(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-05
(45)【発行日】2025-08-14
(54)【発明の名称】ワイヤ・ボンディング・キャピラリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20250806BHJP
【FI】
H01L21/60 301G
(21)【出願番号】P 2023511895
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021046635
(87)【国際公開番号】W WO2022040394
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2024-04-25
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521113623
【氏名又は名称】クラフツ テック,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, ジェフリー エル.
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-048634(JP,U)
【文献】特開昭58-048433(JP,A)
【文献】特開昭62-123729(JP,A)
【文献】特表2013-530813(JP,A)
【文献】特開昭52-067261(JP,A)
【文献】特開平09-162223(JP,A)
【文献】米国特許第04405074(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ・ボンディング・キャピラリであって、
キャビティを有するスリーブと、
前記スリーブのキャビティ内に配置され、複合体を含むコアであって、
前記複合体は、79体積%を超えるダイヤモンドと、炭化ケイ素を含む結合材とから構成される、コアと、
を含み、
前記
コアは
、ワイヤを通すための通路を有し、該コアは、該スリーブの硬度よりも高い硬度を有する、ワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項2】
前記スリーブが細長い本体を
有し、前記キャビティが、前記細長い本体のワイヤ受け端部から前記細長い本体の先端部まで延在し、前記
キャビティを画定する前記スリーブの
壁が内径を有する、請求項1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項3】
前記
スリーブの前記壁の前記内径が、前記細長い本体の前記ワイヤ受け端部に第1のサイズを有し、前記細長い本体の前記先端部に第2のサイズを有し、
前記細長い本体の前記ワイヤ受け端部における前記第1のサイズ
は、前記細長い本体の前記先端部における前記第2のサイズよりも大きい、請求項2に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項4】
前記キャビティを画定する前記壁の前記内径が、前記細長い本体の前記ワイヤ受け端部から前記細長い本体の前記先端部に向かう方向に下方に
テーパ状である、請求項
2に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項5】
前記
キャビティを画定する前記壁の前記内径のテーパが、約0~約5の抜き勾配を有する、請求項4に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項6】
前記コアが、
外径を有し、ワイヤ受け端部及び先端部を有する細長い本体を有する、請求項
5に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項7】
前記コアの前記外径が、前記コアの前記細長い本体の前記ワイヤ受け端部から前記コアの前記細長い本体の前記先端部に向かう方向に下方に向かって
テーパ状である、請求項6に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項8】
前記コアの前記外径
のテーパが、前記スリーブの前記キャビティを画定する前記壁の前記内径の前記テーパに対応する、請求項
6に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項9】
前記スリーブの前記壁の内径は、少なくとも前記壁の長さに沿って、前記コアが前記スリーブの前記キャビティ内に配置される
前の対応する長さに
沿った前記コアの前記外径よりも小さい、請求項
6に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項10】
