(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-14
(45)【発行日】2025-08-22
(54)【発明の名称】保険支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20250815BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20250815BHJP
【FI】
G16H40/00
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2024177741
(22)【出願日】2024-10-10
【審査請求日】2024-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】324009442
【氏名又は名称】株式会社four dentals
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】藤里 央
【審査官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-126793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 40/08
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険の引受を支援する保険支援システムであって、
複数の歯科医院のそれぞれについて、当該歯科医院を保険者、当該歯科医院に通院する患者を被保険者として当該被保険者が当該保険者により受けた歯科診療又は当該保険者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う保険契約に関する契約情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて記憶手段に登録する契約情報登録手段と、
前記保険契約に係る給付の請求に関する給付請求情報、及び、当該請求に係る被保険者が当該請求に係る保険者により受けた歯科診療又は当該保険者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に関する実績情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録する給付請求情報登録手段と、
前記給付の請求に係る保険者及び被保険者について、前記記憶手段の契約情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて前記保険契約に係る給付に関する給付情報を生成する給付情報生成手段とを備えることを特徴とする保険支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記契約情報は、前記被保険者の歯のうち給付の対象となる歯及び給付の可否又は程度に関する被保険歯情報を含み、
前記実績情報は、前記被保険者が前記保険者により前記給付の対象となる歯について受けた治療の実績に関する実績情報であることを特徴とする保険支援システム。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項において、
前記給付情報は、ポイントに関するポイント情報であり、
前記被保険者に対して前記保険者が行う費用の請求に関する費用請求情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録する費用請求情報登録手段と、
前記ポイントの利用に関するポイント利用情報を、当該ポイントの利用先である保険者に関する保険者情報及び当該ポイントの利用を申請する被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録するポイント利用情報登録手段と、
前記費用の請求に係る保険者及び被保険者について、前記記憶手段の費用請求情報及びポイント利用情報に基づいて当該費用の精算情報を生成する精算情報生成手段とを備えることを特徴とする保険支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険の引受を支援するシステムに係り、特に、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上するのに好適な保険支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保険の引受を支援する技術としては、例えば、特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、歯科医院の患者がその歯科特約を含んだ生命保険の被保険者である場合に、その患者の自由診療費と、生命保険情報記憶部に基づいて担保となるべき、生命保険に関するその患者への支払い金とを比較する。そして、その比較結果に基づいて、歯科医院への自由診療費への支払いにおいて診療費の一部を負担するとともに、被保険者に代わって歯科医院への自由診療費の立て替えを行うか否かの判別と、その方法及び金額を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブが得られないという問題があった。すなわち、特許文献1記載の技術にあっては、保険会社からの保険金を自由診療費の支払いに充てることができるので、歯科医院は、高額又は頻繁な自由診療を勧めることにインセンティブが働くことはあっても、これは、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組み、将来に渡ってできるだけ患者に治療が生じないようにすることには逆行することになる。患者の歯が健康であれば診療費収入が少なくなるからである。