(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-05
(45)【発行日】2025-08-14
(54)【発明の名称】対象を特定するための複数の値を表内の複数のセルに入力させるプログラム、編集装置、ならびに、編集方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/177 20200101AFI20250806BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20250806BHJP
【FI】
G06F40/177
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2023202822
(22)【出願日】2023-11-30
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】オウ サイリン
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-249328(JP,A)
【文献】特開2022-048899(JP,A)
【文献】門脇 香奈子,Excel完全ガイド 改訂第3版 [Office2021/2019/2016/Microsoft 365対応],第1版,SBクリエイティブ株式会社 小川 淳,2022年11月06日,p.112,119,122
【文献】高萩 栄一郎、外1名,Excelで学ぶAHP入門,第2版,日本,株式会社オーム社 村上 和夫,2018年05月20日,p.147-150
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより制御される画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるためのプログラムであって、
前記表内において、前記複数の特定セルは、前記表内にて同一行内の所定の複数列に位置し、
前記表内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定され、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記フォーカスされたセルと同一行に配置された前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と
矛盾する値ではなく、整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出部、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示部、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新部
として機能させ
、
前記所定の複数列は、対象を構成する複数の要素にそれぞれ対応付けられ、
前記他のセルに入力されている他の値と、前記フォーカスされたセルに入力可能な値と、が、整合するか、矛盾するか、を定める定義情報が、前記複数の要素の依存関係に基づいて、あらかじめ得られてデータベースに登録され、
前記抽出部は、前記候補を抽出するため、前記データベースに登録された前記定義情報を参照する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記複数の要素の依存関係は、対象の仕様書もしくは対象に係るウェブサーバからクロールしたページから抽出され、
前記抽出される整合値は非空値であり、
前記抽出部は、空値を前記候補としてさらに抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示される候補において、前記整合値は、所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータにより制御される画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)と、
前記他の値と矛盾する値(以下「矛盾値」という。)と、
を、候補として抽出する抽出部、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示部であって、前記整合値と、前記矛盾値と、を異なる体裁で表示する候補表示部、
前記表示された候補から値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新部
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記矛盾値が選択されると、前記他のセルのうち、前記選択された値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示する
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記矛盾値が選択されると、前記更新部は、前記他のセルのうち、前記選択された値に矛盾する値が入力されているセルに、空値を入力する
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示される候補において、前記整合値と、前記矛盾値と、は、所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記表示される候補において、前記整合値は、前記矛盾値に先行して表示される
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記表示される候補において、前記整合値は、所定の順序にソートされ、前記矛盾値は、前記所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記抽出部は、前記候補として前記整合値が前記画面内に表示されてから、前記選択がされないまま所定時間が経過した後に、前記矛盾値を抽出して前記画面内に表示される前記候補に追加する
ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記選択がされるのに先立って、前記表示された候補からいずれかの矛盾値が指示されると、前記他のセルのうち、前記指示された値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示する
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表内において、前記複数の特定セルは、同一行内の所定の複数列に位置し、
前記抽出部は、
前記複数の特定セルのうち、前記フォーカスされたセルと同一行内で先行する先行セルに入力されている値と整合するが、
前記複数の特定セルのうち、前記フォーカスされたセルと同一行内で後行する後行セルに入力されている値と矛盾する
値を、前記矛盾値として抽出する
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表内において、前記複数の特定セルは、前記表内にて同一行内の所定の複数列に位置し、
前記表内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定され、
前記所定の複数列は、対象を構成する複数の要素にそれぞれ対応付けられ、
前記他のセルは、前記フォーカスされたセルと同一行に配置される前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでないセルであり、
前記他のセルに入力されている他の値と、前記フォーカスされたセルに入力可能な値と、が、整合するか、矛盾するか、を定める定義情報が、前記複数の要素の依存関係に基づいて、あらかじめ得られてデータベースに登録され、
前記抽出部は、前記候補を抽出するため、前記データベースに登録された前記定義情報を参照する
ことを特徴とする
請求項4に記載のプログラム。
【請求項14】
画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるための編集装置であって、
前記表内において、前記複数の特定セルは、前記表内にて同一行内の所定の複数列に位置し、
