(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-06
(45)【発行日】2025-08-15
(54)【発明の名称】携帯用消しゴムとその保持形態
(51)【国際特許分類】
   B43L  19/00        20060101AFI20250807BHJP        
【FI】
B43L19/00 C 
(21)【出願番号】P 2023076415
(22)【出願日】2023-05-06
【審査請求日】2024-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】594143307
【氏名又は名称】赤嶺  均
(72)【発明者】
【氏名】赤嶺  均
【審査官】広瀬  杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-056709(JP,A)      
【文献】実開昭54-147450(JP,U)      
【文献】特開2020-152076(JP,A)      
【文献】特開2015-037835(JP,A)      
【文献】特開2009-119789(JP,A)      
【文献】中国実用新案第202557113(CN,U)      
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L    19/00
日本意匠分類  F2-1221、F2-12290
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  本発明は、携帯用消しゴムであり、この携帯用消しゴムと、複数の紙面が綴られたものの、任意の紙面(TP)との間で、構成される、保持形態を提供するものであって、携帯用消しゴムは、消しゴム(ER)に、支持体(SP)が装着される形態を有し、支持体(SP)は、XYZ座標の、XY平面上に、支持シート部分(SS)を有し、これと一体化する、支持版部分(SU)を有し、前述の、支持シート部分(SS)は、XY平面上の、片方の面に、粘着性と剥離性を備えた粘着剤層を有する、粘着面(AS)を有し、また、支持版部分(SU)は、XYZ座標のZ方向において、消しゴム(ER)の、上面の一部分との間に、重なり部分(LV1)を有し、さらに、支持版部分(SU)は、相対する、側面(SW1)と、側面(SW2)を有し、それから、側面(SW1)と、側面(SW2)の下部と接する、底板(SB)を有し、これらにより、支持版部分(SU)は、消しゴム(ER)の一部分を覆う形態を有し、前述の、任意の紙面(TP)と携帯用消しゴムとの間の、保持形態(HS1)は、任意の紙面(TP)の側面(NW)の、外側に、消しゴム(ER)を、配置するように、支持シート部分(SS)の、粘着面(AS)を、任意の紙面(TP)に貼り付けるという、形態を有し、この、保持形態(HS1)において、任意の紙面(TP)と、それとは別の紙面とを重ねて閉じる形態を保持形態(HS2)とし、この重ねて閉じた紙面と紙面の間に、支持シート部分(SS)の、粘着面(AS)を密着させて、消しゴム(ER)の重量による、支持シート部分(SS)を、紙面から剥す力よりも、粘着面(AS)の、粘着力を、強くし、携帯用消しゴムの脱落を防いで、携帯用消しゴムを携帯するという特徴を有し、この保持形態(HS1)と保持形態(HS2)における、携帯用消しゴムが貼り付けられた、任意の紙面(TP)が、携帯用消しゴムの、使用場所(UP)で、かつ、保管場所(HP)となることにより、字消し作業開始時に、消しゴムを探す手間が省けるという特徴を有する携帯用消しゴム。
【請求項2】
  請求項1において、支持シート部分(SS)が、短手方向(DS)と、長手方向(DL)を有する形態を有し、また、  請求項1に、記載の支持版部分(SU)で支えられている、消しゴム(ER)が、支持シート部分(SS)の、短手方向(DS)に、位置するという、形態を有し、この、形態により、請求項1の、保持形態(HS1)において、支持シート部分(SS)の、粘着面(AS)の短手方向(DS)に、任意の紙面(TP)の側面(NW)が、位置するため、この、側面(NW)方向への、粘着面(AS)の面積が増えるという、特徴を有し、このため、消しゴム(ER)の重量による、支持シート部分(SS)を、紙面から剥す力に対しての、粘着面(AS)の粘着力が、より強くなり、消しゴムの脱落を防ぐという特徴を有する携帯用消しゴム。
【請求項3】
              請求項2において、支持シート部分(SS)の粘着面(AS)の粘着剤層が、
            XY平面上に、間欠的に複数個形成される形態を有し、短手方向(DS)と長手方向(D
            L)の個々の粘着剤層の間隔が、等しい形態(ES)に対し、短手方向(DS)の個々の
            粘着剤層の間隔が、長手方向(DL)の個々の粘着剤層の間隔に対して広いという形態(
            WS)を有し、この形態(WS)において、支持シート部分(SS)を剥した部分と、剥
            していない部分との境界上の、任意の紙面(TP)と粘着面(AS)との間の接触部分(
            LC)は、意図的に、粘着面(AS)を剥す方向(DR)が、前述の長手方向(DL)に
            対して、斜めである場合に、前述の形態(ES)のときの、接触部分(LC)に比べて、
            少なくなり、任意の紙面(TP)から、支持シート部分(SS)を、剥す力を弱くでき、
            剥しやすくなるという、特徴を有する携帯用消しゴム。
【請求項4】
  請求項3において、前述の、支持シート部分(SS)の、長手方向(DL)の一端と、
            支持版部分(SU)と、Z方向に対して、重なり部分(LV2)を有し、任意の紙面(T
            P)から、支持シート部分(SS)を、剥がす力が、重なり部分(LV2)に、加わるこ