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上するのに好適な保険支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の保険支援システムは、保険の引受を支援する保険支援システムであって、複数の歯科医院のそれぞれについて、当該歯科医院を保険者、当該歯科医院に通院する患者を被保険者として当該被保険者が当該保険者により受けた歯科診療又は当該保険者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う保険契約に関する契約情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて記憶手段に登録する契約情報登録手段と、前記保険契約に係る給付の請求に関する給付請求情報、及び、当該請求に係る被保険者が当該請求に係る保険者により受けた歯科診療又は当該保険者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に関する実績情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録する給付請求情報登録手段と、前記給付の請求に係る保険者及び被保険者について、前記記憶手段の契約情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて前記保険契約に係る給付に関する給付情報を生成する給付情報生成手段とを備える。
【0008】
このような構成であれば、契約情報登録手段により契約情報が、給付請求情報登録手段により給付請求情報及び実績情報がそれぞれ記憶手段に登録される。そして、給付情報生成手段により、契約情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて給付情報が生成される。
【0009】
ここで、本発明の技術的範囲を理解する上で「保険契約」「保険者」「被保険者」「保険料」とは、保険法第2条に規定する「保険契約」「保険者」「被保険者」「保険料」をいい、これには、「共済契約」「共済者」「被共済者」「共済掛金」が含まれる。すなわち、特許請求の範囲及び「課題を解決するための手段」の欄に記載される「保険」の用語は、共済及び狭義の保険を含む上位概念の用語である。
【0010】
また、歯科診療としては、例えば、歯科に関する診断、治療、予防処置、手術その他の診療、又は、保険診療、自由診療その他の方式による診療が含まれる。
【0011】
また、記憶手段は、契約情報をあらゆる手段で且つあらゆる時期に記憶するものであり、契約情報を予め記憶してあるものであってもよいし、契約情報を予め記憶することなく、本システムの動作時に外部からの入力等によって契約情報を記憶するようになっていてもよい。依頼情報記憶手段について、及び、以下、他の記憶手段については同じである。
【0012】
また、契約情報を保険者情報と対応づけて記憶することとしては、例えば、(1)契約情報及び保険者情報を同一のレコードに登録するなど、直接対応づけて記憶すること、(2)契約情報及び中間情報を対応づけて登録するテーブルと、保険者情報及び中間情報を対応づけて登録するテーブルを設けるなど、中間に1又は複数の情報を介して記憶することが含まれる。すなわち、保険者情報から契約情報を辿ることができる態様であれば、あらゆるデータ構造を採用することができる。なお、契約情報は、保険者情報と対応づけて記憶手段に記憶すればよく、記憶手段に保険者情報を記憶することは必ずしも要しない。以下、情報を対応づけて記憶する概念については同じである。
【0013】
また、本システムは、単一の機器、装置、端末その他のデバイスとして実現するようにしてもよいし、複数の機器、装置、端末その他のデバイスを通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数のデバイスのうちいずれに属していてもよい。
【0014】
〔発明2〕 さらに、発明2の保険支援システムは、発明1の保険支援システムにおいて、前記契約情報は、前記被保険者の歯のうち給付の対象となる歯及び給付の可否又は程度に関する被保険歯情報を含み、前記実績情報は、前記被保険者が前記保険者により前記給付の対象となる歯について受けた治療の実績に関する実績情報である。
【0015】
このような構成であれば、給付情報生成手段により、給付の請求に係る保険者及び被保険者について、被保険歯情報、給付請求情報及びその被保険者がその保険者により給付の対象となる歯及び給付の可否又は程度について受けた治療の実績に関する実績情報に基づいて給付情報が生成される。
【0016】
〔発明3〕 さらに、発明3の保険支援システムは、発明1及び2のいずれか1の保険支援システムにおいて、前記給付情報は、ポイントに関するポイント情報であり、前記被保険者に対して前記保険者が行う費用の請求に関する費用請求情報を、当該保険者に関する保険者情報及び当該被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録する費用請求情報登録手段と、前記ポイントの利用に関するポイント利用情報を、当該ポイントの利用先である保険者に関する保険者情報及び当該ポイントの利用を申請する被保険者に関する被保険者情報と対応づけて前記記憶手段に登録するポイント利用情報登録手段と、前記費用の請求に係る保険者及び被保険者について、前記記憶手段の費用請求情報及びポイント利用情報に基づいて当該費用の精算情報を生成する精算情報生成手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、給付情報生成手段により、ポイントに関するポイント情報が生成される。費用請求情報登録手段により費用請求情報が、ポイント利用情報登録手段によりポイント利用情報がそれぞれ記憶手段に登録される。そして、精算情報生成手段により、費用請求情報及びポイント利用情報に基づいて精算情報が生成される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、発明1の保険支援システムによれば、保険者である歯科医院は、被保険者である患者に対する治療の程度又は回数が少なくなれば保険料収入が増えるので、従来に比して、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上することができる。
