IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビュージックス コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-05
(45)【発行日】2025-08-14
(54)【発明の名称】対話型レチクル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20250806BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250806BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20250806BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20250806BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20250806BHJP
【FI】
G06F3/04812
G06F3/01 510
G06F3/04817
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023577228
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(86)【国際出願番号】 US2022038950
(87)【国際公開番号】W WO2023009864
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】63/227,804
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ゴゴルスキー,アダム シー.
(72)【発明者】
【氏名】トラバース,ポール, ジェイ.
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-501397(JP,A)
【文献】特開2019-121102(JP,A)
【文献】特開2018-073071(JP,A)
【文献】特開2018-063722(JP,A)
【文献】特開2017-120556(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186031(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G09G 3/20
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された装置を制御するためのヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムであって、
虚像内にレチクルを形成するように動作可能な画像源と、
前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置の上に視覚的に重ね合わせることができるように、前記レチクルを制御するように動作可能なユーザー入力機構と、を備え、
前記ネットワーク接続された装置が、前記ネットワークを介して状態を変更するコマンドを受信するように動作可能であり、
前記ユーザー入力機構が、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置の上に視覚的に重ね合わせられた時に前記ネットワーク接続された装置を選択するように動作可能であり、それによって前記ネットワーク接続された装置の前記状態が変更されるように動作可能である、システム。
【請求項2】
前記ネットワーク接続された装置が、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置上に所定の時間、視覚的に重ね合わせられた時に状態を変化させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記虚像内に形成されたメニューをさらに備え、前記メニューが、前記ネットワーク接続された装置に関連付けられた複数の選択可能なオプションを有し、前記レチクルが前記オプションのうちの一つ以上の上に視覚的に重ね合わせられるように動作可能であり、前記レチクルが前記オプションのうちの一つ以上を選択または選択解除して前記ネットワーク接続された装置の前記状態を変更するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ネットワーク接続された装置の画像を捕捉するように配置されたカメラと、
前記カメラおよび前記画像源と通信する処理ユニットと、
導波路であって、前記導波路が、前記ネットワーク接続された装置の前記画像の虚像をアイボックスに伝達するように配置された導波路と、を備え、
前記導波路が、前記ネットワーク接続された装置の前記画像のアニメーション化された虚像を前記アイボックスに伝達して、前記ネットワーク接続された装置の状態の変化を視覚的に示すように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
カメラまたは他の視覚的入力装置をさらに備え、前記レチクルが、前記カメラまたは他の視覚的入力装置の視野を表すバウンディングボックスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記バウンディングボックスが、バーコードまたはQRコードと位置合わせされて、関連する項目または装置をスキャンする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記レチクルが十字線である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記レチクルが現実世界の物体に割り当てられ、前記レチクルの動きが前記現実世界の物体の動きに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記レチクルが、仮想メニューまたは他の選択可能な仮想オブジェクトを選択する、選択解除する、制御する、またはその他の方法で影響を与えるように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記レチクルが第一のレチクルであり、前記第一のレチクルと一緒に、または前記第一のレチクルとは独立して動作するように配置された第二のレチクルをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記レチクルが、複数のネットワーク接続された装置を作動させる、停止させる、制御する、または複数のネットワーク接続された装置の前記状態をその他の方法で変更するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記レチクルの色、形状、向き、または形態が、前記ユーザー入力機構を介して変化するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記ユーザー入力機構が、ユーザー入力ボタン、タッチセンサ、または顔のジェスチャもしくは動作を捕捉するように動作可能なオペレータ向きカメラの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
