(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-14
(45)【発行日】2025-08-22
(54)【発明の名称】健康管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20250815BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20250815BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2025114860
(22)【出願日】2025-07-08
【審査請求日】2025-07-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】525269243
【氏名又は名称】森 貴久
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】森 貴久
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-58926(JP,A)
【文献】特開2024-58211(JP,A)
【文献】国際公開第2024/261936(WO,A1)
【文献】特開2003-141260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康保険制度における被保険者の健康管理システムであって、
健康診断実施機関から被保険者の健康診断情報を取得する第1の取得手段と、
前記健康診断情報に基づいて、第1のスコアを算出する第1のスコア算出手段と、
保険者から前記被保険者の健康保険利用情報を取得する第2の取得手段と、
前記健康保険利用情報に基づいて、第2のスコアを算出する第2のスコア算出手段と、
前記第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、第3のスコアを算出する第3のスコア算出手段と、
前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、前記被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段と、
を有することを特徴とする健康管理システム。
【請求項2】
前記被保険者の雇用主が存在する場合に前記雇用主に対し、前記第3のスコアを送信するスコア送信手段と、を有し、
前記特典は、前記雇用主から前記被保険者に付与される特典であること、
を特徴とする請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記被保険者の雇用主が存在しない場合に前記被保険者の居住する地方公共団体に対し、前記第3のスコアを送信するスコア送信手段と、を有し、
前記特典は、前記地方公共団体から前記被保険者に付与される特典であること、
を特徴とする請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記保険者に対し、前記第3のスコアを送信するスコア送信手段と、を有し、
前記特典は、前記被保険者に適用される保険料率を減ずる特典であること、
を特徴とする請求項1ないし3何れか一項に記載の健康管理システム。
【請求項5】
健康管理装置と、雇用主プログラムが読み込まれた雇用主のコンピュータと、地方公共団体プログラムが読み込まれた地方公共団体のコンピュータと、保険者プログラムが読み込まれた保険者のコンピュータと、を含む健康管理システムであって、
健康管理装置は、
健康診断実施機関から被保険者の健康診断情報を取得する第1の取得手段と、
前記健康診断情報に基づいて、第1のスコアを算出する第1のスコア算出手段と、
保険者から前記被保険者の健康保険利用情報を取得する第2の取得手段と、
前記健康保険利用情報に基づいて、第2のスコアを算出する第2のスコア算出手段と、
前記第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、第3のスコアを算出する第3のスコア算出手段と、
前記被保険者の雇用主が存在する場合に雇用主のコンピュータと、前記被保険者の雇用主が存在しない場合に前記被保険者の居住する地方公共団体のコンピュータと、前記保険者のコンピュータとに対し、前記第3のスコアを送信するスコア送信手段と、を有し、
雇用主プログラムは、
雇用主のコンピュータを、
前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、前記被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段と、して機能させ、
地方公共団体プログラムは、
地方公共団体のコンピュータを、
前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、前記被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段と、して機能させ、
保険者プログラムは、
保険者のコンピュータを、
