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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-14
(45)【発行日】2025-08-22
(54)【発明の名称】ロータセイル
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/32 20060101AFI20250815BHJP
   B29C 70/10 20060101ALI20250815BHJP
   B63H 9/02 20060101ALI20250815BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20250815BHJP
   B29L 23/00 20060101ALN20250815BHJP
【FI】
B29C70/32
B29C70/10
B63H9/02
B29K105:08
B29L23:00
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2023537640
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 GB2021053261
(87)【国際公開番号】W WO2022129878
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】2019832.1
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519427343
【氏名又は名称】アネモイ マリン テクノロジーズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】マキュアン,ルーク ニール
(72)【発明者】
【氏名】コントポロス,ニコラス
【審査官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-507846(JP,A)
【文献】特表2015-533356(JP,A)
【文献】特開2003-170506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00-70/88
B63H 9/02
B29K 105/08
B29L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータセイルの一部を形成するロータ本体を製造する方法であって、前記方法が、
第1の繊維をマンドレルの周りに巻き付けて、前記マンドレルの管軸方向に沿って、ロータ管を形成する管状の第1のスキンを形成するステップと、
第2の繊維から複数のストリップを形成するステップと、
前記第2の繊維の少なくとも一部が前記ロータ本体の軸方向に沿って延在するように、前記ストリップを前記ロータ管の軸方向に沿って前記第1のスキンの表面に取り付けるステップと、を含み、
前記第1の繊維を前記マンドレルの周りに巻き付ける前に、前記第1の繊維に樹脂を含浸させる更なるステップを含む、方法。
【請求項2】
第1の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第1の繊維が前記管軸に対して45~90度で配向されるように、前記第1の繊維を巻き付けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第1の繊維が前記管軸に対して50~80度で配向されるように、前記第1の繊維を巻き付けるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
第1の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第1の繊維から形成された織物を前記マンドレルの周りに巻き付けるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ストリップが、引き抜き成形プロセスを使用して形成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記ストリップを取り付ける前記ステップが、前記ストリップを前記第1のスキンの外面に取り付けるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記ストリップを取り付ける前記ステップが、前記第1の繊維間の前記樹脂が硬化する前に、前記ストリップを前記第1の繊維に押し付けるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
第2のスキンを形成することとなる第3の繊維を前記ストリップの周りに巻き付ける更なるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
第3の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第3の繊維が前記管軸に対して45~90度で配向されるように、前記第3の繊維の少なくとも一部を巻き付けることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
第3の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第3の繊維が前記管軸に対して50~80度で配向されるように、前記第3の繊維の少なくとも一部を巻き付けることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
第3の繊維を巻き付ける前記ステップが、前記第3の繊維が前記管軸に対して88度~90度で配向されるように、第3の繊維の1つ以上の層を巻き付けることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の繊維を前記ストリップの周りに巻き付ける前に、前記第3の繊維に樹脂を含浸させる更なるステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記ストリップを取り付ける前記ステップが、前記第1及び第3の繊維に含浸させる前記樹脂が硬化する前に、前記第1及び第2のスキンの両方に圧力を印加するステップを含み、前記第1及び第2のスキンが、一緒になってロータ管を形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数のストリップを形成する前記ステップが、複数の中空ストリップを形成するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記ストリップを取り付ける前記ステップが、前記ストリップを前記第1のスキンの内面に取り付けるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
複数のロータ管を形成し、隣接したロータ管を互いに接合して前記ロータ本体を形成するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
前記ストリップが隣接したロータ管間の接合部に跨るように、前記ストリップを形成するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のスキンの前記内面に取り付けられる前記ストリップの数を軸方向に変化させる更なるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ロータセイルの一部を形成するロータ本体であって、
ロータ管を形成することとなる、前記ロータ本体の中空部内に定義される管軸方向に沿って形成される管状の第1のスキンと、