ネットワーク接続された装置の座標をマッピングするように動作可能な処理ユニットをさらに備え、それによって前記ネットワーク接続された装置が、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置の上に視覚的に重ね合わせられた時に識別可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
ネットワーク接続された装置を識別するように動作可能なRFIDリーダーをさらに備え、それによって前記ネットワーク接続された装置が、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置の上に視覚的に重ね合わせられた時に識別可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
コンピュータビジョン技術を介してネットワーク接続された装置を識別するように動作可能な処理ユニットをさらに備え、それによって前記ネットワーク接続された装置が、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置の上に視覚的に重ね合わせられた時に識別可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
カメラと、前記カメラおよび前記ユーザー入力機構と信号通信する処理ユニットとをさらに備え、前記処理ユニットが、遠隔パーティが前記カメラによって受信されたデータを見ることができるように、遠隔装置と接続するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
一つ以上のネットワーク接続された装置に遠隔接続するように動作可能な処理ユニットをさらに備え、導波路が、前記一つ以上のネットワーク接続された装置を備える虚像を伝達するように動作可能であり、前記レチクルが前記ネットワーク接続された装置上に視覚的に重ね合わせられるように、前記ユーザー入力機構が前記虚像内で前記レチクルをナビゲートするように動作可能であり、それによって前記ネットワーク接続された装置の前記状態が変更されるように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記虚像が、一つ以上のネットワーク接続された装置が位置する部屋の静止画像である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記虚像が、一つ以上のネットワーク接続された装置が位置する部屋のリアルタイム映像である、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記ユーザー入力機構が音声コマンドを含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電子AR/VRディスプレイに関し、より具体的には、画像光ガイドを利用し、仮想世界と現実世界の相互作用を表示するように動作可能なディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムは、軍事、商業、産業、消防、およびエンターテイメント用途など、幅広い用途のために開発されている。これらの用途の多くでは、ユーザーの視野にある現実世界の画像の上に視覚的に重ね合わせることのできる虚像を形成することに価値がある。光学画像光ガイドは、虚像をビューアの瞳孔に向けて、この重ね合わせ機能を可能にするために、狭い空間でビューアに画像担持光を伝達することができる。
【0003】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムは、オペレータに様々な虚像およびアイコンを提供する。また、スマートホームのネットワーク化された装置を含むがこれに限定されない、現実世界の物体と相互作用する能力をオペレータに提供することも有益であろう。
【発明の概要】
【0004】
例示の目的であり、限定するものではないが、本開示は、虚像レチクルまたはアライメントガイドを表示および制御するシステムおよび方法を提供する。さらに、本開示は、オペレータが外部システムを認識、選択、および制御することを可能にする仮想レチクルを有する光学システムについて説明する。
【0005】
レチクルシステムは、カメラまたは他の視覚的入力装置と画像源とを有するウェアラブルニアアイディスプレイシステムを含み、様々なユーザー入力制御およびそれに接続された処理ユニットを含み得る。レチクルシステムは、十字線またはバウンディングボックスなどの虚像レチクルを表示し、その色、形状、位置、および入力要素をユーザーの好みに合わせて構成し得る。システムはさらに、オペレータがレチクルを使用および制御し、コマンドを実行するための様々な手段を提供する。さらに、レチクルの制御は、遠隔ユーザーにとって動作可能であり得る。
【0006】
ニアアイディスプレイシステムからコマンドを受信するように動作可能なシステム、装置、オブジェクト、またはプログラムとネットワーク化される場合、レチクルシステムは、オペレータがコマンドを開始し、上記の外部システム、オブジェクト、またはプログラムから情報を受信することを可能にし得る。
【0007】
新規なレチクルシステムおよび方法はまた、モノのインターネット(IOT)装置などの他の装置およびシステムと相互作用し、それらへコマンドを送信し、またそれらからデータを受信するための仕様を包含する。
【0008】
一態様では、レチクルを有するネットワーク接続された装置を制御するためのヘッドマウントディスプレイシステムが提供される。システムは、通信ネットワークを介して状態を変更するコマンドを受信するように動作可能なネットワーク接続された装置と、虚像表示を形成するための透過性導波路であって、虚像表示がレチクルを生成するように動作可能である、透過性導波路と、ネットワーク接続された装置上に視覚的に重ね合わせられ得るようにレチクルを制御するためのユーザー入力機構とを備える。別の態様では、ユーザー入力機構は、ネットワーク接続された装置を、レチクルがその上に視覚的に重ね合わせられたときに選択するように構成され、それによってヘッドマウントディスプレイシステムがネットワーク接続された装置の状態を変更することを可能にする。システムは、虚像表示上に仮想メニューを含んでもよく、仮想メニューは、ネットワーク接続された装置に関連付けられた複数の選択可能なオプションを含み、レチクルは、それらのオプションのうちの一つ以上に視覚的に重ね合わせられ得、レチクルは、それらのオプションのうちの一つ以上を選択または選択解除してネットワーク接続された装置の状態を変更するように動作可能である。
【0009】