前記コアと前記スリーブとの間の締まりばめを更に含む、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項11】
前記コアの前記先端部が、前記スリーブの前記先端部を越えて延在する、請求項
6に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項12】
前記
コアは、2,800kg/mm
2
以上の硬度を有する、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項13】
前記
コアは、3000kg/mm
2
以上の硬度を有する、請求項
12に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項14】
前記
コアは、多結晶ダイヤモンドを含む、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項15】
前記コアがシャフト及び先端部を
含む、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項16】
前記先端部が、ろう付けによって前記シャフトに永続的に固定される、請求項
15に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項17】
前記先端部が、チタン合金ろう付けによって前記シャフトに永続的に固定される、請求項
16に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項18】
前記スリーブが金属を含む、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項19】
前記金属が、炭化タングステン、アルミニウム又は鋼を含む、請求項
18に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項20】
前記スリーブが、前記コア
の破壊靭性よりも大きい破壊靱性を有する、請求項
1に記載のワイヤ・ボンディング・キャピラリ。
【請求項21】
ワイヤ・ボンディング・キャピラリを作製する方法であって、
スリーブのキャビティ内に
、複合体を含むコアを配置することを含み、
前記複合体は、79体積%を超えるダイヤモンドと、炭化ケイ素を含む結合材とから構成され、前記
コアは、前記スリーブの硬度よりも高い硬度を有する、ワイヤ・ボンディング・キャピラリを作製する方法。
【請求項22】
前記スリーブの前記キャビティ内に
前記コアを配置することが、前記スリーブを所望の温度まで加熱することと、前記コアを前記スリーブの前記キャビティ内に挿入することと、を含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記コアを前記スリーブのキャビティ内に配置する前の、前記スリーブの前記キャビティを画定する壁の内径が、前記コア
の外径よりも小さい、請求項
21に記載の方法。
【請求項24】
前記コア
を前記スリーブの前記キャビティ内に配置
した後に前記コアの先端部を機械加工することを更に含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項25】
前記コアの前記先端部を機械加工することが、前記コアの前記先端部から前記スリーブの一部を除去することを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記コアの前記先端部が、前記スリーブ
の先端部を越えて延びる、請求項
24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微細なワイヤボンディングに使用されるワイヤ・ボンディング・キャピラリに関し、より詳細には、様々な硬度の異なる材料のために形成されたマルチパートワイヤ・ボンディング・キャピラリに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の電子デバイスのいくつかは、集積回路又は半導体を有する回路基板を含む。ワイヤボンディングは、集積回路と基板上の他の接点との間の相互接続を行う方法である。キャピラリは、ワイヤボンディング機において基板の接点を接続するために使用される工具である。
【0003】
キャピラリは、軸方向通路を含み、それを通って先端部で終端する。細いワイヤが、キャピラリの軸方向通路を通って先端部に供給される。このワイヤは非常に薄く、約1ミルの厚さを有し得る。ワイヤの端部は、キャピラリの先端部に位置する小さなボールに形成される。キャピラリは、ボールを回路基板の接点に押し下げ、ボールは、超音波力、負荷、熱等のうちの1つ又は複数を使用して接点に結合される。ボールが取り付けられた後、キャピラリは、ループを形成するために使用され、キャピラリは、ワイヤを第2の接点に搬送し前進させる。次いで、キャピラリを使用してスティックボンドを形成して、ワイヤを第2の接点に接合し、それによって2つの接点間を接続する。
