IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特許7727199プログラム、情報処理装置および情報処理方法
<>
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図1
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図2
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図3
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図4
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図5
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図6
  • 特許-プログラム、情報処理装置および情報処理方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-13
(45)【発行日】2025-08-21
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250814BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022112673
(22)【出願日】2022-07-13
(65)【公開番号】P2024011015
(43)【公開日】2024-01-25
【審査請求日】2024-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】綾野 智章
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-013271(JP,A)
【文献】特許第7044927(JP,B1)
【文献】特開2022-011069(JP,A)
【文献】特許第6973840(JP,B1)
【文献】特開2017-204238(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0000659(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、前記第1期間と同じ期間または前記コンテンツの動画の配信が開始されてから前記コンテンツのリーグが終了するまでの期間である第2期間内において、前記動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける要求受付手段、
前記要求に応じて、前記視聴者に前記価値媒体を関連付ける第1関連付け手段、
前記第2期間が経過した後の第3期間内において、前記視聴者と前記価値媒体との関連付けを解除して、解除された前記価値媒体を、前記視聴者とは異なるユーザに関連付ける第2関連付け手段、として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記購入を要求する視聴者は、複数存在し、
前記価値媒体は、複数の前記視聴者のそれぞれからの前記購入の要求の数に応じて、複数生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記価値媒体は、複数の前記価値媒体のそれぞれを一意に識別可能な識別情報であって前記購入の要求の数に応じて発行される識別情報を含み、
前記第1関連付け手段は、前記第2期間が経過した後に、前記価値媒体の購入対価の複数の前記視聴者のそれぞれによる支払いに応じて、前記価値媒体を前記複数の視聴者のそれぞれに関連付ける、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記価値媒体は、複数の前記価値媒体のそれぞれを一意に識別可能な識別情報であって前記購入の要求の数に応じて発行される識別情報を含み、
前記コンピュータを、前記価値媒体を購入した複数の前記視聴者のそれぞれに対して、前記識別情報に基づく第1特典を付与する第1付与手段として機能させる、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1付与手段は、前記第2期間が経過した後に、記価値媒体の購入対価の前記複数の視聴者のそれぞれによる支払いに応じて、前記第1特典を付与する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
記価値媒体の購入の要求を受け付けた際の前記コンテンツの状況に基づいて前記価値媒体に付与される前記識別情報の価値が決定される
請求項4または5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1付与手段は、前記価値媒体の購入の要求を受け付けた際の前記コンテンツの状況に基づいて、前記複数の視聴者それぞれに対して前記第1特典を付与する、
請求項4または5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、前記視聴者に関連付けられた複数の前記価値媒体の組み合わせに基づいて、第2特典を前記視聴者に付与する第2付与手段として機能させ、
前記コンテンツは、前記第1期間に行われる複数のゲームパートのそれぞれであって、
前記第2付与手段は、前記複数のゲームパートのそれぞれの結果を統合した情報にさらに基づいて、前記第2特典を付与する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記視聴者から、前記購入の要求に関わらず前記価値媒体を購入するための第1購入条件であって前記コンテンツに関する第1購入条件の設定を受け付ける設定受付手段として機能させ、
前記第1関連付け手段は、前記コンテンツの状況が前記第1購入条件を満たした場合、前記視聴者に前記価値媒体を関連付ける、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、前記視聴者から、前記購入の要求に関わらず前記価値媒体を購入するための第2購入条件であって他の視聴者による前記購入に関する第2購入条件の設定を受け付ける設定受付手段として機能させ、
前記第1関連付け手段は、他の視聴者による前記購入の要求の数が前記第2購入条件を満たした場合、前記視聴者に前記価値媒体を関連付ける、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項11】
第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、前記第1期間と同じ期間または前記コンテンツの動画の配信が開始されてから前記コンテンツのリーグが終了するまでの期間である第2期間内において、前記動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける要求受付部と、
前記要求に応じて、前記視聴者に前記価値媒体を関連付ける第1関連付け部と、
前記第2期間が経過した後の第3期間内において、前記視聴者と前記価値媒体との関連付けを解除して、解除された前記価値媒体を、前記視聴者とは異なるユーザに関連付ける第2関連付け部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが、
第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、前記第1期間と同じ期間または前記コンテンツの動画の配信が開始されてから前記コンテンツのリーグが終了するまでの期間である第2期間内において、前記動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付け、
前記要求に応じて、前記視聴者に前記価値媒体を関連付け、
前記第2期間が経過した後の第3期間内において、前記視聴者と前記価値媒体との関連付けを解除して、解除された前記価値媒体を、前記視聴者とは異なるユーザに関連付ける
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプレイヤが参加するイベントの映像をユーザ端末装置に配信し、各ユーザからの映像に関する供与行為(いわゆる、投げ銭)に応じてイベントの賞金額を増額し、増額した賞金額を参加したプレイヤに分配する技術が知られている(特許文献1参照)。このような技術によれば、イベントに参加するプレイヤのモチベ-ションを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-144628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術におけるイベントの映像に関する供与行為では、プレイヤに対して利益をもたらすものの、ユーザに対しては、その行為を行ったという実績しかもたらされない。このため、イベントなどのコンテンツの動画に関するプレイヤに利益をもたらす行為において、ユーザのモチベ-ションの向上について改善の余地がある。
【0005】
本開示は、ユーザにおいて、コンテンツの動画に関するプレイヤに利益をもたらす行為のモチベ-ションを向上させることができるプログラム、情報処理装置およびコンピュ-タシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュ-タを、第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、第1期間に基づく第2期間内において、動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける要求受付手段、要求に応じて、視聴者に価値媒体を関連付ける第1関連付け手段、第2期間が経過した後の第3期間内において、視聴者と価値媒体との関連付けを解除して、解除された価値媒体を、視聴者とは異なるユーザに関連付ける第2関連付け手段、として機能させるプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、購入を要求する視聴者は、複数存在し、価値媒体は、複数の視聴者のそれぞれからの購入の要求の数に応じて、複数生成されることができる。
【0008】
また、第1の側面において、価値媒体は、複数の価値媒体のそれぞれを一意に識別可能な識別情報であって購入の要求の数に応じて発行される識別情報を含み、第1関連付け手段は、第2期間が経過した後に、価値媒体の購入対価の複数の視聴者のそれぞれによる支払いに応じて、価値媒体を複数の視聴者のそれぞれに関連付けることができる。
【0009】
また、第1の側面において、価値媒体は、複数の価値媒体のそれぞれを一意に識別可能な識別情報であって購入の要求の数に応じて発行される識別情報を含み、コンピュータを、価値媒体を購入した複数の視聴者のそれぞれに対して、識別情報に基づく第1特典を付与する第1付与手段として機能させることができる。