前記第1のスキンの表面に沿って前記ロータ管の軸方向に延在する複数のストリップと、を備え、
前記第1のスキンが、樹脂を含浸させた第1の繊維から形成された第1の繊維状材料から一体的に形成され、前記ストリップが、第2の繊維から形成された第2の繊維状材料から形成され、前記第2の繊維の少なくとも一部が前記ロータ本体の管軸方向に沿って延在する、ロータ本体。
【請求項20】
前記第1の繊維が、前記管軸に対して45~90度で配向されている、請求項19に記載のロータ本体。
【請求項21】
前記第1の繊維が、前記管軸対して50~80度で配向されている、請求項19に記載のロータ本体。
【請求項22】
前記第1のスキンが、2mm~6mmの厚さ、及び3m~6mの直径を有する、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項23】
前記ストリップが、1mm~10mmの厚さを有する、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項24】
前記ストリップが、前記第1のスキンの外面に沿って延在する、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項25】
前記第1及び第2の繊維が、ガラス繊維である、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項26】
前記第1の繊維が、ガラス繊維であり、前記第2の繊維が、炭素繊維である、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項27】
前記ロータ本体が、第3の繊維から形成された第3の繊維状材料から形成された第2の一体的に形成されたスキンを備え、前記第3の繊維の少なくとも一部が、前記管軸に対して45~90度で配向され、前記第1及び第2のスキンが、一緒になって前記ロータ管を形成している、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項28】
前記ロータ本体が、第3の繊維から形成された第3の繊維状材料から形成された第2の一体的に形成されたスキンを備え、前記第3の繊維の少なくとも一部が、前記管軸に対して50~80度で配向され、前記第1及び第2のスキンが、一緒になって前記ロータ管を形成している、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項29】
第3の繊維の1つ以上の層内の第3の繊維が、前記管軸に対して88度~90度で配向されている、請求項27に記載のロータ本体。
【請求項30】
前記第3の繊維が、ガラス繊維である、請求項27に記載のロータ本体。
【請求項31】
前記ストリップが、中空ストリップを含む、請求項27に記載のロータ本体。
【請求項32】
前記ストリップが、前記第1のスキンの内面に沿って延在する、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項33】
前記ロータ本体が、複数のロータ管を備え、前記ロータ管が、互いに接合されて前記ロータ本体を形成している、請求項19又は20に記載のロータ本体。
【請求項34】
前記ストリップの少なくとも一部が、隣接したロータ管間の接合部に跨る、請求項33に記載のロータ本体。
【請求項35】
ストリップの数が、前記管軸に沿って変化する、請求項32に記載のロータ本体。
【請求項36】
船舶であって、前記船舶の一部分に取り付けられたロータセイルを備え、前記ロータセイルが、請求項19又は20に記載のロータ本体を備えている、船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の風力補助推進のためのロータセイルに関するものであり、具体的には、限定するものではないが、船の風力補助推進のためのロータセイルに関する。本方法はまた、そのようなロータセイルを形成する方法、及びロータセイルを組み込んだ船舶の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このタイプのロータセイルは、フレットナロータとしても知られている。既知のそのようなロータセイルは、典型的には、ロータを形成する円筒状スリーブとして作製される。このスリーブは、静的なタワー上で回転するように適合される。上部軸受及び下部軸受が、タワーにロータを位置付ける。典型的に、吸引側として知られているロータの片側に空気圧力の低減とみなされる、風荷重がロータに作用する。空気圧力分布は、構造的に次の2つの主効果を有する。
・ロータ全体にかかる曲げモーメント(すなわち、分布荷重を受ける円形の中空セクションのビームとして作用する)。これは、曲げモーメントにより、ロータスキンの平面内の応力、主にロータ軸方向の張力及び圧縮力を生じさせ、付随的な剪断力によって生じるいくつかの面内剪断力を伴う。
・セクションの周りの空気圧力の不均一な分布による、円形断面を歪ませる傾向があるロータスキンへの局所的な曲げモーメント。これは、主にロータの周りに円周方向に引張応力及び圧縮応力を生じさせる。
【0003】
ロータセイルの耐用期間において、ロータへの大きな応力は、それぞれの回転とともに変動するか、更には逆転する。ロータの耐用期間における回転数は非常に多く、数10億回転程度である。これは、既知のセイルロータが疲労破壊に耐える材料から作製されていることを意味する。本出願には、ポリマー樹脂中の連続ガラス繊維又は炭素繊維の積層複合材料が適している。
【0004】
ロータに強度を提供するために、ロータの使用中に、円筒状スリーブを作製するために使用される複合材料の繊維をスリーブへの主応力と整列させなければならない。その理由は、複合材料の繊維がロータ全体に最大強度を提供するからである。
【0005】
既知のロータセイルでは、総強度の約50%が長手方向であること、換言すれば、ロータ軸と整列していることが必要であり、総強度の約30%がほぼ円周方向に配向された繊維に、すなわち、ロータ軸に対して垂直である繊維に由来することが必要である。
【0006】
残りの材料は、面内剪断応力に対する抵抗力を提供するが、ロータセイルのタイプ形成部分の大径管の固有の剪断抵抗及びねじれ抵抗のため、ロータセイルの面内剪断応力は、比較的小さい。
【0007】
更なる要件は、円周方向に配向された繊維が、円筒状スリーブを形成する積層材料の中央平面又は中立軸からできる限り遠くになければならないことである。そのような配置は、円周方向に最適な曲げ強度を提供する。これは、円形断面を歪ませる傾向がある局所的な曲げモーメントに耐えるのを補助する。
【0008】
円筒が座屈に抵抗するためには、円周方向の曲げ剛性も有益である。
【0009】
円筒は、円筒の表面の湾曲のため、必然的に軸方向の座屈に対する抵抗力がより高いため、円筒状スリーブは、軸方向よりも円周方向に座屈し易い。
【0010】
既知のロータセイルでは、円筒を形成する積層体の中立軸からの円周方向繊維の適切な離隔を達成するために、円筒状スリーブを形成する積層材料に発泡体コアを追加することが知られている。そのような発泡体コアは、積層体の中央に追加されて、サンドイッチタイプの構成を形成する。
【0011】
既知のロータを形成する積層体に対する面内軸方向応力及び円周方向曲げ応力はどちらも、ロータの回転ごとに変動する。大型のロータセイルは、典型的には、最高250rpmで回転する。これは、典型的には20~25年であるそのようなロータセイルの耐用期間を通して、ロータを形成する積層体が10億~20億回程度の疲労サイクルを受け得ることを意味する。
【0012】
ガラス繊維/エポキシ積層体の場合、10億サイクルにおける疲労強度は、静的応力のわずか約15%である。炭素繊維/エポキシ積層体の場合、疲労強度は、静的強度の約25%であり得る。