前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、記被保険者に適用される保険料率をより減ずる特典を決定する特典決定手段と、して機能させる、
ことを特徴とする健康管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国の国民皆保険制度の下、政府全体の医療費は増加の一途をたどっており、保険料の上昇が保険者および被保険者の双方にとって大きな経済的負担となっている。都道府県・市区町村などの地方公共団体が運営する国民健康保険、企業の健康保険組合や協会けんぽ(全国健康保険協会)、公務員の共済組合、さらには船員保険に至るまで、各保険制度の財政は総じて厳しい状況にある。
【0003】
また現在、医療保険者は高齢者医療確保法に基づき特定健康診査を、事業主は労働安全衛生法第66条に基づき労働者に対して一般健康診断を実施しているが、健診制度全体として多額の経費を投じているにもかかわらず、疾病予防および医療費抑制効果は限定的であり、現状では十分な成果が得られているとは言い難いのが実情である。医療費適正化のために厚生労働省も保険者の予防健康づくりにインセンティブを考えているが、例えば令和5年度の特定健診の実施率は59.7%にとどまっており、現行の健診制度が国民にとってその必要性を実感しづらく、疾病予防や医療費抑制にもつながりにくい可能性があることを示唆している。
【0004】
特許文献1には、企業、健康保険組合、スポーツクラブなどの会員に対する健康管理システムに係り、特に健康診断データ、スポーツクラブの利用内容、サプリメントの利用などを考慮して会員の健康意識・行動に変化を与え健康志向を啓蒙するための健康インセンティブ・サポート・システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される発明は、会員の健康意識・行動に変化を与え健康志向を啓蒙するものの、効果的な健診制度の構築や健康保険利用の医療費支出抑制するにまで及ぶものではない。
【0007】
このように、我が国の上記健診制度にかかる状況に鑑みれば、疾病予防および医療費抑制に寄与する効果的な健診制度の構築が急務であると言える。即ち、今後の効果的な健診制度として、被保険者による健康診査の実施(受診)を促進し、疾患の発症率を低下させることで、健康保険利用の医療費支出を抑制し、ひいては被保険者の健康保険料負担軽減につながるような仕組みの導入が求められる。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、健康診査の実施(受診)を促進し、健康保険利用の医療費支出を抑制し、ひいては被保険者の健康保険料負担軽減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る健康管理システムは、健康保険制度における被保険者の健康管理システムであって、健康診断実施機関から被保険者の健康診断情報を取得する第1の取得手段と、前記健康診断情報に基づいて、第1のスコアを算出する第1のスコア算出手段と、保険者から前記被保険者の健康保険利用情報を取得する第2の取得手段と、前記健康保険利用情報に基づいて、第2のスコアを算出する第2のスコア算出手段と、前記第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、第3のスコアを算出する第3のスコア算出手段と、前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、前記被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施の形態によれば、健康診査の実施(受診)を促進し、健康保険利用の医療費支出を抑制し、ひいては被保険者の健康保険料負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る健康保険の種類を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る健康管理システムのネットワーク構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る健康管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る健康管理システムのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る健診スコア表の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る健保利用スコア表の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る特典計算表(雇用主用)を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る特典計算表((都道府県・市区町村用))を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る保険料率減算表の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る総合健康スコアに応じた特典付与をまとめた図である。
