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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-08
(45)【発行日】2025-08-19
(54)【発明の名称】油中水型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20250812BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20250812BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20250812BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250812BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20250812BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20250812BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20250812BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20250812BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20250812BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20250812BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250812BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/39
A61K8/37
A61Q19/00
A61K9/107
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/06
A61K47/02
A61P17/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020135349
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030988
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-05-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小方 隆史
(72)【発明者】
【氏名】松尾 一貴
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-178494(JP,A)
【文献】特開2019-019077(JP,A)
【文献】特開2016-088901(JP,A)
【文献】特開2012-102078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルであってHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、または、ポリグリセリンアルキルエーテルであってHLBが11~14である非イオン性界面活性剤、
(B)(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれるHLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤、
(C)エステル油類、および炭化水素類を少なくとも含む油剤、
(D)水、および、
(E)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、およびジメチルジステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる有機変性粘土鉱物、
を含有し、シリコーン成分を含まない、油中水型乳化組成物。
【請求項2】
前記(A)におけるHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテルである、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項3】
前記(A)におけるHLBが11~14である非イオン性界面活性剤が、ポリグリセリル-4ラウリルエーテルである、請求項1または2に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項4】
前記(B)における(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルが、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10であり、
前記(B)におけるソルビタン脂肪酸エステルが、トリステアリン酸ソルビタンであり、
前記(B)におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項5】
前記(A)HLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、または、HLBが11~14である非イオン性界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.01~10質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項6】
前記(B)HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤が、組成物全体に対して0.01~10質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項7】
前記(C)油剤の含有量が、組成物全体に対して1~50質量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項8】
前記(E)有機変性粘土鉱物の含有量が、組成物全体に対して1~20質量%である、請求項1~7のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項9】
前記油中水型乳化組成物が皮膚外用剤である、請求項1~8のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【請求項10】
前記皮膚外用剤が化粧料である、請求項9に記載の油中水型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料等に好適な油中水型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
油中水型乳化組成物は、連続相に油性成分が存在するため高い閉塞効果を有しており、保湿性が高い等の利点を有する。一方で、油中水型乳化組成物は乳化安定性が確保できない、あるいは使用感が油っぽいといった使用性の問題を生じることがある。
【0003】
特許文献1および2には、HLBの異なる2種類の界面活性剤を組み合わせた処方により、乳化安定性や使用性を高める試みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-102078号公報
【文献】WO2016/080270
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、乳化安定性および使用性にさらに優れた油中水型乳化組成物が求められている。したがって、本発明は、乳化安定性および使用性に優れた油中水型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行ったところ、特定の界面活性剤の組合せによって、乳化安定性および使用性に優れた油中水型乳化組成物とすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
【0007】
[1](A)HLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、または、HLBが11~14である非イオン性界面活性剤、
(B)HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤、
(C)油剤、および、
(D)水、
を含有する、油中水型乳化組成物。
[2] 前記(A)におけるHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである、[1]に記載の油中水型乳化組成物。
[3] 前記(A)におけるHLBが11~14である非イオン性界面活性剤が、エステル型非イオン性界面活性剤、またはエーテル型非イオン性界面活性剤である、[1]または[2]に記載の油中水型乳化組成物。
[4] 前記(B)HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤が、エステル型非イオン性界面活性剤、またはエーテル型非イオン性界面活性剤である、[1]~[3]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[5] さらに、(E)有機変性粘土鉱物を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[6] シリコーン成分を含まない、[1]~[5]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[7] 前記(A)HLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、または、
