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特許7725372イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-08
(45)【発行日】2025-08-19
(54)【発明の名称】イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20250812BHJP
   C08G 18/16 20060101ALI20250812BHJP
   C08G 18/22 20060101ALI20250812BHJP
【FI】
C08G18/00 030
C08G18/16
C08G18/22
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021572879
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2020065572
(87)【国際公開番号】W WO2020249472
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】19179688.7
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515266223
【氏名又は名称】コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】COVESTRO DEUTSCHLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリック-デレイトレ エレーナ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストヒュー ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ライマン イボンヌ
(72)【発明者】
【氏名】コープマンス カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカード ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフ アウレール
(72)【発明者】
【氏名】マーガー ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ギュルトラー クリストフ
【審査官】三宅 澄也
(56)【参考文献】
【文献】特表昭62-500730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0291726(US,A1)
【文献】特表2012-524824(JP,A)
【文献】特開昭60-124614(JP,A)
【文献】特表2009-508979(JP,A)
【文献】特表2020-533466(JP,A)
【文献】国際公開第2019/052994(WO,A1)
【文献】特開昭53-045400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法であって、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A)と2つ以上のエポキシ基を有するポリエポキシド化合物(B)とを触媒(C)の存在下、溶媒(D)中で共重合することを含み、
前記ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基と前記ポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2.6:1~7:1であり、
前記触媒(C)が、LiCl、LiBr、LiI、PhPBr、PhPCl、Ph(C-OCH)PBr、Ph(C-OCH)PCl、Ph(CF)PCl及びPh(CF)PBrからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、
前記触媒(C)を、前記ポリエポキシド化合物(B)をベースとして0.001mol%~2.0mol%のモル量で使用する、方法。
【請求項2】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)及び/又は芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)及び/又は芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、前記ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、前記ポリエポキシド化合物(B)が芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、前記ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、前記ポリエポキシド化合物(B)が芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒(C)がLiCl、LiBr及びLiIからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒(C)を、前記ポリエポキシド化合物(B)をベースとして0.01mol%~1.5mol%以下の量で使用する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
i)前記ポリイソシアネート化合物(A)、前記ポリエポキシド化合物(B)、前記触媒(C)及び前記溶媒(D)を混合し、混合物(i)を形成する工程と、
ii)前記混合物(i)を共重合し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)を形成する工程と、
iii)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)を前記イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)から除去する工程と、
を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
α)前記ポリエポキシド化合物(B)、前記触媒(C)の少なくとも一部及び前記溶媒(D)の少なくとも一部を混合し、混合物(α)を形成する工程と、
β)前記ポリイソシアネート化合物(A)及び前記溶媒(D)の残りの部分を前記混合物(α)に共重合条件で添加し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)を形成する工程と、
γ)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)を前記イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)から除去する工程と、
を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記未反応のポリイソシアネート化合物(A)及び/又は前記溶媒(D)を熱処理方法によって除去する、請求項1~1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~1のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン。
【請求項14】
100g/eq~10000g/eqのイソシアネート当量を有し、イソシアネート当量をDIN EN ISO 11909:2007に準拠した滴定によって決定する、請求項1に記載のイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法であって、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A)と2つ以上のエポキシ基を有するポリエポキシド化合物(B)とを特定の触媒(C)の存在下で共重合することを含み、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2:1超かつ25:1未満である、方法に関する。本発明は、得られるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンにも関する。
【背景技術】
【0002】
オキサゾリジノンは、薬学的用途で広く使用されている構造モチーフであり、エポキシド及びイソシアネートの環化付加は、オキサゾリジノンへの簡便なワンポット合成経路と考えられる。オキサゾリジノンの合成についての初期の報告においては、高価な触媒、反応性の極性溶媒、長い反応時間及び低い化学選択性が一般的である(非特許文献1)。これらの不利点から、特にポリマー用途における構造モチーフとしてのオキサゾリジノンの適用のためのオキサゾリジノンを作製する代替方法が必要とされていた。
【0003】
科学文献である非特許文献2には、様々なビスエポキシド及び様々なジイソシアネートからアルカリ金属ハロゲン化物触媒の存在下で調製されたポリオキサゾリジノンが開示されている。等モル量のビスエポキシド及びジイソシアネートの溶液を、DMFに溶解したLiCl触媒の入った反応器に1時間以内に還流条件下で滴加し、反応を完了するために、その後の12時間~23時間の後反応を還流条件下で行った。
【0004】
特許文献1は、ポリイソシアネート及びポリエポキシド(これらの化合物は、ジイソシアネート又はジエポキシドであり得る)から調製されたオキサゾリジノン及びカルボジイミドを含むポリマーを教示しており、ここで、イソシアネート基の数とエポキシド基の数との比率は1.1:1~20:1、好ましくは1.2:1~10:1であり、トリエチレンジアミン(DABCO)等の第三級脂肪族、脂環式及び芳香族アミンがオキサゾリジノン形成の触媒として適用された。
【0005】
非特許文献3には、4-トルエン-2,4-ジイソシアネートとビスフェノールAのジグリシジルエーテルとをイッテルビウムトリフレートの存在下で反応させ、4-トルエン-2,4-ジイソシアネートとビスフェノールAのジグリシジルエーテルとのモル比が2:1である、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンの作製が開示されている。
【0006】
非特許文献4においては、様々なハロゲン化テトラ-n-ブチルアンモニウムの存在下での4,4-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)とo-クレシルグリシジルエーテル(OGCE)又はビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)との反応によるオキサゾリジノン形成が調査されており、ここで、1対3~最大3対1のBADGEとMDIとのモル比が適用された。しかしながら、3対1のBADGEとMDIとの比で作用させると、相当量の副生成物、すなわちイソシアヌレートが検出され、エポキシ末端オキサゾリジノンが形成された。1対3のBADGEとMDIとのモル比を適用した場合、イソシアネート末端オキサゾリジノン形成は、適用されるハロゲン化テトラ-n-ブチルアンモニウム触媒の存在下においては可能でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第4,129,695号
【非特許文献】
【0008】
【文献】M. E. Dyen and D. Swern, Chem. Rev., 67, 197, 1967
【文献】J. Polym. Sci. 8 (1970) 2759-2773
【文献】Flores et al. (Thermochmica Acta (Elsevier) Vol. 543 (2012) pages 188 to 196)