【
図12】本変形例に係る健康管理システムのソフトウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る健康保険の種類を説明する図である。我が国における健康保険制度においては、被保険者の「就業形態」や「所属団体」等によって健康保険(保険者)の加入先が異なっており、利用者と主な健康保険の種類は以下の通りである。
【0013】
・中小企業等の雇用主に雇用され、社会保険加入条件を満たす労働者(及びその扶養家族)は、「協会けんぽ」に加入する。
・大企業等の雇用主に雇用され、社会保険加入条件を満たす労働者(及びその扶養家族(被扶養者ともいう))は、「健康保険組合(組合健保)」に加入する。
・公務員(及びその扶養家族(被扶養者ともいう))は、共済組合に加入する。より具体的に、国家公務員は国家公務員共済組合、地方公務員の場合は地方公務員共済組合である。
・自営業フリーランス等の個人事業者は、国民健康保険(国保)に加入する。
・無職・退職者等の未就労者は、国民健康保険(国保)に加入する。
【0014】
なお、協会けんぽ(全国健康保険協会)、健康保険組合、共済組合など、健康保険制度を運営・管理する団体は、「保険者」と総称される。また、国民健康保険は、主に自営業者、未就労者など、正社員や公務員及びその扶養家族が加入する被用者保険に加入していない人々を対象とし、管轄は、市区町村が保険者(運営主体)として、被保険者の加入・脱退の手続き、保険証の交付、保険料の徴収、保険給付などの実務を担っている。一方で、都道府県は、財政運営の責任主体として、医療費の見通しに基づく保険料率の算定や、市区町村間の財政調整、制度の安定化に向けた管理的役割を果たしている。また、制度全体の法的枠組みや基準の策定、監督は、国(厚生労働省)が所管しており、都道府県や市区町村に対して助言・支援を行っている。
【0015】
また、上記健康保険の他にも、例えば、私立学校教職員は私立学校教職員共済、船舶法に規定される船員は船員保険、特定業界に属する自営業者は国保組合、75歳以上は後期高齢者医療制度、社会保険加入条件(週20時間以上の就労等)満たすパート・アルバイトは協会けんぽ又は組合健保に加入するが、本明細書においては本発明の理解を容易にするため、これらについての説明は割愛する。
【0016】
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図2は、本実施形態に係る健康管理システムのネットワーク構成例を示す図である。
図1の健康管理システム100は、健康管理サーバ10、健康診断実施機関20の健診DB20aとコンピュータ20b、保険者30の健康保険利用DB30aと総合健康スコアDB30bとコンピュータ30c、雇用主40の総合健康スコアDB40aとコンピュータ40b、都道府県・市区町村41の総合健康スコアDB41aとコンピュータ41bを含み、ネットワークを介して接続されている。
【0017】
健康管理サーバ10は、取得した健康診断情報(健診データ)及び健康保険利用情報(健保利用データ)に基づいて、被保険者の健康状態をスコア化し、当該スコアに基づいて、特典付与や保険料率の減点等を行うことを可能とするサーバ装置である。詳細は後述する。
【0018】
健康診断実施機関20は、病院、クリニック、健診センターなど、一般健診ないし特定健診の実施機関である。例えば年1回、各々の被保険者が健康診断実施機関20において健康診断ないし特定健診を受けると、その健診結果・記録として健診データが健診DB20aに保存される。なお、健診DB20aは、実際の各々の健康診断実施機関20ごとにより設けられている。
【0019】
ここで、「一般健診(一般健康診断)」は、労働安全衛生法に基づいて雇用者(事業者)が労働者に対して実施する定期健康診断や雇用時健診等を含み、被用者の健康状態を把握することを目的として企業により実施される。一方、「特定健診(特定健康診査)」は、高齢者医療確保法に基づき、主に40歳から74歳までの国民健康保険及び被用者保険の加入者(被扶養者)を対象として、生活習慣病の予防を目的に保険者が実施する健診制度である。即ち、一般健診は「事業主→労働者」という構造であり、労働者の業務適性や労働災害予防を目的とする。一方、特定健診は「保険者→被保険者」という構造であり、生活習慣病の早期発見および重症化予防を通じて、国民医療費の適正化を目的としている。
【0020】
保険者30は、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、国民健康保険を管轄する都道府県・市区町村(地方公共団体)など、被保険者に対して保険給付を行い、保険料を徴収し、健康保険制度を運営・管理する団体である。例えば、被保険者が医療機関(非図示)を受診すると、その診療結果・記録として健保利用データ(健康保険利用情報)が健康保険利用DB20bに保存される。健康保険利用DB20bは、実際の各々の保険者ごとにより設けられている。なお、ここでいう被保険者が医療機関(非図示)を受診するとは、健康診断実施機関20における一般健診ないし特定健診とは別のものであって、被保険者が適宜、医療機関で保険診療(診察・診断・治療)を受けることをいうものである。