前記表内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定され、
前記編集装置は、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記フォーカスされたセルと同一行に配置された前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と
矛盾する値ではなく、整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出部、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示部、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新部
を備え
、
前記所定の複数列は、対象を構成する複数の要素にそれぞれ対応付けられ、
前記他のセルに入力されている他の値と、前記フォーカスされたセルに入力可能な値と、が、整合するか、矛盾するか、を定める定義情報が、前記複数の要素の依存関係に基づいて、あらかじめ得られてデータベースに登録され、
前記抽出部は、前記候補を抽出するため、前記データベースに登録された前記定義情報を参照する
ことを特徴とする編集装置。
【請求項15】
画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるための編集装置が実行する編集方法であって、
前記表内において、前記複数の特定セルは、前記表内にて同一行内の所定の複数列に位置し、
前記表内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定され、
前記編集方法は、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、前記編集装置が、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記フォーカスされたセルと同一行に配置された前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と
矛盾する値ではなく、整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出工程、
前記編集装置が、前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示工程、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記編集装置が、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新工程
を備え
、
前記所定の複数列は、対象を構成する複数の要素にそれぞれ対応付けられ、
前記他のセルに入力されている他の値と、前記フォーカスされたセルに入力可能な値と、が、整合するか、矛盾するか、を定める定義情報が、前記複数の要素の依存関係に基づいて、あらかじめ得られてデータベースに登録され、
前記抽出工程では、前記候補を抽出するため、前記データベースに登録された前記定義情報を参照する
ことを特徴とする編集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象を特定するための複数の値を表内の複数のセルに入力させるプログラム、編集装置、ならびに、編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表計算アプリケーションにて処理されるスプレッドシートは、情報を表形式で整理し、入力、編集、閲覧、演算、印刷等、種々の処理を行うために広く利用されている。ここで、特許文献1では、スプレッドシート内のセルに対する入力値の候補のリストを表示し、当該候補から入力値を選択させることで、セルへの入力を容易にする技術が開示されている。
【0003】
さて、ウェブサービス等の動作テストを設計したり、不具合の報告を行う際には、表形式で、テストや報告の対象となる
プロダクト、
当該プロダクトにて利用者に提示されるページ、
当該ページ内に配置される要素等のサブエリア、
当該サブエリアにおける主題を表すサブジェクティブ、
当該サブエリアに対するアクション、
当該アクションによって生じうる/生じた結果
等を整理することができる。表形式で情報を整理することにより、テストケースの設計や、不具合の報告を作成することが容易になると考えられる。
【0004】
この場合、テストケースや不具合報告は、それぞれ、表内の1行に入力される値に対応する。また、テストや不具合の対象は、当該1行におけるプロダクト列、ページ列、サブエリア列、サブジェクティブ列、アクション列の各セルに入力されたセル値によって特定される。
【0005】
ここで、ある会社が開発するプロダクトは有限であるから、当該行のプロダクト列のセルに入力可能な値は、有限の候補に限られることになる。
【0006】
また、あるプロダクトにて提供されるページも有限であるから、当該行のプロダクト列のセルに入力されたセル値に応じて、ページ列のセルに入力可能な値の候補が決まる。すなわち、ページ列のセルに入力可能な値は、プロダクト列のセル値に整合する(矛盾しない)値である、ということになるし、それ以外の、プロダクト列のセル値に矛盾する値は、ページ列のセルに入力できない、ということになる。
【0007】
同様に、あるページ内に配置されるサブエリアや、サブエリアに対して行うことができるアクションには、制限がある。また、アクションとして入力を採用する場合には、サブジェクティブは、その入力値に相当するが、任意の値を入力できる場合もあるし、値に制限がある場合もある。したがって、「あるプロダクトのあるページのあるサブエリアのあるサブジェクティブに係るアクション」によって対象が正しく定義されるには、行内の各列に入力されたセル値が、互いに整合する(矛盾しない)ことが必要となる。
【0008】
テストケースや不具合報告に限られず、
所望の対象を特定するための複数の値を、表内に配置された複数のセルへ入力したいこと、
その際に、当該複数のセルに入力すべき値が、他のセルに既に入力されている値と整合する(矛盾しない)ようにすべきであること、
という制約が課せられる状況は、様々な局面でありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、所望の対象を特定するための複数の値を複数のセルに入力する際に、当該行の他のセルに既に入力されている値と整合する(矛盾しない)値を容易に入力できるように支援する技術が強く望まれている。
【0011】
このほか、既にセルに入力済の値を修正する際には、当該行の他のセルがその修正によって矛盾する(整合しない)ようになってしまうことがある。したがって、セルに対する修正の影響を、特に修正を施す前に、わかりやすく提示することが望ましい。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、対象を特定するための複数の値を表内の複数のセルに入力させる際の支援をするプログラム、編集装置、ならびに、編集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、
画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるための編集装置は、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出し、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示し、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する。
【0014】
典型的には、上記編集装置は、プログラムをコンピュータにて実行することにより実現される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対象を特定するための複数の値を表内の複数のセルに入力させる際の支援をするプログラム、編集装置、ならびに、編集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】値が入力されていない表が編集装置により画面に表示されている表示例を示す説明図である。