【0004】
ワイヤボンディング工程は、非常に高速で行われ、キャピラリは回路基板に1秒に数回繰り返し接触している。この繰り返しの接触及びキャピラリにかかる他の力のために、キャピラリ先端部は通常摩耗する。キャピラリは、1ミル程度になり得る材料で動作しているため、精度が非常に望まれる。キャピラリ先端部のわずかな摩耗は、所望の精度を著しく低下させる可能性があり、したがって摩耗は非常に望ましくない。
【0005】
したがって、耐摩耗性キャピラリが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、ワイヤ・ボンディング・キャピラリは、キャビティを有するスリーブを含む。キャピラリはまた、スリーブのキャビティ内に配置されたコアを含む。コアは、ワイヤを通すための通路を有する。スリーブは第1の材料から作製され、コアは少なくとも部分的に第2の材料から作製される。第2の材料は、第1の材料の硬度よりも大きい硬度を有する。
【0007】
別の態様では、ワイヤ・ボンディング・キャピラリを作製する方法は、スリーブのキャビティ内にコアを配置することを含む。スリーブは、第1の材料から作製され、コアは、少なくとも部分的に第2の材料から作製され、第2の材料は、第1の材料の硬度よりも大きい硬度を有する。
【0008】
更に別の態様では、ワイヤ・ボンディング・キャピラリは、第1の材料で作製されたシャフトと、第2の材料で作製された先端部とを含み、第2の材料は第1の材料よりも硬い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のキャピラリの一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿った、
図1のキャピラリの断面図である。
【
図3】
図1の線2-2に沿った、
図1のキャピラリの先端部の断面図である。
【
図4】本開示のキャピラリの別の実施形態の断面図である。
【
図5】本開示のキャピラリの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、
図1及び
図2は、回路基板を製造するためにワイヤボンディングすることができるワイヤ・ボンディング・キャピラリ10の一実施形態を示す。キャピラリ10は、ワイヤ受け端部12及び先端部14を有する。使用時には、ワイヤがキャピラリ10の通路16に通され、キャピラリを使用してボールボンディング、ループ及び/又はステッチボンディングによって回路基板上の接点を接続することができる。
【0011】
図2を参照すると、キャピラリ10は、スリーブ18と、スリーブ18のキャビティ22内に配置されたコア20とを含む。以下でより詳細に説明するように、スリーブ18は、第1の材料で作製されてもよく、コア20は、第1の材料の硬度よりも大きい硬度を有する第2の材料で少なくとも部分的に作製されてもよい。本開示の構造により、キャピラリ、特にキャピラリの先端部14を極めて硬質な材料で構成することができる。非常に硬い材料を使用することは、このような材料が耐摩耗性であるため有利である。しかしながら、非常に硬い材料は、望ましくないことに非常に脆くなることが多く、それに繰り返し圧力を加えることによって破壊、欠け、及び/又は亀裂が生じる傾向がある。例えば、非常に硬質で非常に脆い材料は、材料の脆性が、回路基板にワイヤをボンディングするときにキャピラリが受ける絶えず繰り返される衝撃に起因して破断を引き起こすため、キャピラリには使用されておらず、過去にはそのような使用は考慮されていなかった。驚くべきことに、硬質材料がコア20及び先端部14として使用され、コア20が、コア20の材料よりも硬度が低く、脆性が低い材料のスリーブ18によって囲まれている場合、極めて硬質の材料がキャピラリに使用されてもよいことが見出された。
【0012】
一実施形態では、スリーブの第1の材料は、例えば、炭化タングステン、硬化工具鋼、アルミニウム等であってもよい。スリーブの材料はまた、ASTM E1820-18beに基づいて、コア20の材料よりも高い破壊靱性を有してもよい。コア20は、スリーブ18よりも高い硬度を有する材料から作製されてもよい。一実施形態では、コア20の材料は、約2,800kg/mm2以上のビッカース硬さを有することができる。他の実施形態では、材料のビッカース硬さは、約3,000kg/mm2以上、又は約4,000kg/mm2以上であってもよい。一実施形態では、コア20の材料は炭化ケイ素を含むことができる。他の実施形態では、コア20の材料はダイヤモンド材料を含むことができる。