【0019】
さらに、発明2の保険支援システムによれば、被保険者の歯ごとに保険の適用の可否又は程度を設定することができるので、患者の歯の状態を把握している歯科医院が保険者として保険リスクをコントロールすることができる。
【0020】
さらに、発明3の保険支援システムによれば、保険契約に係る給付をポイントとして受け、それを歯科医院の歯科診療等に充てることができるので、保険契約に係る請求、給付及び利用をシームレスに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】共済支援サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】共済の主契約及び特約の内容を示す表である。
【
図4】引受基準の目的、考え方及び歯ごとの給付率を示す表である。
【
図6】歯科医院が共済の導入及び提供を行う場合の流れを示す図である。
【
図7】患者が歯科医院に予防通院を行い、給付を受ける場合の流れを示す図である。
【
図8】患者が歯科医院により治療を受け、給付を受ける場合の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1~
図8は、本実施の形態を示す図である。
本実施の形態では、歯科医院を共済者、歯科医院に通院する患者を被共済者として被共済者が共済者により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う共済(以下単に「共済」という。)の引受を行う場合、及び、共済の引受及び運用を行うサービス(以下「運用サービス」という。)をサービス提供企業が各歯科医院に提供する場合を説明する。
【0023】
〔本実施の形態の構成〕
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0024】
インターネット199には、
図1に示すように、共済の引受を支援する共済支援サーバ100と、複数の歯科医院のそれぞれについてその歯科医院が利用する医院端末200と、複数の患者のそれぞれについてその患者が利用する患者端末300とが通信可能に接続されている。
【0025】
〔共済支援サーバ100〕
次に、共済支援サーバ100のハードウェア構成を説明する。
【0026】
図2は、共済支援サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
共済支援サーバ100は、
図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0027】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44とが接続されている。I/F38は、ネットワークアダプタとしての機能を有し、インターネット199に接続するための信号線が接続されている。
【0028】
〔医院端末200〕
次に、医院端末200のハードウェア構成を説明する。
医院端末200は、共済支援サーバ100と同様に、CPU、ROM、RAM及びI/F等をバス接続した一般的なコンピュータと同様のハードウェア構成を有して構成されている。医院端末200は、例えば、デスクトップPC、スマートフォン又はタブレット端末として構成することができる。
【0029】
〔患者端末300〕
次に、患者端末300のハードウェア構成を説明する。
患者端末300は、共済支援サーバ100と同様に、CPU、ROM、RAM及びI/F等をバス接続した一般的なコンピュータと同様のハードウェア構成を有して構成されている。患者端末300は、例えば、デスクトップPC、スマートフォン又はタブレット端末として構成することができる。
【0030】
〔共済の内容〕
次に、共済の内容を説明する。
図3は、共済の主契約及び特約の内容を示す表である。
【0031】
共済契約は、
図3に示すように、加入が必須となる主契約と、加入が任意となる特約とからなる。
【0032】
主契約は、歯科診療として予防処置を受けるために歯科医院に通院すること(以下「予防通院」という。)に関する保障と、歯科診療として治療に関する保障とを含む。予防通院に関する保障の内容としては、例えば、給付として所定のポイント(
図3の例では、3000ポイント)が設定され、予防通院に対しては、年2回を上限として予防通院ごとに被共済者に3000ポイントが給付される。治療に関する保障の内容としては、例えば、給付として所定の給付金(
図3の例では、治療の種別ごとに50000円、50000円、100000円、200000円)が設定されている。治療に対しては、治療ごとに所定の給付金が被共済者に給付される。また、主契約には、所定の共済掛金(
図3の例では、月額1500円)が設定されている。
【0033】
特約は、例えば、ホワイトニング又は審美治療に関する保障を含む。ホワイトニング又は審美治療に関する保障の内容としては、例えば、給付として所定の給付金(
図3の例では、15000円)、及び、所定の共済掛金(
図3の例では、月額800円)が設定されている。患者は、所定の条件(例えば、1年間治療を1度も行わなかったこと)を満たした場合、ホワイトニング又は審美治療を給付金相当の割引で受けることができる。
【0034】
図4は、引受基準の目的、考え方及び歯ごとの給付率を示す表である。
主契約については、
図4に示すように、患者の歯ごとに給付率を設定することができる。これにより、治療を受けた患者に対しては、その治療について設定されている給付金に、治療の対象となった歯について設定されている給付率を乗じて得られた金額が給付される。
【0035】
図4の例では、患者の歯の状態に応じて100%、70%、30%、0%の4段階の給付率が設定されている。例えば、100%が設定されている歯について
図4の根管治療を受けた場合は、100000円×100%=100000円が給付され、30%設定されている歯について同治療を受けた場合は、100000円×30%=30000円が給付される。
【0036】