【
図2】第1行「Product」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。
【
図3】第1行「Product」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の際を示す説明図である。
【
図4】第1行「Product」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値が選択された際の様子を示す説明図である。
【
図5】値「B」が入力された第1行「Product」列のセルにポインタで指示した際の様子を示す説明図である。
【
図6】値「B」が入力された第1行「Product」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。
【
図7】第1行「Device」列のセルをポインタで指示した際の様子を示す説明図である。
【
図8】第1行「Device」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。
【
図9】第1行「Device」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の様子を示す説明図である。
【
図10】第1行「Device」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の様子を示す説明図である。
【
図11】ユーザ名を入力した後に、続いてパスワードを入力するという処理のためのテストケースが入力された際の様子を示す説明図である。
【
図12】ユーザ名とパスワードを入力した後に、ログイン用のボタンをクリックするという処理のためのテストケースが入力された際の様子を示す説明図である。
【
図13】値が入力済の第3行「Sub area」列のセルにフォーカスした際の様子を示す説明図である。
【
図14】ドロップダウンリストに矛盾値からなる候補が追加された際の様子を示す説明図である。
【
図15】矛盾値が追加されたドロップダウンリストをスクロールした際の様子を示す説明図である。
【
図16】ドロップダウンリスト内の矛盾値「Password Input box」をポインタで指示した際の様子を示す説明図である。
【
図17】ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」をポインタで指示した際の様子を示す説明図である。
【
図18】ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」を選択した際に、矛盾する他のセルを消去する態様を示す説明図である。
【
図19】ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」を選択した際に、矛盾する他のセルの体裁を変更する様子を示す説明図である。
【
図21】編集装置にて実行される編集処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
(編集装置が実現される態様)
本実施例に係る編集装置は、プログラムをコンピュータに実行させることにより実現するのが一般的である。この場合、当該コンピュータでは、スプレッドシートもしくは表計算による処理を実行するためのアプリケーションプログラムを動作させ、当該アプリケーションプログラムに以下に説明する支援機能が当初から組み込まれる態様、当該アプリケーションプログラムに後から追加するアドオンプログラムにより当該支援機能が実現される態様、スプレッドシートが有するマクロ機能により実現される態様など、種々の態様が考えられる。さらに、当該プログラムは、スプレッドシートや表計算を処理するプログラムに限られない。表形式で情報の入力や編集を可能とする任意のプログラム、たとえば、専用の対象管理プログラムや、ウェブアプリケーションプログラム、ブラウザで動作するスクリプトプログラム、スマートホン用プログラムなどを採用することもできる。
【0019】
さらに、専用電子回路により処理を実行させることも可能である。このほか、コンピュータと専用電子回路の中間形態として、プログラムを電子回路の設計スクリプトにコンパイルして、当該設計スクリプトに基づいて電子回路を動的に構成するFPGA(Field Programmable Gate Array)などの技術を適用することにより、本実施例のサーバならびに端末を構成することも可能である。
【0020】
これらのプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することもできる。
【0021】
コンピュータでは、フラッシュメモリやハードディスク等の非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録されたプログラムを、一時的(temporary)記憶装置であるRAM(Random Access Memory)に読み出してから、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPU(Central Processing Unit)が実行する。ただし、ROMとRAMを一つのメモリ空間にマッピングして実行することが可能なアーキテクチャでは、ROMに格納されたプログラムに含まれる指令を、直接CPUが読み出して実行する。
【0022】
さらに、プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網等の一時的(transitory)伝送媒体を介して、事業者が管理する配布サーバ等からコンピュータへ配布・販売することができる。
【0023】
(編集装置の使用例)
本実施形態に係る編集装置は、画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるものであり、典型的には、上記画面その他を制御するコンピュータにてプログラムを実行することにより実現される。以下では、まず、編集装置によって表内のセルに値が入力されていく動作例を説明する。
【0024】
まず、ユーザは、編集装置により表の編集を開始する。この段階では、表の各セルには値が入力されていない。
図1は、値が入力されていない表が編集装置により画面に表示されている表示例を示す説明図である。本図に示す例では、桝目状に区切られて各セルが構成された表と、ユーザが注目する対象を指示するための矢印型のポインタと、が表示されている。
【0025】
表の列は、「Precondition」(前提)、「Step」(ステップ)、「Expected Result」(期待される結果)の3つに分類されており、各列には、列名として、「Product」「Device」「Step No.」「Page」「Sub Area」「Subjective」「Action」「Additional Information」「Corresponding Step No.」「Type」「Status」「Target Page」が掲げられている。
【0026】
列名の下には、値を入力可能なセルが各行12列に配置されており、セル全体が表示されている行が上から7行続いた下に、セルの上部のみが表示されている行が配置されている。
【0027】
各行の右側にはスクロールボックスが用意されており、スクロールボックスをポインタで指示して上下に移動することで、表において値が入力される行を上下にスクロールすることができる。
【0028】
本実施例では、複数のテストケースを表に入力することを想定している。ここで、「Product」列のセルには、テストの対象となる製品の名称が入力される。ユーザが1行目の「Product」列に製品名を入力するには、本図に示すように、第1行「Product」列のセルをポインタで指示して、マウスをクリックしたりキーボードでリターンキーを入力する等して、ポインタの位置を維持したまま、当該セルをフォーカスする。
【0029】
