(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-13
(45)【発行日】2025-08-21
(54)【発明の名称】メディアストリーミング装置の熱制御システムおよび関連するメディアストリーミング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20250814BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20250814BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20250814BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20250814BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H01L23/02 A
H05K7/20 B
H04B1/38
(21)【出願番号】P 2023519326
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 US2021052298
(87)【国際公開番号】W WO2022067225
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-11-09
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘックマン,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】アリ,イハブ・エイ
【審査官】上谷 奈那
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522440(JP,A)
【文献】特表2015-532778(JP,A)
【文献】国際公開第2015/137257(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/045671(WO,A1)
【文献】実開平02-146496(JP,U)
【文献】国際公開第2014/188624(WO,A1)
【文献】国際公開第01/095687(WO,A1)
【文献】特開2015-138825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 23/02
H05K 7/20
H04B 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアストリーミング装置の熱制御システムであって、前記熱制御システムは、
第1の熱制御サブシステムを備え、
前記第1の熱制御サブシステムは、
第1のグラファイトシートを含み、前記第1のグラファイトシートは、第1のハウジング要素の第1の略凹状の内面に固定され、
第1のヒートスプレッダを含み、前記第1のヒートスプレッダは、第1のエアギャップによって前記第1のグラファイトシートから離間され、
第1の熱界面材料を含み、前記第1の熱界面材料は、前記第1のヒートスプレッダと、プリント回路基板の第1の表面に取り付けられる第1の集積回路装置との間に配置され、
前記熱制御システムは、第2の熱制御サブシステムを備え、
前記第2の熱制御サブシステムは、
第2のグラファイトシートを含み、前記第2のグラファイトシートは、第2のハウジング要素の第2の略凹状の内面に固定され、前記第2のハウジング要素の前記第2の略凹状の内面は、前記第1のハウジング要素の前記第1の略凹状の内面に面しており、
第2のヒートスプレッダを含み、前記第2のヒートスプレッダは、第2のエアギャップによって前記第2のグラファイトシートから離間され、
第2の熱界面材料を含み、前記第2の熱界面材料は、前記第2のヒートスプレッダと、前記プリント回路基板の第2の表面に取り付けられる第2の集積回路装置との間に配置され、前記プリント回路基板の前記第2の表面は、前記第1の表面の反対側にある、熱制御システム。
【請求項2】
前記第1のヒートスプレッダは、第1のキャビティを形成する第1の凹部を含み、
前記第1のキャビティは、前記第1のグラファイトシートに面する第1の開口を有し、
前記第2のヒートスプレッダは、第2のキャビティを形成する第2の凹部を含み、
前記第2のキャビティは、前記第2のグラファイトシートに面する第2の開口を有する、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項3】
前記第1のグラファイトシートまたは前記第2のグラファイトシートは、グラファイト材料、感圧接着材料、またはポリエチレンテレフタレート材料を含有する1つ以上のフィ
ルムからなる層を含む、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項4】
前記第1のグラファイトシートは、前記メディアストリーミング装置のアンテナ領域の周囲に形成され、前記第1のグラファイトシートからの干渉を受けずに前記メディアストリーミング装置のアンテナが電磁波を送信または受信することを可能にする、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項5】
前記第1のヒートスプレッダは、前記第1の集積回路装置を取り囲む第1の電磁干渉シールド構造の一部として組み込まれ、
前記第1の集積回路装置は、システムオンチップ集積回路装置である、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項6】
前記第1のヒートスプレッダと前記第1の電磁干渉シールド構造との間には、第1の熱伝導性発泡体が配置されている、請求項5に記載の熱制御システム。
【請求項7】
前記第2のヒートスプレッダは、第2の電磁干渉シールド構造の一部として組み込まれる、請求項5に記載の熱制御システム。
【請求項8】
前記第2のヒートスプレッダは、厚さ約0.20mmのアルミニウム材料を含む、請求項5に記載の熱制御システム。
【請求項9】
前記第2のグラファイトシートは、前記メディアストリーミング装置の構造領域を除外し、ハードウェアからの干渉を受けずに前記第2のハウジング要素を前記第1のハウジング要素に組み立てることを可能にするフットプリントを含む、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項10】