【0021】
雇用主40は被保険者の雇用主である。都道府県・市区町村41は、被保険者の居住する「都道府県・市区町村」(地方公共団体)である。総合健康スコアDB30b、40a、41aについては詳しくは後述する。
【0022】
ネットワークは、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワークは、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを含む。
【0023】
(ハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係る健康管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。健康管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0024】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワークを介して他装置との通信を行う。
【0025】
(ソフトウェア構成)
図4は、本実施形態に係る健康管理システムのソフトウェア構成例を示す図である。健康管理サーバ10は、主な機能部として、健診データ取得部101、健診スコア算出部102、健保利用データ取得部103、健保利用スコア算出部104、総合健康スコア算出部105、総合健康スコア送信部106を有する。
【0026】
健診データ取得部101は、健康診断実施機関20から被保険者の健診データを取得する機能を有している。
【0027】
健診スコア算出部102は、健診データに基づいて、健診スコアを算出する機能を有している。
【0028】
健保利用データ取得部103は、保険者30から被保険者の健保利用データを取得する機能を有している。
【0029】
健保利用スコア算出部104は、健健保利用データに基づいて、健保利用スコアを算出する機能を有している。
【0030】
総合健康スコア算出部105は、健診スコアと健保利用スコアとに基づいて、総合健康スコアを算出する機能を有している。
【0031】
総合健康スコア送信部106は、雇用主40、地方公共団体41、及び、保険者30に、総合健康スコアを送信する機能を有している。
【0032】
また、雇用主40のコンピュータ40b、地方公共団体41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cは、主な機能部として、総合健康スコア受信部107、特典決定部108を有する。
【0033】
総合健康スコア受信部107は、総合健康スコア送信部106から、総合健康スコアを受信する機能を有している。
【0034】
特典決定部108は、総合健康スコアに基づいて、総合健康スコアが高いほど、被保険者に付与されるより有利な特典を決定する機能を有している。
【0035】
なお、各機能部は、健康管理サーバ10、雇用主40のコンピュータ40b、地方公共団体41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cは、CPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、記憶部の各DBは、ネットワーク上の外部記憶装置に配置することも可能である。また、上記コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0036】
<システムフロー>
図5は、本実施形態に係るフローチャートである。健康管理サーバ10のCPU11が本フローチャート処理を実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
(ステップS1-1)
まず、健康管理サーバ10は、健康診断実施機関20の健診DB20aから、健診結果・記録としての健診データを取得する。具体的に、健康管理サーバ10は、API(Application Programming Interface)等を介して、健診DB20aから、健診結果・記録としての健診データを取得することができる。
【0037】
なお、健診データの取得方法として、健康診断実施機関20から、健診結果・記録が記録された記憶媒体を介して取得してもよい。また、一般健診ないし特定健診を受けた被保険者が健康診断実施機関20から自身の情報端末(例えばスマートフォン、タブレット端末、PCなど)で健診データを受信した場合、被保険者が当該健診データを、自身の情報端末から健康管理サーバ10に送信することも可能である。また、健診データが紙媒体等に印字されたアナログ情報であれば、電子データ化して取得しうる。
【0038】
(ステップS1-2)
健康管理サーバ10は、健診結果・記録としての健診データを取得すると、当該被保険者について健診データのスコアリングを行う。スコアリング算出対象となる健診データとして、現在が2025年であれば、健診日に基づいて、例えば前年度の2024年1月1日から2024年12月31日というように、健診データのスコアリング算出対象期間を設定する。
【0039】
図6は、本実施形態に係る健診スコア表の一例を示す図である。健康管理サーバ10は、例えば