他の態様では、ネットワーク接続された装置は、レチクルが上記ネットワーク接続された装置の上に所望の期間にわたって視覚的に重ね合わせられた時に状態を変化させ、レチクルは、プレビューが無効化されると虚像内に表示され、レチクルは、色、形状、向き、形態などを含む異なる特性を割り当てられてもよく、ヘッドマウントディスプレイシステムは、虚像内にレチクルを位置させることによって、仮想メニューまたは他の選択可能な仮想オブジェクトを選択する、選択解除する、制御する、移動する、またはその他の方法で影響を与えるように動作可能であり、かつ/またはヘッドマウントディスプレイシステムは、レチクルをネットワーク化されたIOTオブジェクト上に視覚的に重ね合わせることによって、ネットワーク化されたIOTオブジェクトを作動させる、停止させる、制御する、またはネットワーク化されたIOTオブジェクトの状態をその他の方法で変更するように動作可能である。
【0010】
レチクルは、関連するカメラまたは他の視覚的入力装置の視野を表す十字線またはバウンディングボックスの形態であってもよい。レチクルは、レチクルの動きが指またはスタイラスの動きに対応するように、指またはスタイラスなどの現実世界の物体に割り当てられてもよい。システムは、第一のレチクルとは独立して動作するか第一のレチクルと相互作用する、第二のレチクルを備えてもよい。ユーザー入力機構は、ユーザー入力ボタン、タッチセンサ、音声コマンド、またはオペレータ向きカメラによって捕捉された顔のジェスチャもしくは動作であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は、本明細書の一部として本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される図面は、本開示の主題の実施形態を例示し、本開示の選択された原理、および教示を例示するものである。しかしながら、図面は、本開示の主題のすべての可能な実施を例示するものではなく、本開示の範囲をいかなる方法でも制限することを意図するものではない。
【0012】
図1a】本開示の主題の例示的な実施形態による、インカップリング回折光学素子と、ビューアに対し拡張されたアイボックスを提供するアウトカップリング回折光学素子とを有する画像光ガイドの概略上面図である。
図1b】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを装着する人の概略図である。
図2a】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて伝達される現実世界の物体のカメラ生成画像の概略図である。
図2b】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて見た現実世界の物体の概略図である。
図3a】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて見た現実世界の物体、および現実世界の物体の上に視覚的に重ね合わせられた光学的無限遠に現れるレチクルの概略図である。
図3b】本開示の主題の例示的な実施形態による、通信ネットワークを介して接続された遠隔装置を有する、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの概略図である。
図3c】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの左眼アセンブリおよび右眼アセンブリの導波路を介して伝達される仮想メニュー、およびメニューオプション上に視覚的に重ね合わせられたレチクルの概略図である。
図3d】本開示の主題の例示的な実施形態による、一つ以上のネットワーク接続された装置およびネットワーク接続された装置上に視覚的に重ね合わせられたレチクルを含む虚像の概略図である。
図3e】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの左眼アセンブリおよび右眼アセンブリの導波路を介して伝達される図3dによる虚像、およびネットワーク接続された装置上に視覚的に重ね合わせられたレチクルの概略図である。
図4a】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて見た現実世界の物体、および現実世界の物体の上および/またはその周りに視覚的に重ね合わせられた仮想バウンディングボックスの概略図である。
図4b】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて見た現実世界の物体、およびカメラの狭められた視野境界を示す現実世界の物体の上および/またはその周りに視覚的に重ね合わせられた仮想バウンディングボックスの概略図である。
図5】本開示の主題の例示的な実施形態による、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを介した現実世界の物体とのレチクルの相互作用のフロー図および方法である。
図6】本開示の主題の例示的な実施形態による、光学的無限遠に現れるレチクルが複数の現実世界の物体の上に視覚的に重ね合わせられている、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムを通じて見た複数の現実世界の物体の概略図である。
図7】本開示の主題の例示的な実施形態によるマイクロディスプレイ技術によって駆動される、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、相反する内容が明示的に特定されない限り、様々な代替的な配向、およびステップ配列を想定し得ることが、理解されるべきである。添付図面に図示され、以下の明細書に記述される、特定のアセンブリおよびシステムは、本明細書に定義される発明概念についての単なる例示的な実施形態であることも、理解されるべきである。したがって、開示された実施形態に関連する、特定の次元、方向、またはその他の物理的特徴は、別途明示的に記載されない限り、限定するものとはみなされない。また、当てはまらない場合もあるが、本明細書に記載する様々な実施形態における同様の要素は、本明細書の本項内で同様の参照番号を用いて一般的に言及されてもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「第一の」、「第二の」などの用語は、必ずしも、任意の順序関係、連続的関係、または優先順位関係を示すものではなく、別段の指定がない限り、単に一つの要素または要素の集合を別の要素とより明確に区別するために使用される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「例示的な」という用語は、「~の一例」を伝えることを意味するものであり、任意の好ましいまたは理想的な実施形態を示唆することを意図するものではない。
【0016】