【文献】Pelzer et al. (European Polymer Journal 107 (2018))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、更なる重合用途のために、好ましくは低い多分散性と組み合わせて規定のイソシアネート当量を有するイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンの調製のための簡単な一段階プロセスを特定することであった。これに関連して、副反応、例えば生成物の粘度の上昇をもたらすイソシアヌレート又はポリウレタンの形成による副反応を低減するか、又は有利には完全に回避する必要がある。加えて、オキサゾリジノン生成物は、従来技術において記載されている系に関して着色が少ないことも望ましく、かかるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンプレポリマー系は、更なる重合用途のために溶融可能であることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚いたことに、課題は、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法であって、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A)と2つ以上のエポキシ基を有するポリエポキシド化合物(B)とを触媒(C)の存在下、任意に溶媒(D)中で共重合することを含み、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2:1超かつ25:1未満であり、触媒(C)が、
Li(I)、Rb(I)、Cs(I)、Ag(I)、Au(I)、
Mg(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Dy(II)、Cu(II)、Zn(II)、V(II)、Mo(II)、Mn(II)、Fe(II)、Co(II)、
Ni(II)、Pd(II)、Pt(II)、Ge(II)、Sn(II)、
Sc(III)、Y(III)、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、
Er(III)、Tm(III)、Lu(III)、Hf(III)、Nb(III)、Ta(III)、Cr(III)、Ru(III)、Os(III)、Rh(III)、Ir(III)、
Al(III)、Ga(III)、In(III)、Tl(III)、Ge(III)、
Ce(IV)、Ti(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)、Nb(IV)、Mo(IV)、W(IV)、Ir(IV)、Pt(IV)、Sn(IV)、Pb(IV)、
Nb(V)、Ta(V)、Bi(V)、
Mo(VI)、W(VI)、及び、
式(I):
[M(R1)(R2)(R3)(R4)]+n Yn- (I)
(式中、Mはリン又はアンチモン、好ましくはリンであり、
(R1)、(R2)、(R3)、(R4)は互いに独立して、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、1個~22個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキル基、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、3個~22個の炭素原子を含有する脂環式基、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、3個~22個の炭素原子を含有するC1~C3アルキル架橋脂環式基、並びに1個~10個の炭素原子を含有する1つ以上のアルキル基及び/又はヘテロ原子含有置換基及び/又はヘテロ原子で任意に置換された、6個~18個の炭素原子を含有するアリール基を含む群から選択され、Yはハロゲン化物アニオン、炭酸アニオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン又はリン酸アニオン、より好ましくはハロゲン化物アニオン又は炭酸アニオンであり、nは1、2又は3の整数である)によって表される化合物、
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、方法によって解決することができることが分かった。
【0011】
本明細書で使用される場合、「ポリオキサゾリジノン」という用語は、分子中に少なくとも2つのオキサゾリジノン基を含有する化合物を示すことを意図している。「イソシアネート基末端」ポリオキサゾリジノンという用語は、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2:1を超えるポリオキサゾリジノン化合物に関し、本発明によるポリオキサゾリジノン化合物中には末端エポキシ基は存在しない。
【0012】
本発明による方法の一実施の形態において、共重合プロセスは、130℃以上~280℃以下の反応温度、好ましくは140℃以上~240℃以下の温度、より好ましくは155℃以上~210℃以下の温度で行われる。130℃未満の温度を設定すると、反応は概して非常に遅くなる。280℃を超える温度においては、望ましくない二次生成物の量が大幅に増加する。
【0013】
本発明による方法の一実施の形態において、共重合プロセスは10分間~20時間、好ましくは20分間~10時間、より好ましくは30分間~6時間の反応時間で行われる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「ポリイソシアネート化合物」という用語は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を示すことを意図している。
【0015】
本発明による方法の一実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族若しくは脂環式ポリイソシアネート化合物(A-1)、及び/又は芳香脂肪族(araliphatic)若しくは芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)である。
【0016】
本発明による方法の一実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、様々な方法で、例えば液相若しくは気相中でのホスゲン化、又はホスゲンを用いない経路、例えば熱的ウレタン開裂によって入手可能な少なくとも1つのポリイソシアネートである。
【0017】
本発明による方法の一実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族結合したイソシアネート基を有する140g/mol~600g/molの分子量範囲のポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、例は1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-若しくは2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,8-ジイソシアナトオクタン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,12-ジイソシアナトドデカン、1,3-及び1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、4,4’-ジイソシアナト-2,2-ジシクロヘキシルプロパン、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、又は例えばJ. Prakt. Chem. 336 (1994) 185 - 200、独国特許出願公開第1670666号、独国特許出願公開第1954093号、独国特許出願公開第2414413号、独国特許出願公開第2452532号、独国特許出願公開第2641380号、独国特許出願公開第3700209号、独国特許出願公開第3900053号及び独国特許出願公開第3928503号若しくは欧州特許出願公開第0336205号、欧州特許出願公開第0339396号及び欧州特許出願公開第0798299号に記載されているような単純な脂肪族及び/又は脂環式ジイソシアネートの修飾によって調製されたウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオン及び/又はオキサジアジントリオン構造を有する任意のポリイソシアネート、例えば上述のタイプのもの、若しくは少なくとも2つのかかるポリイソシアネートの混合物、並びに1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-エチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-tert-ブチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-クロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジクロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラブロモベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトエチル)ベンゼン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,2-、1,3-及び1,4-ジイソシアナトベンゼン(フェニレンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ジイソシアナトトルエン(トルエンジイソシアネート、TDI)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、異性体ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジイソドデシルフェニレンジイソシアネート及びビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシアネート、トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、異性体ナフタレントリイソシアネート及びメチルナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4-ジイソシアナト-1-[(5-イソシアナト-2-メチルフェニル)メチル]ベンゼン、4-メチル-ジフェニルメタン-3,5,2’,4’,6’-ペンタイソシアネート、更には「ポリマー-MDI」として知られるジイソシアナトジフェニルメタンの多核同族体、更には、例えば独国特許出願公開第870400号、独国特許出願公開第953012号、独国特許出願公開第1090196号、欧州特許出願公開第0546399号、中国特許第105218780号、中国特許第103881050号、中国特許第101717571号、米国特許第3183112号、欧州特許出願公開第0416338号、欧州特許出願公開第0751163号、欧州特許出願公開第1378529号、欧州特許出願公開第1378530号、欧州特許出願公開第2174967号、特開昭63-260915号若しくは特開昭56-059828号に記載されている任意の既知の方法によって得ることができる、モノマー2,4-及び/又は2,6-TDIからポリオールとの反応及び/又はオリゴマー化、好ましくは三量化によって得ることができるウレタン及び/又はイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、若しくは少なくとも2つのかかるポリイソシアネートの混合物、更には芳香族及び脂肪族イソシアネート基の両方を有するポリイソシアネート化合物、例えば独国特許出願公開第1670667号、欧州特許出願公開第0078991号、欧州特許出願公開第0696606号及び欧州特許出願公開第0807623号に記載されている2,4-及び/又は2,6-TDIとHDIとの混合三量体若しくはアロファネートである。