〔記憶装置42〕
次に、記憶装置42のデータ構造を説明する。
記憶装置42は、各種テーブルを記憶している。
【0037】
図5は、各種テーブルのデータ構造を示す図である。
歯科医院情報登録テーブル400は、
図5(a)に示すように、歯科医院ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、歯科医院を識別するための医院ID、歯科医院の名称、歯科医院の住所、その他歯科医院に関する情報が登録されている。
【0038】
患者情報登録テーブル402は、歯科医院ごとに設けられている。患者情報登録テーブル402は、
図5(b)に示すように、患者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、患者を識別するための患者ID、患者の氏名、患者の生年月日、患者の性別、患者の連絡先(例えば、メールアドレス又は電話番号)、患者のアカウント情報、その他患者に関する情報が登録されている。
【0039】
サービス情報登録テーブル404は、
図5(c)に示すように、運用サービスの提供を受ける歯科医院ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、運用サービスの提供を受ける歯科医院の医院ID、運用サービスの提供を開始する年月日(開始日)、歯科医院が引受可能な共済の保障内容、共済の約款、その他運用サービスに関する情報が登録されている。
【0040】
契約情報登録テーブル406は、歯科医院ごとに設けられている。契約情報登録テーブル406は、
図5(d)に示すように、共済に加入した患者ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、共済に加入した患者の患者ID、共済に加入した年月日(加入日)、患者が加入した共済の保障内容、その他共済契約に関する情報が登録されている。
【0041】
歯情報登録テーブル408は、歯科医院ごとに設けられている。歯情報登録テーブル408は、
図5(e)に示すように、共済に加入した患者及びその患者の歯ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、患者ID、患者の歯を識別するための歯ID、給付率、その他患者の歯に関する情報が登録されている。
【0042】
請求情報登録テーブル410は、
図5(f)に示すように、給付の請求ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、給付の請求を識別するための請求ID、請求を行った患者の患者ID、患者が歯科診療を受けた歯科医院の医院ID、請求を行った年月日(請求日)、請求により給付された給付ポイント、請求により給付された給付金、請求の原因となった歯科診療を受けた年月日(診療日)、請求の原因となった歯の歯ID、請求の原因となった歯科診療の内容、請求の原因となった歯科診療に係る領収書のファイル名、その他給付の請求に関する情報が登録されている。
【0043】
ポイント履歴情報登録テーブル412は、
図5(g)に示すように、ポイントの取得又は利用ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードには、ポイントを取得又は利用した患者の患者ID、患者がポイントを取得又は利用した歯科医院の医院ID、ポイントを取得した年月日(取得日)又は利用した年月日(利用日)、取得したポイント、利用したポイント、保有しているポイント、その他ポイントに関する情報が登録されている。
【0044】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
以下の説明では、サービス提供企業を「運用者」、1つの共済契約についてその共済者を「歯科医院」、その被共済者を「患者」という。また、医院ID、患者ID及び歯IDは、共済支援サーバ100の管理画面において歯科医院又は患者が歯科医院、患者又は歯に関する情報を入力することにより共済支援サーバ100で特定することができる。請求IDは、請求ごとに共済支援サーバ100で発行される。また、医院ID、患者ID、歯ID及び請求IDを介してテーブル400~412の情報を相互に参照することができる。
【0045】
まず、歯科医院が共済を導入する場合を説明する。
図6は、歯科医院が共済の導入及び提供を行う場合の流れを示す図である。
【0046】
歯科医院が共済を導入する場合は、
図6(a)に示すように、ステップS100~S108の順に手続及び処理が行われる。これらのうちステップS104でコンピュータによる情報処理が行われる。情報処理は、CPU30により、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムが起動し、そのプログラムに従って実行される。
【0047】
ステップS100では、歯科医院が共済の導入を決定する。
ステップS102では、運用者と歯科医院との間で共済の保障内容を決定する。保障内容としては、主契約について、予防通院を保障の対象とする場合は予防通院の項目及び給付するポイント、治療を保障の対象とする場合は治療の項目及び給付金、並びに共済掛金を決定する。また、特約を付帯する場合はその特約について、治療その他の歯科診療の項目及び給付金、並びに共済掛金を決定する。
【0048】
ステップS104では、決定した保障内容に基づいて運用者が共済約款(歯科医院と患者との間で締結される共済の契約書)を作成する。決定した保障内容及び作成した共済約款に関するサービス情報は、医院ID及び患者IDと対応づけられて記憶装置42に記憶される。共済支援サーバ100では、サービス情報が記憶装置42から取得され、取得されたサービス情報に基づいて、医院ID、開始日、保障内容及び共済約款がサービス情報登録テーブル404に登録される。
【0049】
ステップS106では、作成した共済約款に基づいて運用者が患者説明用の共済チラシを作成する。
【0050】
ステップS108では、共済の提供が開始される。
次に、歯科医院が共済を提供する場合を説明する。
【0051】