図6に示す健診スコア表に従って、当該被保険者の健診データに基づいて、健診スコア(健診健康スコア)を算出する。
【0040】
本実施形態に係る健診スコア表は、「評価項目」「判定基準」「点数(スコア)」が予め定められている。当該被保険者の健診データにおいて、例えば「飲酒量」が「飲まない(男女)」となっている場合、「点数」2を付与する。一方、当該被保険者が男性であって「飲酒(エタノール摂取)量」が「週140g以下」となっている場合、「点数」1を付与する。当該被保険者が女であって「飲酒量」が「週70g以下」となっている場合、「点数」1を付与する。また、「飲酒量」が「上記以外」(上記いずれにも非該当)となっている場合、「点数」0を付与する。
【0041】
また例えば「喫煙歴」が「喫煙歴なし」となっている場合、「点数」2を付与する。一方、「喫煙歴」が「禁煙」となっている場合、「点数」1を付与する。「喫煙歴」が「喫煙中」となっている場合、「点数」0を付与する。
【0042】
同様の要領で、健康管理サーバ10は、全「評価項目」について「判定基準」に従って合計点数を算出し、当該被保険者の健診スコアを得る。なお、
図6に示す健診スコア表の場合、最低健診スコアは0点であり、最大健診スコアは19点である。なお、当該被保険者について、健診データが取得できない(例えば健診を受けていない)場合、健診スコアは0点とする。
【0043】
(ステップS2-1)
健康管理サーバ10は、保険者30の健康保険利用DB20bから、診療結果・記録としてとしての健保利用データを取得する。具体的に、健康管理サーバ10は、API等を介して、健康保険利用DB20bから、健診結果・記録としての健保利用データを取得することができる。
【0044】
なお、健保利用データの取得方法として、保険者30から、診療結果・記録が記録された記憶媒体を介して取得してもよい。また、健保利用データが紙媒体等に印字されたアナログ情報であれば、電子データ化して取得しうる。
【0045】
(ステップS2-2)
健康管理サーバ10は、診療結果・記録としての健保利用データを取得すると、当該被保険者について健保利用データのスコアリングを行う。スコアリング算出対象となる健保利用データとして、現在が2025年であれば、診療日に基づいて、例えば前年度の2024年1月1日から2024年12月31日というように、健保利用データのスコアリング算出対象期間を設定する。
【0046】
図7は、本実施形態に係る健保利用スコア表の一例を示す図である。健康管理サーバ10は、例えば
図7に示す健保利用スコア表に従って、当該被保険者の健保利用データに基づいて、当該被保険者の健保利用スコア(診療健康スコア)を算出する。
【0047】
本実施形態に係る健保利用スコア表は、「評価項目」「判定基準」「点数(スコア)」が予め定められている。当該被保険者の健保利用データにおいて、例えば「歯科受診」が「有り」となっている場合、「点数」1を付与する。一方、「歯科受診」が「無し」となっている場合、「点数」0を付与する。
【0048】
また例えば「降圧薬内服」が「無し」となっている場合、「点数」2を付与する。一方、「降圧薬内服」が「1種類」となっている場合、「点数」1を付与する。「降圧薬内服」が「2種類以上」となっている場合、「点数」0を付与する。
【0049】
同様の要領で、健康管理サーバ10は、全「評価項目」について「判定基準」に従って合計点数を算出し、健保利用スコアを得る。なお、
図7に示す健保利用スコア表の場合、最低健保利用スコアは0点であり、最大健保利用スコアは12点である。当該被保険者について、健保利用データが取得できない(例えば健診を受けていない)場合、健保利用スコアは0点とする。
【0050】
(ステップS3)
健康管理サーバ10は、当該被保険者の健診スコア(健診健康スコア)と、当該被保険者の健保利用スコア(診療健康スコア)とを合算し、当該被保険者の総合健康スコアを得る。本実施形態においては、最低総合健康スコアは0点であり、最大総合健康スコアは31点である。健康管理サーバ10は、S1~3を経て、被保険者ごとそれぞれの総合健康スコアを得る。
【0051】
なお、健康管理サーバ10は、被保険者の健診データと、同一人物の健保利用データとを特定し紐づけるため、氏名、年齢、住所の他、保険証番号、マイナンバーを照合・一致で以って同一人物のデータか否かを判定しうる。
【0052】
ここで、健診スコアと健保利用スコアとの関係について言及する。被保険者は、日々、生活習慣病の予防、早期発見および重症化予防に努め、年々の健診の結果、健診スコアが高くなる。そして健診スコアが高くなるほど、疾患の発症率はより低下し被保険者はより健康になるため、被保険者が医療機関で保険診療を受ける機会が少なくなり、健保利用スコアも高くなる。即ち、健診スコアは健保利用スコアと正の相関関係がある。
【0053】
(ステップS4)
健康管理サーバ10は、総合健康スコアを送信する。総合健康スコアの送信先は、「雇用主」40又は「都道府県・市区町村」41、並びに、「保険者」30であるが、被保険者の「就業形態」や「所属団体」等に応じて異なる(
図1、2)。
【0054】