【0010】
また、第1の側面において、第1付与手段は、第2期間が経過した後に、記価値媒体の購入対価の複数の視聴者のそれぞれによる支払いに応じて、第1特典を付与することができる。
【0011】
また、第1の側面において、識別情報は、価値媒体の購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況に基づいて価値媒体に付与されることができる。
【0012】
また、第1の側面において、第1付与手段は、価値媒体の購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況に基づいて、複数の視聴者それぞれに対して第1特典を付与することができる。
【0013】
また、第1の側面において、コンピュータを、視聴者に関連付けられた複数の価値媒体の組み合わせに基づいて、第2特典を視聴者に付与する第2付与手段として機能させ、コンテンツは、第1期間に行われる複数のゲームパートのそれぞれであって、第2付与手段は、複数のゲームパートのそれぞれの結果を統合した情報にさらに基づいて、第2特典を付与することができる。
【0014】
また、第1の側面において、コンピュータを、視聴者から、購入の要求に関わらず価値媒体を購入するための第1購入条件であってコンテンツに関する第1購入条件の設定を受け付ける設定受付手段として機能させ、第1関連付け手段は、コンテンツの状況が第1購入条件を満たした場合、視聴者に価値媒体を関連付けることができる。
【0015】
また、第1の側面において、コンピュータを、視聴者から、購入の要求に関わらず価値媒体を購入するための第2購入条件であって他の視聴者による購入に関する第2購入条件の設定を受け付ける設定受付手段として機能させ、第1関連付け手段は、他の視聴者による購入の要求の数が第2購入条件を満たした場合、視聴者に価値媒体を関連付けることができる。
【0016】
第2の側面は、第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、第1期間に基づく第2期間内において、動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける要求受付部と、要求に応じて、視聴者に価値媒体を関連付ける第1関連付け部と、第2期間が経過した後の第3期間内において、視聴者と価値媒体との関連付けを解除して、解除された価値媒体を、視聴者とは異なるユーザに関連付ける第2関連付け部と、を備える情報処理装置である。
【0017】
第3の側面は、コンピュータが、第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、第1期間に基づく第2期間内において、動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付け、要求に応じて、視聴者に価値媒体を関連付け、第2期間が経過した後の第3期間内において、視聴者と価値媒体との関連付けを解除して、解除された価値媒体を、視聴者とは異なるユーザに関連付ける情報処理方法である。
【0018】
本開示によれば、ユーザにおいて、コンテンツの動画に関するプレイヤに利益をもたらす行為のモチベ-ションを向上させるプログラム、情報処理装置およびコンピュ-タシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態におけるプラットフォームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態におけるプラットフォームシステムにおける収益の分配率の一例を示す図である。
図4】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
図5】本実施形態におけるプラットフォームシステムの画面例を説明するための図である。
図6】本実施形態におけるプラットフォームシステムの一連の動作を表すシ-ケンス図である。
図7】本実施形態におけるプラットフォームシステムの一連の動作を表すシ-ケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかるプラットフォームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0021】
<プラットフォームシステムの説明>
プラットフォームシステム1は、コンピュ-タシステムの一態様であり、複数のプレイヤが参加するコンテンツ(以下、単に「コンテンツ」ともいう)の動画を配信するシステムである。また、プラットフォームシステム1では、このコンテンツの動画に関連する価値媒体(以下、単に「価値媒体」ともいう)を生成し、それを販売・流通させるプラットフォ-ムを提供する。コンテンツの動画に関連する価値媒体は、デジタルデ-タによって定義されてもよく(言い換えれば、デジタルデ-タによって表されてもよく)、例えば、ノンファンジブルト-クン(Non-Fungible Token、以下「NFT」ともいう)であってもよい。本実施形態では、価値媒体をNFTとする例を説明する。また、本実地形態にかかる価値媒体として、NFT化されたデジタルトレ-ディングカ-ド(以下、単に「カ-ド」ともいう)を、以下、「NFTトレカ」ともいう。
【0022】
コンテンツの動画、およびコンテンツの動画に対応する音声の少なくともいずれかは、例えば、1つのコンテンツに対して複数存在してもよい。例えば、コンテンツが対戦ゲームの場合、対戦ゲーム全体を撮影したメインの動画と、対戦している複数のプレイヤのそれぞれにフォーカスして撮影した動画というように、コンテンツの動画が複数存在してもよい。また、音声についても主音声と副音声というように、複数存在してもよい。
【0023】
価値媒体は、例えば、複数生成される。価値媒体は、複数の価値媒体のそれぞれを一意に識別するための識別情報(以下、「媒体識別情報」ともいう)を含んでもよい。このような構成によれば、生成された複数の価値媒体のそれぞれを一意に識別することができ、それぞれが代替不可能な、唯一無二のものであることを証明することができる。
【0024】
媒体識別情報は、例えば、複数の価値媒体に対して付与される一連の番号(いわゆる、通し番号)であってもよい。
【0025】
媒体識別情報は、例えば、複数の視聴者のそれぞれからの購入の要求の数に応じて発行されてもよい。
【0026】
媒体識別情報は、例えば、価値媒体の購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況に基づいて価値媒体に付与されてもよい。コンテンツの状況は、例えば、コンテンツに対するコメントの量に応じて、盛り上がっていたか否かが特定されてもよい。このコメントの量とは、例えば、各プレイまたは各プレイヤに対するコメント数、熱量の高いコメントの有無またはその数、各プレイヤに対して与えられた消費媒体(投げ銭)の量などである。また、コメントの量は、例えば、コンテンツに対して所定期間内に投稿された、視聴者からのコメントの履歴に基づいて特定されてもよい。例えば、購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況が盛り上がっていたと特定された場合、媒体識別情報として、より価値の高いシリアル番号が価値媒体に付与されてもよい。
【0027】
プラットフォームシステム1では、一次流通として、プラットフォームシステム1を運営する企業やゲ-ムの運営会社、または販売業者(例えば、小売業者)などが、NFTトレカなどのNFTを、オンライン上で販売することができる。以下、プラットフォームシステム1における一次流通を実現するための環境(例えば、ハ-ドウェアやソフトウェアなどの動作環境)を、「第1プラットフォ-ム」ともいう。また、プラットフォームシステム1では、二次流通として、販売されたNFTを、ユーザ間の取引で売買することができる。以下、プラットフォームシステム1における二次流通を実現するための環境を、「第2プラットフォ-ム」ともいう。
【0028】
本実施形態にかかるコンテンツは、例えば、複数のプレイヤの操作によって進行される対戦ゲ-ムであり、いわゆるeスポ-ツである。しかしながら、本実施形態にかかるコンテンツをこれに限定する趣旨ではない。例えば、本実施形態にかかるコンテンツは、現実空間で行われる現実のスポ-ツの試合またはライブイベントなどであってもよい。
【0029】
図1に示すように、プラットフォームシステム1は、サーバ装置2、配信装置3および複数のユーザ装置5にて構成される。プラットフォームシステム1では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が通信ネットワ-ク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0030】
サーバ装置2は、NFTトレカを販売する業者(以下、「販売業者」ともいう)が使用する情報処理装置である。サーバ装置2は、所定のプログラムを実行することにより、NFTをユーザに販売するためのECサーバやユーザ間のNFTの取引を管理する機能を実現する。本実施形態では、説明を簡単にするために、販売業者が、プラットフォームシステム1を運営する運営者(以下、「システム運営者」ともいう)でもある例を説明する。
【0031】
配信装置3は、コンテンツの動画を配信する者(以下、「配信者」ともいう)が使用する情報処理装置である。配信装置3は、所定のプログラムを実行することにより、eスポーツリーグの試合映像などのコンテンツの動画をユーザ装置5に出力させる。また、配信装置3は、コンテンツの動画に関連する価値媒体を生成する。本実施形態では、説明を簡単にするために、配信者が、eスポーツリーグの運営者でもある例を説明する。
【0032】
ユーザ装置5は、コンテンツの動画の視聴者などのユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、スマ-トフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、プラットフォームシステム1専用の装置であってもよい。ユーザ装置5は、所定のプログラムを実行することにより、価値媒体の取引をするためのユーザインタフェ-スをユーザに提供する。所定のプログラムとは、例えば、プラットフォームシステム1専用のアプリケ-ションプログラム(以下、「配信アプリ」ともいう)であってもよいし、情報処理装置に汎用的に備わっているWebブラウザであってもよい。ユーザ装置5は、例えば、通信ネットワ-ク6を介して、サーバ装置2やアプリケ-ションストアから配信アプリを受信(具体的にはダウンロ-ドおよびインスト-ル)する。配信アプリは、例えば、ユーザが保有するNFTを格納し、管理するウォレット機能を備えてもよい。
【0033】