【0018】
より好ましくは、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族結合したイソシアネート基を有する140g/mol~600g/molの分子量範囲のポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、例は1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-若しくは2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,8-ジイソシアナトオクタン、1,3-及び1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、4,4’-ジイソシアナト-2,2-ジシクロヘキシルプロパン、又は例えばJ. Prakt. Chem. 336 (1994) 185 - 200、独国特許出願公開第1670666号、独国特許出願公開第1954093号、独国特許出願公開第2414413号、独国特許出願公開第2452532号、独国特許出願公開第2641380号、独国特許出願公開第3700209号、独国特許出願公開第3900053号及び独国特許出願公開第3928503号若しくは欧州特許出願公開第0336205号、欧州特許出願公開第0339396号及び欧州特許出願公開第0798299号に記載されているような単純な脂肪族及び/又は脂環式ジイソシアネートの修飾によって調製されたウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオン及び/又はオキサジアジントリオン構造を有する任意のポリイソシアネート、例えば上述のタイプのもの、並びに1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-エチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-tert-ブチルベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,2-、1,3-及び1,4-ジイソシアナトベンゼン(フェニレンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ジイソシアナトトルエン(トルエンジイソシアネート、TDI)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジイソドデシルフェニレンジイソシアネート及びビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン、トリメチルベンゼントリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、異性体ナフタレントリイソシアネート及びメチルナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4-ジイソシアナト-1-[(5-イソシアナト-2-メチルフェニル)メチル]ベンゼン、更には「ポリマー-MDI」として知られるジイソシアナトジフェニルメタンの多核同族体、更には、例えば独国特許出願公開第870400号、独国特許出願公開第953012号、独国特許出願公開第1090196号、欧州特許出願公開第0546399号、中国特許第105218780号、中国特許第103881050号、中国特許第101717571号、米国特許第3183112号、欧州特許出願公開第0416338号、欧州特許出願公開第0751163号、欧州特許出願公開第1378529号、欧州特許出願公開第1378530号、欧州特許出願公開第2174967号、特開昭63-260915号若しくは特開昭56-059828号に記載されている任意の既知の方法によって得ることができる、モノマー2,4-及び/又は2,6-TDIからポリオールとの反応及び/又はオリゴマー化、好ましくは三量化によって得ることができるウレタン及び/又はイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、更には芳香族及び脂肪族イソシアネート基の両方を有するポリイソシアネート化合物、例えば独国特許出願公開第1670667号、欧州特許出願公開第0078991号、欧州特許出願公開第0696606号及び欧州特許出願公開第0807623号に記載されている2,4-及び/又は2,6-TDIとHDIとの混合三量体若しくはアロファネートである。
【0019】
最も好ましくは、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族結合したイソシアネート基を有する140g/mol~600g/molの分子量範囲のポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、例は1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、並びに1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)である。
【0020】
上述のポリイソシアネート化合物(A)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「脂肪族ポリイソシアネート化合物」という用語は、2つ以上のイソシアネート基を有し、芳香族部分を有しない化合物を示すことを意図している。
【0022】
本発明による方法の好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(A-1)である。
【0023】
本発明による方法の一実施の形態において、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)は、脂肪族又は脂環式結合したイソシアネート基を有する140g/mol~400g/molの分子量範囲のポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、例は1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-若しくは2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,8-ジイソシアナトオクタン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,12-ジイソシアナトドデカン、1,3-及び1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、4,4’-ジイソシアナト-2,2-ジシクロヘキシルプロパン、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、又は例えばJ. Prakt. Chem. 336 (1994) 185 - 200、独国特許出願公開第1670666号、独国特許出願公開第1954093号、独国特許出願公開第2414413号、独国特許出願公開第2452532号、独国特許出願公開第2641380号、独国特許出願公開第3700209号、独国特許出願公開第3900053号及び独国特許出願公開第3928503号若しくは欧州特許出願公開第0336205号、欧州特許出願公開第0339396号及び欧州特許出願公開第0798299号に記載されているような単純な脂肪族及び/又は脂環式ジイソシアネートの修飾によって調製されたウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオン及び/又はオキサジアジントリオン構造を有する任意のポリイソシアネート、例えば上述のタイプのもの、若しくは少なくとも2つのかかるポリイソシアネートの混合物である。
【0024】
より好ましくは、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族結合したイソシアネート基を有する140g/mol~400g/molの分子量範囲のポリイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、例は1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-若しくは2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,8-ジイソシアナトオクタン、1,3-及び1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、4,4’-ジイソシアナト-2,2-ジシクロヘキシルプロパン、又は例えばJ. Prakt. Chem. 336 (1994) 185 - 200、独国特許出願公開第1670666号、独国特許出願公開第1954093号、独国特許出願公開第2414413号、独国特許出願公開第2452532号、独国特許出願公開第2641380号、独国特許出願公開第3700209号、独国特許出願公開第3900053号及び独国特許出願公開第3928503号若しくは欧州特許出願公開第0336205号、欧州特許出願公開第0339396号及び欧州特許出願公開第0798299号に記載されているような単純な脂肪族及び/又は脂環式ジイソシアネートの修飾によって調製されたウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオン及び/又はオキサジアジントリオン構造を有する任意のポリイソシアネート、例えば上述のタイプのもの、若しくは少なくとも2つのかかるポリイソシアネートの混合物である。
【0025】
最も好ましくは、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)は、1,5-ジイソシアナトペンタン(ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、1,6-ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0026】
上述のポリイソシアネート化合物(A)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「芳香族ポリイソシアネート化合物」という用語は、2つ以上のイソシアネート基及び芳香族部分を有する化合物を示すことを意図している。
【0028】
本発明による方法のあまり好ましくない実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、芳香族及び/又は芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-2)である。
【0029】