前記第2のグラファイトシートは、グラファイト材料、感圧接着材料、またはポリエチレンテレフタレート材料を含有する1つ以上のフィルムからなる層を含む、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項11】
前記第1のエアギャップおよび前記第2のエアギャップは、非対称である、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項12】
前記第1のヒートスプレッダと前記第1のグラファイトシートとの間には、第3の熱界面材料が配置されている、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項13】
前記第2のヒートスプレッダと前記第2のグラファイトシートとの間には、第3の熱界面材料が配置されている、請求項1に記載の熱制御システム。
【請求項14】
前記メディアストリーミング装置であって、
請求項1~13のいずれか1項に記載の熱制御システムと、
互いに接合された
前記第1のハウジング要素と
前記第2のハウジング要素とを含むハウジングと、
前記プリント回路基板の
前記第1の表面に取り付けられた
前記第1の集積回路装置とを備え、前記プリント回路基板は、前記ハウジング内に配置され、
前記熱制御システムは、熱負荷条件の間に前記メディアストリーミング装置の全体にわたって温度を同時に維持するように構成され
ており、前記熱制御システムは、前記ハウジング内に配置され、以下の温度を同時に維持するように構成されており、すなわち、
第1の熱ゾーンの第1の温度を第1の所定の温度閾値以下に維持するように構成されており、前記第1の熱ゾーンは、前記
第1の集積回路装置を含み、
第2の熱ゾーンの第2の温度を第2の所定の温度閾値以下に維持するように構成されており、前記第2の熱ゾーンは、前記プリント回路基板の前記第1の表面に対向する前記プリント回路基板の
前記第2の表面を含み、
第3の熱ゾーンの第3の温度を第3の所定の温度閾値以下に維持するように構成されており、前記第3の熱ゾーンは、前記第1のハウジング要素の第1の外面を含み、
第4の熱ゾーンの第4の温度を第4の所定の温度閾値以下に維持するように構成されており、前記第4の熱ゾーンは、前記第2のハウジング要素の第2の外面を含み、
前記第2の所定の温度閾値は、前記第1の所定の温度閾値よりも低く、
前記第2の熱ゾーンから前記第4の熱ゾーンへの熱伝達率は、前記第1の熱ゾーンから前記第3の熱ゾーンへの熱伝達率よりも高い、メディアストリーミング装置。
【請求項15】
前記メディアストリーミング装置は、略扁平楕円体である、請求項14に記載のメディアストリーミング装置。
【請求項16】
前記第1の所定の温度閾値は、前記
第1の集積回路装置の許容可能な接合温度に対応し、
前記
第1の集積回路装置の前記許容可能な接合温度は、約95°C以下である、請求項15に記載のメディアストリーミング装置。
【請求項17】
前記第2の所定の温度閾値は、前記第1の表面に対向する前記プリント回路基板の前記第2の表面の許容可能な表面温度に対応し、
前記プリント回路基板の前記第2の表面の前記許容可能な表面温度は、約85°C以下である、請求項15に記載のメディアストリーミング装置。
【請求項18】
前記第3の所定の温度閾値は、前記第1のハウジング要素の前記第1の外面の第1の許容可能な人間工学的タッチ温度に対応し、
前記第1の許容可能な人間工学的タッチ温度は、約72°C以下である、請求項15に記載のメディアストリーミング装置。
【請求項19】
前記第4の所定の温度閾値は、前記第2のハウジング要素の前記第2の外面の第2の許容可能な人間工学的タッチ温度に対応し、
前記第2の許容可能な人間工学的タッチ温度は、約72°C以下である、請求項15に記載のメディアストリーミング装置。
【請求項20】
前記メディアストリーミング装置は、高精細度マルチメディアインターフェイスコネクタと、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタとをさらに含む、請求項15に記載のメディアストリーミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2020年9月28日に提出された米国特許出願第17/035238号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
メディアストリーミング装置は、無線で、メディアを補助電子装置にストリーミングするために広く使用されている。一例として、メディアストリーミング装置は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して、メディアサービスプロバイダからデータを受信し、そのデータをビデオおよびオーディオストリームコンテンツに変換して、ディスプレイおよびスピーカを有するテレビに提供することができる。初期世代メディアストリーミング装置の例であるこの例において、集積回路(IC)要素は、2.5ワット(W)に迫る熱負荷条件を発生させる可能性がある。熱負荷条件を管理するために、メディアストリーミング装置は、メディアストリーミング装置の熱ゾーンを単一である所定の温度閾値以下に維持する熱制御システムを含むことができる。このような熱制御システムは、最大1.0ミリメートル(mm)厚のステンレス鋼材料から作製される、単一の専用ヒートスプレッダ(heat spreader)を含んでもよい。
【0003】
メディアストリーミング装置は、高精細度マルチメディアインターフェイス(HDMI(登録商標))ハードウェアと、単純にデータを受信して、そのデータをビデオおよびオーディオストリームコンテンツに変換する機能よりも高度な機能を提供する集積回路(IC)装置とを含むことができる。この場合、SoC IC装置は、4.0Wに迫るメディアストリーミング装置上の熱負荷条件を発生させる可能性がある。
【0004】