本明細書で使用される場合、「ビューア」、「オペレータ」、「観察者」、および「ユーザー」という用語は、等価であるとみなされ、特に光学視認装置内に配置される、考慮される画像光ガイドのうちの1つによって伝達される虚像を見る人を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「作動可能」という用語は、例えば、電気信号に応答してなど、刺激に応答して動作をもたらすことができる装置または構成要素に関する、その従来の意味を有する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「集合、組(set)」という用語は、初等数学において、要素の集まり(collection of elements)、または集合の構成要素(members of a set)という概念が広く理解されているように、空ではない集合を指す。別段の明示的な記載がない限り、「部分集合」という用語は、本明細書では、空ではない適切な部分集合、すなわち、一つ以上の構成要素を持つ、より大きな集合の部分集合を指すために使用される。集合Sについては、部分集合は、完全な集合Sを含んでもよい。ただし、集合Sの「適切な部分集合」は、厳密に集合Sに含まれ、集合Sの少なくとも一つの構成要素を除外する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「レチクル」という用語は、ニアアイディスプレイシステムのプロジェクター/画像源によって生成される虚像を指す。レチクルは、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムから発行されるコマンドの実行に使用され得る、現実の物体または虚像上に視覚的に重ね合わせられ得る、十字線、ポインタ、バウンディングボックスまたは他の視覚的に識別可能な形態の形状を取ってもよいが、これらに限定されない。バウンディングボックスは、虚像の外縁、または単に中心アライメント点を示し得る。バウンディングボックスのサイズおよび形状は、カメラのズームレベルが調整されるにつれて、虚像内で調整され得る。
【0020】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムなどの光学システムは、画像源を介して虚像を生成することができる。実像を形成する方法とは異なり、虚像は表示面上には形成されない。すなわち、表示面が虚像の知覚される位置に位置付けられた場合、いかなる画像もその表面上には形成されない。虚像には、拡張現実の表示に特有の多数の利点がある。例えば、虚像の見かけのサイズは、表示面のサイズまたは位置によって制限されない。さらに、虚像のソースオブジェクトは小さくてもよく、例えば、拡大鏡がオブジェクトの虚像を提供する。実像を投影するシステムと比較して、ある程度離れた距離にあるように見える虚像を形成することによって、より現実的な視聴体験を提供することができる。虚像を提供することは、実像を投影する際に必要となる場合がある画面アーチファクトを補正する必要性も排除する。
【0021】
ここで図面を参照すると、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムは、軍事、商業、産業、消防、およびエンターテイメント用途など、様々な用途を有する。本明細書に記載されるように、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムは、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムユーザーの視野にある現実世界の上に視覚的に重ね合わせることができる仮想カラー画像を形成するように動作可能である。ここで図1aを参照すると、光学的に透明な平行板導波路100は、平面導波路とも呼ばれ、多色または単色プロジェクターシステム110によって生成された画像担持光WIをHMDユーザーに伝達する。平面導波路100は、狭い空間で画像担持光WIを伝達して画像をHMDユーザーの瞳孔に向け、HMDユーザーの視野内にある現実の物体上に虚像46を重ね合わせることを可能にし得る。
【0022】
平行板平面導波路100の面上に取り付けるか形成することができる、または導波路100内に配設することができるインカップリング回折光学素子IDOなどの入力カップリング光学素子によって、カラー画像プロジェクター源110からのコリメートされた、相対角度をコードした光ビームは、光学的に透明な平面導波路100内にカップリングされ得る。こうした回折光学素子は、限定するものではないが、回折格子、ホログラフィック光学素子として形成され得る。例えば、回折格子は、表面レリーフ格子として形成され得る。平面導波路100に沿って伝搬した後、回折されたカラー画像担持光WGは、アウトカップリング回折光学素子ODOなどの類似の出力カップリング光学素子によって、平面導波路100の外に再び向けることができ、これは一つ以上の方向に沿って瞳孔拡張を提供するように配置され得る。加えて、一つ以上の回折方向転換格子は、入力格子IDOと出力格子ODOとの間に導波路100に沿って光学的に位置付けられて、一つ以上の方向に瞳孔拡張を提供し得る。平行板平面導波路100から出力される画像担持光WOは、ビューアに対し、拡張されたアイボックスEを提供する。導波路100はヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの右眼アセンブリ25に図示されているが、左眼アセンブリ24または両眼のアセンブリ24、25に位置付けられてもよい。
【0023】
図1bは、レチクルシステムの一実施形態における眼鏡(すなわち、スマートグラス)の形態のヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20を図示する。ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、少なくとも右テンプルアーム12と、データを記憶し、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータアプリを記憶し、コンピュータプログラムおよびアプリを実行するためのメモリを有する処理ユニット18とを含み得る。さらに、処理ユニット18は、入力装置16および/またはユーザー入力ボタン14に接続されてもよい。入力装置16は、ユーザー入力を処理ユニット18に伝達するように動作可能である。一実施形態では、入力装置16はタッチパッドまたはタッチセンサである。タッチセンサ16は、ユーザー10の一本以上の指からの入力および/またはスタイラスからの入力を受信するように動作可能である。関連技術分野の当業者であれば、入力ジェスチャがオペレータ10の指によって実施されると記述されている場合、入力ジェスチャはまた、スタイラスによって実施されてもよいことを認識するであろう。