本発明による方法の好ましい実施の形態において、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)は、少なくとも1つの化合物であり、160g/mol~600g/molの分子量範囲の芳香脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネート及びトリイソシアネート、例えば1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-エチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-tert-ブチルベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,2-、1,3-及び1,4-ジイソシアナトベンゼン(フェニレンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ジイソシアナトトルエン(トルエンジイソシアネート、TDI)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジイソドデシルフェニレンジイソシアネート及びビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン、トリメチルベンゼントリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、異性体ナフタレントリイソシアネート及びメチルナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4-ジイソシアナト-1-[(5-イソシアナト-2-メチルフェニル)メチル]ベンゼン、更には「ポリマー-MDI」として知られるジイソシアナトジフェニルメタンの多核同族体、更には例えば独国特許出願公開第870400号、独国特許出願公開第953012号、独国特許出願公開第1090196号、欧州特許出願公開第0546399号、中国特許第105218780号、中国特許第103881050号、中国特許第101717571号、米国特許第3183112号、欧州特許出願公開第0416338号、欧州特許出願公開第0751163号、欧州特許出願公開第1378529号、欧州特許出願公開第1378530号、欧州特許出願公開第2174967号、特開昭63-260915号又は特開昭56-059828号に記載されている任意の既知の方法によって得ることができる、モノマー2,4-及び/又は2,6-TDIからポリオールとの反応及び/又はオリゴマー化、好ましくは三量化によって得ることができるウレタン及び/又はイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、更には芳香族及び脂肪族イソシアネート基の両方を有するポリイソシアネート化合物、例えば独国特許出願公開第1670667号、欧州特許出願公開第0078991号、欧州特許出願公開第0696606号及び欧州特許出願公開第0807623号に記載されている2,4-及び/又は2,6-TDIとHDIとの混合三量体又はアロファネートからなる群より選択される。
【0030】
本発明による方法のより好ましい実施の形態において、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)は、少なくとも1つの化合物であり、160g/mol~600g/molの分子量範囲の芳香脂肪族及び/又は芳香族ジイソシアネート及びトリイソシアネート、例えば1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-エチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-5-tert-ブチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4-クロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-4,5-ジクロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-2,4,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラブロモベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアナトエチル)ベンゼン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,2-、1,3-及び1,4-ジイソシアナトベンゼン(フェニレンジイソシアネート)、2,4-及び2,6-ジイソシアナトトルエン(トルエンジイソシアネート、TDI)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、異性体ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジイソドデシルフェニレンジイソシアネート及びビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシアネート、トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、異性体ナフタレントリイソシアネート及びメチルナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4-ジイソシアナト-1-[(5-イソシアナト-2-メチルフェニル)メチル]ベンゼン、4-メチル-ジフェニルメタン-3,5,2’,4’,6’-ペンタイソシアネート、更には「ポリマー-MDI」として知られるジイソシアナトジフェニルメタンの多核同族体、更には例えば独国特許出願公開第870400号、独国特許出願公開第953012号、独国特許出願公開第1090196号、欧州特許出願公開第0546399号、中国特許第105218780号、中国特許第103881050号、中国特許第101717571号、米国特許第3183112号、欧州特許出願公開第0416338号、欧州特許出願公開第0751163号、欧州特許出願公開第1378529号、欧州特許出願公開第1378530号、欧州特許出願公開第2174967号、特開昭63-260915号又は特開昭56-059828号に記載されている任意の既知の方法によって得ることができる、モノマー2,4-及び/又は2,6-TDIからポリオールとの反応及び/又はオリゴマー化、好ましくは三量化によって得ることができるウレタン及び/又はイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、又は少なくとも2つのかかるポリイソシアネートの混合物、更には芳香族及び脂肪族イソシアネート基の両方を有するポリイソシアネート化合物、例えば独国特許出願公開第1670667号、欧州特許出願公開第0078991号、欧州特許出願公開第0696606号及び欧州特許出願公開第0807623号に記載されている2,4-及び/又は2,6-TDIとHDIとの混合三量体又はアロファネートからなる群より選択される。
【0031】
本発明による方法の最も好ましい実施の形態において、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)は少なくとも1つの化合物であり、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(キシリレンジイソシアネート、XDI)、1,3-及び1,4-ビス(2-イソシアナトプロパン-2-イル)ベンゼン(テトラメチルキシリレンジイソシアネート、TMXDI)、2,2’-、2,4’-及び4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニルエタン、1,5-ジイソシアナトナフタレン(NDI)からなる群より選択される。
【0032】
芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ポリエポキシド化合物」という用語は、2つ以上のエポキシド基を有する化合物を示すことを意図している。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態において、ポリエポキシド化合物(B)は、脂肪族若しくは脂環式ポリエポキシド化合物(B-1)及び/又は芳香族若しくは芳香脂肪族ポリエポキシド化合物(B-2)、好ましくは脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態において、エポキシド化合物(B)は、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、9,9-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)フルオレン、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジル-o-フタレート、トリメリット酸トリグリシジルエステル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジエポキシド、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、エトキシ化トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル、ポリ(テトラメチレン-オキシド)ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、リモネンジエポキシド、二重不飽和脂肪酸C1~C18アルキルエステルのジエポキシド、二重不飽和エトキシ化脂肪アルコールのポリエポキシド、2-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、1,4-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェニルジグリシジルエーテル及びジグリシジルイソフタレート、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、カルダノール系ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、4,4’-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル、並びに塩素化及び臭素化型の上述の成分からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0036】
2個~40個の炭素原子からなる脂肪族直鎖、脂肪族分岐、又は脂環式部分を有する二官能性又は多官能性アルコールのエポキシ化によって得られる脂肪族ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、例えば、エタンジオールジグリシジルエーテル、プロパンジオールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、オクタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリエチレントリグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルジグリシジルエーテル。
【0037】
より好ましくは、ポリエポキシド化合物(B)は、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、エトキシ化トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル、ポリ(テトラメチレン-オキシド)ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、二重不飽和脂肪酸C1~C18アルキルエステルのジエポキシド、二重不飽和エトキシ化脂肪アルコールのポリエポキシド、2個~40個の炭素原子からなる脂肪族直鎖、脂肪族分岐、又は脂環式部分を有する二官能性又は多官能性アルコールのエポキシ化によって得られる脂肪族ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、例えば、エタンジオールジグリシジルエーテル、プロパンジオールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、オクタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリエチレントリグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0038】