ステンレス鋼から作製された単一の専用ヒートスプレッダを含む熱制御システムは、このような熱負荷条件を管理する時に複数の欠点を有することがある。第1の例示的な欠点として、4.0Wまでの熱を放散することができるように、厚いステンレス鋼からなるヒートスプレッダを適切なサイズに形成すると、メディアストリーミング装置は、補助電子装置に接続するために使用される構造(例えば、メディアストリーミング装置のユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、メディアストリーミング装置のHDMIコネクタ/構造、補助電子装置のHDMIポート)を損傷する吊り下げ重量(hanging-weight)を持つことになる場合がある。第2の例示的な欠点として、熱制御システムは、メディアストリーミング装置内の熱の不均一な拡散および伝達をもたらし、(i)メディアストリーミング装置の1つ以上のIC装置に対する損傷、および(ii)メディアストリーミング装置の1つ以上のハウジング要素の表面が所定の人間工学的タッチ温度限界を超える結果をもたらし得るホットスポットを形成することがある。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書は、メディアストリーミング装置に組み込まれる熱制御システムを記載している。熱制御システムは、ヒートスプレッダと高熱伝導率材料との組み合わせを含む。熱制御システムは、メメディアストリーミング装置上に作用する熱負荷条件からのエネルギーを拡散、伝達、および放散することによって、ディアストリーミング装置上またはメディアストリーミング装置内の複数の熱ゾーンの温度を規定の温度閾値以下に同時に維持することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様において、メディアストリーミング装置および関連するメディアストリーミング装置の熱制御システムが記載されている。熱制御システムは、第1の熱制御サブシステムを備え、第1の熱制御サブシステムは、第1のハウジング要素の第1の略凹状の内面に固定された第1のグラファイトシートと、第1のエアギャップによって第1のグラファイトシートから離間された第1のヒートスプレッダとを含む。第1の熱制御サブシステムは、第1のヒートスプレッダとPCBの第1の略平面状の表面に取り付けられた第1のIC装置との間に配置された第1の熱界面材料(TIM)をさらに含む。
【0007】
熱制御システムは、第2の熱制御サブシステムをさらに備え、第2の熱制御サブシステムは、第2のハウジング要素の第2の略凹状の内面に固定された第2のグラファイトシートを含み、第2のハウジング要素の第2の略凹状の内面は、第1のハウジング要素の第1の略凹状の内面に面する。第2の熱制御サブシステムは、第2のエアギャップによって第2のグラファイトシートから離間された第2のヒートスプレッダをさらに含む。第2の熱界面材料は、第2のヒートスプレッダと、PCBの第1の表面の反対側にあるPCBの第2の表面に取り付けられる第2のIC装置との間に配置されている。
【0008】
他の態様において、メディアストリーミング装置が記載されている。メディアストリーミング装置は、第2のハウジング要素に接合された第1のハウジング要素を有するハウジングを含む。また、メディアストリーミング装置は、ハウジング内に配置されたプリント回路基板(PCB)の第1の表面に取り付けられたSoC IC装置を含む。同じくハウジング内に配置された熱制御システムは、熱負荷条件の間に、メディアストリーミング装置の全体にわたって温度を維持するように構成されている。熱負荷条件の間に、熱制御システムは、(i)SoC IC装置を含む第1の熱ゾーンの第1の温度を第1の規定温度閾値以下に維持し、(ii)PCBの第2の表面を含む第2の熱ゾーンの第2の温度を第2の規定温度閾値以下に維持し、および(iii)第1のハウジング要素の第1の外面を含む第3の熱ゾーンの第3の温度を第3の所定の温度閾値以下に維持すると同時に、(iv)第2のハウジング要素の第2の外面を含む第4の熱ゾーンの第4の温度を第4の所定の温度閾値以下に維持する。
【0009】
1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明白になるであろう。この概要は、詳細な説明および図面においてさらに説明される主題を紹介するために提供されている。したがって、この概要は、請求される主題の本質的な特徴を説明するものと見なされるべきではなく、請求される主題の範囲を限定するように使用されるべきではない。
【0010】
以下、メディアストリーミング装置の熱制御システムの1つ以上の態様の詳細を説明する。詳細な説明および図面中の異なる例において、同様の参照番号を用いて、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】テレビに接続された例示的なメディアストリーミング装置を有する動作環境を示す図である。
【
図2】1つ以上の態様に係る例示的なメディアストリーミング装置を示す分解等角図である。
【
図3】熱制御システムを含む例示的なメディアストリーミング装置を示す断面図である。
【
図4】ハウジング要素の内面に固定された例示的なグラファイトシートを示す上面図である。
【
図5】別のハウジング要素の内面に固定された別の例示的なグラファイトシートを示す上面図である。
【
図6】ハウジング要素の近くに配置されているヒートスプレッダの例示的な熱衝撃を含むハウジング要素を示す上面図である。
【
図7】熱制御システムの例示的な熱積層構成を含むメディアストリーミング装置を示す断面図である。
【
図8】熱制御システムの別の例示的な熱積層構成を含むメディアストリーミング装置を示す断面図である。
【
図9】媒体スチーミング装置の全体にわたる複数の熱ゾーンの例示的な詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本明細書は、メディアストリーミング装置に組み込まれる熱制御システムを記載している。熱制御システムは、軽量であり、ヒートスプレッダと低熱抵抗材料との組み合わせを含む。熱制御システムは、メディアストリーミング装置に作用する熱負荷条件からのエネルギーを拡散、伝達、および放散することによって、メディアストリーミング装置上またはメディアストリーミング装置内の複数の熱ゾーンの温度を対応する複数の所定の温度閾値以下に同時に維持することができる。
【0013】
記載された熱制御システムの特徴および概念は、任意の数の異なる環境および装置に実装されてもよいが、実施形態は、以下の説明および例示の文脈で記載される。
【0014】
一般的には、熱伝達が、温度差によるエネルギーの伝達である。システム、例えばメディアストリーミング装置の構成要素に1つ以上の温度差が存在する場合、熱(例えば、ジュール単位のエネルギー(J))は、温度差を低減するように、より高い温度ゾーンからより低い温度ゾーンに伝達する。温度差を最小限にするために、システムの構成要素間で熱を伝達するためのメカニズムは、対流、放射、および伝導などのいくつかのものを含む。