【0013】
したがって、ロータセイルの積層体に対する要求は、船殻、風力タービンブレード、航空機翼、圧力容器、パイプ、又は水タンクなどの他の大型複合構造体に対する要求よりもかなり厄介である。
【0014】
ロータセイルを作製するために使用される場合の積層体に対する要求は、他の大型複合構造体に対する要求とは大幅に異なり、かつより厄介であるため、したがって、好適な複合構造体を作製する既知の方法は、ロータセイルに関しては適切でない場合がある。
【0015】
複合材料を作製する1つの既知の方法は、引き抜き成形として知られている。この方法は、円形又は任意の他の中空断面若しくは中実断面の直管を単一の動作で作製するのに適している。引き抜き成形は、自動化されており、原材料が、トウが巻回されたボビンから直接使用される最も単純な形態(液体ポリマー樹脂及びガラス又は炭素繊維のトウ)であるため、低コストのプロセスである。
【0016】
ダイを通してプロファイルを引っ張るために、張力が使用される。これは、繊維が直線状であることを意味し、直管を形成する硬化材料の耐圧強度を最大にする。
【0017】
多くの用途の場合、複合材料から構造部品を設計するときには、しばしば、耐圧強度が主な考慮事項になり、したがって、引き抜き成形が、しばしば、使用に適当な方法である。しかしながら、引き抜き成形は、断面が小さい又は製品が長尺である場合に最も実用的である。引き抜き成形は、より大きいダイを使用し、かつより大きい引張力を及ぼす必要があるため、より大きい直径の管の場合はより高価になる。
【0018】
なお更に、プロセスにコストを追加する、軸外の繊維の組み込みが行われない限り、円周方向応力に耐える必要がある複合材料を形成する場合には、引き抜き成形は適さないプ。
【0019】
別の既知の方法は、予備含浸したテープ又は繊維(「プリプレグ」)をマンドレルの周りに巻き付けること含む。このプロセスは、人件費を最小にするために自動化することができるが、それでも、プリプレグ材料の高いコスト及び材料を硬化させるために必要とされる高温のため、高価である。
【0020】
複合材料を形成するための別の既知の方法は、VARTM(Vacuum Assisted Resin Transfer Moulding、真空補助樹脂移送成形)とも称される、樹脂注入である。この方法は、風力タービンブレード産業によって材料コストが削減され、かなり経済的である。
【0021】
しかしながら、材料を金型に積層し、真空消耗品を適用するプロセスは、労働集約的であり、自動化が困難である。更に、真空消耗品は、典型的には再使用又はリサイクルできないため、無駄なコストを意味する。
【0022】
加えて、樹脂注入は、完成した管状構造体の形成には適さない。このため、樹脂注入を使用して形成される管状構造体は、典型的には、2つ以上の部品から形成される。次いで、材料が硬化した後に、これらの部品を互いに接合することが必要である。接合動作は、プロセスステップを追加し、したがって、必要とされる時間及びコストを増加させる。
【0023】
複合材料から中空管を形成するための別の既知の方法は、フィラメントワインディングである。この方法は、特に、ほぼ完全に自動化することができ、したがって、人件費を削減することができるため、経済的である。加えて、引き抜き成形法と同様に、使用される材料は、それらの最も単純な形態である。材料は、潜在的に液体ポリマー樹脂の形態であり、そのような繊維を収納するボビンからガラス繊維又は炭素繊維のトウが直接使用される。
【0024】
フィラメントワインディングは、巻き付けプロセスから形成された管に沿って大部分の繊維が軸方向に配向される複合構造体を作製するには適さない。
【0025】
これらの理由から、樹脂注入法を使用してロータセイルを製造することが知られている。樹脂注入法を使用して作製される典型的な既知のロータセイルは、複合構造体の中央に発泡体コアを備えたサンドイッチ構造を有する複合材料を使用する。発泡体コアは、円周方向に必要とされる曲げ強度を提供するために外側層を分離する。この方法の欠点としては以下のことが挙げられる。
・樹脂注入法は、(織物を手動で金型に積層しなければならないため)自動化の範囲を制限するか、又は(繊維を最初に織り込んで、又は縫い合わせて布にし、次いで、成形する前にサイズに合わせて切断しなければならないため)材料コストの低減を制限する。
・樹脂を容易に注入するために、樹脂が非常に低い粘度を有していなければならず、それが樹脂の分子量を制限し、したがって、その強度を制限する。他のプロセスは、より長いポリマー分子を使用することができ、改善された機械的性能を提供する。
・樹脂注入法は、樹脂が硬化する間、繊維を直線状に保つためにいかなる張力も印加されない。これは、材料の圧縮強度を低下させるため、繊維が直線状に保持される場合よりも多くの材料が必要となることを意味する。
・発泡体コアは、材料コスト及び労働コストの両方において比較的高価であり、かなりの重量の樹脂を吸収し、これは、部品の重量が増加し、更なるコストを追加する。
【0026】
ロータセイルの場合、十分な疲労耐用期間を達成するために、軸方向及び円周方向の両方において典型的な動作ひずみを約0.15%以下に保つ必要がある。
【0027】
したがって、必要とされる軸方向強度及び円周方向強度を有するロータセイルを形成するための複合材料を形成する経済的な方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0028】
本発明の第1の態様によれば、ロータセイルの一部を形成するロータ本体を製造する方法が提供され、当該方法は、第1の繊維をマンドレルの周りに巻き付けて、ロータ管を形成して管軸を有する管状の第1のスキンを形成するステップと、第2の繊維から複数のストリップを形成するステップと、第2の繊維の少なくとも一部がロータ本体に沿って軸方向に延在するように、ストリップを第1のスキンの表面に取り付けるステップと、を含む。
【0029】
管状の第1のスキンは、ロータセイルの外側円筒状スリーブを形成する。フィラメントワインディング法が使用されるため、円筒状スリーブを円周方向に一体的に製造することができる。これは、別々の部分を互いに接合して管形状を形成するための追加的なステップを使用する必要がないことを意味する。
【0030】
フィラメントワインディング法は、とりわけ、自動化することができるため経済的である。
【0031】
本方法は、第2の繊維から作製された複数のストリップを形成する追加的なステップを含む。複数のストリップ内の繊維は、ロータ本体に沿って軸方向に延在する。
【0032】
ストリップは、第1のスキンの表面に取り付けられる。
【0033】
したがって、このストリップは、ロータセイルに必要とされる軸方向強度を提供する。
【0034】
本発明者らは、フィラメントワインディング法を使用して第1のスキンを形成し、次いで、第1のスキンの表面にストリップを取り付けることによって、ストリップが繊維から形成され、その少なくとも一部がロータ本体に沿って軸方向に延在し、円周方向強度及び軸方向強度の両方がロータ本体に提供されることを理解した。
【0035】
したがって、本発明の実施形態によって、ロータセイルのロータ本体のための円筒状スリーブが、比較的低いコストで作製され得る。
【0036】
本発明の実施形態では、本方法は、繊維をマンドレルの周りに巻き付ける前に、繊維に樹脂を含浸させる更なるステップを含む。
【0037】
本発明の実施形態では、第1の繊維は、第1の繊維の配向が管軸に対して45°~90°であるように、マンドレルの周りに巻き付けられる。本発明の他の実施形態では、繊維は、それらの配向が管軸に対して50°~80°であるように巻き付けられる。