図2は、第1行「Product」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。本図に示す例では、フォーカスされたセルに重なるように、フォーカスされたセルと同じ表示幅を有するドロップダウンリストが表示されている。
【0030】
ドロップダウンリスト内には、当該セルに入力可能な候補として「A」「B」「C」「D」が辞書順に掲げられている。また、当該セルは、現在は値が入力されていない(すなわち、空値が入力されている)から、ドロップダウンリスト内の候補の先頭には、空値が掲げられている。また、空値の冒頭には、チェックマークが付されているが、これは、ドロップダウンリスト内の候補である空値ならびに「A」「B」「C」「D」のうち、現在はセルに入力されている値が空値であることを示すものである。
【0031】
ドロップダウンリスト内の候補は点線で区切られているが、最後の候補「D」の下には実線が引かれている。これは、「これ以降には候補はない」ことを意図するものである。
【0032】
ドロップダウンリストの右側にはスクロールボックスが用意されている。これは、候補の数が多いために、ドロップダウンリストの表示サイズでは入り切らない場合に、候補をスクロール可能に表示して選択させるものである。
【0033】
一般にドロップダウンリストが表示される位置は、フォーカスされたセルの近傍とすることが望ましい。また、フォーカスされているセルが位置する列以外の列(特に、フォーカスされているセルの列の右側)が、ドロップダウンリストによって隠れないようにドロップダウンリストの大きさや位置を設定することが望ましい。したがって、ドロップダウンリストの表示幅をフォーカスされたセルの表示幅よりも大きくしたい場合(たとえば、ドロップダウンリスト内に並ぶ候補の長さがフォーカスされたセルの表示幅よりも長い場合)等には、ドロップダウンリストの右端はフォーカスされているセルの右端と揃え、ドロップダウンリストが左側にはみ出るように配置すれば良いことになる。
【0034】
ここで、ユーザが第1行「Product」列のセルに、ドロップダウンリスト内に候補として掲げられた値を入力したい場合には、ポインタにより所望の値を指示する。
図3は、第1行「Product」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の際を示す説明図である。本図に示す例では、ドロップダウンリスト内の候補の値「B」が指示されている。
【0035】
このままユーザが、マウスをクリックしたり、キーボードでリターンキーを叩く等の選択操作をすると、ドロップダウンリスト内の候補の値「B」が、入力すべき値として選択されることになる。
【0036】
図4は、第1行「Product」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値が選択された際の様子を示す説明図である。上記のように、ドロップダウンリスト内の候補の値「B」が選択されると、本図に示すように、ポインタの位置は維持されたまま、ドロップダウンリストは画面から消去され、選択された値「B」が、第1行「Product」列のセルに入力される。また、第1行「Product」列のセルに対して値が入力されたため、当該セルに対するフォーカスは解除される。
【0037】
この後に再度、第1行「Product」列のセルをフォーカスするには、ポインタを移動して、マウスのクリック等をすれば良い。
図5は、値「B」が入力された第1行「Product」列のセルにポインタで指示した際の様子を示す説明図である。
図6は、値「B」が入力された第1行「Product」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。これらの図に示すように、値「B」が入力されているセルをポインタで指示して、当該セルをフォーカスすると、ドロップダウンリストが表示される。
【0038】
先に表示されたドロップダウンリストと今回表示されているドロップダウンリストでは、フォーカスされているセルに入力されている値を表すチェックマークが付されている候補が異なる。すなわち、先に表示されたドロップダウンリストでは、空値がチェックされていたが、今回表示されたドロップダウンリストでは、値「B」がチェックされている。
【0039】
ドロップダウンリストの外側をクリックする、エスケープキーを叩くなどの操作を行えば、フォーカスされたセルに入力されている値は「B」のまま、ドロップダウンリストの表示をやめて、フォーカスを解除することができる。
【0040】
さて、第1行「Product」列にプロダクト名を表す値「B」を入力した後、ユーザは、当該プロダクトが対象とするデバイス名を入力するものとする。
図7は、第1行「Device」列のセルをポインタで指示した際の様子を示す説明図である。第1行「Product」列のセルに対する操作と同様に、ユーザは、値を入力したいセルをポインタで指示した後、フォーカスするための操作(マウスをクリックする、リターンキーを叩く等)をする。
【0041】
図8は、第1行「Device」列のセルがフォーカスされた際の様子を示す説明図である。第1行「Product」列のセルに対する処理と同様に、第1行「Device」列のセルの近傍には、ドロップダウンリストが表示される。
【0042】
ここで、プロダクト「B」が対象としうる「Device」は、「PC_Chrome」「PC_Safari」「PC_Firefox」「SP_Safari」「SP_Chrome」「APP_iOS」「APP_Android」に限られるものとする。本実施形態では、「PC_Chrome」「PC_Safari」「PC_Firefox」「SP_Safari」「SP_Chrome」「APP_iOS」「APP_Android」は、いずれも、「Device」と整合する(矛盾しない)整合値である、と呼ぶこととする。
【0043】
ドロップダウンリストには、チェックマークが付された空値のほか、プロダクト「B」に対する整合値の一部(「PC_Chrome」「PC_Safari」「PC_Firefox」「SP_Safari」「SP_Chrome」「APP_iOS」)が候補として掲げられている。
【0044】
なお、ドロップダウンリストの右側に配置されるスクロールボックスの高さは、ドロップダウンリストの高さよりも短い。したがって、当該スクロールボックスを指示して上下に移動することにより、ドロップダウンリスト内に表示される候補をスクロールすることができる。本例では図示されていないが、ドロップダウンリストを上にスクロールすると、画面に表示されていなかった整合値の残り(「APP_Android」)が下から現われる。そして、最後の候補に引き続いて、最後の候補の下に、これより先には候補がないことを表す実線が現れる。
【0045】
図9は、第1行「Device」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の様子を示す説明図である。本図では、候補から値「SP_Sarari」が指示されている。
【0046】
図10は、第1行「Device」列のセルのためのドロップダウンリストから所望の値をポインタにより指示した際の様子を示す説明図である。本図では、指示された値「SP_Safari」がフォーカスされていた第1行「Device」列のセルに入力され、ドロップダウンリストが消去されている。
【0047】
このように、第1行において、各セルに次々に値を入力する際には、同一の行において既に他のセルに入力されている値と整合する(矛盾しない)値がドロップダウンリストに候補として表示され、ユーザはその中からいずれかを指示して選択することにより、対象を指定するための正しい値を各セルに入力することができる。
【0048】
たとえば、プロダクト「B」のデバイス「SP_Safari」で提供されるページが、「Login」「Home」「My Info」「List」「Help」であるならば、これら4つが、入力済の値「B」「SP_Safari」と整合する整合値となる。そして、これらの整合値が、空白値とともに、第1行「Page」列のセルに対するドロップダウンリストに候補として掲げられる。
【0049】
これらの候補の中から、ユーザが「Login」を選択したとすると、第1行「Page」列のセルには、値「Login」が入力される。
【0050】
