。作動流体は、カテーテル又は冷却/加熱パッド等の熱交換システムの一部を加熱又は冷却するように構成され得る。熱交換流体の圧力を測定することは、患者を冷却するためにどのくらいの流体が用いられるかを示し得る。より高い流体圧は、患者を冷却するためにより多くの流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに抵抗している、より活発な体温調節応答を有し得る。より低い流体圧は、患者を冷却するためにより少ない流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに対してより少ない抵抗を提供している、比較的活発でない体温調節応答を有し得る。測定された流体圧が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、患者の測定された温度、又は温度の変化率を考慮してよい。別の実施形態において、測定された流体圧が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、カテーテル等の熱交換デバイスに入る熱交換流体、例えば生理食塩水、及び熱交換デバイスから出てくる熱交換流体の温度の差分又は変化(ΔT)を考慮してよく、又はプロセッサは、熱交換プレートの温度を考慮してよい。
【0128】
熱交換システム10内の流体圧を測定するために、システムは、熱交換システム内、例えば、作動流体が流れる作動流体管路内又はカセット熱交換器内に位置した圧力センサから圧力を測定するように構成されている。熱交換システム10のプロセッサは、測定された圧力を、熱交換システム10についての作動流体圧にとっての正常な動作範囲等の閾値と比較する(906)。例えば、患者を一定温度に維持している間、作動流体圧にとっての正常な動作範囲は、20から40psi(140から275kPa)である。プロセッサは、システムメモリ上でローカルに又はリモートデータベース内に記憶されているルックアップテーブルにアクセスすることによって、流体圧についての値の標準的な動作範囲を読み出してよい。体温管理システムのプロセッサは、比較に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(908)ように構成されている。例えば、測定された流体圧が、持続期間にわたって閾値よりも高い(例えば、10~30分間にわたって40psi(275kPa)よりも5~10psi(34~69kPa)高い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常よりも高い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常よりも高い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が感染症を経験しており、発熱していることを示してよい。測定された流体圧が、閾値より低い(例えば、10~30分間にわたって20psi(140kPa)より5~10psi(34~69kPa)低い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常より低い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常より低い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が神経ダメージ又は患者の体温調節応答に影響を及ぼしている他の状態を経験していることを示してよい。体温管理システムのプロセッサは、決定することに応答して、ユーザインタフェースによる警告を生成する(910)。警告は、-5までの0より低い値が、正常な体温調節活動より低いことに等しく、+5までの0より高い値が、正常な体温調節活動よりも高いことに等しく、0は、正常な体温調節活動を表す、数目盛りの形であり得る。
【0129】
判定段階に応じて、体温管理システムのプロセッサは、患者が治療的応答を受けるべきかを決定し得る(912)。治療的応答が必要とされる場合、体温管理システムは、熱交換システム10又は別のデバイス若しくはシステムのいずれかに、患者を治療するための応答を適用させる(914)。例えば、体温管理システムは、熱交換システム10に連結されている薬物注入ポンプに、世話をする人による承認に応答して、抗シバリング薬を注入させてよい。必要に応じて、システムは、世話をする人に薬物の注入を承認することを、応答が生じる前に、促してよい。
【0130】
図10は、図1図3の熱交換システムの熱交換流体の温度の変化に関するデータを用いて、患者の体温調節活動の値を決定するための例示的なプロセス1000を含むフロー図を示す。体温管理システムのプロセッサは、患者の体温を目標温度範囲内に維持するために、熱交換システムの温度センサから受信された温度データに基づいて、熱交換システムを制御する(1002)ように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、制御することに応じて、熱交換システムの熱交換流体の温度を表す動作データを受信する(1004)ように構成されている。熱交換流体は、患者の体を冷却又は加熱するための冷媒、生理食塩水又は他の流体を含み得る。熱交換流体は、熱プレート、熱交換カセット、カテーテル、又は冷却/加熱パッド等の、熱交換システムの一部を熱又は冷却するように構成され得る。カテーテル等の熱交換デバイスに入る熱交換流体、例えば生理食塩水、及び熱交換デバイス、例えばカテーテルから出てくる熱交換流体の温度の差分又は変化(ΔT)を測定することは、患者の体温調節活動に関する情報を提供してよい。例えば、大きな温度変化(デルタT)は、熱交換システムが患者を冷却するためにより多くの努力を費やしていることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに抵抗している、より活発な体温調節応答を有し得る。より小さな温度変化は、熱交換システム10が患者を冷却するためにより少ない努力を費やしていることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに対してより少ない抵抗を提供している、比較的活発でない体温調節応答を有し得る。熱交換流体の測定された温度の変化が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、患者の測定された温度、又は温度の変化率を考慮してよい。
【0131】