プラットフォームシステム1では、ユーザのアカウント認証のために、ユーザ識別情報およびパスワ-ドを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、配信アプリやWebブラウザからのログイン時、ユーザ装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2においてアカウント認証の処理が実行される。そして、アカウント認証を経て、サーバ装置2とユーザ装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ユーザ装置5は、サーバ装置2からNFTトレカの取引に必要なデ-タをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてNFTトレカの画像や音声をディスプレイおよびスピ-カに出力させる。
【0034】
<NFTトレカ購入プロセス>
ここで図2を参照して、プラットフォームシステム1におけるNFTトレカの購入プロセスの一例を説明する。
【0035】
図2に示すように、プラットフォームシステム1では、視聴者は、eスポ-ツリ-グの各試合において、各試合の画像(静止画像および動画像の少なくともいずれかを含む。以下同じ)が対応付けられたNFTトレカを購入することができる。
【0036】
(1)eスポ-ツリ-グの1試合目において、視聴者は、ユーザ装置5から、1試合目の視聴中にこの試合のNFTトレカの購入を要求することができる。(2)サーバ装置2は、1試合目のNFTトレカの購入の要求をユーザ装置5から受け付ける。(3)2試合目においても、視聴者は、ユーザ装置5から、2試合目の視聴中にこの試合のNFTトレカの購入を要求することができる。(4)サーバ装置2は、ユーザ装置5から、この購入の要求を受け付ける。
【0037】
eスポ-ツリ-グの各試合などのコンテンツの動画を配信する期間を「第1期間」ともいう。第1期間における動画の配信形態は、ライブ配信の他に、ア-カイブ配信を含んでもよい。また、各試合におけるNFTトレカなどの価値媒体の購入要求の受付期間を「第2期間」ともいう。第2期間は、第1期間と同じ期間であっても異なる期間であってもよい。第2期間は、例えば、開始のタイミングは各試合の動画の配信開始時とし、終了のタイミングは各試合の動画の配信終了時としてもよい。他の例として、第2期間の終了タイミングは、各試合共通でeスポーツリーグの終了時、または試合が決勝戦の場合は、eスポ-ツリ-グの表彰式終了時としてもよい。なお、第2期間内においては、NFTトレカの購入要求を受け付けるまでとして、要求元の視聴者にNFTトレカが関連付けられなくてもよい。例えば、第2期間が経過した後にNFTトレカの購入対価の支払いに応じて要求元の視聴者に関連付けられればよい。
【0038】
(5)eスポ-ツリ-グが終了した際、サーバ装置2は、eスポ-ツリ-グの各試合で購入要求を受け付けた分の各試合それぞれのNFTトレカを配信装置3に生成させる(言い換えれば、NFTトレカを発行させる)。言い換えると、サーバ装置2は、試合ごとに、購入要求の数だけNFTトレカを配信装置に生成させる。(6)サーバ装置2は、購入要求を受け付けた視聴者に対して、要求対象のNFTトレカを関連付ける(言い換えれば、NFTトレカを付与する)。
【0039】
(7)NFTトレカを購入した視聴者は、ユーザ装置5から、NFTの電子商取引市場(以下、「NFTマーケットプレイス」ともいう)に、このNFTトレカを出品することができる。例えば、NFTマーケットプレイスの画面に表示された出品済みのNFTトレカに対して、購入を希望する他のユーザが選択して購入を指示する。そして、この購入指示に応じて、視聴者とNFTトレカとの関連付けを解除して、この他のユーザにNFTトレカを関連付ける(言い換えれば、視聴者から他のユーザにNFTトレカを移転する)。
【0040】
NFTマーケットプレイスは、いわゆる二次流通市場(転売市場)である。NFTマーケットプレイスでは、例えば、取引対象のデジタルデータが、NFTのみに限定されていてもよい。すなわち、NFTマーケットプレイスでは、取引対象のデータを、データの真正性やデータの所有者の真正性が一定程度確保されたものに限定してもよい。マーケットプレイスは、例えば、サーバ装置2が提供するWebサイトや配信アプリによって実現される。
【0041】
上記構成のもと、プラットフォームシステム1では、視聴者は、動画の配信中に、eスポーツリーグの試合の動画に関連し、かつプレイヤにその収益が分配されるNFTトレカの購入を要求することができる。これにより、視聴者は、試合を視聴したり試合に対するコメントを投稿したりする以外の形でプレイヤを応援することができる。さらに、試合が終了した後も、NFTトレカをコレクションとしてそのまま保有したり、他のユーザに対してNFTトレカを販売して自ら収益を得たりすることができる。このため、プレイヤのコンテンツに参加するモチベ-ションを向上させつつ、ユーザにおいて、コンテンツの動画に関するプレイヤに利益をもたらす行為のモチベ-ションを向上させることができる。また、各試合におけるNFTトレカの購入要求の受付期間を第2期間内として制限することで、NFTトレカの販売数を絞り、その希少性を確保することができる。
【0042】
ユーザ間で価値媒体の取引が行われるとなると、ユーザ間の合意形成でこの価値媒体の価格が決定されるため価格が変動しうる。このため、販売業者が視聴者に価値媒体の購入の要求を受け付ける一次流通の期間と、視聴者を含むユーザ間の価値媒体の取引を可能とする二次流通の期間とが重複すると、二次流通で価値媒体の価格が上がった際に、一次流通において買い占めが発生するなど価値媒体の安定的な供給を妨げる懸念がある。上記構成のもと、プラットフォームシステム1では、これらの期間を棲み分けることができるため、一次流通において価値媒体の安定的な供給を確保することができる。
【0043】
<NFTトレカの収益の分配>
ここで図3を参照して、上記図2の例におけるプラットフォームシステム1でのNFTトレカの収益の分配方法の一例を説明する。
【0044】
図3に示すように、プラットフォームシステム1では、eスポ-ツリ-グにおいてプレイヤAとプレイヤBが対戦したN試合目(N:自然数)のNFTトレカについて、その収益がeスポ-ツリ-グの関係者に分配される。NFTトレカなどの価値媒体の購入によって生じる収益を分配するための金額を「第1分配金額」ともいう。例えば、N試合目のNFTトレカが1枚100円として、1万枚発行されたものとする。この場合、N試合目に対戦した複数の選手(具体的には、プレイヤAとプレイヤB)のそれぞれに対して、収益の5%にあたる5万円を第1分配金額として決定して、それぞれに分配してもよい。また、販売業者に対して、NFTトレカの販売手数料として、収益の30%にあたる30万円を第1分配金額として決定して分配してもよい。また、コンテンツ画像の配信者兼eスポ-ツリ-グの運営者に、収益の50%にあたる50万円を第1分配金額として決定して分配してもよい。また、eスポ-ツリ-グの賞金プ-ルに、収益の10%あたる10万円を第1分配金額として決定して分配してもよい。
【0045】
上記構成のもと、複数のプレイヤにもNFTトレカの収益を分配することができる。このため、プレイヤにおいてコンテンツへの参加のモチベーションを向上させることができる。
【0046】
<NFTトレカのカード本体とカードパーツ>
プラットフォームシステム1において、NFTトレカは、カード本体やカードパーツなどの複数のNFTによって構成されてもよい。ここで図4を参照して、NFTトレカの構成するカード本体やカードパーツの一例を説明する。
【0047】
図4に示すように、視聴者などのユーザは、NFTトレカを構成するカード本体C1をコンテンツの動画の配信中に購入できるほか、カードパーツPを、販売業者が運営するオンラインショップで購入することができる。このオンラインショップは、第1プラットフォームが実現するオンラインショップサービスの一つである。
【0048】
第1プラットフォームでは、カード本体C1を定義する第1NFTおよびカードパーツPを定義する第2NFTそれぞれに対して、第1NFTおよび第2NFTをそれぞれユーザに関連付けるための対価(以下、「第1購入対価」ともいう)が設定される。第2NFTは、第1NFTと異なる種類のNFTであり、例えば、第1NFTと関連付けて利用できるものであってもよい。第1購入対価は、オンラインショップにおいて販売業者などから消費者であるユーザがNFTを購入するために支払われる対価、すなわちBtoC取引の対価である。また、カード本体C1の第1購入対価は、第1分配金額および第2分配金額として、ユーザとは異なる、システム運営者、ゲーム運営者、小売り業者、プレイヤ、動画関係者、およびまたは音声関係者などに分配されるものである。
【0049】
第1プラットフォームでは、具体的には、サーバ装置2が提供するWebサイト(例えば、動画配信サイトまたはECサイト)や配信アプリの公式ショップの画面に表示されたこれらのNFTに対して、ユーザが購入を希望するものを選択して購入を要求し、この購入の要求に応じてユーザに購入されたNFTを関連付ける(言い換えれば、NFTを付与する)。また、ユーザは、このオンラインョップでNFTを購入するにあたって、オンラインショップでNFTを販売する販売業者などに第1購入対価を支払う。
【0050】
カード本体C1は、NFTトレカの素体であり本体である。カード本体C1は、それ単体でもNFTトレカを構成することができる。カード本体C1を定義するデータは、NFTである。
【0051】
カードパーツPは、NFTトレカを構成する部品である。カードパーツPを定義するデータも、NFTである。カードパーツPは、例えば、NFTトレカの枠を飾るフレームP1(図4では、「カード枠」と表記)、NFTトレカに表示されるeスポーツ選手などのプレイヤのサインを示すサインパーツP2(図4では、「選手サイン」と表記)、eスポーツ選手が所属するチームのマークのシールやゲームのキャラクタのシールなどを示すシールパーツP3(図4では、「シール」と表記)などが含まれる。サインパーツP2およびシールパーツP3は、NFTトレカの画像の様々な箇所に自由に配置させることができる。カードパーツPは、言い換えれば、カード本体C1をカスタマイズできるゲーム媒体である。また、サインパーツP2のNFT情報の発行元として、例えば、サインをしたプレイヤ本人が示されてもよい。
【0052】
プラットフォームシステム1では、例えば、カード本体C1の第1NFTと、フレームP1の第2NFTと、をユーザが購入し、後述する第1特典としてサインパーツP2の第2NFTがユーザに付与されてもよい。
【0053】