タッチセンサ16によって受信されるジェスチャは、限定するものではないが、タッチセンサ16をタップすること、タッチセンサ16を前から後への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を後から前への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を上から下への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を下から上への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を前から後への方向と後から前への方向に同時にスワイプ/ドラッグすること(例えば、ピンチする動作)、およびその逆、タッチセンサ16を下から上への方向と上から下への方向に同時にスワイプ/ドラッグすること、およびその逆、タッチセンサ16を前から後そして前への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を後から前そして後への方向にスワイプ/ドラッグすること、タッチセンサ16を下から上そして下への方向にスワイプ/ドラッグすること、およびタッチセンサ16を上から下そして上への方向にスワイプ/ドラッグすること、を含み得る。タッチセンサ16は、ジェスチャ中に1本の指、2本の指、または3本の指のいずれが利用されているかをさらに検出し得る。一実施形態では、ユーザー入力ボタン14は、コマンドを処理ユニット18に伝達するように動作可能である。別の実施形態では、オペレータ10は手持ち式装置または音声入力を介してコマンドを送信できる。処理ユニット18は、カメラのオン/オフ、カメラの焦点合わせ、虚像の表示および非表示、コンピュータプログラムの有効化または無効化、コンピュータプログラムの制御、視覚ガイドの有効化または無効化、視覚ガイドの制御、メニュー項目の選択および制御、ネットワーク化された現実世界の物体および装置42の選択および制御などを含む、装置上の特定の動作を制御するために使用される記憶されたシンボルのシーケンスとの比較に適したシンボルのシーケンスに、ユーザー入力ボタン14とのオペレータ10の相互作用、またはジェスチャのシーケンスを、変換することができる。
【0024】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、虚像46を着用者の眼に表示する能力を有する拡張現実(AR)の単眼または双眼スマートグラスを含んでもよく、ソフトウェアを実行して、少なくとも部分的に、上記虚像46の表示および/または虚像46内のレチクルの表示を制御することができる外部処理ユニット(例えば、スマートフォン)に接続され得る。追加的に、または代替的に、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、虚像46の表示を制御するのに適した処理ユニットを含み得る。
【0025】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、カメラ22が見るものの虚像46のプレビューを示し得る。 カメラ22は、ユーザー入力ボタン14、タッチセンサ16、ジェスチャ、または口頭コマンドを介して動作可能であり得、オペレータ10が、写真撮影、映像録画、双方向通話、バーコードスキャン、ネットワーク化された現実世界の物体および装置42の選択および制御などを含む複数のタスクを開始することを可能にする。
【0026】
一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、ユーザー10の手のジェスチャとFOV内の現実の物体とを見るように配置された少なくとも一つのカメラ22をさらに備え得る。一実施形態では、カメラ22は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムの左眼アセンブリ24または右眼アセンブリ25の外周に隣接して位置する。カメラ22のFOVは、一般的にオペレータ10の前方に位置する。別の実施形態では、カメラ22は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20の左右のテンプルアーム12に位置する。カメラ22のFOVは、一般に、オペレータ10の前方に向けて位置付けられる。別の実施形態では、カメラ22または追加のカメラは、オペレータ10の上方、後方、または側面の領域などの追加の向きで、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20のFOVを拡張し得る。
【0027】
一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、カメラのオン/オフ、カメラの焦点合わせ、虚像表示の表示および非表示、虚像表示の注釈付け、コンピュータプログラムの有効化または無効化、コンピュータプログラムの制御、視覚ガイドの有効化または無効化、視覚ガイドの制御、仮想メニュー上のメニュー項目の選択および制御、IOT装置などの現実世界のネットワーク化された項目および装置42の選択および制御などを含む、装置上の特定の動作の制御を開始するために使用され得る、まばたき、ウインク、眼球運動、唇の動き、表情などを含む、オペレータ10の顔の動きを見るように配置された少なくとも一つのオペレータ向きカメラ28をさらに備え得る。一実施形態では、図2a~図3aおよび図3cに図示するように、オペレータ向きカメラ28は、左眼アセンブリ24または右眼アセンブリ25の眼鏡フレーム上に位置する。図2a~図3aおよび図3Cでは、第一のオペレータ向きカメラ28は、左側テンプルアーム12に隣接して位置するように示され、第二のオペレータ向きカメラ28は、左眼アセンブリ24の眼鏡フレームの下部分上に位置するように示されている。
【0028】
ここで図2aを参照すると、一実施形態では、現実世界の物体42はカメラ22によって捕捉され、その虚像46は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20を介して表示される。虚像46は、この例では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20の他の光学構成要素と併せて、右眼アセンブリ25の導波路100によって生成される右眼用アイボックスを介して光学的無限遠に位置する。別の実施形態では、虚像46は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20の他の光学構成要素と併せて、左眼アセンブリ24の導波路100によって生成される左眼用アイボックスを介して光学的無限遠に位置する。さらに別の実施形態では、虚像46は、双眼ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20の他の光学構成要素と併せて、右眼および左眼導波路100を介して光学的無限遠に位置する。カメラ22は、物体への合焦、文書および項目のスキャン、バーコードおよびその他のデジタル的に符号化された機械可読光学ラベルの読み取り、写真のデジタル的な記録、現実世界の物体42の映像の記録などをするように動作可能である。カメラで捕捉された画像は、虚像46内に表示され得る。
【0029】
図2bでは、虚像46は無効化されており、観察者10は遮られずに現実世界の物体42を見ることが可能になる。別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、オペレータ10が通常の矯正眼鏡と同様に現実世界を見ることを可能にする一つ以上の矯正レンズをさらに備える。