最も好ましくは、ポリエポキシド化合物(B)は、エタンジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0039】
上述のポリエポキシド化合物(B)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「脂肪族ポリエポキシド化合物」という用語は、2つ以上のエポキシド基及びまた芳香族部分を有する化合物を示すことを意図している。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態において、ポリエポキシド化合物(B)は、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態において、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)は、1つ以上の化合物であり、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、エトキシ化トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル、ポリ(テトラメチレン-オキシド)ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、二重不飽和脂肪酸C1~C18アルキルエステルのジエポキシド、二重不飽和エトキシ化脂肪アルコールのポリエポキシド、2個~40個の炭素原子からなる脂肪族直鎖、脂肪族分岐、又は脂環式部分を有する二官能性又は多官能性アルコールのエポキシ化によって得られる脂肪族ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、例えばエタンジオールジグリシジルエーテル、プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、オクタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリエチレントリグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0043】
本発明のより好ましい実施の形態において、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)は、1つ以上の化合物であり、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、エトキシ化トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル、ポリ(テトラメチレン-オキシド)ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、二重不飽和脂肪酸C1~C18アルキルエステルのジエポキシド、2個~40個の炭素原子からなる脂肪族直鎖、脂肪族分岐、又は脂環式部分を有する二官能性又は多官能性アルコールのエポキシ化によって得られる脂肪族ジグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテル、例えばエタンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリエチレントリグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0044】
最も好ましくは、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)は、1つ以上の化合物であり、エタンジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0045】
上述の脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「芳香族ポリエポキシド化合物」という用語は、2つ以上のエポキシド基及びまた芳香族部分を有する化合物を示すことを意図している。
【0047】
本発明の代替的な好ましい実施の形態において、ポリエポキシド化合物(B)は、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態において、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)は、1つ以上の化合物であり、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、9,9-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)フルオレン、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジル-o-フタレート、トリメリット酸トリグリシジルエステル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、1,4-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェニルジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレート、テトラブロモビスフェノールA、カルダノール系ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、4,4’-ジヒドロキシフェニルジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル、並びに塩素化及び臭素化型の上述の成分からなる群より選択される。
【0049】
本発明のより好ましい実施の形態において、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)は、1つ以上の化合物であり、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジル-o-フタレート、2-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、1,4-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェニルジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレート、カルダノール系ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、4,4’-ジヒドロキシフェニルジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタンジグリシジルエーテル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテルからなる群より選択される。
【0050】
本発明の最も好ましい実施の形態において、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)は、1つ以上の化合物であり、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、2-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、1,4-ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジグリシジルイソフタレートからなる群より選択される。
【0051】
上述の芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)の2つ以上の混合物を使用することもできる。
【0052】
本発明の第1の代替的な好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、ポリエポキシド化合物(B)は、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である。
【0053】
本発明の第2の代替的な好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、ポリエポキシド化合物(B)は、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である。
【0054】
本発明の第3の代替的な好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、ポリエポキシド化合物(B)は、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である。
【0055】
本発明の第4の代替的な好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)は、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、ポリエポキシド化合物(B)は、芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である。
【0056】
上述の脂肪族ポリイソシアネート(A-1)、芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)、脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)及び/又は芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)の1つ以上の混合物を使用することもできる。
【0057】
本発明の好ましい実施の形態において、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比は、2.6:1~7:1、好ましくは2.7:1~6:1、より好ましくは2.8:1~5:1である。後者のモル比が7:1を超え、イソシアネート末端オキサゾリジノンが得られる場合、混合物全体のオキサゾリジノン基が残留イソシアネートモノマーによって希釈され過ぎ、モノマーポリイソシアネート化合物のみから重合されたポリマーと比較して、最終ポリマーの特性に影響を及ぼすことができない。
【0058】
本発明の好ましい実施の形態において、上記方法は、
i)ポリイソシアネート化合物(A)、ポリエポキシド化合物(B)、触媒(C)及び任意に溶媒(D)を混合し、混合物(i)を形成する工程と、
ii)混合物(i)を共重合し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)を形成する工程と、
iii)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)から除去する工程と、
を含む。
【0059】
本発明の代替的な好ましい実施の形態において、上記方法は、
α)ポリエポキシド化合物(B)、触媒(C)の少なくとも一部及び任意に溶媒(D)の少なくとも一部を混合し、混合物(α)を形成する工程と、
β)ポリイソシアネート化合物(A)を混合物(α)に共重合条件で添加し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)を形成する工程と、