プラットフォームシステム1では、ユーザは、購入したカード本体C1の第1NFTに、同じく購入したフレームP1の第2NFTおよび付与されたサインパーツP2の第2NFTを関連付けることができる。このように関連付けることで、ユーザは、カード本体C1をフレームP1およびサインパーツP2で装飾する(いわゆる、デコる)ことができる。言い換えれば、ユーザは、カード本体C1に、フレームP1およびサインパーツP2それぞれを合体させることができる。
【0054】
上記構成のもと、プラットフォームシステム1は、ユーザに、複数のNFTを関連付けることで、NFTトレカのカード本体の状態をフレームやサインパーツなどに基づいて自由に変更させることができる。NFTトレカはその状態によって価値が変わることがあるため、NFTトレカの状態を変更させるにあたって、ユーザは、価値が上がるように創意工夫を凝らしたり人気のデザインを模索したりすることにより面白さを感じることができる。
【0055】
<サーバ装置の構成>
図1に戻って説明を続ける。以下、サーバ装置2のハ-ドウェア構成および機能構成について説明する。
【0056】
サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0057】
ネットワークインタフェース21は、インタ-ネットおよびLANなどの通信ネットワ-ク6を介して各ユーザ装置5と通信可能接続されている。
【0058】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデ-タを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、ト-クンDB222などの各種デ-タなどが記憶されている。
【0059】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0060】
ユーザDB221には、ゲ-ムをプレイするユーザのユーザ識別情報ごとに、ユーザが保有する価値媒体(例えば、NFT)を識別する媒体識別情報(例えば、NFTの種別および/または種別ごとのシリアル番号)、プラットフォームシステム1内にて使用可能な電子的価値の残高、ユーザの属性を示す属性情報などが、対応付けられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。ここで「電子的価値」とは、例えば、デジタル通貨(例えば、電子マネ-や暗号資産)であってもよい。
【0061】
ト-クンDB222には、プラットフォームシステム1で流通するNFTの媒体識別情報ごとに、パラメ-タ、発売日時(発行日時)、販売元(発行元)、総発行数、現在の保有者、取引の履歴(言い換えれば、保有者の履歴)などが、対応付けられて記憶されている。これらの情報は、対応するNFT(具体的には、NFTを定義するデジタルデータ)に含まれてもよい。また、取引の履歴は、例えば、各取引における、出品者、購入者、および取引日時などを含んでもよい。またシリアル番号は、同じ種別のNFTにおいて発行されたNFTそれぞれに割り振られた固有の番号である。NFTの種別およびシリアル番号、またはシリアル番号は、媒体識別情報の一態様である。NFTの種別は、例えば、上記図2の例においては、各試合を区別するものであってもよい。また、未販売のNFTの場合、ト-クンDB222には、NFT、すなわちシリアル番号ごとに固有のデジタルデ-タそのものが対応付けられて記憶されていてもよい。NFTには、その真正性を証明する電子証明書および現在の保有者を証明する電子証明書の少なくともいずれかの電子証明書が含まれていてもよい。そしてユーザに販売された際に、このNFTがユーザ装置5に移動し(送信され)、トレカDB222から削除されてもよい。以降、これらの情報を総称して「NFT情報」ともいう。
【0062】
「パラメ-タ」とは、例えば、NFTトレカなどの媒体の戦力、攻撃力、防御力、体力(HP)、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、ランク、またはレアリティなどである。
【0063】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュ-タで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデ-タの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0064】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、受付手段233、生成制御手段234、決定手段235、特定手段236、関連付け手段237、および付与手段238として機能する。
【0065】
-情報処理手段-
情報処理手段231は、各ユーザ装置5との間で各種デ-タを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデ-タとしては、出力情報の要求、ユーザの操作に応じた各種要求(例えば、価値媒体の購入要求など)、ユーザ情報、NFT情報(NFTそのものを含む)などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデ-タとしては、配信アプリ、NFT情報などが挙げられる。また、情報処理手段231は、例えば、Webサイトや配信アプリを介してNFTトレカなどをユーザ装置5に出力させるための出力情報を生成してもよい。
【0066】
情報処理手段231は、例えば、要求受付手段2331が受け付けた価値媒体の購入の要求に基づいて、価値媒体の購入対価の支払い決済のための処理を実行してもよい。購入対価の支払い決済のための処理は、例えば、ユーザから指定された決済方法により実行されてもよい。この決済方法とは、例えば、カード決済、キャリア決済、電子マネー決済、または銀行振込決済などが考えられる。情報処理手段231は、例えば、ユーザから指定された決済方法がクレジットカード決済であれば、購入対価の支払い決済のための処理として、クレジットカード会社のシステムに、購入対価と支払い先の情報とクレジットカード情報を含むクレジットカード決済の指示を送信してもよい。
【0067】
-照合手段-
照合手段232は、ユーザ装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザカウントの認証を行う。
【0068】
-受付手段-
受付手段233は、ユーザから、各種選択や指示、または要求などを受け付ける。受付手段233は、視聴者からの価値媒体の他のユーザへの移転の指示、または視聴者とは異なるユーザからの価値媒体の購入の指示を受け付ける。
【0069】
-要求受付手段-
受付手段233は、要求受付手段2331を備えてもよい。要求受付手段2331は、複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、この動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける。動画に関連する価値媒体は、例えば、上記図2の例で説明したように、コンテンツがゲ-ムの試合などのイベントである場合、このイベントで配信されたゲ-ムの画像を対応付けたNFTトレカであってもよい。また、コンテンツの動画は第1期間に配信される動画であって、要求受付手段2331は、第1期間に基づく第2期間内において、この動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付けてもよい。コンテンツがeスポ-ツリ-グの試合の場合、第1期間が試合の動画がライブ配信されている間、すなわち試合の間、第2期間がこの試合が開始されてからeスポ-ツリ-グの終了までの間でもよい。他の例として、第1期間と第2期間が同じ期間であってもよい。
【0070】
-選択受付手段-
受付手段233は、選択受付手段2332を備えてもよい。選択受付手段2332は、コンテンツにおける複数の動画および複数の音声の少なくともいずれかの中から、視聴対象とする動画または音声の選択を視聴者から受け付ける。
【0071】
-設定受付手段-
受付手段233は、設定受付手段2333を備えてもよい。設定受付手段2333は、視聴者から、コンテンツに関する第1購入条件の設定を受け付ける。第1購入条件は、視聴者からの購入の要求に関わらず価値媒体を購入するための条件である。第1購入条件は、言い換えれば、コンテンツに応じて、価値媒体を自動で購入するための条件である。
【0072】
設定受付手段2333は、例えば、視聴者から、他の視聴者による購入に関する第2購入条件の設定を受け付ける。第2購入条件は、視聴者当人からの購入の要求に関わらず価値媒体を購入するための条件である。第2購入条件は、言い換えれば、他の視聴者による購入の要求に応じて、価値媒体を自動で購入するための条件である。
【0073】
-生成制御手段-
生成制御手段234は、要求受付手段2331が受け付けた購入の要求に応じて、価値媒体の生成を配信装置3に指示する。生成制御手段234は、この指示の応答として、配信装置3から、生成された価値媒体を取得してもよい。生成制御手段234は、取得した価値媒体を、要求元の視聴者のユーザ装置5に提供してもよい。他の例として、配信装置3により生成された価値媒体は、要求元の視聴者のユーザ装置5に配信装置3から直接提供されてもよい。生成制御手段234は、例えば、購入の要求の数と1以上のプレイヤに付与する数との合計の数の価値媒体を生成するよう指示してもよい。また、生成制御手段234は、例えば、生成した価値媒体に媒体識別情報を付与するよう指示してもよい。媒体識別情報がシリアル番号の場合、どの価値媒体にどの番号を付与するかはランダムで決定されてもよいし、購入の要求が受け付けられた順で決定されてもよい。
【0074】
価値媒体の購入を要求する視聴者は、複数存在してもよい。この場合、生成制御手段234は、複数の視聴者のそれぞれからの購入の要求の数に応じて、配信装置3に価値媒体を複数生成させてもよい。生成制御手段234は、例えば、購入の要求の数分の価値媒体を配信装置3に生成させてもよい。このような構成によれば、購入の要求の数分価値媒体を生成させることができる。このため、価値媒体を購入することでプレイヤを応援したい視聴者にとって、予め用意した数が売り切れてしまったため購入できない、すなわちNFTトレカを購入してプレイヤを応援したいけどできないという事態を回避することができる。このため、視聴者にとって満足感の高いプラットフォームシステム1を提供することができる。
【0075】
-決定手段-
決定手段235は、要求受付手段2331が受け付けた購入の要求に応じて、複数のプレイヤのうち1以上のプレイヤのそれぞれに対して、価値媒体の購入によって生じる収益を分配するための第1分配金額を決定する。決定手段235は、例えば、上記図3の例のように、N試合目で対戦したプレイヤAとプレイヤBに対して、第1分配金額を5万円ずつとして決定してもよい。このような構成によれば、コンテンツに参加するプレイヤに、価値媒体の購入によって生じる収益を分配することができる。このため、プレイヤにおいて、コンテンツに参加するモチベ-ションを向上させることができる。