例えば、コア20のダイヤモンド材料は、79体積%を超える量であってもよく、又は85体積%を超える量であってもよく、又は85体積%~95体積%の量であってもよい。ダイヤモンド材料は、例えば、セラミックダイヤモンド材料、多結晶ダイヤモンド材料、又は任意の他の適切なダイヤモンド材料であってもよい。また、コア20の材料は、ダイヤモンド材料と結合剤とを含む複合体であってもよい。そのような結合剤は、コバルト、炭化ケイ素、及び他の適切な結合剤材料を含むことができる。結合剤は、材料が電子放電加工プロセスを使用して機械加工され得るように、材料が相対的な導電性を有することを可能にし得る。この処理及び他の処理は、ワイヤの通過、ボールへのワイヤ端部の形成、及び/又はワイヤの切断を可能にするコア20及びコア先端部の完成した特徴部を形成するために使用することができる。更に、耐摩耗性に加えて、ダイヤモンド材料は摩擦係数が低く、ワイヤがコア20に付着するのを防ぐのを助けることができる。
【0013】
図2及び
図3を参照すると、コア20は、ワイヤ受け端部26及び先端部28を有する細長い本体30を含む。コア20はまた、キャピラリ10の通路16を画定する通路16aを含む。この通路16aは、ボンディングワイヤがそれを通過するように構成されている。ボンディングワイヤは、1ミル程度であってもよく、通路16aは、約0.02ミル~約0.1ミルの内径を有してもよい。更に、通路16aの内径は、コア20の先端部28に向かってテーパ状であってもよい。
【0014】
コア20は、約0.5ミル~約2.5ミルであり得る外径を含む。一実施形態では、外径は、細長い本体30のワイヤ受け端部26に第1のサイズODaを有し、細長い本体30の先端部28に第2のサイズODbを有する。第1のサイズODaは、第2のサイズODbよりも大きくてもよい。一実施形態では、コア20の細長い本体30の外径は、ワイヤ受け端部26から先端部28に向かう方向に下方に先細になるテーパを有することができる。テーパは、約0度~約5度の抜き勾配を有することができる。抜き勾配は連続的であってもよく、又はコアの長さに沿って変化してもよい。例えば、抜き勾配は、5度から始まり、コア20の長さに沿って約2度又は1度まで縮小してもよい。例えば、一実施形態では、外径の第1のサイズODaは0.89ミルであってもよく、外径の第2のサイズODbは0.49ミルであってもよい。更に、テーパの抜き勾配は、2度程度であってもよい。
【0015】
スリーブ18は、ワイヤ受け端部32及び先端部34を有する細長い本体30を含む。スリーブ18は、コア20が配置されるキャビティ22を含む。一実施形態では、細長い本体30は、受け端部32から先端部34まで延在するキャビティ22を画定する。
【0016】
キャビティ22を画定するスリーブの壁23は、約0.5ミル~約2.5ミルの間であり得る内径を含む。一実施形態では、壁23の内径は、細長い本体30のワイヤ受け端部32に第1のサイズIDaを有し、細長い本体30の先端部34に第2のサイズIDbを有する。第1のサイズIDaは、第2のサイズIDbよりも大きくてもよい。一実施形態では、スリーブ18のキャビティ22を画定する壁23の内径は、ワイヤ受け端部32から先端部34に向かう方向に下方に先細になるテーパを有することができる。テーパは、約0度~約5度の抜き勾配を有することができる。抜き勾配は、連続的であってもよく、又はスリーブ18の長さに沿って変化してもよい。例えば、抜き勾配は、5度から始まり、スリーブ18の長さに沿って約2度又は1度まで先細になり得る。一実施形態では、内径の第1のサイズIDaは0.89ミルであり得、内径の第2のサイズIDbは0.49ミルであり得る。更に、テーパの抜き勾配は、2度程度であってもよい。
【0017】
スリーブ18の壁23の内径とコア20の外径との間の公差は、スリーブ18とコア20との間に締まりばめが形成されるようなものであり得る。例えば、一実施形態では、コア20がスリーブ18のキャビティ22内に配置される前に、スリーブ18の壁23の内径は、コア20の外径よりも約0.001~約0.003ミル小さくてもよい。更に、壁23の内径及びコア20の外径の各々が抜き勾配を含む場合、抜き勾配は、スリーブ18の壁23及びコア20の少なくともいくつかの対応する部分に沿って相補的又は同等であってもよい。以下で更に詳細に説明するように、キャピラリ10を形成するためにスリーブ18及びコア20を組み立てる一方法では、コア20をスリーブ18に挿入することができるように、スリーブを加熱してスリーブを膨張させることができる。スリーブが冷却すると、スリーブはコア内に変形するか又は湾曲して、締まりばめを形成することができる。この構造では、コア20及びスリーブ18は、ユニット化された単一の実体として機能する。コア20を取り囲むスリーブ18の靱性は、コア20の非常に硬い材料(例えば、ダイヤモンド様材料)が使用中の衝撃を吸収することを可能にし、コアの破壊及び欠けのリスクを低減するシステムを作り出す。更に、スリーブ18は、キャピラリを容易に取り扱うことができるようにコア20の捕捉を可能にする。例えば、アセンブリは、チッピングに対するリスクを最小限に抑えて使用を終了するために製造作業を通じて移行することができる。