いくつかの実施例において、熱交換流体の温度の変化を測定するために、熱交換システム10は、カテーテルに入る流体供給経路内に位置した第1の温度センサ及びカテーテルから出てくる流体帰還経路内に位置した第2の温度センサから、熱交換流体の温度を測定するように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、熱交換流体の測定されたデルタT値を、正常な体温調節活動を示す患者の治療において観測されたデルタT値の正常な範囲等のデルタT閾値と比較する(1006)。例えば、患者を一定温度に維持する間、熱交換流体についてのデルタT値の正常な範囲は、5℃から12℃である。プロセッサは、システムメモリ上でローカルに又はリモートデータベース内に記憶されているルックアップテーブルにアクセスすることによって、デルタT値の正常な範囲を読み出してよい。体温管理システムのプロセッサは、比較に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(1008)ように構成されている。例えば、測定されたデルタTが、閾値よりも高い(例えば、10~30分間にわたって12℃のデルタTよりも2~5℃高い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常よりも高い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常よりも高い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が感染症を経験しており、発熱していることを示してよい。測定されたデルタTが、閾値より低い(例えば、10~30分間にわたって5℃のデルタTよりも2~5℃低い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常より低い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常より低い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が神経ダメージ又は患者の体温調節応答に影響を及ぼしている他の状態を経験していることを示してよい。体温管理システムのプロセッサは、決定することに応答して、ユーザインタフェースによる警告を生成する(1010)。警告は、-5までの0より低い値が、正常な体温調節活動より低いことに等しく、+5までの0より高い値が、正常な体温調節活動よりも高いことに等しく、0は、正常な体温調節活動を表す、数目盛りの形であり得る。
【0132】
判定段階に応じて、体温管理システムのプロセッサは、患者が治療的応答を受けるべきかを決定し得る(1012)。治療的応答が必要とされる場合、体温管理システムは、熱交換システム10又は別のデバイス若しくはシステムのいずれかに、患者を治療するための応答を適用させる(1014)。例えば、熱交換システム10は、患者の冷却を増加させるために、熱交換デバイスを通って循環する作動流体の温度の低下を引き起こしてよい。必要に応じて、システムは、世話をする人に治療的応答を承認することを、応答が生じる前に、促してよい。
【0133】
図11は、図1図3の熱交換システムの熱交換プレートの温度に関するデータを用いて、患者の体温調節活動の値を決定するための例示的なプロセス1100を含むフロー図を示す。体温管理システムのプロセッサは、患者の体温を目標温度範囲内に維持するために、熱交換デバイスの温度センサから受信された温度データに基づいて、熱交換デバイスを制御する(1102)ように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、制御することに応じて、熱交換プレート(例えば、熱交換プレート間に位置した熱交換カセットを通って循環する作動流体を加熱又は冷却するための、本明細書において説明される熱交換プレート等)の温度を表す動作データを受信する(1104)ように構成されている。熱交換プレートの温度を測定することは、患者の体温調節活動に関する情報を提供してよい。例えば、高いプレート温度は、熱交換システム10が患者を冷却するためにより多くの努力を費やしていることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに抵抗している、より活発な体温調節応答を有し得る。より低いプレート温度は、熱交換システムが、熱交換システムが患者を冷却するためにより少ない努力を費やしていることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに対してより少ない抵抗を提供している、比較的活発でない体温調節応答を有し得る。熱交換プレートの測定された温度が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、患者の測定された温度、又は温度の変化率を考慮してよい。
【0134】
いくつかの実施例において、熱交換プレートの温度を測定するために、熱交換システム10は、プレートのうち1又は複数の上の又は内の温度センサを含む。体温管理システムのプロセッサは、測定された絶対プレート温度を、正常な体温調節活動を示す患者の治療において観測された、熱交換システム10の熱交換プレートについての温度の正常な動作範囲等の閾値と比較し得る(1106)。例えば、患者を一定温度に維持する間、プレート温度にとっての正常な動作範囲は、5~30℃である。プロセッサは、システムメモリ上でローカルに又はリモートデータベース内に記憶されているルックアップテーブルにアクセスすることによって、プレート温度についての値の正常な動作範囲を読み出してよい。体温管理システムのプロセッサは、比較に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(1108)ように構成されている。例えば、測定された温度が、閾値よりも高い(例えば、10~30分間にわたって30℃よりも5℃高い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常よりも高い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常よりも高い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が感染症を経験しており、発熱していることを示してよい。測定された温度が、閾値より低い(例えば、10~30分間にわたって5℃よりも低い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常より低い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常より低い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が神経ダメージ又は患者の体温調節応答に影響を及ぼしている他の状態を経験していることを示してよい。警告は、-5までの0より低い値が、正常な体温調節活動より低いことに等しく、+5までの0より高い値が、正常な体温調節活動よりも高いことに等しく、0は、正常な体温調節活動を表す、数目盛りの形であり得る。