【0076】
決定手段235は、例えば、貢献度特定手段2362により特定された貢献度に基づいて、第1分配金額およびコンテンツに参加したプレイヤに付与する価値媒体の数量の少なくともいずれかを決定してもよい。決定手段235は、例えば、N試合目のプレイヤAの貢献度が「高」と特定され、かつプレイヤBの貢献度が「低」と特定された場合、上記図3で説明したN試合目のNFTトレカの収益の分配率についてプレイヤAを7%、プレイヤBを3%と調整して、第1分配金額をプレイヤAは7万円、プレイヤBは3万円に決定してもよい。また、決定手段235は、例えば、N試合目のプレイヤAの貢献度が「高」と特定され、かつプレイヤBの貢献度が「低」と特定された場合、プレイヤAに付与するN試合目のNFTトレカの枚数を10枚と決定し、他方、プレイヤBに付与するNFTトレカの枚数を5枚と決定してもよい。
【0077】
決定手段235は、例えば、貢献度特定手段2362が特定した貢献度に基づいて、1以上のプレイヤのそれぞれに関連付ける価値媒体の識別情報を決定してもよい。決定手段235は、例えば、NFTトレカのシリアル番号が#1~#100の場合、貢献度「A」と特定されたプレイヤに関連付けるNFTトレカのシリアル番号を、最も若い番号である、すなわち価値の高い番号の#1と決定してもよい。このような構成によれば、プレイヤの動画への貢献度に応じて、このプレイヤに関連付ける価値媒体の識別情報を決定することができる。このため、より良い識別情報の価値媒体と取得することを目的として、プレイヤにコンテンツへの参加を意欲的に取り組ませることができる。
【0078】
決定手段235は、例えば、複数のプレイヤ以外の、視聴者から選択された動画の撮影に関係した動画関係者、または選択された音声の収録に関係した音声関係者に対して、収益を分配するための分配金額(以下、「第2分配金額」ともいう)を決定してもよい。コンテンツの動画の撮影に関係した動画関係者(以下、単に「動画関係者」ともいう)は、例えば、視聴者から選択された動画を撮影したカメラマン、および/または動画を編集した動画編集者などを含んでもよい。また、コンテンツの音声の収録に関係した音声関係者(以下、単に「音声関係者」ともいう)は、例えば、視聴者から選択された音声を担当したナレ-タ-、および/または音声を編集した音声編集者などを含んでもよい。このような構成によれば、プレイヤ以外のコンテンツの関係者においても、より良い動画または音声を視聴者に提供する意欲を向上させることができる。
【0079】
-特定手段-
特定手段236は、各種パラメ-タを特定する。特定手段236は、例えば、購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況を特定してもよい。特定手段236は、例えば、購入の要求を受け付けた際の1以上のコメントの履歴に基づいて、コンテンツの状況を特定してもよい。特定手段236は、例えば、購入の要求を受け付けた際のコメントの量が閾値を超える場合、コンテンツの状況を「盛り上がっていた」と特定してもよい。
【0080】
-価値特定手段-
特定手段236は、例えば、価値特定手段2361を備えてもよい。価値特定手段2361は、複数の価値媒体のそれぞれの媒体識別情報の価値を特定する。価値特定手段2361は、例えば、生成された複数のNFTトレカのそれぞれのシリアル番号(媒体識別情報の一態様)の価値を特定してもよい。媒体識別情報の価値の特定方法は、例えば、予め記憶部22に登録されてもよい。価値特定手段2361は、例えば、媒体識別情報が一連の番号#1~#100の場合、この一連の番号を昇順で並べてより若い番号の価値を高くするようにしてもよい。すなわち、価値特定手段2361は、#1を最も価値が高い番号とし、順に価値を低くしていって、#100を最も価値が低い番号としてもよい。
【0081】
-貢献度特定手段-
特定手段236は、例えば、貢献度特定手段2362を備えてもよい。貢献度特定手段2362は、コンテンツの動画に対する複数のプレイヤのそれぞれの貢献の度合いを示す貢献度(以下、単に「貢献度」ともいう)を特定する。
【0082】
貢献度特定手段2362は、例えば、購入要求が受け付けられたタイミングにおけるコンテンツが盛り上がった度合い(以下、「盛り上がり度」ともいう)を貢献度として特定してもよい。
【0083】
貢献度特定手段2362は、例えば、コンテンツの動画に対する視聴者のコメントの量に基づいて、この動画に含まれる1以上の場面(例えば、所定の単位フレ-ム期間)のそれぞれの盛り上がり度を特定してもよい。例えば、まず、貢献度特定手段2362は、コメントの履歴に基づいて、コンテンツに対するコメントの量を算出する。このコメントの量とは、例えば、各プレイに対するコメント数、熱量の高いコメントの有無またはその数、各プレイヤに対して与えられた消費媒体(例えば、投げ銭など)の量などである。次いで、貢献度特定手段2362は、算出したこれらの量に基づいて、コンテンツに参加した複数のプレイヤそれぞれの盛り上がり度を(例えば、「高」「中」「低」の3段階)に特定してもよい。
【0084】
貢献度特定手段2362は、盛り上がり度について、上記のコンテンツの動画に対する視聴者のリアクション以外にも、コンテンツの状況に基づいて特定されてもよい。例えば、コンテンツがゲ-ムの場合、対戦において大技がきまったシ-ン、プレイヤキャラクタのパラメ-タ(HPなど)の変動が大きかったシ-ンなどに対して、貢献度特定手段2362は盛り上がり度を増加させるように特定してもよい。一方、対戦しているプレイヤキャラクタが互いに距離をとって様子を見ているシ-ンなどに対して、貢献度特定手段2362は、盛り上がり度を減じるように特定してもよい。さらに、盛り上がり度は、ゲ-ムの配信動画に対する視聴者のリアクション以外にも、現実のイベントが実施された会場における視聴者のリアクションに基づいて特定されてもよい。例えば、貢献度特定手段2362は、視聴者の歓声の大きさ、量、発話内容によって。盛り上がり度を特定してもよい。
【0085】
-関連付け手段-
関連付け手段237は、要求受付手段2331が受け付けたユーザからの購入の要求に応じて、ユーザとNFTを関連付ける。
【0086】
関連付け手段237は、視聴者による価値媒体の購入対価の支払いに応じて、視聴者にこの価値媒体を関連付ける。関連付け手段237は、この関連付けにあたって、視聴者が指定した決済方法(例えば、銀行の口座からの引き落としや電子的価値による決済など)により、この関連付けの対価(価値媒体の第1購入対価)の支払い決済をするための処理を行ってもよい。関連付け手段237は、この支払い決済をするための処理が完了した際に、支払を行った視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。
【0087】
上記構成によれば、視聴者は、コンテンツの動画に関連し、かつプレイヤにその収益が分配される価値媒体を購入することができる。さらに、、動画の配信が終了し価値媒体を購入した後も、価値媒体を自分のコレクションとして保有したり、他のユーザに対して価値媒体を販売して自ら収益を得たりと、様々な用途に価値媒体を活用することができる。このため、プレイヤのコンテンツに参加するモチベ-ションを向上させつつ、ユーザにおいて、プレイヤに利益をもたらす行為のモチベ-ションを向上させる。
【0088】
関連付け手段237は、例えば、複数の価値媒体のうち1以上の価値媒体を、コンテンツに参加する複数のプレイヤのうち少なくともいずれか一人のプレイヤに関連付けてもよい。関連付け手段237は、例えば、勝者のプレイヤに関連付けるために生成されたN試合目のNFTトレカを、N試合目の勝者のプレイヤに関連付けてもよい。
【0089】
上記構成によれば、プレイヤは、コンテンツに参加することで、試合のNFTトレカなどのコンテンツの動画に関連する価値媒体を自身も取得することができる。例えば、プレイヤは、この取得した価値媒体を、二次流通市場である第2プラットフォ-ムで販売することもできる。さらに、価値媒体がNFTの場合、NFT情報の取引の履歴として出品者にプレイヤの名前が示されるため、一般のユーザが出品するよりも価値が高くなる可能性がある。このため、プレイヤは新たな収益源を得ることができ、プレイヤのコンテンツへの参加のモチベーションをさらに向上させることができる。
【0090】
関連付け手段237は、例えば、視聴者に関連付ける価値媒体より媒体識別情報の価値が高い価値媒体を、複数のプレイヤのうち1以上のプレイヤに関連付けてもよい。
【0091】
上記構成によれば、プレイヤは、コンテンツに参加することで、希少性が高いシリアル番号などの媒体識別情報を含むNFTトレカなどの価値媒体を取得することができる。さらに、プレイヤは、視聴者に関連付けられるものよりも価値が高い価値媒体を取得することができる。そして、さらに、プレイヤは、二次流通市場である第2プラットフォ-ムにおいて、視聴者が販売するものよりも、より価値のあるシリアル番号などが付与された価値媒体としてこの取得した価値媒体を販売することができる。
【0092】
関連付け手段237は、例えば、価値媒体に付与された一連の番号のうちより若い番号、および切番の少なくともいずれかを価値が高い番号として、価値媒体を1以上のプレイヤのそれぞれに関連付けてもよい。切番とは、いわゆる切りのよい番号であり、例えば、ゾロ目の番号、1以上の0が続く数字、10の累乗の番号、連続する番号、回文数字、または語呂合わせの番号の少なくともいずれかの番号であってもよい。関連付け手段237は、例えば、価値媒体に付与されたシリアル番号#1~#100のうち価値特定手段2361がより若い番号を価値が高いと特定した場合、シリアル番号の#1と#2が付与されたNFTトレカを試合で対戦したプレイヤA、Bに関連付けてもよい。関連付け手段237は、残りの#3~#100について、購入の要求が受け付けられた視聴者に関連付けてもよい。このような構成によれば、一般的にプレミアがつきやすい番号である、より若い番号や切番の媒体識別情報が付与された価値媒体をプレイヤに関連付けることができる。このため、プレイヤは、プレミアがついた価値媒体を保有し、第2プラットフォ-ムにおいて他のユーザに販売することもできる。
【0093】
関連付け手段237は、例えば、決定手段235に決定された数量の価値媒体を、プレイヤに関連付けてもよい。このような構成によれば、それぞれの動画への貢献度に応じて決定された数量の価値媒体をプレイヤに取得させることができる。このため、プレイヤのコンテンツへの参加のモチベ-ションを向上させることができる。
【0094】
-第1関連付け手段-
関連付け手段237は、第1関連付け手段2371を備えてもよい。第1関連付け手段2371は、第2期間内において、視聴者に価値媒体を関連付ける。第1関連付け手段2371は、例えば、要求受付手段2331が受け付けた視聴者からの要求に応じて、この視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。