ここで、プロダクト「B」のデバイス「SP_Safari」で提供されるページ「Login」には、サブエリアとして、以下が配置されているものとする。
「Username Input box」は、当該サービスにログインしようとするユーザのユーザ名を入力するためのテキスト入力要素であり、アクション「Input」のみが可能である。
「Password Input box」は、当該ユーザが設定したログイン用パスワードを入力するためのテキスト入力要素であり、アクション「Input」のみが可能である。
「Pincode Input box」は、当該ユーザに割り当てられたPINやワンタイムパスワード等を入力するためのテキスト入力要素であり、アクション「Input」のみが可能である。
「Login button」は、入力されたユーザ名とパスワードをサーバへ送ってログインを試行するためのボタン要素であり、アクション「Click」のみが可能である。
「Help link」は、当該ページについてのヘルプ情報を表示するためのリンク要素であり、アクション「Click」のみが可能である。
【0051】
したがって、プロダクト「B」、デバイス「SP_Safari」、ページ「Login」という値が入力済の場合、サブエリアについて整合する整合値は、「Username Input box」「Password Input box」「Pincode Input box」「Login button」「Help link」の5種類となる。したがって、ユーザはこれらの値から、いずれかを選択して、各セルに値を入力する処理を繰り返していくことになる。
【0052】
すなわち、ユーザが、あるセルがフォーカスすると、当該セルと同一行で既に入力された値(多くの場合は、当該セルの左側にあるセルの値)と整合する整合値が、当該セルに入力される値の候補を示すドロップダウンリストが表示され、ユーザがその中からいずれかを選択し、次のセルへ進む、という処理を繰り返すことで、テストケースの対象と、当該テストケースにおいて、期待される結果と、が入力されることになる。
【0053】
図11は、ユーザ名を入力した後に、続いてパスワードを入力するという処理のためのテストケースが入力された際の様子を示す説明図である。本図では、プロダクト「B」、デバイス「SP_Safari」、ページ「Login」に対するテストシーケンス1(「Step No.」列の値1により表現する。)において、
まず最初のテストケース1-1(第1行)として、(「Step No.」の値1、「Corresponding Step No.」の値1により表現する。)、サブエリア「Username Input box」に付与値(サブジェクティブ)「Alice」を入力するアクション「Input」を実行すると、
画面におけるユーザインターフェース表示「UI_display」では、表示に異常がない「No skew」という状態となること、
および、
テストケース1-1に引き続いてテスト実行されるテストケース1-2(第2行)として(「Step No.」の値1、「Corresponding Step No.」の値2により表現する。)、サブエリア「Password Input box」に付与値(サブジェクティブ)「p@23x#fdsa」を入力するアクション「Input」を実行すると、
画面におけるユーザインターフェース表示「UI_display」では、表示に異常がない「No skew」という状態となること
が入力された表が図示されている。
【0054】
本図第1行に入力された値「B」「SP_Safari」「Login」「Username Input box」「Input」の組み合わせは、「プロダクトBのSP_Safari用の実装におけるLoginページのUsername入力ボックスにユーザ名をInputする」ことが、テストの対象であることを表現している。
【0055】
本図第2行に入力された値「B」「SP_Safari」「Login」「Password Input box」「Input」の組み合わせは、「プロダクトBのSP_Safari用の実装におけるLoginページのPassword入力ボックスにパスワードをInputする」ことが、テストの対象であることを表現している。
【0056】
図12は、ユーザ名とパスワードを入力した後に、ログイン用のボタンをクリックするという処理のためのテストケースが入力された際の様子を示す説明図である。本図では、
図11に示す表に含まれる第1行、第2行に加えて、第3行が入力された様子を示している。すなわち、
図11に示すテストケース1-1, 1-2に引き続いてテスト実行されるテストケース1-3(第3行)として(「Step No.」の値1、「Corresponding Step No.」の値3により表現する。)、サブエリア「Login button」をクリックするアクション「Click」を実行すると、
処理「Login」が実行されて成功(「Success」)し、
ページ「Home」を遷移先の目的ページ(「Target Page」)として遷移すること
が表現されている。
【0057】
本図第3行に入力された値「B」「SP_Safari」「Login」「Login button」「Click」の組み合わせは、「プロダクトBのSP_Safari用の実装におけるLoginページのLoginボタンをClickする」ことが、テストの対象であることを表現している。
【0058】
ここで、ユーザが、「Pincode Input box」についてのテストケースの入力を忘れたことに気付いた、すなわち、テストケース1-3は、「Login button」に対するものではなく、「Pincode Input box」に対するものにすべきであった、と気付いたとする。本実施形態では、以下のような機能を実装することによって、このような場合であっても、入力ミスを抑制するとともに、あるセルに対する修正による影響をユーザにわかりやすく見せることができる。
【0059】
この場合、ユーザは、第3行「Sub Area」列のセルをポインタで指示して当該セルにフォーカスする。すると、編集装置は、第3行のフォーカスしたセル以外の値「B」「SP_Safari」「Login」「Click」の組み合わせに整合する(矛盾しない)サブエリア用の値、すなわち、「プロダクトBのSP_Safari用の実装におけるLoginページにおいてClick可能な要素(サブエリア)」を抽出して、ドロップダウンリストに候補として並べる。
【0060】
図13は、値が入力済の第3行「Sub area」列のセルにフォーカスした際の様子を示す説明図である。上記のように、「プロダクトBのSP_Safari用の実装におけるLoginページにおいてClick可能な要素(サブエリア)」は「Login button」と「Help link」であるから、本図に示すように、ドロップダウンリストには、空値、「Login button」、「Help link」が並んでおり、「Login button」には、現在入力済であることを表すチェックマークが付されている。
【0061】
また、「Help link」の下には実線が引かれており、整合値はこれまでに列挙されたものに限る旨をユーザに伝えている。
【0062】
しかしながら、ユーザが当該セルに入力したい値は、上記のように「Pincode Input box」である。これは、入力済の値「Click」と整合しない(矛盾する)矛盾値である。
【0063】
そこで、本実施形態では、既に入力されている他の値と整合する整合値を入力候補としてドロップダウンリストに並べるほか、既に入力されている他の値と矛盾する矛盾値であっても、ドロップダウンリストに列挙されるようにする。
【0064】
すなわち、空値と整合値のみが並んでいるドロップダウンリストが画面に表示されてから所定時間(たとえば数秒)が経過した後や、整合値の末尾に付される実線やその近傍をユーザがクリックした場合に、編集装置が、同一行の他のセルに既に入力されている値と矛盾する矛盾値を、ドロップダウンリスト内の候補に追加する。
【0065】
図14は、ドロップダウンリストに矛盾値からなる候補が追加された際の様子を示す説明図である。本図に示す例では、ドロップダウンリスト右側のスクロールボックスの長さが
図13よりも短くなっており、候補が追加されたことを示している。
【0066】