歯科医院が共済を提供する場合は、
図6(b)に示すように、ステップS150~S160の順に手続及び処理が行われる。これらのうちステップS150~S158でコンピュータによる情報処理が行われる。
【0052】
ステップS150では、既存の患者に関する患者情報を運営者が一括で登録する。記憶装置42には、既存の患者に関する患者情報がCSVファイル等として記憶されている。共済支援サーバ100では、既存の患者に関する患者情報が記憶装置42から取得され、取得された患者情報に基づいて、患者ID、氏名、生年月日、性別及び連絡先が患者情報登録テーブル402に登録される。
【0053】
ステップS152では、新規の患者に関する患者情報を歯科医院が個別に登録する。歯科医院は、医院端末200において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、新規の患者に関する患者情報を入力すると、共済支援サーバ100に患者情報が送信される。共済支援サーバ100では、患者情報を受信すると、受信した患者情報に基づいて、患者ID、氏名、生年月日、性別及び連絡先が患者情報登録テーブル402に登録される。登録は、新規の患者が発生した都度行うことができる。
【0054】
ステップS154では、歯科医院が定める引受基準をもとに、各患者について歯ごとの給付率を歯科医院が登録する。歯科医院は、医院端末200において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、患者の歯及び給付率に関する歯情報を入力すると、共済支援サーバ100に歯情報が送信される。共済支援サーバ100では、歯情報を受信すると、受信した歯情報に基づいて、患者ID、歯ID及び給付率が歯情報登録テーブル408に登録される。
【0055】
ステップS156では、患者がアカウントを作成する。患者は、患者端末300において、例えば、歯科医院から提供された二次元バーコード等を読み取ると、共済支援サーバ100に接続され、アカウント作成画面が表示される。患者は、患者端末300において、アカウント作成画面において患者がアカウント作成に必要な情報(例えば、ユーザID及びパスワード)を入力すると、入力された情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、アカウント作成に必要な情報を患者端末300から受信すると、受信した情報に基づいて、患者のアカウントが発行され、そのアカウント情報が患者情報登録テーブル402に登録される。
【0056】
ステップS158では、患者が自己のアカウントから共済契約に加入する。患者は、患者端末300において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、共済の保障内容(特約付帯の有無を含む。)を入力し加入の申込を行うと、共済契約に関する契約情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、契約情報を受信すると、受信した契約情報に基づいて、患者ID、加入日及び保障内容が契約情報登録テーブル406に登録される。
【0057】
ステップS160では、共済契約が開始される。
次に、患者が歯科医院に予防通院を行い、給付を受ける場合を説明する。
【0058】
図7は、患者が歯科医院に予防通院を行い、給付を受ける場合の流れを示す図である。
患者が歯科医院に予防通院を行い、給付を受ける場合は、
図7に示すように、ステップS200~S212の順に手続及び処理が行われる。これらのうちステップS204~S210でコンピュータによる情報処理が行われる。
【0059】
ステップS200では、患者が予防通院を行う。
ステップS202では、歯科医院が予防通院に係る領収書を交付する。
【0060】
ステップS204では、患者が自己のアカウントから領収書を添付しポイントを請求する。患者は、患者端末300において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、領収書ファイルを添付し予防通院に係る給付の請求を行うと、給付の請求に関する給付請求情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、給付請求情報を受信すると、受信した給付請求情報に基づいて、請求ID、患者ID、医院ID、請求日及び領収書ファイルが請求情報登録テーブル410に登録される。
【0061】
また、歯科医院は、医院端末200において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、予防通院の実績に関する実績情報を入力すると、共済支援サーバ100に実績情報が送信される。共済支援サーバ100では、実績情報に基づいて、請求ID、患者ID、医院ID、診療日及び歯科診療の内容(予防通院)が請求情報登録テーブル410に登録される。
【0062】
ステップS206では、給付の請求に対し歯科医院が承認を行い、ポイントを給付する。医院端末200では、給付の請求に対し承認を行うべき旨の通知を共済支援サーバ100から受信し、共済支援サーバ100の管理画面にログインすると、請求内容が表示される。歯科医院は、請求内容に対し承認を行うと、承認を行ったことを示す承認情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、承認情報を受信すると、請求情報登録テーブル410及び契約情報登録テーブル406の情報に基づいて給付ポイントが算出される。具体的には、請求IDに対応する医院ID、患者ID及び診療内容が請求情報登録テーブル410から取得され、医院ID及び患者IDに対応する保障内容が契約情報登録テーブル406から取得される。そして、保障内容のうち診療内容に対応するポイントが特定されることにより給付ポイントが算出される。算出された給付ポイントは、請求ID、医院ID及び患者IDと対応づけられて請求情報登録テーブル410及びポイント履歴情報登録テーブル412に登録される。
【0063】