【0015】
対流、または気体および液体などの流体内の分子の移動による表面からの熱伝達は、以下の式(1)によって定量化することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
放射、または電磁放射による表面からの熱伝達は、以下の式(2)によって定量化することができる。
【0019】
【0020】
【0021】
伝導、または原子および分子の活動による固体を介した熱伝達は、以下の式(3)によって定量化することができる。
【0022】
【0023】
【0024】
メディアストリーミング装置は、上述のメカニズムのうちの1つ以上を使用して熱を伝達する熱制御システムを含むことができる。一般的に、式(1)および(2)に従って、メディアストリーミング装置内の対流および/または放射を行うための表面積を増加または減少させることによって(例えば、熱拡散機構の表面積を増加または減少させることによって)、熱伝達の速度および/または量を変更することができる。
【0025】
式(3)に従って、熱制御システムにおいて、1つ以上の高熱伝導率TIMを表面間に導入することによって、熱伝達の速度および/または量を変更することができる。ヒートスプレッダを注意深く実装し、高熱伝導率TIMを使用することによって、熱制御システムは、熱負荷条件の間に、異なる熱ゾーンの温度を異なる所定の温度閾値以下に同時に維持することができる。
【0026】
上述したように、熱制御システムは、伝導、対流、および放射を介して、媒体流装置内部から発生する熱(例えば、エネルギー)をハウジング要素(例えば、外面)に伝達することによって、対流および/または放射を介して熱を外部環境に放散することができる。ハウジング要素の表面の全体にわたる温度変動は、一般的に、熱制御システムの品質が改善するにつれて減少する。熱拡散係数(CTS)として知られている無次元メトリックは、この品質を定量化し、以下の式(4)によって示されている。
【0027】
【0028】
【0029】
対照例として、(前述したように)メディアストリーミング装置の熱制御システムは、約0.50に等しいCTSを有するメディアストリーミング装置をもたらすことができる。しかしながら、本明細書で説明するように、熱制御システムは、約0.90に近づくCTSを有するメディアストリーミング装置をもたらすことができる。
【0030】
図1は、テレビ104に接続された例示的なメディアストリーミング装置102を有する動作環境100を示している。メディアストリーミング装置102は、テレビ104に接続されていると図示されているが、表示機能および/または音声機能を有する他の種類の装置(例えば、タブレット、ノートブック、ラップトップ、コンピューティング装置、またはプロジェクタ)に接続されてもよい。
【0031】
動作環境100において、複数のIC装置は、メディアストリーミング装置102内で内部熱負荷106(例えば、qi)を生成している。一例として、内部熱負荷106は、最大4Wの割合でメディアストリーミング装置内に生成されてもよい。
【0032】
複数のIC装置は、SoC IC装置に加えて、メモリIC装置および/または無線通信IC装置(例えば、IEEE802.11無線通信プロトコル(Wi-Fi)(登録商標)、5GNR(Fifth-Generation New Radio)プロトコルなどに従って無線で通信する無線通信IC装置)を含むことができる。複数のIC装置は、メディアストリーミング装置102の一部であり得るHDMI(登録商標)ハードウェアと連携して、複数のストリーミングアプリケーションとの対話をサポートし、異なる無線通信プロトコルにわたる無線接続をサポートし、リモートコントロールと対話し、オペレーティングシステムを実行することによって、デジタルメディアプレーヤ、セットトップボックス、サウンドバー、および/またはテレビを制御することができる。
【0033】
メディアストリーミング装置102は、熱制御システム108を含む。熱制御システム108は、SoC IC装置熱制御サブシステム110と、他のIC装置熱制御サブシステム112とを含む。SoC IC装置熱制御サブシステム110は、メディアストリーミング装置102のSoC IC装置と熱的に接触している第1の熱制御サブシステムであってもよい。他のIC装置熱制御サブシステム110は、メディアストリーミング装置102の他のIC装置(例えば、メモリIC装置、無線通信IC装置など)と熱的に接触している第2の熱制御サブシステムであってもよい。
【0034】
一般的に、熱制御システム108(例えば、他のIC装置熱制御サブシステム112と連携するSoC IC装置熱制御サブシステム110)は、メディアストリーミング装置102に作用する熱負荷条件(例えば、内部熱負荷106)からのエネルギーを拡散および伝達することによって、メディアストリーミング装置102内の複数の熱ゾーンの温度を対応する複数の温度閾値以下に同時に維持することができる。熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102の複数の表面を介して熱を伝達することによって、熱を外部に放散することができる。一例として、場合によって、メディアストリーミング装置の2つの表面を介して外部に放散された熱114は、内部熱負荷に等しい(例えば、qds1+qds2=qi)。
【0035】
図2は、
図1のメディアストリーミング装置102の分解等角
図200を示している。メディアストリーミング装置102は、PCB206の第1の表面204に取り付けられたSoC IC装置202を含む。SoC IC装置202は、テレビ(例えば、
図1のテレビ104)にストリーミングするビデオおよび/またはオーディオコンテンツをレンダリングするようにデータを処理する論理および/またはメモリ集積回路を含んでもよい。SoC IC装置202は、ビデオおよび/またはオーディオコンテンツをレンダリングするようにデータを処理するものの一部として、内部熱負荷106に寄与する。PCB206は、第2の表面208を含み、第2の表面208には、1つ以上の他のIC装置(例えば、
図2に図示されていない無線通信IC装置、メモリIC装置、受動抵抗器、および/またはキャパシタIC装置)が取り付けられている。
【0036】