図15は、矛盾値が追加されたドロップダウンリストをスクロールした際の様子を示す説明図である。本図に示す例では、ドロップダウンリスト右側のスクロールボックスを移動して、候補の並びをスクロールしている。
【0067】
これらの図の例では、追加された矛盾値による候補は、「Username Input box」「Password Input box」「Pincode Input box」の3つとなっている。
【0068】
これらの3つ値は、いずれも、フォーカスされたセルの左側(フォーカスされたセルに先行する先行セル)内の値「B」「SP_Safari」「Login」には整合するが、右側(フォーカスされたセルに後行する後行セル)内の値「Click」には矛盾する値である。
【0069】
このように、ドロップダウンリスト内の候補として追加される矛盾値は、先行セルの値には整合するが、後行セルの値には矛盾する値とすることができる。これは、まず、左のセルから右のセルへ順に値を入力する、という習慣に適合したものである。
【0070】
ただし、矛盾値として、先行セルの一部(たとえば、フォーカスされたセルに隣接する先行セル)に矛盾するものを含めることとしても良い。このような態様では、ドロップダウンリスト内に、「Login」ページ内に配置されたサブエリアの名前のほか、「Home」「My Info」「List」「Help」ページ内に配置されたサブエリアの名前も並ぶことになる。
【0071】
このように、本実施形態では、既にセルに入力された値を参照しつつ、入力するのに望ましい値を候補として並べて、その中からいずれかをユーザに選択させることにより、手間なく誤りの少ない入力ができるよう支援することができる。
【0072】
さらに、本実施形態では、矛盾値による影響をユーザが視認することができる。
【0073】
図16は、ドロップダウンリスト内の矛盾値「Password Input box」をポインタで指示した際の様子を示す説明図である。上記のように、矛盾値「Password Input box」に対するアクションとしては「Input」のみが想定されている。したがって、既に入力されている「Action」列の値「Click」、「Type」列の値「Login」、「Status」列の値「Success」、「Target Page」列の値「Home」は、「Password Input box」と矛盾することになる。したがって、ユーザが、「Password Input box」を選択した場合には、「Action」列、「Type」列、「Status」列、「Target Page」列のセルには、値を入力し直す必要がある。
【0074】
本図に示す例では、「Password Input box」を選択した場合に値を入力し直す必要があるセルを、セルの表示の体裁を変更することで、ユーザに知らせている。本図に示す例では、セルに網かけ(ハッチング)を施す装飾を施しているが、文字や背景の色を変更したり、下線や打ち消し線を引いたり、文字の太さを変えたり、斜体にしたり、文字のフォントそのものを変更するなど、体裁を変更する手法として、種々のものが採用できる。
【0075】
この後、ユーザがポインタを移動して、矛盾値「Pincode Input box」を指示したとする。
図17は、ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」をポインタで指示した際の様子を示す説明図である。矛盾値「Pincode Input box」に対しては、上記の「Password Input box」と同様に、アクションとして「Input」のみが想定されている。したがって、「Pincode Input box」を選択した場合に値を入力し直す必要があるセル「Click」「Login」「Success」「Home」の表示の体裁に修飾が施されている。
【0076】
ユーザが、このまま矛盾値の候補「Pincode Input box」を選択したとする。この際の、矛盾する他のセルに対する取扱いには、2通りの態様を採用することができる。第1の態様は、値を消去する、というものである。
図18は、ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」を選択した際に、矛盾する他のセルを消去する態様を示す説明図である。本図に示すように、「Action」列、「Type」列、「Status」列、「Target Page」列のセルはクリアされており、必要に応じて値を入力し直す必要がある。
【0077】
第2の態様は、矛盾する値を持つセルに対する修正が必要であることを、当該セルの値を表示する体裁を変更することにより知らせるものである。
図19は、ドロップダウンリスト内の矛盾値「Pincode Input box」を選択した際に、矛盾する他のセルの体裁を変更する様子を示す説明図である。本図に示すように、「Action」列、「Type」列、「Status」列、「Target Page」列のセルは表示の体裁が変更されており、値を修正する必要がある旨がユーザに知らされている。
【0078】
当該体裁が変更されたセルの値を修正するには、当該体裁が変更されたセルにフォーカスして候補を表示し、その中から値を選ぶことになる。この際にも、まず整合値が候補として並び、アイドル経過時間やユーザの指示に基づいて矛盾値が候補として追加される。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る編集装置によれば、ユーザは、値をセルに入力・修正する際に、これまでに入力された値に整合する候補の中からいずれかを選択することができるほか、これまでに入力された値に矛盾する候補の中からも値を選択することができる。また、これまでに入力された値に矛盾する候補の中から値を選択しようとする場合には、事前に、その影響が及ぶ範囲を視認することができる。
【0080】
(編集装置の構成)
図20は、編集装置の概要構成を示す説明図である。上記のように、本実施形態に係る編集装置101は、画面111内に表示された表112内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるものであって、典型的には、プログラムをコンピュータにて実行することにより実現され、抽出部102、候補表示部103、更新部104を備える。
【0081】
ここで、抽出部102は、
複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
複数の特定セルのうちフォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する。
【0082】
ここでいう「複数の特定セル」は、上記の動作例では、同じ行内にある「Product」列「Device」列「Page」列「Sub Area」列「Subjective」列「Action」列のセルに相当し、これらの列内の値がテストケースである対象を特定するが、「複数の特定セル」に、当該同じ行内の「Type」列「Status」列「Target Page」列を含めることとしても良い。
【0083】
このように、典型的には、表112内において、複数の特定セルは、表112内にて同一行内の所定の複数列に位置する。
【0084】
また、表112内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定されることにより、複数の対象が特定される。
【0085】
上記テストケースの編集の例の場合、各列のセルの値が整合する(矛盾しない)か、整合しない(矛盾する)か、の定義情報113は、仕様書に記載された事項や、実際に動作するウェブサーバからクロールしたページにおける定義等から、対象を構成する各要素の依存関係を抽出することで得ることができる。
【0086】
当該定義情報113は、データベース等に登録しておき、編集装置101の抽出部102が適宜参照する形態をとることができる。また、スプレッドシートを処理する表計算アプリケーション上に本編集装置101を実現する場合には、対象を編集するための編集用シートとは別に、定義用シートに、たとえば、「対象を特定する値が各列に並ぶ行」をすべて列挙しておき、編集装置101の抽出部102がデータベース等のかわりに定義用シートを参照する態様を採用しても良い。
【0087】