γ)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)から除去する工程と、
を含む。
【0060】
本発明の更なる代替的なあまり好ましくない実施の形態において、上記方法は、
a)ポリイソシアネート化合物(A)及び触媒(C)の少なくとも一部及び溶媒(D)の少なくとも一部を混合し、混合物(a)を形成する工程と、
b)ポリエポキシド化合物(B)を混合物(a)に共重合条件で添加し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(b)を形成する工程と、
c)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(b)から除去する工程と、
を含む。
【0061】
高温での共重合プロセスの条件については上で説明している。工程i)、工程γ)又は工程c)における溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)の除去には、適切な精製法、例えば薄膜蒸発を適用することができる。溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)の除去は、例えばハロゲン含有溶媒及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)がこれらの重合反応を妨げ、得られる重合生成物に悪影響を及ぼす可能性があることから、将来の重合用途に有益であり得る。さらに、溶媒(D)及び/又はモノマーポリイソシアネート化合物(A)の除去は、有害なモノマーポリイソシアネート化合物(A)及び溶媒(D)の量を大幅に減少させることができるため、健康リスクがより低い生成物をもたらす。残りのポリオキサゾリジノンプレポリマーは、比較的高い分子量を有し、溶媒を含まず、モノマーポリイソシアネート化合物の濃度が低い他のポリイソシアネートプレポリマーよりも高いリスクを示すとは予想されない。
【0062】
本発明の好ましい実施の形態において、これらの重合反応を妨げ、その後の重合生成物に悪影響を及ぼす可能性がある溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)を除去するために、未反応のポリイソシアネート化合物(A)及び/又は溶媒(D)を蒸留、好ましくは薄膜蒸発によって除去する。
【0063】
モノマーポリイソシアネート化合物(A)及び/又は溶媒(D)を熱処理方法、好ましくは蒸留及び/又は抽出、より好ましくは薄膜蒸発によって除去する、請求項1に記載の方法。
【0064】
本発明の好ましい実施の形態において、触媒(C)は、LiCl、LiBr、LiI、MgCl、MgBr、MgI、SmI、PhSbBr、PhSbCl、PhPBr、PhPCl、Ph(C-OCH)PBr、Ph(C-OCH)PCl、Ph(CF)PCl及びPh(CF)PBr、好ましくはLiCl、LiBr、LiI及びMgClからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0065】
本発明のより好ましい実施の形態において、触媒(C)はLiCl、LiBr及びLiIからなる群より選択される。
【0066】
本発明のより好ましい実施の形態において、触媒(C)はLiBrである。
【0067】
本発明による方法の一実施の形態において、触媒(C)は、ポリエポキシド化合物(B)をベースとして0.001mol%~2.0mol%のモル量、好ましくは0.01mol%~1.5mol%以下、より好ましくは0.05mol%以上~1.0mol%以下の量で存在する。
【0068】
本発明の一実施の形態においては、溶媒(D)を使用する。
【0069】
本発明の一実施の形態において、ジイソシアネート化合物(A)、ビスエポキシド化合物(B)、触媒(C)及び溶媒(D)の合計に対するジイソシアネート化合物(A)、ビスエポキシド化合物(B)及び触媒(C)の合計の算出される質量比は、40wt%~100wt%、好ましくは50wt%~90wt%、より好ましくは60wt%~80wt%の範囲である。
【0070】
溶媒(D)は、一般的定義と一致して、溶質、すなわち化合物(A)及び/又は化合物(B)及び/又は化合物(C)を溶解するが、化合物(A)、化合物(B)及び/又は触媒(C)、特にポリイソシアネート化合物(A)とは(化学的に)反応しない物質として定義される。
【0071】
好適な溶媒(D)は、例えば、直鎖若しくは分岐のアルカン又はアルカンの混合物、トルエン、キシレン及び異性体キシレンの混合物、メシチレン、一置換若しくは多置換ハロゲン化芳香族溶媒又はハロゲン化アルカン溶媒、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)若しくはメチル-tert-ブチルエーテル(EMTBE)等の直鎖若しくは環状エーテル、直鎖若しくは環状エステル、又は1,4-ジオキサン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性非プロトン性溶媒、エチレンカーボネート若しくはプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、N-メチルピロリドン(NMP)、スルホラン、テトラメチル尿素、N,N’-ジメチルエチレン尿素、又は上述の溶媒及び/又は他の溶媒の混合物、2-ブタノン、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、キシレン、トルエン、エチレングリコールエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ブチレングリコール、ブチレングリコールモノアルキルエーテル、ブチレングリコールジアルキルエーテル等の有機溶媒である。
【0072】
好ましい溶媒(D)は、1,2-ジクロロベンゼン、スルホラン、N-メチルピロリドン(NMP)、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、キシレン、トルエン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ブチレングリコールジアルキルエーテルである。
【0073】
本発明の別の態様は、本発明による方法によって得ることができるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンである。
【0074】
本発明の一実施の形態において、ポリオキサゾリジノンは、100g/eq~10000g/eq、好ましくは150g/eq~6000g/eq、より好ましくは200g/eq~2000g/eqのイソシアネート当量(IEW)を有し、イソシアネート当量は、DIN EN ISO 11909:2007に準拠した滴定によって決定される。
【0075】
ポリオキサゾリジノンのイソシアネート当量(IEW)は、1当量のイソシアネート基を含有する物質の全質量として定義される。
【0076】
第1の実施の形態において、本発明は、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンを作製する方法であって、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A)と2つ以上のエポキシ基を有するポリエポキシド化合物(B)とを触媒(C)の存在下、任意に溶媒(D)中で共重合することを含み、
ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2:1超かつ25:1未満であり、
触媒(C)が、
Li(I)、Rb(I)、Cs(I)、Ag(I)、Au(I)、
Mg(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Dy(II)、Cu(II)、Zn(II)、V(II)、Mo(II)、Mn(II)、Fe(II)、Co(II)、
Ni(II)、Pd(II)、Pt(II)、Ge(II)、Sn(II)、
Sc(III)、Y(III)、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、
Er(III)、Tm(III)、Lu(III)、Hf(III)、Nb(III)、Ta(III)、Cr(III)、Ru(III)、Os(III)、Rh(III)、Ir(III)、
Al(III)、Ga(III)、In(III)、Tl(III)、Ge(III)、
Ce(IV)、Ti(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)、Nb(IV)、Mo(IV)、W(IV)、Ir(IV)、Pt(IV)、Sn(IV)、Pb(IV)、
Nb(V)、Ta(V)、Bi(V)、
Mo(VI)、W(VI)、及び、
式(I):
[M(R1)(R2)(R3)(R4)]+n Yn- (I)
(式中、Mはリン又はアンチモン、好ましくはリンであり、
(R1)、(R2)、(R3)、(R4)は互いに独立して、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、1個~22個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキル基、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、3個~22個の炭素原子を含有する脂環式基、ヘテロ原子及び/又はヘテロ原子含有置換基で任意に置換された、3個~22個の炭素原子を含有するC1~C3アルキル架橋脂環式基、並びに1個~10個の炭素原子を含有する1つ以上のアルキル基及び/又はヘテロ原子含有置換基及び/又はヘテロ原子で任意に置換された、6個~18個の炭素原子を含有するアリール基を含む群から選択され、
Yはハロゲン化物アニオン、炭酸アニオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン又はリン酸アニオン、より好ましくはハロゲン化物アニオン又は炭酸アニオンであり、
nは1、2又は3の整数である)によって表される化合物、
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、方法に関する。
【0077】
第2の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)のイソシアネート基とポリエポキシド化合物(B)のエポキシ基とのモル比が2.6:1~7:1、好ましくは2.7:1~6:1、より好ましくは2.8:1~5:1である、第1の実施の形態による方法に関する。
【0078】
第3の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)及び/又は芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)である、第1の実施の形態又は第2の実施の形態による方法に関する。
【0079】
第4の実施の形態において、本発明は、ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)及び/又は芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)、好ましくは脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である、第2の実施の形態による方法に関する。
【0080】
第5の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である、第1の実施の形態~第4の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0081】