・被保険者が、雇用主に雇用され、社会保険加入条件を満たす労働者である場合、当該被保険者のその「雇用主(企業等)」40、及び、当該被保険者の加入する「保険者(協会けんぽ又は健康保険組合)」30に対して、総合健康スコアを送信する。
【0055】
・被保険者が、雇用主に雇用されている公務員である場合、当該被保険者のその「雇用主(国家公務員は国、地方公務員の場合は地方公共団体等)」40、及び、当該被保険者の加入する「保険者(共済組合)」30に対して、総合健康スコアを送信する。
【0056】
・被保険者が、個人事業者又は未就労者である場合(被保険者にとって雇用主が不在の場合)、当該被保険者の居住する「都道府県・市区町村」41、及び、当該被保険者の加入する「保険者(国民健康保険を管轄する都道府県・市区町村)」30に対して、総合健康スコアを送信する。
【0057】
・一方、被扶養者(雇用主に雇用されている被保険者の扶養家族)の場合には、「保険者(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、など)」30と当該被保険者のその「雇用主」40対して、総合健康スコアを送信する。
【0058】
なお、被扶養者の特定健診費用は、被用者保険が所属する保険組合が負担していることからも、後述する特典は被用者保険が行い、あるいは被保険者の雇用主が行い、また被扶養者自身は保険者(協会けんぽ又は健康保険組合)」30に健康保険料を直接負担していないため、被扶養者の場合、「都道府県・市区町村」41に対しては、総合健康スコアを送信しない構成とした。但し、被保険者の総合健康スコアを共有するという観点や制度設計の必要性に応じて、当該被扶養者の居住する「都道府県・市区町村」41に対しても、総合健康スコアを送信するようにしてもよい。
【0059】
なお、総合健康スコアは、ネットワークを介して、各々の送信先におけるコンピュータ40b、41b、30cにより受信され、各々の総合健康スコアDB40a、41a、30bに記憶・保存される(
図1)。
【0060】
<総合健康スコアに応じた特典付与>
(一般健診受診者)
図8は、本実施形態に係る特典計算表(雇用主用)を示す図である。上述したように、一般健診受診者である被保険者の総合健康スコアは、一つに、当該被保険者の雇用主40に送信され(ステップS4)、総合健康スコアDB40aに保存される(
図1)。雇用主(事業主)40のコンピュータ40bは、予めコンピュータに保存されている特典計算表(
図8(a))を参照し、被保険者の総合健康スコアに応じて、当該被保険者のボーナス係数(A)に対し、「加点」する。なお、Aの基準係数、a、b、c、dの加点係数値は、雇用主40が任意に定める。雇用主40のコンピュータ40bには、総合健康スコアと特典計算表とに基づいて、特典を決定するためのプログラムを有している。
【0061】
より具体的に、当該雇用主が、A=1、a=0.05、b=0.1、c=0.15、d=0.2とのボーナス係数計算表を定めた場合であって、当該被保険者の総合健康スコアが15点であった場合、ボーナス係数は、1.1と算出される(
図8(b))。被保険者のその年のボーナス(賞与)は、同社ボーナスの所定の基準額に対しボーナス係数1.1が乗算され反映されるので、当該被保険者は、総合健康スコアが反映されない場合と比べ、10%の特典を得ることができる。
【0062】
なお、被保険者に対するボーナスの特典は一例であって、被保険者の総合健康スコアが高いほど、雇用主から被保険者に対し、より有利な特典が付与されればよい。例えば他の特典として、給与に反映したり、物品、特別休暇を付与してもよいし、表彰を行ってもよい。
【0063】
(特定健診受診者)
図9は、本実施形態に係る特典計算表(都道府県・市区町村用、保険者用)を示す図である。上述したように、特定健診受診者である被保険者の総合健康スコアは、一つに、当該被保険者の居住地である都道府県・市区町村41に送信され(ステップS4)、総合健康スコアDB41aに保存される。都道府県・市区町村41のコンピュータ41bは、予めコンピュータに保存されている特典計算表(
図9(a))を参照し、被保険者の総合健康スコアに応じて、当該被保険者の付与特典を決定する。
【0064】
また、特定健診受診者である被扶養者(雇用主に雇用されている被保険者の扶養家族)の総合健康スコアは、当該被保険者の保険者(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合など)30に送信され(ステップS4)、総合健康スコアDB30cに保存される(
図1)。保険者30のコンピュータ30cは、予めコンピュータに保存されている特典計算表(
図9(a))を参照し、被扶養者の総合健康スコアに応じて、当該被扶養者の付与特典を決定する。
【0065】
なお、a、b、c、dの特典内容は、都道府県・市区町村41や保険者30が任意に定める。但し、被扶養者に対する特典の原資・費用を、保険者30ではなく、被扶養者の被保険者を雇用する雇用主(事業主)40が負担するような場合には、保険者30は雇用主(事業主)40との協議の上、a、b、c、dの特典内容を決定してもよい。都道府県・市区町村41のコンピュータ41bと、保険者30のコンピュータ30cには、総合健康スコアと特典計算表とに基づいて、特典を決定するためのプログラムを有している。