【0038】
繊維又は材料をマンドレルの周りに巻き付けることによって第1のスキンが形成されるため、第1のスキンは、任意の望ましい厚さを有するように作製され得る。
【0039】
本発明の別の実施形態では、第1の繊維をマンドレルの周りに巻き付けるステップは、第1の繊維から形成された織物をマンドレルの周りに巻き付けるステップを含む。
【0040】
本発明のそのような実施形態では、フィラメントワインディング法を使用するというよりは、繊維のトウをマンドレルの周りに巻き付けるのではなく、縦糸及び横糸が適切に配向される縦糸及び横糸から形成された材料がマンドレルの周りに巻き付けられ得る。
【0041】
本発明の実施形態では、第1のスキンは、2mm~6mmの厚さ、及び3m~6mの直径を有する。
【0042】
ストリップは、本発明の任意の望ましい方法及び実施形態によって形成され得、ストリップは、引き抜き成形プロセスを使用して形成される。
【0043】
本発明のそのような実施形態では、フィラメントワインディング法及び引き抜き成形法が自動化され得るため、ロータ本体が特に効率的に作製され得る。
【0044】
当技術分野でよく知られているように、引き抜き成形法では、材料は、ダイを通して押し出し加工されるときに、ダイを通して引っ張られる。これは、繊維をストリップに沿って軸方向に配向するという利点がある。そのような方法から形成されたストリップは、引き抜き成形品として知られている。
【0045】
引き抜き成形法を使用することで、ストリップが任意の望ましい寸法を有するように形成され得、本発明のいくつかの実施形態では、ストリップは、1mm~10mmの厚さを有する。
【0046】
第1のスキン及び引き抜き成形品の両方は、任意の所望の長さに作製され得る。
【0047】
本発明の実施形態では、ストリップは、第1のスキンの外面に取り付けられる。
【0048】
ストリップは、任意の好都合な方法によって取り付けられ得る。本発明の実施形態では、ストリップは、第1の繊維の周りの樹脂が硬化する前にストリップを第1の繊維に押し付けることによって、第1のスキンの外面に取り付けられる。
【0049】
本発明のそのような実施形態では、未硬化樹脂がストリップの周りに流れ、硬化したときにストリップを第1のスキンの外面に接合する。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態では、ストリップは、それらが互いに離間されるように、第1のスキンの外面に取り付けられ得る。本発明の他の実施形態では、ストリップは、適所にあるときに、隣接したストリップが互いに軸方向に当接するように、第1のスキンの外面に配置され得る。
第1の繊維は、ガラス繊維を備え得、第2の繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維を含み得る。
【0051】
本発明の実施形態では、本方法は、第3の繊維をストリップの周りに巻き付けることによって第2のスキンを形成する更なるステップを含む。
【0052】
本発明のそのような実施形態では、第1及び第2のスキンは、一緒になってロータ管を形成する。
【0053】
本発明の実施形態では、第1の繊維をマンドレルの周りに巻き付けて第1のスキンを形成するのと同様の様式で、フィラメントワインディング法を使用して、第3の繊維をストリップの周りに巻き付ける。
【0054】
本発明の実施形態では、第3の繊維は、第3の繊維の配向が管軸に対して45°~90°であるように、ストリップの周りに巻き付けられる。本発明の他の実施形態では、第3の繊維の少なくとも一部は、それらの配向が管軸に対して50°~80°であるように巻き付けられる。本発明のいくつかの実施形態では、第3の繊維の1つ以上の外側層は、繊維が管軸に対して約90°で、好ましくは88°~90°で配向されるように巻き付けられ、これは、樹脂が硬化する間に、より滑らかな表面、及び繊維へのより大きい圧密圧力を提供する。
【0055】
本発明の実施形態では、本方法は、第3の繊維をストリップの周りに巻き付ける前に、第3の繊維に樹脂を含浸させる、更なるステップを含む。
【0056】
本発明の実施形態では、本方法は、第3の繊維がストリップの周りに巻き付けられるまでストリップを適所で保持する、更なるステップを含む。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態では、ストリップを適所で保持するステップは、1つ以上のストラップをストリップの周りに適用するステップを含み、第3の繊維がストリップの周りに巻き付けられるときに、1つ以上のストラップが巻き出される。
【0058】
本発明のそのような実施形態では、ストリップは、第1のスキンの外面及び第2のスキンの内面に取り付けられて、第1及び第2のスキンの間にストリップがサンドイッチされた複合材料を形成し得る。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、ストリップは、スキンが硬化する前に第1及び/又は第2のスキンに圧力を印加することによって、第1及び第2のスキンの両方に取り付けられる。
【0060】
本発明の実施形態では、樹脂は、ストリップの周りに流れて、硬化した時点でストリップを第1及び第2のスキンに取り付ける。
【0061】
第3の繊維は、任意の好都合な材料から形成され得、本発明の実施形態では、第3の繊維は、ガラス繊維を含む。
【0062】
本発明の実施形態では、ストリップを形成するステップは、中空ストリップを形成するステップを含む。これは、重量を増加させることなくストリップの厚さを増加させるため、スキンを更に離間することを可能にする。
【0063】
本発明の他の実施形態では、本方法は、ストリップを第1のスキンの内面に取り付けるステップを含み得る。
【0064】
本発明のそのような実施形態では、ロータ本体は、第1のスキン及びストリップだけを備え、ロータ本体は、第2のスキンを備えていない。
【0065】
本発明のそのような実施形態の利点は、ロータ本体を作製するために必要とされるステップがより少なくなり得ることである。
【0066】
本発明のそのような実施形態では、第1のスキンの内面に取り付けられるストリップの数は、軸方向に変化し得る。換言すれば、ロータ本体の一部に沿ってより多い又はより少ないストリップが存在し得る。これは、ロータの強度の変化を、ロータ本体の長さに沿った曲げモーメントの変化に適合させることを可能にする。
【0067】
本発明の実施形態では、ロータ本体は、18m~48mの長さを有し得るが、任意の所望の長さを有し得る。
【0068】
そのような実施形態では、ロータ本体は、複数のロータ管から形成され得、ロータ管の各々は、6m~12mの長さを有し得る。
【0069】
ロータ本体が複数のロータ管を備えている本発明のそのような実施形態では、ロータ管は、任意の所望の方法によって一緒に結合されて、所望の長さを有するロータ本体を提供し得る。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態では、ストリップは、ロータ管と同じ長さであり得るが、ストリップがスキンの内面に取り付けられる実施形態などの本発明の他の実施形態では、第2のスキンが存在せず、ストリップは、ロータ管よりも長くなり得る。本発明のそのような実施形態では、ストリップは、隣接したロータ管間の接合部に跨り、したがって、ロータ本体に強度を加える。
【0071】
本発明の第2の態様によれば、ロータセイルの一部を形成するロータ本体が提供され、該ロータ本体は、ロータ管を形成し、かつ管軸を有する管状の第1のスキンと、スキンの表面に沿って軸方向に延在する複数のストリップと、を備え、第1のスキンは、第1の繊維から形成された第1の繊維状材料から一体的に形成され、ストリップは、第2の繊維から形成された第2の繊維状材料から形成され、第2の繊維の少なくとも一部がロータ本体に沿って軸方向に延在する。