第6の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)が脂肪族ポリイソシアネート化合物(A-1)であり、ポリエポキシド化合物(B)が芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である、第1の実施の形態~第4の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0082】
第7の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、ポリエポキシド化合物(B)が脂肪族ポリエポキシド化合物(B-1)である、第1の実施の形態~第4の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0083】
第8の実施の形態において、本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)が芳香族ポリイソシアネート化合物(A-2)であり、ポリエポキシド化合物(B)が芳香族ポリエポキシド化合物(B-2)である、第1の実施の形態~第4の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0084】
第9の実施の形態において、本発明は、触媒(C)がLiCl、LiBr、LiI、MgCl、MgBr、MgI、SmI、PhSbBr、PhSbCl、PhPBr、PhPCl、Ph(C-OCH)PBr、Ph(C-OCH)PCl、Ph(CF)PCl及びPh(CF)PBr、好ましくはLiCl、LiBr及びLiI、最も好ましくはLiBrからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、第1の実施の形態~第8の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0085】
第10の実施の形態において、本発明は、触媒(C)を、ポリエポキシド化合物(B)をベースとして0.001mol%~2.0mol%のモル量、好ましくは0.01mol%~1.5mol%以下、より好ましくは0.05mol%以上~1.0mol%以下の量で使用する、第1の実施の形態~第9の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0086】
第11の実施の形態において、本発明は、
i)ポリイソシアネート化合物(A)、ポリエポキシド化合物(B)、触媒(C)及び任意に溶媒(D)を混合し、混合物(i)を形成する工程と、
ii)混合物(i)を共重合し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)を形成する工程と、
iii)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(ii)から除去する工程と、
を含む、第1の実施の形態~第10の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0087】
第12の実施の形態において、本発明は、
α)ポリエポキシド化合物(B)、触媒(C)の少なくとも一部及び溶媒(D)の少なくとも一部を混合し、混合物(α)を形成する工程と、
β)ポリイソシアネート化合物(A)及び任意に溶媒(D)の残りの部分を混合物(α)に共重合条件で添加し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)を形成する工程と、
γ)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(β)から除去する工程と、
を含む、第1の実施の形態~第10の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0088】
第13の実施の形態において、本発明は、未反応のポリイソシアネート化合物(A)及び/又は溶媒(D)を熱処理方法、好ましくは蒸留及び/又は抽出、より好ましくは薄膜蒸発によって除去する、第1の実施の形態~第12の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【0089】
第14の実施の形態において、本発明は、第1の実施の形態~第13の実施の形態のいずれかによる方法によって得ることができるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンに関する。
【0090】
第15の実施の形態において、本発明は、100g/eq~10000g/eq、好ましくは150g/eq~6000g/eq、より好ましくは200g/eq~2000g/eqのイソシアネート当量(IEW)を有し、エポキシ当量をDIN EN ISO 11909:2007に準拠した滴定によって決定する、第14の実施の形態によるイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノンに関する。
【0091】
第16の実施の形態において、本発明は、
a)ポリイソシアネート化合物(A)及び触媒(C)の少なくとも一部及び任意に溶媒(D)の少なくとも一部を混合し、混合物(a)を形成する工程と、
b)ポリエポキシド化合物(B)及び任意に残りの溶媒(D)を混合物(a)に共重合条件で添加し、イソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(b)を形成する工程と、
c)任意に溶媒(D)及び/又は未反応のポリイソシアネート化合物(A)をイソシアネート基末端ポリオキサゾリジノン混合物(b)から除去する工程と、
を含む、第1の実施の形態~第10の実施の形態及び第13の実施の形態のいずれかによる方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0092】
以下の実施例を参照して本発明を更に説明するが、これらの実施例に限定されることを望むものではない。
【0093】
ジイソシアネート化合物(A)
A-I:1-イソシアナト-4-[(4-イソシアナトシクロヘキシル)メチル]シクロヘキサン(H12MDI)、Covestro, AG(ドイツ)。
【0094】
エポキシド化合物(B)
実験的モル比の算出のために、ジエポキシド化合物について100%の化合物純度を仮定した。考え得る不純物、例えばアルコール化合物は、算出の際に無視した。
B-I:Araldite DY-D/CH ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、EEW 118g/eq~125g/eq;HUNTSMAN Advanced Materials (Deutschland) GmbH(ドイツ)から入手した。Araldite DY-D/CHは、理想的構造(BDDE)ではない相当量の化合物を生じるため、エポキシ基の有効モル量の算出のための補正係数fを以下の式に基づいて算出した:
f(補正)=(Mw(BDDE)(理想的構造))/(EEW×官能価)=(202.25g/mol)/(121×2)=0.835
B-II:Denacol EX-810 1,2-エタンジオールジグリシジルエーテル、EEW 113g/eqは、NAGASE (Europa) GmbH(ドイツ)から入手した。Araldite DY-D/CHは、理想的構造(BDDE)ではない相当量の化合物を生じるため、エポキシ基の有効モル量の算出のための補正係数fを以下の式に基づいて算出した:
f(補正)=(Mw(BDDE)(理想的構造))/(EEW×官能価)=(174.2g/mol)/(113×2)=0.770
B-III:Denacol EX-212 1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、EEW 151g/eqは、NAGASE (Europa) GmbH(ドイツ)から入手した。Araldite DY-D/CHは、理想的構造(BDDE)ではない相当量の化合物を生じるため、エポキシ基の有効モル量の算出のための補正係数fを以下の式に基づいて算出した:
f(補正)=(Mw(BDDE)(理想的構造))/(EEW×官能価)=(230.3g/mol)/(151×2)=0.720
【0095】
触媒(C)
C-I:LiCl 塩化リチウム、純度99%超は、Sigma Aldrichから入手した。 C-II:DABCO 1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、純度99%超は、Sigma Aldrichから入手した。
C-III:LiBr 臭化リチウム、純度99.995%超は、Sigma Aldrichから入手した。
C-IV:Yb(OTf) イッテルビウムトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、99%は、Sigma Aldrichから入手した。
【0096】
触媒の濃度は、イソシアネート成分のモル量に対する当量で示す。他に言及しない限り、触媒濃度は0.07eqである。
【0097】
溶媒(D)
D-I:オルト-ジクロロベンゼン(o-DCB)、純度99%、無水は、Sigma-Aldrich(ドイツ)から入手した。
D-II:スルホラン、純度99%以上、無水は、Sigma-Aldrich(ドイツ)から入手した。
【0098】
12MDI、LiCl及びエポキシド化合物は、更に精製することなくそのまま(as received)使用した。スルホランは、50℃で溶融し、分子篩で乾燥させた後に使用した。o-DCBは、使用前に分子篩で乾燥させた。
【0099】
ポリオキサゾリジノンプレポリマーの特性評価
IR
IR分析は、ダイヤモンドプローブヘッドを備えるBrukerのALPHA-P IR分光計で行った。ソフトウェアOPUS 6.5をデータ処理に使用した。バックグラウンドスペクトルを周囲空気に対して記録した。その後、ポリオキサゾリジノンプレポリマーの少量のサンプル(2mg)をダイヤモンドプローブに塗布し、4cm-1の分解能にて4000cm-1~400cm-1の範囲で得られた24個のスペクトルを平均して、IRスペクトルを記録した。
【0100】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を式:
比(オキサゾリジノン:イソシアヌレート)=(ピーク高さ(オキサゾリジノン))/(ピーク高さ(イソシアヌレート)) (1)
に従い、オキサゾリジノンについては1749cm-1でのピークのピーク高さ、イソシアヌレートについては1680cm-1でのピークの高さを用いて算出した。
【0101】
イソシアネート当量
イソシアネート含有量は、DIN EN ISO 11909:2007に準拠した滴定によって決定した。
【0102】
色指数
ガードナー色指数は、HachのLico 690を用いて決定した。したがって、生成物混合物のサンプルをキュベットに充填し、これを続いてDIN EN ISO 1557:1997に従って分析した。
【0103】
粘度測定
粘度値は、Anton PaarのMCR 302コーン/プレートレオメーターによって決定した。10 1/min~600 1/minに及ぶ剪断速度の勾配(ramp)を用いて生成物の粘度を決定した。粘度はmPa・s単位で示す(DIN EN ISO 3219/A.3:1994に準拠した手順に従う)。他に指定のない限り、全ての測定を23℃で行った。
【0104】
GPC
GPC測定は、テトラヒドロフラン(THF、1.0mL/分の流量)中にて40℃で行った。カラムセットは、4本の連続カラム(2本のPSSのSDV 50A、5μL及び2本のPSSのSDV 100A、5μL)で構成されていた。サンプル(濃度2g/L~3g/L、注入量100μL)を注入した。Agilentの1200シリーズのRID検出器を用いてカラム出口で濃度を観察した。PSSのWinGPC Unityソフトウェアパッケージを用いて生データを処理した。分子量分布を算出するために、既知の分子量のポリスチレンを参照として使用した(PSSのReadyCalキットを266Da~66000Daの範囲で使用した)。GPCによって測定された数平均分子量は、実施例においてM(GPC)として表示する。