【0066】
より具体的に、都道府県・市区町村41や保険者30が、a=地域券1枚、b=地域券2枚、c=地域券3枚、d=地域券5枚との特典計算表を定めた場合であって、当該被保険者の総合健康スコアが15点であった場合、付与特典が地域券2枚と決定される(
図9(b))。当該被保険者は、総合健康スコアが反映されない場合と比べ、地域券2枚の特典を得ることができる。
【0067】
なお、被保険者及び被扶養者に対する地域券(買物券)の特典は一例であって、被保険者及び被扶養者の総合健康スコアが高いほど、都道府県・市区町村41及び保険者30から被保険者及び被扶養者に対し、より有利な特典が付与されればよい。
【0068】
(総合健康スコアに応じた保険料率の減算)
図10は、本実施形態に係る保険料率減算表の一例を示す図である。上述したように、被保険者の総合健康スコアは、各々の当該被保険者の加入する保険者30に対して送信され(ステップS4)、総合健康スコアDB30bに保存される(
図1)。「保険者」30は、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、及び、国民健康保険を管轄する都道府県・市区町村である(
図1、2)。
【0069】
「保険者」30のコンピュータ30cは、予めコンピュータに保存されている保険料率減算表(
図10)を参照し、被保険者の総合健康スコアに応じて、当該被保険者の保険料率を決定する。なお、Eの保険料率は組合毎に異なり、各々の保険者30によって適用されている保険料率である。またe、f、g、hの減算値は、保険者30が各財政状態等を考慮の上、任意に定める。「都道府県・市区町村」41のコンピュータ41bには、総合健康スコアと保険料率減算表とに基づいて、減ずる保険料率を決定するためのプログラムを有している。
【0070】
図11は、本実施形態に係る総合健康スコアに応じた特典付与をまとめた図である。労働者・公務員の場合、被保険者の総合健康スコアが高いほど、雇用主から有利なボーナスが付与される。また保険者(健康保険組合・協会けんぽ・共済組合)からより有利な保険料率が付与・適用されることで、健康保険料の負担額(支払額)が低減される。
【0071】
個人事業者・未就労者の場合、被保険者の総合健康スコアが高いほど、都道府県・市区町村から、より有利な地域券が付与される。また保険者(国民健康保険を管轄する都道府県・市区町村)からより有利な保険料率が付与・適用されることで、健康保険料の負担額(支払額)が低減される。
【0072】
なお、被扶養者(雇用主に雇用されている被保険者の扶養家族)の場合には、被扶養者の総合健康スコアが高いほど、保険者から、より有利な地域券が付与される。
【0073】
<総括>
本実施形態に係る健康管理システム100は、健康診断実施機関20の健診データと保険者30の健保利用データとを統合管理し、被保険者個人ごとの健康状態をスコア化(数値化)し、スコアに応じて、被保険者に対して特典を付与する。これにより、被保険者は、毎年健診を受けてこの特典(利益)を継続したいという動機付けになる。また、スコアが高いほど、より有利な特典が付与されるので、次回は少しでもスコアを良くしより有利な特典を得たいと考える被保険者が増え、結果として高スコアの人が増えれば、疾患の発症率はより低下し、被保険者個人はより健康になる。また、被保険者個人が健康になるほど、使われる医療費が減少し、医療費支出が減少すれば、保険財政・企業経営・被保険者にとっても負担の軽減が期待できる。
【0074】
<変形例>
図12は、本変形例に係る健康管理システムのソフトウェア構成例を示す図である。上記
図4におけるソフトウェア構成例と比べると、健康管理サーバ10は、特典決定部108、特典送信部109を有する点で異なる。また、雇用主40のコンピュータ40b、都道府県・市区町村41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cは、特典受信部110を有する点で異なる。
【0075】
即ち、本変形例においては、健康管理サーバ10側において、特典を決定し、決定した特典を、雇用主40のコンピュータ40b、都道府県・市区町村41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cに送信する。雇用主40のコンピュータ40b、都道府県・市区町村41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cは、健康管理サーバ10側において決定した特典を受信する。
【0076】
雇用主40、都道府県・市区町村41、及び、保険者30は、各々で定めた特典計算表及び保険料率減算表を健康管理サーバ10側に予め提供しておく。例えば、雇用主40、都道府県・市区町村41、及び、保険者30の担当者は、各々のコンピュータから、健康管理サーバ10により提供されるウェブサイトにアクセスし、各々で定めた特典計算表及び保険料率減算表を健康管理サーバ10側にアップロードする。また、健康管理サーバ10側において、特典が決定されると、健康管理サーバ10から決定された特典は、各々のコンピュータに送信される。決定された特典はウェブサイト上に表示されてもよい。