【0072】
本発明の実施形態では、第1の繊維は、管軸に対して45°~90°、好ましくは管軸に対して50°~80°で配向される。
【0073】
本発明の実施形態では、第1のスキンは、2mm~6mmの厚さ、及び3m~6mの直径を有する。
【0074】
本発明の実施形態では、ストリップは、1mm~10mmの厚さを有し得る。
【0075】
本発明の実施形態では、ストリップは、第1のスキンの外面に沿って延在する。
【0076】
本発明の実施形態では、第1及び第2の繊維は、ガラス繊維である。
【0077】
本発明の他の実施形態では、第1の繊維は、ガラス繊維であり得、第2の繊維は、炭素繊維であり得る。
【0078】
本発明の実施形態では、ロータ本体は、第3の繊維状材料から形成された第2の一体的に形成されたスキンを備え、第3の繊維の少なくとも一部は、管軸に対して45~90度で、任意選択的に管軸に対して50~80度で配向され、第1及び第2のスキンは、一緒になってロータ管を形成する。
【0079】
本発明の実施形態では、第3の繊維の1つ以上の外側層内の第3の繊維は、管軸に対して約90度で、任意選択的に管軸に対して88度~90度で配向される。
【0080】
本発明の実施形態では、第3の繊維は、ガラス繊維を含み得る。
【0081】
本発明の実施形態では、ストリップは、中空ストリップを含む。これは、重量を増加させることなくストリップの厚さを増加させるため、スキンを更に離間することを可能にする。
【0082】
本発明の実施形態では、ストリップは、第1のスキンの内面に沿って延在し得る。本発明のそのような実施形態では、ロータ本体は、第1のスキン及びストリップだけを備え、ロータ本体は、第2のスキンを備えていない。
【0083】
本発明の実施形態では、ストリップの数は、ロータ本体の長さに沿って変化し得る。これは、ロータの強度の変形を、ロータ本体の長さに沿った曲げモーメントの変化に適合させることを可能にする。
【0084】
本発明の実施形態では、ロータ本体は、複数のロータ管を備え、ロータ管は、一緒に結合されてロータ本体を形成する。
【0085】
そのような実施形態では、ロータ本体は、適切な数のロータ管を互いに接合することによって、任意の所望の長さで作製され得る。
【0086】
ストリップが第1のスキンの内面に沿って延在し、かつ第2のスキンが存在しない本発明の実施形態では、ストリップの少なくとも一部は、隣接したロータ管間の接合部に跨り得る。
【0087】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様の実施形態による方法を使用して形成された、本発明の第2の態様の実施形態によるロータ本体が提供される。
【0088】
本発明の第4の態様によれば、船舶が提供され、当該船舶は、船舶の一部分に取り付けられたロータセイルを備え、当該ロータセイルは、本発明の第1及び第3の態様の実施形態によるロータ本体を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0089】
以下、本発明を単なる例として添付図面を参照しながら説明する。
図1】本発明の第2の態様の一実施形態によるロータ本体を備えているロータセイルの概略的な表現である。
図2】本発明の第1の態様の一実施形態による方法ステップによって形成されている第1のスキンの概略的な表現である。
図3】本発明の第1の態様の一実施形態による第1のスキンに取り付けられている複数のストリップの概略的な表現である。
図4】本発明の第1の態様の一実施形態による第1のスキンに取り付けられた複数のストリップの概略的な表現である。
図5】本発明の第1の態様の一実施形態による方法ステップによって形成されている第2のスキンの概略的な表現である。
図6図5に示される方法によって形成されたロータ本体の概略的な表現である。
図7-10】中実ストリップを備えている、本発明の第2の態様の実施形態によるロータ本体の概略的な表現である。
図11-13】テーパ状の縁部を備えている、本発明の第2の態様の実施形態による2つのロータ本体部を接合するための手段の概略的な表現である。
図14-15】図11図13に示されるテーパ状の縁部を形成する方法の概略的な表現である。
図16図11図13に示されるような手段によって互いに接合された、本発明の第2の態様の実施形態による複数のロータ本体部の概略的な表現である。
図17-18】テーパ状の縁部を備えている、本発明の第2の態様の実施形態による2つのロータ本体部を接合するための更なる手段の概略的な表現である。
図19図17及び図18に示されるような手段によって互いに接合された、本発明の第2の態様の実施形態による複数のロータ本体の概略的な表現である。
図20-22】中空ストリップを備えている、本発明の第2の態様の実施形態によるロータ本体の概略的な表現である。
図23図20図22に示されるロータ本体のうちの2つを接合するための手段の概略的な表現である。
図24】離間されたストリップを備えている、本発明の第2の態様の一実施形態によるロータ本体の概略的な表現である。
図25図24に示されるロータ本体の2つを接合するための手段の概略的な表現である。
図26】本発明の第2の態様の一実施形態による2つのロータ本体を接合する更なる手段の概略的な表現である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
最初に図1を参照すると、ロータセイル又はフレットナロータの実施例が示されており、ロータセイルは、一般に参照番号4によって定義される。ロータセイルは、上部軸受8及び下部軸受10を介して静的円筒6に回転可能に装着されたロータ本体3を備えている。ロータ本体3は、円周方向の曲げ強度及び剛性を提供するようにロータ本体3を補強する、複数の円周リブ5を備えている。この実施例では、円周リブ5は、ロータ本体3の内部に取り付けられるが、円周リブはまた、ロータ本体の外部にも取り付けられ得る。
【0091】
図2は、第1の繊維をマンドレル16の周りに巻き付けて、又はフィラメントワインディングして、管軸18を有するロータ管2を形成する管状の第1のスキン12を形成するステップを示す。ロータ本体は、単一のロータ管2で、又は一緒に同軸に接合された複数のロータ管2で形成され得る。
【0092】
本発明のこの実施形態では、第1の繊維は、束ねられて第1の繊維トウ14を形成し、第1の繊維トウは、第1の繊維トウスプール15から分配されて、樹脂浴21を通過して樹脂20をコーティングし、次いで、マンドレル16の周りに巻き付けられる。第1の繊維トウ14は、マンドレルに巻き付けられるときに、管軸18と平行なマンドレル16の長さに沿って上下に案内され、それによって、第1の繊維の層を互いの上に積み重ねながら、管状の第1のスキンを徐々に形成する。巻き付けプロセスは、第1のスキンが所望の厚さ、例えば2~4mmに形成されるまで続けられ得る。第1のスキン12を形成するために必要とされる時間を削減するために、複数の第1の繊維トウ14の分配、コーティング、及び巻き付けが同時に行われる。
【0093】
第1の繊維は、例えば、炭素、アラミド、バサルト、Eガラス、Sガラス、又はECRガラスなどの任意の好適な材料であり得る。同様に、樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、又はアクリル樹脂などの、任意の好適なタイプの樹脂であり得る。樹脂は、熱硬化性又は熱可塑性であり得、必要とされるプロセス速度、及びロータセイルの一部を形成する使用中のロータ本体に必要とされる最終的な強度及び温度抵抗に適合するように、周囲温度又は高温で降下し得る。例えば、樹脂は、周囲温度で数分後又は数時間後に固体になるように硬化し、周囲温度で巻き付けプロセスを好都合に行うことを可能にし、その後で、樹脂が固化した後にマンドレルからロータ管を取り外すことを可能にする、エポキシ樹脂であり得る。次いで、ロータ本体の製造において使用される樹脂及び任意の接着剤を、完成したロータ本体の温度を上昇させることによって更に硬化させて(事後硬化させて)、樹脂の硬化度を高め、その強度及び温度抵抗を更に高め得る。