【0095】
第1関連付け手段2371は、例えば、コンテンツの内容が第1購入条件を満たした場合、視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。このコンテンツの内容とは、例えば、特定のプレイヤが参加するか否かを示すものであってもよい。
【0096】
第1関連付け手段2371は、例えば、コンテンツの状況が第1購入条件を満たした場合、視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。例えば、コンテンツがゲームパートであって第1購入条件を「複数のプレイヤのいずれかが大技をきめること」とする場合、第1関連付け手段2371は、ゲームパートにおいてプレイヤのいずれかが大技をきめた際、視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。また、他の例として、第1購入条件を「盛り上がり度が「高」となること」とする場合、第1関連付け手段2371は、コメントの量が閾値を超えてコンテンツの盛り上がり度が「高」と特定された際、視聴者に価値媒体を関連付けてもよい。このような構成によれば、視聴者は、コンテンツの状況が第1購入条件を満たしたら自動で価値媒体を購入することができる。コンテンツの動画の視聴や応援のためのコメントの投稿に夢中になって価値媒体の購入要求をし忘れても、すなわち買い忘れても、条件を満たす状況におけるコンテンツの動画の価値媒体を購入することができる。
【0097】
第1関連付け手段2371は、例えば、他の視聴者による価値媒体の購入の要求の数が第2購入条件を満たした場合、視聴者にこの価値媒体を関連付けてもよい。第2購入条件が「他の視聴者による購入の要求の数が100以上となること」とする条件を含む場合、第1関連付け手段2371は、他の視聴者によるN試合目のNFTトレカの購入の要求の数をカウントし、購入の要求の数が100になった場合、N試合目のNFTトレカを視聴者に関連付けてもよい。このような構成によれば、視聴者は、他の視聴者による購入要求の数が第2購入条件を満たしたときに自動で価値媒体を購入することができる。コンテンツの動画の視聴や応援のためのコメント投稿に夢中になって価値媒体の購入要求をし忘れても、すなわち買い忘れても、他の視聴者による価値媒体の購入要求の数、すなわち買い注文の数が条件を満たせば価値媒体を購入することができる。
【0098】
-第2関連付け手段-
関連付け手段237は、第2関連付け手段2372を備えてもよい。第2関連付け手段2372は、第2期間が経過した後の第3期間内において、視聴者または視聴者とは異なるユーザの指示に応じて、視聴者と価値媒体との関連付けを解除して、解除された価値媒体を、この異なるユーザに関連付ける。言い換えれば、第2関連付け手段2372は、視聴者からこの異なるユーザに価値媒体を移転させる。このような構成によれば、一次流通の第2期間と二次流通の第3期間とを分けることができる。このため、一次流通の第2期間内において、ユーザ間における価値媒体の取引(転売)を抑止することができる。よって、ユーザ間の合意形成で価値媒体の価格が決定されることにより価格が変動しうる中で、販売業者から同じ価値媒体が販売されるのを抑止することができる。
【0099】
-付与手段-
付与手段238は、視聴者などのユーザに、特典などを付与する。
【0100】
-第1付与手段-
付与手段238は、第1付与手段2381を備える。第1付与手段2381は、価値媒体を購入した複数の視聴者のそれぞれに対して、媒体識別情報に基づく第1特典を付与する。この第1特典は、例えば、NFTトレカをデコレ-ションするカードパ-ツPまたはNFTトレカに付与するエフェクトであってもよい。第1付与手段2381は、例えば、発行されたシリアル番号が#1の場合、番号#1と第1特典との対応付けを参照して、第1特典を付与してもよい。他の例として、第1付与手段2381は、シリアル番号#1に対応付けられた抽選テ-ブルであって第1特典を抽選するための抽選テ-ブルを用いて、第1特典を抽選してもよい。このような構成によれば、より良い第1特典を取得するために、より良い媒体識別情報を取得しようとするモチベ-ションを視聴者に与えることができる。
【0101】
第1付与手段2381は、例えば、第2期間が経過した後に、価値媒体の購入対価の複数の視聴者のそれぞれによる支払いに応じて、第1特典を付与してもよい。第2期間内に第1特典が付与されてしまうと、第1特典の内容の如何によって購入の要求が急増してしまったり逆に減ってしまったりと影響を受けてしまう。このような構成によれば、購入の要求を受け付ける第2期間が経過した後に、第1特典を付与するため、このような影響を受けるリスクを回避することができる。
【0102】
第1付与手段2381は、例えば、価値媒体の購入の要求を受け付けた際のコンテンツの状況に基づいて、複数の視聴者それぞれに対して第1特典を付与してもよい。第1付与手段2381は、コンテンツの状況が「盛り上がっていた」と特定された場合、この際に購入の要求が受け付けられた視聴者に対して、標準よりも希少性の高いまたは価値の高い第1特典を付与してもよい。このような構成によれば、コンテンツの状況がより良い状況のとき、すなわちコンテンツが盛り上がっている際に、視聴者に価値媒体の購入を要求させることができる。このため、コンテンツの盛り上がりを、視聴者からの価値媒体の購入の要求によりさらに押し上げることができる。
【0103】
-第2付与手段-
付与手段238は、第2付与手段2382を備える。第2付与手段2382は、視聴者に関連付けられた複数の価値媒体の組み合わせに基づいて、第2特典を視聴者に付与する。第2特典は、例えば、価値媒体がNFTトレカの場合、NFTトレカをデコレーションするカードパーツPであってもよい。また、第2特典は、この複数の価値媒体の組み合わせが特定のプレイヤが参加したコンテンツの動画に関連する価値媒体の組み合わせの場合、この特定のプレイヤのサインパーツPであってもよい。他の例として、第2特典は、この複数の価値媒体の組み合わせが特定のプレイヤが参加したコンテンツの動画に関連する価値媒体の組み合わせの場合、NFTトレカに対応付ける動画をこの特定のプレイヤの操作入力の履歴データを含むものとしてもよい。後者の場合、例えば、コンテンツが対戦ゲームの場合、NFTトレカとして対戦ゲームの動画が出力されるだけでなく、第2特典として、この対戦ゲームにおいて特定のプレイヤの操作入力の履歴データも併せて出力されるようにしてもよい。このような構成によれば、NFTトレカとして、画面のハードキャプチャでは取得できない操作入力の履歴データも併せて出力されるため、希少性をより向上させることができる。
【0104】
コンテンツが第1期間に行われる複数のゲ-ムパ-トのそれぞれである場合、第2付与手段2382は、例えば、複数のゲ-ムパ-トのそれぞれの結果を統合した情報に基づいて、第2特典を付与してもよい。例えば、ゲ-ムパ-トがeスポ-ツリ-グのそれぞれの試合である場合、視聴者が購入した複数のNFTトレカのそれぞれはプレイヤAが参加した全ての試合の動画のNFTトレカであり、全ての試合においてプレイヤAが勝利した結果である場合、第2付与手段2382は、優勝者であるプレイヤAの全試合をコンプリ-トした特典として、第2特典を付与してもよい。このような構成によれば、複数のゲ-ムパ-トのそれぞれの結果に基づいて第2特典が付与されるため、視聴者に、複数のゲ-ムパ-トの動向をふまえつつ価値媒体の購入を要求させることができる。このため、価値媒体の購入の要求にあたって興趣性を向上させることができる。
【0105】
<画面例および画面遷移の例>
図5を参照して、プラットフォームシステム1における、コンテンツの動画配信に関する画面と画面遷移の例を説明する。本例では、コンテンツを、eスポーツリーグのトーナメント戦のうちの一戦である試合Gとする。
【0106】
図5に示すように、試合Gの映像を配信する配信装置3は、視聴者のユーザ装置5に、視聴画面810を出力させる。視聴画面810は、映像表示エリア811と、映像切替操作エリア812と、音声切替操作エリア813と、購入要求ボタン814(図5では、「応援NFT購入」と表記)と、自動購入設定画面ボタン815と、試合Gの映像に対して投稿されたチャットが表示されるチャット欄816と、を含む。
【0107】
映像表示エリア811は、eスポーツの試合Gの映像を表示するエリアである。映像切替操作エリア812は、映像表示エリア811に表示される映像を切り替えるためのエリアである。映像切替操作エリア812は、メインカメラに切り替えるためのメインカメラボタン812aと、プレイヤAにフォーカスするカメラに切り替えるためのプレイヤAボタン812bと、プレイヤBにフォーカスするカメラに切り替えるためのプレイヤBボタン812cと、を含む。
【0108】
配信装置3は、例えば、デフォルトとして、メインカメラが撮影した映像を映像表示エリア811に表示する。プレイヤAボタン812bを視聴者が押下すると、視聴画面810は、映像表示エリア811に表示する映像を、デフォルトのメインカメラが撮影した映像から、プレイヤAにフォーカスするカメラが撮影した映像、すなわちプレイヤAが中心の映像に切り替える。同様にプレイヤBボタン812cを視聴者が押下すると、映像表示エリア811に表示される映像を、プレイヤBにフォーカスするカメラが撮影した映像、すなわちプレイヤBが中心の映像に切り替える。
【0109】
例えば、プレイヤAが中心の映像が映像表示エリア811に表示されている時に試合GのNFTトレカの購入の要求を視聴者から受け付けた場合、決定手段235は、この要求に応じて、プレイヤAに分配する金額をプレイヤBに分配する金額よりも多い金額となるよう第1分配金額を決定してもよい。具体的には、決定手段235は、プレイヤAの分配率を7%とし、プレイヤBの分配率を3%として第1分配金額を決定してもよい。逆に、プレイヤBが中心の映像が表示されている時に試合GのNFTトレカの購入の要求を視聴者から受け付けた場合、決定手段235は、例えば、プレイヤBの分配率を7%とし、プレイヤAの分配率を3%として第1分配金額を決定してもよい。
【0110】
例えば、プレイヤAが中心の映像が映像表示エリア811に表示されている時に試合GのNFTトレカの購入の要求を視聴者から受け付けた場合、決定手段235は、この要求に応じて、プレイヤAが中心の映像を撮影したカメラマンにもNFTトレカの収益を配分するよう第2分配金額を決定してもよい。
【0111】
音声切替操作エリア813は、試合Gの映像に伴って出力させる音声を切り替えるためのエリアである。音声切替操作エリア813は、ゲームの音声、実況者C、および解説者Dの音声を含む主音声を出力させるための主音声ボタン813aと、実況者Cの副音声を出力するための実況者音声ボタン813bと、解説者Dの副音声を出力するための解説者音声ボタン813cと、を含む。