【0030】
図3aの実施形態に図示するように、レチクル60が有効化される。虚像46はレチクル60を含み、レチクル60は現実世界の物体42の上に重ね合わせられているように見える。この例では、レチクル60は虚像46の中心に現れ、オペレータ10の視界を覆い隠すことなく、カメラ22の焦点の中心を示す。
【0031】
一実施形態では、レチクル60は、ユーザー入力ボタン14、タッチセンサ16、音声コマンド、オペレータ向きカメラ28によって捕捉された顔のジェスチャもしくは動き、または他の入力オプションを介して、オペレータ10によってFOVの異なる向きに移動されることができる。別の実施形態では、レチクル60は、オペレータ10の一つ以上の眼と対になっていてもよく、レチクル60は、ユーザーの眼の動きおよび/または回転を測定する、オペレータ向きカメラ28のアイトラッカーまたは注視トラッカーに従って移動され得る。一実施形態では、レチクル60は、オペレータ10によって再び移動されるまで、その割り当てられた位置に留まる。
【0032】
一実施形態では、複数のレチクルが生成され、第一のレチクル60とは独立して操作され得る。例えば、第二のレチクル62は、図3cに図示するように、第一のレチクル60と同じ観察者10の眼に、または観察者もしくはオペレータ10のもう一方の眼に見えてもよい。
【0033】
ここで図3bを参照すると、一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、遠隔パーティ200が、カメラ22によって受信され、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20によって送信されるデータを見ることができるように、遠隔パーティ200によって操作される装置202に接続され得る。ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20および遠隔装置202は、LAN、WAN(例えば、インターネット)、パブリックネットワーク、および/またはプライベートネットワークなどの通信ネットワーク104を介して接続することができるが、これらに限定されない。例えば、技術専門家などの遠隔パーティ200は、ディスプレイを有するコンピュータ202をヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20に接続して、オペレータ10によって使用されるヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20によって送信される画像および/または映像データを見ることができる。オペレータ10は、遠隔パーティ200が、例えば、バウンディングボックス80の形状およびレチクル60の他の特徴を変更し、虚像46内の異なる位置へとレチクル60を移動させるなど、レチクル60の形状または形態の制御を引き受けることを可能にし得る。一実施形態では、遠隔パーティ200はまた、レチクル60でコマンドを実行することができ、これには画像(すなわち、写真)の捕捉、映像の録画、バーコードのスキャン、ネットワーク化された現実世界の物体42との相互作用、および虚像46内の項目との相互作用が含まれるがこれらに限定されない。一実施形態では、遠隔オペレータ200は、レチクル60を利用して虚像46に注釈を付けることができる。例えば、遠隔オペレータ200は、虚像46内の一つ以上の特徴を識別するために、レチクル60を利用して線および/または矢印を描くことができる。一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、遠隔オペレータの入力装置(例えば、コンピュータマウス)のx座標およびy座標を、虚像46のx座標およびy座標と整合/同期させるように動作可能であり、遠隔オペレータ200が虚像46内のレチクル60を制御することを可能にする。一実施形態では、二つ以上の遠隔パーティ200が、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20によって送信される画像および/または映像データをリアルタイムで見ることができる。
【0034】
レチクル60は、現実世界の物体42の上に視覚的に重ね合わせられ得る。一実施形態では、オペレータ10は、オペレータ10の注視およびレチクル60を現実世界の物体42上に一定時間留まらせることによって、現実世界の物体42(本明細書ではネットワーク接続された装置とも呼ぶ)を選択または相互作用するように動作可能である。別の実施形態では、オペレータ10は、現実世界の物体42上にレチクル60を位置付けること、ユーザー入力ボタン14を押下すること、タッチセンサ16を操作すること、一つ以上の音声コマンド、オペレータ向きカメラ28によって捕捉された顔のジェスチャもしくは動きを入力すること、または他の入力オプションによって、現実世界の物体42を選択または現実世界の物体42と相互作用するように動作可能である。現実世界の物体42との相互作用の性質は、関連するコンピュータプログラムまたはアプリケーション(すなわち、アプリ)との統合によって定義される。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20およびレチクル60は、パーソナルホームアシスタント、ドアロック、照明、環境温度制御、冷蔵庫、娯楽装置、車両入口、車両制御、プリンタ、エレベータなどのスマート装置を制御するために使用され得る。
【0035】
別の実施形態では、相互作用は、スタイラス、一本以上の指、一本以上の手、バトン、リング、手袋、およびこれに類するものなどの、レチクル60の代わりに作動可能になる現実の物体を指定することを含み得る。一実施形態では、スタイラス、バトン、リング、または手袋などの現実の物体の接続は、現実世界の物体のシリアル番号またはコードを、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20のソフトウェアアプリケーションに入力することによって達成される。一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20のソフトウェアアプリケーションは、Vuzix Companionアプリケーションであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20への現実の物体の接続は、Bluetooth接続を介して達成される。さらに別の実施形態では、指または手などの現実の物体にレチクル60を割り当てることは、カメラ22およびユーザー入力で現実の物体を識別/選択することを含み、その後、現実の物体は、物体認識などのコンピュータビジョン技術を介してカメラ22によって追跡される。例えば、物体の動きがレチクル60の動きに対応する(すなわち、レチクル60の動きを引き起こす)ように、レチクル60は、指またはスタイラスなどの物体に割り当てられてもよい。レチクル60が物体に割り当てられる例示的な実施形態では、仮想レチクル60は、隠されるか、または強調解除され得る(例えば、サイズが縮小されるか、または色が変更される)。