【0018】
図1、
図2、及び
図3に戻ると、コア20がスリーブ18と組み立てられると、コアの先端部28は、スリーブ18を越えて、又はスリーブから外に延びることができる。この図に示すように、先端部28は、スリーブ18の先端部34を越えて延びている。したがって、先端部28は、ボールボンディング及びステッチングの際に回路基板に接触する工具の作用部となるように露出している。先端部28は、所望の用途に応じて所望に応じて機械加工又は成形することができる。
【0019】
図4を参照すると、ワイヤ・ボンディング・キャピラリ110の別の実施形態が示されている。キャピラリ110は、キャピラリ10と実質的に同様であり、上述の構造、公差、テーパ、サイズ等のいずれかを含むことができる。しかしながら、この実施形態では、コア120は、シャフト122及び先端部124を含む。シャフト122及び先端部124は、異なる材料で作製されてもよい。したがって、スリーブ118は、上述の第1の材料で作製されてもよく、先端部124は、上述の第2の材料で作製されてもよく、シャフト122は、第3の材料で作製されてもよい。第1及び第3の材料は、同じ材料であってもよい。更に、第1及び第3の材料は、第2の材料の硬度よりも低い硬度を有する。スリーブ118の第1の材料及びシャフト122の第3の材料はまた、ASTM E1820-18に基づいて、先端部124の第2の材料よりも大きい破壊靱性を有してもよい。
【0020】
先端部124は、接着によってシャフト122に接続されてもよい。好ましくは、接合は、ユニット化された一体ユニットを形成するように、シャフト122及び先端部124を互いに永続的に固定する。接合は、例えば、ろう付けであってもよい。一実施形態では、ろう付けは合金ろう付けであってもよい。合金ろう付けは、チタン、銀、ニッケル、アルミニウム、インジウム、スズ、及び/又は銅の元素を含むことができる。シャフト122及び先端部124は、エポキシ、焼きばめ、圧入、機械的等の他の方法でも接続することができる。
図4を参照すると、先端部124は、先端部124とシャフト122との間のろう付け継手126によってシャフト122に接続されてもよい。
【0021】
本主題によるキャピラリを作製する1つの方法では、上述のコアがスリーブのキャビティ内に配置される。上述したように、スリーブは第1の材料から作製され、コアは少なくとも部分的に第2の材料から作製され、第2の材料は第1の材料の硬度よりも大きい硬度を有する。コアをスリーブ内に配置する1つの代替形態では、スリーブは所望の温度に加熱され、コアはスリーブのワイヤ受け端部からスリーブのキャビティ内に挿入される。スリーブの加熱は、コアがスリーブの内径よりも大きい外径を有する場合に有益であり得る。スリーブを加熱すると、キャビティの内径が拡大し、コアをスリーブに挿入するのに役立つ。コアが挿入された後、スリーブは冷却される。スリーブが冷却されると、スリーブはコアへと変形するか又は湾曲して、締まりばめを形成する。
【0022】
コアがスリーブ内に配置された後、コアの先端部は、所望の用途に応じて所望の形状及びサイズに機械加工されてもよい。キャピラリを作製する1つの方法では、コアがスリーブ内に配置されると、スリーブはコアの先端部を越えて延在し、及び/又はコアの先端部を覆ってもよい。コアの先端部の機械加工中に、スリーブの先端部を機械加工して、コアの先端部が露出し、及び/又はスリーブを越えて若しくはスリーブから延びるように、キャピラリから所望の量のスリーブを除去することもできる。機械加工の前にコアの先端部を覆うスリーブは、コアの先端部の取り扱い及び機械加工を支援し、機械加工中の破砕又はチッピングを防止するのに役立ち得る。
【0023】
図5は、キャピラリがスリーブを含まないことを除いて、
図4と同様のキャピラリ210を示す。キャピラリは、上述のシャフト122の材料のいずれかであり得るシャフト222と、上述の先端部122/コア20の硬質材料のいずれかであり得る先端部224とを含む。更に、シャフト222及び先端部224は、ろう付け継手226等、上述の接合方法のいずれかによって接合されてもよい。
【0024】
このように装置を説明してきたが、当業者には様々な修正及び変更が思い浮かぶであろう。この修正及び変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される装置の範囲内である。