【0094】
第1のスキン12の第1の繊維の配向は、第1の繊維トウ14が管軸18に対してマンドレル16に巻き付けられる配向によって決定される。この配向は、第1の繊維トウ14をマンドレル16に巻き付けるために当該マンドレルが回転する速度に対する、第1の繊維トウがマンドレル16の長さに沿って上下に案内される速度を変化させることによって、変化され得る。
【0095】
マンドレル16は、樹脂20が硬化した後にマンドレル16から第1のスキン12を取り外すのを容易にするために、テーパ状であり得る。したがって、第1のスキン12は、円筒形ではなく、錐台形状であり得る。
【0096】
本発明の実施形態では、第1の繊維トウ14は、管軸18に対して45~90度で配向される。例えば、第1の繊維トウ14は、一部が±45度で巻き付けられ、一部が約90度(例えば、±88度)で巻き付けられるなどの、配向を混合して配向することができる。
【0097】
本発明の実施形態では、第1の繊維トウは、50~80度で配向される。例えば、第1の繊維トウ14は全て、約±70度で巻き付けることができる。これは、第1の繊維トウ14を、第1のスキン12を形成するプロセスの全体を通して一定の速度でマンドレル16の長さに沿って上下に案内すること、及びより高度な自動化を容易にすることを可能にし、更には、繊維トウ14が±45度で巻き付けられた場合よりもマンドレル16が速く回転することを可能にする。
【0098】
図3は、複数のストリップ22を第1のスキン12に取り付けるステップを示す。ストリップ22は、第2の繊維から形成され、また、第2の繊維の少なくとも一部が第1のスキン12に沿って軸方向に、すなわち、管軸18と平行に延在するように、第1のスキン12に取り付けられる。第2の繊維は、炭素、アラミド、バサルト、Eガラス、Sガラス、又はECRガラスなどの任意の好適な材料であり得る。各ストリップ22は、引き抜き成形プロセスを使用して形成され得る。
【0099】
本発明のこの実施形態では、ストリップ22は、樹脂が硬化するときにストリップ22が第1のスキン12に接合され得るように、第1のスキン12の一部を形成する樹脂がまだ硬化している間に、第1のスキン12の外面に位置決めされる。複数のストリップ22が第1のスキン12に取り付けられるまで適所に留まることを確実にするために、一時的なストラップ組立体24を使用して、第1のスキン12がマンドレル16の周りを回転するときに複数のストリップ22と接触させたままにして、更なるストリップ22を位置決めすることを可能にする。
【0100】
本発明の他の実施形態では、図4に示されるように、複数のストリップが裏打ちスクリム26に仮接合され得る。したがって、複数のストリップ22は、個々のストリップとしてではなく、単一の組立体として第1のスキン12に取り付けられ得る。これは、例えば、浴室及びキッチンのモザイクタイルに類似しており、当該モザイクタイルは、タイルを個々のタイルではなく大きいシートで壁に適用することができるように裏当て層に装着される。
【0101】
裏打ちスクリム26の使用は、ストリップ22の第1のスキン12への取り付けを簡素化し得る。しかしながら、ストリップ22を裏打ちスクリム26に仮接合するプロセスは、図3に示される方法では必要とされない、追加的なプロセスステップが必要である。
【0102】
本発明の更なる実施形態では、ストリップは、剛性又は可撓性の治具によって第1のスキンの適所で保持され得、当該治具は、(その内面又は外面のいずれかの)第1のスキンの外周の周りのストリップの所望の間隔を確実にするように適合される。
【0103】
図5において、第2のスキン32は、複数のストリップ22が全て第1のスキン12に位置決めされた時点で、第3の繊維を当該ストリップの周りに巻き付けることによって形成される。第2のスキン32は、第1のスキン12とともにロータ管2を形成する。第1の繊維と同様に、第3の繊維は、束ねられて第3の繊維トウ34を形成し、当該第3の繊維トウは、第3の繊維トウスプール35から分配され、樹脂浴21を通過して樹脂20をコーティングし、次いで、複数のストリップ22の周りに巻き付けられる。第3の繊維は、炭素、アラミド、バサルト、Eガラス、Sガラス、又はECRガラスなどの任意の好適な材料であり得る。
【0104】
最初に、(図3に示される一時的なストラップ組立体24などの)一時的なストラップ組立体が、追加的な支持を必要とすることなくストリップ22を保持するための十分な量の第2のスキン32が形成されるまで、ストリップ22を適所で保持し得る。複数のストラップが一時的なストラップ組立体の本体の長さに沿って使用される場合、ストラップは、第2のスキン32が形成されるときに、順々に取り外され得る。
【0105】
巻き付けプロセスは、第2のスキン32が所望の厚さ、例えば2~4mmに形成されるまで継続され得る。第2のスキン32を形成するために必要とされる時間を削減するために、複数の第3の繊維トウ34は、(図2に示される)第1の繊維トウ14と同様に、分配、コーティング、及び巻き付けが同時に行われ得る。
【0106】
本発明のこの実施形態には含まれないが、本発明の他の実施形態では、第3の繊維の束を管軸18に対して90度に、及びロータ管2の長さに沿って間隔を置いて巻き付けることによって、外部円周リブが第2のスキン32に組み込まれ得る。本発明の更なる実施形態では、円周リブは、ロータ管2に対して別々に形成されて、第1のスキン12又は第2のスキン32に接合され得る。
【0107】
滑らかな外面を第2のスキン32に提供して、その下の繊維の層への圧密圧力を最大にするために、(例えば、最外の0.5mmの第2のスキンを形成する)第3の繊維の最外層が形成され得、第3の繊維トウ34は、管軸18に対して約90度(例えば、±88度)で配向される。
【0108】
第3の繊維トウ34をコーティングする樹脂20はまた、それが硬化するときにストリップ22に浸透し、それにより、第1のスキン12と同様に、第2のスキン32を複数のストリップ22に接合する。
【0109】
第1、第2、及び第3の繊維の異なる層の全体にわたって樹脂20が硬化した時点で、ロータ管2がマンドレル16から取り外され得る。
【0110】
以下、図6を参照すると、図2に示されるように形成された第1のスキン12と、図3に示されるように第1のスキン12に取り付けられたストリップ22の層と、図5に示されるように形成された第2のスキン32と、を備えている、ロータ管2が示されている。ロータ管2は、本発明の第2の態様の一実施形態に従ってロータ本体の一部を形成し、次に、図1に示されるロータセイルなどのロータセイルの一部を形成し得る。
【0111】
使用中にロータセイルの一部の形成するときに、ロータ管2のうちの1つ以上を備えているロータ本体がその円形の断面形状を維持し得るように、第1のスキン12及び第2のスキン32は、管軸に対して45~90度で配向された第1及び第3の繊維によって、管軸に垂直な円周方向/フープ方向の強度を有するロータ管2を提供する。一方で、使用中にロータ管2を備えているロータ本体が風による圧力によって生じる曲げ力に耐え得るように、その少なくとも一部が管軸と平行に配向された第2の繊維を備えているストリップ22は、管軸と平行な、軸方向の強度を有するロータ管2を提供する。
【0112】