【0135】
判定段階に応じて、体温管理システムのプロセッサは、患者が治療的応答を受けるべきかを決定し得る(1112)。治療的応答が必要とされる場合、体温管理システムは、熱交換システム又は別のデバイス若しくはシステムのいずれかに、患者を治療するための応答を適用させる(1114)。例えば、熱交換システム10は、患者の冷却を増加させるために、熱交換プレートを通って循環する冷媒の温度の低下を引き起こしてよい。必要に応じて、体温管理システムは、世話をする人に治療的応答を承認することを、応答が生じる前に、促してよい。
【0136】
図12は、図1図3の熱交換システム内の熱交換流体ポンプのポンプ速度に関するデータを用いて、患者の体温調節活動の値を決定するための例示的なプロセス1200を含むフロー図を示す。体温管理システムのプロセッサは、熱交換システムの温度センサから受信した温度データに基づいて、患者の体温を目標温度範囲に維持するために、熱交換システムを制御する(1202)ように構成されている。体温管理システムのプロセッサは、制御することに応じて、(例えば、カテーテルを通って生理食塩水等の作動流体をポンプする/循環する)熱交換システム10の熱交換流体ポンプのポンプ速度を表す動作データを受信する(1204)よう構成されている。ポンプ速度を測定することは、患者を冷却するためにどのくらいの流体が用いられるかを示し得る。より速いポンプ速度は、患者を冷却するために経時的により多くの流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに抵抗している、より活発な体温調節応答を有し得る。より遅いポンプ速度は、患者を冷却するために経時的により少ない流体が必要とされることを意味してよく、従って、患者は、熱交換デバイスによる冷却することに対してより少ない抵抗を提供している、比較的活発でない体温調節応答を有し得る。測定されたポンプ速度が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、患者の測定された温度、又は温度の変化率を考慮してよい。別の実施形態において、測定されたポンプ速度が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるために、プロセッサはまた、カテーテル等の熱交換デバイスに入る熱交換流体、例えば生理食塩水、及び熱交換デバイスから出てくる熱交換流体の温度の差分又は変化(ΔT)を考慮してよく、又はプロセッサは、熱交換プレートの温度を考慮してよい。
【0137】
いくつかの実施例において、ポンプ速度を測定するために、熱交換システム10は、回転速度計、エンコーダ、又は(例えば、ロータ速度を測定するための)ポンプと通信している他のセンサを含む。体温管理システムのプロセッサは、患者を一定温度例えば、5~20rpm(5~20/min)に維持しながら、測定されたポンプ速度を、正常な体温調節活動を示す患者の治療において観測された正常なポンプ速度と比較し得る(1206)。プロセッサは、システムメモリ上でローカルに又はリモートデータベース内に記憶されているルックアップテーブルにアクセスすることによって、正常なポンプ速度範囲を読み出してよい。体温管理システムは、比較に基づいて、患者の体温調節活動を示す値を決定する(1208)よう構成されている。
【0138】
例えば、ポンプ速度が、正常な範囲よりも高い(例えば、10~30分間にわたって正常な範囲の最上部よりも5rpm(5/min)高い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常よりも高い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常よりも高い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が感染症を経験しており、発熱していることを示してよい。ポンプ速度が、正常な範囲より低い(例えば、10~30分間にわたって正常な範囲の最下部よりも5rpm(5/min)低い)場合、体温管理システムのプロセッサは、正常より低い体温調節活動に対する値を決定し得る。この正常より低い体温調節活動値は、世話をする人の注意を喚起し、患者が神経ダメージ又は患者の体温調節応答に影響を及ぼしている他の状態を経験していることを示してよい。体温管理システムのプロセッサは、決定することに応答して、ユーザインタフェースによる警告を生成する(1210)。警告は、-5までの0より低い値が、正常な体温調節活動より低いことに等しく、+5までの0より高い値が、正常な体温調節活動よりも高いことに等しく、0は、正常な体温調節活動を表す、数目盛りの形であり得る。
【0139】
特定の実施形態において、プロセッサは、任意のが、上記のタイプのいずれかのうち2又はそれより多くタイプの動作データの測定された値を受信し、同時に、システムアーティファクト又はシステム問題というより、測定された動作データ値が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を増加させるように構成されていてよい。プロセッサはまた、本明細書において説明される例のいずれかにおいて、体温調節活動を示す値を決定するにあたって、患者の測定された温度又は温度の変化率を考慮してよい。例えば、測定された患者温度が、同一の体温管理システムで治療された患者の過去のデータと比較して、想定されるよりも少なく低下する、又は想定されるより遅い速度で低下するという事実は、測定された動作データの値が、患者の活動過多の体温調節活動に起因していることの確実性の程度を増加させてよい。測定された動作データの値が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を更に増加させるために、プロセッサはまた、カテーテル熱交換流体出口温度を考慮してよい。測定された動作データの値が実際に患者の活動過多の又は弱った体温調節活動の結果であることの確実性の程度を更に増加させるために、プロセッサはまた、患者の体重の推測を考慮してよい(例えば、患者の体重の推測は、過去の標準又はユーザによる入力に基づいて、予めプログラムされてよい)。別の実施形態において、体温調節活動を示す値は、2又はそれより多くタイプの動作データ、及び患者温度データ等の患者データを考慮する機械学習を用いて、決定されてよい。体温調節活動を示す値は、本明細書において説明された2又はそれより多くのタイプの動作データを考慮する数学モデルを用いて、決定されてよく、数学モデルは、例えば、機械学習を介して構築された統計モデルであってよい。例えば、2又はそれより多くタイプの動作データを考慮する機械学習を用いるために、体温管理システムは、機械学習ロジックにおいて、2又はそれより多くのタイプの動作データを受信し、機械学習ロジックを2又はそれより多くのタイプの動作データに適用するように構成され得る。