【0112】
配信装置3は、例えば、デフォルトとして、試合Gの映像に伴って主音声を出力させる。実況者音声ボタン813bをユーザが押下すると、視聴画面810は、試合のライブ映像に伴って出力させる音声を、主音声から実況者Cの副音声に切り替える。
【0113】
例えば、実況者Cの副音声が出力されている時に試合GのNFTトレカの購入の要求を視聴者から受け付けた場合、決定手段235は、この要求に応じて、実況者CにもNFTトレカの収益を配分するよう第2分配金額を決定してもよい。
【0114】
購入要求ボタン814を視聴者が押下すると、ユーザ装置5は、試合GのNFTトレカの購入の要求をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2の要求受付手段2331がこの購入の要求を受け付けると、試合Gの終了後に、要求元の視聴者によるNFTトレカの購入対価の支払いに応じて、この視聴者に試合GのNFTトレカを関連付ける(言い換えれば、NFTトレカを付与する)。
【0115】
自動購入設定画面ボタン815は、自動購入設定画面820を表示するためのボタンである。自動購入設定画面ボタン815を視聴者が押下すると、ユーザ装置5は、自動購入設定画面820を表示させる。
【0116】
自動購入設定画面820は、第1購入条件および第2購入条件を設定するための画面である。自動購入設定画面820は、ゲーム状況設定エリア821と、販売状況設定エリア822と、プレイヤ設定エリア823と、を含む。
【0117】
ゲーム状況設定エリア821は、ゲーム状況に関する第1購入条件を設定するためのエリアである。ゲーム状況設定エリア821は、例えば、(ア)特定の回戦(例えば、準決勝以降)であること、(イ)チャット欄816に表示されるチャットに関する盛り上がり度が「中」であること(図5では、「チャット盛上り」と表記)、(ウ)特定の技が使われたこと(図5では、「魅せプレイあり」と表記)であること、といった第1購入条件を設定するためのチェックボックスが表示されている。これらのチェックボックスに対して視聴者が採用する条件を指定しOKボタン824を押下すると、ユーザ装置5は、この指定された第1購入条件を示す指定条件情報を生成し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2の設定受付手段2333は、ユーザ装置5から指定条件情報を受信して、コンテンツに関する第1購入条件の設定を受け付ける。
【0118】
販売状況設定エリア822は、NFTトレカの販売状況に関する第2購入条件を設定するためのエリアである。販売状況設定エリア822は、例えば、他の視聴者による購入の要求の数が所定の範囲(図5では、「〇〇以上かつ〇〇以下」と表記)内になること、といった第2購入条件を設定するためのチェックボックスが表示されている。なお、この所定の範囲における上限値と下限値は、ドロップダウンリストなどで視聴者により調整可能に実装されてもよい。このチェックボックスに対して視聴者が指定しOKボタン824を押下すると、ユーザ装置5は、この指定された第2購入条件を示す指定条件情報を生成し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2の設定受付手段2333は、ユーザ装置5から指定条件情報を受信して、他の視聴者による購入に関する第2購入条件の設定を受け付ける。
【0119】
プレイヤ設定エリア823は、プレイヤに関する第1購入条件を設定するためのエリアである。販売状況設定エリア822は、例えば、プレイヤAまたはプレイヤBなどの特定のプレイヤが参加するコンテンツであること、といった第1購入条件を設定するためのチェックボックスが表示されている。これらのチェックボックスに対して視聴者が採用するプレイヤを指定しOKボタン824を押下すると、ユーザ装置5は、この指定された第2購入条件を示す指定条件情報を生成し、サーバ装置2に送信する。サーバ装置2の設定受付手段2333は、ユーザ装置5から指定条件情報を受信して、コンテンツに関する第1購入条件の設定を受け付ける。
【0120】
<プラットフォームシステムの動作の流れ>
図6~7を参照して、プラットフォームシステム1における一次流通および二次流通それぞれでの取引の処理の一例について説明する。
【0121】
図6(a)は、第1期間および第2期間内において、コンテンツの動画が出力されてから一次流通として価値媒体の購入の要求を視聴者である第1ユーザから受け付けるまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。図6(b)は、第2期間経過後において、価値媒体を生成し購入対価の支払いを経て価値媒体と第1ユーザとを関連付けるまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。本例では、第1期間と第2期間とを同じ期間とする。
【0122】
図6(a)に示すように、第1期間および第2期間内において、サーバ装置2と第1ユーザ装置5aと配信装置3とは、複合フラグメントopt1(Option1)が示すエリア内の処理を実行する。
【0123】
具体的には、まず、配信装置3は、複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画を視聴である第1ユーザの第1ユーザ装置5aに配信するために、コンテンツの動画を出力するための出力情報を生成する(ステップst11)。次いで、配信装置3は、生成した出力情報を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst12)。次いで、第1ユーザ装置5aは、出力情報に基づいて、第1ユーザに対して、コンテンツの動画を出力する(ステップst13)。
【0124】
次いで、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、出力されているコンテンツの動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける(ステップst14)。次いで、第1ユーザ装置5aは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst15)。次いで、サーバ装置2の要求受付手段2331は、この価値媒体の購入の要求を受け付ける(ステップst17)。また、第1ユーザ装置5aは、この要求を配信装置3にも送信する(ステップst16)。次いで、配信装置3は、この価値媒体の購入の要求を受け付ける(ステップst18)。なお、他の例として、第1ユーザ装置5aは価値媒体の購入の要求を配信装置3に送信して、サーバ装置2の要求受付手段2331は、配信装置3を介してこの要求を受け付けてもよい。
【0125】
図6(b)に示すように、第2期間経過後において、サーバ装置2と第1ユーザ装置5aと配信装置3とは、複合フラグメントopt2(Option2)が示すエリア内の処理を実行する。
【0126】
具体的には、まず、配信装置3は、受け付けた価値媒体の購入の要求の数をカウントする(ステップst21)。次いで、配信装置3は、カウントした購入の要求の数分の複数の価値媒体を生成し、生成した複数の価値媒体のそれぞれに対して、それぞれを一意に識別するための媒体識別情報を付与する(ステップst22)。次いで、配信装置3は、生成した価値媒体をサーバ装置2に送信する(ステップst23)。
【0127】
次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、受け付けた価値媒体の購入の要求に基づいて、価値媒体の購入対価の支払い決済のための処理を実行する(ステップst24)。次いで、サーバ装置2の決定手段235は、この購入の要求に応じて、コンテンツに参加した複数のプレイヤのうち1以上のプレイヤのそれぞれに対して、価値媒体の購入によって生じる収益を分配するための第1分配金額を決定する(ステップst25)。
【0128】
次いで、サーバ装置2の第1関連付け手段2371は、上記の購入の要求と価値媒体の購入対価の支払いに応じて、第1ユーザに価値媒体を関連付ける(ステップst26)。サーバ装置2の第1関連付け手段2371は、ネットワークインタフェース21を介して、関連付けた価値媒体を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst27)。第1ユーザ装置5aは、サーバ装置2から価値媒体を受信して、この価値媒体を配信アプリのウォレット機能で保管する(ステップst28)。
【0129】
図7は、二次流通として第1ユーザから第2価値媒体が出品されてから第2ユーザが購入するまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0130】
図7に示すように、第2期間が経過した後の第3期間内において、サーバ装置2と、第1ユーザ装置5aと、第2ユーザ装置5bとは、複合フラグメントopt3(Option3)が示すエリア内の処理を実行する。
【0131】
具体的には、まず、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、上記関連付けられた価値媒体を転売するために、NFTマーケットプレイスに出品するための要求(以下、「出品要求」ともいう)を受け付ける(ステップst31)。次いで、第1ユーザ装置5aは、この出品要求と出品対象の価値媒体をサーバ装置2に送信する(ステップst32)。
【0132】
次いで、サーバ装置2の要求受付手段2331は、上記価値媒体の出品要求を受け付けて、出品対象の価値媒体を取得する(ステップst33)。サーバ装置2の情報処理手段231は、この出品要求に基づいて、NFTマーケットプレイスにおいて価値媒体の出品を表示させるための出力情報を生成する(ステップst34)。情報処理手段231は、生成した出力情報を各ユーザ装置5に送信する(ステップst35)。各ユーザ装置5それぞれは、受信した出力情報に基づいて、Webサイトや配信アプリを介して、NFTマーケットプレイスへの価値媒体の出品を表示させる(ステップst36)。
【0133】
次いで、第2ユーザ装置5bは、第2ユーザから、表示された価値媒体を第1ユーザから購入するために、価値媒体と第2ユーザとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst38)。次いで、第2ユーザ装置5bは、サーバ装置2にこの要求を送信する(ステップst37)。次いで、サーバ装置2の要求受付手段2331は、第2ユーザ装置5bからこの要求を受け付ける(ステップst39)。サーバ装置2の第2関連付け手段2372は、この要求に基づいて、価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除する(ステップst40)。次いで、サーバ装置2の第2関連付け手段2372は、第1ユーザ装置5aから取得した価値媒体を、第2ユーザ装置5bに送信する(ステップst42)。第2ユーザ装置5bは、サーバ装置2から価値媒体を受信して、この価値媒体を配信アプリのウォレット機能で保管する(ステップst43)。