            とにより、この、剥がす力による、支持シート部分(SS)の破れに対する強度が、向上
            するという、特徴を有する携帯用消しゴム。
【請求項5】
  請求項1と、請求項2において、支持版部分(SU)の、側面(SW1)と、側面(SW2)と、底板(SB)が、削除される形態を有し、請求項1に示す、重なり部分(LV1)  に、接着剤層(AS2)を有し、支持版部分(SU)と消しゴム(ER)の上面とが、
接着剤層(AS2)で、接合される形態を有する携帯用消しゴム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、粘着性と剥離性を有する粘着剤層を備えた支持体を、装着した携帯用消しゴムであり、ノートや手帳の任意の紙面に、本携帯用消しゴムを貼り付けるという保持形態を、提案することを、目的とする。
【背景技術】
【0002】
  消しゴムを携帯し、字消しを行う方法として、特開2011-31424号公報のように、クリップ付きの消しゴム付筆記具を利用する方法や、特開2017-159525号公報のように、クリップ付きの消しゴムホルダーを利用する方法があり、これらの方法は、消しゴムを携帯し、字消しを行うのには十分であった。
【0003】
  しかし、これらの方法に代表される従来の消しゴムの携帯方法は、消しゴムを、保持する特定の保管場所の提案を行うものではなく、字消し作業開始において、消しゴムを探す手間が、発生し、時間がかかる場合があるという、問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
    消しゴムの携帯において、その保管場所を探す手間を省き、字消し作業の利便性を、向上させることが、第一の課題である。
【0007】
  この、第一の課題の、解決手段に用いる、粘着性と剥離性を有する粘着剤層を備えた携帯用消しゴムが、携帯時に、その重量により、被着面から、脱落することを、防止することが、第二の課題である。
【0008】
    第二の課題において、消しゴムの軽量化は、字消しを行う消しゴム部分を、少なくするため、字消し機能に不利に働き、また、消しゴムの重量に対する支持体(SP)の粘着力の強化は、剥離性機能に不利に働く。
【0009】
  これらの、構成部分毎の対応策は、互いの機能に不利に働き、相反するため、構成部分相互の機能の、最適な形態を、見出すことが、必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
  粘着性と剥離性を、備えた粘着剤層を有する粘着面(AS)を消しゴムに装着した、携帯用消しゴムの、形態を利用して、ノートや手帳の、任意の紙面(TP)との間においての、携帯用消しゴムの保持形態(HS)を、構成する。ノートや手帳に、限らず、複数の紙面が綴られたものにおける、任意の紙面(TP)との間においても、携帯用消しゴムの保持形態(HS)を、構成できる。
【0011】
  この、携帯用消しゴムの保持形態(HS)は、ノートや手帳を、開いた時の、保持形態(HS1)と、ノートや手帳を、閉じた時の、保持形態(HS2)の、二つの形態を有するものとする。
【0012】
  保持形態(HS1)は、前述の任意の紙面(TP)の側面(NW)の外側に、消しゴムを、配置するように、支持シート部分(SS)の、粘着面(AS)を、任意の紙面(TP)に、貼り付ける形態とする。
【0013】
  保持形態(HS1)により、ノートや手帳の、任意の紙面(TP)を、携帯用消しゴムの、使用場所で、かつ保管場所とすることにより、消しゴムを探す手間を省くことが、できる。この、保持形態(HS1)が、第一の課題の解決手段である。
【0014】
  消しゴムを、任意の紙面(TP)の、外側に配置する,保持形態(HS1)において、ノートや手帳を閉じて、携帯用消しゴムを紙面と紙面の間に挟み、粘着面(AS)を密着させて、保持形態(HS2)を、構成することにより、携帯用消しゴムを携帯できる。
【0015】
  この、保持形態(HS2)により、消しゴムの重量による、支持シート部分(SS)を、紙面から剥す力よりも、粘着面(AS)の、粘着力を、強くして、携帯用消しゴムの、脱落防止ができる。この保持形態(HS2)が、第二の課題の解決手段である。
【0016】
  保持形態(HS2)により、脱落防止をして、携帯用消しゴムを携帯できる。
【発明の効果】
【0017】
  ノートや手帳の、任意の紙面を、携帯用消しゴムの使用場所で、かつ、保管場所とすることにより、消しゴムを探す手間を省き、字消し作業が、すぐにできる。
【0018】
  保持形態(HS1)や保持形態(HS2)において、ノートや手帳の側面で、消しゴムの、重量を支え、携帯用消しゴムの、脱落防止ができる。
【0019】
  保持形態(HS2)により、粘着面(AS)を、紙面と紙面の間に挟み、密着させて、携帯用消しゴムを携帯できる。
【0020】
  本携帯用消しゴムが、  ノートや手帳の、使用場所の目印となり、複数の、携帯用消しゴムを、ノートや手帳の、任意の紙面に、貼り付けることができる。
【0021】
  Z方向で、上から順に、支持版(SU)部分の上面と、重なり部分(LV1)と、消しゴムと、底板(SB)を、Z方向で上下に、指で挟んで字消しを行うときや、携帯用消しゴムを、任意の紙面から剥がす時の、消しゴムの湾曲を、本携帯用消しゴムの支持版部分で支える形態により、消しゴムの割れを防ぐことができる。
【0022】
  前述の、Z方向で、上から順に、支持版(SU)部分の上面と、重なり部分(LV1)と、消しゴムと、底板(SB)を、Z方向で上下に、指で挟むことにより、携帯用消しゴムを、保管場所から、取り出して、字消しを行い、その後、携帯用消しゴムを、保管場所に保管するという、一連の作業が、円滑にできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
            【
図1】本携帯用消しゴムの実施するための形態おける、保持形態(HS1)を示す斜視図である。
 