【0140】
体温調節活動についての警告は、他の形を含んでよい。例えば、体温調節活動を示す値を提供するために、カラースケール又は可聴警告が、ユーザインタフェースを介して出力されてよい。
【0141】
この明細書において説明される主題及び動作のいくつか実施例(例えば、プロセス400、500、600、800、900、1000、1100及び1200)は、デジタル電子回路において、又はこの明細書において開示された構造を及びそれらの構造的な均等物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアにおいて、又はこれらのうち1又は複数の組み合わせで実装され得る。例えば、いくつかの実施例において、体温管理システムのプロセッサは、デジタル電子回路又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアを用いて、又はこれらのうち1又は複数の組み合わせで実装され得る。
【0142】
この明細書において説明されたいくつかの実施例(例えば、体温管理システムのプロセッサ等)は、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアの1又は複数のグループ若しくはモジュールとして、又はこれらのうち1又は複数の組み合わせで実装され得る。異なるモジュールが用いられ得るが、それぞれのモジュールが、特異である必要はなく、多数のモジュールが、同じデジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア上で又はそれらの組み合わせで実装され得る。
【0143】
この明細書において説明されたいくつかの実施例は、1又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のため、又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上でエンコードされた1又は複数のコンピュータプログラム命令のモジュールとして実装され得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリアレイ若しくはデバイス、又はこれらのうち1又は複数の組み合わせであり得、又はこれに含まれ得る。更に、コンピュータ記憶媒体は、伝搬信号ではない一方で、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝播信号でエンコードされたコンピュータプログラム命令のソース又は移動先であり得る。コンピュータ記憶媒体はまた、1又は複数の別個の物理的コンポーネント又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他のストレージデバイス)であり得、又はこれに含まれ得る。
【0144】
「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、又は前述したもののうち複数若しくは組み合わせを含む、全ての種類のデータを処理するための装置、デバイス、及び機械を包含する。いくつかの実施例において、クエリ応答モジュール104及び/又はデータ構造モジュール106は、本明細書において説明されたデータ処理装置を含む。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る。装置はまた、ハードウェアに加えて、問題になっているコンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又は、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、それらの1若しくは複数の組み合わせを構成するコードを含み得る。装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散されたコンピューティングインフラストラクチャ及びグリッドコンピューティングインフラストラクチャ等、様々な異なるコンピューティングモデルのインフラストラクチャを実現し得る。
【0145】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイラ言語若しくはインタプリタ言語、又は、宣言型言語若しくは手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書かれ得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに対応してよいが、そうする必要がなくてもよい。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語のドキュメントに記憶された1又は複数のスクリプト)、問題になっているプログラムに特化された単一のファイル、又は複数の調整されたファイル(例えば、1又は複数のモジュール、副プログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つの場所に配置されている若しくは複数の場所にわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0146】
この明細書において説明されるプロセス及びロジックフローのうちのいくつかは、入力データに動作し、出力を生成することにより、行動を実行するために、1又は複数のコンピュータプログラムを実行させる1又は複数のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。プロセス及びロジックフローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路により、実行され得、装置は、これとして実装され得る。