メディアストリーミング装置102は、第1のハウジング要素210と、第2のハウジング要素212とをさらに含む。第2のハウジング要素212は、第1のハウジング要素210とは実質的に相補的である。一般的に、第1のハウジング要素210と第2のハウジング要素212とを接合することによって、メディアストリーミング装置102の組立ハウジングを形成することができる。(例えば、第1のハウジング要素210と第2のハウジング要素212とを接合することによって組立ハウジングを形成する場合)メディアストリーミング装置102の形状は、扁平楕円体であってもよい。
【0037】
メディアストリーミング装置102は、2つの熱制御サブシステム(例えば、SoC IC装置熱制御サブシステム110および他のIC装置熱制御サブシステム112)を有する熱制御システム108を含む。SoC IC装置熱制御サブシステム110は、最終的な放散を達成するためにメディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を同時に拡散および伝達するように、ヒートスプレッダと低熱抵抗材料との組み合わせを含んでもよい。
図2に示すように、SoC IC装置熱制御サブシステム110は、第1のハウジング要素210の第1の略凹状の内面216に接着されている第1のグラファイトシート214を含む。また、SoC IC装置熱制御サブシステム110は、第1のヒートスプレッダ218と、1つ以上の第1のTIM220とを含む。いくつかの例において、第1のTIM220のうちの少なくとも1つは、SoC IC装置202と第1のヒートスプレッダ218との間に配置され、それらと熱的に接触することができる。さらに、いくつかの例において、第1のヒートスプレッダ218は、第1のヒートスプレッダ218をPCB206に整列するためのフランジ、孔、および/またはピンを含んでもよい。さらに、第1のヒートスプレッダ218は、1つ以上のサブアセンブリ(例えば、第1のヒートスプレッダ218を形成するために組み合わせられた複数の導電性要素)を含むことができる。
【0038】
他のIC装置熱制御サブシステム112は、最終的な放散を達成するためにメディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を同時に拡散および伝達するように、ヒートスプレッダと低熱抵抗材料との別の組み合わせを含んでもよい。他のIC装置熱制御サブシステム112は、第2のハウジング要素212の第2の略凹状の内面224に接着されている第2のグラファイトシート222を含むことができる。また、他のIC装置熱制御サブシステム112は、第2のヒートスプレッダ226と、1つ以上の第2のTIM228とを含む。いくつかの例において、第2のTIM228のうちの少なくとも1つは、IC装置(
図1に図示せず)と第2のヒートスプレッダ226との間に配置されてもよい。また、いくつかの例において、第2のヒートスプレッダ226は、第2のヒートスプレッダ226をPCB206に整列するためのフランジ、孔、および/またはピンを含んでもよい。さらに、いくつかの例において、第2のヒートスプレッダ226は、1つ以上のサブアセンブリ(例えば、第2のヒートスプレッダ226を形成するために組み合わせられた複数の導電性要素)を含んでもよい。
【0039】
一般的に、熱制御システム108は、対流および放射熱伝達モードを使用して、メディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、
図1の内部熱負荷106からの熱)を放散して、最終的に周囲環境に放散する。熱は、第1のハウジング要素210の第1の外面230を介して、または第2のハウジング要素212の第2の外面232を介して、または第1のハウジング要素210の第1の外面230および第2のハウジング要素212の第2の外面232の両方を介して放散されてもよい。
【0040】
図3は、熱制御システムの要素を含む例示的なメディアストリーミング装置を示す断面
図300である。このメディアストリーミング装置は、
図1のメディアストリーミング装置102であってもよい。
【0041】
熱制御システムは、第1のエアギャップ302と、第2のエアギャップ304とを含む。一般的に、第1のエアギャップ302および第2のエアギャップ304は、熱制御システム内の熱抵抗に寄与することができる。
【0042】
図3において、第1のグラファイトシート214は、第1のハウジング要素210の第1の略凹状の内面216に固定されている。第1のハウジング要素210は、プラスチック材料を含んでもよい。いくつかの例において、第1のグラファイトシート214は、各々がグラファイト材料、感圧接着(PSA)材料、またはポリエチレンテレフタレート(PET)材料を含有する1つ以上のフィルムからなる積層を含むハイブリッドグラファイトシートであってもよい。
【0043】
図示のように、第1のエアギャップ302は、第1のグラファイトシート214と第1のヒートスプレッダ218との間に配置されている。また、図示のように、第1のTIM220は、第1のヒートスプレッダ218とSoC IC装置202との間に配置され、それらと熱的に接触している。SoC IC装置202および第1のヒートスプレッダ218のそれぞれの表面上のエアギャップおよび/またはボンドラインギャップを減らすことによって、第1のTIM220は、高熱伝導率を改善し、SoC IC装置202と第1のヒートスプレッダ218とが熱を交換する効率および効果を高める。
【0044】
いくつかの例において、第1のTIM220は、アルミニウムナノ粒子などのナノ粒子が注入されたシリコーンゴム材料を含む第1の熱ゲル材料(例えば、熱伝導性ゲル材料)を含むことができる。他の例において、第1のTIM220は、シリコーンまたはパラフィンワックスベースの予備成形固体材料を含む熱パッド材料を含んでもよい。
【0045】
いくつかの例において、第1のヒートスプレッダ218は、ホットスポットを緩和することができる1つ以上の第1の凹部306で強化されてもよい。いくつかの例において、第1のヒートスプレッダ218は、厚さ0.20mm以下のアルミニウム材料から形成されてもよい。
【0046】
図3に示すように、第1のヒートスプレッダ218は、一方の表面(例えば、第1のグラファイトシート214に面する表面)上に形成された第1の凹部306と、反対側の表面(例えば、PCB206に面する表面)上に形成された対応する第1の突起308とを含む。第1の突起308が第1のTIM220と熱的に接触している間に、第1の凹部306は、第1のグラファイトシート214に露出される(および面する)開口を有するキャビティを形成する。第1のTIM220と熱的に接触している第1の突起308の面積は、第1のTIM220の表面領域に対応する別の面積に近似してもよく、またはそれよりも大きくてもよい。