ステップS208では、患者が自己のアカウントからポイントを利用申請する。患者は、歯科診療の費用又はオーラルケアグッズの購入費用に対しポイントの利用を希望する場合、会計時にその旨を歯科医院に申し込む。患者は、患者端末300において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、ポイントの利用に関するポイント利用情報を入力すると、ポイント利用情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、ポイント利用情報を受信すると、受信したポイント利用情報に基づいて、患者ID、医院ID、利用日、利用ポイント及び利用後の保有ポイントがポイント履歴情報登録テーブル412に登録される。
【0064】
ステップS210では、ポイントの利用申請に対し歯科医院が承認を行い、ポイント分を割引する。歯科医院は、医院端末200において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、歯科診療等に対する費用の請求に関する費用請求情報を入力すると、費用請求情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、費用請求情報を受信すると、受信した費用請求情報が医院ID及び患者IDと対応づけられて記憶装置42に記憶される。その後、歯科医院は、医院端末200において、ポイントの利用申請に対し承認を行うべき旨の通知を共済支援サーバ100から受信し、共済支援サーバ100の管理画面にアクセスすると、申請内容が表示される。歯科医院は、申請内容に対し承認を行うと、承認を行ったことを示す承認情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、承認情報を受信すると、記憶装置42の費用請求情報及びポイント履歴情報登録テーブル412の情報に基づいて費用の精算情報が生成される。利用ポイントが費用以上である場合は、患者が支払うべき金額が0円であることを示す精算情報が生成される。利用ポイントが費用を下回っている場合は、費用から利用ポイントを差し引いた差引金額が算出され、患者が支払うべき金額が差引金額であることを示す精算情報が生成される。ただし、利用ポイントは、利用前の保有ポイントを超えることはできない。精算情報は、医院ID及び患者IDと対応づけられて記憶装置42に記憶される。共済支援サーバ100では、精算情報に基づいて領収書が発行され、医院端末200では、その領収書が印刷されて患者に渡される。
【0065】
ステップS212では、不正防止のため領収書内容や承認時期(例えば、給付の請求からの経過日数)等を運営者が不定期にチェックを行う。
【0066】
次に、患者が歯科医院により治療を受け、給付を受ける場合を説明する。
図8は、患者が歯科医院により治療を受け、給付を受ける場合の流れを示す図である。
【0067】
患者が歯科医院により治療を受け、給付を受ける場合は、
図8に示すように、ステップS300~S318の順に手続及び処理が行われる。これらのうちステップS304、S306、S312~S316でコンピュータによる情報処理が行われる。
【0068】
ステップS300では、給付の対象となる歯について歯科医院が治療の必要性があると判断する。
【0069】
ステップS302では、歯科医院が治療計画を作成し、治療計画に対する患者の同意を取得する。患者の同意に関する同意情報は、医院端末200又は患者端末300での入力を通じて共済支援サーバ100により医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に記憶してもよい。
【0070】
ステップS304では、歯科医院が治療計画書を運用者に送付する。治療計画書に関する計画情報は、医院端末200又は患者端末300での入力を通じて共済支援サーバ100により医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に記憶してもよい。
【0071】
ステップS306では、治療計画書に基づいて運営者が審査を実施し、審査結果を歯科医院及び患者に通知する。審査結果に関する情報は、共済支援サーバ100から医院端末200及び患者端末300に通知してもよい。治療計画に基づき運営者が治療の事前に審査を行うので、患者は、治療計画に対し、他の歯科医院に通うことなく擬似的にセカンドオピニオンを受けることができる。
【0072】
ステップS308では、治療計画に基づいて歯科医院が患者に対し治療を実施する。
ステップS310では、歯科医院が治療に係る領収書を交付する。
【0073】
ステップS312では、患者が自己のアカウントから領収書を添付し給付金を請求する。患者は、患者端末300において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、領収書ファイルを添付し治療に係る給付の請求を行うと、給付の請求に関する給付請求情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、給付請求情報を受信すると、受信した給付請求情報に基づいて、請求ID、患者ID、医院ID、請求日及び領収書ファイルが請求情報登録テーブル410に登録される。
【0074】
また、歯科医院は、医院端末200において、共済支援サーバ100の管理画面にログインし、治療の実績に関する実績情報を入力すると、共済支援サーバ100に実績情報が送信される。共済支援サーバ100では、実績情報に基づいて、請求ID、患者ID、医院ID、診療日、歯ID及び歯科診療の内容(治療)が請求情報登録テーブル410に登録される。
【0075】