【0036】
一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、現実世界の物体42を後で、および/またはリアルタイムで識別するために、相互作用可能な現実世界の物体42の座標をマッピングするように動作可能である。相互作用可能な現実世界の物体42の座標をマッピングすることにより、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、観察者の入力を受けると現実世界の物体42が操作されるように、レチクル60が位置付けられる現実世界の物体42を識別することができる。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、無線制御可能な照明装置の座標をマッピングするために利用され得る。レチクル60がマッピングされた無線照明装置上に位置するとき、観察者10は、本明細書に記載の入力方法を介して無線照明装置を作動/停止させることができる。
【0037】
別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、現実世界の物体42上/現実世界の物体42中に位置する固有の識別子(例えば、URL)を有するRFIDタグおよび/またはQRコードを介して、相互作用可能な現実世界の物体42と接続し、それを識別するように動作可能である。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、RFIDタグ信号を介して観察者10がレチクル60を位置付けた無線照明装置を識別し、上述の入力方法を介して無線照明装置を作動/停止させることができる。RFIDタグが付けられた相互作用可能な現実世界の物体42を利用する実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20はRFIDリーダーを含む。
【0038】
別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、物体認識などのコンピュータビジョン技術を介して、相互作用可能な現実世界の物体42を認識するように動作可能である。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20のカメラ22は、相互作用可能な現実世界の物体42を識別するためのリアルタイム処理のために、映像シーケンスを処理ユニット18に送信し得る。一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、カメラ22によって捕捉された画像および/または映像のシーケンスを処理する際に、エッジ検出を利用し得る。
【0039】
ここで図2aを参照すると、実施形態では、カメラ22によって捕捉された現実世界の物体42は、現実世界の物体42の上に視覚的に重ね合わせられた虚像46として表示される。オペレータ10から現実世界の物体42と相互作用するための入力信号を受信すると、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、虚像46のアニメーションを表示して、相互作用が実行されている、または実行されたことをオペレータ10に視覚的に示すことができる。例えば、現実世界の物体42が卓上ランプを含む場合、相互作用を視覚的に示すアニメーションは、図2aの両方向矢印で示すように、引き紐式スイッチの作動を含み得る。
【0040】
一実施形態では、現実世界の物体42と相互作用することにより、その物体にレチクル60をピン留めすることができ、レチクル60は一定時間、上記物体に固定されたままとなる。別の実施形態では、レチクル60は、例えば、現実世界の物体42との接触がオペレータ10によって終了されるまで、オペレータ10のFOV外に落ちても、上記現実世界の物体42にピン留めされたままである。
【0041】
図3cに図示するように、レチクル60は、仮想メニュー内の仮想オブジェクト64上に位置付けられて、例えば、レチクル60が仮想オブジェクト64上に位置付けられている間にオペレータ10の注視を仮想オブジェクト64上に一定時間留まらせること、ユーザー入力ボタン14、タッチセンサ16、一つ以上の音声コマンド、オペレータ向きカメラ28によって捕捉された一つ以上の顔のジェスチャもしくは動きを操作すること、または他の入力オプションによって、仮想オブジェクト64を選択または仮想オブジェクト64と相互作用することができる。仮想オブジェクト64との相互作用の性質は、関連するコンピュータプログラムまたはソフトウェアアプリケーションとの統合によって定義される。例えば、仮想オブジェクト64は、メニューオプション、拡張現実要素、仮想現実要素、または任意の他の選択可能および/または対話型の仮想項目を含み得る。
【0042】
図3dに図示するように、一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、ネットワーク化された現実世界の物体および装置42に遠隔接続して、レチクル60を介してネットワーク化された現実世界の物体および装置42の一つ以上の状態の遠隔制御を可能にするように動作可能である。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、オペレータ10の家の部屋の虚像46を表示するように動作可能である。オペレータ10は、虚像46内のレチクル60をナビゲートして、入力装置16を介してネットワーク化された装置42を選択することができる。このようにして、オペレータ10は、家の内外の位置から、ネットワーク接続された照明のオンおよびオフ、ネットワーク接続されたサーモスタットの設定の調整、ならびに/またはネットワーク接続されたテレビの状態の制御を行うことができる。例えば、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、および/またはワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、ネットワーク化された現実世界の物体および装置42と通信するように動作可能である。一実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20によって表示されるオペレータ10の家の部屋の虚像46は、静止画像である。例えば、虚像46は、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20をネットワーク化された装置42に接続するプロセス中にカメラ22によって捕捉された静止画像であってもよい。別の実施形態では、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20によって表示されるオペレータ10の家の部屋の虚像46は、リアルタイム画像および/または映像である。例えば、虚像46は、遠隔位置に位置するカメラによって捕捉されたリアルタイム映像であってもよい。