HLBが11~14である非イオン性界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.01~10質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[8] 前記(B)HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤が、組成物全体に対して0.01~10質量%である、[1]~[7]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。[9] 前記(C)油剤の含有量が、組成物全体に対して1~50質量%である、[1]~[8]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[10] 前記(E)有機変性粘土鉱物の含有量が、組成物全体に対して1~20質量%である、[5]~[9]のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
[11] 前記油中水型乳化組成物が皮膚外用剤である、[1]~[10]のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
[12] 前記皮膚外用剤が化粧料である、[11]に記載の油中水型乳化組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乳化安定性および使用性に優れた油中水型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について説明する。
<油中水型乳化組成物>
本発明の一態様は、
(A)HLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、または、HLBが11~14である非イオン性界面活性剤、
(B)HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤、
(C)油剤、および、
(D)水、
を含有する、油中水型乳化組成物(以下、「本発明の油中水型乳化組成物」ということがある)に関する。
【0010】
本発明者らは、油中水型乳化組成物の乳化安定性および使用性を高める技術を求めて各種検討を行った。
その中で、本発明者らは、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)の異なる非イオン性界面活性剤の特定の組合せにより、乳化安定性および使用性に優れた油中水型乳化組成物の創出に成功した。このような知見に基づき、本発明を完成した。
【0011】
≪成分(A)の非イオン性界面活性剤≫
本発明の油中水型乳化組成物において、成分(A)の非イオン性界面活性剤の一つとして、HLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤を含む。本発明で用いられるHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤は、化粧料等に通常使用されているものから適宜選択される1種または2種以上でよい。成分(A)のHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤は、HLBを指標として、適宜選択し得る。
具体的には、エーテル型非イオン性界面活性剤は、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグリコシド等が挙げられる。
【0012】
より具体的には、例えば、
ポリオキシエチレン(以下、POEという)(2)セチルエーテル(セテス-2等)(HLB8.0)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;
POE(3)ノニルフェニルエーテル(HLB7.4)等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル;
デシルグルコシド(HLB10.0)等のアルキルグリコシドを挙げることができる。
【0013】
本発明の油中水型乳化組成物において、成分(A)の非イオン性界面活性剤の別の一つとして、HLBが11~14である非イオン性界面活性剤を含む。本発明で用いられるHLBが11~14である非イオン性界面活性剤は、化粧料等に通常使用されているものから適宜選択される1種または2種以上でよい。成分(A)のHLBが11~14である非イオン性界面活性剤は、HLBを指標として、適宜選択し得る。
具体的には、エーテル型非イオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグリコシド等が挙げられる。エステル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0014】
より具体的には、例えば、
ポリグリセリル-4ラウリルエーテル(HLB12.3)等のポリグリセリンアルキルエーテル;
POE(12)ドデシルフェニルエーテル(HLB13.6)等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル;
セテアリルグルコシド(HLB13.0)等のアルキルグリコシド;
ラウリン酸ポリグリセリル-6(HLB13.4)等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル;
ショ糖ステアリン酸エステル(リョート(商標)シュガーエステルS-1170等)(HLB11.1)等のショ糖脂肪酸エステル;
を挙げることができる。
【0015】
≪成分(B)の非イオン性界面活性剤≫
本発明の油中水型乳化組成物において、成分(B)の非イオン性界面活性剤として、HLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤を含む。本発明で用いられるHLBが1~4.5である非イオン性界面活性剤は、化粧料等に通常使用されているものから適宜選択される1種または2種以上でよい。成分(B)の非イオン性界面活性剤は、HLBを指標として、適宜選択し得る。
具体的には、エーテル型非イオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグリコシド等が挙げられる。エステル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0016】
より具体的には、例えば、
POE(2)ステアリルエーテル(ステアレス-2等)(HLB4.4)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;
ステアリン酸セテス-3(HLB3.0)等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;
ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB3.5)、ステアリン酸グリセリル(HLB4.2)等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル;
ショ糖ステアリン酸エステル(リョート(商標)シュガーエステルS-270等)(H
LB2.0)等のショ糖脂肪酸エステル;
トリステアリン酸ソルビタン(HLB2.1)等のソルビタン脂肪酸エステル;
を挙げることができる。
【0017】
本発明において成分(A)の非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましくは1~2質量%である。また、本態様において成分(B)の非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましくは1~2質量%である。
【0018】
さらに、成分(A)および成分(B)の非イオン性界面活性剤の合計含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.02~20質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは1~5質量%である。可溶化安定性の観点から0.02質量%以上が好ましく、処方の自由度の観点から20質量%以下が好ましい。
【0019】
また、本発明において用いる成分(A)の非イオン性界面活性剤と成分(B)の非イオン性界面活性剤との質量比は、好ましくは3:1~1:3であり、より好ましくは1:1~1:2である。本発明における特定の2種の界面活性剤を組み合わせて、好ましくはこのような質量比で用いることにより、油性成分を含有しても安定で使用感に優れた油中水型乳化組成物を得ることができる。
【0020】
本発明の油中水型乳化組成物においては、成分(A)および成分(B)の非イオン性界面活性剤といった、それぞれ異なるHLBを有する界面活性剤を組み合わせることで、適切なHLB値が得られる。
本発明の油中水型乳化組成物においては、成分(A)および成分(B)の非イオン性界面活性剤の組み合わせのHLBは、5以上、6以上であってよく、7以下、6以下であってよく、これらの矛盾しない組み合わせであってよい。HLBが、例えば、5~7、または5~6であってよい。HLBは、各界面活性剤のHLB、界面活性剤の含有量等に基づいて、調整し得る。
なお、上記HLB値は、下記グリフィン(Griffin)法により算出したものである。
【0021】
HLB=20×(親水基の分子量/全体の分子量)
【0022】
≪成分(C)の油剤≫