ステップS314では、給付の請求に対し歯科医院が承認を行い、給付金を給付する。医院端末200では、給付の請求に対し承認を行うべき旨の通知を共済支援サーバ100から受信し、共済支援サーバ100の管理画面にログインすると、請求内容が表示される。歯科医院は、請求内容に対し承認を行うと、承認を行ったことを示す承認情報が共済支援サーバ100に送信される。共済支援サーバ100では、承認情報を受信すると、請求情報登録テーブル410、契約情報登録テーブル406及び歯情報登録テーブル408の情報に基づいて給付金が算出される。具体的には、請求IDに対応する医院ID、患者ID、歯ID及び診療内容が請求情報登録テーブル410から取得され、医院ID及び患者IDに対応する保障内容が契約情報登録テーブル406から取得され、患者ID及び歯IDに対応する給付率が歯情報登録テーブル408から取得される。そして、保障内容のうち診療内容に対応する給付金(満額)が特定され、給付金(満額)に給付率を乗じて得られた金額が給付金として算出される。算出された給付金は、請求ID、医院ID、患者ID及び歯IDと対応づけられて請求情報登録テーブル410に登録される。
【0076】
ステップS316では、運営者が給付金を患者の口座に振り込む。
ステップS318では、不正防止のため領収書内容や承認時期(例えば、給付の請求からの経過日数)等を運営者が不定期にチェックする。
【0077】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、共済支援サーバ100は、各歯科医院ごとに、共済の契約に関する契約情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の請求に関する給付請求情報及び歯科診療の実績に関する実績情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の請求に係る歯科医院及び患者について、記憶装置42の契約情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて給付ポイント又は給付金に関する給付情報を生成する。
【0078】
これにより、歯科医院は、患者に対する治療の程度又は回数が少なくなれば共済掛金収入が増えるので、従来に比して、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態では、共済支援サーバ100は、給付の対象となる歯に関する歯情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の対象となる歯について受けた治療の実績に関する実績情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の請求に係る歯科医院及び患者について、記憶装置42の契約情報、歯情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて給付金に関する給付情報を生成する。
【0080】
これにより、患者の歯ごとに共済の適用の可否又は程度を設定することができるので、患者の歯の状態を把握している歯科医院が共済リスクをコントロールすることができる。共済リスクの高い患者(例えば、既に虫歯がある患者、又は、本来は抜歯しなければならないが本人の希望で歯を残している患者)であっても、歯ごとの共済の適用の可否又は程度の設定によって、共済に加入することができる。逆に、保険業界で使用される告知書(治療歴や入院歴等の自己申告)を用いて共済加入の可否を判断する方法では、精緻なリスク情報を入手できないので、共済リスクの高い患者は「加入不可」という判断をせざるを得ない。又は、共済リスクの高い患者について共済を引き受けてしまい、共済の健全性を悪化させてしまう。歯ごとの共済の適用の可否又は程度の設定によって、例えば「この歯は加入できないが、それ以外の歯は加入することができる」というような共済の引受を可能とし、多くの患者が加入することができる。
【0081】
さらに、本実施の形態では、歯科診療等に対する費用の請求に関する費用請求情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、ポイントの利用に関するポイント利用情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、費用の請求に係る歯科医院及び患者について、記憶装置42の費用請求情報及びポイント利用情報に基づいてその費用の精算情報を生成する。
【0082】
これにより、給付をポイントとして受け、それを歯科医院の歯科診療等に充てることができるので、契約に係る請求、給付及び利用をシームレスに行うことができる。ペティクレーム(発生頻度が高いが給付金の金額が小さい請求をいう。)は、保険商品化が難しい。理由としては、発生件数が多いため事務負担が増えるものの、それに見合う共済掛金収入が見込めないからである。本実施の形態では、被保険者に対しても予防歯科に取り組むインセンティブを持たせるために、予防通院に対する給付を行うところ、これは、まさにペティクレームである。そこで、現金ではなくポイントで給付及び利用を行うことにより事務負担を低減することができ、もってペティクレームへの対応及び共済掛金収入の確保を両立することができる。
【0083】
本実施の形態において、ステップS104は、発明1の契約情報登録手段に対応し、ステップS204、S312は、発明1の給付請求情報登録手段に対応し、ステップS206、S314は、発明1の給付情報生成手段に対応し、ステップS208は、発明3のポイント利用情報登録手段に対応している。また、ステップS210は、発明3の費用請求情報登録手段、又は発明3の精算情報生成手段に対応し、記憶装置42は、発明1又は3の記憶手段に対応し、医院IDは、発明1又は3の保険者情報に対応し、患者IDは、発明1又は3の被保険者情報に対応している。
【0084】
また、本実施の形態において、ステップS206、S314で算出される給付ポイント及び給付金は、発明1又は3の給付情報に対応している。
【0085】
〔変形例〕
なお、上記実施の形態及びその変形例において、テーブル400~412への登録は、オペレータが行うことができる。
【0086】
また、上記実施の形態及びその変形例において、共済支援サーバ100は、記憶装置42から情報を取得したが、これに限らず、その情報を医院端末200又は患者端末300から受信することができる。また、共済支援サーバ100は、医院端末200から情報を受信したが、これに限らず、その情報を記憶装置42から取得すること、又は、その情報を患者端末300から受信することができる。また、共済支援サーバ100は、患者端末300から情報を受信したが、これに限らず、その情報を記憶装置42から取得すること、又は、その情報を医院端末200から受信することができる。