【0043】
ここで図4aを参照すると、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20ソフトウェアにより、レチクル60がバウンディングボックス80の形態をとることが可能となる。この実施形態では、有効化されると、バウンディングボックス80は、カメラ22のFOVのズーム境界82を画定する、長方形などの形状を表示する。他の実施形態では、バウンディングボックス80は、正方形、円形、楕円形、または他の形状として表示され得る。一実施形態では、バウンディングボックス80は、複数の色、陰影、境界線の重み、およびグラデーション陰影のうちの一つ以上であってもよく、支援要素、例えば第二のレチクル62、または様々なカメラのFOV構成インジケータ、例えば照準線、三分割法グリッド、中心線などを含んでもよい。バウンディングボックス80はまた、バーコードまたはQRコードをスキャンするために使用され得る。バウンディングボックス80がカメラ22の正確な位置を反映するように構成される場合、こうしたバーコードおよびQRコードのスキャンが改善され得る。
【0044】
図4bに図示するように、バウンディングボックス80は、ズーム境界82に比例してサイズを変更することができる。
【0045】
図5は、現実世界の物体42と相互作用するために本明細書で開示されるレチクル60、62を使用するための一つの方法を図示するフロー図300である。ステップ310では、レチクルソフトウェアが開始される。ステップ312では、レチクルソフトウェアは、ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20にアクセス可能なネットワーク接続を検索する。次のステップ314では、レチクルソフトウェアは、状態を変更し得るオペレータ10のローカル環境にあるすべてのネットワーク接続された装置の一覧を取得する。こうしたネットワーク接続された装置の例としては、パーソナルホームアシスタント、ドアロック、照明、温度制御、冷蔵庫、娯楽装置、車両入口および車両制御、プリンタ、エレベータなどが挙げられる。一実施形態では、オペレータ10が相互作用することを許可されている装置のみが取得される。一実施形態では、ネットワーク接続された装置の一覧には、オペレータ10が状態を変更する権限を有し、オペレータ10の現在の位置にローカルではない装置が含まれる。一実施形態では、オペレータ10は、ローカルおよび/または非ローカル装置を一覧表示することを選択することができる。決定ステップ316では、レチクルソフトウェアは、レチクルハイライトモードがオンになっているかオフになっているかを判定する。レチクルハイライトモードがオフ(または非アクティブ)の場合、レチクルソフトウェアはスリープモードになる。スリープモードとは、オペレータ10がレチクルソフトウェアコマンドを開始するまでレチクルソフトウェアがオペレータ10とのさらなる重要な相互作用を行うことなく、オペレータ10がヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20を操作し続けることを可能にするレチクルソフトウェアの状態を指す。決定ステップ316では、レチクルハイライトモードがオン(またはアクティブ)である場合、方法300はステップ320に進む。図6に示すように、ステップ320は、ネットワークに接続され、その状態を変更することができる現実世界の装置42の各々の上のレチクル60をオペレータ10に表示する。一実施形態では、レチクル60は、ポインティングタイプのレチクルである。別の実施形態では、レチクル60は、オペレータ10によって見られるように、現実世界の物体42の少なくとも一部分を覆う、および/またはその周りに位置するバウンディングボックスタイプのレチクル80である。次に、決定ステップ322に入り、オペレータ10は、オペレータに表示されたレチクル60のうちの一つを選択することによって、装置42のうちの一つを選択することができる。次に、ステップ324に入り、レチクルソフトウェアは、選択された装置42が有することができる状態の一覧を表示する。オペレータ10は、この一覧から、オペレータ10が装置42をどの状態にしたいかを選択することができる。決定ステップ326へ入り、オペレータ10が装置42の現在の状態を変更することを選択したかどうかを判定する。オペレータ10が装置42の状態を変更しないことを選択した場合、決定ステップ328に入り、オペレータ10が状態オプション一覧を消去することを望むかどうかを判定する。メニューが消去されない場合、フローはステップ324に渡される。装置42の状態の一覧が消去される場合、フローはステップ320に渡される。決定ステップ326では、オペレータ10が装置42の現在の状態を変更することを選択した場合、フローはステップ330に渡される。ステップ330では、レチクルソフトウェアは、選択された装置42の状態を変更するためのコマンドを形成し、発行する。ステップ332では、可能な装置42の状態のメニューは消去され、オペレータ10に表示されなくなる。フローはステップ320に渡される。いつでも、オペレータ10は、レチクルソフトウェアをハイライトモードに切り替えるか、またはハイライトモードをオフにすることができる。これにより、オペレータ10の環境内の現実世界の物体42の上にレチクル60が表示されるかどうかが切り替わる。ステップ340は、ハイライトモードをオンに切り替える。ステップ350は、ハイライトモードをオフに切り替える。
【0046】
ヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム20は、一つ以上の回折光学素子を有する一つ以上の光学的に透明な平行板導波路100を利用するものとして本明細書で説明されている。しかしながら、本開示の主題の実施形態は、図7に図示されたヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステム400のような光学的に透明でないヘッドマウント式ニアアイディスプレイシステムで利用されてもよい。
【0047】
本明細書に記載される実施形態の一つ以上の特徴を組み合わせて、図示されていない追加の実施形態を作製してもよい。様々な実施形態を上記で詳細に説明しているが、それらは、限定的なものではなく例示目的で提示されていると、理解されるべきである。その範囲、精神、または本質的な特徴から逸脱することなく、本開示の主題が、他の特定の形態、変形、および修正によって具現化され得ることが、関連技術の当業者には明らかであろう。したがって、上述した実施形態は、すべての点において例示として考慮されるべきであり、限定的なものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その均等物の意味および範囲内にあるすべての変更がその中に包含されることが、意図される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図5
図6
図7