【0077】
このように、健康管理システムの機能部はシステム全体として有していればよく、各機能部は、健康管理サーバ10、雇用主40のコンピュータ40b、都道府県・市区町村41のコンピュータ41b、及び、保険者30のコンピュータ30cは、CPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものであるから、システムとして成立する限り、健康管理サーバ側、ないし雇用主40、都道府県・市区町村41、及び、保険者30のコンピュータ側の何れにプログラムを配置してもよい。
【0078】
また例えば、健診データを有する健康診断実施機関20側で健診スコアまでを算出し(健診スコア算出部102)、算出した健診スコアを健康管理サーバ10に送信し、健保利用データを有する保険者30側で健保利用スコアまでを算出し(健保利用スコア算出部104)、算出した健保利用スコアを健康管理サーバ10に送信し、健康管理サーバ10が、総合健康スコアを算出すること(総合健康スコア算出部105)、も可能である。
【0079】
<補足>
後期高齢者医療制度は、日本において75歳以上の高齢者(または65歳以上且つ75歳以下でも一定の障害があると認定された方)を対象とした独立した医療保険制度である。保険者(制度運営団体)は、都道府県ごとに設置されている後期高齢者医療広域連合であり、市区町村は保険料の徴収や被保険者証の交付など、実務を担う。
【0080】
財源構成は、公費(国・都道府県・市区町村)が約5割、現役世代の支援金(協会けんぽ・健保組合・国保などからの支援)が約4割、被保険者の保険料が約1割であるため、健保財政逼迫の一要因にもなっている。
【0081】
また後期高齢者は、後期高齢者医療広域連合が費用負担する健診(後期高齢者医療健康診査)を受けることができる。即ち、後期高齢者おいても、上述の健康管理システム100を適用可能であって、総合健康スコアを算出し、当該後期高齢者が居住する都道府県の後期高齢者医療広域連合に総合健康スコアを送信し、特典や保険料率減額といったインセンティブを付与する。
【0082】
これにより、まだ要介護者になっていない人をならないよう予防するなど、結果として高スコアの人が増えれば、後期高齢者(被保険者)個人はより健康を維持できる。また、後期高齢者個人が健康になるほど、使われる医療費が減少し、医療費支出が減少すれば、保険財政・被保険者にとっても負担の軽減が期待できる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0084】
(付記)
健康保険制度における被保険者の健康管理システム(
図4、12の健康管理システム100)であって、
健康診断実施機関から被保険者の健康診断情報(健診データ)を取得する第1の取得手段(健診データ取得部101)と、
前記健康診断情報に基づいて、第1のスコア(健診スコア)を算出する第1のスコア算出手段(健診スコア算出部102)と、
保険者から前記被保険者の健康保険利用情報(健保利用データ)を取得する第2の取得手段(健保利用データ取得部103)と、
前記健康保険利用情報に基づいて、第2のスコア(健保利用スコア)を算出する第2のスコア算出手段(健保利用スコア算出部104)と、
前記第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、第3のスコア(総合健康スコア)を算出する第3のスコア算出手段(総合健康スコア算出部105)と、
前記第3のスコアに基づいて、該第3のスコアが高いほど、前記被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段(特典決定部108)と、
を有することを特徴とする健康管理システム。
【符号の説明】
【0085】
10 健康管理サーバ
20 健康診断実施機関
20a 健診DB
30 保険者
30a 健康保険利用DB
40 雇用主
41 都道府県・市区町村
30b、40a、41a 総合健康スコアDB
100 健康管理システム
101 健診データ取得部
102 健診スコア算出部
103 健保利用データ取得部
104 健保利用スコア算出部
105 総合健康スコア算出部
106 総合健康スコア送信部
107 総合健康スコア受信部
108 特典決定部
【要約】
【課題】健康診査の実施(受診)を促進し、健康保険利用の医療費支出を抑制し、ひいては被保険者の健康保険料負担軽減を図る。
【解決手段】本発明に係る健康管理システムは、健康保険制度における被保険者の健康管理システムであって、健康診断実施機関から被保険者の健康診断情報を取得する第1の取得手段と、健康診断情報に基づいて、第1のスコアを算出する第1のスコア算出手段と、保険者から被保険者の健康保険利用情報を取得する第2の取得手段と、健康保険利用情報に基づいて、第2のスコアを算出する第2のスコア算出手段と、第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、第3のスコアを算出する第3のスコア算出手段と、第3のスコアに基づいて、第3のスコアが高いほど、被保険者に付与されるより有利な特典を決定する特典決定手段と、を有する。
【選択図】
図2