【0087】
また、上記実施の形態及びその変形例において、予防通院の給付としてポイントを給付したが、これに限らず、給付金を給付することができる。また、治療の給付として給付金を給付したが、これに限らず、ポイントを給付することができる。すなわち、歯科診療に対しポイント又は給付金のいずれか又は両方を給付するかは任意に設定することができる。給付の対象とする歯科診療も任意に設定することができる。
【0088】
また、上記実施の形態及びその変形例において、共済は、被共済者が共済者により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う共済として構成したが、これに限らず、被共済者が共済者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う共済として、又は、被共済者が共済者により受けた歯科診療及び共済者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に応じて給付を行う共済として構成することができる。この場合、請求情報登録テーブル410には、被共済者が共済者が認めた歯科医院により受けた歯科診療の実績に関する情報を登録する。
【0089】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、ステップS206で給付ポイントを算出したが、これに限らず、任意の算出方法を採用することができる。例えば、診療内容ごとに給付ポイント(満額)を設定し、診療内容に応じた給付ポイントに給付率を乗じて算出することができる。同様に、ステップS314で給付金を算出したが、これに限らず、任意の算出方法を採用することができる。例えば、給付の対象となる歯科診療を1又は複数設定し、診療内容がこれに該当した場合にその給付金を算出することができる。その他、給付の対象となる歯科診療についてすべてポイントで給付してもよいし、すべて現金で給付してもよい。
【0090】
また、上記実施の形態及びその変形例において、共済支援サーバ100は、単一の装置として実現したが、これに限らず、一部の機能を別のサーバ等で構成することができる。また、共済支援サーバ100の一部又は全部は、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバ上の仮想サーバとして構成することができる。
【0091】
また、上記実施の形態及びその変形例において、共済支援サーバ100は、記憶装置42を利用するように構成したが、これに限らず、データベースサーバ等の外部の記憶装置を利用するように構成することもできる。
【0092】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、インターネット199からなるネットワークシステムに適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、インターネット199と同一方式により通信を行ういわゆるイントラネットに適用してもよい。もちろん、インターネット199と同一方式により通信を行うネットワークに限らず、任意の通信方式のネットワークに適用することができる。
【0093】
また、上記実施の形態及びその変形例において、情報処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32に予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0094】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0095】
また、上記実施の形態及びその変形例は相互に適用することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例に限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、共済契約ではなく狭義の保険契約を行う場合について本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
100…共済支援サーバ、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 40…入力装置、 42…記憶装置、 44…表示装置、 199…インターネット、 200…医院端末、 300…患者端末、 400…歯科医院情報登録テーブル、 402…患者情報登録テーブル、 404…サービス情報登録テーブル、 406…契約情報登録テーブル、 408…歯情報登録テーブル、 410…請求情報登録テーブル、 412…ポイント履歴情報登録テーブル
【要約】 (修正有)
【課題】歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上するのに好適な保険支援システムを提供する。
【解決手段】共済支援サーバ、複数の歯科医院の医院端末及び複数の患者端末が通信可能に接続されているシステムにおいて、共済支援サーバ100は、各歯科医院毎に、共済の契約に関する契約情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の請求に関する給付請求情報及び歯科診療の実績に関する実績情報を医院ID及び患者IDと対応づけて記憶装置42に登録し、給付の請求に係る歯科医院及び患者について、記憶装置42の契約情報、給付請求情報及び実績情報に基づいて給付ポイント又は給付金に関する給付情報を生成する。これにより、歯科医院は、患者に対する治療の程度又は回数が少なくなれば共済掛金収入が増えるので、従来に比して、歯科医院が患者に対し予防歯科に取り組むインセンティブを向上することができる。
【選択図】
図2