【0047】
第1のヒートスプレッダ218が第1の凹部306を含む場合、第1のヒートスプレッダ218から第1のグラファイトシート214への熱対流および/または放射の発生は、集中領域(例えば、SoC IC装置202の表面領域に対応する「ホットスポット」)から、集中領域の面積よりも大きい面積を有する環状リング(例えば、「ホットリング」)に変更されてもよい。いくつかの例において、これは、第1のグラファイトシート214への熱伝達、および第1のグラファイトシート214の全体にわたる熱伝達を改善することによって、第1のグラファイトシート214から第1のハウジング要素210への熱伝達の効率を改善することができる。
【0048】
いくつかの例において、第1のヒートスプレッダ218は、メディアストリーミング装置102内部の第1の電磁干渉(EMI)シールド構造310の一部として組み込まれてもよい。このような例において、第1の熱伝導性発泡材料312は、第1のヒートスプレッダ218と第1のEMIシールド構造310の別の部分との間に配置され、それらと熱的に接触してもよい。さらに、第1のヒートスプレッダ218は、(熱拡散機能に加えて)EMIシールド機能を果たすこともできる。一般的に、第1のヒートスプレッダ218を第1のEMIシールド構造310の一部として組み込むことによって、メディアストリーミング装置102の吊り下げ重量(hanging-weight)を低減することができる。
【0049】
また、
図3は、第2のハウジング要素212の第2の略凹状の内面224に固定された第2のグラファイトシート222を示している。第2のハウジング要素212は、プラスチック材料を含んでもよい。いくつかの例において、第2のグラファイトシート222は、グラファイト材料、PSA材料、またはPET材料を含有する1つ以上のフィルムからなる積層を含むハイブリッドグラファイトシートであってもよい。
【0050】
図示のように、第2のエアギャップ304は、第2のグラファイトシート222と第2のヒートスプレッダ226との間に配置されている。さらに図示のように、第2のTIM228は、第2のヒートスプレッダ226とIC装置314(SoC IC装置202以外のIC装置、例えば、メモリIC装置または無線通信IC装置)との間に配置され、それらと熱的に接触している。IC装置314および第2のヒートスプレッダ226のそれぞれの表面上のエアギャップおよび/またはボンドラインギャップを減らすことによって、第2のTIM228は、高熱伝導率を改善し、IC装置314と第2のヒートスプレッダ226とが熱を交換する効率および効果を高める。いくつかの例において、第2のTIM228は、アルミニウムナノ粒子などのナノ粒子が注入されたシリコーンゴム材料を含む熱ゲル材料(例えば、熱伝導性ゲル材料)を含むことができる。他の例において、第2のTIM228は、シリコーンまたはパラフィンワックスベースの予備成形固体材料を含む熱パッドであってもよい。
【0051】
いくつかの例において、第2のヒートスプレッダ226は、「ホットスポット」を「ホットリング」に変換することができる1つ以上の第2の凹部316で強化されてもよい。いくつかの例において、第2のヒートスプレッダ226は、厚さ0.20mm以下のアルミニウム材料から形成されてもよい。
【0052】
図3に示すように、第2のヒートスプレッダ226は、一方の表面(例えば、第2のグラファイトシート222に面する表面)上に形成された第2の凹部316と、反対側の表面(例えば、PCB206に面する表面)上に形成された対応する第2の突起318とを含む。第2の突起318が第2のTIM228と熱的に接触している間に、第2の凹部316は、第2のグラファイトシート222に露出される(および面する)開口を有するキャビティを形成する。第2のTIM228と熱的に接触している第2の突起318の面積は、第2のTIM228の表面領域に対応する別の面積に近似してもよく、またはそれよりも大きくてもよい。
【0053】
第2のヒートスプレッダ226が第2の凹部316を含む場合、第2のヒートスプレッダ226から第2のグラファイトシート222への熱対流および/または放射の発生は、集中領域(例えば、IC装置314の表面積に対応するホットスポット)から、集中領域の面積よりも大きい面積を有する環状リング(例えば、ホットリング)に変更されてもよい。いくつかの例において、これは、第2のグラファイトシート222への熱および第2のグラファイトシート222の全体にわたる熱伝達を改善することによって、第2のグラファイトシート222から第2のハウジング要素212への熱伝達の効率を改善することができる。
【0054】
いくつかの例において、第2のヒートスプレッダ226は、メディアストリーミング装置102内部の第2のEMIシールド構造320の一部として組み込まれてもよい。このような例において、第2の熱伝導性発泡材料222は、第2のヒートスプレッダ226と第2のEMIシールド構造320の別の部分との間に配置され、それらと熱的に接触してもよい。さらに、第2のヒートスプレッダ226は、(熱拡散機能に加えて)EMIシールド機能を果たすこともできる。一般的に、第2のヒートスプレッダ226を第2のEMIシールド構造320の一部として組み込むことによって、メディアストリーミング装置102の吊り下げ重量を低減することができる。
【0055】
また、
図3は、USBポート322およびHDMIコネクタ/ケーブル構造324を示している。メディアストリーミング装置102の吊り下げ重量を低減することによって(例えば、第1のヒートスプレッダ218を第1のEMIシールド構造310の一部として組み込み、第2のヒートスプレッダ226を第2のEMI構造320の一部として組み込むことによって)、USBポート322および/またはHDMIコネクタ/ケーブル構造324に対する損傷を回避することができる。
【0056】
図4は、ハウジング要素に固定された例示的なグラファイトシートを示す上面
図400である。グラファイトシートは、第1のグラファイトシート214であってもよく、
図1および
図2の第1のハウジング要素210の内面(例えば、
図1および
図2に示すように、第1の略凹状の内面216)に固定されてもよい。
【0057】