なお、抽出部102が定義情報113に基づいて抽出する整合値は非空値であるが、候補として空値をさらに抽出することとしても良い。なお、対象を特定するためには空値が許されないセルでは、空値を候補とする必要はないため、空値をさらに抽出するか否かは、用途に応じて適宜選択が可能である。
【0088】
このほか、1つの対象を特定するための特定セルを、所定複数行の所定複数列の範囲内に配置するなどの態様を採用しても良い。
【0089】
また、抽出部102は、
フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
他の値と矛盾する値(以下「矛盾値」という。)
を、候補としてさらに抽出しても良い。
【0090】
ここで、抽出部102が候補として矛盾値を抽出するのは、
候補として整合値を抽出するのと同時
としても良いし、上記のように、
候補として整合値が画面111内に表示されてから、選択がされないまま所定時間が経過した後
としても良いし、
所定の矛盾値追加操作(上記の例では、整合値の末尾を表す実線をクリック)が行われたとき
としても良いし、これらの適宜組み合わせて採用しても良い。
【0091】
また、上記のように、抽出される矛盾値は、表112内において、同一行内の所定の複数列に位置する複数の特定セルに対して、
複数の特定セルのうち、フォーカスされたセルと同一行内で先行する先行セルに入力されている値と整合するが、
複数の特定セルのうち、フォーカスされたセルと同一行内で後行する後行セルに入力されている値と矛盾する
値をとすることができる。
【0092】
また、上記のように、先行セルのうち、フォーカスされたセルに隣接する特定セルの値に矛盾する値を、さらに矛盾値として抽出することで、表示される候補の制約を緩和することもできる。また、「隣接する先行セル(特定セル)」は、「直接隣接する先行セル」としても良いし、フォーカスされたセルとの列方向の距離が所定範囲内の先行セルとしても良い。
【0093】
一方、候補表示部103は、抽出された候補を画面111内のフォーカスされたセルの近傍に表示する。「近傍」とは、たとえば、フォーカスされたセルと同じ幅のドロップダウンリストの先頭がフォーカスされたセルに重なるように表示する等、種々の態様を採用することができる。
【0094】
候補を表示する際には、整合値を所定順序(たとえば辞書順)にソートすることができる。ソートの順序はユーザが指定できるようにしても良い。
【0095】
また、表示される候補において、整合値と、矛盾値と、は、異なる体裁で表示することとしても良いし、同じ体裁で表示することとしても良い。
【0096】
特に、整合値と矛盾値を同じ体裁で表示する場合には、上記の動作例と同様に、整合値を矛盾値に先行して表示することとし、整合値はその中でソートし、矛盾値はその中でソートして表示することが望ましい。
【0097】
なお、上記の例では、候補である空値は、整合値に先行して先頭に表示しているが、空値の位置は、整合値の後としても良い。この順序は、編集の途中では空値を入力しても良いが、最終的に対象を特定するためには、空値が許されないセルに対する候補を表示する際に好適である。したがって、セルに入力されるべき値が空値を許容するか否かに応じて、候補内における空値の位置を変更しても良い。
【0098】
ここで、上記の動作例のように「指示」は、ポインタ等で候補のいずれかを指し示す操作であり、「選択」は、所望の候補の値を選択結果として決定する操作である。そこで、上記の動作例のように、候補の選択がされるのに先立って、表示された候補からいずれかの矛盾値が指示されると、他のセルのうち、指示された値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示することとしても良い。
【0099】
さらに、更新部104は、表示された候補からいずれかの値の選択がされると、選択がされた値を、フォーカスされたセルに入力することにより、表112を更新する。
【0100】
更新部104により、フォーカスされたセルに選択された矛盾値が入力された場合には、
当該入力された矛盾値に矛盾する値が入力されているセルに、空値を入力して、ユーザに新たな値を入力するよう促す
こととしても良いし、
当該入力された矛盾値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示して、ユーザに新たな値を入力するよう促す
こととしても良い。
【0101】
(処理)
図21は、編集装置にて実行される編集処理の制御の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0102】
本処理が開始されると、編集装置101は、まず、種々の初期化を行う(ステップS301)。具体的には、編集対象となる表112のクリアあるいはロード、定義情報の読み出し、画面表示の準備等が含まれる。
【0103】
そして、編集装置101は、画面111に表112を表示する(ステップS302)。
【0104】
ついで、ユーザからの操作や時間経過など、各種のイベントが生じることを待ち(ステップS303)、生じたイベントの種類に応じて以下のように制御を分岐させる(ステップS304)。
【0105】
生じたイベントが、ユーザによるフォーカス操作であった場合(S304; フォーカス)、編集装置101は、ポインタやカーソル等により指示されているセルをフォーカスする(ステップS305)。
【0106】
そして、編集装置101は、当該フォーカスされているセルとともに対象を特定するための他の特定セルを参照して、当該フォーカスされたセルに対する整合値を抽出し(ステップS306)。空値および抽出された整合値およびドロップダウンリストの候補に追加して(ステップS307)、当該ドロップダウンリストを画面111内のフォーカスされたセルの近傍に表示し(ステップS308)、制御をステップS304に戻す。
【0107】
一方、
ドロップダウンリストにおける末尾の候補の下にある実線がクリックされたり、
ドロップダウンリストが表示されたまま候補からの選択がなされず一定時間が経過したり
等の追加イベントが生じた場合(S309; 追加)、編集装置101は、当該フォーカスされているセルとともに対象を特定するための他の特定セルを参照して、当該フォーカスされたセルに対する矛盾値を抽出し(ステップS309)、抽出された矛盾値をドロップダウンリストの候補にさらに追加して(ステップS310)、画面111内における当該ドロップダウンリストの表示を更新し(ステップS311)、制御をステップS304に戻す。
【0108】
このほか、ドロップダウンリスト内に表示されている候補のいずれかがポインタにより指示された場合(ステップS304; 指示)、編集装置101は、フォーカスされているセルとともに対象を特定するための他の特定セルについて、以下の処理を繰り返す(ステップS312)。
【0109】
すなわち、編集装置101は、当該特定セルが、指示されている候補と整合するか矛盾するかを調べる(ステップS313)。
【0110】
そして、整合していれば(ステップS313; 整合)、編集装置101は、当該特定セルを画面111に表示する際の体裁を通常の体裁に設定する(ステップS314)。一方、矛盾していれば(ステップS313; 矛盾)、編集装置101は、当該特定セルについて注意を喚起するため、当該特定セルを画面111に表示する際の体裁を強調する体裁に設定する(ステップS315)。
【0111】
このように、編集装置101は、これらの処理をフォーカスされているセルとともに対象を特定するための他の特定セルについて繰り返す(ステップS316)。
【0112】
そして、編集装置101は、当該設定された体裁を画面111において反映させるため、表111の表示を更新して(ステップS317)、制御をステップS304に戻す。
【0113】
また、ドロップダウンリスト内で指示されている候補が選択された場合(ステップS304; 選択)、編集装置101は、フォーカスされているセルに選択された候補の値を入力し(ステップS318)、入力された値と矛盾する他の特定セルについて、その値をクリア、もしくは、現在の値は入力されたままとするものの、注意を喚起するために体裁を強調するように設定する(ステップS319)。そして、編集装置101は、当該セルに対するフォーカスを解除し(ステップS320)、ドロップダウンリストを画面111から消去する(ステップS321)。