【0105】
反応器
反応はガラス還流冷却器、ガス注入口(N)、シリンジポンプ(SyrDosのIP-SYRDOS2-HP-XLP)、温度プローブ(EbroのGFX 460)を備えるガラス注入管、及びオーバーヘッドKPG撹拌機(IKAのRW20)を備える250mLの四つ口丸底フラスコ内で行った。丸底フラスコを、EbroのRB 1691 B-Sによって温度プローブに接続したWinklerの加熱マントル(最大加熱容量120WのWM/BRI/250)で加熱した。
【0106】
実施例1:5.2:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-I)としてAraldite DY-D/CHを用い、化合物(C)としてLiCl(C-I)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
前述の反応器にLiCl(1.11g、0.26mmol)(C-I)を投入した。次いで、スルホラン(9.0mL)(D-II)を添加し、混合物を撹拌し(400rpm)、窒素(約1mL/分)で30分間フラッシュした。続いて、混合物を175℃に加熱してからo-DCB(D-I)(17mL)を添加した。次に、Araldite DY-D/CH(17.44g、0.072mol)(B-I)、H12MDI(98.38g、0.38mol)(A-I)及びo-DCB(11mL)(D-1)の混合物を4.2mL/分の速度でシリンジポンプによって連続的に添加した。モノマーの添加が完了した後、反応物を更に210分間撹拌及び加熱してから、反応混合物を室温まで冷却した。
【0107】
反応の過程で反応混合物のサンプルを採取し、IR分光法によって分析した。反応混合物のIRスペクトル中のイソシアネートバンド(2260cm-1)が変化しなくなったことを観察することで反応の完了が確認された。エポキシドバンドは、残念ながらノイズシグナルと区別することはできない。
【0108】
IRスペクトルにおいて、オキサゾリジノンカルボニル基の特徴的なシグナルが1749cm-1で観察された。
【0109】
IRスペクトルにおいて、イソシアヌレート基の特徴的なシグナルが観察された。ピーク高さ比は、式(1)に従って算出された。3.73の値が生成物混合物について決定された。
【0110】
イソシアネート当量は、291g/eqと決定された。
【0111】
GPCを用いた分子量の分析により、486g/molの平均分子量及び2.8の多分散指数が示された。
【0112】
生成物混合物の粘度は、530mPa・sと決定された。
【0113】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は5.1と決定された。
【0114】
実施例2:5.2:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-I)としてAraldite DY-D/CHを用い、化合物(C)としてDABCO(C-II)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例1について記載されるのと同じ方法で行った。但し、DABCO(C-II)をLiCl(C-I)の代わりに触媒として使用した。
【0115】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。0.78の値が生成物混合物について決定された。さらに、様々な副生成物をIRスペクトル中に観察することができる。
【0116】
イソシアネート当量は、371g/eqと決定された。
【0117】
GPCを用いた分子量の分析により、584g/molの平均分子量が5.76の多分散指数とともに示された。
【0118】
生成物混合物は、14300mPa・sの粘度を有する。
【0119】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、色が強すぎるため、検出限界の18を超えていた(18超)。
【0120】
実施例3:5.6:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-II)としてDenacol EX-810を用い、化合物(C)としてLiCl(C-I)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例1について記載されるのと同じ方法で行った。但し、Denacol EX-810(B-II)(15.2g、0.053mol)をAraldite DY-D/CH(B-I)の代わりに使用した。
【0121】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。6.6の値が生成物混合物について決定された。
【0122】
イソシアネート当量は、270g/eqと決定された。
【0123】
GPCを用いた分子量の分析により、342g/molの平均分子量が2.83の多分散指数とともに示された。
【0124】
生成物混合物は、204mPa・sの粘度を有する。
【0125】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、4.8に決定された。
【0126】
実施例4:1:3.2のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-II)としてDenacol EX-810を用い、化合物(C)としてLiCl(C-I)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例4について記載されるのと同じ方法で行った。但し、H12MDI(A-I)とDenacol EX-810(B-II)(26.1g、0.092mol)とのモノマー比を5.6:1から3.2:1に変更した。
【0127】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。4.83の値が生成物混合物について決定された。
【0128】
イソシアネート当量は、358g/eqと決定された。
【0129】
GPCを用いた分子量の分析により、586g/molの平均分子量が3.14の多分散指数とともに示された。
【0130】
生成物混合物は、19700mPa・sの粘度を有する。
【0131】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、11.0に決定された。
【0132】
実施例5:5.9:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-III)としてDenacol EX-212を用い、化合物(C)としてLiCl(C-I)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例1について記載されるのと同じ方法で行った。但し、Denacol EX-212(B-III)(19.9g、0.05mol)をAraldite DY-D/CH(B-I)の代わりに使用した。
【0133】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。5.21の値が生成物混合物について決定された。
【0134】
イソシアネート当量は、376g/eqと決定された。
【0135】
GPCを用いた分子量の分析により、376g/molの平均分子量が2.38の多分散指数とともに示された。
【0136】
生成物混合物は、239mPa・sの粘度を有する。
【0137】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、3.4に決定された。
【0138】
モノマーH12MDI及び溶媒混合物を薄膜蒸発器において180℃の温度及び0.1mbarの圧力で除去した。これにより、淡褐色の固体生成物が得られ、700g/eqのイソシアネート当量及び0.8%のモノマーH12MDIの含有率を有することがGPC測定によって決定された。
【0139】
実施例6:5.2:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-I)としてAraldite DY-D/CHを用い、化合物(C)としてLiCl(C-I)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例1について記載されるのと同じ方法で行った。但し、より少量(0.07eqの代わりに0.01eq)のLiCl(C-I)を使用した。
【0140】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。6.05の値が生成物混合物について決定された。
【0141】
イソシアネート当量は、277g/eqと決定された。
【0142】
GPCを用いた分子量の分析により、449g/molの平均分子量が2.36の多分散指数とともに示された。
【0143】
生成物混合物は、529mPa・sの粘度を有する。
【0144】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、5.8に決定された。
【0145】
実施例7:5.2:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-I)としてAraldite DY-D/CHを用い、化合物(C)としてLiBr(C-III)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例7について記載されるのと同じ方法で行った。但し、LiBr(C-III)をLiCl(C-I)の代わりに使用した。
【0146】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。14.4の値が生成物混合物について決定された。
【0147】
イソシアネート当量は、277g/eqと決定された。
【0148】
GPCを用いた分子量の分析により、450g/molの平均分子量が2.24の多分散指数とともに示された。
【0149】
生成物混合物は、480mPa・sの粘度を有する。
【0150】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、5.8に決定された。
【0151】
実施例8:5.2:1のイソシアネート基とエポキシ基とのモル比でのセミバッチ手順における化合物(A-I)としてH12MDIを用い、化合物(B-I)としてAraldite DY-D/CHを用い、化合物(C)としてYb(OTf)(C-III)を用い、化合物(D-I)としてのo-DCB及び化合物(D-II)としてのスルホランを含む溶媒混合物を用いたイソシアネート末端ポリオキサゾリジノンベースのプレポリマーの合成
反応は、実施例7について記載されるのと同じ方法で行った。但し、Yb(OTf)(C-IV)をLiCl(C-I)の代わりに使用した。
【0152】
オキサゾリジノンとイソシアヌレートとのピーク高さ比を、式(1)に記載したように算出した。1.45の値が生成物混合物について決定された。
【0153】
イソシアネート当量は、287g/eqと決定された。
【0154】
GPCを用いた分子量の分析により、643g/molの平均分子量が6.24の多分散指数とともに示された。
【0155】
生成物混合物は、4200mPa・sの粘度を有する。
【0156】
ガードナースケールに従うと、生成物混合物の色指数は、18超に決定された。
【0157】
比較
【0158】
【表1】