【0147】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用及び特殊用途両方のマイクロプロセッサ、並びに、任意の種類のデジタルコンピュータのプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータは、命令に従って行動を実行するプロセッサ及び命令及びデータを記憶するための1又は複数のメモリデバイスを含む。コンピュータはまた、データを記憶するための1又は複数の大容量ストレージデバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクを含んでよく、又は、データをこれから受けとり若しくはこれに転送するために、又はその両方をするために動作可能に連結されていてよい。ただし、コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶することに好適なデバイスは、全ての形式の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含み、これらには、例として、(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス等の)半導体メモリデバイスと、(例えば、内蔵ハードディスク及び取外し可能ディスク等の)磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD‐ROM及びDVD‐ROMディスクとが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完することができる、又は専用論理回路の中に内蔵することができる。
【0148】
ユーザとのインタラクションを提供するために、動作は、情報をユーザに表示するための表示デバイス(例えば、モニタ又は別のタイプの表示デバイス)、並びにユーザがコンピュータに入力を提供し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、タブレット、タッチセンサスクリーン、又は別のタイプのポインティングデバイス)を有するコンピュータ上で実施され得る。他の種類のデバイスを使用して同じくユーザとインタラクションを行うことができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、あらゆる形式の感覚フィードバック、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであってよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含む、あらゆる形式で受け取ることができる。更に、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに書類を送信し、また、書類をこれから受信することによって、例えば、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザから要求を受け取ることに応じて、Webページをウェブブラウザに送信することによって、ユーザとやり取りし得る。
【0149】
コンピュータシステムは、単一のコンピューティングデバイス、又は近くで若しくは概して互いに遠隔で動作する、若しくは典型的に、通信ネットワークを通じてやり取りをする複数のコンピュータを含んでよい。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、衛星リンクを含むネットワーク、及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)が含まれる。クライアントとサーバとの関係は、それらそれぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアントサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じてよい。
【0150】
図13は、プロセッサ1310、メモリ1320、ストレージデバイス1330、及び入/出力デバイス1340を含む例示的なコンピュータシステム1300を示す。コンポーネント1310、1320、1330及び1340のそれぞれは、例えば、システムバス1350によって相互接続され得る。プロセッサ1310は、システム1300内で、実行される命令を処理可能である。
いくつかの実施例において、プロセッサ1310は、シングルスレッドのプロセッサ、マルチスレッドのプロセッサ、又は別のタイプのプロセッサである。プロセッサ1310は、メモリ1320又はストレージデバイス1330内に記憶された命令を処理できる。メモリ1320及びストレージデバイス1330は、情報をシステム1300内に記憶し得る。
【0151】
入/出力デバイス1340は、システム1300に対し、入/出力動作を提供する。いくつかの実施例において、入/出力デバイス1340は、ネットワークインターフェースデバイス、例えばイーサネット(登録商標)カード、シリアル通信デバイス、例えば、RS-232Cポート、及び/又は無線インタフェースデバイス、例えば、802.11カード、3G無線モデム、4G無線モデム、5G無線モデム等のうち1又は複数を含み得る。いくつかの実施例において、入/出力デバイスは、他の入/出力デバイス(例えば、キーボード、プリンタ、及び表示デバイス1360)との間で入力データを受信して出力データを送信するように構成されるドライバデバイスを含み得る。いくつかの実施例において、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、及び他のデバイスが用いられ得る。
【0152】
この明細書は、多くの詳細を含む一方で、これらは、請求される得るものの範囲を限定するものとして解釈されるべきでなく、むしろ特定の例に固有の特徴の説明として解釈されるべきである。別の実装の文脈でこの明細書において説明される特定の特徴はまた、組み合わされ得る。また他方で、単一の実施例の文脈で説明される様々な特徴もまた、複数の実施形態において別個に又は任意の好適な組み合わせで実装され得る。
【0153】
複数の実施形態が、説明された。例えば、発明を実施するための形態及び添付図面が示すものは、必ずしも全てではないが、いくつかのシステムの例又は実施形態を説明することを意図している。説明される実施形態は、あらゆる点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないとみなされるべきである。しかしながら、様々な変更が、本明細書において説明されるデータ処理システムの趣旨及び範囲から逸脱することなくされてよいことが理解されるだろう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13