            【
図2】本携帯用消しゴムの実施するための形態おける、保持形態(HS2)を示す斜視図である。
 
            【
図3】本携帯用消しゴムの実施例1における斜視図である。
 
            【
図4】本携帯用消しゴムの実施例1における斜視図である。
 
            【
図5】本携帯用消しゴムの実施例1における斜視図である。
 
            【
図6】本携帯用消しゴムの実施例1における斜視図である。
 
            【
図7】本携帯用消しゴムの実施例2における斜視図である。
 
            【
図8】本携帯用消しゴムの実施例2における一部分と実施例3における一部分を含む斜視図である。
 
            【
図9】本携帯用消しゴムの実施例3における斜視図である。
 
            【
図10】本携帯用消しゴムの実施例4における斜視図である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に、ノートや手帳が開いているときの、請求項1に記述の、保持形態(HS1)を示す。片面に粘着面を有する支持シート部分(SS)と支持版部分(SU)を、装着した携帯用消しゴムの、消しゴム(ER)が、ノートや手帳の、側面(NW)の外側になるように、任意の紙面(TP)に、支持シート部分(SS)を貼り付けた形態である。この形態は、消しゴム(ER)の重量により、支持版(SU)が湾曲して、消しゴム(ER)を、ノートや手帳の、側面(NW)で、支えるという特徴を有する。また、この携帯用消しゴムを貼り付けた、任意の紙面(TP)が、本携帯用消しゴムの保管場所(HP)であり、使用場所(UP)となる。
図2に、ノートや手帳を閉じているときの、請求項1に記述の、保持形態(HS2)を示す。ノートや手帳を閉じる時には、支持シート部分(SS)の、粘着面(AS)を任意の紙面(TP)に密着させて、ノートの端の外側に消しゴム部分を配置して、携帯できる。
 
【実施例1】
【0025】
図3と
図4と
図5と
図6に、請求項1に示す、携帯用消しゴムの実施例1を示す。
図3では、支持体(SP)の構成部分である支持シート部分(SS)と、支持版部分(SU)の部分を、説明のため、区分して表示している。
 