図4に示すように、第1のグラファイトシート214は、第1のハウジング要素210の第1のアンテナ領域404を除外する第1のフットプリント402を含んでもよい。第1のアンテナ領域404は、第1のグラファイトシート214からの干渉を受けずに、無線ストリーミング装置のアンテナが電磁波(例えば、無線通信)を送信または受信することを可能にする。また、
図3に示すように、第1のグラファイトシート214の第1のフットプリント402は、第1のハウジング要素210の第1の構造領域406を除外する。第1の構造領域406は、ハードウェア(例えば、ねじ、ファスナー)からの干渉を受けずに、第1のハウジング要素210を別のハウジング要素に組み立てることを可能にする。
【0058】
図5は、ハウジング要素に固定された別の例示的なグラファイトシートを示す上面
図500である。グラファイトシートは、第2のグラファイトシート222であってもよく、
図1および
図2の第2のハウジング要素212の内面(例えば、
図1および
図2に示すように、第2の略凹状の内面224)に固定されてもよい。
【0059】
図5に示すように、第2のグラファイトシート222は、第2のハウジング要素212の第2のアンテナ領域504を除外する第2のフットプリント502を含んでもよい。第2のアンテナ領域504は、第2のグラファイトシート222からの干渉を受けずに、無線ストリーミング装置のアンテナが電磁波(例えば、無線通信)を送信または受信することを可能にする。また、
図5に示すように、第2のグラファイトシート222の第2のフットプリント502は、第2のハウジング要素212の第2の構造領域506を除外する。第2の構造領域506は、ハードウェア(例えば、ねじ、ファスナー)からの干渉を受けずに、第2のハウジング要素を別のハウジング要素に組み立てることを可能にする。
【0060】
図6は、第2のハウジング要素212の近くに配置されている第1のヒートスプレッダ218の例示的な熱衝撃を含む第1のハウジング要素210を示す上面
図600である。第1のヒートスプレッダ218は、第1のハウジング要素210内に配置されている(例えば、
図2および
図3に示すように、第1のグラファイトシート214および第1のハウジング要素210の第1の略凹状の内面216に面する)。
【0061】
図示のように、(背面の破線で示されている)第1の凹部306は、ホットスポット602に対応する。第1の凹部306を第1のヒートスプレッダ218の一部として組み込まない場合、ホットスポット602の温度は、第1のハウジング要素210の所定の温度閾値(例えば、許容可能な人間工学的タッチ温度)を超えることがある。しかしながら、いくつかの例において、凹部306は、エアギャップ(例えば、
図3の第1のエアギャップ302)の寸法を増加させることによって、熱抵抗を増加させ、凹部306内からの熱伝達をそらすことができる。これは、環状領域604(例えば、「リング」)を形成し、ハウジング要素210のより大きい面積にわたって熱を分布することにより、温度を低下することができる。
【0062】
図7は、熱制御システムの例示的な熱積層構成を含むメディアストリーミング装置102を示す断面
図700である。一般的に、内部熱積層構成(例えば、ヒートスプレッダ、グラファイトシート、TIM、および/またはエアギャップなどのエネルギー伝達機構の特定の配置)は、周囲環境に放熱するために、熱をメディアストリーミング装置102の表面(例えば、第1のハウジング要素210の第1の外面230および第2のハウジング要素212の第2の外面232)に伝達するかに影響を与えることができる。適切な内部熱積層構成がない場合、一部の構成要素(例えば、SoC IC装置202)の高い電力散逸に起因して、メディアストリーミング装置102の一部の温度は、熱負荷条件の間に、メディアストリーミング装置102の他の部分の他の温度よりも高い温度で動作することがある。一般的に、メディアストリーミング装置102内の対称的な内部熱積層構成は、メディアストリーミング装置102からの非効果的且つ非効率的な熱伝達をもたらす可能性がある。
【0063】
式(4)をもって前述したように、メディアストリーミング装置102の外面にわたる温度差を低減することは、メディアストリーミング装置102から周囲環境への熱伝達の効率および効果を改善することができる。外面にわたる温度差を低減することにより、メディアストリーミング装置のCTSおよびメディアストリーミング装置からの熱伝達を改善する。
【0064】
図7に示すように、内部熱積層構成は、非対称である。第1のエアギャップ302は、第1の距離702で、第1のヒートスプレッダ218と第1のグラファイトシート214とを離間している。第2のエアギャップ304は、第2の距離704で、第2のヒートスプレッダ226と第2のグラファイトシート222とを離間している。この場合、第1の距離702は、第2の距離704よりも大きくてもよく、SoC IC装置202と第1のハウジング要素210の第1の外面230との間の熱流路の熱抵抗を増加させるのに効果的である。いくつかの例において、これは、SoC IC装置202から第1のハウジング要素210への熱伝達率を減少させ、SoC IC装置202から第2のハウジング要素212への別の熱伝達率を増加させることにより、第1のハウジング要素210の外面および第2のハウジング要素212の外面(例えば、それぞれ第1の外面230および232)の温度を均衡させることができる。
【0065】
図8は、熱制御システムの別の例示的な熱積層構成を含むメディアストリーミング装置102を示す断面
図800である。
図8に示すように、内部熱積層構成の一部は、放熱のために熱をSoC IC装置202から第1のハウジング要素210の第1の外面230に伝達することができる、第1のTIM220と、第1のヒートスプレッダ218と、第1のグラファイトシート214とを含む。
【0066】
また、
図8は、第2のTIM228と、第2のヒートスプレッダ226と、第2のグラファイトシート222と、1つ以上の第3のTIM802とを含む内部熱積層構成の別の部分を示している。第2のヒートスプレッダ226と第2のグラファイトシート222との間に配置されている1つ以上の第3のTIM802は、第2のヒートスプレッダ226と第2のグラファイトシート222との間の熱伝導経路を提供することができ、IC装置314と第2のハウジング要素212の第2の外面232との間の熱流路の熱抵抗を低減するのに有効である。いくつかの例において、これは、SoC IC装置202から第2のハウジング要素212への熱伝達率を増加させ、IC装置314から第1のハウジング要素210への別の熱伝達率を減少させることにより、第1のハウジング要素210の外面および第2のハウジング要素212の外面(例えば、それぞれ第1の外面230および232)の温度を実質的に均衡させることができる。