本発明の油中水型乳化組成物において、成分(C)として油剤を含む。本発明で用いられる油剤は、化粧料等に通常使用されているものから適宜選択される1種または2種以上でよい。
具体的には、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;イソドデカン、水添ポリイソブテン、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、パルミチン酸エチルヘキシル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピ
ル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット、2-エチルヘキサン酸セチル等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤を挙げることができる。
なお、本発明の一態様では、肌なじみを良くするという観点から、シリコーン油等のシリコーン成分を含まない態様とすることができる。
【0023】
本発明において成分(C)の油剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは10~40質量%、さらに好ましくは20~40質量%である。
【0024】
≪成分(E)の有機変性粘土鉱物≫
本発明の一態様の油中水型乳化組成物において、乳化性能をさらに向上するという観点から、成分(E)の有機変性粘土鉱物を含む態様とすることができる。本発明で用いられる有機変性粘土鉱物は、化粧料等に通常使用されているものから適宜選択される1種または2種以上でよい。
具体的には、ヘクトライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト等の公知の粘土鉱物を、有機カチオンで処理したものが挙げられる。より具体的には、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(クオタニウム-18ヘクトライト等)、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト(クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-90ベントナイト等)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、およびジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムスメクタイト等が挙げられる。
【0025】
本発明において成分(E)の有機変性粘土鉱物の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは2~10質量%、さらに好ましくは3~5質量%である。
【0026】
≪その他の成分≫
また、本発明の油中水型乳化組成物は、その効果を損なわない限りにおいて、その他の任意成分を含有することができる。
任意成分としては、通常化粧料等に配合し得る成分であれば特に限定されず、溶媒、多価アルコール、必須成分以外の界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等)、各種有効成分、保湿剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、粉体類、抗菌剤、紫外線散乱・吸収剤等が挙げられる。任意成分としては、1種または2種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
抗菌剤としては、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、カプリルヒドロキサム酸等の天然抗菌物質が好ましく挙げられる。
有効成分としては、保湿成分、美白成分、シワ改善成分、抗炎症成分、動植物由来の抽出物等が挙げられ、1種のみを含有させてもよく、2種以上含有されていてもよい。
【0027】
任意成分として、限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類等が好ましく例示できる。
【0028】
なお、これらの任意成分は、本発明における任意の工程またはその前後で添加することができる。
本発明の油中水型乳化組成物の製造方法は、上記必須の構成成分を有する以外は、常法の乳化法に基づき、製造可能である。
【0029】
≪皮膚外用剤および化粧料≫
本発明の皮膚外用剤は、本発明の油中水型乳化組成物を含み、例えば、医薬、医薬部外品を含む化粧料等とするのに好適である。特に好ましいのは化粧料である。剤形は、油中水型乳化剤形であれば特段の限定はなく、例えば、ローション、乳液等とすることが好ましく例示される。
本発明の油中水型乳化組成物を用いる以外、皮膚外用剤、医薬、医薬部外品を含む化粧料の製造は、従来公知の製造方法を用いて行うことができる。
【実施例
【0030】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0031】
表1に示す処方で、実施例および比較例の油中水型乳化組成物をそれぞれ調製し、評価した。具体的には、以下のようにして行った。油相を70℃に加熱して溶解させた。同じく70℃にて加熱溶解させた水相を、油相に添加し、ホモミキサーで攪拌しながら乳化して目的の油中水型乳化組成物を得た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
1.外観安定性
調製した各試料を、室温で4週間放置した後の外観で評価した。
◎:分離が見られず安定していた。
〇:わずか分離が発生しているが、品質に問題ないレベル。
△:やや分離が発生していた。
×:目視で明らかな分離がみられた。
【0035】
2.後肌の柔らかさ
調製した各試料を女性専門家パネル(N=10)に使用してもらい、塗布後の肌の柔らかさを評価した。
◎:10人中9人以上が「肌がやわらかい」と回答した。
○:10人中7人以上が「肌がやわらかい」と回答した。
△:10人中5人以上が「肌がやわらかい」と回答した。
×:10人中4人以下が「肌がやわらかい」と回答した。
【0036】
3.後肌のべたつきのなさ
調製した各試料を女性専門家パネル(N=10)に使用してもらい、塗布後の肌のべたつきのなさを評価した。
◎:10人中9人以上が「後肌がべたつかない」と回答した。
○:10人中7人以上が「後肌がべたつかない」と回答した。
△:10人中5人以上が「後肌がべたつかない」と回答した。
×:10人中4人以下が「後肌がべたつかない」と回答した。
【0037】
成分(A)としてHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエステル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例1および8の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
一方、HLBが10.4であるエステル型非イオン性界面活性剤、およびHLBが3.5であるエステル型非イオン性界面活性剤を含有する比較例1の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性が不十分であった。
成分(A)としてHLBが5~10であるエーテル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエーテル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例2の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
【0038】
成分(A)としてHLBが11~14であるエステル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエステル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例3および4の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
一方、HLBが14.7であるエステル型非イオン性界面活性剤、およびHLBが3.5であるエステル型非イオン性界面活性剤を含有する比較例2の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性が不十分であった。
成分(A)としてHLBが11~14であるエーテル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエステル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例5の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
成分(A)としてHLBが11~14であるエステル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエーテル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例6の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
成分(A)としてHLBが11~14であるエーテル型非イオン性界面活性剤、および成分(B)としてHLBが1~4.5であるエーテル型非イオン性界面活性剤を含有する実施例7の油中水型乳化組成物は、安定性と使用性に優れることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に応用できる。