【0134】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、第1期間に配信される動画であって複数のプレイヤが参加するコンテンツの動画の視聴者から、第1期間に基づく第2期間内において、動画に関連する価値媒体の購入の要求を受け付ける要求受付手段(2331)、要求に応じて、視聴者に価値媒体を関連付ける第1関連付け手段(2371)、第2期間が経過した後の第3期間内において、視聴者と価値媒体との関連付けを解除して、解除された価値媒体を、視聴者とは異なるユーザに関連付ける第2関連付け手段(2372)、として機能させる。
【0135】
<効果>
本実施形態によれば、視聴者は、コンテンツの動画に関連する価値媒体を購入することができ、動画の配信が終了しコンテンツを購入した後の期間において、価値媒体を保有したり、他のユーザに対して価値媒体を販売して自ら収益を得たりして、様々な用途に価値媒体を活用することができる。このため、プレイヤのコンテンツに参加するモチベ-ションを向上させつつ、ユーザにおいて、プレイヤに利益をもたらす行為のモチベ-ションを向上させる。
【0136】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0137】
[第1変形例]
上記実施形態では、コンテンツがゲームである例を説明したが、本発明にかかるコンテンツはこれに限定されない。例えば、コンテンツはアーティストやアイドルによるライブイベントであってもよい。この場合、コンテンツに参加する複数のプレイヤは、アーティストまたはアイドルであってもよい。また、コンテンツがライブイベントの場合、コンテンツの動画に関連する価値媒体は、ライブの画像を対応付けたNFTトレカであってもよい。コンテンツがアイドルグル-プのライブイベントの場合、グル-プ全体を撮影したメインの動画と、グル-プメンバ-のそれぞれにフォーカスして撮影した動画というように、ライブイベントの動画が複数存在してもよい。
【0138】
[第2変形例]
上記実施形態では、価値媒体がNFTトレカなどのデジタルカ-ドである例を説明したが、本発明にかかる価値媒体はこれに限定されない。価値媒体は、例えば、コンテンツの動画に関連するデジタルデータであればどのようなデータでもよい。価値媒体は、例えば、コンテンツがライブイベントの場合、このライブイベントに参加した特定のアーティストの代替可能なライブカット画像であってもよい。
【0139】
[第3変形例]
上記実施形態では、コンテンツの動画を配信したり価値媒体を生成したりする装置を配信装置3とする例を説明したが、本発明にかかるコンテンツの動画の配信および価値媒体の生成の主体はこれに限定されない。例えば、販売業者が配信者を兼務し、サーバ装置2がコンテンツの動画をユーザ装置5に配信したり価値媒体を生成したりしてもよい。この場合、サーバ装置2の制御部23は、配信手段と生成手段を備えてもよい。
【0140】
配信手段は、コンテンツの動画をユーザ装置5に配信する。具体的には、配信手段は、コンテンツの動画をユーザ装置5で出力させるための出力情報を生成し、生成した出力情報を、ネットワークインタフェース21によりユーザ装置5に送信させる。出力情報は、例えば、上記図5の例で説明した視聴画面810および自動購入設定画面820を出力させるための情報であってもよい。
【0141】
生成手段は、要求受付手段2331が受け付けた購入の要求に応じて、価値媒体を生成する。生成手段は、例えば、購入の要求の数と1以上のプレイヤに付与する数との合計の数の価値媒体を生成してもよい。また、生成手段は、例えば、生成した価値媒体に媒体識別情報を付与してもよい。媒体識別情報がシリアル番号の場合、どの価値媒体にどの番号を付与するかはランダムで決定してもよいし、購入の要求が受け付けられた順でもよい。
【0142】
価値媒体の購入を要求する視聴者は、複数存在してもよい。この場合、生成手段は、複数の視聴者のそれぞれからの購入の要求の数に応じて、価値媒体を複数生成してもよいし、サ-ドパ-ティシステムに価値媒体を複数生成させてもよい。このような構成によれば、購入の要求の数分価値媒体を生成することができる。このため、価値媒体を購入することでプレイヤを応援したい視聴者にとって、予め用意した数が売り切れのため購入できない、すなわち応援できないという事態を回避することができる。このため、視聴者にとって満足感の高いプラットフォームシステム1を提供することができる。
【0143】
[第4変形例]
上記実施形態では示していないが、第2期間は、視聴者による価値媒体の購入の状況に応じて延長されてもよい。具体的には、要求受付手段2331は、単位期間あたりに受け付けた価値媒体の購入の要求の数をカウントする。例えば、1分間あたりに受け付けた価値媒体の購入の要求の数をカウントする。カウントした要求の数が閾値を超える場合、要求受付手段2331は、第2期間を延長させて(例えば、追加で1分延長など)、価値媒体の購入の要求を受け付けてもよい。このような構成によれば、価値媒体の購入の状況に鑑みて、購入の要求を受け付ける期間である第2期間を延長することができる。このため、より柔軟な一次流通を実現することができる。
【0144】
[第5変形例]
上記実施形態では示していないが、コンテンツの動画の配信の態様(例えば、ライブ配信かアーカイブ配信かなど)によって、視聴者に付与する特典の内容や価値媒体に付与する媒体識別情報の発行の態様を変えてもよい。
【0145】
プラットフォームシステム1では、例えば、コンテンツ動画のライブ配信期間に受け付けたNFTトレカの購入の要求と、アーカイブ配信期間に受け付けたNFTトレカの購入の要求とで、NFTトレカに付与するシリアル番号の番号体系を別にしてもよい。ライブ配信期間では、#1、#2、…と一連の番号のみを付与し、他方、アーカイブ配信期間では、#M1、M2、…とアルファベット一文字と一連の番号との組み合わせを付与してもよい。
【0146】
プラットフォームシステム1では、例えば、アーカイブ配信期間に受け付けた購入の要求に対して関連付けられた複数の価値媒体の組み合わせに基づいて、第2付与手段2382は、視聴者に第2特典を付与しないようにしてもよい。例えば、アーカイブ配信期間でのNFTトレカの購入は、コンテンツに参加するプレイヤに対して、ライブ配信のように、プレイしている最中の応援にはつながらず、コンテンツを盛り上げることに対して貢献度が相対的に低い。また、アーカイブ配信期間では、すでにライブ配信期間において一次流通により販売されたNFTトレカが二次流通として出回っている可能性がある。このような構成によれば、特典の内容や媒体識別情報の発行の態様をライブ配信とアーカイブ配信とで変えることで、コンテンツへの貢献度を適切に評価し、また、一次流通と二次流通とにおいて同じ価値の価値媒体が流通することを回避する。
【0147】
[第6変形例]
上記実施形態では示していないが、サーバ装置2の要求受付手段2331は、視聴者から、ユーザ装置5を介して、一旦受け付けた価値媒体の購入の要求に対するキャンセル(以下、「購入キャンセル」ともいう)の要求を受け付けてもよい。また、要求受付手段2331は、第4期間内において、購入キャンセルの要求を受け付けてもよい。第4期間とは、購入キャンセルの要求を受け付け可能とする期間であって、例えば、第1期間に基づく機関であってもよい。例えば、第1期間がeスポーツリーグの各試合の開始から終了までの期間とする場合、第4期間は、各試合の開始からこのeスポーツリーグの準決勝の終了までとしてもよい。また、他の例として、第1期間がeスポーツリーグの各試合の開始から終了までの期間とする場合、第4期間は、各試合の終了後所定時間経過するまで(例えば、試合終了後1時間までなど)としてもよい。このような構成によれば、キャンセル可能な時間を制限することができ、例えば、視聴者がとりあえず大量の購入の要求をしておいて、試合の経過などから価値が高くなりそうな価値媒体の購入の要求だけ残してあとは全てキャンセルするという事態を抑制することができる。
【0148】
[第7変形例]
上記実施形態では示していないが、プラットフォームシステム1の第2プラットフォ-ムのユーザ間の取引において分散型台帳技術(例えば、ブロックチェ-ン技術)を活用してもよい。例えば、第2プラットフォ-ムにおいて、ユーザ(エッジ)側で取引情報を分散させて管理するために、第1ユーザ装置5aや第2ユーザ装置5bを含む複数のユーザ装置5それぞれに分散させて記憶させてもよい。このような構成によれば、ユーザ間の取引を示す取引情報をユーザ装置5に分散させてユーザ間で共有することができるので取引情報の改ざんを防止することができる。
【0149】
第2プラットフォ-ムにおいて、例えば、NFTの価値、すなわちNFTをユーザ間で移転するための対価の設定は、NFTを移転させる取引をするユーザ(上記の例では、第1ユーザと第2ユーザ)だけではなくプラットフォームシステム1のネットワ-クに参加する複数のユーザの合意形成に基づいて設定されてもよい。
【0150】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0151】
ゲ-ムは、アクションゲ-ム、シュ-ティングゲ-ム、ロ-ルプレイングゲ-ム、シミュレ-ションゲ-ム、ボ-ドゲ-ム、およびパズルゲ-ムなどであってもよく、様々な種類のゲ-ムに適用することができる。
【0152】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、受付手段、生成制御手段、決定手段、特定手段、関連付け手段、付与手段などが、サーバ装置2単体、ユーザ装置5単体、サーバ装置およびユーザ装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とユーザ装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ユーザ装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0153】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0154】
1 プラットフォームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 受付手段
2331 要求受付手段
237 関連付け手段
2371 第1関連付け手段
2372 第2関連付け手段
3 配信装置
5 ユーザ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7