【0067】
図9は、メディアストリーミング装置102にわたる複数の熱ゾーンの例示的な詳細900を示している。
図9は、熱制御システム108の概略図を含む。熱回路図とも呼ばれるこの概略図は、メディアストリーミング装置102内の熱負荷源および熱伝達経路を示している。一般的に、熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102に作用する熱負荷条件(例えば、内部熱負荷106)からのエネルギーを拡散および伝達することによって、メディアストリーミング装置102内の複数の熱ゾーンの温度を対応する複数の温度閾値以下に同時に維持することができる。
【0068】
複数の熱ゾーンは、SoC IC装置202を含む第1の熱ゾーン902を含む。第1の熱ゾーン902は、(例えば、内部熱負荷106が最大4Wの速度でメディアストリーミング装置102に熱を放出する)熱負荷条件下で、SoC IC装置202内のダイオードの許容可能な接合温度に対応する第1の所定の温度閾値を有することができる。一例として、第1の所定の温度閾値は、約95℃であってもよい。このような例において、熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を拡散および伝達することによって、第1の熱ゾーン902を第1の所定の温度閾値以下に維持することができる(例えば、熱負荷条件下で、SoC IC装置202内のダイオードの接合温度を95℃以下に維持することができる)。
【0069】
また、複数の熱ゾーンは、PCB206の第2の表面208を有する第2の熱ゾーン904を含む。第2の熱ゾーン904は、約85℃であり得る第2の所定の温度閾値を有することができる。このような例において、熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を拡散および伝達することによって、第2の熱ゾーン904を第2の所定の温度閾値(例えば、85℃以下であるPCB206の第2の表面208の許容可能な表面温度)以下に維持することができる。
【0070】
また、第1のハウジング要素210を含む第3の熱ゾーン906も、複数の熱ゾーンの一部である。第3の熱ゾーン906は、第1のハウジング要素210の第1の外面230の第1の許容可能な人間工学的タッチ温度に対応する第3の所定の温度閾値を有することができる。一例として、第3の所定の温度閾値は、約72℃であってもよい。このような例において、熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を同時に拡散および伝達することによって、第3の熱ゾーン906を第3の所定の温度閾値以下に維持することができる(例えば、高熱負荷条件下で、第1のハウジング要素210の第1の外面230の第1の許容可能な人間工学的タッチ温度を72℃以下に維持することができる)。
【0071】
また、第2のハウジング要素212を含む第4の熱ゾーン908も、複数の熱ゾーンの一部である。第4の熱ゾーン908は、第2のハウジング要素212の第2の外面232の第2の許容可能な人間工学的タッチ温度に対応する第4の所定の温度閾値を有することができる。一例として、第4の所定の温度閾値は、約72℃であってもよい。このような例において、熱制御システム108は、メディアストリーミング装置102の全体にわたってエネルギー(例えば、熱)を同時に拡散および伝達することによって、第4の熱ゾーン908を第4の所定の温度閾値以下に維持することができる(例えば、高熱負荷条件下で、第2のハウジング要素212の第2の外面232の第2の許容可能な人間工学的タッチ温度を72℃以下に維持することができる)。
【0072】
熱制御システム108は、対流および放射熱伝達を使用して、メディアストリーミング装置の全体にわたってエネルギー(例えば、内部熱負荷106からの熱)を同時に伝達および拡散することができる。熱は、その後、第1のハウジング要素210の第1の外面230および第2のハウジング要素212の第2の外面232を介して放散されてもよい。一般的に、熱制御システム108は、4つの熱ゾーン(902、904、906、908)の温度をそれぞれの所定の温度閾値以下に同時に維持することができる。さらに、熱制御システム108は、(例えば、ファン、ポンプ、または他の能動的な熱伝達機構を含まない)受動的な熱制御システムであってもよい。
【0073】
いくつかの例において、上記の式(4)によって定量化されるように、熱制御システム108の有効CTSは、第1の表面から放散される熱の速度(例えば、qds1912)と、第2の表面から放散される熱の速度(例えば、qds2910)とのバランスをとることができ、その結果、第3の熱ゾーン906と第4の熱ゾーン908との間の温度差(例えば、第1のハウジング要素210の第1の外面230と第2のハウジング要素212の第2の外面232との間の温度差)を2℃未満にすることができる。
【0074】
いくつかの例において、熱制御システム108は、SoC IC装置熱制御サブシステム110の要素を含んでもよい。例えば、熱制御システム108は、第1のグラファイトシート214、第1のヒートスプレッダ218、または第1のTIM220のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0075】
加えて、いくつかの他の事例において、熱制御システム108は、他のIC装置熱制御サブシステム112の要素を含んでもよい。例えば、熱制御システム108は、第2のグラファイトシート222、第2のヒートスプレッダ226、または第2のTIM228のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0076】
メディアストリーミング装置の熱制御システムのための技術および装置を説明したが、添付の特許請求の範囲の主題は、説明された特定の特徴または方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴および方法は、メディアストリーミング装置の熱制御システムを実装することができる例示的な方法として開示されている。