【0026】
図4において、支持シート部分(SS)と、支持版部分(SU)を区分して表示しない、一体化された支持体(SP)を表示している。
 
【0027】
図3に示す、支持版部分(SU)は、消しゴム(ER)の一部分を覆う形態を有する。また、
図3と
図6に示すように、XYZ座標のZ方向において、支持版部分(SU)は、消しゴム(ER)の、上面の一部分との間に、灰色の部分で示す、重なり部分(LV1)を有する。これにより、消しゴム(ER)を、支える形態である。
 
【0028】
図5に示す、支持シート部分(SS)の片面にある粘着層(AS)が、前述の
図1のように、ノートや手帳の、任意の紙面(TP)に、貼り付けられる。
 
【0029】
図6は、Z方向の下方向から見た図であり、消しゴム(ER)を除いて表示し、かつ、支持版部分(SU)の側面(SW1)と側面(SW2)と底板(SB)の部分を透明にして、重なり部分(LV1)を灰色で示している。この灰色部分が、支持版部分(SU)と消しゴム(ER)の重なり部分(LV1)である。
 
【実施例2】
【0030】
  図7に、請求項2に記述の、支持シート部分(SS)の、短手方向(DS)と、長手方向(DL)の形態を示す。支持シート部分(SS)の、短手方向(DS)に、支持版(SU)に支えられる、消しゴム(ER)が位置する形態である。
 
【0031】
図7と
図8に、
請求項4に記述の、重なり部分(LV2)の形態を示す。支持シート部分(SS)の、長手方向(DL)の一端と、支持版部分(SU)とが、Z方向に対して、重なる部分が、重なり部分(LV2)である。
 
【実施例3】
【0032】
図8に、
請求項3に記述の、支持シート部分(SS)の粘着面(AS)の粘着剤層が、XY平面上に、間欠的に複数個形成される形態を示す。短手方向(DS)の個々の、粘着剤層の間隔が、長手方向(DL)の個々の、粘着剤層の間隔よりも広いという形態である。
 
【0033】
図9に、
請求項3と請求項4に記述の、形態を示す。支持シート部分(SS)を透明にして、粘着面(AS)を灰色で示している。また、支持シート部分(SS)の粘着面(AS)を、意図的に剥す方向(DR)が、長手方向(DL)に対して、斜めである様子を示す。また、剥す部分の粘着面(AS)と任意の紙面(TP)との間の接触部分(LC)は、支持シート部分(SS)を剥した部分と、剥していない部分との境界上にある部分を示すものとする。接触部分(LC)の方向は、短手方向(DS)と長手方向(DL)に対して、斜めであるため、短手方向(DS)の個々の粘着剤層の間隔が広い分、この接触部分(LC)が、少なくなる。その分、任意の紙面(TP)から、支持シート部分(SS)を、剥がす力が、弱くなり、意図的に支持シート部分(SS)を剥す場合は、支持シート部分(SS)を、任意の紙面(TP)から剥しやすくなる。一方、この形態における、消しゴム(ER)の重量による、支持シート部分(SS)を、紙面から剥す力に対しての、粘着面(AS)の粘着力への影響は、短手方向(DS)が、任意の紙面(TP)の側面(NW)の方向にあり、この(NW)方向への、粘着面(AS)の面積は広くとれるため、少なくできる。
 
【実施例4】
【0034】
図10に、請求項5に記述の、形態を示す。請求項1と、請求項2に記述の、支持版部分(SU)の、側面(SW1)と、側面(SW2)と、底板(SB)が、削除される形態を有し、支持版部分(SU)と消しゴム(ER)の上面との間の重なり部分(LV1)を灰色で示しており、この部分に、接着層(AS2)を有し、この部分で、支持版部分(SU)と消しゴム(ER)とが、接合される形態である。
 
【符号の説明】
【0035】
ER    消しゴム
HS1    保持形態
HS2    保持形態
TP    任意の紙面
UP    使用場所
HP    保管場所
SP    支持体
SS    支持シート部分
SU    支持版部分
AS    粘着面
AS2    接着剤層
LV1    重なり部分
LV2    重なり部分
NW    側面
SW1    側面
SW2    側面
SB    底板
DS    短手方向
DL    長手方向
DR    剥す方向
LC    接触部分