以下、図7を参照すると、ロータ管2が断面で示されている。各ストリップ22は、実質的に長方形の断面形状であり、縁部が隣接したストリップ22の縁部に当接している。樹脂20は、隣接したストリップ22の間、及び第1のスキン12と、複数のストリップ22と、第2のスキン32との間の任意の間隙を満たし、第1のスキン12、複数のストリップ22、及び第2のスキン32を互いに接合するように作用する。
【0113】
樹脂20は、ロータ管の様々な構成要素を互いに接合するが、使用される樹脂量の低減は、材料コスト及び得られるロータ管の重量を好都合に低減し得る。したがって、ロータ管の層を互いに接合するために必要である樹脂を超える樹脂の使用を回避することが好ましくなり得る。
【0114】
したがって、図8は、図7に示されるロータ管2と同様のロータ管102を示しているが、ストリップ122が第1のスキン12及び第2のスキン32により密接に適合し得るように、複数のストリップ122の各々が弧状の断面形状であることを除く。また、ストリップ122の縁部は、各ストリップが隣接したストリップにより密接に適合し得るように角度付けされる。したがって、隣接したストリップ122間の、及び第1のスキン12と、複数のストリップ122と、第2のスキン32との間の空間が、図7に示されるロータ管2と比較して低減されるため、空間を満たして部品を互いに接合するために必要とされる樹脂20がより少なくなり得る。したがって、ロータ管102は、より少ない材料コストで、及びより少ない重量で製造され得る。
【0115】
ストリップもまた、それらの第1のスキン12への取り付け、及び第2のスキンが形成される間のそこでの保持の容易さが向上するように成形され得る。例えば、図9では、複数のストリップ222を備えている、本発明の第2の態様の別の実施形態に従ってロータ本体の一部が形成され得るロータ管202が示されている。各ストリップ222は、隣接したストリップ222の異形縁部229に対して入れ子になるように成形された、異形縁部229を有する。それによって、各ストリップ222は、その隣接したストリップ222が適所に留まることを促し、ストリップ222を適所で保持するための一時的なストラップ24(図3に示される)又は第2のスキン32(図5に示される)への負担を低減し得る。
【0116】
同様に、図10では、隣接したストリップ322の異形縁部329とインターロックする異形縁部329を備えている複数のストリップ322を備えている、ロータ管302が示されている。
【0117】
ロータセイルは、そのロータ本体が18~48mの長さであることを必要とする一方で、巻き付けプロセスは、形成するロータ管の長さが6~15mに制限され得る。したがって、本発明の実施形態では、2つ以上のロータ管を互いに同軸で互いに接合して、ロータセイルの一部を形成するのに適した単一のロータ本体を形成し得る。
【0118】
本発明の第2の態様の一実施形態に従ってロータ本体の一部を形成し得る2つのロータ管は、任意の好適な手段によって接合され得る。例えば、図11では、第1のロータ管402aの端部、及び直径が第1のロータ管402aの端部に等しい第2のロータ管402bの端部が互いに当接される。第1のロータ管402a及び第2のロータ管402bの当接縁部は、樹脂又は接着剤20で接合される。
【0119】
部品を一緒に接続する樹脂20の応力集中を低減するために、ロータ管402a、402bの端部は、積層厚さがテーパ状であり、積層厚さは、第1のスキン、ストリップの層、及び第2のスキンを組み合わせた厚さである。本発明のこの実施形態では、各ロータ管402a、402bは、テーパ状の縁部440を備え、各ロータ管402a、402bの積層厚さは、外側の第2のスキン32から内側の第1のスキン12に向かってテーパ状である。楔形状の第1の接合部品442aは、テーパ状の縁部440によって形成された溝を満たし、一方で、平坦な第2の接合部品442bは、各ロータ管402a、402bの第1のスキン12の接合部分及び隣接部分を覆う。
【0120】
接合部品442a、442bは、構造用接着剤でロータ管402a、402b上へ接合される前に、別々に接合又は積層及び硬化されるロータ管402a、402b上へ直接積層及び硬化され得る。
【0121】
図12では、2つのロータ管502a、502bは、図11に示されるのと同様にロータ管402a、402bと接合されるが、ロータ管502a、502bがテーパ状の縁部540を備えており、各ロータ管502a、502bの積層厚さが内側の第1のスキン12から外側の第2のスキン32に向かってテーパ状であることを除く。それに応じて、接合部品442a、442bは、楔形状の第1の接合部品442aがロータ管502a、502bの内面に位置決めされ、平坦な第2の接合部品442bがロータ管502a、502bの外面に位置決めされるように反転される。
【0122】
図13では、図12に示される第1のロータ管502aが、図11に示される第2のロータ管402aに接合される。したがって、テーパ状の縁部440、540が互いに対して当接し、楔形状の接合部品に対する必要性を除去し、2つの平坦な接合部品642の使用を可能にする。
【0123】
外面から積層厚さをテーパ状にして、図11に示されるテーパ状の縁部440を形成することは、図14に示されるように、硬化後であるが、マンドレル16によって内部が依然として支持されている間に、ロータ管402をテーパ状に研削することによって達成され得る。それにより、外側セクション444がロータ管402から取り外される。
【0124】
例えば図12に示されるテーパ状の縁部540を形成するために、内部テーパが必要な場合、これは、図15に示されるように、ロータ管502をマンドレル16上の楔形状の部品46の上に巻き付けることによって達成することができる。次いで、ロータ管502を外側から研削して、外側セクション544を取り除き、テーパ状の縁部540を残し得る。
【0125】
図16では、ロータセイルの一部を形成するのに適したロータ本体603は、図11図13に示されるように互いに接合された6つのロータ管402、502を備えている。各ロータ管402、502は、それらが各々形成されるマンドレルのテーパのため、錘台形状である。等しい直径の端部を接合して図11図13に示される接合手段を容易にすることを確実にするために、ロータ管402、502のいくつかは、他のロータ管402、502のテーパとは反対方向のテーパで配向される。
【0126】
しかしながら、本発明の他の実施形態では、ロータ管は、互いに重なり合うように互いに接合され得る。
【0127】
図17では、第1のロータ管402aの端部は、第1のロータ管402aの端部よりもわずかにより大きい直径を有する第2のロータ管402bの端部内で受容される。端部は、図11図13の接合端部と同様に、樹脂又は接着剤20で接合され、第1の接合部品742a及び第2の接合部品742bは、接合部の内面及び外面を覆う。
【0128】
図18では、第1のロータ管502aは、図17に示されるのと同様に第2のロータ管402bと接合されるが、第1のロータ本体が、樹脂又は接着剤20で満たすことを必要とする第1のロータ管502aと第2のロータ管402bとの間の広い空間が存在することを回避するためにテーパ状である、テーパ状の縁部540を備えていることを除く。それにより、ロータ管502a、402bは、より低い材料コストで接合され得、かつ追加される必要とされる追加重量がより少なくなり得る。
【0129】
図17及び図18に示されるように接合されたロータ管402、502は、図19に示されるようなロータ本体703を形成し得る。
【0130】
以下、図20を参照すると、本発明の第2の態様の別の実施形態に従ってロータ本体の一部を形成し得るロータ管802は、複数のストリップ822を備えている。ロータ管802は、図7に示されるロータ管2と同様であるが、各ストリップ822が、空隙28を備えた中空ストリップであることを除く。