【0114】
さらに、編集装置101は、新たに入力あるいはクリアされた値や、新たに設定された体裁に基づいて、画面111における表112の表示を更新し(ステップS322)、制御をステップS304に戻す。
【0115】
この他のイベントが生じた場合には(ステップS304; その他)、当該イベントに対応する処理を実行して(ステップS323)、制御をステップS304に戻す。なお、ここで処理されるイベントと実行される処理としては、たとえば、
表112をセーブする処理、
表112の途中や末尾に空行を追加する処理、
表112の編集を終了する処理、
表112をクリアする処理、
新たな表の編集を開始する処理
のような、表の編集に関する種々の処理を採用することができる。
【0116】
このように、本実施形態に係る編集装置111によれば、セルがフォーカスされると、フォーカスされたセルとともに対象を特定する他のセルと矛盾しない整合値を、当該フォーカスされたセルに入力すべき候補としてユーザに提示するので、ユーザは容易に値を入力することができる。
【0117】
また、本実施形態に係る編集装置111によれば、セルがフォーカスされると、フォーカスされたセルとともに対象を特定する他のセルと矛盾する矛盾値も当該フォーカスされたセルに入力すべき候補としてユーザに提示することを可能とし、当該矛盾値が選択されたと仮定した場合の、他のセルに対する影響をユーザにわかりやすく提示することができる。
【0118】
(まとめ)
以上説明した本実施形態に係るプログラム、編集装置、ならびに、編集方法について、以下に付記する。
【0119】
(付記1)
コンピュータにより制御される画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出部、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示部、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新部
として機能させることを特徴とするプログラム。
【0120】
(付記2)
前記抽出される整合値は非空値であり、
前記抽出部は、空値を前記候補としてさらに抽出する
ことを特徴とする付記1に記載のプログラム。
【0121】
(付記3)
前記表示される候補において、前記整合値は、所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする付記1または2に記載のプログラム。
【0122】
(付記4)
前記抽出部は、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記他の値と矛盾する値(以下「矛盾値」という。)
を、前記候補としてさらに抽出し、
前記矛盾値が選択されると、
前記更新部は、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力し、
前記更新部は、空値を、前記他のセルのうち、前記選択された値に矛盾する値が入力されているセルに入力する
ことを特徴とする付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0123】
(付記5)
前記抽出部は、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記他の値と矛盾する値(以下「矛盾値」という。)
を、前記候補としてさらに抽出し、
前記矛盾値が選択されると、
前記更新部は、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力し、
前記他のセルのうち、前記選択された値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示する
ことを特徴とする付記1または2に記載のプログラム。
【0124】
(付記6)
前記表示される候補において、前記整合値と、前記矛盾値と、は、異なる体裁で表示される
ことを特徴とする付記4または5に記載のプログラム。
【0125】
(付記7)
前記表示される候補において、前記整合値と、前記矛盾値と、は、所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする付記6に記載のプログラム。
【0126】
(付記8)
前記表示される候補において、前記整合値は、前記矛盾値に先行して表示される
ことを特徴とする付記4から7のいずれかに記載のプログラム。
【0127】
(付記9)
前記表示される候補において、前記整合値は、所定の順序にソートされ、前記矛盾値は、前記所定の順序にソートされて表示される
ことを特徴とする付記8に記載のプログラム。
【0128】
(付記10)
前記抽出部は、前記候補として前記整合値が前記画面内に表示されてから、前記選択がされないまま所定時間が経過した後に、前記矛盾値を抽出して前記画面内に表示される前記候補に追加する
ことを特徴とする付記8または9に記載のプログラム。
【0129】
(付記11)
前記選択がされるのに先立って、前記表示された候補からいずれかの矛盾値が指示されると、前記他のセルのうち、前記指示された値に矛盾する値が入力されているセルを強調表示する
ことを特徴とする付記4から10のいずれかに記載のプログラム。
【0130】
(付記12)
前記表内において、前記複数の特定セルは、同一行内の所定の複数列に位置し、
前記抽出部は、
前記複数の特定セルのうち、前記フォーカスされたセルと同一行内で先行する先行セルに入力されている値と整合するが、
前記複数の特定セルのうち、前記フォーカスされたセルと同一行内で後行する後行セルに入力されている値と矛盾する
値を、前記矛盾値として抽出する
ことを特徴とする付記4から11のいずれかに記載のプログラム。
【0131】
(付記13)
前記表内において、前記複数の特定セルは、前記表内にて同一行内の所定の複数列に位置し、
前記表内の各行にて、当該各行に並ぶ複数の特定セルに入力された複数の値により対象が特定されることにより、複数の対象が特定される
ことを特徴とする付記1から11のいずれかに記載のプログラム。
【0132】
(付記14)
画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるための編集装置であって、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出部、
前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示部、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新部
を備えることを特徴とする編集装置。
【0133】
(付記15)
画面内に表示された表内に配置された複数の特定セルへ、所望の対象を特定するための複数の値を、それぞれ入力させるための編集装置が実行する編集方法であって、
前記複数の特定セルのいずれかがフォーカスされると、前記編集装置が、
前記フォーカスされたセルに入力可能な値であって、
前記複数の特定セルのうち前記フォーカスされたセルでない他のセルに入力されている他の値と整合する値(以下「整合値」という。)
を、候補として抽出する抽出工程、
前記編集装置が、前記候補を前記画面内の前記フォーカスされたセルの近傍に表示する候補表示工程、
前記表示された候補からいずれかの値の選択がされると、前記編集装置が、前記選択がされた値を、前記フォーカスされたセルに入力することにより、前記表を更新する更新工程
を備えることを特徴とする編集方法。
【0134】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明によれば、対象を特定するための複数の値を表内の複数のセルに入力させる際の支援をするプログラム、編集装置、ならびに、編集方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0136】
101 編集装置
102 抽出部
103 候補表示部
104 更新部
111 画面
112 表
113 定義情報