【0131】
各ストリップの空隙のため、ストリップは、同じ量の材料を使用し、それにより同じ重量を有するにもかかわらず、より大きい断面積で形成され得る。したがって、第1のスキン12及び第2のスキン32は、図7に示されるロータ管2のスキンと比較して、ロータ管802内で更に離間され得る。第1のスキン12及び第2のスキン32の増加した間隔は、発泡体コアの寄生コスト又は重量も、ストリップの材料コスト又は重量も増加させることなく、ロータ管802の円周方向の曲げ強度及び剛性を高め得る。この高められた曲げ強度及び剛性によって、円周リブに対する必要性を回避することができる。
【0132】
図21では、ロータ管902は、ロータ管802と同様であるが、断面で台形である複数のストリップ922を備えていることを除く。換言すれば、他のストリップの縁部に対して当接するストリップ922の縁部は、ストリップ間の間隔が低減され得、かつ空間を満たすために必要とされる樹脂20の量もまた低減されるように角度付けされる。
【0133】
図22では、ロータ管1002は、図20及び図21に示されるロータ管802及び902と同様であるが、各ストリップがより広いこと、及び複数の空隙28を備えていることを除く。これは、ストリップ1022の剪断強度を犠牲にすることなく、ストリップ1022を形成するために必要とされる材料の効率を更に高める。各ストリップは、図21に示されるストリップ922と同様の角度付き縁部を備えて形成され得、更に、図8に示されるものと同様の弧状断面122を備えて形成され得、それによって、ロータ管1002に存在する間隔を低減し、かつ必要とされる樹脂量20を低減する。
【0134】
図20図21、及び図22に示されるような中空ストリップを備えた2つのロータ管は、中実ストリップを備えたロータ管について図11図12、及び図13に示される方法と同様に接合され得る。しかしながら、中空ストリップを備えたロータ管を接合する場合、使用中にロータセイルの一部を形成するときに、接合されたロータ管を備えているロータ本体の安定性を確実にするために、空隙が封止されることが好ましくなり得る。
【0135】
図23では、2つのロータ管802が接合される(しかし、ロータ管902及び1002を接合するために、同様の手段が使用され得る)。ロータ管802の増加した積層厚さのため、実質的に第1のスキン12から第2のスキン32まで延在するテーパ部を長くすることが必要になり、また、大量の材料の除去が必要になる。これを行うのではなく、各ロータ管は、2つのテーパ状の縁部840を備え、1つが第1のスキン12からテーパ状になり、1つが第2のスキン32からテーパ状になる。空隙が最小限の樹脂20の量で封止され得ることを確実にするために、テーパ状の縁部840のいずれも空隙28の中へ延在しない。図11及び図12に示されるものと同様の楔形状の第1の接合部品842a及び第2の接合部品842bが、接合部の各側に適用される。
【0136】
以下、図24を参照すると、本発明の第2の態様の別の実施形態に従ってロータ本体の一部を形成し得るロータ管1102が示されている。ロータ管1102は、第1のスキン12を備え、第2のスキンは備えていない。
【0137】
本発明のこの実施形態では、第1のスキン12は、図2に示される方法に従って作製され得、マンドレルから取り外され得る。複数のストリップ1122は、本発明の先に説明した実施形態のように外面ではなく、後で、第1のスキン12の内面に追加される。第1のスキン16内の樹脂は、マンドレルから除去するために硬化させる必要があるため、ストリップ1122は、構造用接着剤20で適所に接合される。
【0138】
有利には、巻き付けは、単一の動作で行うことができ、第2のスキンが巻き付けられる前にストリップを適所で保持する必要性を取り除く。更に、軸方向材料の量は、曲げモーメントの変動に合わせるように、(より多くのストリップを局所的に追加することによって)ロータの長さに沿ってより容易に変化させ、それによって、軸方向材料の総重量及びコストを最小にすることができる。
【0139】
また、実際の厚さのより高価な炭素繊維ストリップは、連続層において当接させるのではなく分散させることができるため、ガラス繊維の代わりにコスト効率的に使用することができる。連続層では、直径5mのロータ本体上に必要とされる炭素繊維の厚さは、約1~2mmだけであり、これは、本発明の先に説明した実施形態には、良好な曲げ強度のために第1及び第2のスキンを分離するための引き抜き成形品による恩恵がほとんどないことを意味する。本発明のこの実施形態では、例えば50mmの幅、5mmの厚さ、及び150mmの間隙である寸法を有する、より幅の狭いストリップを使用することができる。炭素繊維は、強度がより高く、かつより軽いので好都合であり、具体的には、炭素繊維は、ガラス繊維よりも良好な耐疲労性を有する。炭素繊維の強度的な利点は、繊維の直線性が有益であるため、引き抜き成形されるときに特に顕著である。したがって、本発明の実施形態に従ってロータセイルの軸方向に炭素繊維を使用することは、1kg当たりの炭素繊維材料がより高価な場合であっても、ガラス繊維を使用するよりもコスト効率的であり得る。
【0140】
追加的に、フィラメントワインディング機械は、典型的には、ロータセイルの一部を形成するために使用されるロータ本体の所望の長さよりも短い、最大マンドレル長を有する。したがって、本発明の第2の態様の実施形態によるいくつかのロータ本体は、互いに接合する必要があり得、それら間の接合部は、全部の軸方向荷重を担持する必要があり得る。図24に示される本発明の実施形態では、複数のロータ管1102は、ストリップ1122が接合される前に接合することができる。よって、ストリップ1122は、図25に示されるように、各接合部全体にわたって連続しており、必要とされる軸方向強度を提供し、一方で、接合部全体にわたって適用される第1のスキン12及び接合部品1142は、厚さ2~3ミリメートルの二軸(±45度)材料によって容易に対応される比較的低い剪断力を伝達することだけしか必要としない。
【0141】
しかしながら、2つのスキンの中央に引き抜き成形品がなければ、円周方向の曲げ強度に対する第1のスキン12の必要とされる厚さは、より多くの第1の繊維を使用して構成しなければならない。換言すれば、第1のスキン12をより厚くしなければならない。更に、引き抜き成形品を第1のスキン12に接合する第2のステップが必要であり、大量の接着剤20が必要であり、これは、コスト及び重量を追加する。
【0142】
以下、図26を参照すると、2つのロータ管を接合する更なる手段が示されている。この接合手段は、図6図25に示される管のうちのいずれかに適用され得るが、図7に示されるロータ管2が一例として使用される。接合部品1242は、接着剤(図示せず)を使用して、接合されるロータ管2の各々に接合される。各接合部品1242は、他の接合部品1242の半径方向面に対して当接するように適合された半径方向面1243を備えている。次いで、2つの接合部品1242は、ボルト組立体1248を使用して、一緒にボルト締めされる。
【0143】
この接合手段の利点は、輸送のためにロータ本体を分解することが可能であること、及び図1に示される円周リブ5などの円周リブを組み込むように適合させることができることである。
【0144】
本発明の所定の態様、特徴又はパラメータに対する選好及び選択肢は、文脈が別段の指示をしない限り、本発明の他の全ての態様、特徴及びパラメータに対するあらゆる選好及び選択肢と組み合わせて開示されたものとみなされるべきである。
図1
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